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革新的軽量/高信頼性構造技術の開発革新的軽量/高信頼性構造技術の開発
九州大学大学院 工学研究院 航空宇宙工学部門教授 宇田暢秀・助教小野幸生
構造の軽量化/信頼性向上の技術開発
本研究室では、軽量かつ高信頼性の構造設計製造技術の開発を目指して、解析的・実験的研究を行っています。
カーボンナノチューブを用いた複合材料の創製
分散処理したCNTのSEM画像とTEM画像
カーボンナノチューブ(CNT)は極めて優れた力学的特性を
もつため、構造材料として適用する研究が世界的に進められています。しかしながら、CNTを強化材とするナノ複合材料では、CNTが母材中に均一に分散しない、また、CNTと母材界面の接着性が悪いために、CNTのもつ優位性が十分に発揮されていません。そこで、CNTの分散/表面
処理の研究を行っています。
スマート構造センサーおよびアクチュエータ等の機能を備えたスマート構造技術は、最適構造設計に積極的に用いられるようになってきました。この技術に関連して、形状記憶合金を用いた伸展構造アクチュエーターモデルや、初期変形をもつ円筒殻の衝撃吸収構造モデルの研究を行っています。
形状記憶合金を用いた伸展構造アクチュエーター
初期変形をもつ円筒殻の衝撃吸収構造
先進複合材料の損傷機構の解明
transverse crack
1.8mm
03 89.09MPa
906
03
先進複合材料は比弾性率・比強度が高く、航空・宇宙機構造を始めとして多くの工業分野への適用が進められています。しかしながら、構造材料として従来用いられてきた金属のような均質材料に比べ、複合材料の損傷機構は極めて多様です。そのため、複合材料を用いた構造設計においては、その損傷機構を正確に理解しておく必要があります。
トランスバースクラックと層間剥離
衝撃荷重による層間剥離
き裂面に発生した繊維架橋と解析モデル
補修したCFRPサンドイッチ板の曲げ荷重による破損
トランスバースクラック近傍のひずみ分布計測
先進複合材料の疲労特性の解明先進複合材料を用いて信頼性の高い構造設計を行うためには、複合材料の疲労特性を解明し、疲労損傷進展機構を把握する必要があります。
繰り返し引張負荷を受けるCFRP積層板に発生した自由縁層間剥離
衝撃損傷を有するCFRP積層板の圧縮疲労破損
impact damage
lateral cracks
超音波探傷画像 自由縁の様子
衝撃痕から発生したき裂
キンクバンドと解析モデル