6
2017/11/13 1 アウトライン情報の引用 レポート・論文作成講座 第3回 執筆編 2回のまとめ 課題の内容を分析 関連する概念の整理 テーマ の設定 情報源を検索 文献の評価 文献の入手 情報 収集 2 本日の内容 • 集めた情報を整理 • レポートの設計図 アウト ライン • レポートらしい文章 • 引用の作法 執筆・ 引用 3 レポートチェックポイント すべての文章が意味を取れるように なっている 段落分けができている だ・である調の文体である 引用文献がある 引用箇所が明示されている 決められた文字数を満たしている 誤字・脱字がない 一連の文章が適切に展開できている 4 文献収集の結果 5 肥満への影響の 調査結果 ファーストフー ドの カロリー一覧 ファーストフー ドの栄養素 低年齢層への マーケティング 食習慣の変化 日本の子どもの 肥満率の変化 味覚の発達への影響 将来の嗜好への影響 店舗数の変化 主な利用層 日本には1970年代から 外国の食文化 テーマの設定 目標文 序論 小さな主張への分割 主張の論証 本論 主張の再確認 全体のまとめ 結論 レポートの構成 6 『大学でどう学ぶか 2016[3]』より一部編集

第 回のまとめ アウトライン 引用 · 2019-07-05 · 一連の文章が適切に展開できている 22 アウトラインの精緻化 主張と根拠をセットにする

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2017/11/13

1

アウトラインと

情報の引用

レポート・論文作成講座第3回

執筆編

第2回のまとめ

• 課題の内容を分析

• 関連する概念の整理

テーマ

の設定

• 情報源を検索

• 文献の評価

• 文献の入手

情報

収集

2

本日の内容

•集めた情報を整理

•レポートの設計図

アウト

ライン

•レポートらしい文章

•引用の作法

執筆・

引用

3 レポートチェックポイント

すべての文章が意味を取れるようになっている

段落分けができている

だ・である調の文体である

引用文献がある

引用箇所が明示されている

決められた文字数を満たしている

誤字・脱字がない

一連の文章が適切に展開できている

4

文献収集の結果 5

肥満への影響の調査結果

ファーストフードの

カロリー一覧ファーストフードの栄養素

低年齢層へのマーケティング

食習慣の変化

日本の子どもの肥満率の変化

味覚の発達への影響

将来の嗜好への影響 店舗数の変化

主な利用層

日本には1970年代から

外国の食文化

• テーマの設定

• 目標文序論

• 小さな主張への分割

• 主張の論証本論

• 主張の再確認

• 全体のまとめ結論

レポートの構成 6

『大学でどう学ぶか 2016[第3版]』より一部編集

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2

• ファーストフードの普及(背景)

• 子どもの食生活への影響を明らかにし,「食

育」の必要性を示す(目標)序論

• 肥満への影響の調査結果 → 栄養素の偏り

• 味覚の発達への影響 → 将来の嗜好への影響

• 低年齢層へのマーケティング → 肥満率の変化本論

• 肥満や味覚の発達への影響

• ファーストフードに依存した食生活の見直し

• 小さな頃から「食育」が必要結論

レポートの構成 7 概念の整理

1. 日本におけるファーストフード

日本でのファーストフードの登場:1970年代に日本に

特に若者たちに外国の食文化としてとして歓迎され、その後、低価格で手軽な食事として、ファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになっていった

2. ファーストフードの子どもの食生活への影響

しかし現在では、負の側面が指摘されることが多くなっている

ファーストフードの高カロリーで栄養価が低い点や肥満への影響への指摘

子どもの食生活の変化による味覚の未発達などへの影響の調査

企業の低年齢層へのマーケティングの強化も問題視されている

3. 子どもの食生活を守るために

ファーストフードに依存した食生活の見直し

小さな頃から「食育」が必要8

Wordでのアウトライン作成 9レベルの設定

本文は1行のみ

章ごとにグループ化

順番の入れ替え可

アウトラインの役割

適切な論理展開

レポートに記述する内容を順に整理あとで迷わないための見取り図

10

地図があったら迷わない!

執筆・引用

レポートチェックポイント

すべての文章が意味を取れるようになっている

段落分けができている

だ・である調の文体である

引用文献がある

引用箇所が明示されている

決められた文字数を満たしている

誤字・脱字がない

✓一連の文章が適切に展開できている

12

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3

だ・である調の文体である

書き言葉で書く✖ですます調「~と思いました」◯である調「~である」「~と考えた」

著名な学者・研究者でも,学術的に同じ立場で言及する✖「~先生は・・・と仰っています」◯「~は・・・と述べている」

13 読解が難しい文章の例

顔の顔たちがおさまっている秩序だった配置は、眼差しの離脱をうけいれた唯一無二の顔、つまりは画面の一劃に凍結されることのない生きた肉体の顔を、まるでいいあわせでもしたように視線の顔を集中させて外部へと排除することでゆるぎのない構図におさまっているのだから、絵画の完成は構図成立の決定的な要因となりながらも鮮やかな欠落としてある外部の顔の権威確立にではなく、かえって、絵画成立の基盤そのものとしてある空間からそれを完全に追放するにこそ貢献したというべきであろう。

14

蓮實重彦『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』(河出文庫版)p.22より

文章が複雑になる原因

一文が長い

文章の切れ目がない

まとまりがない

15

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響を考えるが日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べたところファーストフードはアメリカから1970年代頃に日本に輸入され低価格で手軽な食事としてファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきたことがわかりました。

短く簡潔に

適切に「、」,「。」で文章を区切る

短く簡潔な文章 → 分かりやすい文章

16

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響を考えるが日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べたところファーストフードはアメリカから1970年代頃に日本に輸入され低価格で手軽な食事としてファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきたことがわかりました。

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響について検討する。日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べた。ファーストフードは、アメリカから1970年代頃に日本に輸入された。低価格で手軽な食事として、ファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきた。

適切な接続詞の利用

文章間の関係の明確化

重要な情報の焦点化など

17

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響を考えるが日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べたところファーストフードはアメリカから1970年代頃に日本に輸入され低価格で手軽な食事としてファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきたことがわかりました。

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響について検討する。はじめに日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べた。ファーストフードは、アメリカから1970年代頃に日本に輸入された。そして、低価格で手軽な食事として、ファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきた。

接続詞の種類 18

石黒圭『文章は接続詞で決まる』より

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4

段落分けができている

段落を作る段落は,1字字下げ

内容が変わったことを明確に

19

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響を考えるが日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べたところファーストフードはアメリカから1970年代頃に日本に輸入され低価格で手軽な食事としてファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきたことがわかりました。

本レポートではファーストフードが子供の食生活に与える影響について検討する。

はじめに日本でどのようにファーストフードが受け入れられてきたかを調べた。ファーストフードは、アメリカから1970年代頃に日本に輸入された。そして、低価格で手軽な食事として、ファミリー層や低年齢の子どもにも常的に利用されるようになってきた。

字下げ

パラグラフ・ライティング

パラグラフ(段落)1トピックを表すための構成単位

要約文と補足情報要約文 = トピックの表明補足情報= より詳しく説明した文

20

倉島保美『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』より

要約文

パラグラフ

補足情報

パラグラフ・ライティングの例

要約文負の側面の指摘

補足情報具体的な負の側面栄養価の偏り

肥満や未発達,味覚異常の誘発

指摘されはじめた年代,など

21

日本の食卓にファーストフードは普及した。しかし,現在では、負の側面が指摘されることも多くなってきている。1つはファーストフードにおける栄養価の偏りがある。そしてもう1つは、栄養価の偏りが肥満や未発達,味覚異常などの要因となりやすいことが挙げられる。このような指摘は・・・

レポートチェックポイント

✓すべての文章が意味を取れるようになっている

✓段落分けができている

✓だ・である調の文体である

引用文献がある

引用箇所が明示されている

決められた文字数を満たしている

誤字・脱字がない

✓一連の文章が適切に展開できている

22

アウトラインの精緻化

主張と根拠をセットにする主張 = 自分の文章根拠 = データや,他人の言説 = 引用

23

1. ファーストフードの子どもの食生活への影響• 現在では、負の側面が指摘されることが多くなっている• ファーストフードの高カロリーで栄養価が低い点や肥満

への影響への指摘(「日高ら「子どもの肥満 : 高カロリーファーストフードとスナック菓子」より)

• 子どもの食生活の変化による味覚の未発達などへの影響(厚生労働省「保育所における食事の提供ガイドライン」より)

情報を引用する

引用

出典

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2017/11/13

5

引用の必要性

• 自分の経験や主張だけ

• 思いついたことをそのまま

• →説得力なし✕

• 関連文献の内容を引用

• →説得力○

25 引用の方法

直接引用

•~は「・・・」と述べている。

間接引用

•~の論文では・・・であることが示

されている。

26

直接引用

元の文章の表現をそのまま引用する

引用部分を「 」などで示し,文献リストに出典を示す

引用の際,原則元の文章を一字一句すべてそのまま引用変更してはいけない

27

~は「・・・」と述べている。

直接引用の例

前コロラド大学総長のゴードン・ギーは、情報リテラシー概念の登場に関して、「情報リテラシーを身に付けた市民の育成という、より幅広い要求に対しては、コンピュータ重視のやり方では不適切なことが、その後、数年のうちに明らかになった」と述べている1)。

(引用文献)

1)ブレイビク,ギー.『情報を使う力』勁草書房、1995年.

28

間接引用

元の文章を内容のみを自分の言葉に変えて引用する

内容を引用した部分,または引用した文章の終わりに引用を示す印(文献番号,著者名と出版年)などを入れ,文献リストに出典を示す

29

~の論文では・・・であることが述べられている。

間接引用の例

前コロラド大学総長のゴードン・ギーは、情報リテラシー概念の登場に関して、情報リテラシーを身に付けた市民の育成のためには、コンピュータ中心の教育では不適切であることを述べている1)。

(引用文献)

1)ブレイビク,ギー.『情報を使う力』勁草書房、1995年。

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2017/11/13

6

著作権法上の引用

(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

31 引用の条件(文化庁)

ア 既に公表されている著作物であること

イ 「公正な慣行」に合致すること

ウ 報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること

エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること

オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること

カ 引用を行う「必然性」があること

キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

32

文化庁 著作権なるほど質問箱 http://www.bunka.go.jp/chosakuken/naruhodo/outline/8.h.html

引用のタブー

剽窃(ひょうせつ)本文中で引用部分を示さず,出典を明らかにせずに他者の文章を利用することコピペ

孫引き(まごびき)誰かが引用している内容について,元の情報を確認せずに,引用すること

33 引用事例の改善

引用例1✕引用部分の明確化, ✕出典の明記

引用例2✕長い直接引用→段落単位の引用(例4)

引用例3間接引用に

引用例4段落単位の引用,✕文がぶつ切れ

引用例5妥当な引用

34

次回仕上編

出典の表示と書式の設定