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情報科学B(11,12回)
コンピュータグラフィックス
佐藤尚
講義の主な内容
• コンピュータグラフィックスとは? • モデリング • レンダリング
• 最近の研究の紹介 • 自然物の再現 • リアルタイムレンダリング • ノンフォトリアリスティックレンダリング
CG技術を支える柱
• モデリング • CAD:コンピュータでものを設計をする • 3Dプリンタ
• レンダリング • アニメーション • インタラクション
モデルを作り出す
モデルから画像を作り出す
コンピュータと対話
3次元CGを作成するために
• モデル • ライト • カメラ
3次元CG作成のながれ
3Dモデルデータ作成
レンダリング
光源データ カメラデータ
画像
テクスチャデータ
アニメーションデータ
座標変換
デジタル画像
色の情報を数値データで表された画素の集まりによって表されたもの。
デジタル画像
• 色は3原色(赤、青、緑)の組合せで表現
レンダリング
フレーム バッファ
ディスク フィルムレコーダ
ビデオレコーダ
混色
• 異なる色を混合して別の色を作り出す • 三原色 • 加法混色と減法混色
3次元モデルデータの作成
3Dモデルデータ作成
3次元スキャンニング
対話的な手法
手続き的な手法
座標変換、 レンダリングへ
対話的な手法
手続き的な(Procedural)生成手法
• 形状などをプログラム(アルゴリズム)を生成 • 長所
• パラメータの変更で多様な形状を生成出来る • 多くの人手をかけないで生成可能 • 詳細度(LOD=Level Of Detail)の制御が簡単
• 短所 • 意図するものを作り出すのが難しい • 試行が面倒 • 計算時間がかかる
Proceduralな手法による画像
フラクタル(Fractal)
• 自己相似性(self similarity) • 全体の形状がその形状の各部分にも現れること
• フラクタル(図形) • 自分自身の縮小変換の集合で表せることができるような図形 • 自己相似性を持った図形
• 様々な自然物にはフラクタル的な性質を見つけることが出来る。
ブノワ・マンデルブロ(Benoît B. Mandelbrot, 1924年11月20日 - 2010年10月14日)はユダヤ人でフランス系アメリカ人の数学者。フラクタルの父として著名である。
コッホ曲線の生成 Koch curve
基になる線分を3等分する
中央部を折り曲げる
再帰的に繰り返す
フラクタル画像
マンデルブロ集合 ジュリア集合
© K.Fuchugami
IFS(Iterated Function System)で生成した図形
縮小変換:ある画像をその縮小コピーの 張り合わせとして近似する方法
縮小変換のためのパラメータ
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w
IFSでの画像生成例
• Fractral ferns(http://www.home.aone.net.au/~byzantium/ferns/fractal.html)より
樹木の生成プロセス
(1) (2) (3) (4) (5)
初期図形
L-System
• 植物の形状を形式文法で表す手法 • アリステッド・リンデンマイヤー(Aristid
Lindenmayer) • 初期値と変換規則から形状を作り出す。 • 興味のある人は、
algorithmicbotany.org
• variables : X ,F • constants : + − • start : X • rules : (X → F-[[X]+X]+F[+FX]-X), (F → FF) • angle : 25°
都市の生成
• L-systemのような考え方を都市の生成に適用する。 • “区画”を適当に決め、それに合うような建物を生成する。 • 建物の外観もL-systemのような考え方で生成する。
手続き的な手法
• フラクタルの利用が多い • 自己相似性(self similarity)
• 全体の形状がその形状の各部分にも現れること
• フラクタル • 自分自身の縮小変換の集合で表せることができるような図形
IFS(Iterated function System)で生成した図形
縮小変換:ある画像をその縮小コピーの 張り合わせとして近似する方法
縮小変換のためのパラメータ
!"
#$%
&+!"
#$%
&!"
#$%
&=!
"
#$%
&
fe
yx
dcba
yx
w
樹木の生成プロセス
(1) (2) (3) (4) (5)
初期図形
中点変位法
与えられた線分の中点を正規乱数に よって上下させる操作を再帰的に 繰り返す 山岳の輪郭の生成 線分の長さが短くなるに従って乱数の 標準偏差が小さくなるようにする
© M.Nakajima
中点変位法による山岳の生成例
3次元スキャンニングの手法
点単位測定法、ならい測定法 接触式計測
3次元画像計測
汎地球測位
受動的手法
能動的手法
GPS法(Global Positioning System)
単眼、両眼、多眼視
光レーザ法、光投影法 照度差ステレオ法 焦点調節法 等高線計測法
光レーザ法
アンテナから発振したレーザが対象物体の表面で反射し、帰ってくるまでの時間で距離計算する方式
レーザ光線 パルス発振
物体 往復時間
3次元スキャンニング装置の例
レーザで一周 測定できる形状は 顔程度
3次元モデルデータの表現
• ポリゴンモデル • 自由曲面モデル • ボクセルモデル • 点群モデル
モデリング(Modeling)
ポリゴン パッチ
物体の形状データを作り出す
もう一つのモデリング手法
• 積み木によるモデリング
ボクセル
最近流行(?)のモデリング手法
• 点群モデル( Point Sample Geometry ) • 表面上の点の集まりで物体形状を表現
3次元モデル生成の手順例
ベースになる基本立体を作る
頂点を移動させて、作りたいモデルの形に近づける
3次元モデル生成の手順例
パッチを持ち上げて、耳を作る
3次元モデル生成の手順例
色の決定と細部の修正
3次元モデル生成の手順例
細分割化
細分割化とは?
• 多面体をどんどん細かくしていって、滑らかな形状を作り出す手法
• 曲線の場合には、
再分割化とは?
1. 多角形の各辺を4等分する。 • 3:1と1:3に内分する点を求める
2. 各頂点でその右側と左側の内分点を結び、新しい多角形を作る。
3. 以上の操作を繰り返す。
レンダリング(Rendering)
モデルデータから画像を作り出す
レンダリング
3Dモデルデータ作成
レンダリング
光源データ カメラデータ
画像
テクスチャデータ アニメーション
データ
座標変換
リアルな画像を目指して 1970年代頃までの画像
リアルな画像を目指して 最近の画像
ベジエ曲線によるアウトラインフォント
• TrueTypeフォントで2次Bezier曲線
• Postscriptでは3次Bezier曲線
レンダリングで行うこと
• 局所照明モデル • 大域照明モデル • 物体の見える部分の決定
• 物体と半直線との交点を求める
• 影の出来る部分の決定 • 基本的にはライトが見えなければ影 • 物体と半直線との交点を求める
• 色の決定
色の決定
• 自分自身の発光量や色 • 周りから照らされている光の発光量や色 • どれくらい光を反射しているか • 物体に関連するも
• 面の色計算:反射率、透過率、屈折率 • 表面の模様や凸凹
• 光源の特性に関連するもの • 平行光源、点光源などの光源の種類 • 明るさ、色
大域照明モデルのアイデア
• 色の決定 • 自分自身の発光量 • 周りから届く光の照射量 • 光の反射
• レンダリング方程式(Kajiya 1986)
€
L(x,ωo) = L0(x,ωo) + f (x,ωoΩ
∫ ,ω i)(ω i • n(x))Li(x,ω i)dω i
BRDF 周りから届く光の量
光の反射
• BRDF(双方向反射分布関数) • 二極性反射モデル • 拡散反射
• 指向性のない反射
• 鏡面反射 • 指向性のある反射 • 金属表面にできるハイライト
• サブサーフェース散乱 • 表面下散乱 • トランスルーセント
• 局所照明モデル • 直接、光があたるところだけ
• 大域照明モデル • 光の相互反射
トランスルーセント
人の皮膚
テクスチャデータ
テクスチャデータ情報
実物データの スキャンニング
人手で描く
手続き的な手法
レンダリングへ
テクスチャーマッピング
目や口などの絵を貼り付ける
アニメーションデータ
アニメーションデータ定義
モーションキャプチャ
対話的な手法
ダイナミックス
座標変換、 レンダリングへ
コンピュータアニメーションの基礎技術
• キーフレーム法 • モーフィング • ダイナミクス • モーションキャプチャ
キーフレーム法
• それぞれの動きを特徴付けるようなキーフレームを作る
• キーフレームから中割りによって、必要なフレームの絵を作り出す
モーフィング
• 異なる二つの画像や3次元形状モデルをもとに補間によって、アニメーションを作り出す方法
ダイナミクス
• 物理現象に基づいた物体の動きのアニメーション作成手法の総称
• 物理法則をもとにモデルを作成し、それを離散化して解く
• パーティクル • 粒子(パーティクル)の生成、移動、消滅の規則を定め、そ
れをもとに画像を生成する • 見た目の効果を物理法則になぞらえて画像を生成する手
法
煙の動き
• 煙は拡散する • 煙は移動する • 煙の移送速度は変化する
拡散 移動
空間を格子状に分割
繰り返し
非写実的な画像
• でも、情報は伝わる
リアルな画像ではないけれど
線画レンダリングの比較
輪郭線表示 黒の輪郭線表示
シェーディングのみ 輪郭線表示
輪郭線表示の比較
リアルな画像ではないけれど
リアルな画像ではないけれど
リアルな画像ではないけれど
SIGGRAPH2004
• 毎年夏にアメリカで開かれているCG関連の世界最大規模の学会
• 最新の研究発表 • CG技術の講習会 • 大規模な展示会なども開かれる • Electric theaterでのCG映像紹介
CGの表現技術の発展
始まりは? サザーランドのスケッチパッド
CGの表現技術の発展1960年代
• ワイヤーフレーム • 陰線消去
この時代の貢献
• Roberts (1963), Appel (1967) – 陰線消去
• Warnock (1969), Watkins (1970) – 陰面消去
• Sutherland (1974) – ソート法による可視判定
CGの表現技術の発展1970年代
• 陰面消去 • シェーディング • マッピング
この時代の貢献
• Gouraud (1971) – 拡散反射 • Phong (1974) – 鏡面反射 • Blinn (1974) – 曲面、 テクスチャー • Catmull (1974) - Z-buffer法 • Crow (1977) - anti-aliasing
CGの表現技術の発展1980年代
• 光線追跡 • ラディオシティ • ボリュームレンダリング
この時代の貢献
• Whitted (1980) – 光線追跡法 • Goral, Torrance et al. (1984),西田ら(1984), Cohen (1985) – ラジオシティ法
• Kajiya (1986) – レンダリング方程式
課題
• 使いやすもの、使いにくいも • 使い方のわかりやすいも、わかりにくいもの • 7月15日提出