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人間工学実験Ⅱ(3 年生前期) Ⅰ.色彩科学実験 色の測定方法は,測定機器を用い に,物理測色は,分光測色方法と刺 成される複合光を波長ごとに分離す として知覚される.分光測色方法に よる色の変化(三刺激値の変化)を る物理測色を取り上げ,色彩を科学 Ⅱ.スポーツ健康科学実験 「運動時 呼気ガス分析装置を用いて自転車 る。その関係より人体の運動のエネ ルゴメーター運動中の「運動経過時 その関係より運動の時間経過による 自転車エルゴメータ「物体色の分光測定」 いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二 刺激値直読方法とに分類される.分光とは,さ することである.同一物体であっても照明光が によって物体の分光反射率(透過率)を取得す を計算によって求めることができる.本実験学する色彩の心理と 時の酸素消費量とエネルギー効率」 車エルゴメーター運動中の「運動強度と酸素消 ネルギー効率を導きだす。次に,呼気ガス分析 時間と呼吸商(二酸化炭素排出量/酸素摂取量) る糖質、脂質の利用比率の変化を導きだす。 二つに大別される.さら さまざまな波長成分で構 が変化すると,異なる色 すると,照明光の変化に では,分光測色方法によ と科学 消費量との関係」を調べ 析装置を用いて自転車エ )との関係」を調べる。

Ⅰ.色彩科学実験 「物体色の分光測定」人間工学実験Ⅱ(3 年生前期) Ⅰ.色彩科学実験 色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

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Page 1: Ⅰ.色彩科学実験 「物体色の分光測定」人間工学実験Ⅱ(3 年生前期) Ⅰ.色彩科学実験 色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

人間工学実験Ⅱ(3 年生前期)

Ⅰ.色彩科学実験

色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

に,物理測色は,分光測色方法と刺激値直読方法とに分類される.分光とは,さまざまな波長成分で構

成される複合光を波長ごとに分離することである.同一物体であっても照明光が変化すると,異なる色

として知覚される.分光測色方法によって物体の分光反射率(透過率)を取得すると,照明光の変化に

よる色の変化(三刺激値の変化)を計算によって求めることができる.

る物理測色を取り上げ,色彩を科学する

Ⅱ.スポーツ健康科学実験

「運動時の酸素消費量とエネルギー効率」

呼気ガス分析装置を用いて自転車エルゴメーター運動中の「運動強度と酸素消費量との関係」を調べ

る。その関係より人体の運動のエネルギー効率を導きだす。

ルゴメーター運動中の「運動経過時間と呼吸商(二酸化炭素排出量/酸素摂取量)との関係」を調べる。

その関係より運動の時間経過による糖質、脂質の利用比率の変化を導きだす。

自転車エルゴメーター

「物体色の分光測定」 色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

に,物理測色は,分光測色方法と刺激値直読方法とに分類される.分光とは,さまざまな波長成分で構

成される複合光を波長ごとに分離することである.同一物体であっても照明光が変化すると,異なる色

として知覚される.分光測色方法によって物体の分光反射率(透過率)を取得すると,照明光の変化に

よる色の変化(三刺激値の変化)を計算によって求めることができる.本実験では,分光測色方法によ

,色彩を科学する.

色彩の心理と科学

Ⅱ.スポーツ健康科学実験

「運動時の酸素消費量とエネルギー効率」 呼気ガス分析装置を用いて自転車エルゴメーター運動中の「運動強度と酸素消費量との関係」を調べ

る。その関係より人体の運動のエネルギー効率を導きだす。次に,呼気ガス分析装置を用いて自転車エ

ルゴメーター運動中の「運動経過時間と呼吸商(二酸化炭素排出量/酸素摂取量)との関係」を調べる。

その関係より運動の時間経過による糖質、脂質の利用比率の変化を導きだす。

色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

に,物理測色は,分光測色方法と刺激値直読方法とに分類される.分光とは,さまざまな波長成分で構

成される複合光を波長ごとに分離することである.同一物体であっても照明光が変化すると,異なる色

として知覚される.分光測色方法によって物体の分光反射率(透過率)を取得すると,照明光の変化に

では,分光測色方法によ

色彩の心理と科学

呼気ガス分析装置を用いて自転車エルゴメーター運動中の「運動強度と酸素消費量との関係」を調べ

呼気ガス分析装置を用いて自転車エ

ルゴメーター運動中の「運動経過時間と呼吸商(二酸化炭素排出量/酸素摂取量)との関係」を調べる。

Page 2: Ⅰ.色彩科学実験 「物体色の分光測定」人間工学実験Ⅱ(3 年生前期) Ⅰ.色彩科学実験 色の測定方法は,測定機器を用いる物理測色と人の目で測定する視感測色の二つに大別される.さら

Ⅲ.生体流れ学実験

「流体の粘性係数とハーゲン・ポアゼイユの法則」

流体が変形を受けるときの抵抗する性質を粘性という。我々のまわりにある流体は、程度の差はある

が、このような性質をもっており、したがって、流れの中にある物体が受ける抗力(例:ゴルフボール

の空気抵抗)や、管路での流体輸送における所要動力(例:人工心臓の駆動動力)などは流体の粘性に

依存している。本実験では、細長い管の中を流れる水の流量と圧力差から、ハーゲン・ポアズイユの法

則(ハーゲンはドイツの技術者,ポアゼイユはフランスの医師

粘性について理解する。

血管内の血流

Ⅳ.生体の力学実験

「はりの曲げたわみと応力の計測」

私たちの周りには、家を支えたり、人体を支えたり

それらの構造体に力が加えられたとき、構造体は変形したり、こわれたりするおそれがある。構造体を正しく

デザインするためには、力を加えたときに生じるたわみの大きさや、壊れにくさを表す指標である応力を正確

に把握する必要がある。本実験では、集中荷重を加えて実験を行い、計測した結果を

結果と比較し、はりの曲げ理論を実験的に確認する。

「流体の粘性係数とハーゲン・ポアゼイユの法則」

流体が変形を受けるときの抵抗する性質を粘性という。我々のまわりにある流体は、程度の差はある

が、このような性質をもっており、したがって、流れの中にある物体が受ける抗力(例:ゴルフボール

の空気抵抗)や、管路での流体輸送における所要動力(例:人工心臓の駆動動力)などは流体の粘性に

は、細長い管の中を流れる水の流量と圧力差から、ハーゲン・ポアズイユの法

(ハーゲンはドイツの技術者,ポアゼイユはフランスの医師)によって水の粘性係数を求め、流体の

「はりの曲げたわみと応力の計測」 私たちの周りには、家を支えたり、人体を支えたり,自動車内の安全性を確保する

それらの構造体に力が加えられたとき、構造体は変形したり、こわれたりするおそれがある。構造体を正しく

するためには、力を加えたときに生じるたわみの大きさや、壊れにくさを表す指標である応力を正確

では、集中荷重を加えて実験を行い、計測した結果を

理論を実験的に確認する。

衝突安全ボディ

「流体の粘性係数とハーゲン・ポアゼイユの法則」 流体が変形を受けるときの抵抗する性質を粘性という。我々のまわりにある流体は、程度の差はある

が、このような性質をもっており、したがって、流れの中にある物体が受ける抗力(例:ゴルフボール

の空気抵抗)や、管路での流体輸送における所要動力(例:人工心臓の駆動動力)などは流体の粘性に

は、細長い管の中を流れる水の流量と圧力差から、ハーゲン・ポアズイユの法

によって水の粘性係数を求め、流体の

,自動車内の安全性を確保するための構造体がある。

それらの構造体に力が加えられたとき、構造体は変形したり、こわれたりするおそれがある。構造体を正しく

するためには、力を加えたときに生じるたわみの大きさや、壊れにくさを表す指標である応力を正確

では、集中荷重を加えて実験を行い、計測した結果を生体の力学で学んだ

ボディ

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Ⅴ.温熱環境実験

「サーモトレーサによる生体温度計測」

人体の皮膚の一部である「顔」の温度を放射温度計「サーモトレーサ」で計測し、顔面の皮膚温度

分布の観察、室内温湿度環境下で顔面からの放熱量の推定を行い、快適性の理解を深める。同時に、

放射温度計の原理を理解する。

Ⅵ.福祉ロボット・メカトロ実験

「腕ロボットの制御とフレキシブルゴニオメータによる角度計測」

マイコンを用いた装置のハードウェアとソフトウェア(プログラム)を学ぶことで、我々の身の回り

で利用されている機能的な装置の基本的な仕組みと、新たな装置開発の基礎事項を学習する。また、人

間の腕を模して運動する装置から角速度などの情報を取得する方法および獲得したデータの処理手法に

ついて学ぶ。

人の動作運動分析

センサを用いた人の運動の分析

6軸ロードセル

筋電センサ

フレキシブル角度センサ

角速度、各加速度センサ

PC

カメラ

6軸ロードセル

筋電センサ

フレキシブル角度センサ

角速度、各加速度センサ

PC

カメラ

6軸ロードセル

筋電センサ

フレキシブル角度センサ

角速度、各加速度センサ

PC

カメラ

6軸ロードセル

筋電センサ

フレキシブル角度センサ

角速度、各加速度センサ

PC

カメラ

歩行車の機能評価

手すりの機能評価

「サーモトレーサによる生体温度計測」 人体の皮膚の一部である「顔」の温度を放射温度計「サーモトレーサ」で計測し、顔面の皮膚温度

分布の観察、室内温湿度環境下で顔面からの放熱量の推定を行い、快適性の理解を深める。同時に、

フィットネス前後の体表面温度

Ⅵ.福祉ロボット・メカトロ実験

「腕ロボットの制御とフレキシブルゴニオメータによる角度計測」

マイコンを用いた装置のハードウェアとソフトウェア(プログラム)を学ぶことで、我々の身の回り

で利用されている機能的な装置の基本的な仕組みと、新たな装置開発の基礎事項を学習する。また、人

間の腕を模して運動する装置から角速度などの情報を取得する方法および獲得したデータの処理手法に

歩行車の機能評価

手すりの機能評価

人体の皮膚の一部である「顔」の温度を放射温度計「サーモトレーサ」で計測し、顔面の皮膚温度

分布の観察、室内温湿度環境下で顔面からの放熱量の推定を行い、快適性の理解を深める。同時に、

フィットネス前後の体表面温度

「腕ロボットの制御とフレキシブルゴニオメータによる角度計測」 マイコンを用いた装置のハードウェアとソフトウェア(プログラム)を学ぶことで、我々の身の回り

で利用されている機能的な装置の基本的な仕組みと、新たな装置開発の基礎事項を学習する。また、人

間の腕を模して運動する装置から角速度などの情報を取得する方法および獲得したデータの処理手法に