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８章 ワークフロー・デモシステム
建築生産におけるワークフロー分析・計画技術の研究開発 平成１６年度報告書
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８．１ デモシステム開発の背景
ここまで，ワークフロー分析・計画技術の有効性に関して繰り返し解説してきた。IDEF0 による
業務プロセスのモデル分析手法そのものが予備知識なしでも比較的理解しやすく，また，建築分野
における適用事例を広範かつ微細に解説した本報告書により，筆者らの目的はほぼ達成されたと考
えている。ただし本報告書を充分な時間をかけて吟味した場合に限る，という条件は外せないだろ
う。報告書には既に必要十分な情報が記述されているが，それに付け加えて，ワークフロー分析・
計画技術の有効性をできる限り直感的かつ短時間で理解可能とする補助ツールがあればより効果的
である。
このような背景の下，デモ用のソフトウエアの制作が企画された。本章では，この企画により作
成されたデモシステムに関して解説する。
デモシステムは，ユーザ自らの操作によりワークフロー分析・計画技術が可能とする各機能を確
認できることを目的とする。各デモにはそれぞれ解説と操作方法が示されており，操作に関するマ
ニュアルを別途必要としないものを目指した。したがって本章では，デモシステムのインストール
手順を中心とする解説となっている。
デモシステムのデータストレージとしては，フリーウエアとはいえ本格的なデータベースである
PostgreSQL を採用したため，インストール手順は全体としては長くなっている。ただし，インスト
ールの各段階でユーザ各々の環境に依存して選択を迫る箇所はほとんどないので，手数は多いが難
しくはない。
多くの読者がデモシステムを実際にインストールし，ワークフロー分析・計画技術の効用を確か
められんことを期待している。
８．２ デモシステムの動作環境
デモシステムの動作環境としては以下を条件とする。これらを満たさない場合，動作が極端に遅
くなる可能性がある。 Microsoft Windows XP SP2以降またはMicrosoft Windows 2000 SP4以降を搭載するコン
ピュータ Microsoft.NET Framework SP2がインストールされていること 実メモリ512MB 以上が実装されていること Pentium4またはPentiumM 1.1GHz以上の性能のCPUを搭載していること ディスプレイ解像度 XGA（1024×768ピクセル）以上であること
８．３ デモシステムの構成
デモシステムは以下の構成で開発した。このうち.NET Framework に関してはマイクロソフト社
の Windows Update で自動インストールされるため，本章では解説していない。事情により
Windows Update を実行できないマシンでは，該当モジュールをマイクロソフト社のホームページ
よりダウンロードしてインストールする必要がある。 IDEF0図のデータおよび基準類図書のデータは，すべてリレーショナルデータベース
（PostgreSQL8.0）に保存（データベーススキーマは省略） ユーザインタフェイス（GUI)部は .NET Framework 環境における C# 言語にて記述（ソ
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ースコードは配布パッケージに含まれない） GUIとPostgreSQLとのデータの交信にはNpgsqlライブラリ（フリーウエア）を使用 Npgsqlライブラリは配布用パッケージに同梱
８．４ インストール
８．４．１ パッケージのダウンロード
本デモシステムのデータストレージとしては，フリーながら定評のある関係データベースシステ
ムであるPostgreSQL8.0 Win32版を採用した。 PostgreSQL8.0 Windows版は表８－１のURLから無償ダウンロードできるが，日本語化された
インストールパッケージであるpostgresql-8.0.1-ja.zipを選択しダウンロードする。通常版を選択し
た場合，以後の説明で使われる画面ダンプと食い違いを生じるので注意が必要である。次に，本デ
モシステム本体とバックアップデータをまとめたBRIWF.zipを建築研究所のホームページよりダ
ウンロードする。以後，説明の都合上，ダウンロードしたpostgresql-8.0.1-ja.zipとBRIWF.zipは共
にデスクトップ上にあるものとする。別フォルダに配置した場合は適宜読み替えていただきたい。
特別な理由がない限りデスクトップでの作業をお勧めする。 また，すでにPostgreSQL8.0.1および以前のバージョンをインストールし使用しているPCへのデ
モシステムのインストールは問題発生時の原因の切り分けが難しいので控えていただきたい。既存
システムへの上書きにより発生した問題に関して建築研究所は一切の責任を負わない。
表８－１ パッケージの入手先
PostgreSQLが置い てある国内サーバ
ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/misc/db/postgresql/win32
本デモシステムの 公開URL
http://www.kenken.go.jp/WF/BRIWF.zip
８．４．２ データベース（PostgreSQL）のインストール
インストール作業はすべて管理者（Administrator）権限で実行する。管理者権限なしでは
PostgreSQLはインストールできない。デスクトップ上のpostgresql-8.0.1-ja.zipをダブルクリック
すると圧縮ファイルが解凍されpostgresql-8.0.1-jaというフォルダが作成される。このフォルダを開
くと，図８－１のウインドウが開く。
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図８－１ PostgreSQL8.0.1の圧縮フォルダ
postgresql-8.0-ja.msi1がインストーラなので，このアイコンをダブルクリックする。以後，表示
されるダイアログ毎に画面ダンプを示し，その際の操作を説明する。キーボードからの入力は一カ
所（二つめのパスワード入力ダイアログ）のみである。環境によっては表示されないダイアログも
あるので注意が必要であるが，インストール作業そのものは単純である。 操 作 画面ダンプ
ステップ１･･･OK をクリック
ステップ２･･･次へ(N)をクリック
1 拡張子を表示しないフォルダ設定としてある場合には，アイコンで同定してほしい。
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ステップ３･･･スクロールして注意事
項を確認
ステップ４･･･次へ(N)をクリック
ステップ５･･･オプションは変更せず
次へ(N) をクリック
ステップ６･･･パスワード欄およびパ
スワードの確認欄はブランクのまま
次へ(N) をクリック
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ステップ７･･･はい(Y) をクリッ ク
ステップ８･･･OK をクリック
ステップ９･･･OK をクリック
ステップ１０･･･パスワード欄， パスワード欄に postgres と入力し
次へ(N) をクリック （注意）半角小文字で postgres と正
確に入力すること
ステップ１１･･･次へ(N) をクリッ
ク
ステップ１２･･･選択を変更せず次へ
(N) をクリック
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ステップ１３･･･次へ(N) をクリッ
ク
ステップ１４･･･インストールはおよ
そ 3 分～５分程
ステップ１５･･･終わる(F)をクリッ
ク
ステップ１６･･･はい(Y)をクリック
８．４．３ デモ用データのリストアー
PostgreSQL8.0が無事インストールされると，スタートメニューに管理ツールのメニューが登録
されるので，スタートメニューから下図８－２で赤く囲ったpgAdmin Ⅲを起動する。
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図８－２ pgAdminⅢを起動する
pgAdmin Ⅲを起動すると図８－３のウインドウが表示される。左側のペインで赤く囲ったアイ
コンをダブルクリックすると，図８－４の認証用のダイアログが表示されるのでインストール時に
入力したパスワード postgres を入力する。
図８－３ pgAdminⅢの画面ダンプ（起動直後）
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図８－４ 認証ダイアログ
認証に成功すると，pgAdminⅢウインドウの左側のペインのツリーにデータベース(０)というノ
ードが出現するので，これを選択する。選択状態でマウス右ボタンをクリックすると図８－５に示
すポップアップメニューが表示されるので新しいデータベースを選択する。
図８－５ データベースの作成
図８－６のダイアログが表示されたら名前テキストボックスにorthographicと正確に入力し，OKボタンをクリックする。このとき，データベース名を誤ったり，意図的に別名を入力した場合は，
デモプログラムから接続できない。
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図８－６ データベースの名称を設定する
orthographicデータベースが無事作成されるとpgAdminⅢウインドウの左側のペインのツリー
はデータベース(1)と表示が(0)から(1)へと変わっている。 再びデータベース(1)を選択状態とし，マウス右ボタンをクリックすると図８－７に示すポップア
ップウインドウが表示される。これからリフレッシュ(f)を選択する。
図８－７ 表示のリフレッシュ
さらにもう一度データベース(1)を選択状態とし，マウス右ボタンをクリックすると，今度は図８
－８に示すポップアップメニューが表示される。ポップアップメニューからリストアー(R)を選択す
る。
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図８－８ リストアー(R)機能を選択する
図８－９に示すデータベースのリストアーダイアログが表示されるので，赤く囲ったファイル参
照ボタンをクリックし，表示されたファイルチューザーからデスクトップに配置したBRIWFフォル
ダにあるortho.backupを選択する。OKボタンが選択可の状態になっているのこれをクリックする
ことによりデータのリストアーが始まる。コンピュータの性能にもよるが1分以内で終了する。（図
８－１０）
図８－９ デモ用データファイルを選択する
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図８－１０ リストアー完了
以上でデータベースのインストールおよびデモ用データのリストアーは完了した。
８．５ 動作の確認
BRIWFフォルダにある BRIDEMO のアイコンをダブルクリックする。PostgreSQLと正常に接
続できた場合／できなかった場合をそれぞれ表８－２に整理する。 表８－２ 動作状況の比較
正常に接続できた場合 正常に接続できない場合
「インストール失敗？」ダイアログは表示され
ない。各種のデモのボタンがアクティブ（選択
可能）状態になっている。
「インストール失敗？」ダイアログが表示され
る。OKボタンをクリックすると正常時と同じメ
インフォームが続けて表示されるが，各種デモ
のボタンはディザブル（選択不能）状態になっ
ている。
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正常に接続できない場合はPostgreSQL8.0を削除して 初からやり直す。「コントロールパネル」
－「プログラムの追加と削除」でアンインストールできる。 正常に接続できたらBRIDEMOのメインフォームの４つのボタンをクリックし各種のデモを起
動する。 各デモはモーダルに呼び出されるので，複数のデモを同時に立ち上げることはできない。また，
BRIDEMOそのものも複数が同時に立ち上がらないようにプログラムされている。
８．６ 制限事項・謝辞
1. BRIDEMOからPostgreSQLへの接続はローカルアドレス127.0.0.1固定である。
BRIDEMOからリモートホストにあるPostgreSQLには接続できない。 2. BRIDEMOはデモに用途を限定して開発したので，新たなデータの入力や既存データを編
集するための機能は公開していない。データ入力・編集用のプログラムについては共同研
究・開発を前提に提供可能である。 3. 本デモシステムの使用により生じるいかなる損害についても建築研究所は一切の責を負わ
ない。特に以下の行為は控えていただきたい。 稼働中のPostgreSQLに本デモシステムのデータをリストアーすること。 デモシステムの仕様，を満たさないシステムに本システムをインストールすること。
4. 配布用パッケージBRIWF.zipは自由に再配布可とするが，元の構成(BRIDEMO.EXE，
ortho.backup，Npgsql.dll，Readme.jp.txt）に一切の変更を施さないことをその条件とす
る。 5. 本デモシステムで利用したPostgreSQLおよびNpgsqlはフリーウエアであるが，著作物で
ある。このような優れたフリーソフトウエアの開発や普及に尽力する関係者に感謝したい。
これらのソフトウエアに関しては以下のURLに詳しい。 PostgreSQL http://www.postgresql.org/index.html
Ngpsql http://gborg.postgresql.org/project/npgsql/projdisplay.php
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図８－１１ VMWare上のWindows2000SP4環境でのデモシステム
