平成28事業年度一般会計事業計画を策定 トピックス② トピックス① 平成27年度全国基金審査委員長・支部長会議を開催 特 集 1 審査情報提供事例(医科・歯科)を公表 特 集 2 平成28年度 診療報酬改定の概要 ձอݥ療ใ支ج http://www.ssk.or.jp/ 4 April 2016 Monthly KIKIN ୈ 57 רୈ4߸

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平成28事業年度 一般会計事業計画を策定トピックス②

トピックス①

平成27年度 全国基金審査委員長・支部長会議を開催特 集 1

審査情報提供事例(医科・歯科)を公表特 集 2

平成28年度 診療報酬改定の概要社会保険診療報酬支払基金

http://www.ssk.or.jp/

4April 2016

Monthly KIKIN 第 57巻 第 4号

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Monthly KIKIN 第57巻 第4号

広告は有料にて掲載しています。広告掲載のお申込み方法は支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)でご案内しています。

4April 2016

CONTENTS

�����

医療保険等の動き・マンスリーノート­­­­医療費の動向―診療報酬等確定状況―新任支部長の紹介支払基金の人事異動インフォメーション

支部紹介(青森支部)24

気管支喘息 |日頃の発作の抑制が重要|辻野 一郎

医学のはなし 知っておきたい病気の豆知識 連載81回

日本大学医学部 内科学系呼吸器内科学分野

13

審査情報提供事例(医科・歯科)を公表

平成28事業年度一般会計事業計画を策定

14

23

16

トピックス①

平成28年度 診療報酬改定の概要

トピックス②

特 集 1

特 集 2

2

医療顧問だより支払基金埼玉支部医療顧問(歯科担当) 谷野 日出人

平成27年度 全国基金審査委員長・支部長会議を開催

8

12

地方公共団体が実施する医療費助成事業の審査支払事務を受託

社会保険診療報酬支払基金基 本 理 念

私たちの使命私たちは、国民の皆様に信頼される専門機関として、診療報酬の「適正な審査」と「迅速な支払」を通じ、国民の皆様にとって大切な医療保険制度を支えます。

弘前藩主津軽氏の代々の居城、弘前城。平成27年、本丸石垣修理のため全国でも珍しい天守曳屋が行われ、本丸の約70m内側に移設され、内堀も埋め立てられました。天守を再びこの位置で見ることができるのは約5年後のことだそうです。

今月の表紙弘前城(青森県)

表紙イラスト 関上 絵美

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ト ピ ッ ク ス 1

月刊基金 April 2016

 支払基金は、ITを最大限に活用し、

社会の要請にこたえる良質なサービスを

提供するとともに、民間法人としてコス

ト意識をもって効率的に事業を運営する

など、支払基金の「基本理念」を実現する

ため、「支払基金サービス向上計画(平成

23〜27年度)︱より良いサービスをより

安く︱」(以下「サービス向上計画」)を策

定し、その着実な実施に努めてきました。

平成28年度の事業運営に当たっては、

次の基本的な考え方で取り組みます。

① 「守るべきものを守りつつ変えるべ

きものを変える」

② 「組織力を最大化するマネジメント」

③ 「分かりやすい説明」

なお、政府の規制改革会議で支払基金

の議論が進められていることから、同会

議の指摘を真摯に受け止め、政府におけ

る方針も踏まえつつ、さらなる取組みや

検討を行います。

原審査のさらなる充実や審査結果に関

する説明責任等、審査の信頼性の向上に

取り組むとともに、保険者をはじめとす

る関係者から要請が多い審査に係る差異

の解消に取り組みます。

ITを活用した審査の充実

 

 審査をより効率的、効果的に実施

するため、ITを活用した審査充

実方策を講じます。

 ア

突合・縦覧点検の充実

 イ

ITを活用した審査の重点化

 ウ

チェックマスタ等を活用したコ

ンピュータチェックの整理およ

び精度向上

 エ

複数診療科にわたるレセプトの

審査の充実

 オ

審査実績の分析および評価の強化

DPCレセプトの審査の充実

 

 DPC対象医療機関から請求さ

 社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」)の平成28事業年度一般会計事業計画については、平成28年2月29日理事会において議決され、平成28事業年度一般会計収入支出予算と併せて厚生労働大臣に認可申請し、認可されました。 本号では、事業計画の概要を紹介します。 なお、事業計画の全文については、支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)に掲載しています。

2

平成28事業年度一般会計事業計画を策定

第1

平成28年度における

事業運営の基本方針

審査に関するさらなる

信頼性の向上

1

第2

審査の充実

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れる一般の医科レセプトについて、

DPCレセプトで請求すべきものも

あることから、この点に関する審査

事務も行い、審査の充実を図ります。

 

 

また、DPCに関する審査事務

については、全国標準的な審査事務

体制を整備します。

 

 さらに、職員の能力向上を図るた

め、DPCレセプトに関する研修

を実施します。

職員の能力向上

 

 審査の充実、審査結果の説明およ

び適正なレセプト提出の推進を図る

ため、次の方策を講じ、職員の医学

的知識の向上を図ります。

 ア

審査事務能力のさらなる向上に

向けた職員研修の実施

 イ

他支部による審査事務

 ウ

支部指導・支援

適正なレセプト請求の推進

 

 業務処理の効率化や保険者のレセ

プト点検等の負担軽減を図るととも

に、医療機関等に対する審査の透明

性を担保するため、次の方策を講じ、

医療機関等による適正なレセプト請

求の推進を図ります。

 ア

請求誤り事例の情報提供

 イ

電子点数表における収載情報の

拡充

 ウ

未コード化傷病名の改善要請

保険者および医療機関等に対する

説明責任の履行

 

 審査結果については、次の方策を

講じ、さらなる説明責任を果たしま

す。

 ア

審査結果に関する的確な説明の

実施

 イ

審査委員長会議における検討協

議結果の公表および審査充実全

体会議における審査の取扱いに

関する情報の提供

 ウ

保険者との役割分担の明確化

審査の充実に関する数値目標

 

 支払基金が目指すところは、原審

査のさらなる充実と審査結果の丁寧

な説明であり、これらに対応するた

め各種方策を実施し、この達成指標

として数値目標を掲げます。

 ア

再審査査定割合に関する数値目標

 

 原審査の充実度を検証する指標で

ある再審査査定割合について、平成

32年度における数値目標を設定し、

さらなる原審査の充実を目指しま

す。(表)

 イ

説明責任の履行に関する数値目標

 

 保険者および医療機関等に対する

説明責任の履行に係る指標として、

  

 医療機関等からの電子レセプト

を使用した請求に対する原審査の

審査結果が「査定」である場合にお

ける「具体的な理由」の連絡欄への

記載割合について、平成32年度ま

での目標数値を8割程度とします。

 イ

保険者との打合せ会等の実施回

  

 1支部当たり年度中に22回程度

を目標とします。

 ウ

サービス向上計画で掲げた数値

目標

 

 次の数値目標についても、原審査

の充実の観点から引き続き維持する

ものとし、それぞれの留意点を勘案

して評価を行います。

 ア

原審査査定点数に占めるコン

ピュータチェックの寄与割合 

7割程度

 ・

審査委員や職員の目視を契機とす

る査定の状況に十分留意

 イ

突合点検分および縦覧点検分の

査定件数および査定点数

  a 突合点検分

   

原審査請求件数1万件当たり査

次の数値目標を設定し

ます。

 ア

審査結果理由の連

絡欄への記載割合

  

 保険者からのオン

ライン再審査請求に

対する審査結果が

「原審どおり」である

場合における「具体

的な理由」の連絡欄

への記載割合につい

て、平成32年度まで

の目標数値を8割程

度とします。

月刊基金 April 20163

表 再審査査定割合の数値目標総  数 単月点検 突合点検 縦覧点検

平成 32年度数値目標 12.7% 6.0% 32.8% 33.8%

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月刊基金 April 2016

ついては、医療顧問が審査委員と職

員の橋渡しを行うとともに、職員の

能力の格差を解消するための研修の

充実や本部による支部指導・支援を

実施します。

 

 「審査の差異に関する分析評価」に

ついては、データを活用した分析評

価を本部が行い、結果を各支部に展

開するとともに、全国基金医療顧問

等会議、全国支部長会議、職員中央

研修等の場で説明を行い、差異の解

消を図ります。

さらなる取組み:「審査充実全体会議」

審査充実全体会議は、

差異に係る事例を収集するべく、審

査に関する苦情等相談窓口に支部間

差異があるとして寄せられた事例を

はじめとして、4つの分野(①コン

ピュータチェックの事例、②審査取

決事項の事例、③苦情等相談窓口の

事例、④審査結果分析の事例)に着

目して設置した小委員会において、

それぞれについて差異があると考え

られる「検討を要する事例」を選定し

ます。

審査に係る差異について、「算定ルー

ルに関する事例」と「医学的判断を要

する事例」に分類、検討したうえで

「一定の見解」を取りまとめます。な

お、「医学的判断を要する事例」につ

いては、ワーキンググループ等にお

いて検討します。

・ 「一定の見解」については、支部審査

委員長に報告した後、必要に応じ支

部審査委員会からの意見等を集約す

ることで、全国的な共有により、差

異の解消を図ります。

また、「一定の見解」について関係団

体に情報提供するとともに「差異の

分類」についても関係団体に情報提

供し、これらを併せて差異解消の見

える化を図ります。

なお、審査に関する苦情等相談窓口

に支部間差異があるとして寄せられ

た事例については、当該事例に関す

る小委員会における検討結果につい

て早期に回答します。

4つの分野のうち、②審査取決事項の

定件数     100件程度

   

原審査請求点数1万点当たり査

定点数       

12点程度

  b 縦覧点検分

   

原審査請求件数1万件当たり査

定件数       

35件程度

   

原審査請求点数1万点当たり査

定点数       

5点程度

 ・

査定や説明・懇談による改善要請

等を通じたレセプト適正化に伴う

査定減少効果に留意

 ウ

保険者の再審査請求件数

  

原審査請求件数1万件当たりの保

険者の再審査請求件数 45件程度

 ・

原審査の充実を図る趣旨であっ

て、保険者の再審査請求を妨げる

趣旨ではないことに留意

査定に現れない審査の意義の見え

る化

 

 審査は、「保険診療ルールに適合す

る診療行為の確保」を目的とするも

のであり、その意義は、査定という

結果にのみ限られるものではありま

せん。

 

 ピアレビュー(同業の専門家によ

る公正な評価)を実施する審査委員

会の存在自体が医療機関による不適

正なレセプトの提出を抑止している

ことから、こうした意義についても

定量化して示すことを目指して検討

を進めます。

サービス向上計画における考え方に基

づき、審査充実全体会議の活動を軸に

「審査委員会の機能強化」などの取組みを

進展させ、差異の解消を進めていきます。

これまでの取組みの強化

 

 「審査委員会の機能の強化」につい

ては、次に掲げる方策を実施します。

 ①「専門分野別ワーキンググループ」

 ②「審査に関する苦情等相談窓口」

 ③「審査委員間の審査照会」

 ④「審査委員長等ブロック別会議」

 ⑤ 「医療顧問」の配置と「全国基金医

療顧問等会議」の開催

 

 「審査委員と職員との連携強化」に

4

審査に係る差異の解消

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事例については、審査情報提供検討委員

会での検討・協議を推進して提供事例の

拡大を図り、審査に関する透明性の向上

を図ります。

具体的には、

・ 「審査に関する支部間差異解消のた

めの検討委員会」の検討事例等の支

部の登録状況を、審査充実全体会議

の提案を受けて中央検討委員会が検

証し、「取扱いの収斂が可能な事例」

等の検討・協議を行い、支部に再検

討を依頼します。

支部における再検討の結果、「取扱い

が収斂された事例」は、中央検討委

員会が検討・協議のうえ、審査情報

提供検討委員会に提案し、審査情報

提供事例の拡大を図ります。

紙レセプトの画像化

 

 支払基金の業務を効率化し、保険

者のニーズにこたえるため、医療機

関等から請求される紙レセプトを画

像化したうえで、オンライン又は電

子媒体で保険者へ提供します。

請求・支払関係帳票の電子化

   

請求・支払関係帳票については、

電子化した帳票のみの取扱いとする

よう関係者と協議を進めます。

紙レセプトの画像化に伴う請求支払業

務の処理体制の集約化や、債権関係業務

の一部について本部へ一元化するなど、

さらなる業務の効率化を図ります。

本・支部一体となった診療報酬等の収

納と迅速・適正な支払に努めます。

関係団体に対するサービスの向上のた

め、・

都道府県ごとの保険者団体等との打

合せ会

都道府県ごとの診療担当者団体との

連絡調整

適正なレセプト請求推進のための医

療機関等に対する訪問懇談、来所懇

談等

を実施します。

また、災害時等の緊急対応として、被

災した被保険者等のレセプト情報を提供

できる仕組みを検討します。

事務処理全般について、次の防止策を

実施します。

業務の見える化

情報の共有

職員の意識・資質および育成

ITの活用

レセプトの電子化がおおむね完了した

現在、今後、さらなる業務効率化を進め

るため、関係者に対して次のような協力

を求めていきます。

また、制度的な対応が必要となる事項

については、保険者団体および診療担当

者団体と連携を図りつつ、厚生労働省に

対して働きかけを行います。

医療機関等からのオンライン請求

医療機関等からの返戻再請求

保険者からの再審査請求

公費負担医療実施機関のオンライ

ン受取り

平成32年度に更新時期を迎えるシステ

ム機器について更新の準備を進めるとと

もに、併せてシステムの効率化等を図る

ための対応について所要の準備を進めま

す。

月刊基金 April 20165

診療報酬等の収納と

迅速・適正な支払

保険者および医療機関等に

対するサービスの向上

4事務処理誤りの防止等

電子化による業務の効率化

業務の集約化・一元化等

オンライン化の推進

6機器更新およびシステムを

効率化するための対応等

第3

請求支払業務の適正化

および効率化

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月刊基金 April 2016

平成26年4月1日以降、新たに70歳に

なる被保険者等から段階的に一部負担金

等の割合を2割とする取扱いについて、

的確に対応します。

地方単独医療費助成事業に係る審

査支払業務の拡大

 

 未受託の都道府県・市町村につい

て、保険者の協力を得ながら、より

一層の働きかけを実施します。

出産育児一時金等の直接支払制度

に係る正常分娩分の受託

 

 早期受託に向けて、業務処理方法

を検討するとともに、実施できる体

制を整備します。

柔道整復療養費の支払業務

 

 受託に向けた課題に関する基本的

な情報の把握・対応が必要であるこ

とから、厚生労働省等からの情報の

収集や保険者ニーズ調査等に取り組

みます。

⑴ 保険者等に対する支援業務

 

 支払基金が保有するデータおよび

保険者から提供を受けたデータを基

に、保険者のニーズに沿った支援業

務の検討を行います。

レセプト電子データ提供事業

 

 紙レセプトの画像化に伴い、提供

体系や利用料の変更を行うととも

に、保険者のニーズを踏まえ、引き

続き、当該事業を実施します。

支払基金保有宿舎の「第2次整理合理

化計画」(平成29〜32年度)の実施に向け、

売却処分および借上宿舎への移行を円滑

に行うための諸準備を進めます。

また、平成29年度売却対象宿舎の借上

げ宿舎への移行を行います。

機器等の調達時の一般競争入札等によ

る適正な業者の選定や予算執行過程での

見積りの精査等により、コンピュータシ

ステム関連経費を縮減します。

物品の調達については、「オープンカウ

ンタ方式」により見積書を徴収するとと

もに、随意契約ができる場合であっても

競争契約を行うなど、効果的な調達方法

により実施します。

ITを活用したさらなる審査の充実

および説明責任の履行を図るとともに、

さらなる業務の効率化を進め、平成28年

度予算では、平成27年度予算と比較して

▲3・9%(▲3・00円)に相当する74・

60円と手数料水準の引下げを行います。

一般会計の収支について、平成27年度

予算と平成27年度決算との異同に関する

分析を行い、予算および決算におけるP

DCAサイクルを実施するとともに、そ

の結果を平成28年度予算の執行および平

成29年度予算の編成に的確に反映します。

6

第5

効率的な事業運営

保有宿舎

1コンピュータシステム関連経費

2競争原理を働かせた調達方法

3

手数料水準

4予算および決算における

PDCAサイクル

その他の業務拡大

審査支払業務の拡大

1 第4

支払基金の保有する

人材やノウハウを

活用した業務の拡大

70歳代前半の被保険者等に係る

一部負担金等の軽減特例措置の

事務処理について

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これまで、支払基金は、厚生労働省の

要請を受けて、レセプト電算処理の開発

および運用について主導的な役割を果た

すなど、医療保険制度の基盤作りに貢献

してきたことから、引き続き、診療報酬

の審査支払の専門機関として蓄積された

ノウハウをいかし、医療保険制度の基盤

の整備、運用等に貢献してまいります。

平成28年度における診療報酬改定

等への円滑な対応

レセプト電算処理システムの開発

および運用

電子点数表の作成および公表

医療費の動向に関する分析

諸外国の審査機関等との情報交換

医療等分野における番号制度の活用

「人材育成基本方針」に沿った制度や取

組みを引き続き具体化していくものと

し、能力・成果等を的確に評価し、職員

個々の能力開発・向上に活用することを

目的とした人事評価制度の取組みを進め

ます。また、「女性の職業生活における活

躍の推進に関する法律」に基づいた人材

育成に取り組むとともに、中央研修の充

実、支部研修や自己啓発を行うための支

援を積極的に推進します。

引き続き、ITを効果的に活用して

継続的に良質なサービスを提供していく

ため、次の改善に取り組みます。

IT利活用に関するプロセス(企

画・開発・運用等)の標準化

システム開発時のコストの適正化

③中期的なIT人材の育成

職員等に対して「コンプライアンスの

手引き」および「情報セキュリティガイ

ド」等により周知を図るとともに自己点

検シートを用いて教育・訓練を実施しま

す。事

業運営の透明性を確保するため、引

き続き、内部監査および監事監査のほ

か、公認会計士監査等を実施します。

監査法人等によるセキュリティに関す

る外部監査を導入するなど、情報セキュ

リティ対策の強化を図ります。

オンライン請求システムで、電子レ

セプトを提出する医療機関等および

電子レセプトを受け取る保険者を支

援するため、データ提供の日程、コ

ンピュータシステムの障害発生の状

況等をメールで通知します。

・ 「お客様の声」受付窓口に寄せられた

保険者や医療機関等からの苦情や相

談、照会等について、迅速かつ懇切

丁寧に対応するとともに、必要に応

じ、それらの内容を組織的に共有し

てその後の事業運営に的確に反映し

ます。

審査委員会が機能することにより、

国民皆保険が支えられていることお

よび審査委員会の役割について、よ

り理解を深めていただくため、保険

診療と審査を考えるフォーラムを支

部主催で開催します。

事業運営に対する関係者の信頼を確

保するためには、事業の適正な運営

のほか、分かりやすい説明も重要で

あることから、引き続き、保険者、

医療機関のほか、被保険者等に対し

て、支払基金の存在意義が理解され

るよう、本部・支部が一体となっ

て、支払基金の取組みに関する広報

を分かりやすく実施します。

月刊基金 April 20167

第6

医療保険制度に

貢献する公的な役割

人材育成の推進

1

第7

組織運営に関する事項

ITガバナンスの確立

2

コンプライアンスの徹底

3監査の実施

4情報セキュリティの強化

5広報の強化・充実

6

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2

トピックス

TOPICSTOPICSTOPICSTOPICSTOPICSTOPICS 全国47支部と特別審査委員会の審

査委員長、支部長、基金本部の役員、

部室長が一堂に会し、新年度に向け

ての意見交換を行う会議であり、ま

ず冒頭に、来賓の厚生労働省保険局

の宮本保険課長からあいさつ(P11

に掲載)をいただきました。

 続いて、河内山理事長のあいさつ

(要旨は、P10に掲載)があり、そ

の後、昨年度の本会議で設置が了承

された審査充実全体会議において取

りまとめられた「審査の取扱いに関

する一定の見解」について討議を行

いました。

 また、全国基金医療顧問等会議の

開催結果、平成28年度における審査

委員長会議、医療顧問等会議の開催

予定、支払基金ホームページのリ

ニューアルなどについて本部の担当

部から説明した後、意見交換が行わ

れました。

 

最後に、「平成28年度診療報酬改

定について」と題し、厚生労働省保

険局の宮嵜医療課長を講師に迎え、

中央社会保険医療協議会の答申を踏

まえた診療報酬改定の基本的視点に

ついての講演が行われました。

 はじめに、平成28年度の事業運営

として、事業計画の骨子、支部の取

組みの指針となる事業計画実施要領

の重点項目、医療保険分野における

中間サーバー等の関連業務につい

平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成平成272727272727272727272727272727272727年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度年度

全国基金審査委員長・

全国基金審査委員長・

全国基金審査委員長・

全国基金審査委員長・

全国基金審査委員長・

全国基金審査委員長・

支部長会議を開催

支部長会議を開催

支部長会議を開催

 支払基金は、全国組織としての機能強化と審査の質の向上および審査充実のため

の諸方策等に関する意見交換を目的として、3月3日(木)、4日(金)の2日間に

わたり、平成27年度全国基金審査委員長・支部長会議を開催しました。

全国基金審査委員会・支部長会議(1日目)

《第1日目》

《第2日目》

月刊基金 April 2016 8

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て、説明が行われました。

 事業計画実施要領における

 重点項目

▽ 

突合点検および縦覧点検の

  

充実

▽ DPCレセプトの審査の充実

▽ 職員の能力向上

▽ 保険者および医療機関等へ 

  

の説明責任の履行

▽ 審査に係る差異の解消

▽ 紙レセプトの画像化による請

  

求支払業務の集約化と効率化

▽ 事務処理誤りの防止対策

  (業務処理のさらなる適正化)

▽ オンライン化の推進

 その後、分析評価システムの拡充、

審査の充実に向けた取組み、平成28

年度の業務処理における重点項目の

説明などが行われ、質疑応答、意見

交換を行いました。

 業務処理における重点項目

▽ 紙レセプトの画像化による 

  

請求支払業務の円滑な実施 

  

に向けた対応

▽ 再審査業務処理の適正化

▽ 事務処理誤りの防止対策  

  (作業マニュアルの遵守・

   改善)

▽ システム改善等による業務 

  

処理の適正・効率化

▽ 

出産育児一時金等の直接支払

  

制度に係る正常分娩分の受託

  に伴う業務処理の見直し

 

最後に河内山理事長から、「関係

方面からの声をしっかりと受け止め

たうえで、本部、支部が一丸となっ

て課題に取り組まれたい」とのあい

さつがあり、会議は終了しました。

本部からの説明(2日目)

(宮嵜医療課長講演資料をもとに作成)

月刊基金 April 20169

(宮嵜医療課長講演資料をもとに作成)

平成28年度診療報酬改定の概要平成28年度診療報酬改定の概要平成28年度診療報酬改定の概要 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、 連携に関する視点○ 医療機能に応じた入院医療の評価○ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医  療従事者の負担軽減・人材確保○ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化○ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保○ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化

 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・ 効率的で質が高い医療を実現する視点○ かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・   薬局の評価 ○ 情報通信技術(ICT) を活用した医療連携や医療に関するデータの収  集・利活用の推進 ○ 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進 ○ 明細書無料発行の推進

 効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点○ 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討○ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進○ 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組な  ど医薬品の適正使用の推進○ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し○ 重症化予防の取組の推進○ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価

 重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点○ 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価○ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価○ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価○ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価○ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実○ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した  医療の推進○ かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度によ る評価・適正化○ 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切  な評価 ○ DPC に基づく急性期医療の適切な評価

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 常日頃から審査委員長ならびに支部長

には、先頭に立って支払基金の懸案事項

の解決や改革に取り組んでいただいてい

ることに対して厚く御礼申し上げる。

 昨年のこの会議で提案して設置した審

査充実全体会議については、審査委員長

をはじめとする方々の尽力により、審査

に関する一定の取扱いの見解を取りまと

めるところまで至った。この一年間、審

査をめぐる具体的な取扱いについての問

題点や、再審査をはじめとする関係方面

からの意見などに、支払基金としてどの

ように対処すべきかという具体的な事例

を議論いただくとともに、審査委員長に

も取りまとめの内容を相談しながら進め

てきた。長年の懸案であった審査の取扱

いに関して、全国組織の支払基金として

一定の考え方を共有することについて、

改めてこれまでの審査委員長の尽力に御

礼申し上げる。

 支払基金ではこれまで、審査の充実や

組織の効率化を進めることに精力的に取

り組んできた。しかし、外から見ればま

だ改善の余地があるという意見をいただ

いており、規制改革会議からも問題提起

を受けている。

 レセプトの98%以上が電子請求されて

いる今日、電子化を前提とした事業運営

を行ってきたが、ICTの活用はまだ

緒に就いたばかりであり、外部の関係者

からは、ICTの活用により審査は効

率化できるのではないかと指摘を受けて

いる。診療報酬のルールなどが電子化を

前提としていないこともあり、ICT

だけで審査が完結できるわけではない

が、多くの有識者のご意見を伺いながら、

前向きに、かつ、熱心に取り組まなけれ

ばならないと感じている。

 今の時代にふさわしい組織運営のあり

方についても、支払基金としては問題提

起を受けるまでもなくこれからも効率的

な運営に取り組みたいと考えている。こ

れまでも職員からの提案による業務の改

善・改革にも取り組んできたが、改善・

改革の余地はまだ残されているので、今

後も電子化の時代にふさわしい組織のあ

り方も含め、留まることなく改革に取り

組んでいきたいと考えている。

 

一方で、関係方面からは審査結果につ

いて分かりやすい説明が求められている。

原審査、再審査を含め、どのような判断

に基づいた審査結果であるのかというこ

とを、審査委員の力を借りて今まで以上

に分かりやすく説明できるように取り組

んでいきたいと考えているので、よろし

くお願いする。

 ICTを活用することについても、

時代の変化に対応した組織の改革につい

ても、日本の医療がさらに充実し、円滑

に運営できることが支払基金の最大の使

命であるということが前提となる。その

ためには、十分に診療の現場を理解され

ている審査委員の判断を抜きにした審査

はあり得ないことであり、日本の医療保

険制度の安定的な運営はもとより、医療

機関、保険者のそれぞれから納得をいた

だける審査となるよう、審査委員長の皆

さまには引き続き審査の充実に努めてい

ただきたい。

河内山理事長

あいさつ(要旨)

審査充実全体会議

電子化にふさわしい組織運営

納得性のある審査の充実

月刊基金 April 2016 10

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 全国の審査委員長、支部長の皆さまに

は、日頃から、診療報酬の適正な審査支

払の実施に取り組んでいただき、医療保

険制度の適正かつ円滑な運営に多大なご

尽力をいただいていることに、厚く御礼

申し上げる。

 医療保険制度の審査支払は、医療技術

の高度化や保険制度の発展により、年々、

複雑かつ多様化している。こうした中、

審査委員長の先生方には、適正な審査を

確保するため、審査委員会の運営全般に

わたり、多大なご尽力をいただいている

ことに重ねて敬意と感謝を申し上げる。

 わが国の医療保険制度は、国民皆保険

のもと、国民がいつでもどこでも良質な

医療を受けられ、健康を回復・維持し、

長寿を全うできる社会の重要な基盤とし

て、着実に発展してきた。

 しかし、近年、急速な高齢化の進行や

医療の高度化等により、医療費は増加を

続けるなど、医療保険制度を取り巻く環

境は、相変わらず厳しい状況にあること

は、皆さまにご承知いただいているとお

りである。

 特に、近年は、高齢者の医療費が増え

る一方で、支え手である現役世代の人口

が減少傾向にあることを背景に、医療保

険制度の持続可能性を問う声が聞こえる

ようになってきている。

 

このような中、政府においては、「社

会保障改革プログラム法」に基づき、高

齢者医療制度の見直しや国民健康保険の

改革、医療費適正化の推進といった諸般

の課題に取り組んできたが、昨年の通常

国会では、支払基金法の改正を含めた医

療保険制度改革関連法案が審議され、昨

年5月に成立、公布されたところである。

 なお、このたびの支払基金法の改正内

容は、社会保障・税番号制度における医

療保険者の中間サーバーの設置・運用に

ついて、取りまとめ機関として支払基金

と国保中央会に一元的に対応いただくほ

か、正常分娩に係る出産育児一時金の支

払いも支払基金で対応いただくことによ

り、医療保険全体で業務の効率的な運用

が期待されており、支払基金はますます

重要な役割を担うことになるので、その

運営に当たっては、皆さまのご協力をお

願いしたい。

 

現在、政府の規制改革会議から、診療

報酬の審査の効率化と統一性の確保の実

現に向け、診療報酬の審査の在り方をゼ

ロベースで見直すことが求められている。

 これを受けて、厚生労働省内に学識有

識者による検討会を設置する考えであ

り、規制改革会議から提案された検討事

項も踏まえつつ、ICTを活用した診療

報酬審査の在り方等について、6月頃に

まとめる規制改革実施計画を見据え、今

後検討を進めていくこととしている。

 ゼロベースの検討が求められるという

ことで、ご心配をいただいているかもし

れないが、検討に当たっては、まずは支

払基金や国保連が現在行っている審査の

実情についてよくご理解いただくことが

必要であると考えており、ご協力を賜れ

ばありがたいと考えている。

 本日ご参集の皆さま方には、国民への質

の高い医療が適正かつ円滑に提供されるよ

う、審査支払業務を通じて、さらなるご尽

力をいただくよう、改めてお願いする。

厚生労働省保険局

宮本保険課長

あいさつ

医療保険制度を取り巻く環境

規制改革会議の動向

月刊基金 April 201611

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審査情報提供事例(医科・歯科)を公表審査情報提供事例(医科・歯科)を公表審査情報提供事例(医科・歯科)を公表

 このたび、平成28年2月4日に開催された「第28回審査情報提供検討委員会」において、4事例が第14次審査情報提供事例として選定され、2月29日に公表しました。 また、平成28年2月2日に開催された「第11回審査情報提供歯科検討委員会」において、6事例が選定され、第9次審査情報提供事例(歯科)として2月29日に公表しました。 なお、これまでの公表分を含む全事例については、支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)をご参照願います。

 審査支払機関における診療報酬請求に関する審査は、健康保険法、療養担当規則、診療報酬点数表および関係諸通知等を踏まえ各審査委員会の医学的・歯科医学的見解に基づいて行われています。 一方、審査の公平・公正性に対する関係方面からの信頼を確保するため、審査における一般的な取扱いについて広く関係者に情報提供を行い、審査の透明性を高めることとしております。 このため、平成16年7月に「審査情報提供検討委員会」、平成23年6月に「審査情報提供歯科検討委員会」を設置し、情報提供事例の検討と併せ、審査上の一般的な取扱いに係る事例について、情報提供を行ってまいりました。 今後とも、当該委員会において検討協議を重ね、提供事例を逐次拡充することとしておりますので、関係者の皆様のご参考となれば幸いと考えております。 なお、情報提供する審査の一般的な取扱いについては、療養担当規則等に照らし、当該診療行為の必要性、用法・用量の妥当性などに係る医学的・歯科医学的判断に基づいた審査が行われることを前提としておりますので、本提供事例に示された適否が、すべての個別診療内容に係る審査において、画一的あるいは一律的に適用されるものではないことにご留意ください。

特特特 集集集 111

審査情報提供事例について

第 14 次審査情報提供事例(医科)

事例 取扱い 取り扱いを定めた理由

304HBs抗原①(B型肝炎疑い)

 原則として、健診等の結果、血液検査の結果及び症状等から、「B型肝炎の疑い」病名がある場合において、スクリーニングを目的として実施した、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原の算定は認められる。

 区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原については、健診等で肝機能障害や黄疸が指摘された場合や、血液検査の結果及び全身倦怠感に引き続き食欲不振、悪心・嘔吐などの症状からB型肝炎が疑われる場合に実施されており、B型肝炎ウイルスの感染を見逃さないために高感度又は高精度に測定することは臨床上有用である。したがって、B型肝炎が疑われた時点で高感度又は高精度の区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原を実施することは必要と認められる。

305HBs抗原②(手術前及び観血的検査前)

 原則として、手術前及び観血的検査前において、スクリーニングを目的として実施した区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原の算定は認められる。

 区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原については、一般的に手術前及び観血的検査前において実施されており、B型肝炎ウイルスの感染を見逃さないために高感度又は高精度に測定することは臨床上有用である。したがって、手術前及び観血的検査前において高感度又は高精度の区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原を実施することは必要と認められる。

検査

月刊基金 April 2016 14

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診療項目 事例 取扱い 取扱いを定めた理由 留意事項

処置 39 乳幼児う蝕薬物塗布処置②

 原則として、同一初診期間中にう蝕歯即時充填形成又はう蝕歯インレー修復形成を行った歯に対して、後日、他歯面に対して行った乳幼児う蝕薬物塗布処置の算定を認める。

 乳幼児のう蝕に対するう蝕歯即時充填形成又はう蝕歯インレー修復形成を行った後、診療状況等によって同一歯の他歯面に生じたう蝕に対して、乳幼児う蝕薬物塗布処置が必要となる場合がある。

 同一初診期間中にう蝕歯即時充填形成又はう蝕歯インレー修復形成を行った歯の他歯面に対する乳幼児う蝕薬物塗布処置の算定が傾向的にみられる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると考えられる。

処置 40 暫間固定装置修理

 原則として、「P」病名のみの場合においては、暫間固定装置修理の算定を認めない。

 暫間固定装置修理の算定にあたっては、対象となる診療内容についての要件が定められており、また、傷病名として「ハセツ」病名があることから、「P」病名のみでの当該処置の算定は適切でない。

処置 41 歯冠修復物又は補綴物の除去②

 原則として、歯を保存する目的で歯冠補綴物の除去及び歯内療法を行い、同月内に日を異にして抜歯となった場合における除去の費用の算定を認める。

 歯を保存する目的で歯冠補綴物の除去及び歯内療法を行ったものの、当初予見されなかった症状や歯の状態の変化等により後日やむを得ず抜歯となる場合が臨床上あり得る。

 同月内に歯を保存する目的で歯冠補綴物の除去及び歯内療法を行った後に抜歯の算定が傾向的にみられる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると考えられる。

処置 42 フッ化物歯面塗布処置

 原則として、う蝕処置を行った同一歯に対して同時に行った「I031 フッ化物歯面塗布処置 2 在宅等療養患者の場合」を認める。

 在宅等療養患者に対する歯科訪問診療において、診療状況や患者の状態等によってう蝕処置を行った同一歯に対して、同時にう蝕の抑制等を目的としたフッ化物歯面塗布処置が必要となる場合がある。

歯冠修復及び欠損補綴

43 う蝕歯即時充填形成②

  原 則 と し て、「 咬 耗 症(Att)」病名に対するう蝕歯即時充填形成の算定を認める。

 歯の咬耗症における象牙質・エナメル質の欠損状態や症状等によりう触歯即時充填形成が必要となる場合がある。

歯冠修復及び欠損補綴

44 う蝕歯即時充填形成、充填及び歯科充填用材料

 原則として、う蝕歯即時充填形成後、同一初診期間内に「Pul」病名で抜髄を行った場合、抜髄前のう蝕歯即時充填形成、充填及び歯科充填用材料の算定を認める。

 う蝕歯即時充填形成後に疼痛が出現し、やむを得ず抜髄となることは、臨床上あり得る。

 う蝕歯即時充填形成後、同一初診期間内に「Pul」病名で抜髄を行った場合の算定が傾向的にみられる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると考えられる。

第 9 次審査情報提供事例(歯科)

事例 取扱い 取り扱いを定めた理由

307 骨移植術②(人工関節置換術(膝関節))

 原則として、人工関節置換術(膝)において、脛骨骨切り面の強度を増すために、海綿骨を骨切り面にimpactionした場合、骨移植術は認められる。

 人工関節置換術(膝)時に、生理的に必要な部分に骨欠損が生じた場合、力学的に不利な状態である。脛骨骨切り面の強度を増すためには、海綿骨を骨切り面にimpactionする操作が必要であり、骨移植術として認められる。

手術

事例 取扱い 取り扱いを定めた理由

306 HBs抗原③(B型肝炎の経過観察)

 原則として、「B型肝炎」の抗ウイルス療法、肝庇護療法及び免疫療法の治療をしている経過観察において、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原を測定し算定することは認められる。

 区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原については、B型肝炎(診断時以外)患者に対する抗ウイルス療法、肝庇護療法及び免疫療法の治療効果を判定するうえで、肝細胞内のB型肝炎ウイルスの増殖の病態を把握するためにHBs抗原定量値を経時的に測定することが最も有用である。したがって、B型肝炎(診断時以外)患者に対する抗ウイルス療法、肝庇護療法及び免疫療法の治療効果を判定するうえで、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「3」のHBs抗原を実施することは必要と認められる。

※ impaction : 突き固める(強固にする)

月刊基金 April 201615

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都道府県 実施主体 区分 法別 対象者

自己負担 食事療養費

対象医療機関等 受託年月

入院 入院外

北海道

今金町

乳幼児 90

*道の基準どおり入院:12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者外来:6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者

1 3歳に達する日の属する月の末日までの者 初診時一部負担金 医科 580円 歯科 510円2 市(町・村)民税非課税世帯の3歳以上12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 初診時一部負担金 医科 580円 歯科 510円3 3歳以上12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 1割相当負担金 月44,400円限度

1 3歳に達する日の属する月の末日までの者 *入院と同様2 市(町・村)民税非課税世帯の3歳以上6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 *入院と同様3 3歳以上6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 1割相当負担金 月12,000円限度

対象外道内の医療機関等

平成28年4月診療分

乳幼児(道の事業の上乗せ分)

91

*道の基準の自己負担分について町が助成入院:12歳に達する日(誕生日の前日)以後の最初の3月31日までの者外来:6歳に達する日(誕生日の前日)以後の最初の3月31日までの者

なし

乳幼児(道の事業の上乗せ分)

92

*道の乳幼児医療の対象年齢を拡大入院:12歳に達する日(誕生日の前日)以後の最初の4月1日から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの者外来:6歳に達する日(誕生日の前日)以後の最初の4月1日から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの者所得制限による道の「乳幼児医療給付事業」の非該当者における18歳に達する日(誕生日の前日)以後の最初の3月31日までの者

なし

岩内町 乳幼児 90

*道の基準どおり入院:12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者外来:6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者

1 3歳に達する日の属する月の末日までの者 初診時一部負担金 医科 580円 歯科 510円2 市(町・村)民税非課税世帯の3歳以上12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 初診時一部負担金 医科 580円 歯科 510円3 3歳以上12歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 1割相当負担金 月44,400円限度

1 3歳に達する日の属する月の末日までの者 *入院と同様2 市(町・村)民税非課税世帯の3歳以上6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 *入院と同様3 3歳以上6歳に達する日以後の最初の3月31日までの者 1割相当負担金 月12,000円限度

対象外道内の医療機関等

秋田県 潟上市乳幼児

(県の事業の上乗せ分)

81

*平成22年8月診療分から受託している乳幼児医療について、新たに法別番号を設定県の基準の自己負担が発生する者に対し医療費の助成を実施対象年齢は県の基準と同じ(小学6年生まで)*訪問看護は対象外

なし 対象外 県内の医療機関等

平成28年4月診療分

栃木県

宇都宮市鹿沼市

こども(県の事業の上乗せ分)

80学齢期のこども(義務教育就学から15歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある者)

なし 対象外

県内の医療機関等

平成28年4月診療分さくら市

児童(県の事業の上乗せ分)

80 義務教育就学から18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある者 なし

食事標準負担額を助成

塩谷町こども

(県の事業の上乗せ分)

80 義務教育就学から18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある者 なし 対象外

埼玉県

吉川市 子ども 81

15歳に達した日に属する年度末まで*1医療機関の入院・入院外で月21,000円未満を助成 21,000円以上となった場合は、原則償還払いとする

なし 対象外吉川市内に所在の協力医療機関等

平成28年4月診療分

嵐山町 重度心身障害者 82

1.身体障害者手帳1級・2級・3級所持者2.療育手帳 A 、A、B所持者3.65歳以上で埼玉県後期高齢者医療広域連合または町長の認定を受けている者4.精神障害者保健福祉手帳1級(精神病床に係る入院費用は助成対象外)*訪問看護は対象外*1医療機関の入院・入院外で月21,000円未満を助成 21,000円以上となった場合は、原則償還払いとする*2事業の優先順位は①重度心身障害者医療②こども医療の順

なし

食事標準負担額を助成※生活療養費は対象外

比企管内(滑川町、嵐山町、小川町、ときがわ町、川島町、吉見町、鳩山町、東秩父村、東松山市)に所在の協力医療機関等

平成28年4月診療分

新潟県 新発田市子どもの医療

(県の事業の上乗せ分)

91 *県基準の入院自己負担額を助成満15歳に達する日以後の最初の3月31日まで なし 対象外 県内の

医療機関等平成28年4月診療分

熊本県

菊陽町 子ども 80

満15歳に達する日以後の最初の3月31日までの者ただし、1医療機関における月の一部負担金が20,000円を超える場合は対象外(償還払い)とする。※入院は対象外(償還払い)

0歳から3歳までの者:自己負担なし4歳の誕生月の翌月から満15歳に達する日以後の最初の3月31日までの者:1月1医療機関毎に上限500円の自己負担(調剤薬局を除く)

対象外 県内の医療機関等

平成28年4月診療分

美里町 こども 80

満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの者ただし、入院・外来ごとに1医療機関における月の一部負担金が21,000円を超える場合は対象外(償還払い)とする。*生活保護法の適用を受けている者は対象外

なし

月刊基金 April 201623

支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/) 支払基金 検索

地方公共団体が実施する医療費助成事業の審査支払事務を受託

新たに受託する医療費助成事業の概要平成28年4月現在

 北海道、秋田県、栃木県、埼玉県、新潟県および熊本県が実施する医療費助成事業の審査支払事務(被用者保険分)を受託しました。

 支払基金が受託している医療費助成事業については、支払基金ホームページにおいて、新規に受託した医療費助成事業のほか、既に受託している医療費助成事業の助成内容の変更についても掲載し、毎月更新しています。

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月刊基金 April 2016

Q

【対策Ⓑ:外来レセプト】

 

外来分は、対象件数が膨大であり、限

られた時間ですべてローラー的に点検す

めの分析力の強

化、また、それを

軸とした個人別P

DCAサイクルの

徹底的な検証で

す。そのために

は、対応方針を明

確に示すことに心

がけています。

 職員全体打合せで次のように示し、「審

査実績の向上」と「人材育成」の両面から、

小支部ならではのきめ細かい個別対応を

しています。(図表)

【対策Ⓐ:入院レセプト】

 入院分は、再審査となる可能性がある

診療項目(手術、高額薬剤など)を網羅的

(ローラー的)に点検すること。

青森支部の取組みで特に力を入れている

ことはどのようなことですか。

 審査の充実策として、蓄積されている

データを最大限かつ効果的に活用するた

24

青森支部長

長洲

智彦

図表 青森支部 再審査査定割合低減へのアプローチ -医科-

支 部 紹 介支 部 紹 介支 部 紹 介

支部長に聞きました

支部長に聞きました

支部長に聞きました

支部長に聞きました

支部長に聞きました

支部長に聞きました

審査委員数 66名(医科55名・歯科8名・調剤3名)

職員数 43名

取扱件数・金額【平成27年 12月診療分】

医科  47.8万件、70.3億円

歯科   8.6万件、 7.8億円

調剤  32.8万件、24.7億円

 

青森県は、県西部にある日本海側

の津軽地方と、県東部にある太平洋

側の南部地方の2つの地域に大別さ

れ、歴史、文化から津軽弁、南部弁

の方言まで大きく異なります。県民

性は、全体的に誠実で温和、世渡り下手、照れ屋、

地味と言われますが、仕事ぶりはコツコツとまじ

めで、グチもこぼさない頼もしいタイプが多いです。

 

職員気質も県民性が根付いており、原審査・再

審査結果データに基づく分析力は、全国でも高い

レベルに達していると自負しています。審査事務

に当たっては、各職員が担当する医療機関の原審

査結果データ、再審査結果データと自らの取組み

を分析するだけではなく、上司が担当者の分析結

果および対策を検証し、それに基づくフォローア

ップ体制が確立しつつあります。

 

また、地域、関係団体等とは、「五者協議会」(県

医師会、東北厚生局青森事務所、協会けんぽ青森

支部、県国保連合会、支払基金青森支部)を開催、

保険者団体とは、「保険者との打合せ会」を定例的

に実施、地元薬学部の学生には、公的な役割の一

環として、「審査支払機関の見学会」を通じ、医療

保険制度、国民皆保険の概要を説明するなど親密

な関係を築いています。

支部概要

分析力を強化し、きめ細かい対応で審査実績を向上させる

青森県は本州の最北端に位置し、三方を海に囲まれ、世界遺産白神山地をはじめとする山々などの自然にも恵まれています。今号では、原審査および再審査の徹底的な分析などを通じ、支部の審査実績の向上と人材育成に取り組む青森支部を紹介します。

青森支部

支部のPR

※係 ・ 個人により、担当する分担は相違

(数字は H27.10~12 月実績)取扱件数比率(%)

原審査査定点数比率(%)

再審査査定点数比率(%)

26.5%52.9%1.9%

入院分レセプト

○手術、高額薬剤はローラー点検 

○他は分析結果、 システムチェックを効率的に活用

外来分レセプト

○分析に基づく、再審査事例の撲滅

○医療機関、保険者再審査請求傾向 を把握した再審査に着目した点検

対策 F

対策

A対策

対策

E対策

BC

現実を直視 そのうえで 個人ごとの戦略が必要

73.5%47.1%98.1%

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Q

Q

の将来につながる個人力を伸ばすための

アプローチにも取り組みたいと考えてい

ます。

支部長の休日の過ごし方を教えてくださ

い。

 青森には148か所の温泉地がありま

す。有名どころでは、平安時代から続く

由緒ある「浅虫温泉」、東北の秘湯「酸ヶ

湯温泉」、日本海に沈む夕日を望む「不老

不死温泉」があり、週1回は温泉に浸か

ります。

ことから、その重要度は増したこと。

【対策Ⓕ:フォローアップ】

 

審査事務力、分析力については、個人

差を補う対応が必要であり、上司等から

のフォローアップを的確に実施すること。

青森支部の今後の目標や支部長の抱負な

どを聞かせてください。

 

平成27年度は、「支払基金サービス向上

計画」の最終年度であったこともあり、と

にかく審査実績の向上をはじめ、支部(組

織)全体へのアプローチに心がけました。

 今年度は、じっくり腰を据えて、職員

は、係、個人によって異なるため、実績

を向上させる事務点検を実施するうえ

で、「前月までの原審査結果」「再審査デー

タ」の医療機関ごとの診療行為・医薬品

ごとの分析に基づく対応、スケジューリ

ングが必須であること。

【対策Ⓔ:道具(システム機能)の使いこ

なし】

 「対策Ⓐ」および「対策Ⓑ」に対しては、

点検条件、抽出機能の活用が効果的であ

るため、「対策Ⓓ」に基づき取り組むこと。

特に突合点検においては、システムが改

修され、点検条件の設定が可能となった

ることは困難。医療機関傾向、再審査事

例分析による的を絞った点検をすること。

【対策Ⓒ:再審査対象となり得るレセプ

トへの重点化】

 再審査請求は、査定事例に基づく傾向

があることから、医療機関の請求傾向に

加え、診療科別(単位)の査定事例を把握

のうえ、診療科の傾向に合わせたコン

ピュータチェック(点検条件)の設定な

ど、優先順位、項目を定めた的確な点検

を実施すること。

【対策Ⓓ:当月の審査事務への戦略】

 「対策Ⓐ」、「対策Ⓑ」の割合(充当配分)

月刊基金 April 201625

雪中行軍と八甲田山 明治 35 年、緊迫する日露関係を背景に「青森歩兵第5連隊」は雪中八戸平野に侵入した敵を想定し、青森

から八甲田山(八甲田連峰)を越えて進軍できるか否かの調査のための雪中行軍を計画しました。この計画では、青森から田代平までの一泊行軍とし、田代に達することができない場合を考慮し雪中露営の準備もされていました。しかし、悪天候に阻まれ、総勢 210 名の隊員のうち 199 名の犠牲者を出す惨劇となりました。 「天は我々を見放した」という映画の一節でも知られている八甲田山。晩秋から初冬にかけ、山麓の緑、山腹の赤・黄、そして山頂部分は白に染める「三段染め」は、絶景を極めます。 青森駅からは、バス、ロープウェイを乗り継ぎ、約 1 時間半で山頂駅まで行くことができ、3 月に開通した北海道新幹線を利用すれば、首都圏からの日帰りも可能です。

審査委員長 村田 有志

青森

 

現在、保険者等

からの要請および

規制改革会議にお

ける意見等を踏ま

え、審査の「不合

理な差異の解消」

に取り組んでいます。取組みの一つとして、その

ような事例を抽出し、「主任・医療顧問打合せ会」

の協議で「取決事項案」を作成し、その提示案に

ついて第二次審査で最終決定を行っています。

また、「取決事項」の作成で最近留意しているの

は、「根拠等」も併せて記載することで、職員から

も好評です。新規「取決事項」は、毎月、各審査委

員に紙で配布するとともに、クライアントにも

順次格納して周知しています。

 

なお、これらの取決事項については、全国で取

決事項システムにより共有されます。

 

その他に、再審査結果の把握とチェック、原審

査へのフィードバックが重要なことから、それ

らに関するより効率的な方法を検討している状

況です。

審査委員からの一言

雪中行軍と八甲田山

お国自慢

からの要請および

規制改革会議にお

ける意見等を踏ま

え、審査の「不合

理な差異の解消」

(写真提供/青森県観光情報サイト)

八甲田山(紅葉)

八甲田山(冬)

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月刊基金 April 2016

件数金額

万件 億円

23年12 月

24 年12 月

25 年12 月

26 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月

27 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月

9,500

9,000

8,500

8,000

7,500

7,000

6,500

10,500

10,000

9,500

9,000

8,500

8,000

7,500

合計 医科 歯科 調剤 食事・生活療養費 訪問

件数(千件) 前月比(%) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%)

協会けんぽ 36,050 106.4 101.3 19,552 100.3 4,815 106.1 11,668 101.0 270 104.6 15 119.0

船員保険 116 104.7 97.4 63 96.9 14 99.6 38 97.5 1 94.4 0 92.0

共済組合 8,858 108.7 97.4 4,828 96.6 1,175 102.3 2,852 96.9 59 101.7 3 115.8

健保組合 28,388 107.5 97.6 15,224 96.8 3,935 103.3 9,218 96.7 175 102.1 11 116.2

医療保険合計 73,411 107.1 99.4 39,667 98.5 9,939 104.5 23,775 98.8 505 103.4 29 117.5

各法合計 14,316 105.2 102.5 7,699 102.3 1,169 110.5 5,396 101.0 181 98.7 52 120.4

総計 87,727 106.8 99.9 47,366 99.1 11,109 105.1 29,172 99.2 686 102.1 81 119.3

合計 医科 歯科 調剤 食事・生活療養費 訪問

金額(百万円) 前月比(%) 前年同月比(%)金額(百万円)前年同月比(%)金額(百万円)前年同月比(%)金額(百万円)前年同月比(%)金額(百万円)前年同月比(%)金額(百万円)前年同月比(%)

協会けんぽ 423,968 106.4 106.6 290,925 104.8 41,158 105.1 88,246 113.6 2,850 102.5 789 120.1

船員保険 1,583 103.5 98.4 1,091 95.7 139 96.5 336 109.9 15 84.0 2 111.0

共済組合 90,558 110.8 100.6 61,854 99.5 9,080 101.3 18,905 103.8 533 99.1 187 116.1

健保組合 291,238 107.6 101.8 196,165 100.7 31,609 102.5 61,343 105.2 1,586 99.5 535 118.5

医療保険合計 807,347 107.3 104.1 550,034 102.7 81,986 103.6 168,830 109.3 4,984 101.1 1,513 119.0

各法合計 207,610 102.6 103.9 147,206 102.5 7,780 104.5 43,945 109.2 6,139 97.4 2,541 121.6

総計 1,014,956 106.3 104.1 697,240 102.6 89,765 103.7 212,775 109.3 11,123 99.1 4,053 120.6

28

診 療報酬等確定件数・金額の月別推移

件 数 (平成27年12月診療分)

金 額 (平成27年12月診療分)

管掌別

管掌別

種別

種別

 平成 27 年 12 月診療分の確定件数は、総計で8,773 万件であり、対前年同月比は 0.1%の減となっています。また、医療保険合計は 7,341 万件であり、対前年同月比は 0.6%の減となっています。 確定金額は、総計で 1兆 150 億円であり、対前年同月比は 4.1%の増となっています。また、医療保険合計は 8,073 億円であり、対前年同月比は4.1%の増となっています。

医療費医療費医療費ののの動向動向動向診療報酬等確定状況確定件数および金額の状況

(注1)合計欄は、食事・生活療養費を除く件数とその対比である。(注2)総計欄には、老人保健が含まれている。(注3) 千件未満四捨五入のため、合計および総計が一致しない場合がある。

(注1) 総計欄には、老人保健が含まれている。(注2)数値は、突合点検による原審査結果を反映したものである。(注3)百万円未満四捨五入のため、合計および総計が一致しない場合がある。

診療報酬等確定件数・金額の詳細情報については、支払基金ホームページからご覧いただけます。(支払基金ホームページ http://www.ssk.or.jp/>統計情報>確定状況)

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5,200

5,000

4,800

4,600

4,400

800

750

700

650

51,000

50,000

49,000

48,000

47,000

46,000

45,000

44,000

1,100

1,050

1,000

11109876543210

ー1ー2

9876543210

ー1ー2ー3

1,400

1,300

1,200

1,100

1,000

660

640

620

600

580

1,000

900

800

700

600

543210

ー1ー2ー3ー4ー5ー6

109876543210

ー1ー2ー3ー4

点 点

% %

点 点

% %

医科入院外

25年5月

10月 10月 10月

10月 10月

27年4月 27年4月

27年4月 27年4月

10月

10月

10月

10月

27年4月

27年4月

27年4月

27年4月

10月 10月10月

10月 10月

10月

10月

10月

10月

10月 10月

10月

10月

10月

10月

12月 12月

12月 12月

12月

12月

12月

12月

医科入院

医科入院外

医科入院

医科入院外

医科入院

医科入院外

1件当たり点数

1件当たり点数の伸び率

1件当たり点数の伸び率

1日当たり点数

1件当たり点数

1回当たり点数

1日当たり点数の伸び率

1回当たり点数の伸び率

医科入院

25年5月

25年5月25年5月

25年5月 25年5月

25年5月 25年5月

26年4月 26年4月

26年4月 26年4月

26年4月

26年4月

26年4月

26年4月

月刊基金 April 201629

診 療諸率の状況

図1-1 医科1日当たり点数

図1-2 医科1日当たり点数の伸び率(前年同月比)

図3-1 歯科入院外1件(日)当たり点数

図3-2 歯科入院外1件(日)当たり点数の伸び率(前年同月比)

図2-1 医科1件当たり点数

図2-2 医科1件当たり点数の伸び率(前年同月比)

図4-1 調剤1件(回)当たり点数

図4-2 調剤1件(回)当たり点数の伸び率(前年同月比)

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n f o r m a t i o n理事会開催状況

医療機関等からの電子レセプトおよび紙レセプトの受付状況

プレスリリース発信状況

基金本部主催会議等実施状況

保険者等への請求件数およびレセプト電子データ提供の状況

支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)新着状況

全国基金審査委員長・支部長会議 3月 3日(木)~3月4日(金)理事会 3月 28日(月)

注 千件未満四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

注 千件未満四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

● 2月理事会は、29日に開催され、議題は次のとおりでした。

議題

平成28年1月受付分

総件数(電子および紙)

レセプトの種類電子レセプト(97.9%) 紙レセプト(2.1%)

医科 46,375 歯科 10,631 調剤 29,079 医科 歯科 調剤電子媒体 オンライン 電子媒体 オンライン 電子媒体 オンライン87,926 12,291 34,084 8,780 1,851 240 28,839 1,128 524 190

●医療機関等からの受付件数(千件)

●保険者等への請求件数(千件) ●レセプト電子データの提供状況

平成28年2月請求分

総件数(電子および紙)

電子レセプト→電子請求 電子レセプト→紙による請求 紙→紙

電子媒体 オンライン87,926 5,847 76,906 3,331 1,842

平成28年2月提供分

保険者数 提供件数(千件)

6,481 83,850

2月 1日 No.644 第 6回「保険診療と審査を考えるフォーラム」を開催 / No.645 平成 27年 11月診療分の件数と金額が確定 2 月 3日 No.646 「第 11回審査情報提供歯科検討委員会」及び「第18回審査に関する支部間差異解消のための歯科検討委員会」を開催2月 8日 No.647 オンライン請求で使用する際のパソコン基本ソフトの種類を拡大 No.648  「第 28回審査情報提供検討委員会」及び「第45回審査に関する支部間差異解消のための中央検討委員会」を開催 No.649  「全国基金研究発表会」を開催 2 月 12日 No.650 全国基金医療顧問等会議を開催 / 2月18日 No.651 平成 28年度診療報酬改定等に伴うメーカー説明会を開催2月26日 No.652 「制度等の見直しに関する要望」を厚生労働省に提出 2 月 29日 No.653 平成 28事業年度一般会計事業計画・収入支出予算等に関する記者会見を開催 No.654 審査情報提供事例(医科)(歯科)を追加 / No.655 平成 27年 12月審査分の医科電子レセプトコンピュータチェック効果について

2月 1日 医療費助成事業の受託内容について更新 / 統計情報の確定状況および収納状況(平成 27年 11月診療分)を掲載 支部情報(各支部ページ)の「お知らせ」および「診療報酬確定状況」を更新 2 月 3日 保険者の異動について(2016年 1月分)を掲載 2 月 8日 オンライン請求用パソコン動作環境 (OS等 )を更新 / 平成 28年度のオンラインによる請求前の資格確認に係る運用スケジュールを掲載 オンラインによる電子レセプトの再審査等請求に係る手引きの内容を一部変更 / 支払調書および当座口振込通知書に係る質疑応答事例を更新 2月 10日 統計月報(平成 27年 11月診療分)を掲載 / 支部情報(各支部ページ)の管掌別診療報酬等確定状況(平成 27年11月診療分)を掲載 2月 16日 東日本大震災に関する通知を掲載 / 2月22日 月刊基金 2月号を掲載 2 月 23日 平成 28年度診療報酬改定等に伴うメーカー説明会資料を掲載 / 基本マスター(医薬品)を更新 / 診療報酬関係通知を掲載2月25日 平成 28年度診療(調剤)報酬改定に係る診療行為マスターおよび調剤行為マスターの新設予定コードおよび廃止予定コードを掲載2月29日 レセプトオンライン請求 受付・事務点検ASPチェックロジックを更新 審査情報提供事例(医科)を4事例を掲載 / 審査情報提供事例(歯科)を6事例を掲載

1 平成 28事業年度一般会計事業計画について2 平成 28事業年度一般会計収入支出予算について3 平成 28事業年度一般会計(高齢者医療制度円滑導入勘定)収入支出予算について4 平成 27事業年度特定 B型肝炎ウイルス感染者給付金等支給関係特別会計予算、事業計画及び  資金計画の変更について5 保険者との契約の改定について 6 報告事項 (1)第 14次審査情報提供(医科)及び第 9次審査情報提供(歯科) (2)第 6回「保険診療と審査を考えるフォーラム」の開催結果 (3)平成 27年度支部監事監査の結果7 定例報告 (1)支払基金における審査状況(平成 27年 12月審査分) (2)特別審査委員会の取扱状況(平成 28年 2月審査分)