38
メメメメメメメメメメメメ メメメメメメ メメメメメメメメメメメメ メメメメメメ メメメメメメ メメメメメメ メメメメメメメメ メメメメメメメメ

メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

  • Upload
    newton

  • View
    38

  • Download
    0

Embed Size (px)

DESCRIPTION

メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか. 子どもはことばをどのように おぼえるか. 親が教えてそれを模倣する? ほめられようとしてことばを覚える? 何度も何度も繰り返し教えられてはじめて覚える? 何度も間違いを直されて覚える?. ことばの学習のパラドックス. ことばの内包をもたず、状況中の手がかりのみからことばの指示対象を同定し、その外延範囲を決定することは論理的には不可能に近い それにもかかわらず子供はことばの一事例を与えられただけで即座ことばに意味付与をしている。. カテゴリーの推論. 「リンゴ」. 「どれがリンゴ?」. - PowerPoint PPT Presentation

Citation preview

Page 1: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

メンタルレキシコンの学メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単習:子どもはどのように単

語の語の意味を学習するか意味を学習するか

Page 2: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

子どもはことばをどのように子どもはことばをどのようにおぼえるかおぼえるか

• 親が教えてそれを模倣する?• ほめられようとしてことばを覚える?• 何度も何度も繰り返し教えられてはじめ

て覚える?• 何度も間違いを直されて覚える?

Page 3: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか
Page 4: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

ことばの学習のパラドックスことばの学習のパラドックス• ことばの内包をもたず、状況中の手がか

りのみからことばの指示対象を同定し、その外延範囲を決定することは論理的には不可能に近い

• それにもかかわらず子供はことばの一事例を与えられただけで即座ことばに意味付与をしている。

Page 5: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

カテゴリーの推論カテゴリーの推論

「リンゴ」

「どれがリンゴ?」

Page 6: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

ことばの意味の二側面ことばの意味の二側面• 「内包」と「外延」• 外延:当該のことばの指示対象の集合

    内包によって決定される• 内包:当該のことばが指示する概念

Page 7: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

外延と内包の関係外延と内包の関係• 内包は外延の成員の共通性から帰納され

る• 外延は内包によって決定される

Page 8: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

ことばの学習のパラドックスことばの学習のパラドックス• ことばの内包をもたず、状況中のてがか

りのみからことばの指示対象を同定し、その外延範囲を決定することは論理的には不可能

• それにもかかわらず子供はことばの一事例あるいは少数の限られた事例を与えられただけで即座にことばに意味付与をしているようにみえる。

Page 9: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

こどもはどのように初めて遭遇することばの意味の推論をしているのだろうか?

Page 10: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

子供が語に意味を推論するため子供が語に意味を推論するためにしなければならないことにしなければならないこと

• ことばが発せられた状況下でことばの指示対象を正しく同定する

• 覚えたことばを他の事物に般用できる。(他のどの事物にそのことばが適用でき、どの事物に適用できないかを正しく判断することができる。)

Page 11: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

指示対象を同定し、般用するた指示対象を同定し、般用するためにはめには……

• まず、当該の語がどのような種類(品詞)の語であるかどうか決定できなければならない

• 各々の品詞がイベント中のどの要素に対応するのかがわからなければならない

• 何に基づいて般用がされるのかがわからなければならない

これらのことを暗黙の知識として子どもは持っている。ただし意識的にはわからない

Page 12: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

名詞、動詞、形容詞の意味名詞、動詞、形容詞の意味• 名詞と動詞では指示する概念の種類、般

用の基準が大きく異なる– 名詞→事物– 動詞→行為や関係– 形容詞→モノの属性

Page 13: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

(( 事物)名詞の特徴事物)名詞の特徴• 環境から「切り出されている」• 時空間的に恒常性を持つ• 階層構造を持つ

Page 14: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

動詞の特徴動詞の特徴• 指示対象が環境中で切り出させれていな

い• 時間軸に沿ってダイナミックに変化• モノとモノとの関係を指示する

→モノは変数

Page 15: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

形容詞の特徴形容詞の特徴• 観察できるのはモノ• モノには様々な属性があるが、形容詞が

指すのはそのひとつだけ• 般用はモノに関わりなく、属性の同一性

を基準にして行う

Page 16: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

子どもは名詞の意味をどのように学習しているか

Page 17: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

日本語における名詞学習の問題日本語における名詞学習の問題• 日本語の場合、名詞の中の種類が文法的

に指標されない→固有名詞対普通名詞、物質名詞対物体名詞が形態としては区別されない

• 文法的手がかりの欠如は日本人幼児の名詞の語意推論に影響を与えるのか?(つまり欧米の子どもに比べ、日本人の子どもは名詞の学習が困難なのか?)

Page 18: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

知らない人工物についた知らない人工物についた新しいことば新しいことば

Page 19: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

知らない動物についた知らない動物についた新しいことば新しいことば

Page 20: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

未知の事物につけられた未知の未知の事物につけられた未知の名詞の般用名詞の般用

• 幼児は対象が動物(つまり固有名詞がつきやすいもの)でも人工物でも、まず新しい名詞は普通名詞と想定する。

• 色やサイズ、素材の違いは無視して形の類似性にしたがって般用する。(形状類似バイアス)

Page 21: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

物質の名前と物体の名前物質の名前と物体の名前• 日本人幼児は物質と物体を区別する文法

的手がかりなしで、物体名と物質名では異なる般用の基準を適用しなければならないことを理解しているか?– 物体→全体の形状の類似性– 物質→形状は無関係、物質の同一性に注目

Page 22: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

Imai & Gentner, 1997

Page 23: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

Imai & Gentner, 1997

Page 24: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

ただしこのようなモノが命名対ただしこのようなモノが命名対象の場合、モノの見方が言語で象の場合、モノの見方が言語で

違う違う

Page 25: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか
Page 26: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

•2歳になったばかりの子どもでも、アメリカ人幼児と同様に物質名と物体名に対して異なる(そして正しい)般用の基準を用いることができた。

• しかし、単純な形の物体にラベルが付与されたときには日本語話者と英語話者で、大きな違いがあった

Page 27: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

日英話者の違いは何を意味する日英話者の違いは何を意味するのかのか

• 日本人の子どもは結局、存在論的理解をもたず、形、素材という知覚できる属性の目立つほうが同じモノを選んでいたに過ぎないのか

• 日本語話者、英語話者のラベル般用の違いは、「モノの認識の違い」を反映するのか、それとも、「ラベル付与と般用の方略の違い」を反映するのか

Page 28: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

言語課題でなくても日英話者の言語課題でなくても日英話者の違いは見られるのか違いは見られるのか

• 日本語話者、英語話者 4 歳児と成人に非言語カテゴリー形成課題

• 「同じものをとって」

Page 29: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

•成人はラベル般用と非言語カテゴリ形成課題での行動がまったく一致

•子どもは2つの課題での行動が大きく異なる

Page 30: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

ラベル般用 非言語カテゴリ形成

Page 31: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

英語話者に文法カテゴリ情報つ英語話者に文法カテゴリ情報つきでラベルを与えたらきでラベルを与えたら

• Ambiguous syntax“Look at this dax. Can you find the

dax?• Count syntax

“Look, this is a dax. Can you find another dax?”

• Mass syntax“Look, this is some dax. Can you find some more dax?”

Page 32: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

• 文法情報が曖昧な場合と可算文法条件での反応がほぼ同じ

• 英語話者の形への注目度が強いのは、曖昧なモノを「可算名詞で現される物体(object) 」と考えるからではないか

Page 33: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

日本人は存在論的制約に従って日本人は存在論的制約に従って名詞の般用をしているのか名詞の般用をしているのか

• 物質とみなすか物体とみなすかが曖昧なモノのときの日本人の反応→もしかしたら日本人は単により目立つ属性が同じのほうを選んでいただけかもしれない

Page 34: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

名詞語意の存在論的制約名詞語意の存在論的制約• 名詞は「この種類の物体あるいはこの種

類の物質」という離接的 (disjunctive) なカテゴリーは指さない

• 形と素材が同時に般用の基準にならない– AND は OK 〔この形、かつ、この素材)– OR はダメ{この形あるいはこの素材)

• この決まりを日本人の子どもが理解しているか

Page 35: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

• ラベル般用条件– ネケをみんなとって

• 非言語カテゴリ形成条件– これと同じのをみん

なとって

Page 36: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

それぞれのテストアイテムの選それぞれのテストアイテムの選択数択数

Page 37: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

存在論的制約に従った反応存在論的制約に従った反応(*)の割合(*)の割合

Complex Simple Substance

Average across three trial types

Word extension

0.91(0.20)

0.86 (0.31)

0.85 (0.17)

0.87(0.17)

No-word classificationa

0.55 (0.50)

0.57 (0.44)

0.36 (0.42)

0.49(0.26)

* 形、素材刺激のどちらか一方しか選択しない

Page 38: メンタルレキシコンの学習:子どもはどのように単語の 意味を学習するか

今日のまとめ今日のまとめ• 名詞語意の学習にとって、概念的制約の役割は非常に大きい

• 文法クラスの情報の有無はモノの「みなし方」に影響を与えるが、文法クラスの情報がなくても概念知識を制約に使い、子どもは名詞語意を苦もなく学習する