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LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
591
2.7.4.5 特別な患者集団及び状況下における安全性に関する観察項目
2.7.4.5.1 内因性要因
2.7.4.5.1.1 CYP2D6遺伝子型別安全性
アトモキセチンの代謝に関係しているチトクローム P450 2D6(以下、CYP2D6)は遺
伝子多型を有しており、遺伝子型により大きく Extensive Metabolizer(以下、EM)と
Poor Metaborizer(以下、PM)に分けられる。白人における PM の比率は約 7%(Broly
1991)と報告されている。一方、日本人では PM の比率が 1%未満(Nakamura 1985、
Horai 1990)と低く、野生型遺伝子より代謝活性の低い CYP2D6*10 などのアレルが関連
する Intermediate Metabolizer(以下、 IM)が着目されることが多い[日本人の
CYP2D6*10 アレル頻度は約 38%と報告されている(Nishida 2000)]。
CYP2D6 遺伝子多型がアトモキセチンの安全性に及ぼす影響を検討するために、海外
長期併合データベースを用いて、EM 及び PM 間における安全性を比較した。日本、台
湾、中国及び韓国で実施した臨床試験(LYBD 試験、LYBC 試験、LYDA 試験、LYBR
試験、S010 試験)では、EM を更に細かく分類し、CYP2D6*10 などの代謝活性低下型ア
レルが関連する IM に着目した分類方法 1(表 2.7.4-368)による解析及び不活性型アレ
ル数に着目した分類方法 2(表 2.7.4-369)による解析を行った。
本項では、分類方法 1 による結果を主に示し、分類方法 2 による結果は第 2.7.4.7.4.1
項に示した。
表 2.7.4-368. 活性低下型アレルに着目した CYP2D6分類(分類方法 1)
PM IM EM
(その他の EM:ヘテロ接合型
EM、ホモ接合型 EM、UM)
1 対の不活性型を有する群 (不活性型/不活性型)
1 対の活性低下型を有する、又は活
性低下型と不活性型を対で有する
群 (活性低下型/活性低下型、活性低
下型/不活性型子)
PM 又は IM 以外 (通常活性型/不活性型、 通常活性型/活性低下型、通常
活性型/通常活性型)
表 2.7.4-369. 不活性型アレル数に着目した CYP2D6分類(分類方法 2)
PM IM’ (IM 及びヘテロ接合型 EM)
EM’ (ホモ接合型 EM 及び UM)
1 対の不活性型を有する群 (不活性型/不活性型)
1 対の活性低下型を有する、又は 1つの不活性型を有する群 (活性低下型/活性低下型、 活性低下型/不活性型、 通常活性型/不活性型)
2 つ以上の通常活性型を有す
る、又は通常活性型と活性低下
型を 1 つずつ有する群 (通常活性型/活性低下型、通
常活性型/通常活性型)
日本人で実施した臨床試験(LYBC 試験)で認められた PM 患者及びアジアで実施し
た臨床試験(LYBR 試験)で認められた PM 患者の安全性については別途記載した(第
2.7.4.5.1.1.2 項及び第 2.7.4.5.1.1.5.2.4 項)。また、日本人で実施した臨床試験(LYBD 試
験、LYBC 試験)において治験実施計画書で規定された測定により得られた CYP2D6 遺
伝子型と表現型が一致しなかった患者は、遺伝子型にて集計解析を実施し、個々の安全
性については別途記載した(第 2.7.4.5.1.1.3 項)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
592
2.7.4.5.1.1.1 日本で実施した試験における CYP2D6遺伝子型 EM/IM別安全性
2.7.4.5.1.1.1.1 有害事象
2.7.4.5.1.1.1.1.1 プラセボ対照二重盲験比較試験:LYBC試験
LYBC 試験より、アトモキセチンが投与された全患者を対象とし、アトモキセチン群
全体(以下、ATX_ALL 群)で 5%以上の発現率を示した 8 事象について CYP2D6 遺伝子
型別に評価した。分類方法 1 による EM/IM 別の有害事象を表 2.7.4-370 に示した。分類
方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.1.1 項に示した。
分類方法 1 により EM/IM を分類したとき、1 件以上の有害事象が認められた患者の割
合は、EM 患者について ATX_ALL 群で 78.7%(111/141)、プラセボ群で 64.7%
(33/51)と、アトモキセチン群で大きかった。一方、IM 患者について ATX_ALL 群で
80.0%(32/40)、プラセボ群で 90.9%(10/11)と、プラセボ群で大きかった。
各用量群における有害事象の発現率を EM 患者と IM 患者で比較したとき、プラセボ
群、アトモキセチン 1.2 mg/kg/日群(以下、ATX_1.2 群)及びアトモキセチン 1.8 mg/kg/
日群(以下、ATX_1.8 群)では、IM 患者の方が高かった。一方、アトモキセチン
0.5 mg/kg/日群(以下、ATX_0.5 群)では、EM 患者の方が高かったことから、一定の傾
向は認められなかった。
ATX_ALL 群で認められた有害事象の発現率について、EM 患者に比べ IM 患者で高か
ったのは、頭痛、食欲減退、傾眠、悪心及び腹痛であった。これらの事象のうち、IM
患者及び EM 患者の間で ATX_ALL 群とプラセボ群との発現率の差が 5%以上認められ
たのは、頭痛、食欲減退及び傾眠であった。頭痛については、IM 患者に比べ EM 患者
の方が ATX_ALL 群とプラセボ群との発現率の差は大きかった。
食欲減退及び傾眠について、各用量群における発現率を EM 患者と IM 患者で比較し
た。食欲減退及び傾眠は、EM 患者及び IM 患者のいずれにおいても、用量依存的な発
現率の増加が認められた。また、ATX_1.2 群及び ATX_1.8 群における発現率は、IM 患
者の方が EM 患者より高かった。しかし、食欲減退及び傾眠に起因する試験の中止及び
重篤な有害事象は認められなかった。
アトモキセチンが投与された全患者を対象とし、ATX_ALL 群で 5%以上の発現率を示
した 8 事象の最大重症度について、CYP2D6 遺伝子型別に評価した。分類方法 1 により
分類された EM 患者及び IM 患者において報告された有害事象の最大重症度をそれぞれ
表 2.7.4-371 及び表 2.7.4-372 に示した。
EM 患者において、ATX_ALL 群で有害事象を報告した 111 例中、その有害事象の最大
重症度が軽度であった患者は 96 例であり、報告された有害事象の多くは軽度であった。
プラセボ群及びアトモキセチン群のいずれにおいても高度の有害事象は認められなかっ
た。IM 患者において、ATX_ALL 群で有害事象を報告した 31 例中、その有害事象の最
大重症度が軽度であった患者は 24 例であり、報告された有害事象の多くは軽度であっ
た。プラセボ群及びアトモキセチン群のいずれにおいても高度の有害事象は認められな
かった
EM 患者及び IM 患者のいずれにおいても用量依存な発現率の増加が認められた食欲
減退及び傾眠について、ATX_ALL 群で報告された最大重症度を比べた。食欲減退につ
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
593
いて、EM 患者では軽度が 87.5%(14/16)、中等度が 12.5%(2/16)であり、IM 患者で
は、軽度が 83.3%(5/6)、中等度が 16.7%(1/6)であった。EM 患者及び IM 患者のい
ずれにおいても、多くは軽度であり、アトモキセチン高用量群で中等度が増加する傾向
は見られなかった。傾眠について、EM 患者では軽度が 85.7%(12/14)、中等度が
14.3%(2/14)であり、IM 患者では、軽度が 100%(4/4)であった。IM 患者において中
等度の傾眠は報告されておらず、EM 患者においてもアトモキセチン高用量群で中等度
が増加する傾向は見られなかった。
これらは分類方法 2 においても同様の結果であった(表 2.7.4.7-97~99)。
以上、食欲減退及び傾眠に関しては、IM 患者で EM 患者より発現率が高く、いずれ
においても用量依存的に発現率も増加していた。しかし、これらの有害事象の重症度は、
EM 患者及び IM 患者のいずれにおいても多くは軽度であり、用量依存的に重症度が高
くなる傾向も見られなかった。IM 患者の例数が EM 患者に比べ少ないため例数のばら
つきが発現率に影響した可能性も考えられた。1 件以上の有害事象発現率では、EM 患
者でプラセボ群に比べ ATX_ALL 群で発現率が高かった。一方、IM 患者では ATX_ALL
群に比べプラセボ群で発現率が高かったことから、CYP2D6 遺伝子型の違いにより一方
の有害事象が高く発現するような傾向は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
594
表 2
.7.4
-370
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別の有害事象(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
事象
分類
M
edD
RA
V
ersi
on 9
.1
CY
P2D
6遺
伝子型
*N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
EM
51
33( 6
4.7)
46
38( 8
2.6)
45
35( 7
7.8)
50
38( 7
6.0)
141
111(
78.
7)
1件以上の有害事象が認められた症例数
IM
11
10
( 90.
9)15
11
( 73.
3)14
11
( 78.
6)11
10
( 90.
9)40
32
( 80.
0)
EM
51
8( 1
5.7)
46
10
( 21.
7)45
7(
15.
6)
50
10( 2
0.0)
141
27( 1
9.1)
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s IM
11
2(
18.
2)
15
1( 6
.7)
14
0( 0
.0)
11
1( 9
.1)
40
2( 5
.0)
EM
51
2( 3
.9)
46
6( 1
3.0)
45
7(
15.
6)
50
7( 1
4.0)
14
1 20
( 14.
2)
頭痛
H
eada
che
IM
11
2( 1
8.2)
15
1(
6.7
) 14
3(
21.
4)
11
2( 1
8.2)
40
6(
15.
0)
EM
51
2( 3
.9)
46
3( 6
.5)
45
4( 8
.9)
50
9( 1
8.0)
14
1 16
( 11.
3)
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
IM
11
0(
0.0
) 15
0(
0.0
) 14
2(
14.
3)
11
4( 3
6.4)
40
6(
15.
0)
EM
51
4( 7
.8)
46
4( 8
.7)
45
4( 8
.9)
50
6( 1
2.0)
14
1 14
( 9.
9)
傾眠
So
mno
lenc
e IM
11
0(
0.0
) 15
0(
0.0
) 14
2(
14.
3)
11
2( 1
8.2)
40
4(
10.
0)
EM
51
2( 3
.9)
46
2( 4
.3)
45
5( 1
1.1)
50
5(
10.
0)
141
12(
8.5)
悪心
N
ause
a IM
11
1(
9.1
) 15
2(
13.
3)
14
1( 7
.1)
11
1( 9
.1)
40
4( 1
0.0)
EM
51
0(
0.0
) 46
3(
6.5
) 45
6(
13.
3)
50
3( 6
.0)
141
12(
8.5)
嘔吐
V
omiti
ng
IM
11
0( 0
.0)
15
0( 0
.0)
14
1( 7
.1)
11
2( 1
8.2)
40
3(
7.5
) EM
51
4(
7.8
) 46
3(
6.5
) 45
3(
6.7
) 50
1(
2.0
) 14
1 7(
5.0
) 腹痛
A
bdom
inal
pai
n IM
11
1(
9.1
) 15
2(
13.
3)
14
1( 7
.1)
11
1( 9
.1)
40
4( 1
0.0)
EM
51
1(
2.0
) 46
1(
2.2
) 45
5(
11.
1)
50
3( 6
.0)
141
9( 6
.4)
下痢
D
iarr
hoea
IM
11
1(
9.1
) 15
0(
0.0
) 14
0(
0.0
) 11
1(
9.1
) 40
1(
2.5
) 全患者を対象と
してアトモキセチン群全体で比較的よく見られた有害事象(
5%以上の発現率)
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合型
EM、ホモ接合型
EM及び
UM)
*P
Mは解析か
ら除外した。
t1
4_23
f_.ls
t
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
595
表 2.7.4-371. CYP2D6 EM患者(分類方法 1)における有害事象の重症度別表示
(LYBC試験)
事象分類 MedDRA Version 9.1 投与群 例数 軽度
n (%) 中等度 n (%)
高度 n (%)
合計 n (%)
PLC 51 31( 60.8) 2( 3.9) 0( 0.0) 33( 64.7)ATX_0.5 46 30( 65.2) 8( 17.4) 0( 0.0) 38( 82.6)ATX_1.2 45 32( 71.1) 3( 6.7) 0( 0.0) 35( 77.8)ATX_1.8 50 34( 68.0) 4( 8.0) 0( 0.0) 38( 76.0)
1件以上の有害事象が認められた症例数
ATX_ALL 141 96( 68.1) 15( 10.6) 0( 0.0) 111( 78.7)PLC 51 8( 15.7) 0( 0.0) 0( 0.0) 8( 15.7)ATX_0.5 46 10( 21.7) 0( 0.0) 0( 0.0) 10( 21.7)ATX_1.2 45 5( 11.1) 2( 4.4) 0( 0.0) 7( 15.6)ATX_1.8 50 10( 20.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 10( 20.0)
鼻咽頭炎 Nasopharyngitis
ATX_ALL 141 25( 17.7) 2( 1.4) 0( 0.0) 27( 19.1)PLC 51 2( 3.9) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 3.9) ATX_0.5 46 6( 13.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 6( 13.0)ATX_1.2 45 6( 13.3) 1( 2.2) 0( 0.0) 7( 15.6)ATX_1.8 50 6( 12.0) 1( 2.0) 0( 0.0) 7( 14.0)
頭痛 Headache
ATX_ALL 141 18( 12.8) 2( 1.4) 0( 0.0) 20( 14.2)PLC 51 2( 3.9) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 3.9) ATX_0.5 46 3( 6.5) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.5) ATX_1.2 45 3( 6.7) 1( 2.2) 0( 0.0) 4( 8.9) ATX_1.8 50 8( 16.0) 1( 2.0) 0( 0.0) 9( 18.0)
食欲減退 Decreased appetite
ATX_ALL 141 14( 9.9) 2( 1.4) 0( 0.0) 16( 11.3)PLC 51 4( 7.8) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 7.8) ATX_0.5 46 4( 8.7) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 8.7) ATX_1.2 45 3( 6.7) 1( 2.2) 0( 0.0) 4( 8.9) ATX_1.8 50 5( 10.0) 1( 2.0) 0( 0.0) 6( 12.0)
傾眠 Somnolence
ATX_ALL 141 12( 8.5) 2( 1.4) 0( 0.0) 14( 9.9)PLC 51 2( 3.9) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 3.9) ATX_0.5 46 2( 4.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 4.3) ATX_1.2 45 5( 11.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 5( 11.1)ATX_1.8 50 5( 10.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 5( 10.0)
悪心 Nausea
ATX_ALL 141 12( 8.5) 0( 0.0) 0( 0.0) 12( 8.5)PLC 51 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) ATX_0.5 46 3( 6.5) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.5) ATX_1.2 45 5( 11.1) 1( 2.2) 0( 0.0) 6( 13.3)ATX_1.8 50 3( 6.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.0)
嘔吐 Vomiting
ATX_ALL 141 11( 7.8) 1( 0.7) 0( 0.0) 12( 8.5)PLC 51 4( 7.8) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 7.8) ATX_0.5 46 3( 6.5) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.5) ATX_1.2 45 3( 6.7) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.7) ATX_1.8 50 1( 2.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 2.0)
腹痛 Abdominal pain
ATX_ALL 141 7( 5.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 7( 5.0) PLC 51 1( 2.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 2.0) ATX_0.5 46 1( 2.2) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 2.2) ATX_1.2 45 4( 8.9) 1( 2.2) 0( 0.0) 5( 11.1)ATX_1.8 50 3( 6.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 6.0)
下痢 Diarrhoea
ATX_ALL 141 8( 5.7) 1( 0.7) 0( 0.0) 9( 6.4) 全患者を対象としてアトモキセチン群全体で比較的よく見られた有害事象(5%以上の発現率) 同一患者で同一の事象が 2 回以上報告された場合、そのうちの最大重症度を示した。 分類方法 1:EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) A_T14_19_IMEM_EM_CYP1.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
596
表 2.7.4-372. CYP2D6 IM患者(分類方法 1)における有害事象の重症度別表示
(LYBC試験)
事象分類 MedDRA Version 9.1 投与群 例数 軽度
n (%) 中等度n (%)
高度 n (%)
合計 n (%)
PLC 11 10( 90.9) 0( 0.0) 0( 0.0) 10( 90.9)ATX_0.5 14 8( 57.1) 2( 14.3) 0( 0.0) 10( 71.4)ATX_1.2 14 7( 50.0) 4( 28.6) 0( 0.0) 11( 78.6)ATX_1.8 11 9( 81.8) 1( 9.1) 0( 0.0) 10( 90.9)
1件以上の有害事象が認められた症例数
ATX_ALL 39 24( 61.5) 7( 17.9) 0( 0.0) 31( 79.5)PLC 11 2( 18.2) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 18.2)ATX_0.5 14 1( 7.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 7.1)ATX_1.2 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.8 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)
鼻咽頭炎 Nasopharyngitis
ATX_ALL 39 2( 5.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 5.1)PLC 11 2( 18.2) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 18.2)ATX_0.5 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.2 14 2( 14.3) 1( 7.1) 0( 0.0) 3( 21.4)ATX_1.8 11 1( 9.1) 1( 9.1) 0( 0.0) 2( 18.2)
頭痛 Headache
ATX_ALL 39 3( 7.7) 2( 5.1) 0( 0.0) 5( 12.8)PLC 11 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_0.5 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.2 14 1( 7.1) 1( 7.1) 0( 0.0) 2( 14.3)ATX_1.8 11 4( 36.4) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 36.4)
食欲減退 Decreased appetite
ATX_ALL 39 5( 12.8) 1( 2.6) 0( 0.0) 6( 15.4)PLC 11 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_0.5 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.2 14 2( 14.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 14.3)ATX_1.8 11 2( 18.2) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 18.2)
傾眠 Somnolence
ATX_ALL 39 4( 10.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 10.3)PLC 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)ATX_0.5 14 1( 7.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 7.1)ATX_1.2 14 1( 7.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 7.1)ATX_1.8 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)
悪心 Nausea
ATX_ALL 39 3( 7.7) 0( 0.0) 0( 0.0) 3( 7.7)PLC 11 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_0.5 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.2 14 1( 7.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 7.1)ATX_1.8 11 0( 0.0) 2( 18.2) 0( 0.0) 2( 18.2)
嘔吐 Vomiting
ATX_ALL 39 1( 2.6) 2( 5.1) 0( 0.0) 3( 7.7)PLC 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)ATX_0.5 14 2( 14.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 2( 14.3)ATX_1.2 14 1( 7.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 7.1)ATX_1.8 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)
腹痛 Abdominal pain
ATX_ALL 39 4( 10.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 4( 10.3)PLC 11 1( 9.1) 0( 0.0) 0( 0.0) 1( 9.1)ATX_0.5 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.2 14 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0) 0( 0.0)ATX_1.8 11 0( 0.0) 1( 9.1) 0( 0.0) 1( 9.1)
下痢 Diarrhoea
ATX_ALL 39 0( 0.0) 1( 2.6) 0( 0.0) 1( 2.6)全患者を対象としてアトモキセチン群全体で比較的よく見られた有害事象(5%以上の発現率) 同一患者で同一の事象が 2 回以上報告された場合、そのうちの最大重症度を示した。 分類方法 1:EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) A_T14_19_IMEM_IM_CYP1.tsv
2.7.4.5.1.1.1.1.2 長期継続投与試験:LYBC試験・LYDA試験併合解析
LYBC 試験及び長期継続投与試験である LYDA 試験の結果を併合し、アトモキセチン
が 1 回以上投与された患者を対象とし、EM 患者又は IM 患者のいずれかにおいて、5%
以上の発現率を示した有害事象を評価した。分類方法 1 による EM/IM 別の有害事象を
表 2.7.4-373 に示した。分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.2.1 項に示した。
分類方法 1 により EM/IM を分類したとき、評価期間(0~3 年)を通じて 1 件以上の
有害事象が認められた患者の割合は、EM 患者で 85.8%(139/162)、IM 患者で 93.6%
(44/47)であった。
全評価期間(0~3 年)における各有害事象の発現率について、IM 患者及び EM 患者
の差が 10%以上認められたのは、鼻咽頭炎、頭痛及び腹痛であった。このうち、EM 患
者に比べ IM 患者で発現率が高かったのは、頭痛及び腹痛であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
597
0~6 ヵ月以内と 6~12 ヵ月までの評価期間における有害事象の発現頻度を比べると、
6~12 ヵ月で EM 患者及び IM 患者ともに発現頻度が低い傾向を示した。
分類方法 2 において、全評価期間(0~3 年)において、1 件以上有害事象が認められ
た患者の割合は、分類方法 1 と同様であった(EM’群 85.9%、IM’群 91.7%)。全評価期
間(0~3 年)における各有害事象の発現率について、IM 患者及び EM 患者の差が 10%
以上認められたのは、鼻咽頭炎及び頭痛であった。このうち、EM 患者に比べ IM 患者
で発現率が高かったのは、頭痛であった(表 2.7.4.7-104)。
以上、12~24 ヵ月の評価期間における患者が少ないため、期間別の評価は難しいが、
全評価期間における有害事象の発現頻度に、EM 患者及び IM 患者の間に大きな差は見
られなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
598
表 2
.7.4
-373
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別の有害事象(
LYB
C試験・
LYD
A試験併合解析(注
1 ))
有害
事象
名
Med
DR
A P
T(V
er9.
1)
CY
P2D
6 遺
伝子
型*
0~3年
N
n
(%)
0~6ヵ
月以
内
N
n(%
) 6~
12ヵ
月
N
n(%
) 12~
24ヵ
月
N
n(%
) 24~
36ヵ
月
N
n(%
) EM
16
2 1
39( 8
5.8)
16
2 1
38( 8
5.2)
62
49
( 79.
0)
16
9( 5
6.3)
0
0(
0.0
) 1件
以上
の有害事
象が認
められた
症例数
IM
47
44
( 93.
6)
47
44( 9
3.6)
23
14
( 60.
9)
5
5(10
0.0)
0
0(
0.0
) EM
16
2 2
3( 1
4.2)
16
2 2
4( 1
4.8)
62
13
( 21.
0)
16
7( 4
3.8)
0
0(
0.0
) 有
害事
象が認めら
れなか
った症例
数
IM
47
3(
6.4)
47
3
( 6.
4)
23
9( 3
9.1)
5
0(
0.0
) 0
0(
0.0
) EM
16
2 5
4( 3
3.3)
16
2 5
1( 3
1.5)
62
8
( 12.
9)
16
2( 1
2.5)
0
0(
0.0
) 鼻
咽頭
炎
Nas
opha
ryng
itis
IM
47
6( 1
2.8)
47
6
( 12.
8)
23
2(
8.7)
5
0(
0.0
) 0
0(
0.0
) EM
16
2 2
9( 1
7.9)
16
2 2
7( 1
6.7)
62
8
( 12.
9)
16
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 頭
痛
Hea
dach
e IM
47
16
( 34.
0)
47
15( 3
1.9)
23
3
( 13.
0)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
EM
162
23(
14.
2)
162
22(
13.
6)
62
5(
8.1)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
食欲
減退
D
ecre
ased
app
etite
IM
47
8
( 17.
0)
47
8( 1
7.0)
23
1
( 4.
3)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) EM
16
2 2
3( 1
4.2)
16
2 2
3( 1
4.2)
62
4
( 6.
5)
16
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 傾
眠
Som
nole
nce
IM
47
6( 1
2.8)
47
4
( 8.
5)
23
1(
4.3)
5
1(
20.
0)
0
0( 0
.0)
EM
162
16(
9.9
) 16
2 1
4( 8
.6)
62
3(
4.8)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
腹痛
A
bdom
inal
pai
n IM
47
10
( 21.
3)
47
8( 1
7.0)
23
3
( 13.
0)
5
2( 4
0.0)
0
0(
0.0
) EM
16
2 2
0( 1
2.3)
16
2 1
6( 9
.9)
62
6(
9.7)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
下痢
D
iarr
hoea
IM
47
3
( 6.
4)
47
2(
4.3)
23
1
( 4.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
EM
162
18(
11.
1)
162
17(
10.
5)
62
2(
3.2)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
悪心
N
ause
a IM
47
6
( 12.
8)
47
5( 1
0.6)
23
1
( 4.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
EM
162
14(
8.6
) 16
2 1
1( 6
.8)
62
3(
4.8)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
イン
フル
エンザ
In
fluen
za
IM
47
6( 1
2.8)
47
5
( 10.
6)
23
1(
4.3)
5
0(
0.0
) 0
0(
0.0
) EM
16
2 1
6( 9
.9)
162
15(
9.3
) 62
4
( 6.
5)
16
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 嘔
吐
Vom
iting
IM
47
4
( 8.
5)
47
4(
8.5)
23
0
( 0.
0)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
EM
162
15(
9.3
) 16
2 1
2( 7
.4)
62
3(
4.8)
16
1
( 6.
3)
0
0( 0
.0)
発熱
Py
rexi
a IM
47
4
( 8.
5)
47
3(
6.4)
23
0
( 0.
0)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) EM
16
2 1
2( 7
.4)
162
10(
6.2
) 62
5
( 8.
1)
16
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 上
気道
の炎症
U
pper
resp
irato
ry tr
act
infla
mm
atio
n IM
47
3
( 6.
4)
47
2(
4.3)
23
1
( 4.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
EM
162
7(
4.3
) 16
2
7( 4
.3)
62
2(
3.2)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
便秘
C
onst
ipat
ion
IM
47
5( 1
0.6)
47
3
( 6.
4)
23
2(
8.7)
5
2(
40.
0)
0
0( 0
.0)
EM
162
8(
4.9
) 16
2
7( 4
.3)
62
1(
1.6)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
齲歯
D
enta
l car
ies
IM
47
4(
8.5)
47
3
( 6.
4)
23
1(
4.3)
5
1(
20.
0)
0
0( 0
.0)
EM
162
7(
4.3
) 16
2
6( 3
.7)
62
2(
3.2)
16
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
挫傷
C
ontu
sion
IM
47
2
( 4.
3)
47
2(
4.3)
23
0
( 0.
0)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
全試
験期
間(
0~3年)を
通して、
CY
P2D
6 EM
患者
又は
IM患
者で
5%以
上の
発現
率が
見ら
れた
事象
対
象
0~6ヵ
月:
アトモ
キセチ
ン投与例
かつベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
6ヵ
月~
1年:
アト
モキセ
チン
6ヵ
月投与
例か
つベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
1年
~2年:ア
トモ
キセチ
ン1年投
与例か
つベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
2年
~3年:ア
トモ
キセチ
ン2年投
与例か
つベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
分
類方
法1:
PM、
IM、
EM(
ヘテ
ロ接合
型EM
、ホ
モ接
合型
EM及
びU
M)
*P
Mは
解析か
ら除
外した
。A
_T12
_03_
TEA
E_(C
YP2
D6_
1 EM
_IM
).tsv
(
注1)
:表
2.7.
4-3参
照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
599
2.7.4.5.1.1.1.2 バイタルサイン、身長及び体重
2.7.4.5.1.1.1.2.1 プラセボ対照二重盲験比較試験:LYBC試験
LYBC 試験より、分類方法 1 で EM/IM を分類したとき、バイタルサイン、身長及び体
重におけるベースラインから最終観察時点までの平均変化量を表 2.7.4-374 に示した。分
類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.1.2 項に示した。
収縮期血圧について、EM 患者及び IM 患者のいずれも、プラセボ群に比べいずれの
投与群においてもベースラインからの平均変化量に統計学的に有意な差はなく、部分集
団(EM 患者及び IM 患者)と投与群に有意な交互作用は認められなかった(p=0.712)。
拡張期血圧については、EM 患者において、プラセボ群に比べ ATX_1.2 群及び
ATX_1.8 群でベースラインからの平均変化量が統計学的に有意に増加した。プラセボ群
との差は、いずれの投与群においても IM 患者と EM 患者の間で大きな違いはなく、部
分集団(EM 患者及び IM 患者)と投与群に有意な交互作用は認められなかった
(p=0.834)。
脈拍数について、EM 患者及び IM 患者のいずれも、プラセボに比べ ATX_1.2 群及び
ATX_1.8 群でベースラインからの平均変化量が統計学的に有意に増加した。プラセボ群
との差は、EM 患者に比べ IM 患者でいずれの投与群でも 2 倍程度大きかった。しかし、
最終観察時点で最も高値を示した IM 患者の ATX_1.8 群において、平均値が 99.45 bpm
であったことより、これらの変動は臨床的に重大な問題とは考えられなかった。
身長について、EM 患者の ATX_1.2 群におけるベースラインからの平均変化量が、統
計学的に有意に減少した。プラセボ群との差は、いずれの投与群においても IM 患者と
EM 患者の間で大きな違いはなく、部分集団(EM 患者及び IM 患者)と投与群に有意な
交互作用は認められなかった(p=0.906)
体重について、EM 患者及び IM 患者のいずれも、プラセボ群に比べ、すべての投与
群でベースラインからの平均変化量が統計学的に有意に減少した。プラセボ群との差は、
いずれの投与群においても EM 患者と IM 患者の間で大きな違いはなく、最も低値を示
したのは、EM 患者及び IM 患者とも ATX_1.8 群でそれぞれ-1.67 kg 及び-1.74 kg であっ
た。また、部分集団(EM 患者及び IM 患者)と投与群の間に有意な交互作用は認めら
れなかった(p=0.909)。
分類方法 2 により分類された EM’患者及び IM’患者において、脈拍数、拡張期血圧、
身長及び体重について、プラセボ群との差は分類方法 1 と同様の結果であった(表
2.7.4.7-100)。収縮期血圧について、プラセボとの差が IM’患者に比べ EM’患者で大き
かったが、EM’患者及び IM’患者のいずれにおいても最終観察時点の平均値が約
106 mmHg で、平均変化量が最大でも 5.50 mmHg(IM 患者のプラセボ群)であることよ
り臨床的に問題とは考えられなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
600
表 2
.7.4
-374
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別バイタルサインのベースラインから最終観察時点までの変化量(
LYB
C試験)
ベー
スラ
イン
最
終観察
時点
変
化量
95
%C
I 項
目
(単
位)
C
YP2
D6
遺伝
子型
***
投与
群
N
平均
SD
平
均
SD
平均
SD
差
信
頼
下限
信
頼
上限
p値
*
PLC
51
103.
2711
.84
102.
9610
.65
-0.3
1 12
.90
ATX
_0.5
46
104.
8510
.25
104.
7810
.77
-0.0
7 12
.55
1.32
-2
.55
5.20
0.
500
ATX
_1.2
45
103.
0010
.18
106.
6910
.06
3.69
10
.45
3.81
-0
.07
7.70
0.
054
EM
ATX
_1.8
50
102.
0810
.74
105.
349.
27
3.26
12
.32
2.76
-1
.03
6.54
0.
153
PLC
11
94.0
012
.84
99.4
512
.32
5.45
13
.16
ATX
_0.5
15
98.0
79.
01
100.
6012
.93
2.53
10
.65
-1.3
2 -9
.92
7.27
0.
758
ATX
_1.2
14
97.8
67.
79
102.
509.
44
4.64
8.
07
0.70
-8
.01
9.41
0.
872
IM
ATX
_1.8
11
102.
738.
22
108.
0913
.21
5.36
12
.98
3.34
-6
.22
12.9
00.
486
部分集団の効果
**
0.79
6
収縮期
血圧
(
mm
Hg)
部分集団と投与群の交互作用
**
0.71
2PL
C
5157
.88
10.5
458
.43
8.92
0.
55
10.3
5
A
TX_0
.5
4659
.02
10.3
061
.00
9.01
1.
98
9.85
2.
13
-1.0
2 5.
28
0.18
3A
TX_1
.2
4558
.82
8.86
62
.11
7.56
3.
29
8.87
3.
32
0.15
6.
49
0.04
0EM
A
TX_1
.8
5057
.84
9.68
63
.28
9.08
5.
44
10.4
64.
86
1.78
7.
94
0.00
2PL
C
1154
.18
8.30
55
.55
8.24
1.
36
7.13
A
TX_0
.5
1556
.80
8.65
61
.60
8.87
4.
80
9.81
5.
41
-1.0
3 11
.86
0.09
8A
TX_1
.2
1454
.00
7.73
61
.14
7.72
7.
14
10.1
15.
64
-0.8
6 12
.14
0.08
7IM
A
TX_1
.8
1158
.36
8.04
62
.82
7.67
4.
45
12.5
56.
25
-0.7
3 13
.23
0.07
8部分集団の効果
**
0.99
6
拡張期
血圧
(
mm
Hg)
部分集団と投与群の交互作用
**
0.83
4PL
C
5181
.37
12.5
681
.96
10.4
7 0.
59
12.7
9
A
TX_0
.5
4680
.54
12.8
885
.63
10.0
3 5.
09
11.2
83.
97
-0.5
7 8.
50
0.08
6A
TX_1
.2
4579
.64
12.3
688
.13
14.4
1 8.
49
18.3
36.
79
2.22
11
.36
0.00
4EM
A
TX_1
.8
5084
.24
12.9
490
.44
13.2
7 6.
20
12.5
77.
46
3.00
11
.91
0.00
1PL
C
1177
.00
7.69
76
.36
8.24
-0
.64
8.59
A
TX_0
.5
1582
.40
11.2
086
.73
12.9
9 4.
33
12.9
76.
70
-2.1
2 15
.52
0.13
3A
TX_1
.2
1485
.86
10.7
695
.07
11.6
2 9.
21
10.3
612
.70
3.53
21
.86
0.00
8IM
A
TX_1
.8
1182
.91
14.8
699
.45
18.5
3 16
.55
12.5
519
.08
9.60
28
.56
<0.0
01部分集団の効果
**
0.14
5
脈拍数
(
bpm)
部分集団と投与群の交互作用
**
0.07
4(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
601
表 2
.7.4
-374
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別バイタルサインのベースラインから最終観察時点までの変化量(
LYB
C試験)(続き)
ベー
スラ
イン
最
終観察
時点
変
化量
95
%C
I 項
目
(単
位)
C
YP2
D6
遺伝
子型
***
投与
群
N
平均
SD
平
均
SD
平均
SD
差
信
頼
下限
信
頼
上限
p値
*
PLC
50
138.
6212
.12
139.
8212
.20
1.21
0.
73
ATX
_0.5
46
138.
9714
.35
139.
8014
.17
0.83
0.
75
-0.3
7 -0
.79
0.04
0.
075
ATX
_1.2
45
139.
7613
.86
140.
4914
.09
0.72
1.
46
-0.4
9 -0
.90
-0.0
7 0.
022
EM
ATX
_1.8
50
140.
3714
.93
141.
2815
.19
0.92
1.
02
-0.3
0 -0
.70
0.11
0.
148
PLC
11
144.
369.
77
145.
489.
73
1.12
0.
45
ATX
_0.5
15
133.
0113
.31
134.
0613
.27
1.05
0.
65
-0.2
2 -0
.79
0.35
0.
438
ATX
_1.2
14
138.
3818
.61
139.
1018
.35
0.72
0.
84
-0.4
8 -1
.04
0.09
0.
095
IM
ATX
_1.8
11
139.
0618
.77
140.
0818
.42
1.02
0.
80
-0.1
7 -0
.76
0.42
0.
567
部分集団の効果
**
0.71
5
身長
(
cm)
部分集団と投与群の交
互作用
**
0.90
6PL
C
5135
.29
9.87
36
.26
10.0
0 0.
97
0.98
A
TX_0
.5
4635
.45
11.0
335
.56
11.2
1 0.
11
0.95
-0
.85
-1.3
0 -0
.40
<0.0
01A
TX_1
.2
4536
.90
11.7
536
.55
11.6
2 -0
.35
1.20
-1
.30
-1.7
5 -0
.84
<0.0
01EM
A
TX_1
.8
5036
.89
11.5
536
.16
10.9
8 -0
.72
1.36
-1
.67
-2.1
1 -1
.23
<0.0
01PL
C
1137
.45
8.99
38
.10
9.29
0.
65
0.95
A
TX_0
.5
1530
.94
12.3
730
.71
12.0
7 -0
.23
0.86
-1
.05
-1.8
7 -0
.22
0.01
4A
TX_1
.2
1433
.57
13.2
832
.66
12.9
5 -0
.91
1.23
-1
.66
-2.4
9 -0
.84
<0.0
01IM
A
TX_1
.8
1136
.25
16.1
335
.20
15.5
9 -1
.05
1.14
-1
.74
-2.6
1 -0
.87
<0.0
01部分集団の効果
**
0.01
9
体重
(
kg)
部分集団と投与群の交
互作用
**
0.90
9アトモ
キセチン投与例
*部
分集
団内比較の
p値は共
分散分析に
基づき算出された。
モデル
: 変化量
=ベースライン
+ 投
与群
**部分集団の効果及び部分集団と投与群
の交互作用の
p値は共分散分析に基づき算出された。
モデル
: 変化量
=ベースライン
+ 投
与群
+ 部
分集団
+ 部
分集団と投与群の交互作用
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合
型EM
、ホモ接合型
EM及び
UM)
**
*PM
は解析
から除外した。
A
_T14
_40_
b_V
ITA
L_cy
pb.ts
v
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
602
分類方法 1 によるカテゴリー解析の結果、EM 患者及び IM 患者においてバイタルサイ
ン及び体重に異常を示した患者の割合を表 2.7.4-375 に示した。
脈拍数については、脈拍数の基準 A(110 bpm 以上)、基準 B(変化量が 25 bpm 以
上)及び基準 C(A かつ B)に該当する患者の割合は、ATX_ALL 群において、EM 患者
(基準 A:11.6%、B:22.7%、C:5.1%)に比べて IM 患者(基準 A:28.2%、B:30.0%、
C:17.9%)で大きかった。これは、アトモキセチンの薬理作用によるものと考えられた。
体重については、基準 D(3.5%以上減少)に該当した患者の割合は、アトモキセチン
のいずれの群においても EM 患者に比べ IM 患者で大きかった。基準 D に該当する患者
のうち有害事象として体重減少が報告された患者は、EM 患者においてプラセボ、
ATX_0.5、ATX_1.2、ATX_1.8 群でそれぞれ 0 例、1 例(中等度)、1 例(中等度)、2
例(軽度 1 例、中等度 1 例)であった。一方、IM 患者では、ATX_1.8 群の 1 例(軽度)
のみであった。また、体重減少の有害事象による中止はなかった。これより、IM 患者
で EM 患者に比べ基準 D に該当した患者の割合が大きかったことが、臨床的に問題のあ
るものではないと考えられた。
分類方法 2 においても同様の結果であった(表 2.7.4.7-101)。
以上、バイタルサイン、身長及び体重について、分類方法 1 及び 2 による CYP2D6 遺
伝子型の分類により臨床的に問題となるような差は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
603
表 2
.7.4
-375
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別バイタルサイン異常を示した患者の割合(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
項目
基
準C
YP2
D6
遺伝
子型
***
N
n %
N
n
%
N
n %
N
n
%
N
n %
EM
50
3
6.0
44
3 6.
8 45
5
11.1
49
8
16.3
13
8 16
11
.6A
IM
11
0
0.0
15
3 20
.0
14
5 35
.7
10
3 30
.0
39
11
28.2
EM
51
4 7.
8 46
7
15.2
45
17
37
.8
50
8 16
.0
141
32
22.7
B
IM
11
2 18
.2
15
3 20
.0
14
4 28
.6
11
5 45
.5
40
12
30.0
EM
50
2 4.
0 44
0
0.0
45
2 4.
4 49
5
10.2
13
8 7
5.1
脈拍数
C
IM
11
0 0.
0 15
2
13.3
14
3
21.4
10
2
20.0
39
7
17.9
EM
51
0 0.
0 46
3
6.5
45
8 17
.8
50
15
30.0
14
1 26
18
.4体重
D
IM
11
0
0.0
15
1 6.
7 14
7
50.0
11
5
45.5
40
13
32
.5EM
51
0
0.0
46
0 0.
0 45
0
0.0
50
0 0.
0 14
1 0
0.0
収縮期血圧
E IM
11
0
0.0
15
1 6.
7 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
1
2.5
EM
51
4 7.
8 46
3
6.5
45
2 4.
4 48
4
8.3
139
9 6.
5 拡張期血圧
F IM
11
0
0.0
15
2 13
.3
14
3 21
.4
11
2 18
.2
40
7 17
.5N
: ベースラインで基準を満たさなかった症
例数
n
: 投与後基準を満たした症例数
基準
A:脈拍が
110
bpm以上
B:ベースラインからの脈拍変化量が
25 b
pm以上
C:
Aかつ
B
D: ベ
ースラインから最終観察時点までの体
重変化率が
3.5%
以上減少
E:
収縮期血圧が小児・青少年期の高血圧判断基準以上
F:
拡張期血
圧が小児・青少年期の高血圧判
断基準以上
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合型
EM、ホモ接合型
EM及び
UM)
**
*PM
は解
析から除外した。
A
_T14
_42_
_WG
Tb_V
ITA
L_C
ATE
_CY
PB_
_EG
T.ts
v
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
604
2.7.4.5.1.1.1.2.2 長期継続投与試験:LYBC試験・LYDA試験併合解析
LYBC 試験及び長期継続投与試験である LYDA 試験の結果を併合し、アトモキセチン
が 1 回以上投与された患者を対象とし、CYP2D6 遺伝子型の分類方法 1 及び 2 における
バイタルサインを評価した。
分類方法 1 により EM/IM を分類したときのバイタルサイン、身長及び体重における
ベースラインから最終観察時点までの平均変化量を投与期間別に表 2.7.4-376 に示した。
分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.2.2 項に示した。
脈拍数及び収縮期血圧について、IM 患者と EM 患者の間で最も大きな違いがあった
のは評価期間 1~2 年で、その変化量は、EM 患者に比べ IM 患者で大きかった(脈拍
数:EM 患者 0.71 bpm、IM 患者 17.00 bpm、収縮期血圧:EM 患者 4.00 mmHg、IM 患者
11.40 mmHg)。脈拍数及び血圧の増加はアトモキセチンの薬理的作用によるものであり、
最終観察時点における IM 患者の脈拍数が 97.20 bpm、収縮期血圧が 110.20 mmHg であ
ることより、臨床的に問題とは考えられなかった。
拡張期血圧、体重及び身長について、EM 患者及び IM 患者における平均変化量は、
どの評価期間においても同程度であった。
分類方法 2 においても同様であった(表 2.7.4.7-105)。
表 2.7.4-376. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別バイタルサインの
ベースラインから最終観察時点までの変化量(LYBC試験・LYDA試験併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目 (単位)
CYP2D6 遺伝子型* 評価期間 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD 0~6 ヵ月 162 81.33 12.29 89.22 14.51 7.88 16.03 6 ヵ月~1 年 58 84.00 13.84 91.57 15.27 7.57 14.98 1 年~2 年 14 84.57 12.89 85.29 14.76 0.71 20.57
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 47 82.68 11.58 90.13 12.90 7.45 12.16 6 ヵ月~1 年 21 79.86 10.00 89.81 12.87 9.95 17.12 1 年~2 年 5 80.20 9.91 97.20 21.11 17.00 20.22
脈拍数(bpm)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 162 103.29 10.50 105.27 10.21 1.98 11.30 6 ヵ月~1 年 58 102.79 8.80 105.47 10.14 2.67 12.43 1 年~2 年 14 103.21 10.53 107.21 7.77 4.00 10.08
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 47 99.79 8.72 104.43 12.29 4.64 11.69 6 ヵ月~1 年 21 98.67 7.72 105.38 8.61 6.71 10.49 1 年~2 年 5 98.80 9.86 110.20 9.91 11.40 9.79
収縮期血圧(mm Hg)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 162 58.44 9.42 62.06 9.07 3.62 10.23 6 ヵ月~1 年 58 57.47 9.39 61.59 9.22 4.12 11.09 1 年~2 年 14 57.79 10.44 63.07 8.86 5.29 9.09
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 47 55.70 8.05 60.72 9.20 5.02 11.00 6 ヵ月~1 年 21 55.67 9.15 60.33 8.59 4.67 9.84 1 年~2 年 5 53.40 13.92 59.00 12.77 5.60 7.96
拡張期血圧(mm Hg)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
605
表 2.7.4-376. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別バイタルサインの
ベースラインから最終観察時点までの変化量(LYBC試験・LYDA試験併合解析(注
1))
(続き)
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目 (単位)
CYP2D6 遺伝子型* 評価期間 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD 0~6 ヵ月 162 36.52 11.34 36.52 11.15 0.00 1.61 6 ヵ月~1 年 58 34.74 9.46 36.37 10.03 1.63 2.18 1 年~2 年 14 34.35 10.52 36.41 9.92 2.06 1.81
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 47 33.78 12.98 33.49 12.47 -0.29 1.43 6 ヵ月~1 年 21 33.24 12.03 34.36 11.54 1.12 2.04 1 年~2 年 5 28.90 10.00 31.76 10.99 2.86 2.00
体重(kg)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 155 139.58 14.13 140.62 14.20 1.04 1.24 6 ヵ月~1 年 58 137.24 13.60 141.44 14.08 4.19 1.70 1 年~2 年 14 136.54 16.00 141.92 15.32 5.39 1.61
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 45 137.00 15.91 138.16 15.70 1.16 0.95 6 ヵ月~1 年 21 136.94 14.87 140.50 14.66 3.56 1.84 1 年~2 年 5 131.44 13.84 136.72 12.91 5.28 3.71
身長(cm)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 対象 0~6 ヵ月:アトモキセチン投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 6 ヵ月~1 年:アトモキセチン 6 ヵ月投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 1 年~2 年:アトモキセチン 1 年投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 2 年~3 年:アトモキセチン 2 年投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) *PM は解析から除外した A_T12_10_Vital__(CYP2D6_1 EM_IM).tsv (注 1):表 2.7.4-3 参照
カテゴリー解析の結果、分類方法 1 により定義された EM 患者及び IM 患者において
バイタルサイン、身長及び体重に異常を示した患者の割合を表 2.7.4-377 に示した。
全評価期間(0~3 年)において、基準に該当する患者の割合が、すべての基準で EM
患者に比べ IM 患者で高く、2 倍以上の差が見られたのは、脈拍数の基準 C(110 bpm 以
上及び変化量が 25 bpm 以上)及び収縮期血圧の基準 E(小児・青少年期の高血圧判断基
準以上)であった。これはアトモキセチンの薬理作用によるものと考えられた。
分類方法 2 において、試験期間を通して(0~3 年)、EM’患者に比べ IM’患者で該当
する割合が高く、2 倍以上の差が見られたのは、脈拍数の基準 C のみであった(表
2.7.4.7-106)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
606
表 2
.7.4
-377
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別バイタルサイン異常を示した患者の割合(
LYB
C試験・
LYD
A試験併合解析(注
1 ))
0~3年
0~
6ヵ
月以
内
6~12
ヵ月
12~
24ヵ
月
24~
36ヵ
月
項目
基
準C
YP2
D6
遺伝
子型
* N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
EM
159
37
( 23.
3)15
9 34
( 2
1.4)
55
14
( 25.
5)13
0
( 0.
0)0
0 (
0.0)
A
IM
46
18
( 3
9.1)
46
16
( 34.
8)21
2
( 9.
5)5
2 ( 4
0.0)
0 0
( 0.
0)
EM
162
54
( 33.
3)16
2 51
( 3
1.5)
58
13
( 22.
4)14
4
( 28.
6)0
0 (
0.0)
B
IM
47
22
( 4
6.8)
47
19
( 40.
4)21
7
( 33.
3)5
2 ( 4
0.0)
0 0
( 0.
0)
EM
159
22
( 13.
8)15
9 20
( 1
2.6)
55
9 ( 1
6.4)
13
0 (
0.0)
0 0
( 0.
0)
脈拍数
C
IM
46
15
( 32.
6)46
13
( 2
8.3)
21
2 (
9.5)
5 2
( 40.
0)0
0 (
0.0)
EM
16
2 60
( 3
7.0)
162
58
( 35.
8)58
7
( 12.
1)14
0
( 0.
0)0
0 (
0.0)
体重
D
IM
47
22
( 4
6.8)
47
21
( 44.
7)21
2
( 9.
5)5
0 (
0.0)
0 0
( 0.
0)
EM
162
3 (
1.9)
162
2 (
1.2)
58
1 (
1.7)
14
0 (
0.0)
0 0
( 0.
0)
収縮期血圧
E
IM
47
2 (
4.3)
47
2 (
4.3)
21
0 (
0.0)
5 0
( 0.
0)0
0 (
0.0)
EM
16
0 24
( 1
5.0)
160
20
( 12.
5)58
6
( 10.
3)14
1
( 7.
1)0
0 (
0.0)
拡張期血圧
F
IM
47
11
( 23.
4)47
10
( 2
1.3)
21
2 (
9.5)
5 0
( 0.
0)0
0 (
0.0)
N:
ベー
スラ
イン
値が基
準を満た
してい
ない症例
数
n:投
与後
、少
なく
とも
1度基
準を
満たし
た症例数
基
準
A:
脈拍
数が
110
bpm以
上
B:
ベー
スラ
イン
からの脈
拍数変化
量が
25 b
pm以
上
C:
Aか
つB
D:
ベー
スラ
イン
から体
重が
3.5%
以上減少
E:
収縮
期血
圧が
小児・青
少年期の
高血圧
判断基準
以上
F:
拡張
期血
圧が
小児・青
少年期の
高血圧
判断基準
以上
対
象
0~6ヵ
月:
アト
モキセチ
ン投与例
かつベ
ースライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
6ヵ
月~
1年
:アト
モキセ
チン
6ヵ
月投与
例かつベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
1年
~2年
:ア
トモ
キセチ
ン1年投
与例か
つベース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
2年
~3年
:ア
トモ
キセチ
ン2年投
与例か
つベース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
分
類方
法1:
PM、
IM、
EM(
ヘテ
ロ接合
型EM
、ホモ接
合型
EM及
びU
M)
*P
Mは
解析
から除
外した
A
_T12
_12_
Vita
l__(
CY
P2D
6_1
EM_I
M).t
sv
(注
1):
表2.
7.4-
3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
607
2.7.4.5.1.1.1.3 心電図
2.7.4.5.1.1.1.3.1 プラセボ対照二重盲験比較試験:LYBC試験
LYBC 試験より、ベースラインから最終観察時点までの Fridericia 補正 QT 間隔(以下
QTcF)及び Data driven 補正 QT 間隔(以下 QTcD)の変化量を分類方法 1 及び 2 におい
て評価した。また、補正 QT 間隔を 5 つのカテゴリーに分け、2 つの分類方法にて解析
を行った。分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.1.3 項に示した。
分類方法 1 により EM/IM を分類したとき、QT 間隔におけるベースラインから最終観
察時点までの平均変化量を表 2.7.4-378 に示した。
分類方法 1 の結果より、EM 患者及び IM 患者いずれにおいても、投与量の増加による
QTcF の平均変化量の増加は認められなかった。また、プラセボ群とアトモキセチン群
の差についても同様に、EM 患者及び IM 患者のいずれにおいても、QTc 間隔の延長を示
すような増加の傾向は認められなかった。
QTcD においても、QTc 間隔の延長を示すような投与量の増加に伴う平均変化量の増
加及び CYP 遺伝子型による平均変化量の増加は認められなかった。
この結果は、分類方法 2 においても同様であった(表 2.7.4.7-102)。
以上、QT 間隔の変化量の解析では、用量依存的又は分類方法 1 及び 2 の CYP2D6 遺
伝子型の影響は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
608
表 2
.7.4
-378
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別心電図のベースラインから最終観察時点までの変化量(
LYB
C試験)
ベー
スラ
イン
最
終観察
時点
変
化量
95
%C
I 項
目(単
位)
CY
P2D
6 遺
伝子型
***
投与
群
N
平均
SD
平
均
SD
平均
SD
差
信
頼
下限
信
頼
上限
p値
*
PLC
51
393.
5716
.46
392.
8416
.13
-0.7
3 15
.08
ATX
_0.5
46
389.
8117
.57
392.
2016
.87
2.39
14
.56
1.41
-4
.10
6.92
0.
614
ATX
_1.2
45
393.
2219
.48
390.
0117
.85
-3.2
1 17
.56
-2.6
4 -8
.16
2.88
0.
347
EM
ATX
_1.8
50
390.
5816
.80
392.
0815
.94
1.51
16
.01
0.88
-4
.51
6.26
0.
748
PLC
11
398.
5616
.09
399.
8213
.87
1.26
14
.20
ATX
_0.5
15
388.
0119
.83
388.
4119
.50
0.40
16
.12
-6.4
3 -1
7.46
4.59
0.
246
ATX
_1.2
14
388.
3114
.00
393.
0613
.58
4.75
15
.16
-1.9
3 -1
3.10
9.24
0.
730
IM
ATX
_1.8
11
393.
6416
.60
384.
9512
.88
-8.6
9 18
.48
-12.
55-2
4.15
-0.9
4 0.
035
部分集団の効果
**
0.85
3
QTc
F(m
sec)
部分集団と投与群の交互作用
**
0.07
6 PL
C
5139
7.92
16.5
5 39
7.08
16.1
3 -0
.84
16.2
4
A
TX_0
.5
4639
5.06
18.4
5 39
9.01
17.8
3 3.
95
15.5
7 3.
43
-2.3
6 9.
23
0.24
4 A
TX_1
.2
4539
7.62
19.4
3 39
7.63
18.8
2 0.
02
18.4
8 0.
71
-5.1
1 6.
53
0.81
0 EM
A
TX_1
.8
5039
5.36
17.5
2 39
9.51
16.1
6 4.
15
16.6
0 3.
77
-1.9
0 9.
45
0.19
1 PL
C
1140
2.87
16.5
9 40
2.96
13.1
6 0.
09
13.9
3
A
TX_0
.5
1539
4.46
19.0
3 39
4.29
20.2
5 -0
.16
17.4
5 -5
.12
-16.
676.
44
0.37
7 A
TX_1
.2
1439
4.37
15.1
7 40
2.64
13.6
4 8.
27
17.2
5 3.
26
-8.4
6 14
.99
0.57
8 IM
A
TX_1
.8
1139
8.11
18.3
4 39
4.47
14.0
2 -3
.64
19.9
7 -6
.48
-18.
765.
79
0.29
3 部分集団の効果
**
0.92
9
QTc
D(
mes
ec)
部分集団と投与群の交互作用
**
0.13
4 アトモキセチン投与例
*部
分集団内比較の
p値は共
分散分析に基づき算出された。
モデル:変化量
=ベースライン
+ 投
与群
**部分集団の効果及び部分集団と投与群の交互作用の
p値は共分散分析に基づき算出された。
モデル:変化量
=ベースライン
+ 投
与群
+ 部
分集団
+ 部
分集団と投与群の交互作用
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合型
EM、ホモ接合型
EM及び
UM)
**
*PM
は解析
から除外した。
A
_T14
_39_
b_Q
T_cy
pb.ts
v
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
609
カテゴリー解析の結果、分類方法 1 による EM 患者及び IM 患者において QT 延長を示
した患者の割合を表 2.7.4-379 に示した。
QTcF について、EM 患者及び IM 患者いずれにおいても補正 QT 間隔が 450 msec を超
える患者は見られなかった。補正 QT 間隔の変化量の基準 D(補正 QT 間隔がベースラ
インから 30 msec 以上増加)に該当する患者の割合は、EM 患者において投与量の増加
に伴い増加した。一方、IM 患者では基準 D に該当する患者の割合に用量の増加との関
係は認められなかった。また、ATX_ALL 群で EM 患者と IM 患者の基準 D に該当する
患者の割合を比較すると、EM 患者で 9.9%(14 例/141 例)、IM 患者で 2.5%(1 例/40
例)であり、EM 患者のほうが高かった。QTcD についても同様の結果であった。
分類方法 2 におけるカテゴリー解析の結果も同様に、補正 QT 間隔の変化量の基準 D
以外の基準に該当する患者は見られなかった。基準 D に該当する患者の割合は、EM’患
者及び IM’患者ともに、用量の増加に伴い増加した。ATX_ALL 群で EM’患者及び IM’
患者の基準 D に該当する患者の割合を比較すると、同程度であった(表 2.7.4.7-103)。
以上、IM 患者において EM 患者と比べて基準 D に該当する患者の割合が大きくなる
所見は認められず、また、いずれにおいても補正 QT 間隔が 450 msec を超える患者及び
ベースラインから 60 msec 以上増加する患者が認められなかったことより、QTc 間隔に
対して CYP2D6 遺伝子型の分類による影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
610
表 2
.7.4
-379
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別
QT延長を示した患者の割合(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
項目
基
準
CY
P2D
6 遺
伝子型
***
N
n %
N
n
%
N
n %
N
n
%
N
n %
EM
51
0
0.0
46
0 0.
0 44
0
0.0
50
0 0.
0 14
00
0.0
A
IM
11
0 0.
0 15
0
0.0
14
0 0.
0 11
0
0.0
40
0 0.
0 EM
51
0
0.0
46
0 0.
0 45
0
0.0
50
0 0.
0 14
10
0.0
B
IM
11
0 0.
0 15
0
0.0
14
0 0.
0 11
0
0.0
40
0 0.
0 EM
51
0
0.0
46
0 0.
0 45
0
0.0
50
0 0.
0 14
10
0.0
C
IM
11
0 0.
0 15
0
0.0
14
0 0.
0 11
0
0.0
40
0 0.
0 EM
51
1
2.0
46
2 4.
3 45
4
8.9
50
8 16
.014
114
9.
9 D
IM
11
1
9.1
15
0 0.
0 14
1
7.1
11
0 0.
0 40
1
2.5
EM
51
0 0.
0 46
0
0.0
45
0 0.
0 50
0
0.0
141
0 0.
0
QTc
F
E IM
11
0
0.0
15
0 0.
0 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
0
0.0
EM
51
0 0.
0 46
0
0.0
44
0 0.
0 50
0
0.0
140
0 0.
0 A
IM
11
0
0.0
15
0 0.
0 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
0
0.0
EM
51
0 0.
0 46
0
0.0
44
0 0.
0 50
0
0.0
140
0 0.
0 B
IM
11
0
0.0
15
0 0.
0 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
0
0.0
EM
51
0 0.
0 46
0
0.0
45
0 0.
0 50
0
0.0
141
0 0.
0 C
IM
11
0
0.0
15
0 0.
0 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
0
0.0
EM
51
2 3.
9 46
2
4.3
45
4 8.
9 50
8
16.0
141
14
9.9
D
IM
11
1 9.
1 15
0
0.0
14
2 14
.311
0
0.0
40
2 5.
0 EM
51
0
0.0
46
0 0.
0 45
0
0.0
50
0 0.
0 14
10
0.0
QTc
D
E IM
11
0
0.0
15
0 0.
0 14
0
0.0
11
0 0.
0 40
0
0.0
N:ベースラインで基準を満たさなかった症例数
n:
投与後基準を満たした症例数
基準
A:補正
QT間
隔が
450
mse
cより大きい
B:補正
QT間
隔が
480
mse
cより大きい
C:補正
QT間
隔が
500
mse
cより大きい
D:補正
QT間
隔がベースラインから
30 m
sec以
上増加
E:
補正
QT間隔がベースラインから
60 m
sec以
上増加
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合
型EM
、ホモ接合型
EM及び
UM)
**
*PM
は解析
から除外した。
略語
PL
C=プ
ラセボ、
ATX
=アトモキセチン
A
_T14
_41_
b_Q
T_C
ATE
_cyp
b.ts
v
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
611
2.7.4.5.1.1.1.3.2 長期継続投与試験:LYBC試験・LYDA試験併合解析
LYBC 試験及び長期継続投与試験である LYDA 試験の結果を併合し、ベースラインか
ら最終観察時点までの心電図の平均変化量を CYP2D6 遺伝子型別(分類方法 1 及び 2)
に評価した。また、QTcF 及び QTcD について、CYP2D6 遺伝子型別(分類方法 1 及び
2)のカテゴリー解析を行った。分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.1.2.3 項に示した。
分類方法 1 による EM/IM 別の、QT 間隔におけるベースラインから最終観察時点まで
の平均変化量を表 2.7.4-380 に示した。
分類方法 1 において、評価期間 6 ヵ月~1 年の QTcF の変化量は EM 患者で 1.56 msec、
IM 患者で-1.03 msec と、EM 患者で平均変化量が増加し、IM 患者で減少したが、評価期
間 1~2 年の QTcF の平均変化量は、EM 患者及び IM 患者のいずれも 4.53 msec と同じで
あった。いずれの評価期間においても、EM 患者に比べ IM 患者で臨床的に問題となる
ような QTcF の平均変化量の増加は見られなかった。
QTcD でも同様に、評価期間 6 ヵ月~1 年の平均変化量は IM 患者の方が小さく、評価
期間 1~2 年の QTcD の平均変化量は EM 患者で 7.58 msec、IM 患者で 8.38 msec と同程
度であった。いずれの評価期間においても、EM 患者に比べ IM 患者で臨床的に問題と
なるような QTcD の変化量の増加は見られなかった。
分類方法 2 においても同様に、EM’患者に比べ IM’患者で臨床的に問題となるような
変化量の増加は見られなかった。(表 2.7.4.7-107)。
以上、評価期間別の QT 間隔の変化量について、分類方法 1 及び 2 による CYP2D6 遺
伝子型の影響は認められなかった。
表 2.7.4-380. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別心電図のベースラインから
最終観察時点までの変化量(LYBC試験・LYDA試験併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 CYP2D6 遺伝子型 評価期間 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD 0~6 ヵ月 160 75.23 11.81 83.97 14.18 8.74 14.05 6 ヵ月~1 年 58 76.55 11.65 84.41 13.36 7.86 13.81 1 年~2 年 14 77.50 13.49 87.93 10.19 10.43 13.67
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 78.00 11.77 87.43 12.08 9.43 13.68 6 ヵ月~1 年 21 78.67 11.90 82.48 11.94 3.81 14.39 1 年~2 年 5 72.80 6.76 86.00 9.54 13.20 13.18
心拍数 (bpm)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 816.80 126.18 735.08 125.34 -81.72 131.21 6 ヵ月~1 年 58 800.19 112.43 729.15 120.10 -71.04 120.85 1 年~2 年 14 792.40 116.16 691.39 84.04 -101.01 100.52
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 787.59 127.51 698.53 92.79 -89.06 130.29 6 ヵ月~1 年 21 779.45 117.78 741.37 103.71 -38.08 131.14 1 年~2 年 5 830.11 80.14 704.33 75.10 -125.78 126.33
RR 間隔 (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 145.83 18.43 145.73 18.31 -0.11 14.68 6 ヵ月~1 年 58 141.76 17.16 145.00 17.83 3.24 12.72 1 年~2 年 14 140.21 17.63 150.93 17.35 10.71 18.05
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 146.54 20.75 146.67 23.10 0.13 19.27 6 ヵ月~1 年 21 142.00 21.87 145.24 20.60 3.24 15.32 1 年~2 年 5 136.60 14.71 142.80 7.12 6.20 10.76
PR 間隔 (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
612
表 2.7.4-380. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別心電図のベースラインから
最終観察時点までの変化量(LYBC試験・LYDA試験併合解析(注 1))(続き)
ベースライン 最終観察時点 変化量 CYP2D6 遺伝子型* 評価期間 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD 0~6 ヵ月 160 86.37 7.27 87.38 7.71 1.01 5.19 6 ヵ月~1 年 58 85.41 7.08 88.86 8.60 3.45 5.91 1 年~2 年 14 86.43 9.68 91.50 8.24 5.07 6.16
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 86.52 9.80 87.35 8.42 0.83 5.26 6 ヵ月~1 年 21 85.90 10.03 86.10 9.92 0.19 7.03 1 年~2 年 5 81.80 8.17 81.40 10.85 -0.40 3.97
QRS 間隔 (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 365.11 25.98 350.84 26.46 -14.27 25.52 6 ヵ月~1 年 58 359.93 23.28 350.31 27.73 -9.62 23.66 1 年~2 年 14 356.50 24.10 344.86 21.27 -11.64 30.00
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 359.43 24.78 342.96 21.26 -16.48 23.55 6 ヵ月~1 年 21 354.10 26.37 347.19 20.07 -6.90 17.60 1 年~2 年 5 368.40 4.98 352.60 12.80 -15.80 15.69
QT 間隔 (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 405.88 20.73 411.58 21.98 5.70 22.00 6 ヵ月~1 年 58 403.98 18.74 412.05 18.89 8.07 19.81 1 年~2 年 14 402.07 16.30 415.93 21.77 13.86 23.74
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 407.11 19.15 411.98 17.81 4.87 22.24 6 ヵ月~1 年 21 402.71 21.52 404.81 21.56 2.10 24.58 1 年~2 年 5 405.60 17.52 421.20 25.41 15.60 28.07
QTcB (mesc)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 391.56 17.84 389.91 18.32 -1.65 17.52 6 ヵ月~1 年 58 388.52 15.92 390.08 17.53 1.56 15.57 1 年~2 年 14 386.06 14.30 390.58 18.78 4.53 23.10
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 390.21 16.28 387.22 15.01 -2.99 17.00 6 ヵ月~1 年 21 385.60 19.22 384.57 17.10 -1.03 15.85 1 年~2 年 5 392.55 10.84 397.08 19.02 4.53 18.22
QTcF (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 160 396.35 18.19 397.10 18.82 0.75 18.31 6 ヵ月~1 年 58 393.69 16.30 397.39 17.26 3.70 16.28 1 年~2 年 14 391.42 14.26 399.00 19.40 7.58 22.73
EM
2 年~3 年 0 - - - - - - 0~6 ヵ月 46 395.79 16.56 395.37 15.39 -0.42 18.10 6 ヵ月~1 年 21 391.32 19.43 391.40 18.30 0.08 18.37 1 年~2 年 5 396.85 12.92 405.23 21.12 8.38 21.09
QTcD (msec)
IM
2 年~3 年 0 - - - - - - 略語 QTcB:Bazett 法による補正 QT 間隔、QTcD:Data driven 法による補正 QT 間隔、QTcF:Fridericia 法による補
正 QT 間隔。 対象 0~6 ヵ月:アトモキセチン投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 6 ヵ月~1 年:アトモキセチン 6 ヵ月投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 1 年~2 年:アトモキセチン 1 年投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 2 年~3 年:アトモキセチン 2 年投与例かつベースラインと投与後観察値を有する症例 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) PM は解析から除外した。 A_T12_13_ECG__(CYP2D6_1 EM_IM).tsv (注 1):表 2.7.4-3 参照
分類方法 1 によるカテゴリー解析の結果、EM 患者及び IM 患者において QT 延長を示
した患者の割合を表 2.7.4-381 に示した。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
613
QTcD 及び QTcF において、EM 患者及び IM 患者のいずれも全評価期間(0~3 年)に
おいて、補正 QT 間隔が 450 msec を超える患者は見られなかった。QTc 間隔の変化量の
基準 D(補正 QT 間隔がベースラインから 30 msec 以上増加)に該当する患者の割合に
ついては、全評価期間(0~3 年)において、EM 患者で IM 患者に比べ高かった。
分類方法 2 についても同様の結果であった(表 2.7.4.7-108)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
614
表 2
.7.4
-381
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別
QT延長を示した患者の割合(
LYB
C試験・
LYD
A試験併合解析(注
1 ))
0~3年
0~
6ヵ
月以
内
6~12
ヵ月
12~
24ヵ
月
24~
36ヵ
月
項目
基
準
CY
P2D
6 遺
伝子
型
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) EM
15
9 0
( 0.
0)
159
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
A
IM
46
0 (
0.0)
46
0
( 0.
0)
21
0 (
0.0)
5
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
EM
160
0 (
0.0)
16
0 0
( 0.
0)
58
0 (
0.0)
14
0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)B
IM
46
0
( 0.
0)
46
0 (
0.0)
21
0
( 0.
0)
5 0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)EM
16
0 0
( 0.
0)
160
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
C
IM
46
0 (
0.0)
46
0
( 0.
0)
21
0 (
0.0)
5
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
EM
160
18
( 11.
3)16
0 15
(
9.4)
58
3
( 5.
2)
14
2 ( 1
4.3)
0 0
( 0.
0)D
IM
46
1
( 2.
2)
46
1 (
2.2)
21
0
( 0.
0)
5 0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)EM
16
0 0
( 0.
0)
160
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
QTc
D
E IM
46
0
( 0.
0)
46
0 (
0.0)
21
0
( 0.
0)
5 0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)EM
15
9 0
( 0.
0)
159
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
A
IM
46
0 (
0.0)
46
0
( 0.
0)
21
0 (
0.0)
5
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
EM
159
0 (
0.0)
15
9 0
( 0.
0)
58
0 (
0.0)
14
0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)B
IM
46
0
( 0.
0)
46
0 (
0.0)
21
0
( 0.
0)
5 0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)EM
16
0 0
( 0.
0)
160
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
C
IM
46
0 (
0.0)
46
0
( 0.
0)
21
0 (
0.0)
5
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
EM
160
21
( 13.
1)16
0 17
( 1
0.6)
58
6 ( 1
0.3)
14
1 (
7.1)
0
0 (
0.0)
D
IM
46
4 (
8.7)
46
3
( 6.
5)
21
1 (
4.8)
5
1 ( 2
0.0)
0 0
( 0.
0)EM
16
0 0
( 0.
0)
160
0 (
0.0)
58
0
( 0.
0)
14
0 (
0.0)
0
0 (
0.0)
QTc
F
E IM
46
0
( 0.
0)
46
0 (
0.0)
21
0
( 0.
0)
5 0
( 0.
0)
0 0
( 0.
0)N:
ベー
スライン
値が基
準を満た
してい
ない症
例数
n:
投与
後、
少なく
とも
1度基
準を
満たし
た症例
数
基準
A:
補正
QT間
隔が
450
mse
cより
大き
い
B:
補正
QT間隔が
480
mse
cより
大き
い
C:
補正
QT間隔が
500
mse
cより
大き
い
D:
補正
QT間
隔が
ベース
ラインか
ら30
mse
c以上
増加
E:補
正Q
T間隔が
ベース
ラインか
ら60
mse
c以上
増加
対
象
0~6ヵ月:
アトモ
キセチ
ン投与例
かつベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
6ヵ月~
1年:
アト
モキセ
チン
6ヵ
月投
与例
かつ
ベー
スラ
イン
と投
与後
観察
値を
有す
る症
例
1年~
2年:ア
トモ
キセチ
ン1年投
与例か
つベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
2年~
3年:ア
トモ
キセチ
ン2年投
与例か
つベ
ース
ライ
ンと
投与
後観
察値
を有
する
症例
略
語
QTc
D:
Dat
a dr
iven
法に
よる補
正Q
T間
隔、
QTc
F:Fr
ider
icia法
によ
る補
正Q
T間
隔
分類方
法1:
PM、
IM、
EM(
ヘテ
ロ接合
型EM
、ホ
モ接
合型
EM及
びU
M)
PM
は解
析から除外
した。
A
_T12
_15_
ECG
__(C
YP2
D6_
1 EM
_IM
).tsv
(
注1)
:表
2.7.
4-3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
615
2.7.4.5.1.1.2 日本で実施した試験における CYP2D6遺伝子型 PMの安全性
LYBD 試験において、治験実施計画書で定義した CYP2D6 遺伝子型分類が PM に該当
する症例はいなかった。
LYBC 試験において、治験実施計画書で定義した CYP2D6 遺伝子型分類が PM に該当
する症例が、ATX_0.5 群に 1 例(患者番号 10-1001)、ATX_1.2 群に 1 例(患者番号 10-
1003)で認められた。これらの患者の安全性の詳細を第 2.7.4.7.4.1.2.1 項に示す。
患者番号 10-1001(ATX_0.5 群、男性、14 歳)では有害事象は認められなかった。脈
拍数については、Visit 1 で 92 bpm、Visit 2 で 86 bpm、Visit 3 で 101 bpm、Visit 4 で
100 bpm、Visit 5 で 109 bpm 及び Visit 6 で 98 bpm であった。収縮期血圧及び拡張期血圧、
体重及び心電図(QTcF)については、特に大きな変化は見られず、LYBC 試験を完了し
た。
患者番号 10-1003(ATX_1.2 群、女性、9 歳)では、下痢、体重減少が認められた。し
かし、いずれも重症度は軽度であった。脈拍数については、Visit 1 で 96 bpm、Visit 2 で
100 bpm、Visit 3 で 88 bpm、Visit 4 で 105 bpm、Visit 5 で 107 bpm 及び Visit 6 で 101 bpm
であった。体重については、Visit 1 で 39.2 kg、Visit 2 で 38.9 kg、Visit 3 で 36.5 kg、
Visit 4 で 36.7 kg、Visit 5 で 35.7 kg 及び Visit 6 で 35.6 kg であった。収縮期血圧及び拡張
期血圧及び心電図(QTcF)については、特に大きな変化は見られず、LYBC 試験を完了
した。
2.7.4.5.1.1.3 日本で実施した試験において CYP2D6遺伝子型と表現型に不一致が認め
られた患者
2.7.4.5.1.1.3.1 LYBD試験に参加した患者に対する追跡試験:LYDH試験
LYBD 試験において、患者番号 015-1501 は治験実施計画書で定義した CYP2D6 遺伝子
型より EM に分類されたが、通常 EM 患者に予測される血漿中濃度よりも高い血漿中濃
度が認められた(第 2.7.2.3.1.1.2.1.1 項)。
LYBD 試験において当該患者に認められた有害事象は、気分変動、頻脈、体重減少、
食欲減退、口内炎、上気道の炎症及び息詰まり感であったが、それぞれ軽度又は中等度
であり、高度の有害事象は認められなかった。バイタルサインについて、脈拍数の増加
が見られ、有害事象の頻脈として報告された。その他のバイタルサイン及び心電図につ
いては大きな変化は認められなかった。当該患者は LYBD 試験を完了した。当該患者の
LYBD 試験における安全性の詳細を第 2.7.4.7.4.1.2.2 項に示す。
CYP2D6 遺伝子型と表現型の不一致に関して、他の併用薬やコンプライアンス不良等
の原因を特定することができなかったため、当該患者を対象に CYP2D6 遺伝子型を更に
検討するため LYDH 試験を実施した。
LYDH 試験の結果、CYP2D6 遺伝子型は CYP2D6 *5/*21 であり、当該患者は PM に分
類されることが判明した(第 2.7.2.3.1.1.2.1.2 項)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
616
2.7.4.5.1.1.3.1.1 LYBD試験で CYP2D6遺伝子型と表現型に不一致が認められた患
者(患者番号 015-1501)の成績
LYBD 試験は強制漸増試験であり、Visit 2 で 0.5 mg/kg/日から投与を開始し、Visit 3 で
0.8 mg/kg/日、Visit 4 で 1.2 mg/kg/日、Visit 5 で 1.8 mg/kg/日と段階的に投与量を増量した。
LYBD 試験において CYP2D6 遺伝子型と表現型に不一致が認められた患者(患者番号
015-1501)は、追跡試験(LYDH 試験)の結果、CYP2D6 遺伝子型 PM に分類されるこ
とが判明した。当該患者の LYBD 試験における薬物動態、有効性及び安全性の成績を以
下に示した。
(1) 薬物動態
LYBD 試験及び海外試験(母集団薬物動態解析に用いた 5 試験)で得られた定常状態
における血漿中アトモキセチン濃度を図 2.7.4-191 に示した。LYBD 試験における当該
PM 患者の血漿中アトモキセチン濃度は、最終投与後約 2 時間の時点で
6360 (ng/mL)/(mg/kg)であり、海外試験の PM 患児の値と大きな違いは認められなかった。
Time From Dose (h)
0 3 6 9 12 15 18 21 24 27
Nor
mal
ized
Ato
mox
etin
e Pl
asm
a C
onc
(ng/
mL)
/(mg/
kg)
1
10
100
1000
10000
LYBD EM PatientsLYBD UM PatientLYBD PM Patient
Pop PK EM PatientsPop PK UM PatientsPop PK PM Patients
図 2.7.4-191. CYP2D6 UM、EM及び PM患者における
体重あたりの投与量で規準化した血漿中アトモキセチン濃度推移
[日本人 (LYBD試験)、外国人 (HFBC, HFBD, HFBE, HFBF及び HFBK試験)]
(2) 有効性
有効性の成績として、ADHD RS-IV 日本語版(医師用)の総スコア、不注意サブタイ
プスコア及び多動性‐衝動性サブタイプスコア並びに AD/HD 概括重症度を Visit ごとに
表 2.7.4-382 に示した。
ADHD RS-IV 日本語版(医師用)の総スコアはベースラインの 26 から最終観察時の
12 に減少し、AD/HD 症状の改善が認められた。同様に、不注意サブタイプスコア(18
→11)及び多動性‐衝動性サブタイプスコア(8→1)においても、スコアは減少し、サ
ブタイプスコアの改善も認められた。更に、AD/HD 概括重症度(CGI-AD/HD-S)にお
いても、4(中等度の疾患)から 3(軽度の疾患)への改善が認められた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
617
表 2.7.4-382. 患者番号 015-1501の有効性に関する成績(LYBD試験)
ADHD RS-IV 日本語版(医師用) Visit
総スコア 不注意 サブタイプスコア
多動性‐衝動性 サブタイプスコア
AD/HD 概括重症度
1 35 22 13 5 2
(ベースライン) 26 18 8 4
3 23 18 5 4 4 15 14 1 3
5 13 12 1 3 6
(最終観察時) 12 11 1 3
(3) 安全性
安全性の成績として、バイタルサイン、体重、身長及び心電図(QTcF)を Visit ごと
に、また、試験期間中に認められた有害事象について表 2.7.4-383 に示した。
LYBD 試験において当該患児に認められた有害事象は、気分変動、頻脈、体重減少、
食欲減退、口内炎、上気道の炎症及び息詰まり感であり、上気道の炎症以外は因果関係
が認められたが、それぞれ軽度又は中等度で、高度の有害事象は認められなかった。バ
イタルサインの変化については、脈拍数の増加と体重の減少が見られ、前述のとおり有
害事象として頻脈及び体重減少が報告された。その他のバイタルサイン及び心電図につ
いては大きな変化は認められなかった。当該患児は治験医師が各 Visit で規定の安全性
評価を行った結果、途中で中止することもなく最大用量 1.8 mg/kg/日までの投与を受け
試験を完了した。
表 2.7.4-383. 患者番号 015-1501の安全性に関する成績(LYBD試験)
患者番号 015-1501 年齢・性別・病型 10 歳・男性・不注意優勢型 中枢刺激薬使用経験 無し 投与群 アトモキセチン群
Visit V1 V2 (BL) V3 V4 V5 V6 追跡
収縮期血圧 120 122 130 124 118 102 - 拡張期血圧 64 70 66 72 70 51 - 脈拍数 92 70 87 91 101 110 - 体重 38.20 38.20 36.80 36.20 35.30 36.00 - 身長 143.30 - - - - 145.30 - QTcF 415.93 - 412.11 406.83 397.78 424.88 410.42
有害事象
気分変動(軽度)V3~最終投与時未回復(不変)/因果関係あり 頻脈(中等度)V3~最終投与時未回復(不変)/因果関係あり 体重減少(中等度)V3~最終投与時未回復/因果関係あり 食欲減退(軽度)V3~3 日間:消失/因果関係あり 口内炎(軽度)V5~23 日間:消失/因果関係あり 上気道の炎症(軽度)V5~5 日間:消失/因果関係なし 息詰まり感(軽度)V6~1 日間:消失/因果関係あり
BL:ベースライン
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
618
2.7.4.5.1.1.3.2 LYBC試験/LYDA試験
LYBC 試験において、治験実施計画書に定義した CYP2D6 遺伝子型(EM)から予測
される血漿中濃度よりも高い血漿中濃度を示し、CYP2D6 遺伝子型と表現型に不一致が
認められた患者が 2 例(患者番号 4-401、患者番号 29-2903)認められた。以下に、これ
ら 2 例について更に CYP2D6 遺伝子型を調べた結果及び安全性の結果について示す。患
者番号 4-401 及び患者番号 29-2903 の安全性結果の詳細については第 2.7.4.7.4.1.2.3 項に
示す。
患者番号 4-401(ATX_1.8 群、男性、10 歳)について、更に CYP2D6 の検討を行った
結果、CYP2D6 遺伝子型が CYP2D6 *5/*21 で、PM に分類されることが判明した。当該
症例の試験期間中に認められた有害事象は、不快気分、食欲減退、早朝覚醒及び体重減
少であり、重症度は軽度もしくは中等度であった。脈拍数について、Visit 1 で 84 bpm、
Visit 2 で 82 bpm、Visit 3 で 112 bpm、Visit4 で 108 bpm、Visit5 で 92 bpm 及び Visit 6 で
88 bpm であった。心電図(QTcF 間隔)について、Visit 1 で 389.72 msec、Visit 4 で
427.72 msec、Visit 5 で 418.30 msec 及び Visit 6 で 423.31 msec であった。当該患者は
LYBC 試験を完了した。
患者番号 4-401 は LYBC 試験の完了後継続して、LYDA 試験に参加した。新たに因果
関係のある有害事象は認められておらず、バイタルサイン及び心電図(QTcF)について
も、LYBC 試験で認められた変化と同程度であった(表 2.7.4.7-111)。
患者番号 29-2903(ATX_1.8 群、男性、10 歳)について、更に CYP2D6 の検討を行っ
た結果、CYP2D6 遺伝子型が CYP2D6 *5/*21 で、PM に分類されることが判明した。当
該症例の試験期間中に認められた有害事象は、上気道の炎症、食欲減退及び感情不安定
であり、重症度は軽度又は中等度であった。当該症例は、Visit 2 の投薬開始後(アトモ
キセチン 0.5 mg/kg/日)5 日目に発現した感情不安定(中等度)により Visit 4 にて服薬
を中止した。感情不安定は試験中止後 4 日後に消失した。
脈拍数については、Visit 1 及び Visit 2 で 66 bpm 及び 60 bpm であり、Visit 3 及び
Visit 4 で 64 bpm 及び 87 bpm であった。心電図(QTcF)については、Visit 1 で
407.78 msec 及び Visit 4 で 413.13 msec であった。
2.7.4.5.1.1.4 日本で実施した試験における CYP2D6遺伝子型別による安全性の要約
日本で実施した試験の CYP2D6 遺伝子型による安全性を、二つの分類方法に基づき
CYP2D6 遺伝子型 EM/IM 別に評価した。PM 患者については患者数が少ないため個々に
評価した。
有害事象について、短期投与及び長期投与のいずれにおいても、EM 患者及び IM 患
者の間で、有害事象が認められた症例数の割合に一定の傾向は認められなかった。重症
度についても、IM 患者で重症度が高くなる傾向は見られなかった。
バイタルサイン、身長及び体重については、EM 患者に比べ IM 患者で大きな変化が
見られたものもあったが、変化の程度及び測定値は臨床的に問題となるものではないと
考えられた。心電図については、QTcD 及び QTcF のいずれにおいても、EM 患者及び
IM 患者の間で、臨床的に問題となるような補正 QT 間隔の延長は認められなかった。ま
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
619
た、補正 QT 間隔の 30 msec 以上の変化について、アトモキセチン群全体において IM 患
者が EM 患者に比べ該当する患者の割合が低かった。
以上、二つの分類方法に基づいて CYP2D6 遺伝子型 EM/IM を評価した結果、EM 患者
及び IM 患者の間に、臨床的に問題となるような差は認められなかった。
日本で実施した試験において組み入れられた個々の PM 患者を評価した結果、有害事
象による中止例が 1 例認められたが、PM 患者に認められた有害事象は EM 患者及び IM
患者で認められるものと同様であり、重症度は軽度もしくは中等度であった。バイタル
サインや心電図についても、EM 患者及び IM 患者で認められた変化と大きな違いは認
められなかった。
2.7.4.5.1.1.5 アジアで実施した試験における CYP2D6遺伝子型 EM/IM別の安全性
CYP2D6*10 を含む IM はアジア人に多いことが報告されていることより、海外で実施
された試験のうちアジア人を対象として行われた LYBR 試験及び S010 試験において、
EM/IM 別の有害事象及びバイタルサインを評価した。心電図については、S010 試験に
おいては投与前のみ心電図測定を実施していたため、LYBR 試験のみ評価した。
LYBR 試験はアトモキセチン群とメチルフェニデート群を比較した実薬対照試験であ
る。本試験では CYP2D6 により代謝されるアトモキセチン群における EM 患者及び IM
患者の安全性を比較した。S010 試験では、アトモキセチン群及びプラセボ群における
EM 患者及び IM 患者の安全性を比較した。
2.7.4.5.1.1.5.1 1日 1回投与で実施した短期プラセボ対照二重盲検比較試験:S010試
験
2.7.4.5.1.1.5.1.1 有害事象
分類方法 1 により EM/IM を分類したとき、アトモキセチン群で 5%以上の発現率を示
した有害事象について EM 患者及び IM 患者におけるプラセボ群に対するアトモキセチ
ン群のオッズ比を表 2.7.4-384 に示した。分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.3.1.1 項に示
した。
アトモキセチン群で 1 件以上の有害事象が認められた症例は、EM 患者及び IM 患者そ
れぞれ 72.1%(31/43)及び 82.1%(23/28)であり、プラセボ群に対するアトモキセチン
群のオッズ比は、それぞれ 2.58 及び 6.44 であった。EM 患者と IM 患者の有害事象発現
率のオッズ比に統計学的に有意な差は見られなかった(p=0.334)。
5%以上の発現率を示した有害事象においてアトモキセチン群のプラセボ群に対するオ
ッズ比に EM 患者と IM 患者の間で統計学的に有意な差が見られたものはなかった。
分類方法 2 においても同様の結果であった(表 2.7.4.7-113)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
620
表 2
.7.4
-384
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別の有害事象(
S01
0試験)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オ
ッズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名N
n
(%)
N
n (%
) 推
定値
信頼
下限
信頼
上限
p値
*
EM
20
10
50.0
43
31
72
.1
2.58
0.
86
7.77
0.
334
1件以上の有害事象が認められた症例数
IM
12
5
41.7
28
23
82
.1
6.44
1.
44
28.8
9 -
EM
20
3 15
.0
43
16
37.2
3.
36
0.85
13
.27
0.64
7 食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
IM
12
1
8.3
28
10
35.7
6.
11
0.69
54
.51
- EM
20
3
15.0
43
9
20.9
1.
50
0.36
6.
27
0.11
6 傾眠
So
mno
lenc
e IM
12
0
0.0
28
8 28
.6
- -
- -
EM
20
0 0.
0 43
8
18.6
-
- -
- 悪心
N
ause
a IM
12
0
0.0
28
4 14
.3
- -
- -
EM
20
3 15
.0
43
5 11
.6
0.75
0.
16
3.48
0.
731
咳嗽
C
ough
IM
12
3
25.0
28
4
14.3
0.
50
0.09
2.
69
- EM
20
0
0.0
43
5 11
.6
- -
- 0.
149
浮動性めまい
D
izzi
ness
IM
12
1
8.3
28
2 7.
1 0.
85
0.07
10
.33
- EM
20
1
5.0
43
6 14
.0
3.08
0.
35
27.4
8 0.
240
頭痛
H
eada
che
IM
12
1 8.
3 28
1
3.6
0.41
0.
02
7.11
-
EM
20
0 0.
0 43
3
7.0
- -
- -
疲労
Fa
tigue
IM
12
0
0.0
28
3 10
.7
- -
- -
EM
20
1 5.
0 43
3
7.0
1.43
0.
14
14.6
2 0.
764
嘔吐
V
omiti
ng
IM
12
1 8.
3 28
2
7.1
0.85
0.
07
10.3
3 -
EM
20
0 0.
0 43
3
7.0
- -
- -
下痢
D
iarr
hoea
IM
12
0
0.0
28
1 3.
6 -
- -
- EM
20
0
0.0
43
3 7.
0 -
- -
- 鼻閉
N
asal
con
gest
ion
IM
12
0 0.
0 28
1
3.6
- -
- -
EM
20
1 5.
0 43
4
9.3
1.95
0.
20
18.6
5 0.
104
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
IM
12
1 8.
3 28
0
0.0
- -
- -
EM
20
2 10
.0
43
3 7.
0 0.
68
0.10
4.
40
0.77
1 鼻漏
R
hino
rrho
ea
IM
12
1 8.
3 28
1
3.6
0.41
0.
02
7.11
-
EM
20
0 0.
0 43
1
2.3
- -
- -
体重減少
W
eigh
t dec
reas
ed
IM
12
0 0.
0 28
3
10.7
-
- -
- ア
トモ
キセ
チン群
での頻
度の高い
順に示
した。
ア
トモ
キセ
チン群
におい
て5%
以上
の発現
率が認め
られ
た事
象
対象
とし
た試
験:
S010
試験
*部
分集
団間
のオッ
ズ比を
、B
resl
ow-D
ay検
定を用い
て比
較し
た。
分
類方
法1:
PM、
IM、
EM(
ヘテ
ロ接合
型EM
、ホモ
接合
型EM
及び
UM)
PM
に該
当す
る患者
はS0
10試
験に参
加して
いなかっ
た。
A
_TEA
E_S0
10.x
ls
TEA
E_C
YP1
_1
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
621
2.7.4.5.1.1.5.1.2 バイタルサイン、身長及び体重
身長、体重、血圧(拡張期、収縮期)及び脈拍数についてベースラインから最終観察
時点までの変化量を EM/IM 別に評価した。また、バイタルサイン及び体重について、
EM/IM 別にカテゴリー解析を行った。
分類方法 1 により EM/IM 分類したとき、ベースラインから最終観察時点までの身長、
体重及びバイタルサインの変化量を表 2.7.4-385 に示した。分類方法 2 の結果を、第
2.7.4.7.4.1.3.1.2 項に示した。
アトモキセチン群とプラセボ群の変化量の差は、拡張期血圧以外の項目において、
EM 患者及び IM 患者とも同様の傾向を示した(拡張期血圧のプラセボ群とアトモキセ
チン群の変化量の差:EM 患者-3.52 mmHg、IM 患者 4.32 mmHg)。
分類方法 2 について、脈拍数においても EM’患者及び IM’患者の間でプラセボ群とア
トモキセチン群の変化量の差に違いが見られた(脈拍数のプラセボ群とアトモキセチン
群の変化量の差:EM’患者-0.58 bpm、IM’患者 3.79 bpm)(表 2.7.4.7-114)。それ以外は
分類方法 1 と同様の結果を示した。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
622
表 2
.7.4
-385
. C
YP
2D6遺伝子型(分類方法
1:E
M/IM)別のバイタルサイン変化量(
S01
0試験)
ベー
スラ
イン
最
終観察
時点
変
化量
95
%信
頼区
間
項目
C
YP2
D6
遺伝
子型
* 投
与群
N
平
均
SD
平均
SD
平
均
SD
差
信頼
下限
信頼
上限
p値
PLC
20
13
6.52
14
.54
137.
14
14.8
9 0.
62
1.15
0.
56
0.02
1.
09
0.04
3 EM
A
TX
42
133.
71
11.9
0 13
4.88
11
.92
1.18
0.
91
- -
- -
PLC
12
13
0.88
11
.19
131.
91
11.3
9 1.
03
0.98
0.
07
-0.7
9 0.
93
0.87
6 身長(
cm)
IM
ATX
26
13
3.52
12
.63
134.
62
12.5
6 1.
10
1.31
-
- -
- PL
C
18
33.8
6 9.
40
34.3
3 9.
29
0.47
0.
90
-1.1
1 -1
.67
-0.5
5 <0
.001
EM
A
TX
43
31.7
9 9.
22
31.1
5 8.
95
-0.6
4 1.
03
- -
- -
PLC
10
29
.95
9.63
30
.81
9.90
0.
86
0.65
-1
.62
-2.4
1 -0
.83
<0.0
01
体重(
kg)
IM
ATX
26
30
.13
8.73
29
.37
8.73
-0
.76
1.15
-
- -
- PL
C
20
59.6
8 9.
91
65.6
5 8.
58
5.98
11
.18
-3.5
2 -8
.99
1.94
0.
202
EM
ATX
43
62
.64
9.84
65
.09
9.48
2.
45
9.57
-
- -
- PL
C
12
60.5
0 4.
46
61.6
3 6.
47
1.13
7.
62
4.32
-0
.89
9.53
0.
101
拡張期血圧
(m
mH
g)IM
A
TX
28
58.8
6 8.
69
64.3
0 9.
42
5.45
7.
39
- -
- -
PLC
20
96
.80
9.92
96
.20
6.25
-0
.60
8.89
2.
15
-2.5
9 6.
89
0.36
9 EM
A
TX
43
96.6
2 9.
40
98.1
6 8.
22
1.55
8.
70
- -
- -
PLC
12
95
.58
8.48
96
.88
6.33
1.
29
7.95
1.
57
-4.8
9 8.
02
0.62
6 収縮期血圧
(m
mH
g)IM
A
TX
28
93.8
0 7.
97
96.6
6 8.
91
2.86
9.
71
- -
- -
PLC
20
80
.35
8.01
84
.30
8.57
3.
95
8.96
0.
05
-5.7
4 5.
84
0.98
6 EM
A
TX
43
84.5
5 10
.20
88.5
5 11
.86
4.00
11
.40
- -
- -
PLC
12
88
.42
12.7
0 88
.17
12.9
2 -0
.25
9.87
3.
20
-5.7
9 12
.19
0.47
6 脈拍数
(bp
m)
IM
A
TX
28
84.0
2 11
.79
86.9
6 12
.40
2.95
13
.91
- -
- -
略語
SD
:標準偏差
、PL
C:プラセボ群、
ATX
:アトモキセチン群
分類方法
1:PM
、IM
、EM
(ヘテロ接合型
EM、ホモ接合型
EM及び
UM)
*
PMに該当する患者は
S010
試験に参加していなかった。
p値は分散分析に基づき算出された。
モデル;変化量
= 投
与群
A
_S01
0_V
TL_C
G_I
MEM
.xls
S01
0_C
YP1
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
623
分類方法 1 によるカテゴリー解析の結果、EM 患者及び IM 患者においてバイタルサイ
ン及び体重に異常を示した患者の割合を表 2.7.4-386 に示した。収縮期血圧及び体重につ
いては EM 患者及び IM 患者ともプラセボ群に比べアトモキセチン群で基準に該当する
患者の割合が高く、収縮期血圧では EM 患者が IM 患者より高く、体重では EM 患者と
IM 患者の割合は同様であった。
分類方法 2 においても同様の結果を示した(表 2.7.4.7-115)。
表 2.7.4-386. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別のバイタルサイン異常
を示した患者の割合(S010試験)
プラセボ アトモキセチン 項目 基準 CYP2D6遺伝子型* N n (%) N n (%)
EM 20 1 (5.0) 43 6 (14.0) A IM 11 1 (9.1) 27 1 (3.7) EM 20 1 (5.0) 43 3 (7.0) B IM 12 1 (8.3) 28 1 (3.6) EM 20 1 (5.0) 43 2 (4.7)
脈拍数
C IM 11 0 (0.0) 27 0 (0.0) EM 20 0 (0.0) 42 4 (9.5)
収縮期血圧 D IM 12 0 (0.0) 28 1 (3.6) EM 19 3 (15.8) 42 6 (14.3)
拡張期血圧 E IM 12 0 (0.0) 28 5 (17.9) EM 18 0 (0.0) 43 15 (34.9)
体重 F IM 10 0 (0.0) 26 9 (34.6) N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:脈拍が 110 bpm 以上 B:ベースラインからの脈拍変化量が 25 bpm 以上 C:A かつ B D:収縮期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 E:拡張期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 F:ベースラインから 3.5% 以上減少 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) *PM に該当する患者は S010 試験に参加していなかった。 A_VTL_CT_S010.xls S010_CYP1
2.7.4.5.1.1.5.2 1日 1回投与で実施した実薬対照比較試験:LYBR試験
2.7.4.5.1.1.5.2.1 有害事象
分類方法 1 により EM/IM を分類したとき、5%以上の発現率が見られた有害事象又は
EM 患者と IM 患者との間で発現率に統計学的に有意な差が認められた有害事象を表
2.7.4-387 に示した。分類方法 2 の結果を、第 2.7.4.7.4.1.3.2.1 項に示す。
1 件以上の有害事象が認められた症例は、EM 患者及び IM 患者それぞれ 86.3%
(88/102)及び 87.7%(50/57)であり、EM 患者と IM 患者の発現率に統計学的に有意な
差は見られなかった(p=1.000)。
EM 患者又は IM 患者で 5%以上の発現率が見られた有害事象のうち EM 患者と IM 患
者との発現率の間に有意な差が見られた有害事象は、発熱(EM 患者 2.9%、IM 患者
12.3%、p=0.036)で、IM 患者の発現率が高かった。
分類方法 2 について、EM’患者と IM’患者の発現率の間に有意な差が見られた有害事
象は、発熱及び易刺激性であり、発熱では IM’患者の発現率が高く、易刺激性では EM’
患者の発現率が高かった(表 2.7.4.7-116)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
624
表 2.7.4-387. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別の有害事象(LYBR試験)
有害事象 MedDRA PT (Ver 9.0)
EM (N=102)
IM (N=57)
合計 (N=159) p 値*
1 件以上の有害事象が認められた症例数 88( 86.3) 50( 87.7) 138( 86.8) 1.000有害事象が認められなかった症例数 14( 13.7) 7( 12.3) 21( 13.2) 1.000食欲不振 Anorexia 35( 34.3) 24( 42.1) 59( 37.1) 0.393食欲減退 Decreased appetite 28( 27.5) 17( 29.8) 45( 28.3) 0.855傾眠 Somnolence 27( 26.5) 16( 28.1) 43( 27.0) 0.854悪心 Nausea 23( 22.5) 10( 17.5) 33( 20.8) 0.543頭痛 Headache 18( 17.6) 7( 12.3) 25( 15.7) 0.497浮動性めまい Dizziness 17( 16.7) 7( 12.3) 24( 15.1) 0.499嘔吐 Vomiting 13( 12.7) 6( 10.5) 19( 11.9) 0.802腹痛 Abdominal pain 13( 12.7) 2( 3.5) 15( 9.4) 0.087疲労 Fatigue 9( 8.8) 4( 7.0) 13( 8.2) 0.772咳嗽 Cough 5( 4.9) 5( 8.8) 10( 6.3) 0.333発熱 Pyrexia 3( 2.9) 7( 12.3) 10( 6.3) 0.036上気道感染 Upper respiratory tract infection 7( 6.9) 2( 3.5) 9( 5.7) 0.491合計において 5%以上の発現率、又は EM-IM 間で有意差が認められた事象 合計での頻度の高い順に示した。 *EM、IM 間の有害事象の発現率を、Fisher の直接確率計算法を用いて比較した。 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) PM は解析から除外した。 A_TEAE_LYBR.xls TEAE_CYP1_1
2.7.4.5.1.1.5.2.2 バイタルサイン、身長及び体重
身長、体重、血圧(拡張期、収縮期)及び脈拍についてベースラインから最終観察時
点までの変化量を EM/IM 別に評価した。また、バイタルサイン及び体重について、
EM/IM 別のカテゴリー解析を行った。分類方法 2 の結果を第 2.7.4.7.4.1.3.2.2 項に示した。
分類方法 1 より EM 患者及び IM 患者におけるベースラインから最終観察時点までの
身長、体重及びバイタルサインの変化量を表 2.7.4-388 に示した。
ベースラインから最終観察時点までの変化量で EM 患者と IM 患者の間で統計学的に
有意な差が認められたのは、体重のみであった(EM 患者-1.04 kg、IM 患者-1.50 kg、
p=0.046)。
分類方法 2 については、EM’患者及び IM’患者の間で統計学的に有意な差が認められ
た項目はなかった(表 2.7.4.7-117)。
表 2.7.4-388. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別のバイタルサイン変化量
(LYBR試験)
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(単位)
CYP2D6遺伝子型* N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値
EM 94 136.70 13.78 137.62 13.66 0.92 1.09 0.710 身長(cm) IM 52 136.52 13.80 137.37 13.57 0.84 1.16 -
EM 101 33.37 9.88 32.33 9.65 -1.04 1.43 0.046 体重(kg) IM 56 33.71 9.45 32.20 9.07 -1.50 1.27 -
EM 101 62.00 8.27 65.53 9.07 3.53 10.69 0.665 拡張期血圧
(mmHg) IM 56 62.79 8.28 65.59 9.13 2.79 9.21 - EM 101 99.80 10.68 102.30 10.69 2.50 11.70 0.604 収縮期血圧
(mmHg) IM 56 100.63 9.55 102.17 11.23 1.54 9.81 - EM 101 84.28 11.09 90.19 10.75 5.91 12.76 0.832 脈拍数
(bpm) IM 56 84.89 9.62 91.25 12.10 6.36 12.34 - 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) *PM は解析から除外した。 p 値は分散分析に基づき算出された。モデル;変化量 = CYP(EM/IM) A_LYBR_VTL_CG_IMEM.xls LYBR_CYP1
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
625
分類方法 1 によるカテゴリー解析の結果、EM 患者及び IM 患者においてバイタルサイ
ン及び体重に異常を示した患者の割合を表 2.7.4-389 に示した。
基準に該当する患者の割合は、脈拍数の基準 B(変化量が 25 bpm 以上)以外のすべ
ての項目で EM 患者より IM 患者のほうが高かった。
分類方法 2 について、基準に該当する患者の割合は、基準 A 及び B において IM’患者
より EM’患者のほうが高かった(表 2.7.4.7-118)。
表 2.7.4-389. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別のバイタルサイン異常
(LYBR試験)
アトモキセチン 項目 基準 CYP2D6遺伝子型* N n (%)
EM 100 8 (8.0) A IM 53 5 (9.4) EM 101 14 (13.9) B IM 56 6 (10.7) EM 100 4 (4.0)
脈拍数
C IM 53 4 (7.5) EM 95 6 (6.3)
収縮期血圧 D IM 54 8 (14.8) EM 97 11 (11.3)
拡張期血圧 E IM 55 11 (20.0) EM 101 29 (28.7)
体重 F IM 56 27 (48.2) N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:脈拍が 110 bpm 以上 B:ベースラインからの脈拍変化量が 25 bpm 以上 C:A かつ B D:収縮期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 E:拡張期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 F:ベースラインから 3.5%以上減少 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) *PM は解析から除外した。 A_VTL_CT_LYBR.xls LYBR_CYP1
2.7.4.5.1.1.5.2.3 心電図
分類方法 1 により EM/IM を分類したときのベースラインから最終観察時点までの補
正 QT 間隔(QTcF 及び QTcD)の変化量を表 2.7.4-390 に示した。また、補正 QT 間隔に
ついて、EM/IM 別のカテゴリー解析を行い、表 2.7.4-391 に示した。分類方法 2 の結果
を、第 2.7.4.7.4.1.3.2.3 項に示した。
QTcF 及び QTcD ともベースラインから最終観察時点までの変化量について EM 患者
と IM 患者の間で統計学的に有意な差は見られなかった。
分類方法 2 についても、同様の結果であった(表 2.7.4.7-119)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
626
表 2.7.4-390. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別の QTc間隔変化量
(LYBR試験)
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(項目)
CYP2D6 遺伝子型* 投与群 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値
EM ATX 93 404.91 14.44 404.27 13.36 -0.65 11.75 0.172QTcF (msec) IM ATX 54 402.05 13.03 404.42 11.79 2.38 14.62 - EM ATX 93 398.99 15.43 396.39 13.61 -2.61 11.94 0.305QTcD (msec) IM ATX 54 396.33 13.16 395.96 12.05 -0.37 13.88 -
略語 QTcF:Fridericia 法による補正 QT 間隔、QTcD:Data driven 法による補正 QT 間隔 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及び UM) *PM は解析から除外した。 p 値は分散分析に基づき算出された。モデル;変化量 = CYP(EM/IM) A_LYBR_ECG_CG_IMEM.xls LYBR_CYP1
分類方法 1 によるカテゴリー解析の結果、EM 患者と IM 患者の間で基準に該当する患
者の割合に大きな差は見られなかった。
分類方法 2 についても同様の結果であった(表 2.7.4.7-120)。
表 2.7.4-391. CYP2D6遺伝子型(分類方法 1:EM/IM)別 QT延長を示した
患者の割合(LYBR試験)
EM IM 項目 基準 N n (%) N n (%)
A 92 1 (1.1) 54 0 (0.0) B 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) C 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) D 93 1 (1.1) 54 0 (0.0)
QTcF
E 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) A 92 1 (1.1) 54 0 (0.0) B 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) C 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) D 93 0 (0.0) 54 1 (1.9)
QTcD
E 93 0 (0.0) 54 0 (0.0) N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:補正 QT 間隔が 450 msec より大きい B:補正 QT 間隔が 480 msec より大きい C:補正 QT 間隔が 500 msec より大きい D:補正 QT 間隔がベースラインから 30 msec 以上増加 E:補正 QT 間隔がベースラインから 60 msec 以上増加 略語 QTcF:Fridericia 法による補正 QT 間隔、QTcD:Data driven 法によ
る補正 QT 間隔 分類方法 1:PM、IM、EM(ヘテロ接合型 EM、ホモ接合型 EM 及
び UM) PM は解析から除外した。 A_LYBR_ECG_CT_IMEM.xls LYBR_CYP1
2.7.4.5.1.1.5.2.4 LYBR試験で認められた PM症例
LYBR 試験において、治験実施計画書に定義した CYP2D6 遺伝子型分類が PM に該当
する患者が、アトモキセチン群に 2 例(患者番号 4243、4534)、メチルフェニデート群
に 1 例(患者番号 5202)で認められた。アトモキセチン群の 2 例について、以下に患者
の概要を示す。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
627
患者番号 4243(女性、9 歳)では、有害事象として咳嗽、鼻漏、浮動性めまい、発熱
及び鼻出血が認められたが、重症度はすべて軽度で因果関係はなしと判断された。
バイタルサインの収縮期血圧期、拡張期血圧及び脈拍数については、最も大きい値が、
それぞれ 117.5 mmHg(Visit3)、75mmHg(Visit3)及び 101 bpm(Visit4)であった。
心電図の補正 QT 間隔(QTcF)については、450 msec を超えるものはなく、変化量が
30 msec 以上のものも認められなかった。
患者番号 4534(女性、8 歳)では、有害事象として因果関係が否定できない食欲不振
が見られたが、重症度は軽度であり、回復した。
バイタルサインの収縮期血圧、拡張期血圧及び脈拍数については、最も大きい値が、
それぞれ 100 mmHg(Visit 9)、67.5 mmHg(Visit 8)及び 116 bpm(Visit 6)であった。
心電図の補正 QT 間隔(QTcF)については、450 msec を超えるものはなく、変化量が
30 msec 以上のものも認められなかった。
これらの患者 2 例は、いずれも LYBR 試験を完了した。
2.7.4.5.1.1.5.3 アジアで実施した試験における CYP2D6遺伝子型 EM/IM別の安全性
の要約
アジアで実施した S010 試験及び LYBR 試験について、二つの分類方法に基づき
CYP2D6 遺伝子型 EM/IM 別の有害事象、バイタルサイン及び心電図を比較した結果、
EM 患者及び IM 患者の間に臨床的に問題となるような差は認められなかった。また、
LYBR 試験でアトモキセチンを投与された PM 患者 2 例について、有害事象、バイタル
サイン及び心電図において臨床的に問題となるような所見は見られなかった。
以上、アジアで実施した S010 試験及び LYBR 試験において、アトモキセチン投与に
よる安全性に CYP2D6 遺伝子型により臨床的に問題となるような差は認められなかった。
2.7.4.5.1.1.6 海外で実施した試験における CYP2D6遺伝子型 EM/PM別の安全性
2.7.4.5.1.1.6.1 有害事象
2.7.4.5.1.1.6.1.1 有害事象による中止例
長期投与併合解析より、アトモキセチンが 1 回以上投与された患者及びアトモキセチ
ンが 1.2 mg/kg/日以上投与された患者における有害事象により中止に至った患者の割合
を評価した(表 2.7.4-392)。
アトモキセチンが 1 回以上投与された患者のうち有害事象により中止に至った患者の
割合は、EM 患者及び PM 患者でそれぞれ 6.6%及び 11.6%であり、EM 患者に比べ、PM
患者で統計学的に有意に大きかった(p=0.002)。
アトモキセチンが 1.2 mg/kg/日以上投与された患者においても同様に、EM 患者に比べ
PM 患者で有害事象により中止に至った患者の割合は、統計学的に有意に大きかった
(p=0.005)。
1 回以上投与された患者を対象とした解析と 1.2 mg/kg/日以上投与された患者を対象と
した解析における PM 患者の中止率は、同程度であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
628
表 2.7.4-392. CYP2D6遺伝子型別有害事象による中止の割合
(長期投与併合解析(注 1))
EM PM 対象 N n (%) N n (%) p 値*
ATM を 1 回以上投与された患者 5041 333 6.6 310 36 11.6 0.002
ATX 1.2 mg/kg/日以上投与された患者 3443 170 4.9 158 17 10.8 0.005
*p 値:Fisher の直接確率計算法に基づき算出された。 T2_7_4_SAE_EMPM.xls 表 2.7.4.DIAE_1_1、表 2.7.4.DIAE_1_2、AA_NY_CYP2D6_EXACT.txt (注 1):表 2.7.4-3 参照
2.7.4.5.1.1.6.1.2 短期投与試験(BID/QD)の併合解析
短期投与試験(BID/QD)の併合解析より、EM 患者及び PM 患者で認められた有害事
象を評価した。
アトモキセチン群で 5%以上の発現率を示した有害事象について、EM 患者及び PM 患
者別のプラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比を表 2.7.4-393 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上の有害事象が認められた症例の割合は、EM 患者及び PM
患者それぞれ 74.4%(1075/1444)及び 81.2%(56/69)であり、プラセボ群に対するアト
モキセチン群のオッズ比は、それぞれ 1.63 及び 2.09 であった。EM 患者と PM 患者の有
害事象発現率のオッズ比に統計学的に有意な差は見られなかった(p=0.579)。
5%以上の発現率を示した有害事象において、アトモキセチン群のプラセボ群に対する
オッズ比に EM 患者と PM 患者の間で統計学的に有意な差が見られたのは、咽喉頭疼痛
のみであった(p=0.027)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
629
表 2
.7.4
-393
. C
YP
2D6遺伝子型別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名N
n
(%)
N
n (%
)推
定値
信
頼下限
信頼
上限
p値
*
EM
846
542
64.1
14
4410
7574
.41.
63
1.36
1.
96
0.57
9 1件以上の有害事象が認められた症例数
PM
49
3367
.3
6956
81.2
2.09
0.
89
4.88
-
EM
846
131
15.5
14
4427
619
.11.
29
1.03
1.
62
0.77
1 頭痛
H
eada
che
PM
4911
22.4
69
1724
.61.
13
0.47
2.
69
- EM
84
636
4.3
1444
240
16.6
4.49
3.
12
6.44
0.
563
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
PM
49
2 4.
1 69
1623
.27.
09
1.55
32
.49
- EM
84
678
9.2
1444
192
13.3
1.51
1.
14
1.99
0.
153
上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
PM
493
6.1
6914
20.3
3.9
1.06
14
.42
- EM
84
651
6 14
4414
910
.31.
79
1.29
2.
49
0.07
5 嘔吐
V
omiti
ng
PM
491
2 69
1217
.410
.11
1.27
80
.55
- EM
84
636
4.3
1444
142
9.8
2.45
1.
68
3.57
0.
225
悪心
N
ause
a PM
49
6 12
.2
6910
14.5
1.21
0.
41
3.6
- EM
84
626
3.1
1444
118
8.2
2.81
1.
82
4.33
0.
306
傾眠
So
mno
lenc
e PM
49
5 10
.2
6910
14.5
1.49
0.
48
4.67
-
EM
846
263.
1 14
4411
47.
92.
7 1.
75
4.18
0.
661
疲労
Fa
tigue
PM
49
2 4.
1 69
5 7.
21.
84
0.34
9.
88
- EM
84
665
7.7
1444
896.
20.
79
0.57
1.
1 0.
222
咳嗽
C
ough
PM
49
1 2
694
5.8
2.95
0.
32
27.2
7 -
EM
846
546.
4 14
4482
5.7
0.88
0.
62
1.26
0.
495
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s PM
49
4 8.
2 69
3 4.
30.
51
0.11
2.
4 -
EM
846
263.
1 14
4479
5.5
1.83
1.
16
2.87
0.
155
易刺激性
Ir
ritab
ility
PM
49
0 0
695
7.2
- -
- -
EM
846
637.
4 14
4474
5.1
0.67
0.
47
0.95
0.
027
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
PM
495
10.2
69
0 0
- -
- -
EM
846
131.
5 14
4468
4.7
3.17
1.
74
5.77
0.
405
浮動性めまい
D
izzi
ness
PM
49
0 0
693
4.3
- -
- -
EM
846
3 0.
4 14
4439
2.7
7.8
2.4
25.3
2 0.
666
体重減少
W
eigh
t dec
reas
ed
PM
490
0 69
2 2.
9-
- -
- EM
84
639
4.6
1444
392.
70.
57
0.37
0.
9 0.
684
下痢
D
iarr
hoea
PM
49
2 4.
1 69
1 1.
40.
35
0.03
3.
92
- EM
84
610
1.2
1444
342.
42.
02
0.99
4.
1 0.
302
発疹
R
ash
PM
490
0 69
3 4.
3-
- -
- EM
84
69
1.1
1444
332.
32.
18
1.04
4.
57
0.99
8 胃不快感
St
omac
h di
scom
fort
PM
491
2 69
3 4.
32.
18
0.22
21
.62
- (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
630
表 2
.7.4
-393
. C
YP
2D6遺伝子型別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名N
n
(%)
N
n (%
)推
定値
信
頼下限
信頼
上限
p値
*
EM
846
8 0.
9 14
4431
2.1
2.3
1.05
5.
02
0.96
6 食欲不振
A
nore
xia
PM
491
2 69
3 4.
32.
18
0.22
21
.62
- EM
84
635
4.1
1444
332.
30.
54
0.33
0.
88
0.72
0 鼻閉
N
asal
con
gest
ion
PM
492
4.1
691
1.4
0.35
0.
03
3.92
-
EM
846
6 0.
7 14
4429
2 2.
87
1.19
6.
94
0.38
6 腹痛
A
bdom
inal
pai
n PM
49
0 0
693
4.3
- -
- -
EM
846
4 0.
5 14
4427
1.9
4.01
1.
4 11
.5
0.54
9 鎮静
Se
datio
n PM
49
0 0
692
2.9
- -
- -
EM
846
5 0.
6 14
4425
1.7
2.96
1.
13
7.77
0.
487
気分動揺
M
ood
swin
gs
PM
490
0 69
2 2.
9-
- -
- EM
84
65
0.6
1444
181.
22.
12
0.79
5.
74
0.25
0 便秘
C
onst
ipat
ion
PM
490
0 69
4 5.
8-
- -
- EM
84
62
0.2
1444
181.
25.
33
1.23
23
.01
- 消化不良
D
yspe
psia
PM
49
0 0
690
0 -
- -
- EM
84
618
2.1
1444
130.
90.
42
0.2
0.86
0.
443
食欲亢進
In
crea
sed
appe
tite
PM
491
2 69
0 0
- -
- -
EM
846
0 0
1444
110.
8-
- -
- 早朝覚醒
Ea
rly m
orni
ng a
wak
enin
g PM
49
0 0
691
1.4
- -
- -
EM
846
0 0
1444
9 0.
6-
- -
- 散瞳
M
ydria
sis
PM
490
0 69
2 2.
9-
- -
- EM
84
613
1.5
1444
9 0.
60.
4 0.
17
0.94
0.
453
関節痛
A
rthra
lgia
PM
49
1 2
690
0 -
- -
- EM
84
60
0 14
448
0.6
- -
- -
無力症
A
sthe
nia
PM
490
0 69
0 0
- -
- -
EM
846
101.
2 14
445
0.3
0.29
0.
1 0.
85
- 遺尿
En
ures
is
PM
490
0 69
0 0
- -
- -
EM
846
5 0.
6 14
443
0.2
0.35
0.
08
1.47
0.
334
季節性アレルギー
Se
ason
al a
llerg
y PM
49
2 4.
1 69
0 0
- -
- -
EM
846
111.
3 14
441
0.1
0.05
0.
01
0.41
-
体重増加
W
eigh
t inc
reas
ed
PM
490
0 69
0 0
- -
- -
アト
モキ
セチ
ン群
での頻
度の高い
順に示
した。
ア
トモ
キセ
チン群
におい
て5%
以上
の発現
率が認
めら
れた
、又
はプ
ラセ
ボと
の比
較で
有意
差が
認め
られ
た事
象
対象
とし
た試
験:
(
BID
試験
)H
FBD試
験、
HFB
K試
験、
LYA
C試
験、
LYA
S試
験、
LYB
I試験
、LY
BP試
験
(
QD試験
)LY
AT試
験、
LYA
W試
験、
LYA
X試
験、
LYB
G試
験、
LYC
C試
験、
LYB
X試
験、
LYC
Z試
験、
S010
試験
*部
分集
団間
のオッ
ズ比を
、B
resl
ow-D
ay検
定を用
いて
比較
した
。
T2_7
_4_1
85.x
ls
Tab
le2.
7.4.
185_
1 (
注1)
:表
2.7.
4-3参
照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
631
2.7.4.5.1.1.6.1.3 長期投与併合解析
長期投与併合解析より、EM 患者又は PM 患者で認められた有害事象及び 1.2 mg/kg/日
以上投与された EM 患者又は PM 患者で認められた有害事象を評価した。
5%以上の発現率を示した有害事象又は EM 患者と PM 患者との間で発現率に統計学的
に有意な差が認められた有害事象を表 2.7.4-394 に示した。
1 件以上の有害事象が認められた症例の割合は、EM 患者及び PM 患者でそれぞれ
85.3%(4299/5041)及び 89.7%(278/310)であり、EM 患者と PM 患者の発現率に統計
学的に有意な差が見られた(p=0.031)。
EM 患者又は PM 患者で 5%以上の発現率を示した有害事象のうち、EM 患者と PM 患
者の発現率に有意な差が見られた有害事象は、不眠症(EM 患者 6.2%、PM 患者 10.0%、
p=0.012)、体重減少(EM 患者 4.4%、PM 患者 7.7%、p=0.011)及び便秘(EM 患者
4.2%、PM 患者 7.1%、p=0.021)で、いずれも PM 患者の発現率が高かった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
632
表 2.7.4-394. CYP2D6遺伝子型別の有害事象(長期投与併合解析(注 1))
有害事象名 MedDRA PT (Ver 9.0)
EM (N=5041)
n(%)
PM (N=310)
n(%)
合計 (N=5351)
n(%) p 値*
1 件以上の有害事象が認められた症例数 4299( 85.3) 278( 89.7) 4577( 85.5) 0.031 有害事象が認められなかった症例数 742( 14.7) 32( 10.3) 774( 14.5) 頭痛 Headache 1540( 30.5) 104( 33.5) 1644( 30.7) 0.281 食欲減退 Decreased appetite 963( 19.1) 68( 21.9) 1031( 19.3) 0.235 上腹部痛 Abdominal pain upper 929( 18.4) 55( 17.7) 984( 18.4) 0.821 嘔吐 Vomiting 915( 18.2) 69( 22.3) 984( 18.4) 0.082 悪心 Nausea 816( 16.2) 50( 16.1) 866( 16.2) 1.000 鼻咽頭炎 Nasopharyngitis 774( 15.4) 41( 13.2) 815( 15.2) 0.330 咳嗽 Cough 698( 13.8) 39( 12.6) 737( 13.8) 0.610 発熱 Pyrexia 642( 12.7) 43( 13.9) 685( 12.8) 0.540 咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain 646( 12.8) 31( 10.0) 677( 12.7) 0.159 疲労 Fatigue 638( 12.7) 30( 9.7) 668( 12.5) 0.132 上気道感染 Upper respiratory tract infection 566( 11.2) 39( 12.6) 605( 11.3) 0.460 易刺激性 Irritability 517( 10.3) 34( 11.0) 551( 10.3) 0.700 傾眠 Somnolence 505( 10.0) 24( 7.7) 529( 9.9) 0.238 インフルエンザ Influenza 449( 8.9) 29( 9.4) 478( 8.9) 0.758 鼻閉 Nasal congestion 392( 7.8) 21( 6.8) 413( 7.7) 0.584 浮動性めまい Dizziness 394( 7.8) 18( 5.8) 412( 7.7) 0.227 下痢 Diarrhoea 343( 6.8) 25( 8.1) 368( 6.9) 0.417 不眠症 Insomnia 312( 6.2) 31( 10.0) 343( 6.4) 0.012 食欲不振 Anorexia 280( 5.6) 21( 6.8) 301( 5.6) 0.373 副鼻腔炎 Sinusitis 279( 5.5) 14( 4.5) 293( 5.5) 0.521 腹痛 Abdominal pain 273( 5.4) 13( 4.2) 286( 5.3) 0.434 ウイルス性胃腸炎 Gastroenteritis viral 266( 5.3) 20( 6.5) 286( 5.3) 0.362 レンサ球菌性咽頭炎 Pharyngitis streptococcal 263( 5.2) 16( 5.2) 279( 5.2) 1.000 体重減少 Weight decreased 220( 4.4) 24( 7.7) 244( 4.6) 0.011 便秘 Constipation 212( 4.2) 22( 7.1) 234( 4.4) 0.021 耳痛 Ear pain 137( 2.7) 15( 4.8) 152( 2.8) 0.049 中期不眠症 Middle insomnia 66( 1.3) 9( 2.9) 75( 1.4) 0.039 振戦 Tremor 48( 1.0) 12( 3.9) 60( 1.1) <0.001早朝覚醒 Early morning awakening 42( 0.8) 8( 2.6) 50( 0.9) 0.007 動物咬傷 Animal bite 33( 0.7) 6( 1.9) 39( 0.7) 0.023 胸部不快感 Chest discomfort 18( 0.4) 6( 1.9) 24( 0.4) 0.002 裂傷 Laceration 18( 0.4) 4( 1.3) 22( 0.4) 0.035 びくびく感 Feeling jittery 11( 0.2) 4( 1.3) 15( 0.3) 0.009 ねごと Sleep talking 9( 0.2) 3( 1.0) 12( 0.2) 0.029 交通事故 Road traffic accident 6( 0.1) 3( 1.0) 9( 0.2) 0.012 血管迷走神経性失神 Syncope vasovagal 4( 0.1) 4( 1.3) 8( 0.1) <0.001眼の障害 Eye disorder 4( 0.1) 3( 1.0) 7( 0.1) 0.006 異物による損傷 Foreign body trauma 4( 0.1) 2( 0.6) 6( 0.1) 0.043 鉄欠乏性貧血 Iron deficiency anaemia 3( 0.1) 2( 0.6) 5( 0.1) 0.030 常同症 Stereotypy 3( 0.1) 2( 0.6) 5( 0.1) 0.030 視力低下 Visual acuity reduced 3( 0.1) 2( 0.6) 5( 0.1) 0.030 アデノイド切除 Adenoidectomy 2( 0.0) 2( 0.6) 4( 0.1) 0.019 伝染病暴露 Exposure to communicable disease 2( 0.0) 2( 0.6) 4( 0.1) 0.019 片耳ろう Deafness unilateral 1( 0.0) 2( 0.6) 3( 0.1) 0.010 嚢胞切除 Cyst removal 1( 0.0) 2( 0.6) 3( 0.1) 0.010 自殺企図 Suicide attempt 0( 0.0) 2( 0.6) 2( 0.0) 0.003 合計において 5%以上の発現率、又は EM-PM 間で有意差が認められた事象 合計での頻度の高い順に示した。 *EM, PM 間の有害事象の発現率を、Fisher の直接確率計算法を用いて比較した。 T2_7_4_187.xls Table2.7.4.187_1 (注 1):表 2.7.4-3 参照
1.2 mg/kg/日以上投与された患者において 5%以上の発現率を示した有害事象又は EM
患者と PM 患者との間で発現率に統計学的に有意な差が認められた有害事象を表 2.7.4-
395 に示した。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
633
1 件以上の有害事象が認められた症例の割合は、EM 患者及び PM 患者でそれぞれ
87.7%(3020/3443)及び 89.9%(142/158)であり、EM 患者と PM 患者の発現率に統計
学的に有意な差は見られなかった(p=0.533)。
EM 患者又は PM 患者で 5%以上の発現率を示した有害事象のうち EM 患者と PM 患者
との発現率の間に統計学的に有意な差が見られた有害事象は、腹痛(EM 患者 5.9%、
PM 患者 1.9%、p=0.034)、中期不眠症(EM 患者 1.4%、PM 患者 5.1%、p=0.003)及び
振戦(EM 患者 1.0%、PM 患者 7.0%、p<0.001)で、腹痛のみ EM 患者で発現率が高く、
それ以外は PM 患者で発現率が高かった。
以上、全症例における有害事象の発現率及び 1.2 mg/kg/日以上投与された患者の有害
事象の発現率は、EM 患者及び PM 患者でそれぞれ同程度であった。また、PM 患者につ
いて、全症例を対象とした解析及び 1.2 mg/kg/日以上投与された患者を対象とした解析
での 1 件以上の有害事象が見られた患者の割合は、同程度であった。
表 2.7.4-395. CYP2D6遺伝子型別の有害事象:1.2 mg/kg/日以上投与された症例
(長期投与併合解析(注 1))
有害事象名 MedDRA PT (Ver 9.0)
EM (N=3443)
n(%)
PM (N=158)
n(%)
合計 (N=3601)
n(%) p 値*
1 件以上の有害事象が認められた症例数 3020( 87.7) 142( 89.9) 3162( 87.8) 0.533有害事象が認められなかった症例数 423( 12.3) 16( 10.1) 439( 12.2) 頭痛 Headache 1111( 32.3) 51( 32.3) 1162( 32.3) 1.000上腹部痛 Abdominal pain upper 690( 20.0) 25( 15.8) 715( 19.9) 0.221食欲減退 Decreased appetite 665( 19.3) 33( 20.9) 698( 19.4) 0.608嘔吐 Vomiting 664( 19.3) 33( 20.9) 697( 19.4) 0.607鼻咽頭炎 Nasopharyngitis 593( 17.2) 20( 12.7) 613( 17.0) 0.159悪心 Nausea 561( 16.3) 25( 15.8) 586( 16.3) 1.000咳嗽 Cough 524( 15.2) 18( 11.4) 542( 15.1) 0.211発熱 Pyrexia 482( 14.0) 19( 12.0) 501( 13.9) 0.557咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain 483( 14.0) 16( 10.1) 499( 13.9) 0.195上気道感染 Upper respiratory tract infection 440( 12.8) 20( 12.7) 460( 12.8) 1.000疲労 Fatigue 416( 12.1) 17( 10.8) 433( 12.0) 0.708易刺激性 Irritability 355( 10.3) 12( 7.6) 367( 10.2) 0.345インフルエンザ Influenza 338( 9.8) 15( 9.5) 353( 9.8) 1.000傾眠 Somnolence 303( 8.8) 8( 5.1) 311( 8.6) 0.111鼻閉 Nasal congestion 285( 8.3) 9( 5.7) 294( 8.2) 0.298浮動性めまい Dizziness 255( 7.4) 11( 7.0) 266( 7.4) 1.000下痢 Diarrhoea 248( 7.2) 11( 7.0) 259( 7.2) 1.000不眠症 Insomnia 226( 6.6) 14( 8.9) 240( 6.7) 0.253副鼻腔炎 Sinusitis 219( 6.4) 9( 5.7) 228( 6.3) 0.868ウイルス性胃腸炎 Gastroenteritis viral 204( 5.9) 11( 7.0) 215( 6.0) 0.604食欲不振 Anorexia 200( 5.8) 10( 6.3) 210( 5.8) 0.729腹痛 Abdominal pain 204( 5.9) 3( 1.9) 207( 5.7) 0.034予想外の治療反応 Therapeutic response unexpected 185( 5.4) 9( 5.7) 194( 5.4) 0.856レンサ球菌性咽頭炎 Pharyngitis streptococcal 184( 5.3) 6( 3.8) 190( 5.3) 0.583鼻漏 Rhinorrhoea 178( 5.2) 7( 4.4) 185( 5.1) 0.854発疹 Rash 171( 5.0) 8( 5.1) 179( 5.0) 0.853中期不眠症 Middle insomnia 48( 1.4) 8( 5.1) 56( 1.6) 0.003振戦 Tremor 35( 1.0) 11( 7.0) 46( 1.3) <0.001胸部不快感 Chest discomfort 15( 0.4) 3( 1.9) 18( 0.5) 0.042裂傷 Laceration 14( 0.4) 3( 1.9) 17( 0.5) 0.036ジスキネジー Dyskinesia 6( 0.2) 2( 1.3) 8( 0.2) 0.045異物による損傷 Foreign body trauma 3( 0.1) 2( 1.3) 5( 0.1) 0.018
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
634
表 2.7.4-395. CYP2D6遺伝子型別の有害事象:1.2 mg/kg/日以上投与された症例
(長期投与併合解析(注 1))(続き)
有害事象名 MedDRA PT (Ver 9.0)
EM (N=3443)
n(%)
PM (N=158)
n(%)
合計 (N=3601)
n(%) p 値*
視力低下 Visual acuity reduced 3( 0.1) 2( 1.3) 5( 0.1) 0.018伝染病暴露 Exposure to communicable disease 2( 0.1) 2( 1.3) 4( 0.1) 0.011自殺企図 Suicide attempt 0( 0.0) 2( 1.3) 2( 0.1) 0.002コンピュータ断層撮影 Computerised tomogram 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044依存性人格障害 Dependent personality disorder 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044感染性皮膚炎 Dermatitis infected 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044蟻走感 Formication 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044γ-グルタミルトランスフェラ
ーゼ増加 Gamma-glutamyltransferase increased 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044
胃排出不全 Impaired gastric emptying 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044乳突洞削開 Mastoidectomy 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044神経系障害 Nervous system disorder 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044
脳核磁気共鳴画像 Nuclear magnetic resonance imaging brain 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044
食道炎 Oesophagitis 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044肛門周囲膿瘍 Perianal abscess 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044尿蛋白 Protein urine 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044紫斑 Purpura 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044反射異常 Reflexes abnormal 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044腱損傷 Tendon injury 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044舌障害 Tongue disorder 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044耳下腺管嚢胞 Parotid duct cyst 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044成長遅延 Growth retardation 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044注視麻痺 Gaze palsy 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044上咽頭障害 Nasopharyngeal disorder 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044ブドウ球菌感染 Staphylococcal infection 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044肺感染 Lung infection 0( 0.0) 1( 0.6) 1( 0.0) 0.044合計において 5%以上の発現率、又は EM-PM 間で有意差が認められた事象 合計での頻度の高い順に示した。 *EM, PM 間の有害事象の発現率を、Fisher の直接確率計算法を用いて比較した。 T2_7_4_187.xls Table2.7.4.188_1 (注 1):表 2.7.4-3 参照
2.7.4.5.1.1.6.2 バイタルサイン
長期投与併合解析より、全症例におけるベースラインから最終観察時点までのバイタ
ルサインの変化量及び 1.2 mg/kg/日以上投与された患者における変化量を、EM/PM 別に
評価した。また、バイタルサインを 5 つのカテゴリーに分け、EM/PM 別にカテゴリー
解析を行った。
EM 患者及び PM 患者別のベースラインから最終観察時点までのバイタルサインの平
均変化量を表 2.7.4-396 に示した。ベースラインから最終観察時点までの平均変化量は、
収縮期血圧、拡張期血圧及び脈拍数のすべての項目において、PM 患者でより増加を示
し、EM 患者と PM 患者の間で統計学的に有意な差が認められた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
635
表 2.7.4-396. CYP2D6遺伝子型別バイタルサインのベースラインから最終観察時点
までの変化量(長期投与併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(単位)
CYP2D6 遺伝子型 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値*
EM 4811 104.17 10.73 107.58 10.97 3.42 11.31 収縮期血圧 (mmHg) PM 291 103.61 10.89 108.87 11.54 5.26 10.97 0.007
EM 4811 64.71 8.44 67.41 8.29 2.70 9.47 拡張期血圧 (mmHg) PM 291 63.76 8.42 68.28 8.37 4.52 9.29 0.001
EM 4809 81.65 11.23 86.64 12.68 4.99 12.96 脈拍数 (bpm) PM 291 82.09 11.28 91.20 14.10 9.10 14.54 <0.001
*ベースラインから最終観察時点までの変化量について、分散分析に基づき算出された。 モデル:変化量=CYP2D6 遺伝子型 T2_7_4_189.xls Table2.7.4.189_ (注 1):表 2.7.4-3 参照
1.2 mg/kg/日以上投与された EM 患者及び PM 患者におけるベースラインから最終観察
時点までのバイタルサインの変化量を表 2.7.4-397 に示した。ベースラインから最終観察
時点までの変化量は、拡張期血圧及び脈拍数において、PM 患者でより増加が大きく、
EM 患者と PM 患者の間で統計学的に有意な差が認められた。
以上、PM 患者における平均変化量は、全症例を対象とした解析と 1.2 mg/kg/日以上の
解析のいずれにおいても、EM 患者に比べて大きかった。また、PM 患者において、全症
例を対象とした解析と 1.2 mg/kg/日以上の患者を対象とした解析での平均変化量の大き
さは同程度であった。
表 2.7.4-397. CYP2D6遺伝子型別バイタルサインのベースラインから最終観察時点
までの変化量:最終投与量が 1.2 mg/kg/日以上であった症例(長期投与併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(単位)
CYP2D6遺伝子型 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値*
EM 3391 103.99 10.61 107.55 10.82 3.55 11.37 収縮期血圧 (mmHg) PM 154 103.67 11.36 108.96 11.88 5.29 11.51 0.064
EM 3391 64.70 8.43 67.51 8.18 2.81 9.59 拡張期血圧 (mmHg) PM 154 63.79 8.58 69.18 8.20 5.39 9.82 0.001
EM 3389 81.66 11.24 87.07 12.65 5.41 13.12 脈拍数 (bpm) PM 154 82.24 10.79 92.42 14.35 10.18 14.21 <0.001
*ベースラインから最終観察時点までの変化量について、分散分析に基づき算出された。 モデル:変化量=CYP2D6 遺伝子型 T2_7_4_189.xls Table2.7.4.189.11 (注 1):表 2.7.4-3 参照
カテゴリー解析の結果、EM 患者及び PM 患者においてバイタルサイン異常を示した
患者の割合を表 2.7.4-398 に示した。EM 患者と PM 患者の間で基準に該当する患者の割
合に統計学的に有意な差が見られたのは、脈拍数の基準 A(110 bpm 以上:EM 患者
22.2%、PM 患者 34.4%、p<0.001)、基準 B(変化量が 25 bpm 以上:EM 患者 30.5%、
PM 患者 39.2%、p=0.003)及び基準 C(110 bpm 以上及び変化量が 25 bpm 以上:EM 患
者 15.3%、PM 患者 23.6%、p<0.001)であった。
収縮期血圧及び拡張期血圧について、EM 患者及び PM 患者の間で基準に該当する患
者の割合に統計学的な有意差は見られなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
636
表 2.7.4-398. CYP2D6遺伝子型別バイタルサイン異常を示した患者の割合
(長期投与併合解析(注 1))
EM PM 項目 基準 N n (%) N n (%) p 値*
A 4747 1053 (22.2) 288 99 (34.4) <0.001 B 4809 1466 (30.5) 291 114 (39.2) 0.003 脈拍数 C 4747 725 (15.3) 288 68 (23.6) <0.001
収縮期血圧 D 4530 999 (22.1) 277 65 (23.5) 0.602 拡張期血圧 E 4601 1193 (25.9) 283 78 (27.6) 0.531 *p 値:Fisher の直接確率計算法に基づき算出された。 N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:脈拍が 110 bpm 以上 B:ベースラインからの脈拍変化量が 25 bpm 以上 C:A かつ B D:収縮期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 E:拡張期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 T2_7_4_190.xls Table2.7.4.190 (注 1):表 2.7.4-3 参照
カテゴリー解析の結果、1.2 mg/kg/日以上投与された EM 患者及び PM 患者におけるバ
イタルサイン異常の割合を表 2.7.4-399 に示した。EM 患者と PM 患者の間で基準に該当
する患者の割合に統計学的に有意な差が見られたのは、脈拍数の基準 A(110 bpm 以
上)、基準 B(変化量が 25 bpm 以上)及び基準 C(110 bpm 以上及び変化量が 25 bpm
以上)であった。
収縮期血圧及び拡張期血圧について、EM 患者及び PM 患者の間で基準に該当する患
者の割合に統計学的な有意差は見られなかった。
以上、アトモキセチンの全症例及びアトモキセチンの 1.2 mg/kg/日以上のいずれの解
析においても、脈拍数の基準に該当する患者の割合は、PM 患者で EM 患者に比べ大き
かった。また、1.2 mg/kg/日以上におけるカテゴリー解析の結果は、アトモキセチンの全
症例におけるカテゴリー解析と同様の結果を示した。
表 2.7.4-399. CYP2D6遺伝子型別バイタルサイン異常を示した患者の割合:
最終投与量が 1.2 mg/kg/日以上であった症例(長期投与併合解析(注 1))
EM PM 項目 基準 N n (%) N n (%) p 値*
A 3315 816 (24.6) 153 60 (39.2) <0.001 B 3358 1126 (33.5) 154 67 (43.5) 0.012 脈拍数 C 3315 571 (17.2) 153 40 (26.1) 0.006
収縮期血圧 D 3220 752 (23.4) 147 42 (28.6) 0.164 拡張期血圧 E 3256 902 (27.7) 151 50 (33.1) 0.164 *p 値:Fisher の直接確率計算法に基づき算出された。 N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:脈拍が 110 bpm 以上 B:ベースラインからの脈拍変化量が 25 bpm 以上 C:A かつ B D:収縮期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 E:拡張期血圧が 95 パーセンタイル以上かつ 5 mmHg 以上の増大 T2_7_4_190.xls Table2.7.4.190_1 (注 1):表 2.7.4-3 参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
637
2.7.4.5.1.1.6.3 心電図
長期投与併合解析より、ベースラインから最終観察時点までの心拍数、RR 間隔、PR
間隔、QRS 間隔及び QT 間隔の変化量を CYP2D6 遺伝子型別に評価した。また、補正
QT 間隔を 5 つのカテゴリーに分け、CYP2D6 遺伝子型別のカテゴリー解析及び
1.2 mg/kg/日以上投与された患者における CYP2D6 遺伝子型別のカテゴリー解析を行っ
た。
EM 患者と PM 患者におけるベースラインから最終観察時点までの心拍数、RR 間隔、
PR 間隔、QRS 間隔、QT 間隔及び補正 QT 間隔の変化量を表 2.7.4-400 に示した。
ベースラインから最終観察時点までの変化量について EM 患者と PM 患者の間で統計
学的に有意な差が認められたのは、心拍数、RR 間隔、PR 間隔、QT 間隔及び Bazzet 法
による補正 QT 間隔(以下、QTcB)であった。そのうち心拍数と QTcB については、
PM 患者で変化量が EM 患者より増加していた(心拍数:EM 患者 6.21 bpm、PM 患者
11.62 bpm、p<0.001、QTcB:EM 患者 3.18 bpm、PM 患者 7.98 bpm、p<0.001)。QTcF
及び QTcD の変化量については、QTcD における PM 患者で 1.54 msec の増加が認められ
た以外、変化量は減少しており、EM 患者と PM 患者の間で統計学的に有意な差は見ら
れなかった。
表 2.7.4-400. CYP2D6遺伝子型別心電図のベースラインから
最終観察時点までの変化量(長期投与併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(単位)
CYP2D6 遺伝子型 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値*
EM 4731 77.35 11.97 83.55 13.66 6.21 12.74 心拍数(bpm) PM 291 77.72 12.30 89.34 13.50 11.62 14.01 <0.001
EM 4731 794.31 124.67 738.14 125.98 -56.17 123.98 RR 間隔(msec) PM 291 790.17 127.01 686.83 107.78 -103.33 126.03 <0.001EM 4725 136.44 18.27 134.85 17.32 -1.59 13.12 PR 間隔(msec) PM 290 136.23 17.74 132.76 15.59 -3.47 12.91 0.018 EM 4731 83.05 9.47 84.19 9.64 1.14 7.93 QRS 間隔(msec) PM 291 83.42 9.83 84.47 9.23 1.06 7.79 0.864 EM 4729 366.93 26.81 356.19 26.89 -10.74 24.96 QT 間隔(msec) PM 291 366.77 28.19 348.66 25.57 -18.11 25.78 <0.001EM 4729 413.15 19.25 416.33 18.91 3.18 20.71 QTcB (msec) PM 291 414.06 19.08 422.04 17.78 7.98 20.60 <0.001EM 4729 397.12 17.20 395.18 16.39 -1.93 16.93 QTcF (msec) PM 291 397.63 17.56 396.01 16.11 -1.62 16.77 0.760 EM 4729 402.60 17.21 402.35 16.42 -0.25 17.52 QTcD (msec) PM 291 403.24 17.34 404.78 15.94 1.54 17.27 0.091
*p 値:ベースラインから最終観察時点までの変化量について、分散分析に基づき算出された。 モデル:変化量=CYP2D6 遺伝子型 略語 QTcB:Bazett 法による補正 QT 間隔、QTcD:Data driven 法による補正 QT 間隔、QTcF:Fridericia 法による補正
QT 間隔 T2_7_4_191_ .xls T2_7_4_191 (注 1):表 2.7.4-3 参照
1.2 mg/kg/日以上投与された EM 患者及び PM 患者におけるベースラインから最終観察
時点までの心拍数、RR 間隔、PR 間隔、QRS 間隔、QT 間隔及び補正 QT 間隔の変化量
を表 2.7.4-401 に示した。
ベースラインから最終観察時点までの変化量について EM 患者と PM 患者の間で統計
学的に有意な差が認められたのは、心拍数、RR 間隔、QT 間隔及び QTcB であった。そ
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
638
のうち心拍数と QTcB については、PM 患者で変化量が EM 患者より増加していた(心
拍数:EM 患者 6.76 bpm、PM 患者 13.50 bpm、p<0.001、QTcB:EM 患者 3.09 bpm、PM
患者 9.23 bpm、p<0.001)。QTcF 及び QTcD の変化量については、QTcD における PM
患者で 1.72 msec の増加が認められた以外、変化量は減少しており、EM 患者と PM 患者
の間で統計学的に有意な差は見られなかった。
以上、アトモキセチンの全投与量とアトモキセチンの 1.2 mg/kg/日以上におけるベー
スラインからの変化量は、同様の結果を示した。また、QTcF 及び QTcD については、
アトモキセチンのすべての投与量及びアトモキセチン 1.2 mg/kg/日以上投与のいずれに
おいても、EM 患者及び PM 患者の間で変化量に大きな違いはなかった。また、PM 患者
の QTcD 以外は減少しており、PM 患者で見られた QTcD の変化量からも EM 患者及び
PM 患者ともに、QTcD 間隔の延長を示すような傾向は見られなかった。
表 2.7.4-401. CYP2D6遺伝子型別心電図のベースラインから最終観察時点までの
変化量:最終投与が 1.2 mg/kg/日以上であった症例(長期投与併合解析(注 1))
ベースライン 最終観察時点 変化量 項目(単位)
CYP2D6 遺伝子型 N
平均 SD 平均 SD 平均 SD p 値*
EM 3358 77.51 11.92 84.27 13.64 6.76 12.87 心拍数(bpm) PM 154 78.14 12.40 91.64 13.20 13.50 14.44 <0.001
EM 3358 792.38 123.95 731.63 124.52 -60.75 124.02 RR 間隔(msec) PM 154 788.07 127.66 669.05 101.66 -119.02 123.83 <0.001EM 3353 135.82 18.10 134.16 17.09 -1.66 13.13 PR 間隔(msec) PM 153 136.24 17.40 133.27 16.20 -2.97 12.92 0.226 EM 3358 83.15 9.63 84.26 9.47 1.11 7.98 QRS 間隔(msec) PM 154 84.09 10.42 84.81 9.81 0.71 6.89 0.543 EM 3356 367.07 26.57 355.12 26.67 -11.95 24.98 QT 間隔(msec) PM 154 366.73 28.70 345.58 24.16 -21.14 25.02 <0.001EM 3356 413.80 19.12 416.89 18.67 3.09 20.67 QTcB (msec) PM 154 414.50 17.58 423.73 17.42 9.23 20.16 <0.001EM 3356 397.59 17.03 395.15 16.18 -2.44 16.84 QTcF (msec) PM 154 397.88 16.71 395.92 15.57 -1.96 15.93 0.729 EM 3356 403.13 17.05 402.51 16.21 -0.62 17.42 QTcD (msec) PM 154 403.55 16.21 405.27 15.50 1.72 16.53 0.102
p 値:ベースラインから最終観察時点までの変化量について、分散分析に基づき算出された。 モデル:変化量=CYP2D6 遺伝子型 略語 QTcB:Bazett 法による補正 QT 間隔、QTcD:Data driven 法による補正 QT 間隔、QTcF:Fridericia 法による補正
QT 間隔 T2_7_4_191_ .xls T2_7_4_191_1 (注 1):表 2.7.4-3 参照
カテゴリー解析の結果、EM 患者及び PM 患者において QT 延長を示した患者の割合
を表 2.7.4-402 に示した。
QTcF において、EM 患者と PM 患者の間で基準に該当する患者の割合に統計学的に有
意な差が見られたのは、基準 B(補正 QT 間隔が 480 msec より大きい)、基準 C(補正
QT 間隔が 500 msec より大きい)及び基準 E(補正 QT 間隔がベースラインから 60 msec
以上増加)で、PM 患者における割合が高かった。
QTcD において EM 患者と PM 患者の間に統計学的に有意な差が見られたのは、基準
A(補正 QT 間隔が 450 msec より大きい)、基準 B、基準 C 及び基準 E で、PM 患者に
おける割合が高かった。
基準 E に該当した患者のうち心電図判定より、PM 患者 1 例(患者番号 6067、LYAF
試験)の心電図は、電子的な影響により干渉が見られ、QT 間隔を評価するのに判読不
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
639
能であった。また、別の PM 患者 1 例(患者番号 723、HFBE 試験)の心電図は、心室内
伝導障害(IVCD)のため QT 間隔を評価するのに判読不能であった。これより、当該患
者 2 例を除いて解析を行った。基準 E に該当する患者の割合について、EM 患者及び
PM 患者の間に統計学的に有意な差が見られ、PM 患者で高かった(QTcF 基準 E:EM
患者 0.4%、PM 患者 1.4%、p=0.046、QTcD 基準 E:EM 患者 0.6%、PM 患者 1.7%、
p=0.048)。
表 2.7.4-402. CYP2D6遺伝子型別 QT延長を示した患者の割合
(長期投与併合解析(注 1))
EM PM 項目 基準 N n (%) N n (%) p 値*
A 4715 48 (1.0) 290 5 (1.7) 0.233 B 4725 4 (0.1) 291 2 (0.7) 0.043 C 4725 2 (0.0) 291 2 (0.7) 0.019 D 4729 366 (7.7) 291 27 (9.3) 0.367
QTcF
E 4729 20 (0.4) 291 5 (1.7) 0.013 A 4703 86 (1.8) 289 14 (4.8) 0.002 B 4725 9 (0.2) 291 3 (1.0) 0.029 C 4725 2 (0.0) 291 2 (0.7) 0.019 D 4729 488 (10.3) 291 36 (12.4) 0.277
QTcD
E 4729 30 (0.6) 291 7 (2.4) 0.005 *p 値:Fisher の直接確率計算法に基づき算出された。 N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:補正 QT 間隔が 450 msec より大きい B:補正 QT 間隔が 480 msec より大きい C:補正 QT 間隔が 500 msec より大きい D:補正 QT 間隔がベースラインから 30 msec 以上増加 E:補正 QT 間隔がベースラインから 60 msec 以上増加 略語 QTcD : Data driven 法による補正 QT 間隔、QTcF : Fridericia 法による補正 QT 間隔 PM 患者 2 例(患者番号 6067 及び患者番号 723)のデータを除いて再解析した結
果、基準 C(補正 QT 間隔が 500 msec より大きい)に該当した PM 患者の割合は、
QTcF 及び QTcD いずれも 0.3%(1/289)であった。PM 患者の基準 E(補正 QT 間
隔がベースラインから 60 msec 以上増加)に該当した患者の割合は、QTcF で 1.4%(4/289)、QTcD で 1.7%(5/289)であった。QTcF において、基準 C は EM 患者と
比べて統計学的に有意な差はなかった(p=0.163)が、基準 E は EM 患者と比べて
統計学的に有意に大きかった(p=0.046)。QTcD において、基準 C は EM 患者と比
べて統計学的に有意な差はなかった(p=0.163)が、基準 E は EM 患者と比べて統
計学的に有意に大きかった(p=0.048) T2_7_4_192_ .xls Table2.7.4.192、T2_7_4_192_REV.xls Table2.7.4.192 (注 1):表 2.7.4-3 参照
カテゴリー解析の結果、1.2 mg/kg/日以上投与された EM 患者及び PM 患者別に QT 延
長を示した割合を表 2.7.4-403 に示した。EM 患者と PM 患者の間で基準に該当する患者
の割合に統計学的に有意な差が見られた基準は、QTcF 及び QTcD ともなかった。
以上、アトモキセチンの全投与量におけるカテゴリー解析の結果、QTcF 及び QTcD
いずれも基準 E において、EM 患者に比べ PM 患者の割合が、統計学的に有意に高かっ
た。しかし、アトモキセチンを 1.2 mg/kg/日以上投与された患者においては、いずれの
基準についても EM 患者と PM 患者の間で統計学的に有意な差は見られなかった。これ
より、CYP2D6 遺伝子型による明らかな QTc 間隔延長への影響は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
640
表 2.7.4-403. CYP2D6遺伝子型別 QT延長を示した患者の割合:
最終投与が 1.2 mg/kg/日以上であった症例(長期投与併合解析(注 1))
EM PM 項目 基準 N n (%) N n (%) p 値*
A 3345 37 (1.1) 153 2 (1.3) 0.688 B 3353 2 (0.1) 154 1 (0.6) 0.126 C 3353 1 (0.0) 154 1 (0.6) 0.086 D 3356 251 (7.5) 154 12 (7.8) 0.875
QTcF
E 3356 14 (0.4) 154 2 (1.3) 0.154 A 3336 67 (2.0) 152 6 (3.9) 0.134 B 3353 7 (0.2) 154 1 (0.6) 0.302 C 3353 1 (0.0) 154 1 (0.6) 0.086 D 3356 348 (10.4) 154 21 (13.6) 0.225
QTcD
E 3356 23 (0.7) 154 2 (1.3) 0.301 *p 値:Fisher の直接確率計算法に基づき算出された。 N:ベースライン値が基準を満たしていない症例 n:投与後、少なくとも 1 度基準を満たした症例 基準 A:補正 QT 間隔が 450 msec より大きい B:補正 QT 間隔が 480 msec より大きい C:補正 QT 間隔が 500 msec より大きい D:補正 QT 間隔がベースラインから 30 msec 以上増加 E:補正 QT 間隔がベースラインから 60 msec 以上増加 略語 QTcD:Data driven 法による補正 QT 間隔、QTcF:Fridericia 法による補正 QT 間隔 T2_7_4_192_ Table2.7.4.192.1 (注 1):表 2.7.4-3 参照
アトモキセチンを 1 回以上投与された PM 患者を対象に、アトモキセチン投与量と補
正 QT 間隔の変化量との関係、及びピーク時のアトモキセチン血漿中濃度と補正 QT 間
隔の変化量との関係を評価した。補正 QT 間隔は外国人 AD/HD 患者のベースライン値
より補正値を算出した Data driven 法を用いた。
アトモキセチン投与量と QTcD との投与量の関係を図 2.7.4-192 に示した。QTcD の変
化量とアトモキセチン投与量の間に統計学的に有意な相関性は認められなかった
(p=0.643)。
ピーク時のアトモキセチン血漿中濃度と QTcD の変化量との関係を図 2.7.4-193 に示し
た。ピーク時のアトモキセチン血漿中濃度と QTcD の変化量との間に統計学的に有意な
相関性は認められなかった(p=0.986)。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
641
QTCD_
図 2.7.4-192. 1回以上アトモキセチンを投与された CYP2D6 PM患者における
アトモキセチン投与量と Data driven補正 QT間隔の変化量(外国人患者)
PL_QTCD_
図 2.7.4-193. 1回以上アトモキセチンを投与された CYP2D6 PM患者における
ピーク時のアトモキセチン血漿中濃度と Data driven補正 QT間隔の変化量
(外国人患者)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
642
2.7.4.5.1.1.6.4 成長への影響
アトモキセチンの長期投与における成長への影響を評価するため、米国食品医薬局
(FDA)と協議した結果、米国申請時に用いた 9 試験に 20 年 月 日時点で完了又
は進行中の臨床試験を新たに追加した 14 試験より得られたデータを用いて併合解析を
実施した。本併合解析結果は 20 年 月に FDA に提出済みである(第 5.3.5.3.3 項、
Integrated Summary of Growth Information 2004)。本報告書より、アトモキセチンを少な
くとも 1 年又は 2 年以上投与した症例における、CYP2D6 遺伝子型 EM/PM 別の体重及
び身長への影響を記載した。
2.7.4.5.1.1.6.4.1 体重への影響
アトモキセチンを 2 年以上投与された症例における体重パーセンタイルの経時的変化
を CYP2D6 遺伝子型別に図 2.7.4-194 に示した。グラフの傾きがない場合、標準集団と
比べて体重を一定に維持することを意味する。
EM 患者及び PM 患者共に投与初期に体重パーセンタイルの減少が見られたが、アト
モキセチン投与 3 年時点では投与前の体重パーセンタイルと同程度まで回復傾向が見ら
れた。これは、全集団の結果と一致しており 2 集団間でも同様であった(第
2.7.4.4.2.2.3.1 項)。PM 患者の例数が少ないことから、CYP2D6 遺伝子型の違いによる
成長速度の差について、明確な結論を導くことは難しいが、概して、PM 患者では EM
患者よりも投与初期に見られる減少が大きく、その後、より大きい回復を示した。しか
し、EM 患者及び PM 患者ともこれらの変化は限定的であり、アトモキセチンの長期投
与による体重に問題となるような影響がない可能性が示唆された。
以上、PM 患者及び EM 患者とも投与初期で減少が見られるものの、その後同様に投
与前の体重パーセンタイルまで回復が見られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
643
0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36Months of Atom oxetine Exposure
35
40
45
50
55
60
65
70
Mea
n W
eigh
t Per
cent
ile
Poor Metabolizers (N=69)Extensive Metabolizers (N=664)
Source:// m c1stat02/m c1stat02.grp/rmp/b4zs/uspi/growth/SU_Ht and W t_DR_32_(oc wt by subgroups).rtf
図 2.7.4-194. 2年以上アトモキセチンを投与した患者における CYP2D6遺伝子型別
平均体重パーセンタイルの経時的推移
アトモキセチンの 1 年以上及び 2 年以上投与例におけるベースライン及び最終観察時
点での体重、体重の z スコア(相対的な体重の推移を示す指標)、体重パーセンタイル
並びに各観察時点でのベースラインから予測された体重との差を CYP2D6 遺伝子型別に
表 2.7.4-404 に示す。
EM 患者では、最終観察時点において、1 年投与時 10.29 kg、2 年投与時 12.71 kg の平
均体重の増加が認められた。パーセンタイルの変化は、1 年投与例で-2.49 パーセンタイ
ル、2 年投与例-1.53 パーセンタイルであり、ベースラインで基準化した体重のパーセン
タイルに比べわずかに減少した。
PM 患者では、最終観察時点において、1 年投与時 8.98 kg、2 年投与時 11.17 kg の平均
体重の増加が認められた。パーセンタイルの変化は、1 年投与例で-8.25 パーセンタイル、
2 年投与例で-6.48 パーセンタイルであり、ベースラインで基準化した体重のパーセンタ
イルに比べわずかに減少した。
PM 患者及び EM 患者における長期投与時の体重増加を比べると、PM 患者のほうが
EM 患者に比べ体重増加が小さかったことより、EM 患者と PM 患者の間でアトモキセチ
ンの長期投与による影響に何らかの違いが示唆された。しかし、この変化量の大きさの
違いは PM 患者の例数が少ないことに起因している可能性も考えられ、PM 患者におけ
る体重パーセンタイルの変化の傾向は、全集団に対するものと同様であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
644
表 2.7.4-404. CYP2D6遺伝子型 EM患者又は PM患者における体重のベースライン
から最終観察時点までの投与期間別の変化量
ベースライン 最終観察時点 変化量 投与期間 項目
平均 SD 平均 SD 平均 SD EM 患者
実測体重 (kg) 41.16 15.90 53.87 19.05 12.71 8.80 推定体重 (kg) - - 54.10 18.25 -0.23 7.23 体重 Z-スコア* 0.36 1.06 0.30 1.12 -0.06 0.60
2 年以上 投与例 (N=664)
体重パーセンタイル (%) 59.19 28.86 57.66 29.71 -1.53 17.49 実測体重(kg) 41.73 15.51 52.02 18.47 10.29 8.63 推定体重(kg) - - 52.58 17.55 -0.56 6.71 体重 Z-スコア* 0.40 1.06 0.31 1.10 -0.09 0.57
1 年以上 投与例 (N=1006)
体重パーセンタイル (%) 60.46 28.68 57.97 29.46 -2.49 16.63 PM 患者
実測体重(kg) 40.48 13.06 51.65 14.99 11.17 8.65 推定体重(kg) - - 54.07 14.97 -2.42 7.85 体重 Z-スコア* 0.25 1.06 -0.01 1.12 -0.26 0.67
2 年以上 投与例 (N=69)
体重パーセンタイル (%) 56.47 30.36 49.99 32.14 -6.48 20.18 実測体重(kg) 41.72 14.59 50.70 16.49 8.98 8.65 推定体重(kg) - - 53.17 16.12 -2.47 7.08 体重 Z-スコア* 0.30 1.00 0.01 1.08 -0.29 0.62
1 年以上 投与例 (N=99)
体重パーセンタイル (%) 58.01 28.17 49.76 30.41 -8.25 19.22 *Z-スコアは分布平均からの程度を示した標準スコアである。 Integrated Summary of Growth Info( ) Table 6.12
2.7.4.5.1.1.6.4.2 身長への影響
アトモキセチンを 2 年以上投与された症例における身長パーセンタイルの経時的変化
を CYP2D6 遺伝子型別に図 2.7.4-195 に示した。グラフの傾きがない場合、標準集団と
比べて身長を一定に維持することを意味する。
EM 患者及び PM 患者ともに投与初期に身長パーセンタイルの穏やかな減少が見られ
たが、アトモキセチン投与 3 年時点では投与前の身長パーセンタイルと同程度まで回復
傾向が見られた。これは、全集団の結果と一致しており 2 集団でも同様であった(第
2.7.4.4.2.2.3.2 項)。PM 患者の例数が少ないことから、CYP2D6 遺伝子型の違いによる
成長速度の差について明確な結論を導くことは難しいが、概して PM 患者で EM 患者よ
り初期投与に見られる減少が大きかった。EM 患者及び PM 患者ともこれらの変化はわ
ずかであり、アトモキセチンの長期投与により身長に臨床的に問題となるような影響は
ない可能性が示唆された。
以上、PM 患者及び EM 患者とも投与初期で減少が見られるものの、その後同様に投
与前の身長パーセンタイルまで回復傾向が見られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
645
0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36Months of Atomoxetine Exposure
35
40
45
50
55
60
65
70
Mea
n H
eigh
t Per
cent
ile Poor Metabolizer (N=56)Extensive Metabolizer (N=624)
Source:// mc1stat02/mc1stat02.grp/rmp/b4zs/uspi/growth/SU_Ht and Wt_DR_33_(oc ht by subgroups).rtf
図 2.7.4-195. 2年以上アトモキセチンを投与した患者における CYP2D6遺伝子型別
平均身長パーセンタイルの経時的推移
アトモキセチンの 1 年以上及び 2 年以上投与例におけるベースライン及び最終観察時
点での身長、身長の z スコア(相対的な身長の推移を示す指標)、身長パーセンタイル
並びに各観察時点でのベースラインから予測された身長との差を CYP2D6 遺伝子型別に
表 2.7.4-405 に示す。
EM 患者では、最終観察時点において、1 年投与時 11.93 cm、2 年投与時 14.45 cm の平
均身長の増加が認められた。これらのパーセンタイル変化は、1 年投与例-2.53 パーセン
タイル、2 年投与例-1.74 パーセンタイルであり、ベースラインで基準化した身長のパー
センタイルに比べわずかに減少した。
PM 患者では、最終観察時点において、1 年投与時 11.78 cm、2 年投与時 15.20 cm の平
均身長の増加が認められた。これらのパーセンタイル変化は、1 年投与例-6.10 パーセン
タイル、2 年投与例-4.49 パーセンタイルであり、ベースラインで基準化した身長のパー
センタイルに比べわずかに減少した。
PM 患者及び EM 患者における長期投与時の身長の増加を比べると、PM 患者のほうが
EM 患者に比べ身長増加が小さかったことより、EM 患者と PM 患者ではアトモキセチン
の長期投与による影響が異なる可能性が示唆された。しかし、この変化量の大きさの違
いは PM 患者の例数が少ないことに起因している可能性も考えられ、PM 患者における
体重パーセンタイルの変化の傾向は、全集団に対するものと同様であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
646
表 2.7.4-405. CYP2D6遺伝子型 EM患者又は PM患者における身長のベースライン
から最終観察時点までの投与期間別の変化量
ベースライン 最終観察時点 変化量 投与期間 項目
平均 SD 平均 SD 平均 SD EM 患者
実測身長 (cm) 143.46 15.48 157.91 15.22 14.45 6.98 推定身長 (cm) - - 158.32 14.66 -0.41 5.11 身長 Z-スコア* 0.06 1.10 -0.00 1.04 -0.06 0.71
2 年以上 投与例 (N=624)
身長パーセンタイル (%) 51.49 29.96 49.75 29.60 -1.74 18.80 実測身長(cm) 144.13 15.61 156.06 15.56 11.93 7.10 推定身長(cm) - - 156.64 14.93 -0.58 4.60 身長 Z-スコア* 0.09 1.06 -0.00 1.04 -0.09 0.64
1 以上 投与例 (N=963)
身長パーセンタイル (%) 52.10 29.43 49.57 29.30 -2.53 17.40 PM 患者
実測身長(cm) 143.29 14.20 158.49 13.12 15.20 8.62 推定身長(cm) - - 159.59 12.79 -1.10 5.36 身長 Z-スコア* -0.13 0.98 -0.29 0.97 -0.16 0.69
2 年以上 投与例 (N=56)
身長パーセンタイル (%) 46.29 29.20 41.80 27.82 -4.49 19.57 実測身長(cm) 144.48 14.61 156.27 14.13 11.78 8.13 推定身長(cm) - - 157.67 13.51 -1.41 4.48 身長 Z-スコア* -0.09 0.87 -0.29 0.88 -0.20 0.58
1 年以上 投与例 (N=98)
身長パーセンタイル (%) 47.58 26.61 41.48 25.91 -6.10 17.01 *Z-スコアは分布平均からの程度を示した標準スコアである。 Integrated Summary of Growth Info( ) Table7.12
2.7.4.5.1.1.6.5 海外で実施した試験における CYP2D6遺伝子型 EM/PM別の安全性の
要約
CYP2D6 遺伝子型 EM 患者及び PM 患者におけるアトモキセチン投与の安全性を評価
した。EM 患者より PM 患者で、発現頻度が高い有害事象も認められ、バイタルサイン
の変動が大きかったが、臨床的に問題となるような差ではないと考えられた。CYP2D6
遺伝子型による明らかな QTc 間隔延長の影響は認められなかった。また、PM 患者にお
いて、全症例を対象とした解析及び 1.2 mg/kg/日以上の患者を対象とした解析の結果よ
り、有害事象による中止の割合、1 件以上の有害事象が認められた患者の割合及びバイ
タルサイン並びに心電図の変化は、同程度であった。
EM 患者及び PM 患者におけるアトモキセチン投与の体重及び身長に対する影響を評
価した。PM 患者で EM 患者比べ、体重パーセンタイル及び身長パーセンタイルのいず
れにおいても投与初期に大きな減少が見られたが、EM 患者及び PM 患者のいずれにお
いても同様に長期投与に伴い投与前のパーセンタイルに回復する傾向が見られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
647
2.7.4.5.1.2 年 齢
2.7.4.5.1.2.1 LYBC試験
LYBC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を年齢別(ベー
スライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-406 に示した。
1 件以上の有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で ATX_ALL 群 82.3%
(51/62)、プラセボ群 73.3%(11/15)、発現率の差 9.0%、9~12 歳の集団で ATX_ALL
群 78.9%(71/90)、プラセボ群 70.3%(26/37)、発現率の差 8.6%、13 歳以上の集団で
ATX_ALL 群 71.0%(22/31)、プラセボ群 60.0%(6/10)、発現率の差 11.0%であった。
ATX_ALL 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象発現率の差から、年齢の違いは全体
としての有害事象の発現率に影響を及ぼさないと考えられた。
比較的よく見られた個別の事象ごとに、各年齢集団の ATX_ALL 群とプラセボ群との
有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの年齢集団でも ATX_ALL 群での発現率が
高かった事象は、頭痛、食欲減退及び嘔吐であった。ATX_ALL 群とプラセボ群との発
現率の差は、8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上の集団の順にそれぞれ、頭痛では 16.1%、
4.1%、6.1%、食欲減退では 12.9%、7.9%、6.5%、嘔吐では 8.1%、10.0%、3.2%であった。
これら 3 事象については低年齢の集団で若干多く発現する傾向が見られたが、各部分集
団の例数に偏りがあり、特にプラセボ群の 8 歳以下(15 例)及び 13 歳以上(10 例)の
集団が少ないことが発現率の差の大小に影響した可能性が考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
648
表 2
.7.4
-406
. 年齢別の有害事象(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A P
T (V
er9.
1)
年齢
N
n (%
) N
n
(%)
Nn
(%)
Nn
(%)
Nn
(%)
8歳以下
15
11( 7
3.3)
23
20( 8
7.0)
1914
( 73.
7)20
17( 8
5.0)
6251
( 82.
3)9~
12歳
37
26( 7
0.3)
29
22( 7
5.9)
3024
( 80.
0)31
25( 8
0.6)
9071
( 78.
9)1件以上の有害事象が認められた症例数
13
歳以上
10
6( 6
0.0)
10
7(
70.
0)
119(
81.
8)
106(
60.
0)
3122
( 71.
0)8歳以下
15
4( 2
6.7)
23
3(
13.
0)
191(
5.3
) 20
3( 1
5.0)
62
7( 1
1.3)
9~
12歳
37
4( 1
0.8)
29
5(
17.
2)
305(
16.
7)
317(
22.
6)
9017
( 18.
9)鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 13
歳以上
10
2( 2
0.0)
10
3(
30.
0)
111(
9.1
) 10
1( 1
0.0)
31
5( 1
6.1)
8歳以下
15
0( 0
.0)
23
4( 1
7.4)
19
3( 1
5.8)
20
3( 1
5.0)
62
10( 1
6.1)
9~12
歳
373(
8.1
) 29
3(
10.
3)
304(
13.
3)
314(
12.
9)
9011
( 12.
2)頭痛
H
eada
che
13歳以上
10
1( 1
0.0)
10
0(
0.0
) 11
3( 2
7.3)
10
2( 2
0.0)
31
5( 1
6.1)
8歳以下
15
0( 0
.0)
23
2( 8
.7)
191(
5.3
) 20
5( 2
5.0)
62
8( 1
2.9)
9~
12歳
37
2( 5
.4)
29
1( 3
.4)
304(
13.
3)
317(
22.
6)
9012
( 13.
3)食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
13
歳以上
10
0( 0
.0)
10
0( 0
.0)
111(
9.1
) 10
1( 1
0.0)
31
2( 6
.5)
8歳以下
15
0( 0
.0)
23
1( 4
.3)
194(
21.
1)
205(
25.
0)
6210
( 16.
1)9~
12歳
37
3( 8
.1)
29
2( 6
.9)
302(
6.7
) 31
3( 9
.7)
907(
7.8
) 傾眠
So
mno
lenc
e 13
歳以上
10
1( 1
0.0)
10
1(
10.
0)
110(
0.0
) 10
0( 0
.0)
311(
3.2
) 8歳以下
15
0( 0
.0)
23
3( 1
3.0)
19
2( 1
0.5)
20
2( 1
0.0)
62
7( 1
1.3)
9~
12歳
37
2( 5
.4)
29
1( 3
.4)
304(
13.
3)
314(
12.
9)
909(
10.
0)
悪心
N
ause
a 13
歳以上
10
1( 1
0.0)
10
0(
0.0
) 11
0( 0
.0)
100(
0.0
) 31
0( 0
.0)
8歳以下
15
0( 0
.0)
23
2( 8
.7)
192(
10.
5)
201(
5.0
) 62
5( 8
.1)
9~12
歳
370(
0.0
) 29
1(
3.4
) 30
4( 1
3.3)
31
4( 1
2.9)
90
9( 1
0.0)
嘔吐
V
omiti
ng
13歳以上
10
0( 0
.0)
10
0( 0
.0)
111(
9.1
) 10
0( 0
.0)
311(
3.2
) 8歳以下
15
2( 1
3.3)
23
1(
4.3
) 19
2( 1
0.5)
20
1( 5
.0)
624(
6.5
) 9~
12歳
37
2( 5
.4)
29
4( 1
3.8)
30
2( 6
.7)
311(
3.2
) 90
7( 7
.8)
腹痛
A
bdom
inal
pai
n 13
歳以上
10
1( 1
0.0)
10
0(
0.0
) 11
0( 0
.0)
100(
0.0
) 31
0( 0
.0)
8歳以下
15
0( 0
.0)
23
0( 0
.0)
191(
5.3
) 20
0( 0
.0)
621(
1.6
) 9~
12歳
37
1( 2
.7)
29
1( 3
.4)
303(
10.
0)
314(
12.
9)
908(
8.9
) 下痢
D
iarr
hoea
13
歳以上
10
1( 1
0.0)
10
0(
0.0
) 11
2( 1
8.2)
10
0( 0
.0)
312(
6.5
) A
TX_A
LL群で
5%以上の発現率で認めら
れた有害事象
LYB
C_T
EAE_
SUB
_年齢変更
.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
649
2.7.4.5.1.2.2 S010試験
S010 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を年齢別(ベース
ライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-407 に示した。
1 件以上の有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で ATX 群 65.8%(25/38)、
プラセボ群 52.9%(9/17)、発現率の差 12.9%、9~12 歳の集団で ATX 群 85.7%
(24/28)、プラセボ群 46.2%(6/13)、発現率の差 39.5%、13 歳以上の集団で ATX 群
100.0%(5/5)、プラセボ群 25.0%(1/4)、発現率の差 75.0%であった。
また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、各年齢集団の ATX 群とプラセボ群と
の有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの年齢集団でも ATX 群での発現率が
10%以上高かった事象は、食欲減退及び悪心であった。ATX 群とプラセボ群との発現率
の差は、8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上の集団の順にそれぞれ、食欲減退では 17.1%、
31.0%、15.0%、悪心では 15.8%、14.3%、40.0%であった。
ATX 群、プラセボ群とも各部分集団の例数が少なく、有害事象の発現率に年齢の違い
による一定の傾向は認められなかった。
表 2.7.4-407. 年齢別の有害事象(S010試験)
PLC ATX 有害事象名 MedDRA PT (Ver9.0) 年齢 N n (%) N n (%)
8 歳以下 17 9( 52.9) 38 25( 65.8) 9~12 歳 13 6( 46.2) 28 24( 85.7) 1 件以上の有害事象が認められた症例数 13 歳以上 4 1( 25.0) 5 5(100.0) 8 歳以下 17 2( 11.8) 38 11( 28.9) 9~12 歳 13 2( 15.4) 28 13( 46.4) 食欲減退 Decreased appetite 13 歳以上 4 1( 25.0) 5 2( 40.0) 8 歳以下 17 2( 11.8) 38 6( 15.8) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 10( 35.7) 傾眠 Somnolence 13 歳以上 4 1( 25.0) 5 1( 20.0) 8 歳以下 17 0( 0.0) 38 6( 15.8) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 4( 14.3) 悪心 Nausea 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 2( 40.0) 8 歳以下 17 3( 17.6) 38 4( 10.5) 9~12 歳 13 4( 30.8) 28 5( 17.9) 咳嗽 Cough 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0) 8 歳以下 17 1( 5.9) 38 3( 7.9) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 4( 14.3) 浮動性めまい Dizziness 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0) 8 歳以下 17 1( 5.9) 38 3( 7.9) 9~12 歳 13 1( 7.7) 28 2( 7.1) 頭痛 Headache 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 2( 40.0) 8 歳以下 17 0( 0.0) 38 2( 5.3) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 4( 14.3) 疲労 Fatigue 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0) 8 歳以下 17 1( 5.9) 38 3( 7.9) 9~12 歳 13 1( 7.7) 28 1( 3.6) 嘔吐 Vomiting 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 1( 20.0) 8 歳以下 17 0( 0.0) 38 2( 5.3) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 2( 7.1) 下痢 Diarrhoea 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0)
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
650
表 2.7.4-407. 年齢別の有害事象(S010試験)(続き)
PLC ATX 有害事象名 MedDRA PT (Ver9.0) 年齢 N n (%) N n (%)
8 歳以下 17 0( 0.0) 38 1( 2.6) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 3( 10.7) 鼻閉 Nasal congestion 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0) 8 歳以下 17 1( 5.9) 38 2( 5.3) 9~12 歳 13 1( 7.7) 28 1( 3.6) 咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain13 歳以上 4 0( 0.0) 5 1( 20.0) 8 歳以下 17 1( 5.9) 38 1( 2.6) 9~12 歳 13 3( 23.1) 28 3( 10.7) 鼻漏 Rhinorrhoea 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0) 8 歳以下 17 0( 0.0) 38 3( 7.9) 9~12 歳 13 0( 0.0) 28 1( 3.6) 体重減少 Weight decreased 13 歳以上 4 0( 0.0) 5 0( 0.0)
ATX 群において 5%以上の発現率で認められた事象 A_S010_TEAESUB_TEAE_S_AGEC.tsv
2.7.4.5.1.2.3 LYBR試験
LYBR 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を年齢別(ベー
スライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-408 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上の有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で
93.8%(76/81)、9~12 歳の集団で 82.1%(55/67)、13 歳以上の集団で 68.8%(11/16)
であった。
また、比較的よく見られた有害事象のうち、いずれかの年齢集団の間での発現率の差
が 10%以上であった事象は、食欲不振(8 歳以下 43.2%、9~12 歳 34.3%、13 歳以上
18.8%)、傾眠(8 歳以下 28.4%、9~12 歳 26.9%、13 歳以上 12.5%)であった。嘔吐、
腹痛、咳嗽は、13 歳以上の集団での発現は認められなかったが、8 歳以下及び 9~12 歳
での発現率はそれぞれ、嘔吐では 16.0%、9.0%、腹痛では 9.9%、10.4%、咳嗽では
11.1%、3.0%であった。
プラセボ対照試験ではないため評価は難しいが、全体の有害事象発現率は年齢の低い
集団で高い傾向が認められた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
651
表 2.7.4-408. 年齢別の有害事象(LYBR試験)
アトモキセチン メチルフェニデート 有害事象名 MedDRA PT (Ver9.0) 年齢
N n (%) N n (%) 8 歳以下 81 76( 93.8) 69 45( 65.2)9~12 歳 67 55( 82.1) 75 55( 73.3)1 件以上の有害事象が認められた症例数 13 歳以上 16 11( 68.8) 22 12( 54.5)8 歳以下 81 35( 43.2) 69 13( 18.8)9~12 歳 67 23( 34.3) 75 26( 34.7)食欲不振 Anorexia 13 歳以上 16 3( 18.8) 22 3( 13.6)8 歳以下 81 22( 27.2) 69 14( 20.3)9~12 歳 67 20( 29.9) 75 12( 16.0)食欲減退 Decreased appetite 13 歳以上 16 4( 25.0) 22 6( 27.3)8 歳以下 81 23( 28.4) 69 3( 4.3) 9~12 歳 67 18( 26.9) 75 3( 4.0) 傾眠 Somnolence 13 歳以上 16 2( 12.5) 22 0( 0.0) 8 歳以下 81 16( 19.8) 69 6( 8.7) 9~12 歳 67 14( 20.9) 75 9( 12.0)悪心 Nausea 13 歳以上 16 3( 18.8) 22 2( 9.1) 8 歳以下 81 10( 12.3) 69 4( 5.8) 9~12 歳 67 12( 17.9) 75 5( 6.7) 浮動性めまい Dizziness 13 歳以上 16 3( 18.8) 22 3( 13.6)8 歳以下 81 13( 16.0) 69 7( 10.1)9~12 歳 67 10( 14.9) 75 7( 9.3) 頭痛 Headache 13 歳以上 16 2( 12.5) 22 2( 9.1) 8 歳以下 81 13( 16.0) 69 2( 2.9) 9~12 歳 67 6( 9.0) 75 4( 5.3) 嘔吐 Vomiting 13 歳以上 16 0( 0.0) 22 0( 0.0) 8 歳以下 81 8( 9.9) 69 5( 7.2) 9~12 歳 67 7( 10.4) 75 8( 10.7)腹痛 Abdominal pain 13 歳以上 16 0( 0.0) 22 2( 9.1) 8 歳以下 81 8( 9.9) 69 2( 2.9) 9~12 歳 67 5( 7.5) 75 3( 4.0) 疲労 Fatigue 13 歳以上 16 0( 0.0) 22 0( 0.0) 8 歳以下 81 9( 11.1) 69 6( 8.7) 9~12 歳 67 2( 3.0) 75 4( 5.3) 咳嗽 Cough 13 歳以上 16 0( 0.0) 22 0( 0.0) 8 歳以下 81 5( 6.2) 69 7( 10.1)9~12 歳 67 6( 9.0) 75 7( 9.3) 発熱 Pyrexia 13 歳以上 16 0( 0.0) 22 3( 13.6)8 歳以下 81 5( 6.2) 69 7( 10.1)9~12 歳 67 3( 4.5) 75 3( 4.0) 上気道感染 Upper respiratory tract
infection 13 歳以上 16 1( 6.3) 22 1( 4.5)
ATX 群において 5%以上の発現率で認められた事象 A_LYBR_TEAESUB_TEAE_S_AGEC.tsv
2.7.4.5.1.2.4 LYAC試験
LYAC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を年齢別(ベー
スライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-409 に示した。
1 件以上の有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で ATX_ALL 群 75.7%
(28/37)、プラセボ群 83.3%(15/18)、発現率の差-7.6%、9~12 歳の集団で ATX_ALL
群 77.8%(98/126)、プラセボ群 75.5%(40/53)、発現率の差 2.3%、13 歳以上の集団で
ATX_ALL 群 70.8%(34/48)、プラセボ群 83.3%(10/12)、発現率の差-12.5%であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
652
ATX_ALL 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象発現率の差から、年齢の違いは全体
としての有害事象の発現率に影響を及ぼさないと考えられた。
比較的よく見られた個別の事象ごとに、各年齢集団の ATX_ALL 群とプラセボ群との
有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの年齢集団でも ATX_ALL 群での発現率が
5%以上高かった事象は認められなかった。
全体として、有害事象の発現に年齢の違いによる一定の傾向は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
653
表 2
.7.4
-409
. 年齢別の有害事象(
LYA
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A P
T (V
er9.
0)
年齢
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) 8歳以下
18
15( 8
3.3)
11
9( 8
1.8)
139(
69.
2)13
10( 7
6.9)
3728
( 75.
7)9~
12歳
53
40( 7
5.5)
24
18( 7
5.0)
4940
( 81.
6)53
40( 7
5.5)
126
98( 7
7.8)
1件以上の有害事象が認められた症例数
13
歳以上
1210
( 83.
3)9
7( 7
7.8)
2215
( 68.
2)17
12( 7
0.6)
4834
( 70.
8)8歳以下
18
3( 1
6.7)
11
2( 1
8.2)
134(
30.
8)13
7( 5
3.8)
3713
( 35.
1)9~
12歳
53
10( 1
8.9)
24
7( 2
9.2)
4915
( 30.
6)53
13( 2
4.5)
126
35( 2
7.8)
頭痛
H
eada
che
13歳以上
126(
50.
0)9
2( 2
2.2)
223(
13.
6)17
3( 1
7.6)
488(
16.
7)8歳以下
18
2( 1
1.1)
11
2( 1
8.2)
131(
7.7
) 13
2( 1
5.4)
375(
13.
5)9~
12歳
53
4( 7
.5)
24
1( 4
.2)
4910
( 20.
4)53
9( 1
7.0)
126
20( 1
5.9)
上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
13歳以上
122(
16.
7)9
1( 1
1.1)
222(
9.1
) 17
2( 1
1.8)
485(
10.
4)8歳以下
18
0( 0
.0)
11
2( 1
8.2)
131(
7.7
) 13
2( 1
5.4)
375(
13.
5)9~
12歳
53
3( 5
.7)
24
3( 1
2.5)
495(
10.
2)53
4( 7
.5)
126
12(
9.5)
咳嗽
C
ough
13
歳以上
120(
0.0
) 9
1( 1
1.1)
220(
0.0
) 17
2( 1
1.8)
483(
6.3
) 8歳以下
18
3( 1
6.7)
11
2( 1
8.2)
133(
23.
1)13
1( 7
.7)
376(
16.
2)9~
12歳
53
7( 1
3.2)
24
1( 4
.2)
492(
4.1
) 53
1( 1
.9)
126
4( 3
.2)
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
13歳以上
122(
16.
7)9
2( 2
2.2)
222(
9.1
) 17
6( 3
5.3)
4810
( 20.
8)8歳以下
18
2( 1
1.1)
11
1( 9
.1)
130(
0.0
) 13
4( 3
0.8)
375(
13.
5)9~
12歳
53
4( 7
.5)
24
2( 8
.3)
496(
12.
2)53
4( 7
.5)
126
12(
9.5)
嘔吐
V
omiti
ng
13歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
222(
9.1
) 17
1( 5
.9)
483(
6.3
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
132(
15.
4)13
1( 7
.7)
373(
8.1
) 9~
12歳
53
3( 5
.7)
24
2( 8
.3)
495(
10.
2)53
7( 1
3.2)
126
14( 1
1.1)
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
13
歳以上
121(
8.3
) 9
0( 0
.0)
222(
9.1
) 17
0( 0
.0)
482(
4.2
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
0( 0
.0)
370(
0.0
) 9~
12歳
53
1( 1
.9)
24
3( 1
2.5)
494(
8.2
) 53
3( 5
.7)
126
10(
7.9)
浮動性めまい
D
izzi
ness
13
歳以上
120(
0.0
) 9
2( 2
2.2)
221(
4.5
) 17
2( 1
1.8)
485(
10.
4)8歳以下
18
1( 5
.6)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
1( 7
.7)
371(
2.7
) 9~
12歳
53
1( 1
.9)
24
1( 4
.2)
493(
6.1
) 53
8( 1
5.1)
126
12(
9.5)
傾眠
So
mno
lenc
e 13
歳以上
121(
8.3
) 9
0( 0
.0)
221(
4.5
) 17
0( 0
.0)
481(
2.1
) (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
654
表 2
.7.4
-409
. 年齢別の有害事象(
LYA
C試験)(続き)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A P
T (V
er9.
0)
年齢
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) 8歳以下
18
1( 5
.6)
11
3( 2
7.3)
131(
7.7
) 13
2( 1
5.4)
376(
16.
2)9~
12歳
53
6( 1
1.3)
24
0( 0
.0)
493(
6.1
) 53
3( 5
.7)
126
6( 4
.8)
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 13
歳以上
121(
8.3
) 9
0( 0
.0)
220(
0.0
) 17
0( 0
.0)
480(
0.0
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
1( 7
.7)
371(
2.7
) 9~
12歳
53
3( 5
.7)
24
1( 4
.2)
494(
8.2
) 53
2( 3
.8)
126
7( 5
.6)
悪心
N
ause
a 13
歳以上
121(
8.3
) 9
1( 1
1.1)
221(
4.5
) 17
1( 5
.9)
483(
6.3
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
0( 0
.0)
370(
0.0
) 9~
12歳
53
1( 1
.9)
24
3( 1
2.5)
492(
4.1
) 53
3( 5
.7)
126
8( 6
.3)
発疹
R
ash
13歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
222(
9.1
) 17
1( 5
.9)
483(
6.3
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
131(
7.7
) 13
2( 1
5.4)
373(
8.1
) 9~
12歳
53
0( 0
.0)
24
0( 0
.0)
491(
2.0
) 53
2( 3
.8)
126
3( 2
.4)
耳感染
Ea
r inf
ectio
n 13
歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
220(
0.0
) 17
0( 0
.0)
480(
0.0
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
0( 0
.0)
370(
0.0
) 9~
12歳
53
0( 0
.0)
24
0( 0
.0)
491(
2.0
) 53
4( 7
.5)
126
5( 4
.0)
耳痛
Ea
r pai
n 13
歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
221(
4.5
) 17
0( 0
.0)
481(
2.1
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
131(
7.7
) 13
2( 1
5.4)
373(
8.1
) 9~
12歳
53
0( 0
.0)
24
0( 0
.0)
490(
0.0
) 53
1( 1
.9)
126
1( 0
.8)
そう痒症
Pr
uritu
s 13
歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
220(
0.0
) 17
1( 5
.9)
481(
2.1
) 8歳以下
18
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
130(
0.0
) 13
0( 0
.0)
370(
0.0
) 9~
12歳
53
0( 0
.0)
24
0( 0
.0)
490(
0.0
) 53
2( 3
.8)
126
2( 1
.6)
節足動物咬傷
A
rthro
pod
bite
13
歳以上
120(
0.0
) 9
0( 0
.0)
220(
0.0
) 17
1( 5
.9)
481(
2.1
) アトモキセチン群において、
5%以上の発現率又は、
Coc
hran
Arm
itage
傾向検定で有意だった事象
LY
AC
_TEA
E_SU
B_年
齢変更
.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
655
2.7.4.5.1.2.5 短期投与試験(BID/QD)の併合解析
短期投与試験(BID/QD)の併合解析より、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害
事象についてベースライン時の年齢別(8 歳以下、9~12 歳又は 13 歳以上)にアトモキ
セチン群のプラセボ群に対するオッズ比を表 2.7.4-410 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上の有害事象が認められた症例は、8 歳以下の患者、9~12
歳の患者及び 13 歳以上の患者でそれぞれ 70.2%(380/541)、76.0%(649/854)及び
71.8%(145/202)であった。プラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比は、それ
ぞれ 1.81、1.68 及び 1.16 であり、これら 3 集団の患者のオッズ比に統計学的に有意な差
は認められなかった(p=0.266)。
8 歳以下の患者、9~12 歳の患者又は 13 歳以上の患者のいずれかで 5%以上の発現率
が認められ、かつプラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比に集団間で統計学的
に有意な差が見られた事象は、傾眠(p=0.031)、疲労(p=0.027)、咽喉頭疼痛
(p=0.017)であった。
傾眠については、オッズ比[95%信頼区間]が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上でそれ
ぞれ 2.6[1.19-5.65]、3.5[2.03-6.04]、0.94[0.4-2.21]、疲労については、それ
ぞれ 5.42[1.92-15.32]、2.82[1.59-4.99]、0.97[0.4-2.36]であり、8 歳以下の患
者あるいは 9~12 歳の患者で高い傾向が見られた。咽喉頭疼痛については、オッズ比
[95%信頼区間]がそれぞれ 0.77[0.4-1.48]、0.41[0.25-0.65]、1.5[0.65-3.44]
と推定値の差が小さく、また 8 歳以下の集団及び 13 歳以上の集団では信頼下限と信頼
上限が 1 を挟んでいることから、臨床的に問題となる差ではないと考えられた。
また、食欲不振については、アトモキセチン群での発現率は 8 歳以下の患者、9~12
歳の患者、13 歳以上の患者の各集団でそれぞれ 3.0%、3.4%、1.0%といずれも 5%未満で
あったが、プラセボ群に対するオッズ比[95%信頼区間]はそれぞれ 8.59[1.13-
65.14]、2.92[1.20-7.08]、0.36[0.06-1.98]であり、統計学的に有意な差が認めら
れた(p=0.014)。
以上、年齢により全体の有害事象の発現率には影響を及ぼさないと考えられたが、傾
眠、疲労、食欲不振については、アトモキセチン群において年齢の低い集団で高い発現
が見られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
656
表 2
.7.4
-410
. 年齢別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オ
ッズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
年齢
N
n
(%)
N
n (%
) 推
定値
信頼
下
限
信頼
上
限
p値
*
8歳以下
283
160
56.5
54
1 38
0 70
.2
1.81
1.
35
2.45
0.
266
9~12
歳50
4 32
9 65
.3
854
649
76
1.68
1.
32
2.14
-
1件以上の有害事象が認められた症例数
13
歳以上
147
101
68.7
20
2 14
5 71
.8
1.16
0.
73
1.84
-
8歳以下
283
30
10.6
54
1 86
15
.9
1.59
1.
02
2.48
0.
391
9~12
歳50
4 88
17
.5
854
179
21
1.25
0.
94
1.66
-
頭痛
H
eada
che
13歳以上
147
26
17.7
20
2 35
17
.3
0.98
0.
56
1.71
-
8歳以下
283
10
3.5
541
82
15.2
4.
88
2.49
9.
56
0.62
79~
12歳
504
23
4.6
854
153
17.9
4.
56
2.9
7.18
-
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
13
歳以上
147
6 4.
1 20
2 22
10
.9
2.87
1.
13
7.27
-
8歳以下
283
19
6.7
541
78
14.4
2.
34
1.39
3.
95
0.20
19~
12歳
504
53
10.5
85
4 11
5 13
.5
1.32
0.
94
1.87
-
上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
13歳以上
147
9 6.
1 20
2 18
8.
9 1.
5 0.
65
3.44
-
8歳以下
283
11
3.9
541
62
11.5
3.
2 1.
66
6.18
0.
195
9~12
歳50
4 34
6.
7 85
4 88
10
.3
1.59
1.
05
2.4
- 嘔吐
V
omiti
ng
13歳以上
147
8 5.
4 20
2 18
8.
9 1.
7 0.
72
4.02
-
8歳以下
283
6 2.
1 54
1 49
9.
1 4.
6 1.
94
10.8
70.
127
9~12
歳50
4 29
5.
8 85
4 84
9.
8 1.
79
1.15
2.
77
- 悪心
N
ause
a 13
歳以上
147
8 5.
4 20
2 28
13
.9
2.8
1.24
6.
33
- 8歳以下
283
8 2.
8 54
1 38
7
2.6
1.19
5.
65
0.03
19~
12歳
504
16
3.2
854
88
10.3
3.
5 2.
03
6.04
-
傾眠
So
mno
lenc
e 13
歳以上
147
10
6.8
202
13
6.4
0.94
0.
4 2.
21
- 8歳以下
283
4 1.
4 54
1 39
7.
2 5.
42
1.92
15
.32
0.02
79~
12歳
504
15
3 85
4 68
8
2.82
1.
59
4.99
-
疲労
Fa
tigue
13
歳以上
147
9 6.
1 20
2 12
5.
9 0.
97
0.4
2.36
-
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
657
表 2
.7.4
-410
. 年齢別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オ
ッズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
年齢
N
n
(%)
N
n (%
) 推
定値
信頼
下
限
信頼
上
限
p値
*
8歳以下
283
24
8.5
541
38
7 0.
82
0.48
1.
39
0.57
49~
12歳
504
38
7.5
854
45
5.3
0.68
0.
44
1.07
-
咳嗽
C
ough
13
歳以上
147
6 4.
1 20
2 10
5
1.22
0.
43
3.45
-
8歳以下
283
8 2.
8 54
1 29
5.
4 1.
95
0.88
4.
32
0.84
89~
12歳
504
14
2.8
854
49
5.7
2.13
1.
16
3.9
- 易刺激性
Ir
ritab
ility
13
歳以上
147
5 3.
4 20
2 10
5
1.48
0.
49
4.42
-
8歳以下
283
14
4.9
541
33
6.1
1.25
0.
66
2.37
0.
096
9~12
歳50
4 34
6.
7 85
4 49
5.
7 0.
84
0.54
1.
32
- 鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 13
歳以上
147
12
8.2
202
6 3
0.34
0.
13
0.94
-
8歳以下
283
16
5.7
541
24
4.4
0.77
0.
4 1.
48
0.01
79~
12歳
504
44
8.7
854
32
3.7
0.41
0.
25
0.65
-
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
13歳以上
147
9 6.
1 20
2 18
8.
9 1.
5 0.
65
3.44
-
8歳以下
283
3 1.
1 54
1 15
2.
8 2.
66
0.76
9.
27
0.78
59~
12歳
504
9 1.
8 85
4 40
4.
7 2.
7 1.
3 5.
62
- 浮動性めまい
D
izzi
ness
13
歳以上
147
3 2
202
17
8.4
4.41
1.
27
15.3
4-
8歳以下
283
0 0
541
15
2.8
- -
- 0.
077
9~12
歳50
4 1
0.2
854
27
3.2
16.4
22.
22
121.
22-
体重減少
W
eigh
t dec
reas
ed
13歳以上
147
2 1.
4 20
2 6
3 2.
22
0.44
11
.15
- 8歳以下
283
1 0.
4 54
1 16
3
8.59
1.
13
65.1
40.
014
9~12
歳50
4 6
1.2
854
29
3.4
2.92
1.
2 7.
08
- 食欲不振
A
nore
xia
13歳以上
147
4 2.
7 20
2 2
1 0.
36
0.06
1.
98
- 8歳以下
283
13
4.6
541
14
2.6
0.55
0.
26
1.19
0.
611
9~12
歳50
4 21
4.
2 85
4 23
2.
7 0.
64
0.35
1.
16
- 下痢
D
iarr
hoea
13
歳以上
147
7 4.
8 20
2 3
1.5
0.3
0.08
1.
19
- (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
658
表 2
.7.4
-410
. 年齢別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オ
ッズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
年齢
N
n
(%)
N
n (%
) 推
定値
信頼
下
限
信頼
上
限
p値
*
8歳以下
283
1 0.
4 54
1 11
2
5.85
0.
75
45.5
60.
205
9~12
歳50
4 4
0.8
854
26
3 3.
93
1.36
11
.31
- 腹痛
A
bdom
inal
pai
n 13
歳以上
147
2 1.
4 20
2 2
1 0.
73
0.1
5.21
-
8歳以下
283
3 1.
1 54
1 11
2
1.94
0.
54
7 0.
693
9~12
歳50
4 6
1.2
854
21
2.5
2.09
0.
84
5.22
-
発疹
R
ash
13歳以上
147
1 0.
7 20
2 7
3.5
5.24
0.
64
43.0
7-
8歳以下
283
2 0.
7 54
1 10
1.
8 2.
65
0.58
12
.16
0.72
19~
12歳
504
6 1.
2 85
4 23
2.
7 2.
3 0.
93
5.68
-
胃不快感
St
omac
h di
scom
fort
13歳以上
147
2 1.
4 20
2 3
1.5
1.09
0.
18
6.62
-
8歳以下
283
9 3.
2 54
1 10
1.
8 0.
57
0.23
1.
43
0.91
99~
12歳
504
20
4 85
4 17
2
0.49
0.
26
0.95
-
鼻閉
N
asal
con
gest
ion
13歳以上
147
8 5.
4 20
2 7
3.5
0.62
0.
22
1.76
-
8歳以下
283
1 0.
4 54
1 6
1.1
3.16
0.
38
26.4
0.
816
9~12
歳50
4 2
0.4
854
20
2.3
6.02
1.
4 25
.86
- 鎮静
Se
datio
n 13
歳以上
147
1 0.
7 20
2 4
2 2.
95
0.33
26
.66
- 8歳以下
283
2 0.
7 54
1 8
1.5
2.11
0.
44
10
0.35
59~
12歳
504
2 0.
4 85
4 18
2.
1 5.
4 1.
25
23.3
9-
気分動揺
M
ood
swin
gs
13歳以上
147
1 0.
7 20
2 1
0.5
0.73
0.
05
11.7
1-
8歳以下
283
1 0.
4 54
1 14
2.
6 7.
49
0.98
57
.26
0.14
19~
12歳
504
4 0.
8 85
4 8
0.9
1.18
0.
35
3.95
-
便秘
C
onst
ipat
ion
13歳以上
147
0 0
202
3 1.
5 -
- -
- 8歳以下
283
0 0
541
4 0.
7 -
- -
0.69
69~
12歳
504
1 0.
2 85
4 10
1.
2 5.
96
0.76
46
.69
- 消化不良
D
yspe
psia
13
歳以上
147
1 0.
7 20
2 4
2 2.
95
0.33
26
.66
- 8歳以下
283
7 2.
5 54
1 5
0.9
0.37
0.
12
1.17
0.
896
9~12
歳50
4 11
2.
2 85
4 7
0.8
0.37
0.
14
0.96
-
食欲亢進
In
crea
sed
appe
tite
13歳以上
147
1 0.
7 20
2 1
0.5
0.73
0.
05
11.7
1-
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
659
表 2
.7.4
-410
. 年齢別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オ
ッズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
年齢
N
n
(%)
N
n (%
) 推
定値
信頼
下
限
信頼
上
限
p値
*
8歳以下
283
0 0
541
3 0.
6 -
- -
- 9~
12歳
504
0 0
854
9 1.
1 -
- -
- 早朝覚醒
Ea
rly m
orni
ng a
wak
enin
g 13
歳以上
147
0 0
202
0 0
- -
- -
8歳以下
283
0 0
541
5 0.
9 -
- -
- 9~
12歳
504
0 0
854
6 0.
7 -
- -
- 散瞳
M
ydria
sis
13歳以上
147
0 0
202
1 0.
5 -
- -
- 8歳以下
283
0 0
541
4 0.
7 -
- -
- 9~
12歳
504
0 0
854
4 0.
5 -
- -
- 無力症
A
sthe
nia
13歳以上
147
0 0
202
3 1.
5 -
- -
- 8歳以下
283
0 0
541
2 0.
4 -
- -
0.21
99~
12歳
504
11
2.2
854
6 0.
7 0.
32
0.12
0.
86
- 関節痛
A
rthra
lgia
13
歳以上
147
3 2
202
1 0.
5 0.
24
0.02
2.
32
- 8歳以下
283
6 2.
1 54
1 4
0.7
0.34
0.
1 1.
23
0.50
39~
12歳
504
4 0.
8 85
4 1
0.1
0.15
0.
02
1.31
-
遺尿
En
ures
is
13歳以上
147
0 0
202
0 0
- -
- -
8歳以下
283
2 0.
7 54
1 0
0 -
- -
0.27
79~
12歳
504
5 1
854
3 0.
4 0.
35
0.08
1.
48
- 季節性アレルギー
Se
ason
al a
llerg
y 13
歳以上
147
0 0
202
0 0
- -
- -
8歳以下
283
1 0.
4 54
1 0
0 -
- -
0.25
19~
12歳
504
9 1.
8 85
4 1
0.1
0.06
0.
01
0.51
-
体重増加
W
eigh
t inc
reas
ed
13歳以上
147
1 0.
7 20
2 1
0.5
0.73
0.
05
11.7
1-
アトモキセチン群での頻度の高い順に示した
。
アトモキセチン群において
5%以上の発現率
が認められた事象
対象とした試験:
(BID
試験
)HFB
D試験、
HFB
K試験、
LYA
C試験、
LYA
S試験、
LYB
I試験、
LYB
P試験
(QD試験
)LY
AT試験、
LYA
W試験、
LYA
X試験、
LYB
G試験、
LYC
C試験、
LYB
X試験、
LYC
Z試験、
S010
試験
*部
分集団間のオッズ比を、
Bre
slow
-Day
検定
を用いて比較した。
T2
_7_4
_178
.xls
Tab
le2.
7.4.
178_
1 (注
1):表
2.7.
4-3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
660
2.7.4.5.1.2.6 長期継続投与試験:LYBC試験・LYDA試験併合解析
LYBC 試験及び LYDA 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象
を年齢別(ベースライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-411 に示
した。
試験期間を通じて 1 件以上有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で 85.0%
(34/40)、9~12 歳の集団で 90.3%(102/113)、13 歳以上の集団で 82.8%(48/58)で
あった。また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、各年齢集団の試験期間を通じた
有害事象発現率を評価したが、有害事象の発現率に年齢の違いによる一定の傾向は認め
られなかった。
プラセボ対照試験ではないため評価は難しいが、全体として有害事象の発現に年齢に
よる一定の傾向は認められなかった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
661
表 2
.7.4
-411
. 年齢別の有害事象(
LYB
C試験・
LYD
A試験併合解析(注
1 ))
有害
事象
名
Med
DR
A P
T(V
er9.
1)
年齢
0~
3年
N
n
(%)
0~6ヵ
月
N
n(%
) 6~
12ヵ
月
N
n(%
) 12~
24ヵ
月
N
n(%
) 24~
36ヵ
月
N
n(%
) 8歳以下
40
34
( 85.
0)
40
34( 8
5.0)
19
17
( 89.
5)
5
4( 8
0.0)
0
0(
0.0
) 9~
12歳
11
3 1
02( 9
0.3)
113
102
( 90.
3)43
27
( 62.
8)
12
8( 6
6.7)
0
0(
0.0
) 1件以上の有害事象が認められた症例数
13
歳以上
58
48
( 82.
8)
58
47( 8
1.0)
23
19
( 82.
6)
4
2( 5
0.0)
0
0(
0.0
) 8歳以下
40
11
( 27.
5)
40
10( 2
5.0)
19
4
( 21.
1)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) 9~
12歳
11
3 3
3( 2
9.2)
113
32(
28.
3)43
3
( 7.
0)
12
1(
8.3)
0
0(
0.0
) 鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 13
歳以上
58
16
( 27.
6)
58
15( 2
5.9)
23
3
( 13.
0)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
7
( 17.
5)
40
7( 1
7.5)
19
2
( 10.
5)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
25(
22.
1)11
3 2
4( 2
1.2)
43
4(
9.3)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
頭痛
H
eada
che
13歳以上
58
13
( 22.
4)
58
11( 1
9.0)
23
5
( 21.
7)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
6
( 15.
0)
40
6( 1
5.0)
19
1
( 5.
3)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) 9~
12歳
11
3 1
8( 1
5.9)
113
18(
15.
9)43
2
( 4.
7)
12
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
13
歳以上
58
7
( 12.
1)
58
6( 1
0.3)
23
3
( 13.
0)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
11
( 27.
5)
40
11( 2
7.5)
19
2
( 10.
5)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
9(
8.0
) 11
3
8( 7
.1)
43
0(
0.0)
12
1
( 8.
3)
0
0( 0
.0)
傾眠
So
mno
lenc
e 13
歳以上
58
9
( 15.
5)
58
8( 1
3.8)
23
3
( 13.
0)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
4
( 10.
0)
40
3(
7.5)
19
1
( 5.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
15(
13.
3)11
3 1
4( 1
2.4)
43
2(
4.7)
12
1
( 8.
3)
0
0( 0
.0)
腹痛
A
bdom
inal
pai
n 13
歳以上
58
7
( 12.
1)
58
5(
8.6)
23
3
( 13.
0)
4
1( 2
5.0)
0
0(
0.0
) 8歳以下
40
2
( 5.
0)
40
1(
2.5)
19
1
( 5.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
18(
15.
9)11
3 1
5( 1
3.3)
43
5( 1
1.6)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
下痢
D
iarr
hoea
13
歳以上
58
4
( 6.
9)
58
3(
5.2)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
5
( 12.
5)
40
5( 1
2.5)
19
0
( 0.
0)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
17(
15.
0)11
3 1
6( 1
4.2)
43
2(
4.7)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
悪心
N
ause
a 13
歳以上
58
2
( 3.
4)
58
1(
1.7)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
11
( 27.
5)
40
9( 2
2.5)
19
2
( 10.
5)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
8(
7.1
) 11
3
7( 6
.2)
43
1(
2.3)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
インフルエンザ
In
fluen
za
13歳以上
58
1
( 1.
7)
58
0(
0.0)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
662
表 2
.7.4
-411
. 年齢別の有害事象(
LYB
C試験・
LYD
A試験併合解析(注
1 ))(続き)
有害
事象
名
Med
DR
A P
T(V
er9.
1)
年齢
0~
3年
N
n
(%)
0~6ヵ
月
N
n(%
) 6~
12ヵ
月
N
n(%
) 12~
24ヵ
月
N
n(%
) 24~
36ヵ
月
N
n(%
) 8歳以下
40
5
( 12.
5)
40
5( 1
2.5)
19
1
( 5.
3)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
12(
10.
6)11
3 1
2( 1
0.6)
43
2(
4.7)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
嘔吐
V
omiti
ng
13歳以上
58
3
( 5.
2)
58
2(
3.4)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
6
( 15.
0)
40
4( 1
0.0)
19
1
( 5.
3)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) 9~
12歳
11
3 1
2( 1
0.6)
113
11(
9.7
) 43
1
( 2.
3)
12
1(
8.3)
0
0(
0.0
) 発熱
Py
rexi
a 13
歳以上
58
1
( 1.
7)
58
0(
0.0)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
4
( 10.
0)
40
4( 1
0.0)
19
2
( 10.
5)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
9(
8.0
) 11
3
7( 6
.2)
43
3(
7.0)
12
0
( 0.
0)
0
0( 0
.0)
上気道の炎症
U
pper
resp
irato
ry tr
act
infla
mm
atio
n 13
歳以上
58
2
( 3.
4)
58
1(
1.7)
23
1
( 4.
3)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
8歳以下
40
6
( 15.
0)
40
6( 1
5.0)
19
2
( 10.
5)
5
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
9~12
歳
113
4(
3.5
) 11
3
3( 2
.7)
43
0(
0.0)
12
1
( 8.
3)
0
0( 0
.0)
便秘
C
onst
ipat
ion
13歳以上
58
2
( 3.
4)
58
1(
1.7)
23
2
( 8.
7)
4
1( 2
5.0)
0
0(
0.0
) 8歳以下
40
3
( 7.
5)
40
2(
5.0)
19
1
( 5.
3)
5
1( 2
0.0)
0
0(
0.0
) 9~
12歳
11
3
7( 6
.2)
113
6(
5.3
) 43
1
( 2.
3)
12
0(
0.0)
0
0(
0.0
) 齲歯
D
enta
l car
ies
13歳以上
58
2
( 3.
4)
58
2(
3.4)
23
0
( 0.
0)
4
0( 0
.0)
0
0( 0
.0)
A_T
12_0
3_TE
AE_
(年齢別
).tsv
(注
1):表
2.7.
4-3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
663
2.7.4.5.1.2.7 海外長期投与併合解析
海外長期併合解析において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を年齢別
(ベースライン時の年齢が 8 歳以下、9~12 歳、13 歳以上)に表 2.7.4-412 に示した。
試験期間を通じて 1 件以上有害事象が認められた症例は、8 歳以下の集団で 82.9%
(1362/1643)、9~12 歳の集団で 86.0%(2446/2845)、13 歳以上の集団で 85.5%
(833/974)であり、同程度の発現率であった。
また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、各年齢集団の期間合計での有害事象発
現率を評価した。いずれかの年齢集団の間で発現率の差が 5%以上であった事象は、食
欲減退(19.7%、20.4%、13.8%)、嘔吐(20.1%、18.3%、14.6%)、悪心(13.3%、
16.9%、18.6%)、咳嗽(16.0%、13.2%、10.5%)、発熱(14.7%、12.7%、8.5%)、疲労
(9.4%、13.1%、15.0%)、浮動性めまい(5.1%、8.0%、10.6%)であった(順に、8 歳
以下の集団、9~12 歳の集団、13 歳以上の集団の発現率)。
全体としての有害事象の発現に、年齢の違いによる一定の傾向は認められなかった。
食欲減退、嘔吐、咳嗽、発熱は年齢の低い集団に多く、悪心、疲労、浮動性めまいは年
齢の高い集団に多く認められた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
664
表 2
.7.4
-412
. 年齢別の有害事象(海外長期併合解析(注
1 ))
0~6ヵ
月
(N=
5462
) 6~
12ヵ
月
(N=
2558
) 1~
2年
(N
= 16
24)
2~3年
(N
= 9
96)
3~4年
(N
= 6
48)
4年
~
(N=
339
) 合
計
(N=
5462
) 有
害事
象名
M
edD
RA
PT
(Ver
9.0)
年
齢
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) 8歳以下
16
4313
31(8
1.0)
710
539(
75.9
)44
937
3(83
.1)
292
232(
79.5
)19
514
1(72
.3)
103
68(6
6.0)
16
4313
62(8
2.9)
9~
12歳
28
4523
93(8
4.1)
1371
1034
(75.
4)87
573
5(84
.0)
531
431(
81.2
)35
327
1(76
.8)
189
138(
73.0
)28
4524
46(8
6.0)
1件
以上
の有
害事
象が認
められた
症例数
13
歳以
上97
481
2(83
.4)
477
359(
75.3
)30
025
3(84
.3)
173
144(
83.2
)10
084
(84.
0)
47
41(8
7.2)
97
483
3(85
.5)
8歳以下
16
4331
2(19
.0)
710
171(
24.1
)44
976
(16.
9)
292
60(2
0.5)
19
554
(27.
7)
103
35(3
4.0)
16
4328
1(17
.1)
9~12
歳
2845
452(
15.9
)13
7133
7(24
.6)
875
140(
16.0
) 53
110
0(18
.8)
353
82(2
3.2)
18
951
(27.
0)
2845
399(
14.0
) 有
害事
象が
認め
られなか
った症例
数
13歳
以上
974
162(
16.6
)47
711
8(24
.7)
300
47(1
5.7)
17
329
(16.
8)
100
16(1
6.0)
47
6(
12.8
) 97
414
1(14
.5)
8歳以下
16
4336
1(22
.0)
710
125(
17.6
)44
994
(20.
9)
292
55(1
8.8)
19
531
(15.
9)
103
20(1
9.4)
16
4344
8(27
.3)
9~12
歳
2845
774(
27.2
)13
7124
7(18
.0)
875
209(
23.9
) 53
112
0(22
.6)
353
69(1
9.5)
18
935
(18.
5)
2845
913(
32.1
) 頭
痛
Hea
dach
e 13
歳以
上97
425
1(25
.8)
477
87(1
8.2)
30
076
(25.
3)
173
29(1
6.8)
10
015
(15.
0)
47
8(17
.0)
974
297(
30.5
) 8歳以下
16
4330
8(18
.7)
710
65(9
.2)
449
28(6
.2)
292
13(4
.5)
195
4(2.
1)
103
3(2.
9)
1643
323(
19.7
) 9~
12歳
28
4555
1(19
.4)
1371
126(
9.2)
87
562
(7.1
) 53
120
(3.8
) 35
36(
1.7)
18
90(
0.0)
28
4557
9(20
.4)
食欲
減退
D
ecre
ased
app
etite
13
歳以
上97
411
9(12
.2)
477
29(6
.1)
300
17(5
.7)
173
3(1.
7)
100
2(2.
0)
47
1(2.
1)
974
134(
13.8
) 8歳以下
16
4324
6(15
.0)
710
64(9
.0)
449
53(1
1.8)
29
228
(9.6
) 19
57(
3.6)
10
37(
6.8)
16
4329
6(18
.0)
9~12
歳
2845
472(
16.6
)13
7110
5(7.
7)
875
67(7
.7)
531
28(5
.3)
353
8(2.
3)
189
6(3.
2)
2845
544(
19.1
) 上
腹部
痛
Abd
omin
al p
ain
uppe
r 13
歳以
上97
412
3(12
.6)
477
29(6
.1)
300
24(8
.0)
173
10(5
.8)
100
2(2.
0)
47
1(2.
1)
974
152(
15.6
) 8歳以下
16
4326
0(15
.8)
710
71(1
0.0)
44
950
(11.
1)
292
19(6
.5)
195
15(7
.7)
103
3(2.
9)
1643
330(
20.1
) 9~
12歳
28
4539
3(13
.8)
1371
98(7
.1)
875
83(9
.5)
531
38(7
.2)
353
20(5
.7)
189
6(3.
2)
2845
520(
18.3
) 嘔
吐
Vom
iting
13
歳以
上97
410
9(11
.2)
477
27(5
.7)
300
14(4
.7)
173
6(3.
5)
100
2(2.
0)
47
1(2.
1)
974
142(
14.6
) 8歳以下
16
4317
9(10
.9)
710
33(4
.6)
449
25(5
.6)
292
14(4
.8)
195
4(2.
1)
103
2(1.
9)
1643
218(
13.3
) 9~
12歳
28
4539
7(14
.0)
1371
69(5
.0)
875
55(6
.3)
531
33(6
.2)
353
17(4
.8)
189
10(5
.3)
2845
481(
16.9
) 悪
心
Nau
sea
13歳
以上
974
150(
15.4
)47
717
(3.6
) 30
029
(9.7
) 17
313
(7.5
) 10
04(
4.0)
47
2(
4.3)
97
418
1(18
.6)
8歳以下
16
4316
2(9.
9)
710
56(7
.9)
449
47(1
0.5)
29
217
(5.8
) 19
513
(6.7
) 10
33(
2.9)
16
4323
4(14
.2)
9~12
歳
2845
288(
10.1
)13
7110
0(7.
3)
875
86(9
.8)
531
52(9
.8)
353
20(5
.7)
189
18(9
.5)
2845
421(
14.8
) 鼻
咽頭
炎
Nas
opha
ryng
itis
13歳
以上
974
110(
11.3
)47
743
(9.0
) 30
046
(15.
3)
173
23(1
3.3)
10
012
(12.
0)
47
4(8.
5)
974
169(
17.4
) 8歳以下
16
4318
3(11
.1)
710
60(8
.5)
449
44(9
.8)
292
33(1
1.3)
19
511
(5.6
) 10
37(
6.8)
16
4326
3(16
.0)
9~12
歳
2845
245(
8.6)
13
7186
(6.3
) 87
573
(8.3
) 53
142
(7.9
) 35
315
(4.2
) 18
96(
3.2)
28
4537
5(13
.2)
咳嗽
C
ough
13
歳以
上97
478
(8.0
) 47
721
(4.4
) 30
024
(8.0
) 17
37(
4.0)
10
02(
2.0)
47
0(
0.0)
97
410
2(10
.5)
8歳以下
16
4315
8(9.
6)
710
55(7
.7)
449
54(1
2.0)
29
228
(9.6
) 19
511
(5.6
) 10
36(
5.8)
16
4324
2(14
.7)
9~12
歳
2845
239(
8.4)
13
7184
(6.1
) 87
564
(7.3
) 53
133
(6.2
) 35
313
(3.7
) 18
96(
3.2)
28
4536
2(12
.7)
発熱
Py
rexi
a 13
歳以
上97
455
(5.6
) 47
717
(3.6
) 30
020
(6.7
) 17
38(
4.6)
10
04(
4.0)
47
1(
2.1)
97
483
(8.5
) (
続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
665
表 2
.7.4
-412
. 年齢別の有害事象(海外長期併合解析(注
1 ))(続き)
0~6ヵ
月
(N=
5462
) 6~
12ヵ
月
(N=
2558
) 1~
2年
(N
= 16
24)
2~3年
(N
= 9
96)
3~4年
(N
= 6
48)
4年
~
(N=
339
) 合
計
(N=
5462
) 有
害事
象名
M
edD
RA
PT
(Ver
9.0)
年
齢
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) 8歳以
下
1643
120(
7.3)
71
043
(6.1
) 44
946
(10.
2)
292
26(8
.9)
195
10(5
.1)
103
2(1.
9)
1643
187(
11.4
) 9~
12歳
28
4522
7(8.
0)
1371
92(6
.7)
875
75(8
.6)
531
30(5
.6)
353
16(4
.5)
189
7(3.
7)
2845
360(
12.7
) 咽
喉頭
疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
13歳
以上
974
85(8
.7)
477
25(5
.2)
300
27(9
.0)
173
15(8
.7)
100
6(6.
0)
47
1(2.
1)
974
131(
13.4
) 8歳以
下
1643
142(
8.6)
71
014
(2.0
) 44
914
(3.1
) 29
25(
1.7)
19
51(
0.5)
10
31(
1.0)
16
4315
5(9.
4)
9~12
歳
2845
315(
11.1
)13
7160
(4.4
) 87
548
(5.5
) 53
137
(7.0
) 35
321
(5.9
) 18
99(
4.8)
28
4537
2(13
.1)
疲労
Fa
tigue
13
歳以
上97
412
4(12
.7)
477
38(8
.0)
300
24(8
.0)
173
5(2.
9)
100
4(4.
0)
47
2(4.
3)
974
146(
15.0
) 8歳以
下
1643
97(5
.9)
710
44(6
.2)
449
46(1
0.2)
29
215
(5.1
) 19
59(
4.6)
10
35(
4.9)
16
4316
4(10
.0)
9~12
歳
2845
193(
6.8)
13
7163
(4.6
) 87
567
(7.7
) 53
162
(11.
7)
353
27(7
.6)
189
16(8
.5)
2845
311(
10.9
) 上
気道
感染
U
pper
resp
irato
ry tr
act
infe
ctio
n 13
歳以
上97
487
(8.9
) 47
735
(7.3
) 30
029
(9.7
) 17
313
(7.5
) 10
011
(11.
0)
47
0(0.
0)
974
131(
13.4
) 8歳以
下
1643
140(
8.5)
71
034
(4.8
) 44
922
(4.9
) 29
223
(7.9
) 19
58(
4.1)
10
34(
3.9)
16
4316
9(10
.3)
9~12
歳
2845
266(
9.3)
13
7182
(6.0
) 87
545
(5.1
) 53
120
(3.8
) 35
39(
2.5)
18
94(
2.1)
28
4530
1(10
.6)
易刺
激性
Ir
ritab
ility
13
歳以
上97
468
(7.0
) 47
723
(4.8
) 30
014
(4.7
) 17
310
(5.8
) 10
04(
4.0)
47
2(
4.3)
97
486
(8.8
) 8歳以
下
1643
160(
9.7)
71
014
(2.0
) 44
97(
1.6)
29
26(
2.1)
19
51(
0.5)
10
31(
1.0)
16
4317
6(10
.7)
9~12
歳
2845
267(
9.4)
13
7126
(1.9
) 87
522
(2.5
) 53
17(
1.3)
35
33(
0.8)
18
91(
0.5)
28
4528
8(10
.1)
傾眠
So
mno
lenc
e 13
歳以
上97
470
(7.2
) 47
711
(2.3
) 30
09(
3.0)
17
31(
0.6)
10
01(
1.0)
47
1(
2.1)
97
478
(8.0
) 8歳以
下
1643
70(4
.3)
710
24(3
.4)
449
22(4
.9)
292
14(4
.8)
195
8(4.
1)
103
5(4.
9)
1643
127(
7.7)
9~
12歳
28
4512
6(4.
4)
1371
59(4
.3)
875
73(8
.3)
531
26(4
.9)
353
19(5
.4)
189
9(4.
8)
2845
254(
8.9)
イ
ンフ
ルエ
ンザ
In
fluen
za
13歳
以上
974
62(6
.4)
477
21(4
.4)
300
22(7
.3)
173
15(8
.7)
100
4(4.
0)
47
1(2.
1)
974
98(1
0.1)
8歳以
下
1643
61(3
.7)
710
9(1.
3)
449
13(2
.9)
292
9(3.
1)
195
2(1.
0)
103
0(0.
0)
1643
84(5
.1)
9~12
歳
2845
179(
6.3)
13
7139
(2.8
) 87
533
(3.8
) 53
113
(2.4
) 35
39(
2.5)
18
94(
2.1)
28
4522
8(8.
0)
浮動
性め
まい
D
izzi
ness
13
歳以
上97
487
(8.9
) 47
712
(2.5
) 30
011
(3.7
) 17
33(
1.7)
10
05(
5.0)
47
1(
2.1)
97
410
3(10
.6)
8歳以
下
1643
65(4
.0)
710
34(4
.8)
449
24(5
.3)
292
12(4
.1)
195
8(4.
1)
103
3(2.
9)
1643
107(
6.5)
9~
12歳
28
4514
1(5.
0)
1371
54(3
.9)
875
48(5
.5)
531
26(4
.9)
353
14(4
.0)
189
7(3.
7)
2845
226(
7.9)
鼻
閉
Nas
al c
onge
stio
n 13
歳以
上97
460
(6.2
) 47
721
(4.4
) 30
013
(4.3
) 17
37(
4.0)
10
02(
2.0)
47
1(
2.1)
97
481
(8.3
) 8歳以
下
1643
82(5
.0)
710
16(2
.3)
449
19(4
.2)
292
9(3.
1)
195
5(2.
6)
103
3(2.
9)
1643
109(
6.6)
9~
12歳
28
4512
7(4.
5)
1371
40(2
.9)
875
27(3
.1)
531
25(4
.7)
353
10(2
.8)
189
6(3.
2)
2845
196(
6.9)
下
痢
Dia
rrho
ea
13歳
以上
974
38(3
.9)
477
15(3
.1)
300
9(3.
0)
173
8(4.
6)
100
3(3.
0)
47
1(2.
1)
974
63(6
.5)
8歳以
下
1643
62(3
.8)
710
20(2
.8)
449
20(4
.5)
292
11(3
.8)
195
7(3.
6)
103
2(1.
9)
1643
85(5
.2)
9~12
歳
2845
153(
5.4)
13
7141
(3.0
) 87
533
(3.8
) 53
117
(3.2
) 35
312
(3.4
) 18
96(
3.2)
28
4519
2(6.
7)
不眠症
In
som
nia
13歳
以上
974
53(5
.4)
477
11(2
.3)
300
8(2.
7)
173
3(1.
7)
100
4(4.
0)
47
1(2.
1)
974
70(7
.2)
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
666
表 2
.7.4
-412
. 年齢別の有害事象(海外長期併合解析(注
1 ))(続き)
0~6ヵ
月
(N=
5462
) 6~
12ヵ
月
(N=
2558
) 1~
2年
(N
= 16
24)
2~3年
(N
= 9
96)
3~4年
(N
= 6
48)
4年
~
(N=
339
) 合
計
(N=
5462
) 有
害事
象名
M
edD
RA
PT
(Ver
9.0)
年
齢
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) N
n(
%)
N
n(%
) 8歳以下
16
4310
5(6.
4)
710
12(1
.7)
449
8(1.
8)
292
6(2.
1)
195
2(1.
0)
103
0(0.
0)
1643
111(
6.8)
9~
12歳
28
4515
7(5.
5)
1371
34(2
.5)
875
21(2
.4)
531
4(0.
8)
353
4(1.
1)
189
1(0.
5)
2845
170(
6.0)
食
欲不
振
Ano
rexi
a 13
歳以
上97
433
(3.4
) 47
78(
1.7)
30
07(
2.3)
17
31(
0.6)
10
00(
0.0)
47
0(
0.0)
97
437
(3.8
) 8歳以下
16
4376
(4.6
) 71
017
(2.4
) 44
918
(4.0
) 29
212
(4.1
) 19
55(
2.6)
10
32(
1.9)
16
4310
6(6.
5)
9~12
歳
2845
121(
4.3)
13
7124
(1.8
) 87
522
(2.5
) 53
15(
0.9)
35
33(
0.8)
18
91(
0.5)
28
4515
3(5.
4)
腹痛
A
bdom
inal
pai
n 13
歳以
上97
426
(2.7
) 47
78(
1.7)
30
09(
3.0)
17
32(
1.2)
10
01(
1.0)
47
1(
2.1)
97
435
(3.6
) 8歳以下
16
4337
(2.3
) 71
012
(1.7
) 44
918
(4.0
) 29
210
(3.4
) 19
54(
2.1)
10
32(
1.9)
16
4363
(3.8
) 9~
12歳
28
4593
(3.3
) 13
7148
(3.5
) 87
537
(4.2
) 53
118
(3.4
) 35
310
(2.8
) 18
97(
3.7)
28
4516
5(5.
8)
副鼻
腔炎
Si
nusi
tis
13歳
以上
974
40(4
.1)
477
15(3
.1)
300
16(5
.3)
173
13(7
.5)
100
2(2.
0)
47
1(2.
1)
974
66(6
.8)
8歳以下
16
4341
(2.5
) 71
013
(1.8
) 44
914
(3.1
) 29
217
(5.8
) 19
55(
2.6)
10
32(
1.9)
16
4381
(4.9
) 9~
12歳
28
4588
(3.1
) 13
7144
(3.2
) 87
527
(3.1
) 53
116
(3.0
) 35
37(
2.0)
18
94(
2.1)
28
4516
8(5.
9)
ウイ
ルス
性胃
腸炎
G
astro
ente
ritis
vira
l 13
歳以
上97
418
(1.8
) 47
711
(2.3
) 30
08(
2.7)
17
33(
1.7)
10
00(
0.0)
47
1(
2.1)
97
438
(3.9
) 8歳以下
16
4347
(2.9
) 71
024
(3.4
) 44
924
(5.3
) 29
214
(4.8
) 19
58(
4.1)
10
36(
5.8)
16
4394
(5.7
) 9~
12歳
28
4560
(2.1
) 13
7140
(2.9
) 87
534
(3.9
) 53
126
(4.9
) 35
310
(2.8
) 18
92(
1.1)
28
4514
4(5.
1)
レン
サ球
菌性
咽頭
炎
Phar
yngi
tis st
rept
ococ
cal
13歳
以上
974
23(2
.4)
477
9(1.
9)
300
6(2.
0)
173
2(1.
2)
100
4(4.
0)
47
1(2.
1)
974
41(4
.2)
AA
DV
E14_
AG
E_A
DV
tsv
(注
1):
表2.
7.4-
3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
667
2.7.4.5.1.2.8 バイタルサイン、身長、体重及び心電図
2.7.4.5.1.2.8.1 短期投与試験
LYBC 試験、S010 試験、LYBR 試験、LYAC 試験及び短期投与試験(BID/QD)の併合
解析において、以下の各解析の年齢別による部分集団解析を実施した。結果は第
2.7.4.7.4.2 項に示した。
LYBC 試験の脈拍のカテゴリー解析結果からは、8 歳以下の集団で 9~12 歳又は 13 歳
以上の集団に比べ、基準 A(脈拍が 110 bpm 以上)又は基準 B(ベースラインからの脈
拍変化量が 25 bpm 以上)に該当する患者が多かった。しかし、脈拍の変化量の解析か
らは、部分集団と投与群との交互作用に統計学的に有意な差は認められず(p=0.176)、
部分集団の効果(p=0.052)による影響が考えられた。
また、体重のカテゴリー解析については、8 歳以下の集団でより多くの患者が該当す
る傾向が見られたが(8 歳以下:25.8%、9~12 歳:18.9%、13 歳以上:22.6%)、これは
年齢の低い集団では年齢の高い集団よりもベースラインの体重が小さいため、ベースラ
インの体重の 3.5%に該当しやすくなったためと考えられた。
その他、バイタルサイン、身長及び体重の変化量、並びにバイタルサインのカテゴリ
ー解析の結果、心電図の変化量及びカテゴリー解析の結果からは、年齢の違いによる臨
床的に重要と考えられる差は認められなかった。
• バイタルサイン、身長及び体重のベースラインからの変化量 · LYBC 試験:表 2.7.4.7-121
· S010 試験:表 2.7.4.7-123
· LYBR 試験:表 2.7.4.7-125
· LYAC 試験:表 2.7.4.7-127
• バイタルサイン異常 · LYBC 試験:表 2.7.4.7-122
· S010 試験:表 2.7.4.7-124
· LYBR 試験:表 2.7.4.7-126
· LYAC 試験:表 2.7.4.7-128
• 心電図のベースラインからの変化量 · LYBC 試験:表 2.7.4.7-133
· LYBR 試験:表 2.7.4.7-135
· LYAC 試験:表 2.7.4.7-137
• 心電図異常 · LYBC 試験:表 2.7.4.7-134
· LYBR 試験:表 2.7.4.7-136
· LYAC 試験:表 2.7.4.7-138
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
668
2.7.4.5.1.2.8.2 長期投与試験
国内で実施した長期継続投与試験である LYBC 試験・LYDA 試験併合解析及び海外長
期投与併合解析において、以下の各解析の年齢別による部分集団解析を実施した。結果
は第 2.7.4.7.4.2 項に示した。
LYBC 試験・LYDA 試験併合解析の結果、バイタルサイン及び心電図の変化量の解析
から、年齢及び長期投与に伴う明確な関連は認められなかった。バイタルサイン異常及
び心電図異常の解析からは、各基準に該当する患者の割合が長期投与に伴い増加する傾
向は見られなかった。
海外長期投与併合解析の結果、バイタルサイン及び心電図の変化量の解析から、長期
投与時に全症例で認められたのと同様の傾向が見られたが(第 2.7.4.4.1.2.4 項及び第
2.7.4.4.3.4 項)、年齢の違いによる明確な差は見られなかった。バイタルサイン異常及
び心電図異常の解析からも、長期投与時に全症例で認められたのと同様の傾向が見られ
たが(第 2.7.4.4.1.2.4 項及び第 2.7.4.4.3.4 項)、年齢の違いによる明確な差は見られなか
った。
• バイタルサイン、身長及び体重のベースラインからの変化量 · LYBC 試験・LYDA 試験併合解析:表 2.7.4.7-129
· 海外長期投与併合解析:表 2.7.4.7-131
• バイタルサイン異常 · LYBC 試験・LYDA 試験併合解析:表 2.7.4.7-130
· 海外長期投与併合解析:表 2.7.4.7-132
• 心電図のベースラインからの変化量 · LYBC 試験・LYDA 試験併合解析:表 2.7.4.7-139
· 海外長期投与併合解析:表 2.7.4.7-141
• 心電図異常 · LYBC 試験・LYDA 試験併合解析:表 2.7.4.7-140
· 海外長期投与併合解析:表 2.7.4.7-142
2.7.4.5.1.3 性 別
2.7.4.5.1.3.1 LYBC試験
LYBC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を性別に表 2.7.4-
413 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、女性患者で ATX_ALL 群 61.5%(16/26)、プ
ラセボ群 100%( 10/10)、発現率の差 -38.5%、男性患者で ATX_ALL 群 81.5%
(128/157)、プラセボ群 63.5%(33/52)、発現率の差 18.0%であった。
ATX_ALL 群とプラセボ群との有害事象発現率の差を、比較的よく見られた個別の事
象ごとに評価した場合、女性患者、男性患者ともに ATX_ALL 群での発現率が 5%以上
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
669
高かった事象は、嘔吐のみであった。ATX_ALL 群とプラセボ群との嘔吐の発現率の差
は、女性患者 7.7%、男性患者 8.3%であった。
1 件以上の有害事象の発現率は、女性患者ではプラセボ群が ATX_ALL 群に比し
38.5%高く、男性患者では ATX_ALL 群でプラセボ群に比し 18.0%高く認められた。男性
患者と女性患者で認められた違いには、プラセボ群の女性患者の例数が少なく、全例に
有害事象が認められたことが影響したものと思われた。比較的よく見られた有害事象の
発現率の差を検討した結果を考慮すると、有害事象の発現率に性別による影響はないと
考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
670
表 2
.7.4
-413
. 性別の有害事象(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A (V
ersi
on 9
.1)
性別
N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
女性
10
10(1
00.0
)10
4( 4
0.0)
8
7( 8
7.5)
8
5( 6
2.5)
26
16( 6
1.5)
1件以上の有害事象が認められた症例数
男性
52
33( 6
3.5)
52
45( 8
6.5)
52
40( 7
6.9)
53
43
( 81.
1)
157
128(
81.
5)
女性
10
3( 3
0.0)
10
0( 0
.0)
8 2(
25.
0)
8 1(
12.
5)
263(
11.
5)
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 男性
52
7( 1
3.5)
52
11( 2
1.2)
52
5( 9
.6)
53
10( 1
8.9)
15
726
( 16.
6)
女性
10
1( 1
0.0)
10
1( 1
0.0)
8
1( 1
2.5)
8
1( 1
2.5)
26
3( 1
1.5)
頭痛
H
eada
che
男性
52
3( 5
.8)
526(
11.
5)
529(
17.
3)
53
8( 1
5.1)
15
723
( 14.
6)
女性
10
0( 0
.0)
100(
0.0
) 8
0( 0
.0)
8 1(
12.
5)
261(
3.8
) 食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
男性
52
2( 3
.8)
523(
5.8
) 52
6( 1
1.5)
53
12
( 22.
6)
157
21( 1
3.4)
女性
10
1( 1
0.0)
10
1( 1
0.0)
8
0( 0
.0)
8 1(
12.
5)
262(
7.7
) 傾眠
So
mno
lenc
e 男性
52
3( 5
.8)
523(
5.8
) 52
6( 1
1.5)
53
7(
13.
2)
157
16( 1
0.2)
女性
10
0( 0
.0)
100(
0.0
) 8
0( 0
.0)
8 1(
12.
5)
261(
3.8
) 悪心
N
ause
a 男性
52
3( 5
.8)
524(
7.7
) 52
6( 1
1.5)
53
5(
9.4
) 15
715
( 9.
6)
女性
10
0( 0
.0)
100(
0.0
) 8
1( 1
2.5)
8
1( 1
2.5)
26
2( 7
.7)
嘔吐
V
omiti
ng
男性
52
0( 0
.0)
523(
5.8
) 52
6( 1
1.5)
53
4(
7.5
) 15
713
( 8.
3)
女性
10
1( 1
0.0)
10
0( 0
.0)
8 0(
0.0
) 8
0( 0
.0)
260(
0.0
) 腹痛
A
bdom
inal
pai
n 男性
52
4( 7
.7)
525(
9.6
) 52
4( 7
.7)
53
2( 3
.8)
157
11(
7.0)
女性
10
0( 0
.0)
100(
0.0
) 8
1( 1
2.5)
8
0( 0
.0)
261(
3.8
) 下痢
D
iarr
hoea
男性
52
2( 3
.8)
521(
1.9
) 52
5( 9
.6)
53
4( 7
.5)
157
10(
6.4)
A
TX_A
LL群で
5%以上の発現率で認められた有害事象
t1
4_23
b.ls
t
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
671
2.7.4.5.1.3.2 S010試験
S010 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を性別に表 2.7.4-
414 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、女性で ATX 群 85.7%(6/7)、プラセボ群 0%
(0/5)、発現率の差 85.7%、男性で ATX 群 75.0%(48/64)、プラセボ群 55.2%
(16/29)、発現率の差 19.8%であった。
また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、性別の ATX 群とプラセボ群との有害
事象発現率の差を評価した場合、男女とも ATX 群での発現率が 10%以上高かった事象
は、食欲減退、傾眠及び悪心であった。ATX 群とプラセボ群との発現率の差は、女性、
男性の順にそれぞれ、食欲減退では 57.1%、17.2%、傾眠では、14.3%、14.7%、悪心で
は 14.3%、17.2%であった。
ATX 群、プラセボ群とも女性の例数が 10 例以下と少なく、またプラセボ群の女性患
者での有害事象が認められなかったため、これらの差は臨床的に問題となるものではな
いと考えられた。
表 2.7.4-414. 性別の有害事象(S010試験)
PLC ATX 有害事象名 MedDRA PT (Ver9.0) 性別 N n (%) N n (%)
女性 5 0( 0.0) 7 6( 85.7) 1 件以上有害事象が認められた症例数
男性 29 16( 55.2) 64 48( 75.0) 女性 5 0( 0.0) 7 4( 57.1)
食欲減退 Decreased appetite 男性 29 5( 17.2) 64 22( 34.4) 女性 5 0( 0.0) 7 1( 14.3)
傾眠 Somnolence 男性 29 3( 10.3) 64 16( 25.0) 女性 5 0( 0.0) 7 1( 14.3)
悪心 Nausea 男性 29 0( 0.0) 64 11( 17.2) 女性 5 0( 0.0) 7 1( 14.3)
咳嗽 Cough 男性 29 7( 24.1) 64 8( 12.5) 女性 5 0( 0.0) 7 1( 14.3)
浮動性めまい Dizziness 男性 29 1( 3.4) 64 6( 9.4) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
頭痛 Headache 男性 29 2( 6.9) 64 7( 10.9) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
疲労 Fatigue 男性 29 0( 0.0) 64 6( 9.4) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
嘔吐 Vomiting 男性 29 2( 6.9) 64 5( 7.8) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
下痢 Diarrhoea 男性 29 0( 0.0) 64 4( 6.3) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
鼻閉 Nasal congestion 男性 29 0( 0.0) 64 4( 6.3) 女性 5 0( 0.0) 7 1( 14.3)
咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain 男性 29 2( 6.9) 64 3( 4.7)
女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0) 鼻漏 Rhinorrhoea
男性 29 4( 13.8) 64 4( 6.3) 女性 5 0( 0.0) 7 0( 0.0)
体重減少 Weight decreased 男性 29 0( 0.0) 64 4( 6.3)
ATX 群において 5%以上の発現率で認められた事象 A_S010_TEAESUB_TEAE_S_SEX.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
672
2.7.4.5.1.3.3 LYBR試験
LYBR 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を性別に表 2.7.4-
415 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上有害事象が認められた症例は、女性で 89.3%(25/28)、
男性で 86.0%(117/136)であった。
また、比較的よく見られた有害事象のうち、アトモキセチン群の女性と男性で発現率
の差が 10%以上であった事象は、悪心(女性 28.6%、男性 18.4%、発現率の差 10.2%)
のみであった。メチルフェニデート群での悪心の発現率も、女性での発現率が高かった。
プラセボ対照試験ではないため評価は難しいが、性別の違いは全体の有害事象発現率
に影響を及ぼさないと考えられた。
表 2.7.4-415. 性別の有害事象(LYBR試験)
アトモキセチン メチルフェニデート 有害事象名 MedDRA PT (Ver9.0) 性別
N n (%) N n (%) 女性 28 25( 89.3) 32 19( 59.4)
1 件以上有害事象が認められた症例数 男性 136 117( 86.0) 134 93( 69.4) 女性 28 11( 39.3) 32 9( 28.1)
食欲不振 Anorexia 男性 136 50( 36.8) 134 33( 24.6) 女性 28 7( 25.0) 32 3( 9.4)
食欲減退 Decreased appetite 男性 136 39( 28.7) 134 29( 21.6) 女性 28 8( 28.6) 32 0( 0.0)
傾眠 Somnolence 男性 136 35( 25.7) 134 6( 4.5) 女性 28 8( 28.6) 32 6( 18.8)
悪心 Nausea 男性 136 25( 18.4) 134 11( 8.2) 女性 28 5( 17.9) 32 4( 12.5)
浮動性めまい Dizziness 男性 136 20( 14.7) 134 8( 6.0) 女性 28 4( 14.3) 32 3( 9.4)
頭痛 Headache 男性 136 21( 15.4) 134 13( 9.7) 女性 28 2( 7.1) 32 1( 3.1)
嘔吐 Vomiting 男性 136 17( 12.5) 134 5( 3.7) 女性 28 4( 14.3) 32 3( 9.4)
腹痛 Abdominal pain 男性 136 11( 8.1) 134 12( 9.0) 女性 28 2( 7.1) 32 2( 6.3)
疲労 Fatigue 男性 136 11( 8.1) 134 3( 2.2) 女性 28 2( 7.1) 32 1( 3.1)
咳嗽 Cough 男性 136 9( 6.6) 134 9( 6.7) 女性 28 2( 7.1) 32 0( 0.0)
発熱 Pyrexia 男性 136 9( 6.6) 134 17( 12.7) 女性 28 1( 3.6) 32 2( 6.3)
上気道感染 Upper respiratory tract infection 男性 136 8( 5.9) 134 9( 6.7)
ATX 群において 5%以上の発現率で認められた事象 A_LYBR_TEAESUB_TEAE_S_SEX.tsv
2.7.4.5.1.3.4 LYAC試験
LYAC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を性別に表 2.7.4-
416 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、女性で ATX_ALL 群 88.5%(54/61)、プラセ
ボ群 70.8%(17/24)、発現率の差 17.7%、男性で ATX_ALL 群 70.7%(106/150)、プラ
セボ群 81.4%(48/59)、発現率の差-10.7%であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
673
比較的よく見られた個別の事象ごとに、各性別の ATX_ALL 群とプラセボ群との有害
事象発現率の差を評価した場合、男女ともに ATX_ALL 群での発現率が 5%以上高かっ
た事象は、浮動性めまい(女性 5.6%、男性 6.0%、差 0.4%)であった。
ATX_ALL 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象発現率の差及び個々の事象の評価
から、有害事象の発現率に性別による影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
674
表 2
.7.4
-416
. 性別の有害事象(
LYA
C試験)
PL
C
AT
X_0
.5
AT
X_1
.2
AT
X_1
.8
AT
X_A
LL
事
象分
類
Med
DR
A
Ver
sion
9.0
性
別
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) 女性
24
17
( 70.
8)
13
10( 7
6.9)
24
22
( 91.
7)
24
22( 9
1.7)
61
54
( 88.
5)
1件以上の有害事象が認められた症例数
男性
59
48
( 81.
4)
31
24( 7
7.4)
60
42
( 70.
0)
59
40( 6
7.8)
15
010
6( 7
0.7)
女性
24
2(
8.3
) 13
6(
46.
2)
24
8( 3
3.3)
24
8(
33.
3)
61
22( 3
6.1)
頭痛
H
eada
che
男性
59
17
( 28.
8)
31
5( 1
6.1)
60
14
( 23.
3)
59
15( 2
5.4)
15
034
( 22.
7)
女性
24
3(
12.
5)
13
3( 2
3.1)
24
5(
20.
8)
24
5( 2
0.8)
61
13
( 21.
3)
上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
男性
59
5(
8.5
) 31
1(
3.2
) 60
8(
13.
3)
59
8( 1
3.6)
15
017
( 11.
3)
女性
24
1(
4.2
) 13
3(
23.
1)
24
5( 2
0.8)
24
5(
20.
8)
61
13( 2
1.3)
咳嗽
C
ough
男性
59
2(
3.4
) 31
3(
9.7
) 60
1(
1.7
) 59
3(
5.1
) 15
07(
4.7
) 女性
24
4(
16.
7)
13
2( 1
5.4)
24
1(
4.2
) 24
2(
8.3
) 61
5(
8.2
) 咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
男性
59
8(
13.
6)
31
3( 9
.7)
60
6( 1
0.0)
59
6(
10.
2)
150
15( 1
0.0)
女性
24
2(
8.3
) 13
1(
7.7
) 24
3(
12.
5)
24
4( 1
6.7)
61
8(
13.
1)
嘔吐
V
omiti
ng
男性
59
4(
6.8
) 31
2(
6.5
) 60
5(
8.3
) 59
5(
8.5
) 15
012
( 8.
0)
女性
24
2(
8.3
) 13
1(
7.7
) 24
2(
8.3
) 24
2(
8.3
) 61
5(
8.2
) 食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
男性
59
2(
3.4
) 31
1(
3.2
) 60
7(
11.
7)
59
6( 1
0.2)
15
014
( 9.
3)
女性
24
1(
4.2
) 13
2(
15.
4)
24
3( 1
2.5)
24
1(
4.2
) 61
6(
9.8
) 浮動性めまい
D
izzi
ness
男性
59
0(
0.0
) 31
3(
9.7
) 60
2(
3.3
) 59
4(
6.8
) 15
09(
6.0
) 女性
24
2(
8.3
) 13
1(
7.7
) 24
1(
4.2
) 24
4(
16.
7)
61
6( 9
.8)
傾眠
So
mno
lenc
e 男性
59
1(
1.7
) 31
0(
0.0
) 60
3(
5.0
) 59
5(
8.5
) 15
08(
5.3
) 女性
24
2(
8.3
) 13
1(
7.7
) 24
2(
8.3
) 24
1(
4.2
) 61
4(
6.6
) 鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 男性
59
6(
10.
2)
31
2( 6
.5)
60
2( 3
.3)
59
4( 6
.8)
150
8( 5
.3)
女性
24
1(
4.2
) 13
2(
15.
4)
24
2( 8
.3)
24
0( 0
.0)
61
4( 6
.6)
悪心
N
ause
a 男性
59
3(
5.1
) 31
0(
0.0
) 60
3(
5.0
) 59
4(
6.8
) 15
07(
4.7
) 女性
24
1(
4.2
) 13
1(
7.7
) 24
1(
4.2
) 24
1(
4.2
) 61
3(
4.9
) 発疹
R
ash
男性
59
0(
0.0
) 31
2(
6.5
) 60
3(
5.0
) 59
3(
5.1
) 15
08(
5.3
) 女性
24
0(
0.0
) 13
0(
0.0
) 24
2(
8.3
) 24
1(
4.2
) 61
3(
4.9
) 耳感染
Ea
r inf
ectio
n 男性
59
0(
0.0
) 31
0(
0.0
) 60
0(
0.0
) 59
3(
5.1
) 15
03(
2.0
) 女性
24
0(
0.0
) 13
0(
0.0
) 24
1(
4.2
) 24
1(
4.2
) 61
2(
3.3
) 耳痛
Ea
r pai
n 男性
59
0(
0.0
) 31
0(
0.0
) 60
1(
1.7
) 59
3(
5.1
) 15
04(
2.7
) 女性
24
0(
0.0
) 13
0(
0.0
) 24
0(
0.0
) 24
2(
8.3
) 61
2(
3.3
) そう痒症
Pr
uritu
s 男性
59
0(
0.0
) 31
0(
0.0
) 60
1(
1.7
) 59
2(
3.4
) 15
03(
2.0
) 女性
24
0(
0.0
) 13
0(
0.0
) 24
0(
0.0
) 24
1(
4.2
) 61
1(
1.6
) 節足動物咬傷
A
rthro
pod
bite
男性
59
0(
0.0
) 31
0(
0.0
) 60
0(
0.0
) 59
2(
3.4
) 15
02(
1.3
) アトモキセチン群において、
5%以上の発現率又
は、
Coc
hran
Arm
itage
傾向検定で有意だった事象
A
_T14
_23_
SEX
.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
675
2.7.4.5.1.3.5 短期投与試験(BID/QD)の併合解析
短期投与試験(BID/QD)の併合解析より、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害
事象について、男性又は女性のアトモキセチン群のプラセボ群に対するオッズ比を表
2.7.4-417 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上有害事象が認められた症例は、女性患者及び男性患者で
それぞれ 76.5%(276/361)及び 72.7%(898/1236)であり、プラセボ群に対するアトモ
キセチン群のオッズ比は、それぞれ 1.89 及び 1.55 であった。女性の患者と男性の患者
のオッズ比に統計学的に有意な差は見られなかった(p=0.353)。
女性の患者又は男性の患者で 5%以上の発現率が認められ、かつプラセボ群に対する
アトモキセチン群のオッズ比に性別間で統計学的に有意な差が見られた事象は、頭痛
(p=0.008)及び咳嗽(p=0.023)でいずれも女性でオッズ比が高かった。しかし、女性
及び男性の患者のプラセボ群におけるこれらの有害事象の発生率を考慮すると、臨床的
に意義のある差はないと考えられた。
以上の結果より、有害事象の発現率に性別による影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
676
表 2
.7.4
-417
. 性別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
性別
N
n
(%)
N
n (%
)推
定値
信
頼下限
信頼
上限
p値
*
女性
21
213
463
.2
361
276
76.5
1.89
1.
31
2.74
1件以上の有害事象が認められた症例数
男性
72
245
663
.2
1236
898
72.7
1.55
1.
27
1.89
0.
353
女性
21
218
8.5
361
6718
.62.
46
1.42
4.
26
頭痛
H
eada
che
男性
72
212
617
.5
1236
233
18.9
1.1
0.87
1.
4 0.
008
女性
21
212
5.7
361
5214
.42.
8 1.
46
5.39
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
男性
72
227
3.7
1236
205
16.6
5.12
3.
39
7.73
0.
123
女性
21
219
9 36
163
17.5
2.15
1.
25
3.7
上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
男性
72
262
8.6
1236
148
121.
45
1.06
1.
98
0.21
7
女性
21
211
5.2
361
4011
.12.
28
1.14
4.
54
嘔吐
V
omiti
ng
男性
72
242
5.8
1236
128
10.4
1.87
1.
3 2.
68
0.62
0
女性
21
213
6.1
361
349.
41.
59
0.82
3.
09
悪心
N
ause
a 男性
72
230
4.2
1236
127
10.3
2.64
1.
75
3.98
0.
200
女性
21
27
3.3
361
256.
92.
18
0.93
5.
13
傾眠
So
mno
lenc
e 男性
72
227
3.7
1236
114
9.2
2.62
1.
7 4.
02
0.70
9
女性
21
27
3.3
361
195.
31.
63
0.67
3.
94
疲労
Fa
tigue
男性
72
221
2.9
1236
100
8.1
2.94
1.
82
4.75
0.
245
女性
21
211
5.2
361
298
1.6
0.78
3.
27
咳嗽
C
ough
男性
72
257
7.9
1236
645.
20.
64
0.44
0.
92
0.02
3
女性
21
29
4.2
361
174.
71.
11
0.49
2.
55
易刺激性
Ir
ritab
ility
男性
72
218
2.5
1236
715.
72.
38
1.41
4.
03
0.12
4
女性
21
216
7.5
361
226.
10.
79
0.41
1.
55
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 男性
72
244
6.1
1236
665.
30.
87
0.59
1.
29
0.82
1
女性
21
220
9.4
361
164.
40.
45
0.23
0.
88
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
男性
72
249
6.8
1236
584.
70.
68
0.46
1
0.29
6
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
677
表 2
.7.4
-417
. 性別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
性別
N
n
(%)
N
n (%
)推
定値
信
頼下限
信頼
上限
p値
*
女性
21
25
2.4
361
195.
32.
3 0.
85
6.25
浮動性めまい
D
izzi
ness
男性
72
210
1.4
1236
534.
33.
19
1.61
6.
31
0.59
5
女性
21
21
0.5
361
7 1.
94.
17
0.51
34
.15
体重減少
W
eigh
t dec
reas
ed
男性
72
22
0.3
1236
413.
312
.35
2.98
51
.22
0.38
3
女性
21
24
1.9
361
9 2.
51.
33
0.4
4.37
食欲不振
A
nore
xia
男性
72
27
1 12
3638
3.1
3.24
1.
44
7.29
0.
217
女性
21
25
2.4
361
6 1.
70.
7 0.
21
2.32
下痢
D
iarr
hoea
男性
72
236
5 12
3634
2.8
0.54
0.
33
0.87
0.
691
女性
21
21
0.5
361
8 2.
24.
78
0.59
38
.5
腹痛
A
bdom
inal
pai
n 男性
72
26
0.8
1236
312.
53.
07
1.27
7.
39
0.69
9
女性
21
23
1.4
361
8 2.
21.
58
0.41
6.
02
発疹
R
ash
男性
72
27
1 12
3631
2.5
2.63
1.
15
6 0.
523
女性
21
22
0.9
361
102.
82.
99
0.65
13
.78
胃不快感
St
omac
h di
scom
fort
男性
72
28
1.1
1236
262.
11.
92
0.86
4.
26
0.61
1
女性
21
25
2.4
361
102.
81.
18
0.4
3.5
鼻閉
N
asal
con
gest
ion
男性
72
232
4.4
1236
241.
90.
43
0.25
0.
73
0.09
4
女性
21
21
0.5
361
7 1.
94.
17
0.51
34
.15
鎮静
Se
datio
n 男性
72
23
0.4
1236
231.
94.
54
1.36
15
.19
0.94
5
女性
21
24
1.9
361
5 1.
40.
73
0.19
2.
75
気分動揺
M
ood
swin
gs
男性
72
21
0.1
1236
221.
813
.07
1.76
97
.14
0.00
5
女性
21
20
0 36
17
1.9
- -
- 便秘
C
onst
ipat
ion
男性
72
25
0.7
1236
181.
52.
12
0.78
5.
73
0.17
4
女性
21
20
0 36
12
0.6
- -
- 消化不良
D
yspe
psia
男性
72
22
0.3
1236
161.
34.
72
1.08
20
.59
0.61
9
女性
21
24
1.9
361
4 1.
10.
58
0.14
2.
35
食欲亢進
In
crea
sed
appe
tite
男性
72
215
2.1
1236
9 0.
70.
35
0.15
0.
79
0.52
7
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
678
表 2
.7.4
-417
. 性別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
性別
N
n
(%)
N
n (%
)推
定値
信
頼下限
信頼
上限
p値
*
女性
21
20
0 36
11
0.3
- -
- -
早朝覚醒
Ea
rly m
orni
ng a
wak
enin
g 男性
72
20
0 12
3611
0.9
- -
- -
女性
21
20
0 36
14
1.1
- -
- -
散瞳
M
ydria
sis
男性
72
20
0 12
368
0.6
- -
- -
女性
21
20
0 36
14
1.1
- -
- -
無力症
A
sthe
nia
男性
72
20
0 12
367
0.6
- -
- -
女性
21
24
1.9
361
1 0.
30.
14
0.02
1.
3 関節痛
A
rthra
lgia
男性
72
210
1.4
1236
8 0.
60.
46
0.18
1.
18
0.32
2
女性
21
22
0.9
361
0 0
- -
- 遺尿
En
ures
is
男性
72
28
1.1
1236
5 0.
40.
36
0.12
1.
11
0.28
4
女性
21
22
0.9
361
1 0.
30.
29
0.03
3.
24
季節性アレルギー
Se
ason
al a
llerg
y 男性
72
25
0.7
1236
2 0.
20.
23
0.04
1.
2 0.
878
女性
21
24
1.9
361
1 0.
30.
14
0.02
1.
3 体重増加
W
eigh
t inc
reas
ed
男性
72
27
1 12
361
0.1
0.08
0.
01
0.67
0.
717
アトモキセチン群での頻度の高い順に示した。
アトモキセチン群において
5%以上の発現率が認められた事象
対象とした試験:
(B
ID試験)
HFB
D試験、
HFB
K試験、
LYA
C試験、
LYA
S試験、
LYB
I試験、
LYB
P試験
(Q
D試験)
LYA
T試験、
LYA
W試験、
LYA
X試験、
LYB
G試験、
LYC
C試験、
LYB
X試験、
LYC
Z試験、
S010
試験
*部
分集団間のオッズ比を、
Bre
slow
-Day
検定を用いて比較した。
T2
_7_4
_182
.xls
Tabl
e2.7
.4.1
82_1
(注
1):表
2.7.
4-3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
679
2.7.4.5.1.3.6 バイタルサイン、身長、体重及び心電図
LYBC 試験及び LYAC 試験において、以下の各解析の性別による部分集団解析を実施
した。結果は第 2.7.4.7.4.3 項に示した。
バイタルサイン、身長及び体重の変化量、バイタルサイン及び体重のカテゴリー解析、
心電図の変化量及びカテゴリー解析の結果からは、性別の違いによる臨床的に重要と考
えられる差は認められなかった。
• バイタルサイン、身長及び体重のベースラインからの変化量:表 2.7.4.7-143
• バイタルサイン異常:表 2.7.4.7-144
• 心電図のベースラインからの変化量:表 2.7.4.7-145
• 心電図異常:表 2.7.4.7-146
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
680
2.7.4.5.1.4 AD/HDサブタイプ別
2.7.4.5.1.4.1 LYBC試験
LYBC 試験においてアトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を AD/HD サブタイ
プ別に表 2.7.4-418 に示した。
1 件以上の有害事象が認められた症例は、不注意優勢型で ATX_ALL 群 76.1%
(86/113)、プラセボ群 75.7%(28/37)、発現率の差 0.4%、混合型で ATX_ALL 群
86.7%(52/60)、プラセボ群 62.5%(15/24)、発現率の差 24.2%、多動性-衝動性優勢
型で ATX_ALL 群 60.0%(6/10)、プラセボ群 0%(0/1)、発現率の差 60.0%であった。
比較的よく見られた個別の事象ごとに、各サブタイプの ATX_ALL 群とプラセボ群と
の有害事象発現率の差を評価した場合、いずれのサブタイプでも ATX_ALL 群での発現
率が 5%以上高かった事象は、食欲減退と嘔吐であった。ATX_ALL 群とプラセボ群との
発現率の差は、不注意優勢型、混合型、多動性-衝動性優勢型の順にそれぞれ、食欲減
退では 5.2%、13.3%、20.0%、嘔吐では 8.0%、8.3%、10.0%であった。
各部分集団の例数に偏りがあり、特に多動性-衝動性優勢型がプラセボ群で 1 例、
ATX_ALL 群で 10 例と少ないことから、これらの差は臨床的に問題となるものではない
と考えられた。有害事象の発現率に AD/HD サブタイプの違いによる影響はないと考え
られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
681
表 2
.7.4
-418
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A (V
ersi
on 9
.1)
AD
/HDサ
ブタイ
プ
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) 不
注意優勢型
37
28( 7
5.7)
38
29( 7
6.3)
36
27( 7
5.0)
39
30( 7
6.9)
11
386
( 76.
1)
混合型
24
15( 6
2.5)
21
18( 8
5.7)
20
18( 9
0.0)
19
16( 8
4.2)
60
52( 8
6.7)
1件以上の有害事象が認められた症例数
多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 2(
66.
7)
4 2(
50.
0)
3 2(
66.
7)
106(
60.
0)
不注意優勢型
37
6( 1
6.2)
38
4(
10.
5)
364(
11.
1)
397(
17.
9)
113
15( 1
3.3)
混
合型
24
4( 1
6.7)
21
6(
28.
6)
203(
15.
0)
194(
21.
1)
6013
( 21.
7)
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 1(
33.
3)
4 0(
0.0
) 3
0( 0
.0)
101(
10.
0)
不注意優勢型
37
2( 5
.4)
38
3( 7
.9)
368(
22.
2)
398(
20.
5)
113
19( 1
6.8)
混
合型
24
2( 8
.3)
21
4( 1
9.0)
20
2( 1
0.0)
19
1( 5
.3)
607(
11.
7)
頭痛
H
eada
che
多動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 10
0( 0
.0)
不注意優勢型
37
2( 5
.4)
38
1( 2
.6)
364(
11.
1)
397(
17.
9)
113
12( 1
0.6)
混
合型
24
0( 0
.0)
21
2( 9
.5)
202(
10.
0)
194(
21.
1)
608(
13.
3)
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
0( 0
.0)
3 2(
66.
7)
102(
20.
0)
不注意優勢型
37
2( 5
.4)
38
3( 7
.9)
362(
5.6
) 39
6( 1
5.4)
11
311
( 9.
7)
混合型
24
2( 8
.3)
21
1( 4
.8)
203(
15.
0)
191(
5.3
) 60
5( 8
.3)
傾眠
So
mno
lenc
e 多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
1( 2
5.0)
3
1( 3
3.3)
10
2( 2
0.0)
不
注意優勢型
37
2( 5
.4)
38
3( 7
.9)
364(
11.
1)
395(
12.
8)
113
12( 1
0.6)
混
合型
24
1( 4
.2)
21
1( 4
.8)
202(
10.
0)
191(
5.3
) 60
4( 6
.7)
悪心
N
ause
a 多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 10
0( 0
.0)
不注意優勢型
37
0( 0
.0)
38
1( 2
.6)
364(
11.
1)
394(
10.
3)
113
9( 8
.0)
混合型
24
0( 0
.0)
21
1( 4
.8)
203(
15.
0)
191(
5.3
) 60
5( 8
.3)
嘔吐
V
omiti
ng
多動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 1(
33.
3)
4 0(
0.0
) 3
0( 0
.0)
101(
10.
0)
不注意優勢型
37
1( 2
.7)
38
4( 1
0.5)
36
2( 5
.6)
391(
2.6
) 11
37(
6.2
) 混
合型
24
4( 1
6.7)
21
1(
4.8
) 20
2( 1
0.0)
19
1( 5
.3)
604(
6.7
) 腹痛
A
bdom
inal
pai
n 多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 10
0( 0
.0)
不注意優勢型
37
1( 2
.7)
38
1( 2
.6)
364(
11.
1)
393(
7.7
) 11
38(
7.1
) 混
合型
24
1( 4
.2)
21
0( 0
.0)
202(
10.
0)
191(
5.3
) 60
3( 5
.0)
下痢
D
iarr
hoea
多
動性-衝動性優勢型
1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 4
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 10
0( 0
.0)
ATX
_ALL
群での発現率が
5%以上で認められた
有害事象
Ta
ble
LYB
C.1
4.23
d
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
682
2.7.4.5.1.4.2 S010試験
S010 試験においてアトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を AD/HD サブタイ
プ別に表 2.7.4-419 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、不注意優勢型で ATX 群 88.9%(16/18)、プラ
セボ群 33.3%(4/12)、発現率の差 55.6%、混合型で ATX 群 71.7%(38/53)、プラセボ
群 54.5%(12/22)、発現率の差 17.2%であった。多動性-衝動性優勢型の患者は組み入
れられなかった。また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、各サブタイプの ATX
群とプラセボ群との有害事象発現率の差を評価した場合、いずれのサブタイプでも ATX
群での発現率が 10%以上高かった事象は、食欲減退、傾眠、悪心であった。ATX 群とプ
ラセボ群との発現率の差は、不注意優勢型、混合型の順にそれぞれ、食欲減退では
19.4%、24.9%、傾眠では 13.9%、15.4%、悪心では 16.7%、17.0%であった。
各サブタイプでの ATX 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象の発現率の差では、
不注意優勢型が混合型よりも 38.4%高かったが、プラセボ群の不注意優勢型での発現率
が低かったことが影響していると考えられた。個別の事象の評価をあわせて考えると、
有害事象の発現率に不注意優勢型と混合型の違いによる影響はないと考えられた。
表 2.7.4-419. AD/HDサブタイプ別の有害事象(S010試験)
PLC ATX 有害事象名 MedDRA (Version 9.0)
AD/HD サブタイプ N n (%) N n (%)
不注意優勢型 12 4( 33.3) 18 16( 88.9) 1 件以上有害事象が認められた症例数
混合型 22 12( 54.5) 53 38( 71.7) 不注意優勢型 12 3( 25.0) 18 8( 44.4)
食欲減退 Decreased appetite混合型 22 2( 9.1) 53 18( 34.0) 不注意優勢型 12 1( 8.3) 18 4( 22.2)
傾眠 Somnolence 混合型 22 2( 9.1) 53 13( 24.5) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 3( 16.7)
悪心 Nausea 混合型 22 0( 0.0) 53 9( 17.0) 不注意優勢型 12 2( 16.7) 18 4( 22.2)
咳嗽 Cough 混合型 22 5( 22.7) 53 5( 9.4) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 0( 0.0)
浮動性めまい Dizziness 混合型 22 1( 4.5) 53 7( 13.2) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 1( 5.6)
頭痛 Headache 混合型 22 2( 9.1) 53 6( 11.3) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 2( 11.1)
疲労 Fatigue 混合型 22 0( 0.0) 53 4( 7.5) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 0( 0.0)
嘔吐 Vomiting 混合型 22 2( 9.1) 53 5( 9.4) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 1( 5.6)
下痢 Diarrhoea 混合型 22 0( 0.0) 53 3( 5.7) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 1( 5.6)
鼻閉 Nasal congestion 混合型 22 0( 0.0) 53 3( 5.7) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 2( 11.1)
咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain 混合型 22 2( 9.1) 53 2( 3.8)
不注意優勢型 12 2( 16.7) 18 2( 11.1) 鼻漏 Rhinorrhoea
混合型 22 2( 9.1) 53 2( 3.8) 不注意優勢型 12 0( 0.0) 18 0( 0.0)
体重減少 Weight decreased混合型 22 0( 0.0) 53 4( 7.5)
ATX 群で 5%以上の発現率で認められた事象 A_S010_TEAESUB_TEAE_S_SUB.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
683
2.7.4.5.1.4.3 LYBR試験
LYBR 試験においてアトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を AD/HD サブタイ
プ別に表 2.7.4-420 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上有害事象が認められた症例は、不注意優勢型で 91.5%
(54/59)、混合型で 84.2%(85/101)、多動性-衝動性優勢型で 75.0%(3/4)であった。
また、比較的よく見られた有害事象のうち、各サブタイプのアトモキセチン群とプラ
セボ群との有害事象発現率の差を評価した場合、いずれかのサブタイプ間の発現率の差
が 10%以上あった事象は、食欲不振、傾眠、浮動性めまい、頭痛、嘔吐、腹痛、疲労、
発熱、上気道感染であった。多動性-衝動性優勢型が 4 例と少ないことから、不注意優
勢型と混合型に注目して評価した場合、その発現率の差が 10%以上あった事象は発熱
(不注意優勢型 16.9%、混合型 1.0%)のみであった。
プラセボ対照試験ではないこと、また各部分集団の例数に偏りがあり、特に多動性-
衝動性優勢型が 4 例と少ないことから、個々の事象で見られた発現率の差は臨床的に問
題となるものではないと考えられた。有害事象の発現率に AD/HD サブタイプの違いに
よる影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
684
表 2.7.4-420. AD/HDサブタイプ別の有害事象(LYBR試験)
アトモキセチン メチルフェニデート 有害事象名 MedDRA (Version 9.0) AD/HD サブタイプ
N n (%) N n (%) 不注意優勢型 59 54( 91.5) 65 38( 58.5)混合型 101 85( 84.2) 95 69( 72.6)1 件以上有害事象が認められた症例数 多動性-衝動性優勢型 4 3( 75.0) 6 5( 83.3)不注意優勢型 59 23( 39.0) 65 15( 23.1)混合型 101 36( 35.6) 95 25( 26.3)食欲不振 Anorexia 多動性-衝動性優勢型 4 2( 50.0) 6 2( 33.3)不注意優勢型 59 15( 25.4) 65 11( 16.9)混合型 101 30( 29.7) 95 20( 21.1)食欲減退 Decreased appetite 多動性-衝動性優勢型 4 1( 25.0) 6 1( 16.7)不注意優勢型 59 16( 27.1) 65 2( 3.1)混合型 101 25( 24.8) 95 4( 4.2)傾眠 Somnolence 多動性-衝動性優勢型 4 2( 50.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 12( 20.3) 65 9( 13.8)混合型 101 20( 19.8) 95 7( 7.4)悪心 Nausea 多動性-衝動性優勢型 4 1( 25.0) 6 1( 16.7)不注意優勢型 59 6( 10.2) 65 1( 1.5)混合型 101 18( 17.8) 95 9( 9.5)浮動性めまい Dizziness 多動性-衝動性優勢型 4 1( 25.0) 6 2( 33.3)不注意優勢型 59 7( 11.9) 65 6( 9.2)混合型 101 18( 17.8) 95 10( 10.5)頭痛 Headache 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 5( 8.5) 65 2( 3.1)混合型 101 14( 13.9) 95 4( 4.2)嘔吐 Vomiting 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 4( 6.8) 65 1( 1.5)混合型 101 11( 10.9) 95 14( 14.7)腹痛 Abdominal pain 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 2( 3.4) 65 1( 1.5)混合型 101 11( 10.9) 95 4( 4.2)疲労 Fatigue 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 5( 8.5) 65 6( 9.2)混合型 101 6( 5.9) 95 4( 4.2)咳嗽 Cough 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 10( 16.9) 65 7( 10.8)混合型 101 1( 1.0) 95 10( 10.5)発熱 Pyrexia 多動性-衝動性優勢型 4 0( 0.0) 6 0( 0.0)不注意優勢型 59 1( 1.7) 65 2( 3.1)混合型 101 7( 6.9) 95 9( 9.5)上気道感染 Upper respiratory tract
infection 多動性-衝動性優勢型 4 1( 25.0) 6 0( 0.0)
ATX 群で 5%以上の発現率で認められた事象 A_LYBR_TEAESUB_TEAE_S_SUB.tsv
2.7.4.5.1.4.4 LYAC試験
LYAC 試験においてアトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を AD/HD サブタイ
プ別に表 2.7.4-421 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、不注意優勢型で ATX_ALL 群 82.3%(51/62)、
プラセボ群 85.7%( 24/28)、発現率の差 -3.4%、混合型で ATX_ALL 群 72.6%
(106/146)、プラセボ群 75.0%(39/52)、発現率の差-2.4%、多動性-衝動性優勢型で
ATX_ALL 群 100.0%(3/3)、プラセボ群 100.0%(2/2)、発現率の差 0%であった。
ATX_ALL 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象発現率の差から、AD/HD サブタイプ
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
685
の違いは全体としての有害事象の発現率に影響を及ぼさないと考えられた。比較的よく
見られた個別の事象ごとに、各サブタイプの ATX_ALL 群とプラセボ群との有害事象発
現率の差を評価した場合、いずれの部分集団でも ATX_ALL 群での発現率が 5%以上高
かった事象は認められなかった。
全体として、有害事象の発現率に AD/HD サブタイプの違いによる影響はないと考え
られた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
686
表 2
.7.4
-421
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(
LYA
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A (V
ersi
on 9
.0)
AD
/HDサ
ブタ
イプ
N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
不注
意優
勢型
28
24( 8
5.7)
13
13
(100
.0)
2318
( 78.
3)26
20( 7
6.9)
62
51( 8
2.3)
混合
型
5239
( 75.
0)
30
20( 6
6.7)
6045
( 75.
0)56
41( 7
3.2)
146
106(
72.
6)1件
以上
の有害事
象が認
められた
症例数
多
動性
-衝
動性
型
2 2(
100.
0)
1 1(
100.
0)1
1(10
0.0)
1 1(
100.
0)3
3(10
0.0)
不注
意優
勢型
28
8( 2
8.6)
13
5(
38.
5)
234(
17.
4)
266(
23.
1)
62
15( 2
4.2)
混合
型
5210
( 19.
2)
30
5( 1
6.7)
60
17( 2
8.3)
5616
( 28.
6)14
638
( 26.
0)頭
痛
Hea
dach
e 多
動性
-衝
動性
型
2 1(
50.
0)
1 1(
100.
0)1
1(10
0.0)
1 1(
100.
0)3
3(10
0.0)
不注
意優
勢型
28
3( 1
0.7)
13
2(
15.
4)
235(
21.
7)
263(
11.
5)
62
10( 1
6.1)
混合
型
525(
9.6
) 30
1(
3.3
) 60
7( 1
1.7)
56
10( 1
7.9)
146
18( 1
2.3)
上腹
部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
多動
性-
衝動
性型
2
0( 0
.0)
1 1(
100.
0)1
1(10
0.0)
1 0(
0.0
) 3
2( 6
6.7)
不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
2(
15.
4)
232(
8.7
) 26
2( 7
.7)
62
6( 9
.7)
混合
型
523(
5.8
) 30
4(
13.
3)
604(
6.7
) 56
6( 1
0.7)
14
614
( 9.
6)咳
嗽
Cou
gh
多動
性-
衝動
性型
2
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 3
0( 0
.0)
不注
意優
勢型
28
4( 1
4.3)
13
2(
15.
4)
232(
8.7
) 26
6( 2
3.1)
62
10
( 16.
1)混
合型
52
8( 1
5.4)
30
3(
10.
0)
605(
8.3
) 56
2( 3
.6)
146
10(
6.8)
咽喉
頭疼
痛
Phar
yngo
lary
ngea
l pai
n 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
281(
3.6
) 13
0(
0.0
) 23
1( 4
.3)
263(
11.
5)
62
4( 6
.5)
混合
型
524(
7.7
) 30
2(
6.7
) 60
7( 1
1.7)
56
5( 8
.9)
146
14(
9.6)
嘔吐
V
omiti
ng
多動
性-
衝動
性型
2
1( 5
0.0)
1
1(10
0.0)
1 0(
0.0
) 1
1(10
0.0)
3 2(
66.
7)
不注
意優
勢型
28
2( 7
.1)
13
1( 7
.7)
234(
17.
4)
261(
3.8
) 62
6(
9.7
) 混
合型
52
2( 3
.8)
30
1( 3
.3)
605(
8.3
) 56
6( 1
0.7)
14
612
( 8.
2)食
欲減
退
Dec
reas
ed a
ppet
ite
多動
性-
衝動
性型
2
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 1(
100.
0)3
1( 3
3.3)
不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
1(
7.7
) 23
0( 0
.0)
261(
3.8
) 62
2(
3.2
) 混
合型
52
1( 1
.9)
30
4( 1
3.3)
60
5( 8
.3)
564(
7.1
) 14
613
( 8.
9)浮
動性
めまい
D
izzi
ness
多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
281(
3.6
) 13
1(
7.7
) 23
0( 0
.0)
261(
3.8
) 62
2(
3.2
) 混
合型
52
2( 3
.8)
30
0( 0
.0)
604(
6.7
) 56
7( 1
2.5)
14
611
( 7.
5)傾
眠
Som
nole
nce
多動
性-
衝動
性型
2
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 1(
100.
0)3
1( 3
3.3)
(
続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
687
表 2
.7.4
-421
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(
LYA
C試験)(続き)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
事象
分類
M
edD
RA
V
ersi
on 9
.0
AD
/HD
サブ
タイ
プ
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) 不
注意
優勢
型
283(
10.
7)
13
2( 1
5.4)
23
1( 4
.3)
260(
0.0
) 62
3(
4.8
) 混
合型
52
5( 9
.6)
30
1( 3
.3)
603(
5.0
) 56
5( 8
.9)
146
9( 6
.2)
鼻咽
頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
282(
7.1
) 13
0(
0.0
) 23
0( 0
.0)
263(
11.
5)
62
3( 4
.8)
混合
型
522(
3.8
) 30
2(
6.7
) 60
5( 8
.3)
561(
1.8
) 14
68(
5.5
) 悪
心
Nau
sea
多動
性-
衝動
性型
2
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 3
0( 0
.0)
不注
意優
勢型
28
0( 0
.0)
13
1( 7
.7)
230(
0.0
) 26
1( 3
.8)
62
2( 3
.2)
混合
型
521(
1.9
) 30
2(
6.7
) 60
4( 6
.7)
563(
5.4
) 14
69(
6.2
) 発
疹
Ras
h 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
0(
0.0
) 23
1( 4
.3)
260(
0.0
) 62
1(
1.6
) 混
合型
52
0( 0
.0)
30
0( 0
.0)
601(
1.7
) 56
4( 7
.1)
146
5( 3
.4)
耳感染
Ea
r inf
ectio
n 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
0(
0.0
) 23
0( 0
.0)
260(
0.0
) 62
0(
0.0
) 混
合型
52
0( 0
.0)
30
0( 0
.0)
602(
3.3
) 56
4( 7
.1)
146
6( 4
.1)
耳痛
Ea
r pai
n 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
0(
0.0
) 23
0( 0
.0)
260(
0.0
) 62
0(
0.0
) 混
合型
52
0( 0
.0)
30
0( 0
.0)
601(
1.7
) 56
4( 7
.1)
146
5( 3
.4)
そう
痒症
Pr
uritu
s 多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) 不
注意
優勢
型
280(
0.0
) 13
0(
0.0
) 23
0( 0
.0)
260(
0.0
) 62
0(
0.0
) 混
合型
52
0( 0
.0)
30
0( 0
.0)
600(
0.0
) 56
3( 5
.4)
146
3( 2
.1)
節足
動物
咬傷
A
rthro
pod
bite
多
動性
-衝
動性
型
2 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
1 0(
0.0
) 1
0( 0
.0)
3 0(
0.0
) ア
トモ
キセチン群
におい
て、
5%以
上の発
現率又
は、
Coc
hran
Arm
itage
傾向
検定
で有
意だ
った
事象
A
_T14
_23_
SUB
TYPE
C.d
oc
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
688
2.7.4.5.1.4.5 短期投与試験(BID/QD)の併合解析
短期投与試験(BID/QD)の併合解析より、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害
事象について AD/HD サブタイプ別のプラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比
を表 2.7.4-422 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上有害事象が認められた症例は、多動性-衝動性優勢型、
不注意優勢型及び混合型の患者でそれぞれ 87.2%(34/39)、77.8%(315/405)及び
71.6%(825/1153)であり、プラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比は、それぞ
れ 5.56、1.59 及び 1.61 であった。AD/HD サブタイプ別のオッズ比の間に統計学的に有
意な差は見られなかった(p=0.157)。
5%以上の発現率が認められ、かつプラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比に
サブタイプ間で統計学的に有意な差が見られた事象はなかった。体重減少について、プ
ラセボ群に対するアトモキセチン群のオッズ比にサブタイプ間で統計学的に有意な差が
見られた(p=0.029)。しかし、アトモキセチン群での発現率は低く(多動性-衝動性優
勢型 2.6%、不注意優勢型 2.7%及び混合型 3.1%)、プラセボ群で見られた発現率を考慮
すると、臨床的に意義のある差はないと考えられた。
以上の結果より、有害事象の発現率に AD/HD サブタイプの違いによる影響はないと
考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
689
表 2
.7.4
-422
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
AD
/HDサ
ブタイ
プ
N
n (%
) N
n
(%)
推定
値
信頼
下限
信頼
上限
p値
*
多動性
-衝動性優勢型
20
1155
39
3487
.25.
56
1.54
20
.16
0.15
7 不注意優勢型
28
219
468
.8
405
315
77.8
1.59
1.
13
2.24
-
1件以上の有害事象が認められた症例数
混合型
63
138
561
11
5382
571
.61.
61
1.31
1.
97
- 多動性
-衝動性優勢型
20
2 10
39
8 20
.52.
32
0.44
12
.15
0.61
7 不注意優勢型
28
242
14.9
40
580
19.8
1.41
0.
93
2.12
-
頭痛
H
eada
che
混合型
63
110
015
.8
1153
212
18.4
1.2
0.92
1.
55
- 多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
397
17.9
4.16
0.
47
36.4
3 0.
227
不注意優勢型
28
216
5.7
405
6014
.82.
89
1.63
5.
13
- 食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
混合型
63
122
3.5
1153
190
16.5
5.46
3.
47
8.59
-
多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
397
17.9
4.16
0.
47
36.4
3 0.
109
不注意優勢型
28
231
11
405
4711
.61.
06
0.66
1.
72
- 上腹部痛
A
bdom
inal
pai
n up
per
混合型
63
149
7.8
1153
157
13.6
1.87
1.
34
2.62
-
多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
3911
28.2
7.46
0.
89
62.7
1 0.
292
不注意優勢型
28
218
6.4
405
389.
41.
52
0.85
2.
72
- 嘔吐
V
omiti
ng
混合型
63
134
5.4
1153
119
10.3
2.02
1.
36
3 -
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
394
10.3
- -
- 0.
385
不注意優勢型
28
218
6.4
405
4511
.11.
83
1.04
3.
24
- 悪心
N
ause
a 混合型
63
125
4 11
5311
29.
72.
61
1.67
4.
07
- 多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
396
15.4
3.45
0.
39
30.9
0.
207
不注意優勢型
28
214
5 40
530
7.4
1.53
0.
8 2.
94
- 傾眠
So
mno
lenc
e 混合型
63
119
3 11
5310
38.
93.
16
1.92
5.
21
- 多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
396
15.4
3.45
0.
39
30.9
0.
913
不注意優勢型
28
210
3.5
405
327.
92.
33
1.13
4.
83
- 疲労
Fa
tigue
混合型
63
117
2.7
1153
817
2.73
1.
6 4.
65
- (続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
690
表 2
.7.4
-422
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名
N
n (%
) N
n
(%)
推定
値
信頼
下限
信頼
上限
p値
*
多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
392
5.1
1.03
0.
09
12.0
6 0.
471
不注意優勢型
28
216
5.7
405
256.
21.
09
0.57
2.
09
- 咳嗽
C
ough
混合型
63
151
8.1
1153
665.
70.
69
0.47
1.
01
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
393
7.7
- -
- 0.
452
不注意優勢型
28
29
3.2
405
317.
72.
51
1.18
5.
37
- 易刺激性
Ir
ritab
ility
混合型
63
118
2.9
1153
544.
71.
67
0.97
2.
88
- 多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
394
10.3
2.17
0.
23
20.8
4 0.
619
不注意優勢型
28
223
8.2
405
256.
20.
74
0.41
1.
33
- 鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 混合型
63
136
5.7
1153
595.
10.
89
0.58
1.
37
- 多動性
-衝動性優勢型
20
2 10
39
2 5.
10.
49
0.06
3.
74
0.32
4 不注意優勢型
28
220
7.1
405
266.
40.
9 0.
49
1.64
-
咽喉頭疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
混合型
63
147
7.4
1153
464
0.52
0.
34
0.78
-
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
425
不注意優勢型
28
27
2.5
405
184.
41.
83
0.75
4.
43
- 浮動性めまい
D
izzi
ness
混合型
63
18
1.3
1153
534.
63.
75
1.77
7.
94
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
029
不注意優勢型
28
23
1.1
405
112.
72.
6 0.
72
9.39
-
体重減少
W
eigh
t dec
reas
ed
混合型
63
10
0 11
5336
3.1
- -
- -
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
392
5.1
- -
- 0.
694
不注意優勢型
28
25
1.8
405
143.
51.
98
0.71
5.
57
- 食欲不振
A
nore
xia
混合型
63
16
1 11
5331
2.7
2.88
1.
19
6.94
-
多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
391
2.6
0.5
0.03
8.
44
0.80
3 不注意優勢型
28
215
5.3
405
102.
50.
45
0.2
1.02
-
下痢
D
iarr
hoea
混合型
63
125
4 11
5329
2.5
0.63
0.
36
1.08
-
多動性
-衝動性優勢型
20
1 5
392
5.1
1.03
0.
09
12.0
6 0.
244
不注意優勢型
28
20
0 40
58
2 -
- -
- 腹痛
A
bdom
inal
pai
n 混合型
63
16
1 11
5329
2.5
2.69
1.
11
6.51
-
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
691
表 2
.7.4
-422
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名
N
n (%
) N
n
(%)
推定
値
信頼
下限
信頼
上限
p値
*
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
392
5.1
- -
- 0.
431
不注意優勢型
28
24
1.4
405
7 1.
71.
22
0.35
4.
22
- 発疹
R
ash
混合型
63
16
1 11
5330
2.6
2.78
1.
15
6.72
-
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.13
8 不注意優勢型
28
23
1.1
405
184.
44.
33
1.26
14
.83
- 胃不快感
St
omac
h di
scom
fort
混合型
63
17
1.1
1153
181.
61.
41
0.59
3.
4 -
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
392
5.1
- -
- 0.
359
不注意優勢型
28
213
4.6
405
9 2.
20.
47
0.2
1.12
-
鼻閉
N
asal
con
gest
ion
混合型
63
124
3.8
1153
232
0.51
0.
29
0.92
-
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.68
3 不注意優勢型
28
21
0.4
405
9 2.
26.
39
0.8
50.6
9 -
鎮静
Se
datio
n 混合型
63
13
0.5
1153
211.
83.
88
1.15
13
.07
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
555
不注意優勢型
28
23
1.1
405
8 2
1.87
0.
49
7.13
-
気分動揺
M
ood
swin
gs
混合型
63
12
0.3
1153
181.
64.
99
1.15
21
.57
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.56
5 不注意優勢型
28
21
0.4
405
7 1.
74.
94
0.6
40.3
9 -
便秘
C
onst
ipat
ion
混合型
63
14
0.6
1153
181.
62.
49
0.84
7.
38
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
339
不注意優勢型
28
20
0 40
58
2 -
- -
- 消化不良
D
yspe
psia
混合型
63
12
0.3
1153
9 0.
82.
47
0.53
11
.49
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
411
不注意優勢型
28
26
2.1
405
2 0.
50.
23
0.05
1.
14
- 食欲亢進
In
crea
sed
appe
tite
混合型
63
113
2.1
1153
100.
90.
42
0.18
0.
95
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- -
不注意優勢型
28
20
0 40
52
0.5
- -
- -
早朝覚醒
Ea
rly m
orni
ng a
wak
enin
g 混合型
63
10
0 11
539
0.8
- -
- -
(続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
692
表 2
.7.4
-422
. A
D/H
Dサブタイプ別の有害事象(短期投与併合解析(注
1 ):
BID
/QD)(続き)
プラ
セボ
ア
トモキ
セチン
オッ
ズ比
有
害事象
名
Med
DR
A P
T (V
er 9
.0)
分類
名
N
n (%
) N
n
(%)
推定
値
信頼
下限
信頼
上限
p値
*
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
392
5.1
- -
- -
不注意優勢型
28
20
0 40
51
0.2
- -
- -
散瞳
M
ydria
sis
混合型
63
10
0 11
539
0.8
- -
- -
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
- 不注意優勢型
28
20
0 40
53
0.7
- -
- -
無力症
A
sthe
nia
混合型
63
10
0 11
538
0.7
- -
- -
多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.22
3 不注意優勢型
28
25
1.8
405
5 1.
20.
69
0.2
2.41
-
関節痛
A
rthra
lgia
混合型
63
19
1.4
1153
4 0.
30.
24
0.07
0.
78
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
391
2.6
- -
- 0.
171
不注意優勢型
28
22
0.7
405
2 0.
50.
69
0.1
4.96
-
遺尿
En
ures
is
混合型
63
18
1.3
1153
2 0.
20.
14
0.03
0.
64
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.90
7 不注意優勢型
28
23
1.1
405
1 0.
20.
23
0.02
2.
22
- 季節性アレルギー
Se
ason
al a
llerg
y 混合型
63
14
0.6
1153
2 0.
20.
27
0.05
1.
49
- 多動性
-衝動性優勢型
20
0 0
390
0 -
- -
0.35
1 不注意優勢型
28
24
1.4
405
0 0
- -
- -
体重増加
W
eigh
t inc
reas
ed
混合型
63
17
1.1
1153
2 0.
20.
15
0.03
0.
75
- アトモキセチン群での頻度の高い順に示した
。
アトモキセチン群において
5%以上の発現率が認められた事象
対象とした試験:
(B
ID試験)
HFB
D試験、
HFB
K試験、
LYA
C試験、
LYA
S試験、
LYB
I試験、
LYB
P試験
(Q
D試験)
LYA
T試験、
LYA
W試験、
LYA
X試験、
LYB
G試験、
LYC
C試験、
LYB
X試験、
LYC
Z試験、
S010
試験
*部
分集団間のオッズ比を、
Bre
slow
-Day
検定を用いて比較した。
T2
_7_4
_197
.xls
Tabl
e2.7
.4.1
97_1
(注
1):表
2.7.
4-3参照
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
693
2.7.4.5.1.4.6 バイタルサイン、身長、体重及び心電図
LYBC 試験及び LYAC 試験において、以下の各解析の AD/HD サブタイプ別の部分集
団解析を実施した。結果は第 2.7.4.7.4.4 項に示した。
バイタルサイン、身長及び体重の変化量、バイタルサイン及び体重のカテゴリー解析、
心電図の変化量及びカテゴリー解析の結果からは、AD/HD サブタイプの違いによる臨
床的に重要と考えられる差は認められなかった。
• バイタルサイン、身長及び体重のベースラインからの変化量:表 2.7.4.7-147
• バイタルサイン異常:表 2.7.4.7-148
• 心電図のベースラインからの変化量:表 2.7.4.7-149
• 心電図異常:表 2.7.4.7-150
2.7.4.5.1.5 合併症又は併存障害の有無別
2.7.4.5.1.5.1 腎障害
末期腎不全を有する成人被験者を対象とした臨床薬理試験(HFBM 試験)より、腎障
害に対するアトモキセチンの安全性を評価した。
HFBM 試験は、単施設、非盲検、単回投与試験であり、血液透析を必要とする末期腎
不全の外国人 CYP2D6 EM 被験者を対象に、アトモキセチン 20 mg の単回投与時の安全
性を評価した。なお、試験デザインについては第 2.7.2.2.4 項に示す。
12 例の外国人被験者(末期腎不全を有する被験者 6 例及び健康成人 6 例)にアトモキ
セチン 20 mg を単回投与した結果、アトモキセチン投与後 12 例中 9 例で合計 14 件の有
害事象が見られた。そのうちアトモキセチンとの因果関係が否定できない有害事象(表
2.7.4.7.4.5-1)は、末期腎不全を有する被験者に 4 件(高血圧、動悸、悪心及び浮動性め
まい)、健康成人に 1 件(傾眠)であった。本治験中に死亡、その他の重篤な有害事象
又は臨床的に問題となる有害事象も見られなかった。末期腎不全を有する被験者 1 例に
おいて、アトモキセチン投与後に高血圧が認められたが、アトモキセチン投与と病態の
いずれに起因しているか明確ではなかった。また本治験中、健康成人及び末期腎不全を
有する被験者とも臨床検査値、バイタルサイン及び心電図に臨床的に問題となるような
変化は見られなかった。
以上、アトモキセチン 20 mg の単回投与は、健康成人と同様に血液透析を必要とする
末期腎不全を有する被験者において、安全に問題なく投与され、良好な忍容性を示した。
末期腎不全を有する被験者及び健康成人におけるアトモキセチン及び代謝物の薬物動
態の結果からは、末期腎不全を有する被験者においても用量調整は必要ないことが推察
された(第 2.7.2.3.1.5.1 項)。よって、末期腎不全又はより軽度の腎不全を有する
AD/HD 患者においても、通常の投与法を用いて投与可能であると考えられる。ただし、
本試験で得られた結果は単回投与試験によるものであり、長期投与時の十分な安全性情
報は得られていない。また、アトモキセチンは血圧及び心拍数を上昇させる可能性があ
る。よって、腎不全を有する AD/HD 患者に対しては臨床反応を確認しながら慎重に投
与する必要がある。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
694
2.7.4.5.1.5.2 肝障害
肝硬変を有する成人被験者を対象とした臨床薬理試験(HFBN 試験)より肝障害に対
するアトモキセチンの安全性を評価した。
HFBN 試験は、単施設、非盲験、2 期並行群間比較試験であり、中等度及び重度肝硬
変を有する外国人 CYP2D6 EM 被験者を対象に、アトモキセチン 20 mg の単回投与時の
安全性を評価した。なお、肝硬変の重症度は Child-Pugh 分類で、中等度(Child-Pugh
B:7~9 ポイント)、重度(Child-Pugh C:10~15 ポイント)と定義した。また、試験
デザインについては第 2.7.2.2.4 項に示す。
22 例の組み入れられた外国人被験者(肝硬変を有する被験者 11 例、健康成人 11 例)
のうち、20 例(肝硬変中等度 6 例、重度 4 例及び健康成人 10 例)にアトモキセチン
20 mg を単回投与した。
治験中の有害事象の発現頻度は、肝硬変を有する被験者及び健康成人とも低く、被験
者 5 例(肝硬変を有する被験者 4 例、健康成人 1 例)に合計 7 件が認められた。そのう
ち、第 1 期(ソルビトール及びデブリソキン投与期)に 4 件(副鼻腔炎、失神各 1 件、
疼痛 2 件)が見られ、第 2 期(アトモキセチン投与期)に 2 件(無力症、腹痛)が見ら
れた。因果関係を否定できない有害事象は、第 1 期(ソルビトール及びデブリソキン投
与期)で認められた失神と第 2 期(アトモキセチン投与期)で認められた無力症であっ
た(表 2.7.4.7.4.5-2)。アトモキセチンの投与後 1 時間に見られた無力症(1 件)は、軽
度であり、発現後 3 時間 30 分で回復した。また、第 1 期開始前に錯乱(被験者番号
002)が見られたが、回復し試験を完了した。本治験中にアトモキセチンと因果関係を
否定できない有害事象による死亡、臨床的に問題となる有害事象及び中止例は認められ
なかったが、1 例(被験者番号 005)がアトモキセチン投与前に死亡した。詳細は第
2.7.4.5.9.3.1.2 項に示す。
健康成人及び肝硬変を有する被験者のいずれにおいてもアトモキセチン投与後心拍数
及び血圧に変化が認められたが、頻度に大きな違いはなく、体位性低血圧を示すような
臨床的症状に関連したものはなかった。
心電図に関しては、スクリーニングやアトモキセチン投与前も含め、肝硬変を有する
被験者では健康成人より QTc 間隔が長いという結果が得られた。これは、肝硬変患者で
QTc 間隔が長くなるという報告と一致する(Bernardi 1998)。また、アトモキセチン投
与期間中に QTc 間隔に変化が見られたが、そのうち QTc 間隔が成人の基準値(男性
450 msec、女性 470 msec)を超えたものはなかった。
肝硬変を有する被験者では、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇、ALP 上昇、γ-GTP
上昇またはヘモグロビン、赤血球、血小板減少などの臨床検査値異常が散見されたが、
スクリーニング時から見られ、アトモキセチン投与によるものではないと考えられた。
以上、中等度及び重度肝硬変を有する EM 被験者及び健康成人の EM 被験者において
アトモキセチン 20 mg 単回投与により良好な忍容性が認められた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
695
薬物動態について、中等度及び重度の肝硬変を有する外国人 CYP2D6 EM 成人では、
健康成人に比べアトモキセチンの AUC がそれぞれ約 2 倍及び 4 倍に増加した。これは、
健康 PM 成人で認められている変化より小さかった(第 2.7.2.3.1.5.2 項)。
本試験で得られた結果は単回投与試験によるものであり、長期投与時の十分な安全性
情報は得られていない。また、重度の肝硬変を有する被験者は臨床的にアトモキセチン
による心血管系への影響をより受けやすい可能性がある。よって肝硬変を有する
AD/HD 患者においてはアトモキセチンを慎重に投与する必要がある。
2.7.4.5.1.5.3 トゥレット障害又は慢性運動性チック
トゥレット障害又は慢性運動性チックを併存する小児 AD/HD 患者を対象としてチッ
クに対するアトモキセチン投与の影響を評価するため、LYAS 試験を実施した。
アトモキセチン又はプラセボ投与により見られた有害事象のうち、比較的よく見られ
た有害事象は、概して他のプラセボ対照二重盲検比較試験で認められた有害事象と同様
であり、チックを併存する小児患者に特別に認められる事象はなかった。
本試験では有害事象としてチックの悪化がプラセボ群 2 例(2.8%)、アトモキセチン
群 4 例(5.3%)に報告された。本試験では YGTSS 総スコアを用いてプラセボ群及びア
トモキセチン群におけるチック症状の変化を評価した。YGTSS 総スコアのベースライ
ンから最終観察時までの変化量は、プラセボ群で-3.0 であったのに対し、アトモキセチ
ン群で-5.5 であった。これらの結果から、アトモキセチンはチックを併存する小児
AD/HD 患者のチックを悪化させないことが示された。
詳細は第 2.7.4.2.1.1.2.7.1 項に示した。
2.7.4.5.1.5.4 不安障害
不安障害を併存する小児 AD/HD 患者を対象として不安障害に対するアトモキセチン
投与の効果を評価するため、LYBP 試験を実施した。
アトモキセチン又はプラセボ投与により見られた有害事象のうち、比較的よく見られ
た有害事象は、概して他のプラセボ対照二重盲検比較試験で認められた有害事象と同様
であり、不安障害を併存する小児患者に特別に認められる事象はなかった。
また、本試験では Pediatric Anxiety Rating Scale(PARS)を用いて不安症状の変化を評
価した。PARS 総スコアのベースラインから最終観察時までの変化量の平均は、プラセ
ボ群が-3.16 であったのに対し、アトモキセチン群が-5.51 であり、アトモキセチン群と
プラセボ群との差は統計学的に有意であった(p<0.001)。これより、アトモキセチンは
不安障害を併存する小児 AD/HD 患者の不安症状を悪化させないことが示された。
詳細は第 2.7.4.2.1.1.2.7.2 項に示した。
2.7.4.5.1.5.5 大うつ病性障害
大うつ病性障害を併存する小児 AD/HD 患者を対象として大うつ病性障害に対するア
トモキセチン投与の効果を評価するため、LYAX 試験を実施した。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
696
アトモキセチン又はプラセボ投与により見られた比較的よく見られた有害事象は、概
して他のプラセボ対照二重盲検比較試験で認められた有害事象と同様であり、大うつ病
性障害を併存する小児患者に特別に認められる事象はなかった。
また、本試験では小児うつ病評価尺度修正版(CDRS-R:Child Depression Rating
Scale–Revised)総スコアを用いてうつ症状の変化を評価した結果、アトモキセチンは大
うつ病性障害を併存する小児 AD/HD 患者においてうつ病症状を悪化させないことが示
された。詳細は第 2.7.4.2.1.1.2.7.3 項に示した。
2.7.4.5.1.5.6 反抗挑戦性障害
AD/HD 患者では反抗挑戦性障害(以下、ODD)を併存することが知られているため、
ODD を伴う AD/HD 患者を対象とした LYBX 試験及び ODD の有無による部分集団解析
により、ODD を伴う AD/HD 患者にアトモキセチンを投与した時の安全性について評価
した。
2.7.4.5.1.5.6.1 LYBX試験
ODD を併存する小児 AD/HD 患者を対象として ODD に対するアトモキセチン投与の
効果を評価するため、LYBX 試験を実施した。
アトモキセチン又はプラセボ投与により見られた比較的よく見られた有害事象は、概
して他のプラセボ対照二重盲検比較試験で認められた有害事象と同様であり、ODD を
併存する小児患者に特別に認められる事象はなかった。
本試験では Swanson, Nolan and Pelham Rating Scale-Revised(SNAP-IV)の ODD サブス
ケールを用いて ODD の症状変化を評価した。アトモキセチン群において、SNAP-IV
ODD スコアは投与後ベースラインから低下し、投与後 2 週及び 4 週の時点で、プラセボ
群との差は統計学的に有意となった(2 週時:p=0.003、4 週時:p=0.043)。6 週の時点
では統計学的に有意な改善は認められなかった(p=0.209)が、アトモキセチンは ODD
を併存する小児 AD/HD 患者の反抗挑戦性症状を悪化させないことが示された。
詳細は第 2.7.4.2.1.1.2.7.4 項に示した。
2.7.4.5.1.5.6.2 LYBC試験
LYBC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を ODD 併存の有
無別に表 2.7.4-423 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、併存無しの集団で ATX_ALL 群 77.2%
(122/158)、プラセボ群 68.5%(37/54)、発現率の差 8.7%、併存ありの集団で
ATX_ALL 群 88.0%(22/25)、プラセボ群 75.0%(6/8)、発現率の差 13.0%であった。
比較的よく見られた個別の事象ごとに、併存の有無による ATX_ALL 群とプラセボ群
との有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの部分集団でも ATX_ALL 群での発現
率が 5%以上高かった事象は、食欲減退であった。ATX_ALL 群とプラセボ群との食欲減
退の発現率の差は、併存無しの集団で 7.1%、併存ありの集団で 20.0%であった。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
697
各部分集団の例数に偏りがあり、併存ありの集団が少ないことが発現率の差に影響し
た可能性が考えられたが、食欲減退については併存ありの集団で発現率が高かった。他
の事象及び 1 件以上の有害事象の発現率を考え合わせると、全体として、有害事象の発
現率に ODD 併存の有無による影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
698
表 2
.7.4
-423
. 反抗挑戦性障害併存の有無別の有害事象(
LYB
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A (V
ersi
on 9
.1)
反抗
挑戦
性障害
の有
無
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
)
無
5437
( 68.
5)
5643
( 76.
8)
5242
( 80.
8)
50
37( 7
4.0)
15
812
2( 7
7.2)
1件以上の有害事象が認められた症例数
有
8
6( 7
5.0)
6
6(10
0.0)
8
5( 6
2.5)
11
11
(100
.0)
2522
( 88.
0)
無
5410
( 18.
5)
569(
16.
1)
525(
9.6
) 50
11
( 22.
0)
158
25( 1
5.8)
鼻咽頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 有
8
0( 0
.0)
6 2(
33.
3)
8 2(
25.
0)
11
0( 0
.0)
254(
16.
0)
無
543(
5.6
) 56
5( 8
.9)
528(
15.
4)
50
9( 1
8.0)
15
822
( 13.
9)
頭痛
H
eada
che
有
8 1(
12.
5)
6 2(
33.
3)
8 2(
25.
0)
11
0( 0
.0)
254(
16.
0)
無
542(
3.7
) 56
3( 5
.4)
525(
9.6
) 50
9(
18.
0)
158
17( 1
0.8)
食欲減退
D
ecre
ased
app
etite
有
8
0( 0
.0)
6 0(
0.0
) 8
1( 1
2.5)
11
4(
36.
4)
255(
20.
0)
無
544(
7.4
) 56
4( 7
.1)
526(
11.
5)
50
7( 1
4.0)
15
817
( 10.
8)
傾眠
So
mno
lenc
e 有
8
0( 0
.0)
6 0(
0.0
) 8
0( 0
.0)
11
1( 9
.1)
251(
4.0
) 無
54
3( 5
.6)
562(
3.6
) 52
6( 1
1.5)
50
5(
10.
0)
158
13(
8.2)
悪心
N
ause
a 有
8
0( 0
.0)
6 2(
33.
3)
8 0(
0.0
) 11
1(
9.1
) 25
3( 1
2.0)
無
54
0( 0
.0)
562(
3.6
) 52
7( 1
3.5)
50
5(
10.
0)
158
14(
8.9)
嘔吐
V
omiti
ng
有
8 0(
0.0
) 6
1( 1
6.7)
8
0( 0
.0)
11
0( 0
.0)
251(
4.0
) 無
54
3( 5
.6)
564(
7.1
) 52
4( 7
.7)
50
0( 0
.0)
158
8( 5
.1)
腹痛
A
bdom
inal
pai
n 有
8
2( 2
5.0)
6
1( 1
6.7)
8
0( 0
.0)
11
2( 1
8.2)
25
3( 1
2.0)
無
54
1( 1
.9)
560(
0.0
) 52
5( 9
.6)
50
3( 6
.0)
158
8( 5
.1)
下痢
D
iarr
hoea
有
8
1( 1
2.5)
6
1( 1
6.7)
8
1( 1
2.5)
11
1(
9.1
) 25
3( 1
2.0)
A
TX_A
LL群での発現率が
5%以上で認められた有害事象
A
_T14
_23_
revh
.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
699
2.7.4.5.1.5.6.3 S010試験
S010 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を ODD 併存の有
無別に表 2.7.4-424 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、併存ありで ATX 群 78.6%(11/14)、プラセボ
群 66.7%(2/3)、発現率の差 11.9%、併存無しで ATX 群 75.4%(43/57)、プラセボ群
45.2%(14/31)、発現率の差 30.2%であった。
また、比較的よく見られた個別の事象ごとに、併存の有無による ATX 群とプラセボ
群との有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの部分集団でも ATX 群での発現率
が 10%以上高かった事象は、食欲減退、傾眠、悪心であった。ATX 群とプラセボ群との
発現率の差は、併存あり、併存無しの順にそれぞれ、食欲減退では 21.4%、24.3%、傾
眠では 35.7%、11.4%、悪心では 21.4%、15.8%であった。ATX 群、プラセボ群とも併存
障害ありの例数が少なく、認められた発現率の差は臨床的に問題となるものではないと
考えられた。
以上の結果より、有害事象の発現率に ODD 併存の有無による影響はないと考えられ
た。
表 2.7.4-424. 反抗挑戦性障害併存の有無別の有害事象(S010試験)
PLC ATX 有害事象名 MedDRA PT (Version9.0)
反抗挑戦性障害
の有無 N n (%) N n (%)
有 3 2( 66.7) 14 11( 78.6)1 件以上有害事象が認められた症例数
無 31 14( 45.2) 57 43( 75.4)有 3 0( 0.0) 14 3( 21.4)
食欲減退 Decreased appetite無 31 5( 16.1) 57 23( 40.4)有 3 0( 0.0) 14 5( 35.7)
傾眠 Somnolence 無 31 3( 9.7) 57 12( 21.1)有 3 0( 0.0) 14 3( 21.4)
悪心 Nausea 無 31 0( 0.0) 57 9( 15.8) 有 3 0( 0.0) 14 2( 14.3)
咳嗽 Cough 無 31 7( 22.6) 57 7( 12.3) 有 3 1( 33.3) 14 2( 14.3)
浮動性めまい Dizziness 無 31 0( 0.0) 57 5( 8.8) 有 3 0( 0.0) 14 1( 7.1)
頭痛 Headache 無 31 2( 6.5) 57 6( 10.5) 有 3 0( 0.0) 14 0( 0.0)
疲労 Fatigue 無 31 0( 0.0) 57 6( 10.5) 有 3 0( 0.0) 14 3( 21.4)
嘔吐 Vomiting 無 31 2( 6.5) 57 2( 3.5) 有 3 0( 0.0) 14 0( 0.0)
下痢 Diarrhoea 無 31 0( 0.0) 57 4( 7.0) 有 3 0( 0.0) 14 1( 7.1)
鼻閉 Nasal congestion 無 31 0( 0.0) 57 3( 5.3) 有 3 0( 0.0) 14 1( 7.1)
咽喉頭疼痛 Pharyngolaryngeal pain 無 31 2( 6.5) 57 3( 5.3)
有 3 0( 0.0) 14 0( 0.0) 鼻漏 Rhinorrhoea
無 31 4( 12.9) 57 4( 7.0) 有 3 0( 0.0) 14 1( 7.1)
体重減少 Weight decreased 無 31 0( 0.0) 57 3( 5.3)
ATX 群で 5%以上の発現率で認められた事象 A_S010_TEAESUB_TEAE_S_ODD.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
700
2.7.4.5.1.5.6.4 LYBR試験
LYBR 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を ODD 併存の有
無別に表 2.7.4-425 に示した。
アトモキセチン群で 1 件以上有害事象が認められた症例は、併存ありで 75.0%
(30/40)、併存無しで 90.3%(112/124)であった。
また、比較的よく見られた有害事象のうち、アトモキセチン群の併存ありと併存無し
の集団間で発現率の差が 10%以上であった事象は、食欲不振、食欲減退、頭痛、嘔吐、
腹痛であった。部分集団間の発現率は、併存あり、併存無し、差の順にそれぞれ、食欲
不振では 20.0%、42.7%、-22.7%、食欲減退では 45.0%、22.6%、22.4%、頭痛では 27.5%、
11.3%、16.2%、嘔吐では 20.0%、8.9%、11.1%、腹痛では 25.0%、4.0%、21.0%であった。
1 件以上の有害事象の発現率では、併存無しの集団の方が高かったが、比較的よく見
られた事象を評価すると、併存ありの集団で高い事象が多かった。
プラセボ対照試験ではないため評価は難しいが、ODD 併存の有無による有害事象発
現への影響について全体として一定の傾向は認められなかった。
表 2.7.4-425. 反抗挑戦性障害併存の有無別の有害事象(LYBR試験)
アトモキセチン メチルフェニデート 有害事象名 MedDRA PT (Version9.0)
反抗挑戦性障害
の有無 N n (%) N n (%) 有 40 30( 75.0) 29 21( 72.4)
1 件以上有害事象が認められた症例数 無 124 112( 90.3) 137 91( 66.4) 有 40 8( 20.0) 29 8( 27.6)
食欲不振 Anorexia 無 124 53( 42.7) 137 34( 24.8) 有 40 18( 45.0) 29 11( 37.9)
食欲減退 Decreased appetite 無 124 28( 22.6) 137 21( 15.3) 有 40 10( 25.0) 29 3( 10.3)
傾眠 Somnolence 無 124 33( 26.6) 137 3( 2.2) 有 40 6( 15.0) 29 3( 10.3)
悪心 Nausea 無 124 27( 21.8) 137 14( 10.2) 有 40 6( 15.0) 29 5( 17.2)
浮動性めまい Dizziness 無 124 19( 15.3) 137 7( 5.1) 有 40 11( 27.5) 29 5( 17.2)
頭痛 Headache 無 124 14( 11.3) 137 11( 8.0) 有 40 8( 20.0) 29 2( 6.9)
嘔吐 Vomiting 無 124 11( 8.9) 137 4( 2.9) 有 40 10( 25.0) 29 6( 20.7)
腹痛 Abdominal pain 無 124 5( 4.0) 137 9( 6.6) 有 40 5( 12.5) 29 1( 3.4)
疲労 Fatigue 無 124 8( 6.5) 137 4( 2.9) 有 40 1( 2.5) 29 0( 0.0)
咳嗽 Cough 無 124 10( 8.1) 137 10( 7.3) 有 40 1( 2.5) 29 5( 17.2)
発熱 Pyrexia 無 124 10( 8.1) 137 12( 8.8) 有 40 3( 7.5) 29 1( 3.4)
上気道感染 Upper respiratory tract infection 無 124 6( 4.8) 137 10( 7.3)
ATX 群で 5%以上の発現率で認められた事象 A_LYBR_TEAESUB_TEAE_S_ODD.tsv
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要 ストラテラカプセル
701
2.7.4.5.1.5.6.5 LYAC試験
LYAC 試験において、アトモキセチン群で 5%以上見られた有害事象を ODD 併存の有
無別に表 2.7.4-426 に示した。
1 件以上有害事象が認められた症例は、併存ありで ATX_ALL 群 65.9%(54/82)、プ
ラセボ群 77.4%( 24/31)、発現率の差 -11.5%、併存無しで ATX_ALL 群 82.2%
(106/129)、プラセボ群 82.0%(41/50)、発現率の差 0.2%であった。
比較的よく見られた個別の事象ごとに、併存の有無により ATX_ALL 群とプラセボ群
との有害事象発現率の差を評価した場合、いずれの部分集団でも ATX_ALL 群での発現
率が 5%以上高かった事象は浮動性めまいであった。ATX_ALL 群とプラセボ群との不動
性めまいの発現率の差は、併存ありの集団で 6.6%、併存無しの集団で 5.4%であった。
ATX_ALL 群とプラセボ群との 1 件以上の有害事象発現率の差及び個々の事象の評価
から、有害事象の発現率に ODD 併存の有無による影響はないと考えられた。
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
702
表 2
.7.4
-426
. 反抗挑戦性障害併存の有無別の有害事象(
LYA
C試験)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A P
T (V
ersi
on9.
0)
反抗
挑戦
性障
害
の有
無
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
)
有
31
24( 7
7.4)
21
14( 6
6.7)
25
18( 7
2.0)
36
22( 6
1.1)
8254
( 65.
9)1件
以上
の有害事
象が認
められた
症例数
無
50
41
( 82.
0)23
20
( 87.
0)59
46
( 78.
0)47
40
( 85.
1)12
910
6( 8
2.2)
有
31
7( 2
2.6)
21
5(
23.
8)
25
8( 3
2.0)
36
6(
16.
7)
8219
( 23.
2)頭
痛
Hea
dach
e 無
50
12
( 24.
0)23
6(
26.
1)
59
14( 2
3.7)
47
17( 3
6.2)
129
37( 2
8.7)
有
31
2( 6
.5)
21
0( 0
.0)
25
4( 1
6.0)
36
4(
11.
1)
828(
9.8
) 上
腹部
痛
Abd
omin
al p
ain
uppe
r 無
50
6(
12.
0)
23
4( 1
7.4)
59
9(
15.
3)
47
9( 1
9.1)
12
922
( 17.
1)有
31
1(
3.2
) 21
4(
19.
0)
25
1( 4
.0)
36
5( 1
3.9)
82
10( 1
2.2)
咳嗽
C
ough
無
50
2(
4.0
) 23
2(
8.7
) 59
5(
8.5
) 47
3(
6.4
) 12
910
( 7.
8)
有
31
5( 1
6.1)
21
2(
9.5
) 25
0(
0.0
) 36
4(
11.
1)
826(
7.3
) 咽
喉頭
疼痛
Ph
aryn
gola
ryng
eal p
ain
無
50
7( 1
4.0)
23
3(
13.
0)
59
7( 1
1.9)
47
4(
8.5
) 12
914
( 10.
9)有
31
2(
6.5
) 21
0(
0.0
) 25
3(
12.
0)
36
2( 5
.6)
825(
6.1
) 嘔
吐
Vom
iting
無
50
4(
8.0
) 23
3(
13.
0)
59
5( 8
.5)
47
7( 1
4.9)
12
915
( 11.
6)有
31
3(
9.7
) 21
1(
4.8
) 25
3(
12.
0)
36
4( 1
1.1)
82
8( 9
.8)
食欲
減退
D
ecre
ased
app
etite
無
50
1(
2.0
) 23
1(
4.3
) 59
6(
10.
2)
47
4( 8
.5)
129
11(
8.5)
有
31
1(
3.2
) 21
3(
14.
3)
25
2( 8
.0)
36
3( 8
.3)
828(
9.8
) 浮
動性
めまい
D
izzi
ness
無
50
0(
0.0
) 23
2(
8.7
) 59
3(
5.1
) 47
2(
4.3
) 12
97(
5.4
) 有
31
1(
3.2
) 21
0(
0.0
) 25
2(
8.0
) 36
4(
11.
1)
826(
7.3
) 傾
眠
Som
nole
nce
無
50
2( 4
.0)
23
1( 4
.3)
59
2( 3
.4)
47
5( 1
0.6)
12
98(
6.2
) 有
31
1(
3.2
) 21
1(
4.8
) 25
1(
4.0
) 36
0(
0.0
) 82
2( 2
.4)
鼻咽
頭炎
N
asop
hary
ngiti
s 無
50
7(
14.
0)
23
2( 8
.7)
59
3( 5
.1)
47
5( 1
0.6)
12
910
( 7.
8)
有
31
2( 6
.5)
21
0( 0
.0)
25
3( 1
2.0)
36
1(
2.8
) 82
4( 4
.9)
悪心
N
ause
a 無
50
2(
4.0
) 23
2(
8.7
) 59
2(
3.4
) 47
3(
6.4
) 12
97(
5.4
) 有
31
0(
0.0
) 21
3(
14.
3)
25
1( 4
.0)
36
2( 5
.6)
826(
7.3
) 発
疹
Ras
h 無
50
1(
2.0
) 23
0(
0.0
) 59
3(
5.1
) 47
2(
4.3
) 12
95(
3.9
) 有
31
0(
0.0
) 21
0(
0.0
) 25
0(
0.0
) 36
0(
0.0
) 82
0( 0
.0)
耳感染
Ea
r inf
ectio
n 無
50
0(
0.0
) 23
0(
0.0
) 59
2(
3.4
) 47
4(
8.5
) 12
96(
4.7
) 有
31
0(
0.0
) 21
0(
0.0
) 25
0(
0.0
) 36
0(
0.0
) 82
0( 0
.0)
耳痛
Ea
r pai
n 無
50
0(
0.0
) 23
0(
0.0
) 59
2(
3.4
) 47
4(
8.5
) 12
96(
4.7
)
(
続く)
LY139603 2.7.4 臨床的安全性の概要
ストラテラカプセル
703
表 2
.7.4
-426
. 反抗挑戦性障害併存の有無別の有害事象(
LYA
C試験)(続き)
PLC
A
TX
_0.5
A
TX
_1.2
A
TX
_1.8
A
TX
_AL
L
有害
事象
名
Med
DR
A P
T (V
ersi
on9.
0)
反抗
挑戦
性障
害
の有
無
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
) N
n
(%)
N
n (%
)
有
31
0( 0
.0)
21
0( 0
.0)
25
0( 0
.0)
36
0( 0
.0)
820(
0.0
) そ
う痒
症
Prur
itus
無
50
0( 0
.0)
23
0( 0
.0)
59
1( 1
.7)
47
4( 8
.5)
129
5( 3
.9)
有
31
0( 0
.0)
21
0( 0
.0)
25
0( 0
.0)
36
1( 2
.8)
821(
1.2
) 節
足動
物咬傷
A
rthro
pod
bite
無
50
0(
0.0
) 23
0(
0.0
) 59
0(
0.0
) 47
2(
4.3
) 12
92(
1.6
) ア
トモ
キセチン群
におい
て、
5%以
上の発
現率
又は
、C
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定で
有意
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A_T
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