Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
茨城県立つくば特別支援学校
平成25年7月5日(金)第1回学校防災推進委員会
本校の課題
○避難行動・主体的に行動できる児童生徒が少ない。
○防災学習・小学部,中学部,高等部での実態に合った指導内容を検討する必要性。・年間を通した学習の実施。
○地域連携・これまで防災としての連携はない。・福祉避難所指定に向けて,地域との協力体制の構築。
○学校備蓄・児童生徒や教職員が学校で待機(宿泊)をする場合を想定した備蓄の
整備。
茨城県立つくば特別支援学校
実 践 の 3 つ の 柱① 学校防災連絡会議を設置し,学校と地域が連携を深める。
② 緊急地震速報システムを活用し,主体的に行動する態度
茨城県立つくば特別支援学校
② 緊急地震速報システムを活用し,主体的に行動する態度
を育成する。
③ つくば市の福祉避難所として,その機能が果たせるよう,避難所を想定した訓練を行う。
実践の柱① 学校防災連絡会議
○ 構成員・学校防災アドバイザー
防災科学技術研究所主任研究員 長坂俊成 氏
・行政つくば市教育委員会 教育総務課長
・地域
年3回実施する。(9月,12月,1月)
・地域つくば市玉取地区長女性会より3名
・PTA本部役員より3名学校長,教頭,教務主任本校防災担当職員
計17名
実践の柱②③ 防災学習の取り組み
●支援事業の対象学年→本校のモデル学年として,知的障害教育部門高等部3学年で実践
●学習の場面
茨城県立つくば特別支援学校
●学習の場面
→総合的な学習の時間
系統的な防災学習のプログラム作り
実践の柱②③ 防災学習の取り組み
実践の目標
1 防災にかかわる学習を通して,生徒の防災意識を高める。
2 緊急地震速報システムの情報や校内放送を聞
茨城県立つくば特別支援学校
2 緊急地震速報システムの情報や校内放送を聞いて,安全に避難することができる。
3 避難所生活を体験することで,避難者としての自分の役割を見つけたり,考えたりすることができる。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み 学習計画
月日 単元名 主な学習活動
9月7日 (金) 地震の恐ろしさを知ろう ・アンケートの実施・震災で経験したことを振り返り,地震の恐ろしさについて知る。
9月12日 (水) 危険から身を守ろう①
・緊急地震速報を聞いて,身の安全を確保する。・校内避難経路の確認。・避難マップの作成。
9月26日 (水)
10月4日 (木) 危険から身を守ろう②
・緊急地震速報を聞いて避難する。・Aグループの生徒は,自力で避難する。・Bグループの生徒は,教師の指示や支援を受けて避難する。10月11日(木)
10月29日 第2回校内避難訓練 ・地震と火災を想定した避難訓練で,緊急地震速報を聞いて避難
茨城県立つくば特別支援学校
10月29日(月)~(土)
第2回校内避難訓練地震・火災(想定)
・地震と火災を想定した避難訓練で,緊急地震速報を聞いて避難する。
11月9日 (金) 避難所の生活を体験しよう
・避難所の生活について知る。・必要な備品や約束,決まりについて。・自分の役割について考える。・避難所の過ごし方。・非常食を試食する。・おにぎり,カップラーメン等の作り方。
11月14日(水)
11月30日(金)
12月12日(水) 避難所作り,炊き出し訓練
・地域ボランティアとの炊き出し訓練・避難者としての自分の役割を見つけたり考えたりする。
12月18日(火) 防災学習を振り返ろう ・学習を振り返る。・アンケート調査を行い,意識の変容をみる。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み 学習形態
少ない支援で学習に取り組める生徒
生活全般において支援の必要な生徒
生徒の大きな実態差への対応
茨城県立つくば特別支援学校
実態に合わせたグループ学習の実施実態に合わせたグループ学習の実施
「 Aグループ(主に就労を目指す生徒) 16名 」「 Bグループ
(主に基本的生活習慣の確立を目指す生徒) 15名 」
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「地震のおそろしさを知ろう」
活動内容:NHKスペシャル 防災に関する番組の視聴
茨城県立つくば特別支援学校
・自ら命を守るためには,どのような行動をとればよいか考える時間とした。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「危険から身を守ろう①」
活動内容:緊急地震速報システムを利用した避難行動
~落下物や転倒物から身を守る~
茨城県立つくば特別支援学校
・放送を聞いて,机の下に避難する練習を繰り返し行う。全員が落ち着いて避難行動をとることができた。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「危険から身を守ろう①」
活動内容:避難経路マップの作成
対象・・・ Aグループ
茨城県立つくば特別支援学校
・校内マップに非常口のシールを貼り,校舎のどこにいても非常口から避難できるよう確認する。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「危険から身を守ろう②」
活動内容:校舎前広場への二次避難の学習
~「お」「か」「し」「も」の約束事の遵守~
茨城県立つくば特別支援学校
・Bグループの生徒は通常避難する校門脇の芝生へ繰り返し移動を行う。
・非常階段を苦手とする生徒もいたが,全員避難することができた。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「危険から身を守ろう②」
活動内容:校舎前広場への二次避難の学習
~「お」「か」「し」「も」の約束事の遵守~
茨城県立つくば特別支援学校
・Aグループは普通教室以外で被災したことを想定して行った。
・避難の様子をビデオ等で記録し,映像を見ながら適切な行動について学習をした。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
活動内容:教室を仮設の避難所に見立てて,居場所を確保したり,食事したりして避難所生活を体感する。
自ら動ける生徒 →「自分で考えて行動する」という意識
支援が必要な生徒→「誰かに助けを求める」という意識
見えてきた生徒の課題
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所作り・炊き出し訓練」
活動内容:地域ボランティアと協力して,間仕切りの設営,炊き出しを行う。
グループと参加者
間仕切り班 豚汁班 おにぎり班
講師:防災科学研究所 長坂俊成 先生
茨城県立つくば特別支援学校
間仕切り班
玉取地区長
つくば市教育委員会教育総務課長
(社)AJU自立の家から2名(間仕切り設営の講師)
豚汁班
玉取女性会3名
おにぎり班
本校PTA役員 3名
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
活動内容:間仕切り班
茨城県立つくば特別支援学校
↑避難所間仕切りセットの間仕切り板を,連結ベルトでつなぎ合わせていく。
←ボランティアの方,生徒同士が協力して10部屋作成することができた。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
活動内容:豚汁・おにぎり班
↑ ↓タンクやたらいにあらかじめ用意した水を使用して豚汁作りを行った。
茨城県立つくば特別支援学校
↑ ↓タンクやたらいにあらかじめ用意した水を使用して豚汁作りを行った。
↑豚汁もおにぎりも,手洗い除菌を徹底し,衛生面に配慮して行った。
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
生徒の変容:生徒への事前・事後アンケート結果から
6
8
10
12
14はい(学習前)
はい(学習後)
いいえ(学習 5
10
15はい(学習前)
はい(学習後)
いいえ(学習
Q あなたは,地震が起きたときに,揺れから自分の命を守る方法を知っていますか。
茨城県立つくば特別支援学校
0
2
4
家や建物の中
いいえ(学習前)
いいえ(学習後) 0
5
外にいるとき
いいえ(学習前)
いいえ(学習後)
○外にいるときに,自分の命を守ることができるか。→「はい」と答えた生徒が学習後には4名増加して11名となった。
【アンケート実施】Aグループ 回答数13名
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
生徒の変容:生徒への事前・事後アンケート結果から
Q あなたは,地震が起きた後に,避難する安全な場所を知っていますか。
0
2
4
6
8
10
12
14
学校
はい(学習前)
はい(学習後)
いいえ(学習前)
いいえ(学習後) 0
2
4
6
8
10
自宅や入所施設
はい(学習前)
はい(学習後)
いいえ(学習前)
いいえ(学習後)
茨城県立つくば特別支援学校
○学校・全員の生徒が,安全な場所へ避難できると答えた。
○自宅や入所施設・学習前よりも倍増して8名となった。→避難行動を繰り返し行ったことで,学校で学んだことをもとに,
自宅や入所施設にも目を向けていることの表れだと思われる。
学校 自宅や入所施設
【アンケート実施】Aグループ 回答数13名
生徒の変容:生徒への事前・事後アンケート結果からQ あなた(自宅や入所の施設を含む)は,地震に備えて何か準備をしていますか。
5
10
15はい(学習前)
はい(学習後)
いいえ(学習前)
実践の柱②③ 防災学習の取り組み「避難所の生活を体験しよう」
茨城県立つくば特別支援学校
○学習を終えて,大きく変化したのが地震への備えである。・学習前に「いいえ」と答えていた生徒も,非常食の試食や避難所
の訓練を実施したことで,地震への備えに関心が高まったようである。
0
5 前)
いいえ(学習後)
【アンケート実施】Aグループ 回答数13名
実 践 の 成 果 と 今 後 の 課 題
○支援事業を通して,これまで防災に関してかかわりのなかったつくば市や玉取地区との連携が図られたこと。
○玉取地区からは人的な支援や飲料水の提供を得られる方向で協力体制が確立しつつあること。
○生徒の防災意識の高まりがみられたこと。
茨城県立つくば特別支援学校
○生徒の防災意識の高まりがみられたこと。
▲福祉避難所としての校内の体制づくりを図ること。
▲実践を他学年,他学部へ拡大すること。(肢体不自由教育部門での実態に合わせた防災学習の計画)
茨城県立つくば特別支援学校