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48 第 3章 情報工学ハードウェア II
3.2 光情報伝送
3.2.1 目的
光ファイバ-を用いた光情報伝送方法と, ディジタル通信の基本となる各種のパルス変調方法, 及びそれらに対する復調方法について理解することを目的とする. 本実験では, 以下の項目の中から 1 つについて, 実験を通じてそれらの機能を理解する.
1. PWM 変調による信号伝送
2. PFM 変調による信号伝送
3. PCM 変調による信号伝送
3.2.2 概 要
3.2.2.1 光ファイバ-によるディジタル信号伝送
アナログ信号伝送では, AM (Amplitude Modulation) と FM (Frequency Modulation) の2 種の変調方式が主として用いられ,搬送波に各種周波数の電波を使用して, 無線通信, ラジオ · TV 放送等に利用されている.
ディジタル信号伝送方式は, 連続したアナログ量をパルス列に変換して伝送する方法であり, 最近は種々の方面でのディジタルデ-タの通信に盛んに応用されている.
光を信号伝送手段として用いる方法は, 光が通常の無線周波数の電波に比べて著しく周波数の高い電磁波であるため, 一度に伝送できる情報量が飛躍的に多くなることや, 電磁誘導, 靜電誘導等の外部雑音に対する耐性が強い等の利点がある. 光情報伝送にはレ-ザ光線を用いた空間伝送もあるが, 天候に左右される等の問題がある. 1970 年の米国のコ-ニング社による 1 km 当り −20 dB という低損失光ファイバ-の開発以来, レ-ザ光線を用いた光ファイバ-通信が, 上記の問題を一挙に解決できる新しい情報伝送手段として急速に現実のものとなった.
光ファイバ-通信を従来のケ-ブルによる電気通信と比較すると, 次の様な特長と欠点がある.
[特長]
1.低損失である. (石英系光ファイバ-で 3 ∼ 5 dB/km, プラスチックファイバ-で100 dB/km)
2.広帯域である. (石英系光ファイバ-の場合 : 距離 1 km で, 数 100 MHz, プラスチックファイバ-の場合 : 距離 100 m で, 数 MHz)
3.軽量である. (石英ガラスの比重は銅の約 1/3)
4.電磁雑音に強い.
3.2. 光情報伝送 49
[欠点]
1.光ファイバ-ケ-ブルの接合が難しく, コネクタによる接続部分での損失が無視できない.
2.機械的なストレスに弱く, 光量の減少や光ファイバ-の切断が起こる.
3.エネルギ-伝送ができない.
このような事情から, ディジタル信号の光ファイバ-を利用した情報伝送は, 雑音や素子値変動に大変強く,信頼性の高い通信が可能であるため,電磁誘導雑音的に劣悪な環境 (例えば工場内) 内での通信, ケ-ブルが軽量であることを生かした高層ビル内通信, LAN (Local
Area Network), 電話の多重通信等の長距離多量通信等に有効であり, 近年盛んに普及しつつある. そこでは, 光ファイバ-の送信, 受信側に, それぞれ電気信号を光信号に変換するE/O 変換, その逆の O/E 変換が必要となる. その原理については 3.2.5.1, 3.2.5.2 節に述べる.
3.2.2.2 パルス変調方式
信号のディジタル化には時間軸をディジタル化する標本化と, それに引き続き振幅 (信号強度) もディジタル化する量子化がある. 標本化したパルス信号をそのまま変調する方式を連続レベル変調, 量子化まで施したパルス信号を変調する方式を不連続レベル変調という.
前者よりも時間, 振幅の両方をディジタル化する後者の方が, 雑音に対してより強いことは云うまでもない. この分類に従って整理すると, ディジタル信号伝送方式 (パルス通信) に用いる変調方式には, 以下の様な種類があり, それらを簡単に図解したものが図 3.8 である.
1.連続レベル変調
(a)パルス振幅変調 (Pulse Amplitude Modulation: PAM)
(b)パルス幅変調 (Pulse Width Modulation: PWM)
(c)パルス位相変調 (Pulse Phase Modulation: PPM)
(d)パルス周波数変調 (Pulse Frequency Modulation: PFM)
2.不連続レベル変調
(a)パルス数変調 (パルス密度変調) (Pulse Number Modulation: PNM)
(b)デルタ変調 (Delta Modulation: ∆ M)
(c)パルス符号変調 (Pulse Code Modulation: PCM)
3.2.2.3 信号のディジタル化
信号のディジタル化の過程を順を追って説明すると次の 3 段階になる.
50 第 3章 情報工学ハードウェア II
PAM PFM
PWM PPM
PNM
PCM
M
1110011
t
図 3.8 各種変調方式による変調後のパルスの図解.
3.2. 光情報伝送 51
1.標本化 (sampling)
音声等に代表される交流信号をディジタル化するには, まず時間的にディジタル化し,
一定時間ごとに標本化 (サンプリング) する必要がある. この標本化の周期をサンプリングレ-トと呼ぶ. これにはシャノン (Shannon) の標本化定理 (sampling theorem) という法則がある. 即ち, 伝送しようとする信号に含まれる周波数成分の最高周波数を f
とすると, 2f 以上の周波数でサンプリングすれば, 元の信号が復元できるというものである. T = 1/2f をナイキスト間隔 (Nyquist interval) という. 周期的に標本点を取り出す回路をサンプリング回路という.
例えばコンパクトディスクのサンプリング周波数は 44.1 kHzに決められていて, 20 Hz
∼ 20 kHz の音声帯域を充分再生できる. 逆に, 標本化周波数が標本化定理を満たさない場合は, 元の信号には無かった低い周波数成分が現れる. これをエイリアス誤差を呼び, それを防止するには AD 変換前に高周波成分を充分に除去しておく必要がある. 標本化定理とエイリアス誤差の発生の関係を図解すると図 3.9 の様になる.
この標本化された信号は PAM 信号と呼ばれ, 時間的にはディジタル化されているが,
振幅はアナログ量にままである. また, この PAM 信号を V/F 変換 (Voltage to Fre-
quency conversion)して,パルス強度を周波数に変換したものを PFM(Pulse Frequency
Modulation) 信号といい,パルス強度を方形波パルスのデュ-ティ比 (パルス波高の高いところと低いところのパルス幅の比) に変換したものを PWM(Pulse Width Modu-
lation) 信号という.
2.量子化 (quantization)
振幅についてはアナログ量のままである PAM 信号をディジタル化する過程を量子化という. 有限個のディジタル値でアナログ量を置き換えるため, 必然的に誤差が生ずる. これを量子化誤差という. フルスケ-ル値を表現できるディジタル値の個数で割ったものを分解能という. 一般に, 連続したアナログ量をディジタル量に変換することをA/D 変換 (Analog to Degital conversion) と呼ぶ. 実際の量子化過程では A/D 変換器(IC) が用いられ, そこでは変換速度,分解能 (ビット数)等の性能が重要である. 半導体素子技術の進歩により, 最近は A/D 変換器の性能が急速に向上している.
3.符号化 (coding)
変換されたディジタルデ-タを, 数字で表すことが符号化である. 数字化する形式には 2 進法 (binary code), BCD (binary coded decimal), 8 進法 (octal code), 16 進法(hexadecimal code) 等の種々の方式があるが, 一般には 2 進法が多く使われている. 例えば,電話回線では 7 ∼ 8ビット,コンパクトディスクでは 16ビットの 2進数符号化が使われている. こうして A/D 変換されたディジタルデ-タをやり取りするのが PCM
情報伝送である. 通常, 遠距離 PCM 情報伝送ではパラレルのディジタル信号1をシリアルデ-タに変換 (P/S 変換, Parallel to Serial conversion) して送信し, 受信側で復調[シリアル / パラレル変換 (S/P 変換, Serial to Parallel conversion) + D/A 変換] する.
13.2.10 節を参照
52 第 3章 情報工学ハードウェア II
+5V0V
-5V
+5V0V
-5V
+5V0V
-5V
+5V0V
-5V(1)
(2)
(3)
1 mS
250 µS
500 µS
820 µS
(1 kHz ) = f
(4 kHz) = 4 f
(1.2 kHz) < 2 f
(2 kHz) = 2 f
図 3.9 標本化周波数とエイリアス誤差発生の図解. (1), (2) は原信号が再現できているが,
(3) では原信号にない低周波成分が現れている.
3.2.3 本実験で扱うパルス変調方式についての概説
3.2.3.1 PWM
PWM (Pulse Width Modulation) は一定の周期と波高値をもつ方形波パルスのデュ-ティ比がアナログ信号の強度に応じて変化する変調方式である. 図 3.10 は, 正弦波入力の場合の PWM 変調の出力波形を示す原理図である. PWM 変調信号を得るには三角波発振回路とコンパレ-タ (comparator) 回路2を用いる. また, PWM 復調は PWM 変調されたパルスからコンデンサの充放電を利用した積分回路 (低い周波数成分のみを通過させる回路, Low Pass Filter) により, 鋭いパルス波高値を時間的に平均化することにより行う.
23.2.10 節を参照
3.2. 光情報伝送 53
(V)
5.0 V
2.0 V
0
PWM
(TT
L)
0
5 V
W1 W2W1 > W2
W1 > W2
図 3.10 正弦波入力に対する PWM 変調出力波形.
54 第 3章 情報工学ハードウェア II
3.2.3.2 PFM
PFM (Pulse Frequency Modulation) は入力電圧の大小により出力信号の周波数が変化する変調方式である. 通常の FM 変調方式と異なる点は, 出力信号が正弦波のアナログ信号でなく, パルス信号であることである. 光出力の ON, OFF のパルスを利用すれば光伝送に応用できる. 図 3.11 に正弦波入力の場合の PFM 変調の出力波形を示す. 電圧–周波数変換回路 (V/F コンバ-タ) により信号を作る. また, この変調信号から元のアナログ直流電圧を得るには IC 化された周波数 – 電圧変換回路 (F/V コンバ-タ) を用いる.
5.0 V
2.5 V
0
5 V
0 f1 f2
f1, f2 :
f1 > f2
(V)
PFM
(TT
L)
図 3.11 正弦波入力に対する PFM 変調出力波形.
3.2. 光情報伝送 55
3.2.3.3 PCM
PCM 変調の原理については 3.2.2.3 節の 3. に述べた通りである. 図 3.12 に PCM 情報伝送過程のブロック図を示す.
Pulse Code ModulationSP , DA
AD PS
図 3.12 PCM 信号伝送過程のブロック図.
3.2.4 実験装置
1. O/E 変換器 OPT-220
2. E/O 変換器 OPT-200
3. AD/DA 変換器 OPT-260
4. PS/SP 変換器 OPT-250
5. PWM/PFM 変調器 OPT-230
6. PWM/PFM 復調器 OPT-240
7.低周波発振器 PL-100
8.デジタルマルチメ-タ- MD-700
9.2現象オッシロスコ-プ SDS-175
10.光ファイバ- OPT-210
3.2.5 実験装置の解説
3.2.5.1 E/O 変換器
E/O変換器 (OPT-200)は電気信号を光の強弱信号に変換するものである. 入力信号としては, 0 ∼ 5 V の直流または交流の信号, 0 ∼ 5 V の TTL ディジタル信号および RS-232C3
インタ-フェ-ス規格の ±2 ∼ ±15 V のディジタル信号を扱うことができる. 変換素子として発光ダイオ-ド (LED) を使用し, その電流を 0 ∼ 50 mA まで可変できる様になっている.
これにより得られた光の強度変調信号を, プラスチック光ファイバ- OPT-210 を使って光情報伝送し, 受信側の O/E 変換器へ伝える. PAM では光強度との直線性が問題であり,
33.2.10 節を参照
56 第 3章 情報工学ハードウェア II
(2.5 V)3
2
1
0
-1
-2
-3
(V)
+5 V
0 V
(0 V)
T
TT
T1/2T
T :
( 2.5 V)
図 3.13 コンパレ-タ回路の出力波形.
PFM, PCMでは周波数特性が問題である. OPT-200の使用可能周波数帯域は 0 ∼ 100 kHz
である.
3.2.5.2 O/E 変換器
O/E 変換器 (OPT-220) は光の強弱を電気信号に変換するものである. OPT-220 は変換素子として高速のフォトトランジスタを使用し, アナログ信号だけでなくディジタル信号も扱える様に, しきい値レベルを可変なコンパレ-タ (comparator) 回路を内蔵している. プラスチック光ファイバ-伝送路で減衰したディジタルパルスの光信号も再び TTL レベルの論理信号や RS-232C インタ-フェ-ス規格の電気信号として出力できる.
3.2.5.3 PWM, PFM 変調器
1. PWM 変調器PWM 変調は一定の周期と波高値をもつ方形波パルスのデュ-ティ比がアナログ信号の強度に応じて変化する変調方式である. OPT-230 では, 図 3.13 の様に入力電圧と三角波の電圧をコンパレ-タ (comparator) が比較して, 入力電圧が三角波の電圧より高い時間帯はほぼ 5 V を出力し, 逆に入力電圧が三角波の電圧より低い時間帯はほぼ 0
V を出力することにより, PWM 変調を行う. 入力電圧が三角波の振幅の半分のときは, 丁度デュ-ティ比が 50 % になる.
3.2. 光情報伝送 57
TTLINPUT
5V0V R13
R12
R14
100kC190.01µ
7.5k 7.5k
R15
7.5k
C21
0.01µ
C204700p
15
43
2 7
6
C26
0.01µ
C25
0.01µ
R22 2k
+15V
+
-
-15V
CN. B6(PWM)0.5 4.5Vdc
M 7
図 3.14 PWM 復調回路.
2. PFM 変調器PFM 変調では, 入力電圧の大きさに応じて出力パルス信号の周波数を変化させる. 具体的には, IC 化された V/F コンバ-タを利用する. OPT-230 ではデイテル社製 V/F
コンバ-タ IC (VFQ–1) を使用している. 入力電圧を電流信号に変換し, それにより積分器のコンデンサを充電し, コンパレ-タ (comparator) 回路により積分器の出力電圧がゼロとなるときアナログスイッチを動作させ, 積分器のコンデンサをリセットする.
この繰り返しにより, コンパレ-タの出力を 1/2 分周した方形波出力が得られる.
3.2.5.4 PWM, PFM 復調器
1. PWM 復調器一定の周期と波高値をもつ方形波パルスのデュ-ティ比がアナログ信号の強度に応じて変化する PWM 変調パルス信号から, 元の信号を得るには, コンデンサの充放電を利用した積分回路によりパルス波高値を時間的に平均化することにより行う.
図 3.14は PWM復調回路である. TTLレベルのパルス入力電圧は, R16 ·C23, R17 ·C25
および R18 · C24 で構成される Low Pass Filter 回路を通り, OP アンプ M7 を経てPWM 出力端子よりアナログ直流電圧として出力される. OP アンプの働きは, 出力の一部を入力に戻して正帰還させ, 急峻なフィルタ特性を得ることである. この回路ではオクタ-ブ当り −18 dB の減衰特性が得られる. 減衰を始める周波数 f は,
τ = 7.5 kΩ × 0.01 µF より,
f =1
2πτ= 2.1 (kHz)
となる.
2. PFM 復調器図 3.15 は PFM 復調回路である. 入力端子より入った TTL レベルのパルス波は M5
の F/V コンバ-タのコンパレ-タ回路に結合コンデンサを介して入力される. コンパ
58 第 3章 情報工学ハードウェア II
(ZERO ADJ)
R6 5.1k
R55k
R7 5.1k
R4
100k
R3 2.2kC5
0.01µ
R8
56k+5V
-5V
R2
100k
C16
100p
-5V
7
6
5
4
3
2
1 14
12
11
9
M 5
0V-5V
+5V
-0V 10Hz
0.1V 10Hz0V
(GAIN ADJ)
R18
10k
R17
7.5k
R16
10k
R19
180k+15V
2
3
15
4
76
C23
0.01µ
C22
0.01µ
R10
100k
R18
0.1µD6
R11 5.1k
5V
0V
TTL INPUT
CN.B3
-15V
C24
0.01µ
CN. B5(PFM)5mV~5V dc
図 3.15 PFM 復調回路.
レ-タ回路で検出されたパルス波の立ち上がりで, 内部のアナログスイッチをON にして, 外部接続されているコンデンサ C16 をショ-トする. アナログスイッチが OFF
のときは, C16 は外部基準電源 (−5 V) に接続されるので, 結局 C16 は外部より入力されたパルス波のタイミングで−5 V と 0 V の間で瞬間的に充放電を繰り返す. この電気信号は, 積分器 (OP アンプ) により増幅され, 微分パルスとなって出力に現れるが,
帰還用の抵抗 R8 に並列に入ったコンデンサ C15 により積分され, リップルを含んだ直流電圧として出力される. この出力は 10 kHz のときに 0.1 V 程度しかないので, さらに M6 の OP アンプで増幅し, 出力端子より取り出す様になっている. F/V コンバ-タの積分器のゼロ調整のための R5 は, OPT-240 の背面にある ZERO ADJ の調節穴から調節することができる. また, 10 kHz で +5 V の直流出力が得られる様に, M6 のゲイン調整用の R16 を OPT-240 の背面にある GAIN ADJ の調節穴から調節できる.
(これらは調整済みであるので通常は特別に調整する必要はない.)
3.2.5.5 A/D, D/A 変換器
1. A/D 変換器 :
OPT-260 ではアナログ入力端子から入った入力信号は, まず DATEL 社のサンプルホ-ルドアンプ IC (SHM-20) でサンプリングされる. 次に, このアナログ電圧信号をANALOG DEVICES 社の A/D 変換 IC (AD673) により 8 ビットのディジタル信号に変える. この IC は逐次比較型 A/D コンバ-タである.
2. D/A 変換器 :
OPT-260 の D/A 変換部は ANALOG DEVICES 社の D/A 変換 IC (DAC-08) を用
3.2. 光情報伝送 59
PL-100
TTL OUT
RDS-5N
0~50V dc
10~1kHz
GOUTPUTMONITOR
OPT-230 OPT-240
NX-10
SDS-175
Ch1
Ch
MD-500
図 3.16 PWM 変復調実験の機器接続図.
い, ディジタルデ-タの 00H ∼ FFH 4 までの 256 通りの値に対して, 基準電圧 Vref の0 Vref ∼ 255/256 Vref のアナログ出力電圧が得られる.
3.2.6 実験方法
3.2.6.1 PWM 変調方式による信号伝送
機器の接続を図 3.16 に示す.
1.入力電圧とパルス幅の関係
PWM 変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に直流安定化電源の出力を接続し, ディジタルマルチメ-タを直流電圧モ-ドにし入力電圧を測定できる様にセットする. 2 現象オッシロスコ-プのCh.1 と Ch.2 にそれぞれ PWM の出力と三角波の MONITOR
出力を接続する. オッシロスコ-プの同期は Ch.2 の三角波でかけ, 画面上に 2 つの波形が静止して見える様にトリガ-レベルを調整する. オッシロスコ-プを DUAL
モ-ドにして, 三角波 (Ch.2) と PWM 出力波形 (Ch.1) が同時に観察できる様にする.
OPT-230 の ANALOG 入力端子と GND 端子をショ-トして, PWM 出力波の 0 V の部分 (tL) と +5 V の部分 (tH) の長さをそれぞれ画面上の目盛りで求める. 同様にして, 入力電圧を 1 ∼ 5 V の範囲で 0.5 V ステップで, 変えたときの tL と tH の長さを読み取る. (図 3.17 参照) このデ-タから入力電圧を横軸にとり, PWM 出力波の +5
V のときの tH の実測値を縦軸にとったグラフを作成し, PWM 変調動作の直線性を求める.
4末尾の H は 16 進数 (hexadecimal code) であることを表す.
60 第 3章 情報工学ハードウェア II
tH = 2.1 tL = 2.9
+5V
0V
-5V
40 µS/DIV
図 3.17 入力電圧 2 V のときの PWM 波形. (tH と tL の読み取り方)
2.入力電圧の時間的変化と PWM 変調
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に振幅が, 0 ∼ 5 VDC まで変化する 0.1 Hz の三角波電圧を加える. ファンクションジェネレ-タ等で出力電圧に DC オフセットを+2.5 VDC かければ必要な波形が得られる.
実際の手順としては, 最初は 1 kHz 程度の波形をオッシロスコ-プで確認し, 波高値が5 VPP になる様に出力レベルを調整し, DC オフセットツマミを手前に引いて, + 側へ回す. オッシロスコ-プの画面で下の波高値が丁度 0 V のラインに接する様に調整する. 次に, ファンクションジェネレ-タの発振周波数を 0.1 Hz 程度に下げると, 入力電圧が 0 V → +5 V → 0 V と 10 秒間で直線的に変化するため, オッシロスコ-プで観察される PWM 波形のデュ-ティ比が入力電圧に応じて変化するのが良く分かる.
Ch.1 に PWM 出力波を, Ch.2 に三角波のモニタ波形を入力し, Ch.2 で同期をかけると PWM の変化がよく観察できる.
入力電圧の変化が ∼ 500 Hz のときの PWM 出力波形を, ディジタルストレ-ジングオッシロスコ-プで観測し, 入力電圧の上昇とともに, +5 V のパルス幅が増加する様子を紙にトレ-スして記録せよ. (図 3.18 参照)
3.2. 光情報伝送 61
0 ~ 5V dc
+5V
-5V200 µS/DIV
Ch2
Ch1 (TTL)
図 3.18 入力電圧の時間的変化と PWM 変調波形.
3. PWM 変調信号の復調
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に直流安定化電源の出力を接続し, 0 ∼ 5 VDC
の直流電圧が加わる様にする. OPT-230 の PWM 信号出力端子と復調器 OPT-240 のTTL 入力端子を接続し, GND 端子同士も結んで PWM 変調信号が OPT-240 に入力される様にする. OPT-240 PWM 復調信号出力端子にディジタルマルチメ-タを接続し, 変調入力電圧と復調出力電圧の関係をグラフ化する.
4.変調入力電圧の時間的変化と復調出力波形
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に振幅が, 0 ∼ +5 VDC まで変化する三角波電圧を加える. ファンクションジェネレ-タ等で出力電圧に DC オフセットを +2.5 VDC
かければ必要な波形が得られる.
1 kHz程度の波形をオッシロスコ-プで確認し,波高値が 5 VPP になる様に出力レベルを調整し, DC オフセットツマミを手前に引いて, + 側へ回す. オッシロスコ-プの画面で下の波高値が丁度 0 V のラインに接する様に調整する. オッシロスコ-プの Ch.1
に復調器 OPT-240 の PWM 復調出力信号を入力し, Ch.2 に発振器からの変調入力信号を入力する. Ch.2 で同期をかけると 波形の違いがよく観察できる.
5.光ファイバ-で連結した PWM 変調信号の伝送
PWM
変調器⇒ E/O
変換器⇒ 光ファイバ-
⇒ O/E
変換器⇒ PWM
復調器
の様に各機器を接続し, 上記と同様に以下の測定を行う. 1 kHz 程度の波形をオッシロスコ-プで確認し, オッシロスコ-プの Ch.1 に復調器 OPT-240 の PWM 復調出力信号を入力し, Ch.2 に発振器からの変調入力信号を入力する. Ch.2 で同期をかけると
62 第 3章 情報工学ハードウェア II
波形の違いがよく観察できる. 光ファイバ-を経由することによる信号伝送の変化の有無を調べる.
3.2.6.2 PFM 変調方式による信号伝送
機器の接続は, 図 3.16 とほぼ同様である.
1. V/F コンバ-タの調整
OPT-230 の ANALOG 入力端子に直流安定化電源の出力を接続する. まず, 最初にV/F コンバ-タのゼロ調整を行うために, 入力電圧を正確に 5.0 mV にする. 入力電圧をディジタルマルチメ-タで確認しながら, OPT-230 の背面の穴にマイナスドライバ-を挿入して, PFM 出力端子に接続された周波数カウンタの指示値が, 10 Hz を示す様にゼロ調整抵抗を調整する. 反時計方向に回すと周波数が高くなる. このとき, 出力波形をオッシロスコ-プで確認しながら, 発振周波数を微調整すると容易に 10 Hz
に合わせることができる.
次に, 入力電圧を 5 V に合わせ, 今度は GAIN ADJ の調整用抵抗を背面にある調節穴より時計ドライバ-で調節する. 反時計方向に回すと周波数が高くなることを参考にして, 正確に 10 Hz に合わせる.
以上の調整終了後, 入力電圧を 5 mV ∼ 5 V の範囲で順次変化させ, そのときの周波数を読み取り, V/F コンバ-タの変換特性をグラフ化する. (入力電圧に対する出力周波数の変化)
2.入力電圧の時間的変化と PFM 変調
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に振幅が, 0 ∼ 5 VDC まで変化する 0.1 Hz
の三角波電圧を加える. ファンクションジェネレ-タ等で出力電圧に DC オフセットを +2.5 VDC 掛ければ必要な波形が得られる.
実際の手順としては, 最初は 1 kHz 程度の波形をオッシロスコ-プで確認し, 波高値が 5 VPP になる様に出力レベルを調整し, DC オフセットツマミを手前に引いて, + 側へ回す. オッシロスコ-プの画面で下の波高値が丁度 0 V のラインに接する様に調整する. 次に, ファンクションジェネレ-タの発振周波数を 0.1 Hz 程度に下げると, 入力電圧が 0 V → +5 V → 0 V と 10 秒間で直線的に変化するため, オッシロスコ-プで観察される PFM 波形のデュ-ティ比が入力電圧に応じて変化するのが良く分かる.
Ch.1 に PFM 出力波を, Ch.2 に三角波のモニタ波形を入力し, Ch.2 で同期をかけると PFM の変化がよく観察できる.
入力電圧の変化が ∼ 200 Hz のときの PFM 出力波形を, ディジタルストレ-ジングオッシロスコ-プで観測し, 入力電圧の上昇とともに, 出力周波数が増加する様子を紙にトレ-スして記録せよ. (図 3.19 参照)
3.2. 光情報伝送 63
5V
0V
5V
0V
Ch 1PFM (TTL)
Ch 2
図 3.19 入力電圧の時間的変化と PFM 変調波形.
3. PFM 変調信号の復調
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に直流安定化電源の出力を接続し, 0 ∼ 5
VDC の直流電圧が加わる様にする. OPT-230の PFM信号出力端子と復調器 OPT-240
の TTL 入力端子を接続し, GND 端子同士も結んで PFM 変調信号が OPT-240 に入力される様にする. OPT-240 の PFM 復調信号出力端子にディジタルマルチメ-タを接続し, 変調入力電圧と復調出力電圧の関係をグラフ化する.
4.変調入力電圧の時間的変化と復調出力波形
変調器 OPT-230 の ANALOG 入力端子に振幅が, 0 ∼ +5 VDC まで変化する三角波電圧を加える. ファンクションジェネレ-タを使用し, 出力電圧に DC オフセットを+2.5 VDC かければ必要な波形が得られる.
1 kHz 程度の波形をオッシロスコ-プで確認し, 波高値が 5 VPP になる様に出力レベルを調整し, DC オフセットツマミを手前に引いて, + 側へ回す. オッシロスコ-プの画面で下の波高値が丁度 0 V のラインに接する様に調整する. オッシロスコ-プのCh.1 に復調器 OPT-240 の PFM 復調出力信号を入力し, Ch.2 に発振器からの変調入力信号を入力する. Ch.2 で同期をかけると 波形の違いがよく観察できる.
64 第 3章 情報工学ハードウェア II
5.光ファイバ-で連結した PFM 変調信号の伝送
PFM
変調器⇒ E/O
変換器⇒ 光ファイバ-
⇒ O/E
変換器⇒ PFM
復調器
の様に各機器を接続し, 上記と同様に以下の測定を行う. 1 kHz 程度の波形をオッシロスコ-プで確認し, オッシロスコ-プの Ch.1 に復調器 OPT-240 の PFM 復調出力信号を入力し, Ch.2 に発振器からの変調入力信号を入力する. Ch.2 で同期をかけると 波形の違いがよく観察できる. 光ファイバ-を経由することによる信号伝送の変化の有無を調べる.
3.2.6.3 PCM による信号伝送
1. A/D 変換特性OPT-260 の入力端子に直流安定化電源の出力を接続する. 入力電圧を測定するため
に, ディジタルマルチメ-タを繋ぎ, mV の単位まで測る. 36 P パラレルケ-ブルを繋ぎ, A/D 変換されたディジタルデ-タが D/A 変換器に入力される様にする. この状態で, 操作パネルの TEST/LINE モ-ドを LINE にし, リセットスイッチを押すと, 約40 kHz (25 µs) のサンプリング周期でA/D 変換を繰り返す. これは D/A 変換器から,
A/D 変換したデ-タを受け取るたびに ACK パルスが返され自動的に A/D 変換が開始されるためである. 0 ∼ 10 V の入力電圧の変化に対するディジタル出力値の関係をグラフ化する.
2. D/A 変換特性OPT-260 のアナログ出力端子に, ディジタルマルチメ-タを接続し, D/A 変換され
た直流電圧を測定する. ディジタル入力デ-タは, A/D 変換器のディジタル出力を利用するので, ディジタル出力をパラレルケ-ブルで D/A 変換器に接続する. この状態で, 操作パネルの TEST/LINE モ-ドを LINE モ-ドにし, リセットスイッチを押すと, 約 40 kHz (25 µs) のサンプリング周期で A/D 変換されたデ-タを D/A 変換器へ送ることができる.
00H∼ FFH までのディジタル入力に対するアナログ電圧を測定し, D/A 変換特性をグラフ化せよ.
3.光ファイバ-による PCM 信号伝送機器の接続を図 3.20 に示す.
AD/DA 変換器 OPT-260 のアナログ入力端子に低周波発振器を接続し, ±5 V の振幅を持つ三角波信号を入力する. アナログ信号の波形モニタのために, オッシロスコ-プを接続し, Ch.1 をアナログ出力にする. Ch.2 で同期をとる様にする. O/E 変換器OPT-220 モニタ-端子にデジタルマルチメ-タ MD-700 を接続し, コンパレ-タ回路のしきい値が測定できる様にする.
3.2. 光情報伝送 65
SDS-175
Ch1Ch2
OPT-260
OPT-250#3
G OUT IN G
PL-100OPT-250 OPT-250
TXD GND
RS232C #2
RXD
GND
OPT-220 OPT-200
OPT-210GND
TXD
RS232C #2
GND RXD
OPT-210
OPT-200 OPT-220
MD-500
OPT-260
G OUT IN G
OPT-250 OPT-260#3
図 3.20 PCM 変調による信号伝送実験の機器接続図.
2 台の OPT-250 は, LINE モ-ドにし, 通信条件を合わせてリセットスイッチを押す. OPT-200はパルス変調ができる様にバイアス電流を 0 mA (左いっぱいに回しておく) にして, RS-232C 入力, DC 結合にする. ケ-ブル #2 の黄色と青色のバナナチップリ-ド線は, それぞれRS-232C 入力端子と GND 端子に接続する. OPT-220 は, コンパレ-タレベルを合わせて (例えば l = 3 m のプラスチックファイバ-の場合 +0.7
VDC) 正しくパルス波が再生される様にする. ケ-ブル #2 の赤色と青色のバナナチップリ-ド線は, それぞれRS-232C 出力端子とGND 端子に接続する. 2 台の OPT-250
は, 最初 TEST モ-ドにしておく. また, フルスケ-ル電圧は ±0.5 V にする.
OPT-250 のボ-レ-ト5は, 最初 1, 200 ∼ 9, 600 bps 程度に設定し, 2 台のOPT-250
のリセットスイッチをどちらも押して, 停止状態にする. OPT-250 のエラ-表示灯が出た時は, OPT-250 のリセットスイッチを押し (1 回でエラ-表示が消えない時は AD
変換が終わるまで) , 次に OPT-260 の LINE モ-ドを一度 TEST モ-ドにしてから,
再び LINE モ-ドにする.この操作により, AD コンバ-タに変換開始信号が送られ,
後は自動的に変換を繰り返す.
オッシロスコ-プで入力波形と出力波形を観測する. ボ-レ-トが低いので, 低周波発振器の発振周波数は 10 Hz 程度にする. 入・出力波形がオッシロスコ-プの画面上で同一波形として (ボ-レ-トが低いとアナログ出力波形は階段状になる) 観測できたら, いろいろ条件を変えた時のアナログ出力波形を記録する.
53.2.10 節を参照
66 第 3章 情報工学ハードウェア II
3.2.7 報告事項
下記の中から, 各自選択した実験項目に該当する項目について報告せよ.
3.2.7.1 PWM 変調方式による信号伝送
1.入力電圧に対する PWM 出力波の tH の変化をグラフで示し, PWM 変調動作の直線性を検討せよ.
2.入力電圧の変化に対して PWM 変調波形のパルス幅が変化する様子を記録した, 結果(ディジタスストレ-ジングオッシロスコ-プで観測した PWM 変調波形)と, それに対する考察.
3.変調入力電圧と復調出力電圧の関係をグラフ化し, その結果に関して考察せよ.
4.変調入力電圧の時間的変化とそれによる復調出力波形の変化の比較結果と, それに関する考察.
5.光ファイバ-で伝送した場合の入・出力波形の比較結果と, それに関する考察.
3.2.7.2 PFM 変調方式による信号伝送
1.入力電圧に対する PFM 変調信号の周波数の変化をグラフ化し, V/F コンバ-タの変換特性を示せ.
2.入力電圧の変化とともに PFM 変調信号の周波数が変化する様子を記録したデ-タと.
3.変調入力電圧と復調出力電圧の関係をグラフ化し, その結果に関して考察せよ.
4.変調入力電圧の時間的変化とそれによる復調出力波形の変化の比較結果と, それに関する考察.
5.光ファイバ-で伝送した場合の入・出力波形の比較結果と, それに関する考察.
3.2.7.3 PCM 変調方式による信号伝送
1. A/D 変換特性のグラフ, 及びその結果に対する考察.
2. D/A 変換特性のグラフ, 及びその結果に対する考察.
3.実験結果から PCM 変調回路の直線性を示せ4.オッシロスコ-プで観測した入 · 出力波形を示し, その結果について考察せよ. 特に,
ボ-レ-トと信号伝送の限界周波数の関係について詳しく調べよ.
3.2.8 実験結果全体に対する考察
各自の実験結果について細かい点も含めて良く検討し,それらについて, 必ず自分の文章で, 記述すること.
3.2. 光情報伝送 67
3.2.9 設問
本実験で実施したもの以外のパルス変調方式について調査し, その結果について考察せよ, 例えば, それらの原理, 利点, 応用等について.
3.2.10 用語解説
1.ハンドシェイク (hand shake)
信号伝送において, デ-タを送る信号線以外に制御用の信号線を用いて, 送信側と受信側の相互の状態を互いに監視しながらデ-タを伝送する方法.
2.パラレルデ-タとシリアルデ-タの信号伝送2 進数 8 桁のデ-タ (0 ∼ 255 の数) を例にとると, 8 本の信号線を用いて, それぞれの桁にビット 0 からビット 7 迄の 2 進数の各桁に対応した数値 (0 か 1) を与えて, 信号を伝送する方法がパラレル信号伝送である. 16 ビットコンピュ-タでは 16 本, 32
ビットコンピュ-タでは 32 本ものデ-タ線が必要となり, 高速短距離の通信手段として使われている.
一方, シリアル信号伝送は, 2 進数の各ビットの信号を時間をずらして, 1 本の信号線にのせ, 受信側でも時間をずらして信号線のデ-タを読み取る方法である. ビット数が増えても信号線が 1 本で済むため, 長距離通信によく使われる. 当然, パラレル信号伝送に比べて, デ-タ転送に時間がかかる欠点がある.
ここで, ハンドシェイク関係の実験装置パネル上に登場する略号を一部解説しておく.
RXD : Receive Text Data
TXD : Transmitter Text Data
RTS : Request to Send
CTS : Clear to Send
DTR : Data Terminal Ready
DSR : Data Set Ready
STR : Strobe
ACK : Acknowledge
3. RS-232C インタ-フェ-ス (interface)
シリアル伝送で最も一般的なハ-ドウェアに関する規格で, この中で電気的仕様や電圧レベル,信号線の種類と信号名およびコネクタの規格等が定められている. しかし,
コンピュ-タ間での信号伝送を行う場合, 制御線の使い方についてはユ-ザが独自に意味付けを行っているため, 規格が統一されているといってもケ-ブル内での接続状態や I/O ポ-トのハ-ドウェアの違いにより使い方には注意が必要である.
68 第 3章 情報工学ハードウェア II
4.パリティ- (parity, 偶奇性)
8 ビットの 2 進数にもう 1 ビット付加して 9 ビット 2 進数とし, ”1” のビット数が偶数 (または奇数) になる様にしてデ-タを転送し, 受信時に ”1” のビット数が偶数か奇数かをチェックして伝送に誤りがあったかどうかを判定する方法を, パリティチェックという. このとき, 付加するビットをパリティビットといい, ”1” のビット数が偶数になる様にするのを偶数パリティ(even parity), ”1” のビット数が奇数になる様にするのを奇数パリティ (odd parity) という.
5.ボ-レ-ト (Baud rate)
単位時間にシリアルデ-タの各ビットを幾つ送ることができるかを表す伝送速度. 単位はビット / 秒 (bps).
6.コンパレ-タ (comparator) 回路
2 つの入力 A, B を持ち, 入力電圧が A > B あるいは A < B により, 出力電圧をそれぞれ ”H”, ”L” にする回路で, O/E 変換器 OPT-220 では, 受信した弱い電気パルスを論理回路が判断できるレベル (TTL) レベルに変換する働きをする.
7. I/O ポ-ト
コンピュ-タが外部機器との間でデ-タをやり取りする窓口となるところで, 専用のIC を使うことが多い. ちなみに, ポ-ト (port) とはエアポ-トに代表される港の意味である.
8.バイナリ-カウンタ (binary counter)
2 進数の計数回路で, 2 パルス毎に桁上がりが生ずるので, (1/2)n の分周回路に使われている.