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AI、IoT時代におけるデータ活用WG中間とりまとめに向けた論点(案)
平成28年12月22日内閣官房IT総合戦略室
資料1
目次
1.背景(1)技術及び社会の動向(2)制度的な動き(3)海外の動き(4)データ流通環境整備の必要性(5)データ流通・利活用に向けた課題(6)事業者による取り組み例
2.ワーキンググループの目指すべき方向(1)ワーキンググループのミッション(2)中間取りまとめで示す方向性と検討の視点
3.具体的提言(1)前提の整理(2)PDS、情報銀行、データ取引市場の定義(3)ユースケース(4)論点別整理 2
1.背景(1)技術及び社会の動向
有線及び無線のブロードバンドネットワークの整備、スマートフォンやIoT機器(センサー等)の普及、クラウド利用の進展、AIの進化等により、個人の行動履歴を含めた多種多様かつ膨大なデータを効率的かつ効果的に収集・共有・分析・活用できるインフラ・技術環境が実現。
【固定系ブロードバンドサービス※の契約数の推移】※FTTH、DSL、CATVインターネット及びFWAの合計。
【スマートフォン普及率】
【世界のIoT デバイス数の推移及び予測】 【世界のクラウドサービス市場の売上高推移】
出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))
出典:平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(総務省:平成26年11月調査、サンプル1,500人)から起票及び加工。
出典:総務省「平成28年版情報通信白書のポイント」 出典:IHS Technology(総務省「平成28年版情報通信白書のポイント」より) 3
1.背景(1)技術及び社会の動向
インターネットの普及等により情報の瞬時の拡散が可能となる中、サイバー犯罪・攻撃等のリスクが高まっており、個人に関する情報の管理について国民・消費者の意識が高まっている。AIの潜在能力を最大限に発揮させ、第四次産業革命(Society5.0)を実現するためには、多様かつ膨大なデータを流通・利活用できる環境を整備することが不可欠。
【世帯におけるインターネット利用で感じる不安(複数回答)】 【Society 5.0超スマート社会の実現】
出典:総務省「平成28年版情報通信白書」 出典:内閣府総合科学技術・イノベーション会議「第5期科学技術基本計画」4
1.背景(2)制度的な動き
匿名加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報)の類型を新設し、個人情報の取扱いよりも緩やかな規律の下、自由な流通・利活用を促進
個人情報加工 匿名加工
情報
復元識別できない
匿名加工情報
(参考) 個人情報保護法改正により新設された匿名加工情報
昨年の個人情報保護法改正により、匿名加工情報に関する規定が整備されたことで、まちづくり、防災・減災、医療(研究)等、社会全体に裨益する分野において、匿名加工されたデータの利活用が進展することが期待される。12月14日に公布施行された「官民データ活用推進基本法」に「多様な主体が個人に関する官民データを個人の関与の下で適正に活用することができるようにするための基盤の整備」が盛り込まれるなど(第12条)、データの適正かつ効果的な活用に向けた機運が高まっている。
(個人の関与の下での多様な主体による官民データの適正な活用)
第十二条 国は、個人に関する官民データの円滑な流通を促進するため、事業者の競争上の地位その他正当な利益の保護に配慮しつつ、多様な主体が個人に関する官民データを当該個人の関与の下で適正に活用することができるようにするための基盤の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(参考)「官民データ活用推進基本法」(平成28年12月14日公布・施行)関連条文抜粋
5
1.背景(3)海外の動き
EUでは、一般データ保護規則の成立などパーソナルデータの保護を強化しつつ、本人の意思を重視したデータ利活用を実現しようとする流れがある。
OECDにおいても、データの経済的及び社会的価値を最大化するといった観点からデータポータビリティやデータの相互運用性等について検討がなされている。
【EUデータ保護規則の概要】
出典:当ワーキンググループ第6回生貝様プレゼンテーション資料より
6
いわゆるデータには「個人情報を含むデータ」、「匿名加工されたデータ」、「個人に関わらないデータ」の3つの類型が考えられるが、データ流通の便益を社会全体と個人に還元するために、これらの3つの流通を全体として活性化することが急務。
※ 個人に関わらないデータであっても他のデータと組み合わせることによって、個人の特定につながる可能性があることに留意が必要
1.背景(4)データ流通環境整備の必要性
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
A社
個人情報を含むデータ例) 移動・行動・購買履歴、属性情報、ウェアラブル機器からのデータ等
本人同意契約等
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
・・・社
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
・・・社
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
X社
個人情報を含むデータの業種・業界を超えた流通により実現する便益(想定) 観光領域 訪日外国人の増加等観光関連産業の活性化 個人ニーズに応じたおもてなしサービス提供
金融・フィンテック領域 金融市場の活性化 資産の一元管理、最適な資産運用
ヘルスケア領域 健康寿命の延伸、医療費の削減 健康意識の向上、行動変容による健康増進
交通 渋滞緩和による環境改善、最適なインフラ管理 混雑状況や天候に応じた最適なナビゲーション個人に関わらないデータ
例)生産現場のIoT機器データ、橋梁に設置されたIoT機器からのセンシングデータ(歪み、振動、通行車両の形式・重量など) 等
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
・・・社
・・・
・・・
メリットの本人への還元
匿名加工データ例)個人を特定できないように加工された人流情報、商品情報等
7
1.背景(5)データ流通・利活用に向けた課題
データ互換性等の技術的課題各個人に関するデータが互換性のないまま様々な事業者によって管理されているため、本人が希望する場合であっても長期にわたるデータを名寄せ蓄積してディープデータとして利活用することができず、安全・安心かつ高度なパーソナライズド・サービスの実現にも限界があるのではないか。
便益が実感できないことによる漠然とした不安国民・消費者は、利活用の内容について十分な説明がなされない、または自らのデータが利活用される便益を理解・実感できていないため、事業者によるデータ利活用について漠然とした不安を抱き、第三者提供に関する同意に躊躇しているのではないか。(※)
自らのデータを把握・制御できない不安国民・消費者は、自らのデータがどのように事業者間で共有・利活用されているのかを把握・制御できておらず、不安を抱えているのではないか。
<国民・消費者の視点> <事業者の視点>
<セキュリティの視点>
データ利活用への躊躇プライバシー保護に関し国民・消費者が抱く漠然とした不安や、レピュテーションリスク、データの流通・利活用によってもたらされる便益に対する国民・消費者の理解が得られていないこと等を背景に、大多数の事業者は、企業や業界を超えたデータの流通・利活用を躊躇し、単一事業者(または資本関係等で結合された強固なグループ)でデータを囲い込む状況。
取り組み・進展はこれから一部事業者は、個人情報を適切に保護しつつ、データの利活用に積極的に取り組んでいるが、企業や業界を超えた利活用が十分進展しているとは言い難い状況。
API開放・互換性確保等の技術的課題多様な事業者が保有するデータの円滑な利活用を実現する上で、データ互換性確保、API開放、データポータビリティの実現等が課題となっている。
エコシステム全体でのセキュリティ課題様々な機器やシステムがネットワークに接続されるようになってきているが、個人情報を含め多様なデータの流通・利活用を進めるためには、データ流通のエコシステム全体におけるセキュリティ確保がより重要となっている。
※ 信頼に足る医師から説明を受けた患者の多くがデータ提供・活用に同意するといった実態があるなど、自らにとって有益または社会全体に貢献するサービス等を提供する事業者に対し、積極的にデータを提供する消費者も存在している。
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1.背景(6)事業者による取り組み例
本ワーキンググループにおいて、事業者ヒアリングを行った結果、構想または実証段階のものを含め、分野横断的なデータ利活用に向けた事業が動き出している。
出典:当ワーキンググループ第3回大日本印刷株式会社プレゼンテーション資料より
出典:当ワーキンググループ第5回エブリセンスジャパン株式会社プレゼンテーション資料より
出典:当ワーキンググループ第3回株式会社富士通研究所プレゼンテーション資料より(A市の地域健康プラットフォーム事業)
【おもてなしプラットフォーム「miQip」】【PHRにおける情報利用の事例】
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2.ワーキンググループの目指すべき方向(1)ワーキンググループのミッション
【ミッション】 個人情報を含め多種多様かつ大量のデータを企業や業界を超えて安全・安心に流通・利活用できる環境の整備について、技術、事業、制度面から検討すること。
新規事業・サービスの創出、我が国産業の競争力強化、経済活性化、国民生活の安全性や利便性の向上を実現し、急速な超少子高齢社会に向かう我が国が直面する課題の解決に貢献する。
技術面の課題 • セキュリティの確保• データの標準化、互換性の確保、APIの公開
事業面の課題• データ流通・利活用に関する透明性の確保• トレーサビリティ、データポータビリティ、データ削除の確保• PDS、情報銀行、取引市場による適正な業務遂行の確保• データの所有、利用等に関する権利の整理
制度面の課題• 事前相談窓口• 苦情処理・紛争解決手段• 国民が自らのデータを管理することについての普及・啓発・教育
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2.ワーキンググループの目指すべき方向(2)中間取りまとめで示す方向性と検討の視点
データ流通に関する国民の不安や不信感を払しょくするとともに、委縮している民間企業等がデータ流通・利活用を通じた新たなサービス提供等に積極的に取り組める環境を実現する。
① 国民・消費者の不安の払拭、事業者のレピュテーションリスク解消のため、「データ流通への個人の関与を強化する仕組み」について提言
・ 十分な情報に基づく個人の意思決定を可能とする、安全・安心かつ分かりやすい仕組みを実現。
・ 民間企業等により既に適法に提供されているサービスの展開や新たなサービス等の開発・提供を阻害しないよう配慮する。
・ 民間企業や国民が事前に相談できる事前相談窓口、データの不適切な利活用等に適切かつ迅速に対応できる苦情・紛争処理を含めた事後対応の仕組みを実現。
・ セキュリティに関する最新の技術動向や諸外国の動向等を踏まえ、環境変化に柔軟に対応できる枠組みを実現。
② PDS/情報銀行/データ取引市場の定義を整理 ・民間企業等の先行する取組や提案を踏まえ、現時点での定義を整理。
③ データ利活用による便益を国民が理解できるユースケースを提示
・データ利活用による便益を国民が理解し、単一事業者でデータを囲い込む状況から脱却し、データ流通・利活用が促進されるよう、国民一人一人及び社会全体が便益を享受できるユースケースを示す。・ユースケースごとに取り扱うデータの機微性、利用形態(常時か一時的か)、関係主体の広がり等が異なるため、PDSや情報銀行の実装に向けて取り組むべき課題が異なることにも言及。<ヘルスケア、観光、金融、人材の4分野を例示>
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3.具体的提言(1)前提の整理
PDS、情報銀行、データ取引市場ともに、現時点では構想・実証段階のものを含め、分野横断的なデータ利活用に向けた動きが出始めており、今後事業者による取り組みの進展が期待されるような状況である。
このような現状を踏まえると、確固としたルールを策定することは時期尚早ではないか。 しかしながら、消費者の信頼を得ながらデータを流通・利活用するビジネスが発展していくためには、現時点では、関係者による取り組みの参考となるよう、分野横断的かつ基本的な課題、推奨ルール等を提示することが有効ではないか。
これらを踏まえつつ、消費者を含めた多様な関係者が参画した実証実験や具体的なビジネスの取り組みが各分野で進められるとともに、ルール作りについての議論が深まることで、消費者の信頼・理解が得られていくのではないか。
当WGとしては、このようなマルチステークホルダープロセスによる実証実験等の取り組みを踏まえつつ、現実に即して、必要な支援策、制度整備や見直しについて検討を継続していくことが適当ではないか。
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民間企業等の先行する取組や提案を踏まえ、現時点では以下のように整理するが、今後ビジネスの動向を踏まえ適宜見直す可能性がある。なお、それぞれは排他的なものではなく、同一の者が複数の機能を担うことも想定される。
PDSとは個人が自らのデータを蓄積・管理するための仕組みであって、第三者への提供に係る制御機能を有するもの。形態としては、個人が自ら保有する端末等でデータを蓄積・管理する分散型と、事業者が提供するサーバー等でデータを蓄積・管理する集中型がある。
情報銀行(情報利用信用銀行)とは
個人との契約等に基づき、個人のデータを管理するとともに、個人に代わり妥当性を判断の上、他の事業者にデータを提供する事業。(データの提供・活用に関する便益は、データ受領事業者から直接的または間接的に本人に還元される)
データ取引市場とはデータ保有者と当該データの利活用を希望する者とを仲介し、売買等による取引を可能とする仕組み(市場)。(価格形成・提示、需給マッチング、取引条件の詳細化、取引対象の標準化、取引の信用保証等の機能を担うことが想定される。)
3.具体的提言(2)PDS、情報銀行、データ取引市場の定義
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3.具体的提言(2)PDS、情報銀行、データ取引市場の定義
PDS
PDS
個人a
PDS(分散型)
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者A
事業者B
事業者C
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者E
事業者F
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者D
PDS
個人a
PDS事業者
個人b
PDS(集中型)
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
個人に関するデータ
個人に関するデータ
個人に関するデータ
事業者A
事業者B
事業者C
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者E
事業者F
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者D
事業者が提供するサーバ等でデータを蓄積・管理
個人が自らのデータを安全に蓄積・管理・活用することができる。AとBのデータを
提供
PDS
個人b
個人に関するデータ
個人に関するデータ
個人に関するデータ
BとCのデータを提供
管理・制御
管理・制御
個人が保有する端末等でデータを蓄積・管理
個人が自らのデータを蓄積・管理するための仕組みであって、第三者への提供に係る制御機能を有するもの。形態としては、個人が自ら保有する端末等でデータを蓄積・管理する分散型と、事業者が提供するサーバー等でデータを蓄積・管理する集中型がある。
個人aのデータ
個人bのデータ
PDSのイメージ
14
PDS
個人 預託
情報銀行
便益
情報銀行のイメージ
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
個人に関するデータ
個人に関するデータ
個人に関するデータ
事業者A
事業者B
事業者C
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者E
事業者F
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者D
AとBのデータを提供
・・・・
■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■
・・・
事業者から直接または間接的に本人に還元
※ 本人には便益が還元されず、社会全体にのみ便益が還元される場合もある。
個人との契約等に基づき、個人のデータを管理するとともに、個人に代わり妥当性を判断の上、他の事業者にデータを提供する事業。(データの提供・活用に関する便益は、データ受領事業者から直接的または間接的に本人に還元される)
便益
3.具体的提言(2)PDS、情報銀行、データ取引市場の定義
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PDS
個人 預託
データ取引市場
データ取引市場のイメージ
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
個人に関するデータ
IoTデータ
事業者A
事業者B
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者E
- -- -- -- -
ー ーー ーー ーー ー
事業者D・・・・
■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■
・・・
データ取引市場
情報銀行
便益
データ保有者と当該データの利活用を希望する者とを仲介し、売買等による取引を可能とする仕組み(市場)。(価格形成・提示、需給マッチング、取引条件の詳細化、取引対象の標準化、取引の信用保証等の機能を担うことが想定される。)
便益
3.具体的提言(2)PDS、情報銀行、データ取引市場の定義
※ データ取引市場におけるデータ提供主体としては、事業者、個人、情報銀行が想定される。16
スマホ等
PDS
通信事業者交通事業者等
SNS等アプリ提供事業者
観光事業者施設管理者交通事業者宿泊事業者
観光拠点の軸となる事業者が高付加価値のサービスを提供
文化施設運営事業者飲食店・商店
・観光関連マッシュアップ
データ
個人の属性情報・趣向に合わせたサービス、商品情報の提供
個人
・天気情報・交通情報・地域情報・高精度地図情報等
・位置・移動情報・言語情報等
・観光関連マッシュアップ
データ
データホルダー 個人の属性情報・趣向に適したサービス、商品・飲食店の情報を得ることができる
・パスポート情報・クレジットカード情報・出身(言語)情報等
IoTデバイスによるパーソナル情報
連携・生活情報
3.具体的提言(3)ユースケース①観光領域
オープンデータ等データホルダー
・趣味嗜好情報等・行動履歴情報
個人が自身に関する位置情報や生活情報、趣味嗜好情報等を収集し、サービスに応じて必要な情報を提供することで、観光拠点の軸となる事業者が付加価値の高い観光案内を個人に提供可能となる。また、観光拠点における各サービス事業者等と連携することで、観光地全体での「おもてなしサービスの実現」が期待される。
・有益なリアルタイム情報
・属性に応じた道案内
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スマホ等
PDS
銀行、クレジット会社
個人
データホルダー自分の資産状況を随時確認しながら、契約事業者やサービスを見直すことで、資産全体の最適な運用ができる
IoTデバイスによるパーソナル情報
3.具体的提言(3)ユースケース②金融・フィンテック領域
ポイント事業者
金融機関
公益事業者(電力・ガス・通信等)
個人の資産状況に合わせた金融商品の提案
・金融関連マッシュアップ
データ
・金融関連マッシュアップ
データ
・決済情報・生活情報
・資産情報・口座引落し情報
・児童手当、給付金、奨学金等の情報
オープンデータ等データホルダー
個人の利用状況に合わせた最適なプランの提案
個人が自身に関する資産情報、IoTデバイスから得られる決済情報等を収集することで、複数金融機関に分散した資産状況の一元管理が可能となる。さらに家族構成情報等をあわせて流通させることで、多様な金融機関から個人のニーズに合わせた資産運用やサービスパッケージの提案を受けることが可能となる。
・ポイント履歴
・利用可能な給付金情報
・家族構成等・年収等
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スマホ等
PDS
病院、診療所、薬局、保険者等
フィットネス事業社
個人
・自治体の健康支援情報・健康関連のイベント情報等
データホルダー 生涯に渡り、PHRの管理ができるとともに、生活改善のインセンティブによる積極的改善につながる
IoTデバイスによるパーソナル情報
・ヘルスケア情報・生活情報等
3.具体的提言(3)ユースケース③ヘルスケア
生命保険会社
・ヘルスケア関連マッシュアップデータ
個人の健康状態に合わせた保険の提案
・ヘルスケア関連マッシュアップ
データ
飲食店
・健診情報・診療情報・処方情報
個人の健康状態に合わせたメニューの提供
・運動メニュー・消費カロリー
オープンデータ等データホルダー
個人が自身に関する健診情報や生活情報等を収集することで、生涯に渡って医療・健康情報を管理できるようになる。また、各種情報を流通させることで、他の医療機関や事業者は個人の健康状態や生活環境に適した、診療やメニューの提供、保険サービス等を提供・提案することが可能になり、「重複検査・投薬の抑制」、「医療費の適正化」、「社会全体の健康寿命の延伸」の実現が期待される。
介護事業者健康情報を日情報生活の
情報を基に最適介護支援を提供
・ヘルスケア関連マッシュアップ
データ
・健康アドバイス
病院検査データに適した
最適な治療、処方の提供
・属性情報・アレルギー等
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スマホ等
PDS
高校、大学等
資格認定機関
個人
・資格試験情報・助成情報
データホルダー 自身の能力が適切に評価されることで、自身のキャリアアップ、収入やモチベーション向上につながる
・属性情報・自己申告
企業
・就業履歴・技能情報・評価情報
3.具体的提言(3)ユースケース④人材
人材会社クラウドソーシング
・人材関連マッシュアップ
データ
個人の意欲に適した職情報の提案
・人材関連マッシュアップ
データ
企業
・就学履歴・スポーツ経験・ボランティア活動
個人の能力に適した職種・職位の提案
・国家資格・英検等
オープンデータ等データホルダー
個人が自身に関する就学履歴や就業履歴、資格等の情報を収集し、流通させることで、個人の能力の適切な評価、キャリアアップとともに、適切な人材配置が可能となる。転職や再雇用の支援、クラウドソーシング、個人の意欲に適した職の提案等により、「社会全体での最適な人材活用」が期待される。
・有効な試験、助成等の情報
20
3.具体的提言(4)論点別整理
論点1: セキュリティ
PDS、情報銀行、取引市場自体のセキュリティをどう確保するのか。 安全性・信頼性を確保するための本人認証、通信の暗号化については、技術的な到達点を踏まえて何ができるかを検討する必要があるのではないか。
データを個人の端末等で蓄積管理し、データへのアクセス権のみを付与する分散型と、事業者のサーバー等で一括管理する集中型の考え方があるのではないか。
システムダウン等に備えたバックアップ体制が必要ではないか。 漏えいを完全には防止できないので、安全管理措置として高度な暗号化や秘密分散などの新技術を積極的に活用するようなインセンティブを付与することを検討すべきではないか。
情報銀行等からデータの提供を受ける第三者のセキュリティレベルをどう確保するのか。 情報銀行等に第三者のセキュリティレベルを保証等させるのは不可能であり、過度な負担ではないか。
一方でデータ主体たる消費者が第三者のセキュリティレベルを確認することは困難ではないか。情報銀行等が第三者のセキュリティレベルを確認することが、ユーザーへのアピール(付加価値)になるのではないか。
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3.具体的提言(4)論点別整理
論点2:データの標準化、互換性の確保、APIの公開、データの所有・利用等に関する権利の整理
農業分野におけるこれまでの取り組みを参照できるのではないか。各分野でデータの標準化等に取り組む必要があるのではないか。 本来であれば業界が集まってルール決めをするべきだが、競争環境下で事業者がAPI公開などに自主的に対応するよう誘導する仕組みは実現可能か。
公開した方が儲かるという流れが望ましく、そのような自主的なインセンティブは働かないか。 データ形式の標準化については、サービスの多様な形態の発展に応じて柔軟に対応できるような仕組みにする必要があるのではないか。
データの所有・利用等については、まずは利用規約等において消費者と情報銀行等と第三者の権利や義務を明示する必要があるのではないか。
22
3.具体的提言(4)論点別整理
論点3:事前相談窓口 民間企業や国民が事前に相談できる窓口が必要ではないか。
行政において、事業者に対する規制の事前相談、消費者に対する質問回答・情報提供の機能を一元的に提供する事前相談窓口を設置すべきではないか。所管外の法律に係る論点について、関連する機関に確認し、早期に応答することを義務付けてはどうか。
論点4: 苦情処理・紛争解決手段 データの不適切な利活用等の解決を全て裁判に委ねるとビジネスは回らない可能性があるため、適切かつ迅速に対応できる苦情・紛争処理を含めた事後対応の仕組みが必要ではないか。 事業者と消費者の両方の目を持つ相談員の人材育成が必要ではないか。特に消費者からの相談に対応する人材育成には、基本となるルールが必要ではないか。
情報銀行等には苦情処理を義務付け、情報銀行等からデータの提供を受けた第三者に対する苦情をも第一次窓口として受けるべきではないか。
ADRの機能については、①本人vs情報銀行等、②本人vs情報銀行等からデータの提供を受けた第三者、の間の事案について、相談・助言に加えあっせん・調停を担うものを中心に、金融ADRを参考に検討すべきではないか。
この分野に特化した相談を一元的に受けられる組織の要否については、政府の姿勢やビジネスニーズに掛かってくる問題ではないか。
紛争類型を絞った上で、情報銀行がサービス提供する上で生じ得る常識的リスクについては、情報銀行が第一義的に引き受ける方が、消費者の信頼を得やすいのではないか。 23
3.具体的提言(4)論点別整理
論点5:データ流通・活用に関する透明性の確保
サービス利用規約等において、データの流通・利活用状況の見える化を規定してはどうか。 提供先、利活用目的等を利用者に明示し、メリット・デメリットを理解した上で同意する分かりやすい仕組み・説明とインターフェースが必要ではないか。
特に現状はデメリットの説明が不足しており、誰でも分かる仕組みが必要ではないか。 スマートフォンのアプリで実現されるものについては、スマートフォンプライバシーイニシアチブの議論やプロセスを参考にできるのではないか。
24
3.具体的提言(4)論点別整理
論点6:トレーサビリティ、データポータビリティ、データ削除の確保
消費者視点からは、自らのデータがどの事業者に提供されているか、どのように活用されているかを確認でき、希望する場合には、利用を停止したり、データを他の事業者に移転したり、データを削除したりできることが望ましいのではないか。 多様なデータの流通・活用に向けて、PDS、情報銀行、データ取引市場のみならず、個人情報を管理する事業者を含め幅広い関係者が取り組むことが望ましいが、まずはPDS、情報銀行、データ取引市場の事業を営む者による対応を促すこととしてはどうか。
公的調達によるシステム開発等であって、収集・管理するデータのコピーを本人に対し電子フォーマットで提供することが有益なものについて、データポータビリティへの対応を推奨してはどうか。
論点7: PDS、情報銀行、取引市場による適正な業務遂行の確保
PDS、情報銀行、取引市場が適正に業務を遂行しているかを消費者自身が確認することは容易ではないが、データの流通・利活用を促進するため、事業者の業務遂行に対する消費者の信頼を得られるような仕組みが必要ではないか。 業務運営の中立性や透明性を示すための情報開示や、適正な業務運営が行われていることに対する第三者認証の仕組みが考えられるのではないか。
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3.具体的提言(4)論点別整理
論点8:国民が自らのデータを管理することについての普及・啓発・教育
国民・消費者にどのように浸透させるのかが課題。 普及、啓発の際にはアプリケーション、ユースケースが極めて重要ではないか。 情報の怖さ、自己責任等を若い世代に教育していく必要があるのではないか。
消費者からの相談に対応できる人材の育成が必要ではないか。
論点9:データの囲い込みの問題、オープンデータの推進
データを保有する事業者には、データを公開または流通させるモチベーション、インセンティブがあまりない。 データ公開・流通・利活用(オープンイノベーション)しないと競争上不利または生き残れないような環境を作り出すことを考えるべきではないか。インセンティブがあればエンフォースは必要ないのではないか。
まず国がオープンデータに率先して取り組むべきではないか。
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