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2017 年度 夏季 国際ボランティア・インターンシッププログラム 活動報告書 法政大学グローバル教育センター事務部 グローバルラーニング課

2017 年度 夏季 国際ボランティア・インターンシッププログ …許 萌 経営 市場経営 2 年 マレーシア 日本語を学ぶ現地学生たちに言語・文化紹介

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2017年度 夏季

国際ボランティア・インターンシッププログラム

活動報告書

法政大学グローバル教育センター事務部

グローバルラーニング課

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目 次

国際ボランティア [NICE(日本国際ワークキャンプセンター)共催]

加藤 桃子 国際文化 国際文化 1年 石川県小松市 稲刈り、里山整備、フェンスペイント 1

小林 美帆 法 国際政治 2年 マレーシア 難民の子ども達への教育活動 4

矢野 有希子 デザイン工学 都市環境デザイン工 1年 福岡県星野村 下草刈りで豊かな森づくりを応援 7

大瀧 愛莉 国際文化 国際文化 3年 マレーシア 難民の子ども達への教育活動 10

許 萌 経営 市場経営 2年 マレーシア 日本語を学ぶ現地学生たちに言語・文化紹介 14

土屋 典正 法 国際政治 2年 インドネシア 子どもの居場所づくり、遊びプログラムを企画 17

高島 涼香 経営 経営戦略 2年 ラオス 公民館の建設や現地若者に文化交流&環境教育 20

安藤 秀次 経営 経営戦略 1年 マレーシア 日本語を学ぶ現地学生たちに言語・文化紹介 23

中村 譲之介 人間環境 人間環境 3年 インドネシア 観光資源の発掘、子どもへ英語・環境教育 26

岡本 優太郎 理工 創生科 1年 スリランカ 有機農業訓練所を再建、農作業の手伝い 29

平林 瑞紀 理工 創生科 1年 フィリピン 小学校の備品修理や子どもへ文化・環境教育 32

寺村 結 生命科学 応用植物科 2年 タイ 伝統的な無農薬農業の手伝い 35

松本 桃花 社会 社会 1年 島根県出雲市 インターナショナルな寺子屋の運営と海岸清掃 37

桝永 衣沙奈 社会 社会政策科 1年 タイ 伝統的な無農薬農業の手伝い 40

国際協力 NGO インターンシップ [GLMi共催]

唐沢 実希子 生命科学 応用植物科 3年 フィリピン 貧困農民の生計向上支援プロジェクトの活動補佐 43

斎藤 遥 生命科学 応用植物科 3年 フィリピン 貧困農民の生計向上支援プロジェクトの活動補佐 47

森下 裕貴 理工 機械工 2年 フィリピン 貧困農民の生計向上支援プロジェクトの活動補佐 50

NGO・市民・民間セクターインターシップ [UBB共催]

福島 瑠唯 理工 機械工 2年 ルーマニア 日本・アジアからの投資・観光振興のための提案 54

武藤 篤希 グローバル教養 グローバル教養 4年 ルーマニア 日本・アジアからの投資・観光振興のための提案 57

福原 南奈 法 国際政治 3年 ルーマニア 日本・アジアからの投資・観光振興のための提案 60

加藤木 優花 グローバル教養 グローバル教養 1年 ルーマニア 日本・アジアからの投資・観光振興のための提案 63

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氏名 加藤 桃子 学生証番号 17G0713

学部/研究科 国際文化学部 学科/専攻 国際文化

学年 1 年

派遣国 日本 派遣都市 石川県上麦口町

出国年月日 2017 年 9 月 1 日 帰国年月日 2017 年 9 月 12 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 猪避けの柵のペインティング、キャンドルナイトの準備、神社の清掃、つた・雑草刈

り、地元の野菜・お米の即売会のお手伝い

1.活動内容

9 月 1 日からの 12 日間石川県上麦口(かみままくち)で、猪避けの柵のペインティング、キャンドル

ナイトの準備、神社の清掃などを行いました。主な活動内容に書いたように 12 日間の中で様々な活動が

ありました。前半は天気がよく順調に柵のペインティングを進めることができました。上麦口にある泰産

神社(安産)に関連して、『家族』や『愛』などをテーマにみんながペインティングしました。キャンド

ルナイトの準備は夕飯後にみんなでコツコツ作っていきました。自分たちで火をつけて夜に見たキャンド

ルは本当に綺麗でした。地元の野菜やお米の即売会のお手伝いは、自分たちで準備をして販売をするので

売れた時の達成感が本当にありました。色々な方々と関わることができるので、毎日色々な経験ができる

と思います。私たちは地元の方々から直接町に関しての話を聞いて、自分たちで作った招待状を一軒一軒

手渡し、町の公民館で初めて『寄合』というものを開催しました。今までやったことがない事であったの

で、色々と不安な気持ちを抱えながらメンバー全員は待っていましたが、町の方々が集まってくれて、老

若男女多くの人と交流ができたので、町にとって大きな一歩になったと褒めてもらえました。

2.特筆すべきエピソード

上麦口の方々は本当に温かい人ばかりです。私たちは、上麦口にある公民館で過ごしました。9 月 1 日

から 12 日までの 12 日間、町中の方々が毎日顔を出してくれて、野菜や調味料など私たちの身の回りのこ

とに関してサポートをしてくれました。夜には話に来てくれて、ワークキャンプの話や私たちの趣味や、

将来のことに関して考えていることを話すなど本当に毎日交流をする時間がありました。海外のメンバー

は、こんなに良くしてくれるのがどうしてか分からないと口を揃えて言うほどでした。地元の方々はほと

んど英語を話すことはできませんが、海外からのメンバーと本当に積極的に話を楽しんでいました。今回

の参加者は、日本人は学生、海外からのメンバーは社会人(ブルガリア、ロシア、香港、ベトナム)、退

職をした 72 歳のイギリスの方(男性)でした。様々な世代の方が集まったので、地元の方々も世代の近

い者同士話が盛り上がったみたいです。このような毎日であったので、本当に笑顔の絶えない 12 日間で

した。

食事に関しては始めから、お腹が空いていない場合や、苦手そうだと感じた食事は無理に食べようとせ

ず、すぐ元に戻して食べたい人が食べても良いというルールにしました。そうすることで、ご飯が残るこ

となく無駄を省けました。

今年は、メンバー全員が寝袋ではなく布団で寝ました。

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3.苦労したこと

苦労したほどではありませんが、それぞれの文化があるので、過ごす中でプライベートの時間が少しで

も欲しいといった意見があり、想像していなかった意見であったので少し驚きました。あとは、グループ

に分かれて買い物に行きますが、限られた料金の中で自分たちが作る料理の材料を買わなくてはいけない

ので、値段を考えながら買い物をするのは結構大変でした。一緒に買い物へ行った一人にこだわりがあ

り、どうしても説得できない場合や、量の計算が間違ってしまったことで、私たちのグループは予算より

もオーバーしてしまいましいた。終盤にあるインターナショナルフードデーなどのこともあるので、買い

物の計算はきちんとやったほうがいいと思います。

英語に関して、イギリス人以外は第二外国語として習得した言語であるので、言い方や単語が分からな

いときはお互いに確認しあって、協力しながら日常生活を過ごしミーティングを行いました。もちろん英

語でコミュニケーションをとることは慣れていませんでしたが、みんながお互いのことを理解しようとし

ながら会話を進めたので、格別苦労した訳ではありませんでした。

4.身に付いたこと

今回のワークキャンプでは、決断力と判断力が身についたのではないかと思います。ワークキャンプに

参加するまでは、やりたい事はあるけど優柔不断すぎて時間が過ぎ去ってしまうということが多々ありま

した。まず、このワークキャンプに一人で参加して、全く知らない場所に飛び込んでいくということ自体

私にとって大きな挑戦でした。実際にワークキャンプに参加して、過ごしてみると限られた時間の中で自

分の意見を伝え、メンバーの意見をまとめ、行動に移すということが多くありました。海外のメンバーは

特に、合っている、間違っている関係なしに自分が思っている考えをきちんと伝えており、メンバーはそ

れぞれの意見を否定することなく一人の意見として受け入れていました。そしてメンバーの一人の「私た

ちが過ごす中で正解はないのだから、思いっきり自分の意見を発信して大丈夫だよ。」という言葉によっ

て、とても前向きにできるようになったのではないかと思います。

英語の聞き取る力や話す力は上がったとは思います。しかし、それ以上にそれぞれ違う時間を過ごして

きた人と共に生活することは、考え方や価値観を共有し共に理解し合いながら受け入れる心というものが

大きく身に付いてくれたのではないかと思います。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

恐れず何事も挑戦する気持ちをもち、様々な状況にも柔軟に対応できる人が「グローバル人材」像では

ないかと思います。今回 12 日間ワークキャンプを海外の方と一緒に行なってみて、やはりそれぞれの時

間、場所で過ごしてきているので考え方や価値観は全く違いました。そのような状況の中では、「やって

みよう。」という一歩踏み出す勇気、そして様々な状況、考え方が錯綜している中でも自分の意見を持ち

つつ相手の意見をも受け入れる広い心が必要です。そして、常にリーダーになることが良いことではなく

て、状況に応じて自分がどの役に回れば、うまく話が進むのかすぐに対応できる人が必要なのではないか

と思います。

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6.後輩へのメッセージ

今回初めてボランティア活動とういうものに参加させてもらい、初めは不安だらけでした。誰も知らな

い状態で、日常会話が英語という点も含まれていたのではないかと思います。しかし、実際上麦口のワー

クキャンプに参加してみると本当に地元の方々が優しくて、面白くて 12 日間があっという間に感じまし

た。海外の方々と 12 日間過ごすという貴重な経験と共に上麦口という素晴らしい場所で過ごせた 12 日間

は本当に私にとって宝であり素晴らしい経験であったと思います。そして、今後も上麦口町の何か少しで

も助けができればと考えています。実際、書面からの情報だけでは分からないものだらけであり、行って

見て地元の方々の町に対する思いを直接聞いて分かることがたくさんありました。勇気を持って一歩踏み

出すことが、自分にとっても、そしてなによりワークキャンプ場所、人にとっても今後に繋がる大きな助

けとなります。

その段階の中にほんの少しでも力になれたことを本当に嬉しく思います。そして、ほんの少しでも迷っ

ている、気持ちがあるという方がいるならば、ぜひあなたの勇気ある一歩を踏み出して欲しいと思いま

す。

7.写真

猪避けの柵のペインティング

フリーデーにみんなで日本海に行きました

初めて開催した『寄合』 最後にみんなで撮った集合写真

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氏名 小林 美帆 学生証番号 16A3049

学部/研究科 法学部 学科/専攻 国際政治

学年 2 年

派遣国 マレーシア 派遣都市 クアラルンプール

出国年月日 2017 年 8 月 12 日 帰国年月日 2017 年 8 月 26 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 難民との交流、小学校で勉強を教える、日本の文化紹介

1.活動内容

まず今回のワークキャンプに参加したメンバーについて述べる。

日本人→16 人(4 日間の人や 1 週間のみ参加の人も含む)

マレーシア人→2 人(1 人は現地の NGO のリーダーもう 1 人は現地の NGO の会長のような人)

日本人は 3〜4 人のグループを作り、掃除係や洗濯係食事係など毎日ローテーションして分担した。

次に私達が活動した月曜日から金曜日のタイムスケジュールについて述べる。

8 時半→登校(学校が所有しているバンで子供達をお迎え、1台しかないため3回に分けて子供達は登校

する。下校も同様。)

9 時半→朝礼(彼らはキリスト教徒なのでミサの時間である。お祈りの時間や聖書を一部分ずつ朗読、キ

リスト教関係の歌やダンスを毎日行う。)

10 時〜12 時→午前中の授業

12 時〜13 時→お昼(子供達と同じご飯を食べる。)

13 時〜15 時→午後の授業

15 時以降→下校後はフリータイム(フリータイムは主にミーティングや翌日に行うイベントの準備など

に使った。また近くのレストランに行ってマレーシアのお茶を飲んだりした。夜ご飯は基本日本食を作っ

た。)

活動内容について述べる。この 2 週間は私達の好きなように使って良いという考え方だったので、色々な

企画を行うことが出来た。内容としては日本の文化・スポーツの紹介(折り紙、塗り絵、童謡やソーラン

節、相撲、玉入れ、リレーなど)、将来の夢について絵を描いてもらい発表したり、みんなで painting を

したり自由に時間を使うことが出来た。ただしお世話になった小学校は 1 年間の授業カリキュラムがあり

時間割もあったので、私達は自由に時間を使わせてもらっているが彼らが勉強する時間も確保しなければ

ならなかった。(例えば午前中は私達の時間で、午後は授業の時間にするなど。)

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2.特筆すべきエピソード

今回私が参加したワークキャンプは、NICE と現地の NGO 団体である MOVE が初めて開催したワーク

キャンプであったので、全てが初めて尽くしだった。いわば私達の行い次第で次もワークキャンプが実施

されるか決まるような感じだった。また NICE と MOVE との間には信頼関係が築かれておらず、また

MOVE と今回お世話になった学校との間にも良好な関係が築かれていなかったように感じた。そのため

情報が共有されていないことも多かった。そのような状況においても、彼らが求めているニーズを第一の

優先事項として考えながら色々な企画を考えることが出来た。

3.苦労したこと

1 番はミャンマー料理である。派遣都市はマレーシアであるが、ここの学校の子供達はミャンマーのゾ

ミ族出身であるので、お昼ご飯は主にミャンマー料理だった。特別辛いというわけではないが、独特の匂

いや味に始めの 1 週間は慣れなかったが慣れれば食べられるようになった。2 番目は風邪をひいたことで

ある。3 日目あたりから喉を痛め最終日まで喉が痛かった。疲れや睡眠不足、エアコン、シャワーが水だ

ったなど複数の原因で風邪をひいた。風邪薬は勿論だが、喉をうがいするイソジンのようなものを持って

行くべきだと思った。3 番目はやはり日本との生活の違いに驚いた。トイレは流れないし、シャワーは水

しか出ないなど、日本の生活がいかに恵まれているのか改めて感じた。

4.身に付いたこと

私がこのワークキャンプに 2 週間参加して身についたことは大きく 3 点ある。1 点目は臨機応変に行動出

来るようになったことである。前日になって翌日の予定が変わることが多々あったので、その都度一から

企画を作り直すなど私だけでなくみんなで臨機応変に行動をとることが出来た。2 点目は相手側のニーズ

や相手側の視点になって考えるようになったことである。私達はあくまでもボランティアをさせてもらっ

ている立場なので、あくまでも彼らが必要としている手伝いをすることを重視した。また私達がお世話に

なった施設は、住民が使っている建物の一室だった。トイレやシャワー、キッチンなどは共有だったので

住民の生活を邪魔しないように意識する必要があった。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

私が思い描いていた「グローバル人材」は、英語や他の公用語も堪能で大企業や国際機関に勤めているキ

ャリアな人材のイメージがありました。ですがこの 2 週間のワークキャンプを経て、もう一度「グローバ

ル人材」について考えてみると、私なりのグローバル人材は日本ではない場所においても色々な人達と積

極的に行動やコミュニケーションを取れる人物で、また相手側のバックグラウンド(文化や歴史、宗教な

ど)を理解し相手側のニーズや考えを最優先に考えられる人だと思います。

6.後輩へのメッセージ

私は今回のワークキャンプが初めての参加でした。そのため、何か大きなことが得られるとか、人生が

変わるのかもしれないと過度な期待をしていました。しかし 2 週間のワークキャンプを経て私が得たこと

は、ワークキャンプ中に学んだことに加えて、自分が興味を持ったことややってみたいと思ったことに対

しては、諦めずに勇気を持って一歩踏み出すことが大事だということです。またワークキャンプには全国

から各々の想いを持って参加している人がいるので、新しい人と出会えて、そこから色々な刺激を得られ

たことだと思います。少しでも行ってみたいなと思っているならば、行かないで後悔するよりは行ってみ

たほうが良いと思います。

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7.写真

建物の入り口に書いてある学校名

教室の様子。他にも4つほどあり子供たちは年齢

ごとにクラスが分けられていた。

近くの公園で日本のスポーツを紹介した様子。

フリーデイの様子。モスクや世界遺産であるマラ

ッカに行った。

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氏名 矢野 有希子 学生証番号 17N2082

学部/研究科 デザイン工学部 学科/専攻 都市環境デザイン工学科

学年 1 年

派遣国 日本 派遣都市 福岡県八女市星野村

出国年月日 2017 年 8 月 16 日 帰国年月日 2017 年 8 月 30 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 林業ワーク、廃品回収、キャンプ場などの清掃、味噌作り

1.活動内容

・下草刈り(3 日間):苗木が他の草木よりも背が高くなるまでの数年間、苗木の生長を妨げないようにす

るために雑草を刈り取る作業。炎天下の下、1 日 5~6 時間の作業を 50~60°の傾斜ですることもあり、こ

のワークキャンプの中で一番きつかった。本来は 2 日間の予定だったが、終わらなかったので 1 日追加さ

れた。

・廃品回収・愛校作業:地域の方と一緒に缶や段ボール・布などを回収したのち、小学校のグラウンドの

草引きなど。

・キャンプ場と温泉の清掃(2 日間):ゴミ拾いやかまど掃除、草引き、窓拭きなど。

・味噌作り(3 日間):米を蒸して麹を混ぜる仕込みや瓶詰め、ラベル貼りなど。味噌の匂いが受け付けな

い外国人が多く、日本人が早く行って作業する日もあった。

・お茶の淹れ方教室:講師の先生に来ていただきお茶の淹れ方を教わったあと、どのペアの淹れるお茶が

一番美味しいか競った。

その他、当番制で宿泊施設の掃除や食事の準備をしたり、フリーデーには全員でお茶の文化館や星の文化

館に行ったり、川遊びをした。

2.特筆すべきエピソード

参加した外国人たちはそれぞれの国のお土産を配ったり、当番の日に料理を作ったりしてくれた。レス

トランなどで他国の料理を食べるのとは違い、一緒に家庭料理を作ることでより親しみが持て、その国を

身近に感じることができた。最後の夜のフェアウェルパーティーでは、ほぼ 1 日をかけて各国の料理の腕

を振るってくれた。日本人側も日本の生活や文化を体験してもらえるように、お茶漬けやだしの素を持参

したり、書道を披露したりしていた。地元の方もわたしたちにいろいろな経験をしてほしいと、星の綺麗

なところに連れて行ってくれ、野菜や鹿肉などの差し入れをしてくれた。2 週間同じ時間を共有すること

で、お互いの文化への理解を深めることができたと思う。

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3.苦労したこと

最も苦労したのは英語である。キャンプ地は日本ではあるものの海外からのメンバーも多くいるため、

NICE でのワークキャンプの公用語は英語であり、さらに外国人メンバーが地域の方と話すときは通訳の

ような役目もしなくてはならないため、ある程度の英語力が必要だと感じた。英語を聞いて理解すること

に関してはそこまで苦労することはなかったが、自分の意見を英語で表現することについては歯痒い思い

をすることが多かった。

また特にキャンプ前半では、日本人も外国人も同じ言語圏の人と英語ではない言語で話すことが多く、

メンバー全員が親しくなるまで時間がかかった。思うように言葉が通じないことは、とてももどかしいた

め、言葉が通じる人と話すようになるのはある程度の仕方のないことかもしれないが、今となってはもう

少し努力すればよかったと思う。

4.身に付いたこと

今回のワークキャンプを通して、自分とは異なる価値観を持つ人への柔軟性が身についたと思う。今ま

で外国の方とこのワークキャンプほど深く関わったことがなかったこともあり、価値観の違いに驚くこと

は少なくなかった。それはきっと海外からの参加者も同じだったと思う。しかし、それを否定せず、むし

ろ違いを楽しむことができたのは、メンバーたちとワークをしたり話したりするうちに、仲間として尊重

し合える関係になれたからだと思う。その中で価値観を形成するのは、国だけでなく育った環境や家族な

ど様々であるため、あまり国に縛られたイメージを持たず、個人の特性として受け入れて付き合うことが

必要だと感じた。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

わたしが考える「グローバル人材」とは、まず「自国への知識と理解があり、客観的に見ることができ

る」うえで、「自分とは違う価値観を持つ人がいるということを意識し、その人たちの考えを否定しな

い」人材である。グローバル化している時代だからこそ、まず自分の背景にある文化や伝統を理解するこ

とで、交流のきっかけにしたり、ものさしにして他国の文化を理解したりできると思う。そのうえで多様

性を受け入れ、自分とは異なる文化や価値観を尊重することが必要だと感じた。

6.後輩へのメッセージ

このワークキャンプに参加する前は、全く知らなかった人たちと 2 週間後にはお互いの国を訪れる約束

をして別れることになるとは思ってもみませんでした。それほど国の垣根を越えて参加者の仲が深まり、

新たな友人を得られたことは大きな財産です。また、1 年生の夏休みにこの経験ができたことで、これか

らの大学生活で何を学ぶべきか、将来どうなっていたいかを考える機会が持てました。

このワークキャンプは国内なのでハードルも低く、参加しやすいと思います。国際的なことに興味のあ

る人は世界に踏み出す第一歩目として、参加してみることをお勧めします。

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7.写真

味噌作り 流しそうめんの設営

ワーク後に鯉のエサやり 最終日の集合写真

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氏名 大瀧 愛莉 学生証番号 15G1206

学部/研究科 国際文化学部 学科/専攻 国際文化学科

学年 3 年

派遣国 マレーシア 派遣都市 Ampang

出国年月日 2017 年 8 月 13 日 帰国年月日 2017 年 8 月 26 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 難民の子供たちの教育支援

1.活動内容

主な活動内容は、ミャンマーの Zomi 族を中心とする難民の子供たちの教育支援である。Hope Learning

Center という 3 歳から 12 歳の子供たちが学んでいる学校で、日本の文化を紹介したり英語で授業をした

り、壁にペインティングをした。今回、初開催の場所であり、現地の学校の先生からの明確なニーズや子

供たちのおかれている現状がはっきりとわからないまま始まったワークキャンプだった。そのため、あら

かじめ決まった大きな活動内容(建設作業や地域の人々への意識づけ等)はなく、キャンプメンバーと共

に話し合いながら日々の活動を決めた。私たちは二週間の活動を通して何か形あるものを残したわけでは

ない。だがいつ立ち退き命令がでるか分からず、明日が約束されていない状況にいる子供たちにとっては

今この「瞬間」が一番大切であった。そしてその「瞬間」に異文化を持つ私たちと接し、子供たちにとっ

て良い刺激を与えるというのがこのワークキャンプの一番の大きな活動内容であり目的であったと思う。

〈詳しい活動内容〉

8 月 13 日(Sun)

オリエンテーション

8 月 14 日(Mon)

公園遊び/日本の文化紹介

8 月 15 日(Tue)

子供たちへの授業/お絵描き(将来の夢を描いて発表してもらった)

8 月 16 日(Wed)

公園で Japanese Sports をした(相撲、小麦粉を使ったアメ食い競争など)/読み聞かせ

8 月 17 日(Thu)

日本のダンスや歌を紹介(ソーラン節、童謡を子供たちとやった)/色塗り

8 月 18 日(Fri)

壁に子供たちと一緒にペインティング(手形を葉や花に見立てて一つの大きな木を描いた)

8 月 19.20 日(Sat),(Sun)

フリーデイ(世界遺産マラッカ、モスク、世界一静かなスターバックス)

8 月 21 日(Mon)

現地の先生方が実際に行っている授業の見学/色塗り(富士山や日本の食べ物など)/現地の先生の

お宅訪問(ディナー)

8 月 22 日(Tue)

ミニ運動会(騎馬戦、玉入れ、リレー)/現地の先生のお宅訪問(ディナー)

8 月 23 日(Wed)

ミャンマー式の結婚式に参列

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8 月 24 日(Thu)

教室内の掲示ボード作り/子どもたちへのプレゼント作り(折り紙のメダル)

8 月 25 日(Fri)

フェアウェルパーティー(子どもたち&現地の方々と)

2.特筆すべきエピソード

特筆すべきエピソードとして三つ挙げたい。一つは子供たちの虫歯が少し気になったことだ。かなり小

さい子たちでも歯が真っ黒になっていて心配になった。もしかしたら歯磨きの習慣が根付いてないのかも

しれない。また、食事の前に手を洗う様子はなく床を拭いた雑巾で机も一緒に拭いていたりした。今回は

教育支援がメインだったが、次回からは衛生面にも力を入れると良いと思った。

二つ目は宗教についてだ。今回関わった難民の Zomi 族はキリスト教徒が多く、毎朝 30 分間宗教の時

間があった。そこでは子供たちが振付をしながら歌を歌っていたのだが、その歌は全て Jesus に関連した

ものだった。さらに聖書の一部を毎日音読したり、お祈りの時間があったりと、日本ではなかなか体験で

きない事の連続だった。また普段英語が喋れない小さな子でも、Jesus に関する曲になると一生懸命歌っ

ており、どのようにして宗教が受け継がれていくのか身をもって体験できた気がする。

三つめは、自分自身の中で「難民」に対するイメージが大きく変わったことだ。このワークキャンプに

参加する前は、難民と聞けば祖国にいられなくなってしまって苦しい生活を余儀なくされている可哀想な

人たちという印象を抱いていた。だがそれらは自分の単なる偏見にすぎないということを学んだ。もちろ

んマレーシアの中で難民は生きやすいわけでもなく、待遇も良くない。だが“可哀想”なんかでは全然な

かった。日本の恵まれた豊かな生活と比べてしまえば生活の質が低く見えてしまうのはもちろんだが、そ

れはこちら側の勝手な基準で物事を判断しているに過ぎない。むしろ日本の子供たちと変わらず元気いっ

ぱいでたくさんの笑顔がそこにあった。将来の夢を語る子供たちは希望に満ちていた。最初に抱いていた

“可哀想”というイメージはもう私の中では消え、“幸せ”そうに笑う子供たちから、数え切れないほど

の笑顔や思い出をたくさんもらった。

3.苦労したこと

子供たちに向けて授業をしたときに、レベルをどの年齢に合わせたらよいのか分からず苦労した。今回

関わった施設は 3~12 歳の子どもが集まる学校で、大きく分けて 4 つのクラスしかなかった。つまり一番

上のクラスは小学 3 年生~6 年生ぐらいの子が同じ教室で一つの授業を受けているような状況だった。そ

のため、高学年に合わせてしまうとハイレベルになりすぎてついていけない子が出てきてしまい、また低

学年に合わせてしまうと簡単すぎて退屈してしまう子が出てきてしまった。日本の学校のように学年ごと

にクラスを分けられるほどの人数もいないし、先生も足りない。だからどのレベルに合わせて授業をした

らいいのか分からなかった。それぞれの子どもたちのレベルに合った授業をすることが一番の学力向上に

繋がるのだろうと思ったが、それができない状況であり非常にもどかしかった。

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4.身に付いたこと

このワークキャンプを通じて身に付いたことは主に三つある。一つ目は、適応力だ。最初は慣れない環

境の中、自分たち日本人が過ごしやすいように身の回りを整えようとしてしまった。だが、「郷に入った

ら郷に従え」という言葉があるように、現地の人たちや子供たちと打ち解けるには、まず現地の人の気持

ちになって生活することが何よりも大切であることに気が付いた。そこの風習に染まる思いで行動し生活

することで、見えてくるものが 180 度違う。そしてまた、それを一歩引いて客観的に見ることでさらに新

しいものが見えてくる。

二つ目は柔軟性だ。毎日メンバーと話し合い、様々な企画を子供たちのために考えていたが、学校側と

現地受け入れ団体との連携がうまく取れておらず、変更せざるを得ない状況が度重なった。正直、戸惑う

ことも多かったがその時に文句を言うのではなく、子どもたちのためになることは何かを一番に考え、想

定外のことにも柔軟に対応することができたと思う。

最後の三つ目は、自分の中での気づきだ。これが自分にとって一番身に付いたことだと思う。私は国際

ボランティアをすることが、小さい頃からの一つの夢だったこともあり、国際ボランティアというものが

自分の中で大きくなっていて、まるで世界を変えられるような素晴らしいことのように思っていた。しか

し実際に自分が二週間現地で過ごしていくうちに、「自分は本当に現地の人の役に立っているのか?」

「建設作業や環境整備などの目に見える成果を成し遂げていないのに、それでもボランティアと言えるの

だろうか?」「そもそもボランティアをする意味とは何か?」ということを考えるようになってしまっ

た。そこでの自分の存在意義を見失いかけていたのだ。だが、ある人に言われた言葉がきっかけで自分の

悩んでいたことが間違いだったということに気づかされたのである。目に見える成果がすべてではないの

だと。私たちボランティアと子供たちの間には目に見えない確かな絆が生まれていたし、たくさんの愛を

与えられたと思う。また、日本という異文化に触れることで、子供たちの視野が広がり将来の可能性にも

繋がったのではないだろうか。必ずしも目に見える形あるものを残さなければならないと考えていた以前

の私は、ただ目先の成果にとらわれていただけのように思う。ボランティアはする側と受け入れる側との

両方の心が満たされれば、それだけで十分だということに気が付いた。そこにいるだけで良い、今しかな

いこの一瞬を共に過ごすこと。それが何よりも大切で一番のボランティアの意味だと思う。それに気が付

くことができたことが、自分の中での大きな成長であり、収穫である。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

英語の出来不出来に関係なく、先入観や偏見を捨てて広い視野で物を見ることのできる人が「グローバ

ル人材」であると私は考える。自分の考えに固執してしまっていては、どんなに頭が良くてもグローバル

な人とは言えない。たとえ言葉が通じなくても、伝えようとする思いが何よりも大切。好奇心を持ち続

け、柔軟に対応できる人こそが「グローバル人材」と言えるのではないだろうか。

6.後輩へのメッセージ

私にとってこの二週間は、決して忘れることのできない素敵な思い出となりました。二週間という短い

期間ではありますが、日本で過ごしていたら気付くことのできない、たくさんのものがそこにはありまし

た。本当に色々なことを学び、成長することができます。そしてそれはきっと、一生ものの財産になると

思います。きちんと目標を持って一日一日を大切に過ごすことで、実りのある二週間にすることができる

のではないでしょうか。大学生という時間のある今だからこそ、ぜひ勇気をもって挑戦してみてくださ

い。たくさんの出会いが待っていると思います。

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7.写真

お絵かきの授業中

元気に遊んでいる子供たちと ミャンマー式の結婚式に参列

↑公園での外遊び

一列に並んで歩く子供たち

人見知りだった女の子と手を繋いで公園まで

公園での外遊び

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氏名 許 萌 学生証番号 16F2052

学部/研究科 経営学部 学科/専攻 市場経営学科

学年 2年

派遣国 マレーシア 派遣都市 マラッカ

出国年月日 2017年 8月 28日 帰国年月日 2017年 9月 7日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 文化交流、近郊の村を訪問する、学生に日本語を教える

1.活動内容

このワークキャンプの主な内容は学生に日本語を教え、日本の文化を伝えること、そしてマラッカ近郊の村訪問や

世界遺産の観光もした。最初の 1日はクアラルンプール市内で観光、二日目はマラッカメーヤーのオフィスを訪問

し、マラッカについての歴史や文化のプレゼンを聞いた。三日目はマラッカの独立記念日を見た後、マラッカの世

界遺産を観光した。四日目と五日目は近郊の村を訪問する。六日目は学校を事前参観。七日目は授業の準備。

八日目は学生に日本語を教え、一緒にスポーツをした。夜はカルチャーチェンジ。みんな浴衣を着て、学生に折り

紙や書道を教えながらゲームをした。九日目の朝、日本の大学や日本の世界遺産をプレゼンで学生たちに紹介し

た。お昼は、学校の先生と一緒にマレーシアの伝統的なフードを作った。夜はマレーシア学生のために日本食(お

好み焼きやわかめうどん)を作った。その後、最後の closing partyでは、一緒に歌を歌いながらダンスをした。

2.特筆すべきエピソード

特筆すべきエピソードとしては、今回のメインは日本語教育なので、マレーシアに行く前にすでに準備し始めた。

しかし、学校の休みの原因で元々計画していた三日間の日本語授業は一日だけになった。時間が少なくなった

が、授業は盛り上がった。授業では日本語の 50音、挨拶、数字や歌などを通して学生に教えた。学生たちも日本

語に非常に興味を持っていた。夜の文化交流会では、浴衣などを着て、折り紙や書道を教えると同時に、ゲームや

日本の駄菓子も用意した。みんな話し合いながらやって本当に楽しかった。

3.苦労したこと

一つ目は人の名前を覚えること。今回ボランティアに参加した人は日本人だけではなく、15人のエジプト人も参

加していた。エジプト人の名前を覚えるのはとても大変だった。エジプト人は、知り合いになったら三日以内に相手

の名前を覚えなければ、失礼なことだと思う国民性なので、向こう側は一生懸命日本人メンバーの名前を覚えてい

た。そして、私が考えたのは先に相手と Facebook を交換して、その人の Facebook中の写真と名前を一致させて

覚えることだった。

二つ目はコミュニケーション。自分の英語は普段の交流はあまり問題ないけれど現地の人は英語のネイティブで

はないので、少々アクセントがあって、聞き取りはそんなに簡単ではない。しかし話す機会が多ければ多いほど、だ

んだんそのアクセントに慣れてきた。後半はマレーシア人と冗談が言えるようになった。

三つ目は睡眠不足。この十日間は、ほぼ毎日遅寝早起きだった。特に最後の二日間、授業の準備のため、夜 2

時ぐらいに寝て、朝 6時に起床。昼間の時間や授業をやっている時に集中できなくなった。今後は、休み時間のう

ちに少し睡眠を取った方がいいのではないかと思った(昼寝とか)。

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4.身に付いたこと

一つ目は、多文化への理解。現地の人とエジプト人は大体イスラム教を信じている。毎日その人たちの五回の礼

拝を見て、そして食事時のルール、服装ことなど相手の紹介を通じて、だんだん元々触れたことがないものについ

て理解できるようになった。(例えば:なぜイスラムは豚肉を食べないのか、なぜイスラム教の女性は頭にスカーフを

かけるかなど)

二つ目は、料理を作ること。学生のために日本からお好み焼きの材料をマレーシアまで持って行った。初めて中

華鍋でお好み焼きを作ってみたが、成功だったので本当に良かった。しかもその味も多くの学生から好評だった。

三つ目は、コミュニケーション能力。きちんと自分から話題を出すことができるようになった。最初の方の交流では

私はほぼ“受け身”の立場でコミュニケーションをしていた。後半は自分が積極的に話かけるようになった。やはり交

流は単に英語力を高めるという目的だけではなく、相手と友達になりたいという心を抱いてコミュニケーションしてみ

たら話しかけやすくなる。(硬い質問ではなく、もっと生活に関する話などの方がいい雰囲気になれる)

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

グローバル人材はまず英語を話せることはもちろん、しかし、話せることだけではなく、積極的に自分から意見を

出すことが一番大事。つまり、英語の文法より正確的に自分の考えを向うに伝えるのが重要である。そして、多文化

を尊重すること。世界中で色々な宗教や文化が混ざっている。でもいつも自文化中心ではなく、多文化にも関心を

持って尊重すべきである。(例えば:手でご飯を食べること、イスラム教毎日五回の礼拝など)

さらに、好奇心を持って、恐れずになんでも挑戦したい気持ちを抱いて前に進むのも大切である。

6.後輩へのメッセージ

今回のボランティア活動は本当に良い経験だった。今後の生活の中でできるだけ多くの人と話し合って、自分の

視野を広げよう。そして勇気を持って積極的に他の人とコミュニケーションの第一歩を踏み出したら、時間が経つに

つれ、だんだん上手になれる。さらに、「グローバル人材」像の欄に書いたように、好奇心を持って、常に新しいもの

に挑戦することは大事である。問題が起きても、慌てず、冷静に考え、策を考える。自分にたくさんのプレッシャーを

かけない方が一番良いと思う.

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7.写真

ホームステイ家の前の写真

授業の様子

文化交流会 学校でボランティア全員と先生の写真

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氏名 土屋 典正 学生証番号 16A3186

学部/研究科 法学部 学科/専攻 国際政治学科

学年 2 年

派遣国 インドネシア 派遣都市 スマラン

出国年月日 2017 年 8 月 23 日 帰国年月日 2017 年 9 月 07 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 タガルジョと呼ばれる違法売春村の子供の教育、ホームステイによる異文化体験。

1.活動内容

主な活動内容は子どもへの教育となっており、子どもたちに日本のダンスを教えたり、ごみ捨ての大事

さを教えるために、ごみ拾いをさせたりして子どもたちと触れあった。

最初は相手も警戒しているのがわかったが、しばらくすると gendong(おんぶ)とせがまれるようにな

り、気付くとタガルジョを歩けば必ず誰かが肩に乗っかっているというような状態になっていた。

DAY1 まずボランティアメンバーで顔合わせをし、スマランの空港から公共バスで約一時間半かけて、

今回の村の Tegal rejo の街に向かった。この日は、この町でのルールの説明を現地のボランティア団体

Tegal rejo の職員から受けて、そのあと近くの村のホームステイ先の家に向かった。夜は今後二週間の予

定と滞在のルールを決めた。

DAY2 Tegal rejo 及び、ホームステイ先の村であいさつ回りをおこなった。もしこれをしないと地域の人

から反発を買うことになってしまうらしい。この日は子どもたちと会うことはなかったが、帰宅後に現地

コーディネーターから子どもたちの置かれている状況、背景をインドネシアのキャンプリーダーが涙を流

しながら教えてくれた。それと次の日に行う高校訪問の準備を行った。

DAY3 この日は朝から地元スマランの高校訪問を行った。学校では English festival が行われており我々

はそれに参加し、地元の高校生や同じく参加していた警察官と交流を行った。この日の夜はハリラヤと呼

ばれるイスラム教徒とのためのお祭りがあり、それを見に行くことができた。

DAY4 Tegal rejo の村でインドネシアの伝統的なダンスを子どもたちと踊った。

DAY5 スマランの街に行き、インドネシアの英語のラジオに出演した。

ここで今後の行動の目標や Tegal rejo の子どもたちのことなどの話を英語で一時間ほど話した。

その後、スマランの街のレインボービレッジにも訪れた。

DAY6 フリーデイでボロブドゥール遺跡及びジョグジャカルタに訪れた。

DAY7 Tegal rejo で子どもたちと折り紙教室を行った。その後、その日の夜に日本食をホストファミリー

達に振る舞うことになっていたので家に戻り唐揚げと日本米、みそ汁、白玉小豆を作った。

そしてインドネシアのボランティアの人たちが伝統衣装を着てダンスを見せてくれた。

DAY8 この日は事前に日本人ボランティアで決めたようかい体操のダンスを子どもたちと踊った。

そしてそのあとは基礎的な英語や算数のクラスを開き子どもたちに教えた。

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DAY9 子どもたちとごみ拾いを行った。この地域は本当に不法投棄のごみがとても多く子どもたちもご

みをごみ箱に捨てなければならないということをきちんと分かっていない子がとても多かった。

DAY10 この日はただ子どもたちと遊んだ。

DAY11 子どもたちを連れて地元の市民プールへ行った。だが水温がとても冷たい上に日本みたいにシ

ャワーを浴びてから入るといった習慣はないので、ここに入った日本人はこの後何らかの形で体調を崩す

ことになってしまった。

子どもたちを送り返した後は滞在先のそばにあるインドネシアのヨーグルト工場の見学を行った。

DAY12 次の日の最後の発表会に向けて三つの班に分かれて子どもたちと練習を行った。

DAY13 この日が実質活動の最終日となった。前日練習をしたダンスや歌などの発表を行った。

夜にはホストファミリー達と写真をとったりお母さんの手料理をごちそうしてもらったりした。

DAY14 朝早くにスマラン空港のそばのオフィスに戻るためにバスに乗った。

ホストファミリー達は我々との別れを心から惜しんでくれ、涙を流してくれた。

そのあと飛行機が来るまでの時間スマラン市内の観光をして、現地ボランティアの人たちと別れスマラン

を去った。

2.特筆すべきエピソード

私は今回ホームステイで滞在させてもらったということでインドネシアの本来の暮らしを経験すること

ができた上にホストファミリーと仲良くすることができた。

床の上に座ってご飯を食べたり、マンディと呼ばれる水風呂を使ったりと日本にいてはとても経験できな

いことばかりであった。

さらに私は現地のインドネシアコーディネーターと様々なことについて話すことができたいろいろなこと

について教えてもらうことができた。

日本にいては聞けない話ばかりでとてもいい経験をすることができた。

3.苦労したこと

食事も美味しく、日本との生活の違いもいい経験と考えて参加をしたので全て楽しく感じたのであまり

苦労は感じなかったが、唯一大理石の床の上で直に寝て二週間を過ごさねばならなかったのがはじめはき

つかった。

4.身に付いたこと

今回のワークキャンプでは途中からキャンプリーダーを任されたということがありインドネシアのコー

ディネーターと英語でコミュニケーションを取らなければならなかったのもあり英語でコミュニケーショ

ンをする能力が身についた。

更には宗教のことや文化のことなどいろいろなことについての話を聞かせてもらえたので自分の国との違

いを受け入れることの大切さを強く実感し、できたと思う。

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5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

日本人はグロ-バル人材とは英語を話すことと考えがちだが私はそうではないと思う。グローバル人材

というのは逆境を辛いと思わずに楽しむことができる人物のことだと思う。

今回のインドネシアでのワークキャンプではそれなりに恵まれていたのでそこまでたくさんの逆境はなか

ったが、どんな環境でもそこの文化を受け入れて生活をしていくことができるような心を持つことが本当

に重要なことだと思う。

6.後輩へのメッセージ

インドネシアは日本人が普段あまり関りを持つことがないイスラム教の国であるし、いろいろと不安な

こともあると思うがその不安、心配を上回るほどの経験、楽しさがこのワークキャンプには待っている。

何かを心配することも大切なことだとは思うが経験したことのないことをただ心配してもあまり意味のな

いことなのだから深く考えすぎずに参加をしてみてほしい。

7.写真

インドネシアの高校訪問

ホームステイ先の家族

Tegal rejo の子どもたち ドラムラグのお祭り

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氏名 高島 涼香 学生証番号 16F1325

学部/研究科 経営学部 学科/専攻 経営戦略学科

学年 2 年

派遣国 ラオス 派遣都市 バンビエン

出国年月日 2017 年 8 月 6 日 帰国年月日 2017 年 8 月 21 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 公民館のフェンス・ウォータータンクの建設、現地の子供達に英語を教える

1.活動内容

日本、香港、台湾、ラオスからの参加者、合わせて約 20 名を主に3つのグループに分けて、1 日ごと

に役割がローテーションしていく形で、活動しました。3 つの役割分担は大きく分けて、cooking(朝、

昼、晩の食事を皆の分作る)、cleaning(食事後の皿洗い)、teaching(幼稚園から小学生の子供達に ABC

から英語を教える)でした。working(フェンス・ウォータータンクの建設の手伝い、雨で中止になるこ

とあり)は、役割分担関係なく皆で一緒にやりました。活動の 6 日目は唯一のフリーデーで、皆で現地の

ボランティアメンバーが薦めるバンビエンの観光地まで出かけることができました。

役割分担はありましたが、手が空けば他のグループを手伝ってお互いに協力し合いました。雨季だった

ので思い通りに活動が出来ない日もあり、その時は他の参加者や現地の参加者と会話をしたり、歌を歌っ

たり、ゲームをして交流を深めました。

2.特筆すべきエピソード

首都ビエンチャンからバスで 3〜4 時間かかる私が滞在・活動した場所は、バンビエンの中でもさらに

田舎だったので、道が整備されておらずコンクリートがない道では、時速約 10〜15km の走行しかできな

かったので移動にとても時間がかかりました。また、近くで飼育している農家の牛や馬やヤギが自由に歩

き回っていたので、自動車やトラックが、牛にクラクションを鳴らしている光景が新鮮でした。

滞在最終日に、Farewell パーティーを現地の方が開いてくれました。ラオスの伝統的な儀式のようで、

村の偉い人たちがたくさん集まり、豪華な食事が並びました。最後には、私たち参加者の旅の安全、無事

に自分の国へ帰れるように現地の方が、ミサンガのような紐を 1 人 1 人結んでくれました。現地のボラン

ティアメンバーも、私へ今後の将来での活躍や、2 週間のボランティア活動での感謝など、思い思いに私

の手首にお祈りをし、紐を結んでくれました。

3.苦労したこと

一つ目は、女の子 9 人で1つのシャワールームを順番に使ったことです。全員が浴び終わるのに1時間

半はかかったので順番が最後だと先に仮眠をとって起こしてもらっていました。さらにトイレ兼用だった

ので、行きたくなっても誰かが浴びている時はすぐにトイレを使うことができませんでした。

二つ目は、寝ている間にアリが部屋に侵入してきたことです。現地の方が蚊帳を用意してくれたので、

蚊に刺されることはありませんでしたが、アリに噛まれて何度も起きました。次の日部屋を掃除してアリ

の巣ごと退治しましたが完全ではありませんでした。

三つ目は、食事が合わなくお腹いっぱいに食べられなかったことです。基本交代で自炊でしたが、グル

ープ分けが完了するまでは現地の方が現地の料理をふるまってくれました。私はパクチーが苦手で現地の

方が私だけのためにパクチー抜きのスープを作ってくれましたが、完食することができず申し訳ない気持

ちになりました。

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4.身に付いたこと

間違った文になっていてもいいから英語を積極的に話すことが身につきました。working や cooking の

最中は自分が疑問に思うことや、どうすればいいのかわからない時がありました。そんな時はゆっくり英

語の文を作っている時間はありませんでした。自分で考え聞きたいことをきちんと聞くことは集団行動に

おいて不可欠だなと思いました。そして英語だけでなく、現地の言葉ラオス語も少し身につきました。ラ

オスの人はシャイな人が多く最初は全く話しかけてくれませんでした。しかし、現地での挨拶「サバイデ

ィー」を教えてもらい、だんだんと会話が多くなり帰国してからも連絡を取り合う仲までになりました。

他の国からの参加者が知っているわずかな日本語を話してくれることが嬉しかったのと同様に、自分の国

の言語を教え合い、文化交流することは生まれの違う人々が仲を深める一番の手段だなと感じました。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

グローバル人材とは、仮にその先に困難が待ち受けようと自分が安心して暮らせる場所や価値観から飛

び出していける勇気と覚悟を持つ人のことだと思います。このワークキャンプに参加したメンバーは、常

に自分のやりたいこと好きなことに挑戦し続ける姿勢を持っていて、その話を聞いているうちに私も何か

したいと強く感じました。今までこんなにも長く海外に滞在したことがなかったので、日本という国から

出てみて、たくさんの人や見たこともない景色と出会って、知らなかったことをたくさん知れたことが本

当に楽しかったです。今回の経験を経て、どんな将来を選んでも正解不正解はなく、自分のやりたいこと

をして楽しんでいればそれはとてもいい人生だということを感じました。現地の人々は私たちからした

ら、不便で質素な生活を送っていたけれど、いつも笑顔で無邪気でした。そんな姿を見たら、やりたいこ

とがあるのに自分で抵抗を生み出して、実行に移せない私たちの方が、幸せな人生を送れていないなと思

いました。自分の視野を広げグローバルな視野を持つことは自分自身の可能性を大きく広げてくれます。

6.後輩へのメッセージ

もし参加するか迷っているなら絶対に参加するべきです。自身で生み出している迷いを捨てていかにや

りたいことに focus できるかが大切です。2 週間という短い期間で現地の人の生活をより良くすることは

はっきり言って難しいです。しかし、その 2 週間での共同生活はたくさんの発見があり、かけがえのない

ものになるはずです。そしてそこで何を吸収して何を学んでくるかはあなた次第です。頑張ってくださ

い。

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7.写真

ウォータータンクの建設

市街の様子

現地の子供達に英語を教える

フリーデーで行った bluelagoon

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氏名 安藤 秀次 学生証番号 17F1404

学部/研究科 経営学部 学科/専攻 経営戦略学科

学年 1 年

派遣国 マレーシア 派遣都市 マラッカ

出国年月日 2017 年 8 月 29 日 帰国年月日 2017 年 9 月 7 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE

主な活動内容 現地の学生たちに言語・文化紹介

1.活動内容

私の参加したワークキャンプは 8 月 29 日から 9 月 7 日までの 10 日間に亘って行われた。参加者は、日

本人 12 名のほかに、エジプトから 15 名ほど、そして現地のマレーシア人スタッフが 7 名であった。活動

内容は、大きく二つに分けられる。

一つ目は、マラッカ郊外にある伝統的な村を訪問し、イード・アル=アドハーと呼ばれるイスラム教の

犠牲祭に参加したことである。暦の関係で毎年行われる日付が異なるが、ちょうど 2017 年は 9 月 1 日から

の四日間がその日にあたり、幸いにも私たちは二日間参加することができた。この犠牲祭では、その名の

通り所有する家畜から生贄を神(アッラー)への捧げものとして供出しこの日を祝うわけだが、目の前で家

畜が殺されていく、日本ではまず目にしない光景にショックを受けるメンバーもいた。この村での活動

は、生贄となった家畜を用いた料理の手伝い等をすることはあったものの、基本的には村の方にもてなし

をされることが多く、観光で訪れては体験できない貴重な時間を過ごせたと思うと同時に、ボランティア

活動という面では少し物足りなさを感じたのもまた事実である。

二つ目は、今回のメインの活動であった、マラッカ市内の学校に通う学生に対し日本語を教えたり、日

本文化を紹介したりしたことである。この活動は、私たちの宿泊先であった民家から徒歩三分程の場所に

位置する Al-Ahmadi School にて、二日間行った。事前に 13 歳から 14 歳の彼らは日本語を学んだことがな

いという情報を得ていたため、一日目の日本語の授業ではひらがな五十音の読みと書き、そして簡単な挨

拶や自己紹介の方法を、前もって作成した五十音表やカード、歌等を用いて、わかりやすく且つ楽しみな

がら学べるように工夫して行った。授業内の彼らの飲み込みはとても早く、スムーズに進行することがで

きた。また特に印象的だったのが彼らの名前を折り紙にひらがなで書いてあげたときにとても喜んでくれ

たことだ。事前の準備が功を奏した結果となった。二日目の午前には日本の大学や日本の世界遺産につい

てのプレゼンテーション行い、そして夜のカルチャーデイではお好み焼き、うどんを作り日本食の紹介、

あっちむいてほいなどのゲーム、書道、着付けなども行った。今回の私たちの授業、そして日本文化の紹

介を機に、日本語、そして日本という国に興味・関心を持ってくれれば幸いである。

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2.特筆すべきエピソード

学生たちとの出会い、特に放課後にサッカーを楽しんだことは忘れられない。授業の休み時間に彼らと

話をしている中で、私が高校時代サッカー部に所属していたことを告げると、私を放課後のサッカーに誘

ってくれた。「Andy! Bola! Bola!」とピッチを縦横無尽に駆け回るがむしゃらな彼らの若さ溢れるエネルギ

ッシュなプレーを前に自身の若干の老いを感じたが、国を超えてサッカーというスポーツを楽しめたこと

を誇らしく思った。試合に勝利し、チームメイトと余韻に浸っていると、彼らがとあるマレー語を教えて

くれた。「Kita menang!」俺たちが勝ったぞという意味らしい。私が「Kita menang!」と叫ぶとチームメイ

トが後に続いて叫ぶあの光景は忘れられない。サッカーを通してすっかり打ち解けた私たちは、名前を呼

びあうほどに親しくなり、フェアウェルパーティーでは何人かの学生がユニフォームをプレゼントしてく

れた。無論、一生の宝物である。

3.苦労したこと

ワークキャンプ全体を通して、事前に受入団体から与えられたスケジュール通りに物事が進むことは皆

無に等しく、予定が二転三転することがたびたびあった。特に苦労したのが日本語教育である。当初私た

ちには授業をする日が四日間用意されていたが、直前になって現地の学校の都合によりやむなく二日間に

減ってしまい、渡航前から日本人メンバーで授業に向け用意していたものを大幅にカットしなくてはなら

なかった。また対象の学生の年齢さえ分かっていたものの、人数は当日にならなくては分からず、紙を何

人分用意すれば良いかや、人数配置をどうするかなどといった面でも大変苦労した。

4.身に付いたこと

柔軟な対応をとることができるようになった点だと考える。前述のように、予定されていたスケジュー

ルが大きく変更する中で、日本人メンバーでのミーティング等を通して情報を共有し合い、意見を交わ

し、その時にできる最善の準備をするように心がけたことで、急なハプニングが発生した時も余裕を持っ

て行動できたように思う。また、日本語の授業の際に、英語で生徒に説明したときに、自分の言っている

ことが理解できていなさそうだったら易しい英語に言い換えたり、規定の時間よりも授業が早く終わりそ

うになってしまったときにアドリブでゲームを始めることができたりしたことからも柔軟な対応力が身に

付いたと言えるだろう。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

異文化を肌で感じる中で文化や風習の違いをお互いの良さとして捉え、相手のそれを尊重し、受け入れ

ることのできる人がグローバルな人材であると思う。

6.後輩へのメッセージ

今回私は今しかできないことをやろうと意気込んでこのワークキャンプに参加しました。大学生という

融通が利く今だからこそ、勇気をもって一歩を踏み出すことが大切だと思います。実際に海外に足を運

び、異文化を肌で感じることで得る経験は将来の糧となり、人生をより豊かにしてくれると思います。

ぜひ皆さんも思い立ったらチャレンジしてみてください。

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7.写真

サッカーの試合に勝利し

歓喜するチームメイト

犠牲祭で出会った子供たち

鳥の鳴き真似するとめちゃ笑う

村訪問時の写真

ワークキャンプ参加者集合写真

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氏名 中村 譲之介 学生証番号 15H0521

学部/研究科 人間環境 学科/専攻 人間環境

学年 3 年

派遣国 インドネシア 派遣都市 バンドン Batu loceng

出国年月日 2017 年 8 月 13 日 帰国年月日 2017 年 8 月 28 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 村の人々の活動の手伝い

1.活動内容

主に村の人々の活動の手伝いがワークの内容であった。具体的には、酪農を行っている方のところでは、

牛のエサ作りや、乳しぼりの手伝いを行い、農家では有機野菜を育てる手伝いを行った。また、子供たち

の使う図書館の清掃も行い、壊れた本棚を作り直すワークも行った。今回は、派遣期間中にインドネシア

の独立記念日があり、その前後では独立記念日に使う装飾品の作成、撤収の手伝い、当日は村の人ととも

に独立記念日の祭りに参加した。村から少し離れ、現地の高校生徒の交流もあり、日本語クラブの生徒に

日本の文化を紹介したり、音楽クラブの生徒とともに楽器を演奏したりもした。NICE のホームページに

は、ごみ問題を対象にした村の人への環境教育や、若者に向けた英語教育を行うとあったが、今回のワー

クでは行わなかった。

2.特筆すべきエピソード

インドネシアの独立記念日に参加させてもらった時のこと。インドネシアでは、ただの休日と化してしま

った日本の建国記念日とは違い、独立記念日には、各村総出でお祝いのお祭りに参加していた。一人一人

の愛国心も強く、今日までインドネシアという国が存続していけたことに対しての感謝の気持ちを抱いて

いる様子がとても印象的であった。(村代表のスピーチを行った際、声を詰まらせて泣いている人もい

た。)また、独立記念日の前は村の人が集まり、お祭りの装飾品を作るためにみんな働いていたが、その

姿はまるで、文化祭の準備をする高校生のようであった。皆が笑顔で夜中まで働き、協力しながら祭りの

ために動いているのが印象的であった。現在日本では、ワークタイムバランスの調和をどのように保つか

が問題になっているが、Batu loceng の人々はそのような問題など皆無であるかのように思えた。日本の場

合、仕事と日々の生活を引き離すことで調和を保とうとしていたが、Batu loceng では生活と仕事が密接に

関わり合っているからこそ、その調和が保たれているように感じた。彼らにとって、このように働くこと

に仕事という感覚はなく、日常生活の中の一つという感覚であるのかもしれない。村人の一人として、村

のための働くという姿勢が、そのような感覚を生み出し、ストレスのないワークスタイルを作っているの

ではないかと思う。生活様式も日本と違うこの村のシステムを取り入れることが出来るのか、という問題

はさておき、この村の生活、働き方から日本が学ぶことは多いのではないかと自分は感じた。

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3.苦労したこと

キャンプメンバーとのコミュニケーションは主に英語であった。私は英語が苦手であったため、コミュニ

ケーションをとる際に苦労した。学校教育の中で学んできた英語と、ワークの際に実際に利用する英語の

能力は全く違い、話すこと、聞くことについては実際の経験を積まなければならないことが多いと感じ

た。英語は、世界中の人(英語を母国語としない国のであっても)との共通のコミュニケーションツール

として使える言葉であり、世界で自己表現、他者理解をするためには、英語力は不可欠なものであると今

回のワークキャンプで強く思った。

4.身に付いたこと

今回のボランティアは、活動内容が当日まで決まらなかったり、変更したりすることが多かった。そのた

め、状況に応じて臨機応変に物事に取り組む、対応力を身に着けることができたのではないかと思う。ま

た、インドネシアのお国柄として、ワークの拘束時間は短かった為、自由な時間に自ら行動し、積極的に

取り組む行動力も身に着けることができたのではないかと思う。ワーク以外の時間では、キャンプメンバ

ーとの共同生活であったため、相手のことを考えながら行動する力、普段の自分の生活とは異なる生活を

受け入れ、対応していく力も今回のワークキャンプを通じて身に着けたことである。

これからは、より積極的に誰にでもコミュニケーションをとることができるように、英語力を身に付けた

いと考えている。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

今回の経験から、英語力や行動力は、グローバル化した社会をよりよく生きてゆくために大きな武器とな

ると感じた。しかし、「グローバル人材」にとって最も必要であると今感じるのは、「他者理解」のでき

る人間なのではないかと思う。相手の存在や生き方を認め、互いに自分らしく生きてゆくことのできる社

会こそが、グローバル化が益々進むこれからの社会にとって大切であると感じた。これは言葉でいうこと

は簡単ではあるが、実際に海外での生活を送ると簡単なことではないと思うであろう。今回のワークキャ

ンプは、今までの自分の生活とかけ離れていることが多く、戸惑い、受け入れがたく思うこともたくさん

あった。しかしそれを否定するのではなく、受け入れ、適応させていくことによって、その地でも自分は

自分らしく生活をすることができるのではないかと感じた。これは、インドネシアに限らず、世界中のど

こでも、また誰と話すときでも変わらないのではないかと思う。本当の意味で「他者理解」を学ぶこと

が、「グローバル人材」には必要である私は考える。

6.後輩へのメッセージ

Batu loceng は決して豊かな村ではありません。トイレには紙もなく、家に冷蔵庫やテレビのない家庭もた

くさんあります。学校は遠く、村の図書館も環境はひどいものでした。ただ、村の人はみんな無邪気で優

しくて、温かい人ばかりでした。子ども達もみんな素敵な笑顔を持っていました。人と人との繋がりの大

切さを、私は今回のワークキャンプで学びました。この村は何もないと見るか、日本にはない沢山のもの

を持っていると見るか、感じ方は人それぞれだと思います。しかし、日本に住んでいる人であるならば、

この村に来たら、何かしら心に思うことがあると思います。その気持ちはずっと日本で生活をしていたの

なら、絶対に感じることができない気持ちだと思います。今回の経験は、これからも忘れないであろう大

切な経験に私はなりました。

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7.写真

現地の学生との交流会

日本語クラブの生徒との写真

牛の餌づくり

インドネシアの独立記念日の様子

国の象徴であるイーグル

歓迎パーティーを開いてくれた時の様子

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氏名 岡本 優太郎 学生証番号 17X5023

学部/研究科 理工学部 学科/専攻 創生科学

学年 1 年

派遣国 スリランカ 派遣都市 ガラハ

出国年月日 2017 年 8 月 19 日 帰国年月日 2017 年 9 月 3 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 農業

1.活動内容

ボランティア活動として主にファームワークをしました。具体的には、自分たちの暮らしているジャン

グルの様な所を開拓して穴を掘って苗を植えたり、石垣を築き農場を作ったり、バナナツリーを切ったり

しました。それらの活動が主に前半の 1 週間で、後半の 1 週間では、ウーマンズグループに訪問してペン

キ塗りを手伝ったり、チルドレンプログラムで折り紙や書道、ボール遊びなどを通して子供たちと触れあ

ったり、メディテーションセンターで瞑想をしたりなど現地の文化を感じることのできる活動をしまし

た。さらに 2 日間あったフリーデイでは、自分たちで行きたい場所を選びそこで観光をしました。私たち

は像に乗ったり、高い塔に上ったりして楽しみました。

2.特筆すべきエピソード

こっちに来て日本と違うことはたくさんあり日々何らかの衝撃を受けていましたが、その中で特筆すべ

きことといったらヒルについてです。現地ではヒルのことを英語で leech(リーチ)と呼んでいたのです

が、このリーチが雨天時には草むらにうじゃうじゃ出現して大変でした。実際かまれても痛いわけではな

くただ血を吸われるだけなのですが、リーチが皮膚にくっついている画はかなりインパクトがありパニッ

クになりかねないので、みんな嫌がっていました。ある日川沿いを突き進んで苗を植えに行くファームワ

ークをしたのですが、この湿った環境はリーチの巣みたいなもので、下を見るとたくさんのリーチがぴょ

こぴょこしていました。一週間もすれば慣れてしまうのですがこの日はまだ 3,4 日目だったのでそれはな

かなかの衝撃で、精神的に疲れました。結局、背中までかまれた友達もいましたがこの日私はかまれずに

済みました。私は 2 週間を通して、持参していった長靴のおかげか、2 か所しかかまれずに済みました。

ちなみに春にスリランカのボランティアに参加した人に話を聞いたところ、リーチはほとんどいなかった

みたいだったので夏に行く人は気を付けてください。

3.苦労したこと

日本の生活と比べると毎日苦労していたような気がしますが、バスでの移動が一番の苦労だったかもし

れないです。ワークキャンプ地のガラハは山の高いところにあり、近くの都市キャンディまではくねくね

した山道を長い時間乗車している必要がありました。そしてこちらの交通状況は基本的に急発進、とば

す、急ブレーキという感じ(特にバスがかなりとばす)で、さらに中は常に人と体が当たっているくらい

混んでいるので私は酔いと疲れで苦労しました。アドバイスとしてはなるべく荷物は小さくし、また多く

ても 2 つにまとめておくということと、カーブの遠心力に体を持ってかれないようにすることです。しか

しスリランカ人は本当にフレンドリーで優しい人が多く、バスの中でも荷物を持ってくれたり、話しかけ

てくれたりしました。日本人女性はスリランカで評判が良く、席を譲ってもらうことが多いかもしれない

のでそんな時は遠慮せずに座ったほうがいいと思います。

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4.身に付いたこと

身についたことはたくさんありここに書ききれないくらいですが、スリランカに行ったからこそ得たも

のといえば、自然により近い環境で生きる力だと思います。まず、日本ではありえないと思いますが部屋

にはヤモリと巨大クモが普通にいます。しかし、最初は驚くと思いますがそれらは毒があるわけではない

ので問題ありません。また、シャワーは水しか出ませんでした。かなり冷たかったのでこれに慣れること

はありませんでしたが、忍耐力は身に付きました。食べ物を手で食べる習慣も身につきました。最初は食

べ物をじかに手でつかみ混ぜ合わせてから口に運ぶのに抵抗があったのですが、それはすぐに慣れ、むし

ろ箸やスプーンを使う方が、むしろ違和感があるくらいにまでなりました。日本に帰ってからは、手で食

べることもできなくなり少し悲しいです。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

どんな状況下でも楽しめるような人だと思います。楽しむということだけでどんなことでも前向きにと

らえられるし、さらにコミュニケーションも円滑になります。一緒に活動した仲間に、言葉の壁があって

もいつでも楽しんでいて他の人まで楽しませてくれるような人がいて、こういう人は世界のどこに行って

もやっていけるのだなと感じました。大量のリーチを見て私は精神的に疲れていたのですが、そんな中で

もその人は楽しそうに、元気にファームワークをしていて励まされました。自分もこうなりたいと思いま

した。

6.後輩へのメッセージ

帰ってきてから、本当に良い経験ができてよかったと心から感じています。たった 2 週間だったのです

がこれまでで一番中身の濃い 2 週間であり、たくさんのことを得ることができました。もし何かをしよう

と迷っていてこの国際ボランティアが選択肢にあったら、それを選んで後悔するということは絶対にない

と思います。私はこの経験、学びを大学生活の早い時期にでき、視野を広げることができて本当に良かっ

たと感じています。なので、少しでも興味があったら後回しにせず早めに行動することをお勧めします。

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7.写真

Farewell party の写真

移動中の写真

farm work の地 夕日

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氏名 平林 瑞紀 学生証番号 17X5132

学部/研究科 理工 学科/専攻 創生科学

学年 1 年

派遣国 フィリピン 派遣都市 baril

出国年月日 2017 年 9 月 3 日 帰国年月日 2017 年 9 月 14 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 学校の修復作業

1.活動内容

セブ島の baril という街の学校に 10 日間滞在し、学校のペンキ塗り、清掃などをボランティアとして行っ

た。現地の学校に寝泊まりしたこともあり、子供と触れ合う時間がとても多かった。また、学校の先生方

や、夜学校に遊びに来る近所の方たちとも一緒にスポーツをしたり、食事をしたり、仲良くなった。ま

た、baril の市長に会いに行ったり、フリーデイの海に来ていた人たちと仲良くなったりと、とにかくこの

キャンプでは現地の方との交流が盛んであり、いろんな人と関わることができたように感じた。

フィリピン人は時間にとてもルーズだった。初めの空港での待ち合わせは 2 時間ほど遅れて案内の人がき

た。また、フリーデイのバスも 1 時間ほど遅れてきた。初めのうちは驚いたがフィリピンの生活に慣れて

くると、そのルーズなタイムワークも気にならなくなった。

2.特筆すべきエピソード

毎晩、近所に住む私たちと同じくらいの年齢の若者たちが私たちに会いに学校に遊びに来てくれた。一緒に

スポーツをしたり、日本語を教えたり、セブの言葉を教えてもらったりした。子供たちとの交流とはまた違

い、とても新鮮な交流ができてよかった。私たちが帰る時も、学校の前で見送ってくれた。10 日間、色ん

な話をしたり、日本の遊びをしたりして、とても現地の人との絆が深まったと思う。

また、現地の人はとてもフレンドリーで、マーケットに行ったり、海に行ったり、いく先々で手を振ってく

れたり、ハーイ、ハローと声をかけてくれたりした。本当にセブ島での生活は毎日の人との関わりが新鮮で

楽しかった。

また、フィリピンではフェイスブックが主に連絡ツールに使われているらしく、何度も「フェイスブックを

やっているか?」と聞かれた。私はたまたまフェイスブックをやっていたので、帰国後も現地の方達と連絡

を取っている。毎日色々な人からメッセージがくるが、フィリピンでの暮らしや友達を懐かしく思いながら

毎日返信している。ボランティアが終わって帰国したあとも、現地の人や日本のキャンプメンバーと連絡を

取り合ったり、会う約束をしたりできることをとても嬉しく思う。私は、初の海外がこのワークキャンプだ

ったが忘れられないものになった。

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3.苦労したこと

学校とボランティアとの連携が難しかった。学校自体のアナウンスの効率が悪く、私たちの提案やプラン

を、学校全体に話を通すことが困難であった。しかし、そのようなルーズな雰囲気もフィリピンの文化の

一部だと思って、臨機応変に予定の変更や対応をすることができた。

しかし、現地のルーズな時間感覚にのまれて自分たちの計画や、リーダーの指示に対してもルーズになっ

てしまった所があったので、そこは反省すべき点だったと思う。

しかし、現地の文化や雰囲気に触れて感化されることも大切なことだと思うから、日本人であるという自

覚も忘れずに適度にフィリピンの暮らしや生活にも適応できたという点はよかったと思う。

4.身に付いたこと

入国当初は、初海外ということもあり、ホテルの周りを 1 人で歩いたりするのがとても怖かったし、現地の

人と話しをするのも消極的であった。しかし、baril の小学校で 10 日間過ごして、コミュニケーション力や

対応力が飛躍的に伸びたと思う。英語力がとても高くなったとは思わないが、相手に言いたいことを伝え、

意思疎通を図ることが出来るようになった。コミュニケーション力がついたことで、現地の人との会話や交

流がとても楽しくなり、私自身も交友的になることができたと思う。

また、洗濯やトイレ、お風呂も手動で自分でしたし、インターネットもなく、毎朝 7 時起床で、日本での普

段の生活とはかけ離れた島国生活であったが、現地の生活を体験できてよかったと思う。ホテルに宿泊して

は知り得なかった体験ができた。機械に頼る日本の生活の利便性も実感できた。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

たくさんの人と躊躇なく関わりを持てる人物だとおもう。どこの国に行っても人との繋がりはとても重要で

その人の強みになると思う。今回フィリピンに行って、現地の人のフレンドリーさにとても驚いた。私が彼

らにとって外国人であるのも、そのような対応の理由の一つかもしれないが、すれ違う人とのあいさつや笑

顔にとても心が温かくなった。知らない人との関わりや交流は日本ではあまり経験出来ないことではある

が、これからの人との関わり方を考えさせられた。また、グローバル人材とは様々な経験を持つ人だと思

う。今回の経験は私の学生生活にとってとても大きな経験であった。この経験がなければ、人との関わりの

温かさを知ることができなかった。たくさんのことを経験した分だけ、たくさんのことを知ることができる

と思う。なにも知らないままでは、小さな世界でしか生きられない。色々なことを経験して、自分の知って

いる世界を広げ、広い世界で生きていける人が、グローバル人材であると考える。

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6.後輩へのメッセージ

初めてのボランティア参加は勇気がいるし、模擬キャンプやレポートなど参加までの準備も大変であった

が、それらの苦労の何倍も素晴らしい経験ができた。大学生活のかけがえのない経験になった。

私のように海外に行ったことのない人は、初めての海外で、発展途上国やボランティアに参加するのは少

し抵抗があると思うが、私は今回のワークキャンプが初めての海外でよかったと思っている。現地での生

活は、お風呂がなかったり、食事も日本のお米と違ったり、不思議な食事が出てきたり、トイレが流れな

かったり、トイレットペーパーがなかったり、朝とてもはやかったり、日本では当たり前のものがなかっ

たり、利用できなかったり、とても煌びやかなものとは言えなかった。しかし、現地の人と深く関わり、

ホテルではなく現地の生活が実際に送ることができるのが、海外旅行では経験できない、すごく刺激的な

体験になると思う。私は、海外に行ったことない人にもワークキャンプをおすすめしたい。そういう体験

を通して、日本に帰ると、今までは見逃していたムダや、余分なものを見つけたり、削減したりすること

ができるようになり、心に少しだけ余裕を持って生活を送れるようになった。

7.写真

小学校の子供達と

文化交流会

学校の壁のペンキ塗り

日本の文化について授業

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氏名 寺村 結 学生証番号 16Y1061

学部/研究科 生命科学部 学科/専攻 応用植物科学

学年 2 年

派遣国 タイ 派遣都市 トラン

出国年月日 2017 年 8 月 26 日 帰国年月日 2017 年 9 月 9 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 島での農作業、田植え、トイレや屋根作り。地域の方々との交流。

1.活動内容

島で伝統的農業を維持していくために住民とコミュニケーションを取りながら農作業を行いました。そ

の内容としては田植え、畑作りをしました。また、ホストファミリーの家のトイレ作りをしました。土を

掘ってコンクリートを設置するところから始めました。さらに、木が生い茂っているところにかなり大き

い葉を取りに行ってその葉と裂いた竹を使って家の屋根作りをしました。

地域の住民の作業を手伝ったりして交流をしました。

2.特筆すべきエピソード

何よりも自分の今の暮らしと島の人々の暮らしの差に驚きました。島の人々は衣食住ほとんど自給自足

して暮らしていました。それは自分たちの生活では考えられません。自分たちと生活の何もかもが正反対

でありました。また、島では貧困であろう人々も見受けられました。ですが、島の人々は皆笑顔を絶やし

ませんでした。たった数時間の作業で疲れている私たちと違って島の人々はとても強かったのです。それ

に衝撃を受け、毎日疲れたと文句を言っている自分が情けなくなりました。

3.苦労したこと

1 番苦労したことは島の生活に慣れることでした。お風呂はないので水浴びをし、トイレはペーパーが

なく、寝床は硬い床の上。予想はしていましたが、実際に体験してみると最初の 2 日間くらいはかなり精

神的に疲れました。身の回りのことも生活に必要な最低限のことしかしませんでした。徐々に慣れては来

ましたが、2 週間で疲れは極限まで来ていた気がします。他に苦労したことは地域の子供との接し方で

す。現地の子供はとてもシャイであったのでいきなり近づきすぎると驚いてしまいます。なので、距離感

を考えて子供と交流するのに最初は苦労しました。

4.身に付いたこと

自ら考え、積極的に行動しようと試みる力が身についたと思います。言われた以上のことをやる、そし

て言われなくても次にすべき行動を自分で考えて動くことの重要性を感じました。そうすることにより周

りの人と打ち解けて認められたように感じると今回のワークキャンプで思いました。

また、幅広い視野を身に着けたと思います。海外に行ったことはあったもののボランティアで海外に行く

のは初めてでした。この経験をして、自分とは真逆の世界で生きている人たちがいるということを知るこ

とができました。そして、他の国にも貧困で苦しんでいたりしている人達が多くいる中で自分はどのよう

な行動をとっていけばよいか考えることができるようになりました。

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5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

日本人としてしっかり日本の良さを自覚していながら、異文化理解や他国の言語の習得、などをして世

界で働く事ができる人材であると思います。それは日本人のアイデンティティを持っている上で、海外に

赴く際には郷に入れば郷に従えの精神を持つことだともいえると思います。日本に誇りをもって、海外に

対して専門的な知識を持ちつつ柔軟性を持つことがとても大切であると思います。

6.後輩へのメッセージ

ワークキャンプに参加することは自分を大きく成長させると思います。自分を見つめなおし、今後どう

生きていくか考えるきっかけになるかもしれません。視野も広がり、今までとは違う考え方をすることが

できると思います。ワークキャンプは自分の努力次第で充実したものにできます。事前に、どんな自分に

なりたいか、どう活動したいかどのように今後に生かしたいかを想像して参加するとよりよいワークキャ

ンプになると思います。

7.写真

図 1:田植えの様子

図 3:トイレ作りの様子

図 4:島の売店

図 2:屋根作りの様子

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氏名 松本 桃花 学生証番号 17E2236

学部/研究科 社会学部 学科/専攻 社会

学年 1 年

派遣国 日本 派遣都市 島根県出雲市

出国年月日 2017 年 8 月 17 日 帰国年月日 2017 年 8 月 27 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 寺子屋

1.活動内容

正規日本人メンバーが 5人、正規外国のメンバーはチェコ、イタリア、ハンガリー、ロシアから来た 4 人

でした。日本人 2人、台湾人 1人が部分参加していました。

8/17

最寄り駅に集合したあと、地域の人の車に乗って唐川館(宿泊施設)行きました。その後自己紹介などの

オリエンテーションを行いました。

8/18

午前は小学校へ行き地元の子どもたちと体育館で各国のゲームで交流しました。午後は地元の人に教わり

ながら絵手紙を作成。夜に Welcome Party が行われました。たくさんの地域の方が差し入れを持ってき

てくださいました。

8/19

寺子屋の準備の後、地域のお祭りに行きました。

8/20

午前はお寺の清掃、午後はお寺に置く柄杓と自分で使うコップを竹からつくりました。

8/21

Free Dayであったため、メンバー全員で出雲大社と海に行きました。海ではウニを取り、その場で、

自分で割って食べるという貴重な体験をしました。

8/22

午前は各国のゲームをする寺子屋、お昼は地域の方々につくっていただき子どもたちと一緒に食べ、午後

は座禅体験をしました。地元のテレビ局が私たちの活動を取材しに来てくださいました。

8/23

午前は茶畑の雑草取りの後に、各国の伝統を伝える寺子屋。お昼ご飯は地域の方々につくっていただき子

どもたちと一緒に食べました。午後は柿農家で、渋柿でハンカチを染める体験をしました。

8/24

午前はヨガの後に、新しい校舎の幼稚園を訪れ子どもたちと水遊びをしました。午後は幼稚園の旧校舎の

清掃を行った後、海に行きました。

8/25

午前は茶畑の雑草取りの後に、子どもたちと各国の料理を作る寺子屋を行いました。午後は竹で日時計と

流しそうめんの竹を作りました。

8/26

午前は Farewell Party の料理作りとメンバー全員で温泉、午後は Farewell Party でした。たくさんの地

域の方が来てくださり、流しそうめんや演奏会が行われました。

8/27

解散。島根県を出発するまで時間のあるメンバーで出雲大社を観光しました。

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2.特筆すべきエピソード

今回の平田のワークキャンプでの特筆すべきエピソードは、最終日の前日の夜に行われたお別れパーテ

ィーで寺子屋に来てくれていた地域の子どもたちが、来年のワークキャンプのための募金箱に自分のおこ

ずかいを入れていたという話です。このワークキャンプは参加者だけでなく、地域の方々の協力で成立し

ており、愛されているから続いているのだと実感させられました。このような経験を通して、ボランティ

アただ単に自分たちが楽しむ、成長するということだけではなくその地域に自分たちが何を与えることが

できるのか、どんなことが協力できるかを考えることができました。

3.苦労したこと

もらい湯に行った時や地域の方の車に乗せていただいた時に、地元の方と外国メンバーの会話の通訳が

とても難しく苦労しました。もらい湯や地域の方の車に乗っている時は地域の方と深いコミュニケーショ

ンを取るいい機会であるのですが、外国メンバーがコミュニケーションを取るためには、日本人メンバー

の通訳が必要不可欠です。しかし私の英語力が足りず部分的な通訳となってしまいました。また、地域の

方の方言を聞き取ることが難しい時もあり、日本人の私が言葉の意味を理解することができず外国人メン

バーに伝えることが難しかったです。

4.身に付いたこと

英語力も付きましたが、それ以上に違う言語を話す人と言葉がわからなくてもコミュニケーションを取

ろうというマインドが身に付きました。

私はこのワークキャンプで初めて外国人と話す経験をしました。最初は英語を全く喋ることができなかっ

たため外国人メンバーとコミュニケーションが取ることができず苦労しました。しかし、たとえ文法が間

違っていても、伝えようという気持ちを強く持ち言葉を発することによって、段々外国人メンバーとコミ

ュニケーションを取ることができるになりました。外国メンバーも私の言わんとすることを理解しようと

歩み寄ってくれましたし、日本人メンバーも助け舟を出してくれました。このことを経験することによっ

て伝えようと思えば伝わるのだと、自分に自信を持てるようになり、今までよりも積極的に自分と違う言

語を話す人と関わり、コミュニケーションをとることができるようになりました。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

英語というのはコミュニケーションツールであり、いくら英語が喋れても伝える内容が無かったらコミ

ュニケーションをとることはできません。もちろん、英語が流暢に話すことができたらより良いですが、

伝える内容を持った人がグローバル人材なのではないかと感じました。また、様々な差異を拒絶すること

なく受け入れるということもグローバル人材の条件であると思います。

6.後輩へのメッセージ

私は、英語も話せず、外国人と関わったことがなかったので、このワークキャンプに参加することに迷

いを感じていました。ですが実際に参加してみて、英語が話せない人、今まで外国人と関わったことがな

かった人ほど参加してほしいプログラムだと感じました。たった 11 日間でしたが、かなり変わることが

できました。行こうか迷っている人は是非、一歩踏み出して参加してみてください。後悔はさせません!

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7.写真

幼稚園での交流 早起きをして茶畑の雑草を取りました

寺子屋の後の集合写真

メンバーでお祭りへ行きました

みんなで作った手紙

寝泊まりした唐川館

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氏名 桝永 衣沙奈 学生証番号 17E1606

学部/研究科 社会学部 学科/専攻 社会政策科学

学年 1 年

派遣国 タイ 派遣都市

出国年月日 2017 年 8 月 26 日 帰国年月日 2017 年 9 月 7 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) NICE(日本国際ワークキャンプセンター)

主な活動内容 田植え、ホストファミリーの家のトイレの設置

1.活動内容

主に田植えが多かった。具体的に、畑で育てた稲の苗を抜き根っこについた泥を落として、それをあつめ

て一つの大きな束にする。それを田んぼに持って行き 3 本ずつくらいを縦横の列を揃えて規則正しく植え

た。他には、ホストファミリーの家の庭に設置するトイレ作りをした。最初はトイレの壁を竹に葉っぱを

縫い付けるようにして作った。そのために葉っぱを島の林に取りに行った。次に穴を 3メートルから 4 メ

ートルくらい掘ってそこにコンクリートでできた丸い型をはめた。そして現地の大工さんと協力して木で

骨組みを作った。すべては完成しなかったが引き続きまだ島に残っているボランティアが作っている。

他にも、野菜の苗を育てるための小さな鉢を葉っぱで作ったり、ホストファミリーの畑を耕したり、伝統

的な食べ物の作り方を教えてもらった。

2.特筆すべきエピソード

私たちがボランティアに行った島はイスラム教を信仰する人が多くイスラムの文化が根付いており、日本

ではあまり体験出来ない宗教についての体験があった。例えば、女性は肌の露出をしてはいけないのでボ

ランティアのメンバーもノースリーブや膝上のズボンは着てはいけないなど実際に自分も決まりを守らな

ければいけないということがあった。他にも、ちょうどボランティア期間中にムスリムの行事で日本のお

正月のような日があり、ボランティアのメンバーもモスクに行きムスリムの礼拝を外から見ることが出来

た。小さな子供からお年寄りまで大勢で同じお経を唱え、礼をする姿は、日本ではなかなか見ることので

きない光景でありその迫力に圧倒された。そしてその礼拝でも男女は別々に区切られており、また生理中

の女性はモスクに入ることが出来ないそうだった。

これらの体験から私はイスラム教での男女差、また宗教を信仰するということの 2 点の関係性について考

えた。私はこれまでイスラム教の男女差について女性がかわいそうだから治すべきだ、と考えていた。し

かし、島での人々を見ていてイスラム教は生まれてから何の疑いもなく信じているものであり男女差も彼

らの中でイスラム教を信仰する上で大切な決まりなのだ。島での生活の中で、自分達の文化、価値観を押

し付けてはいけないこと、イスラム教の男女差を通して文化を理解し合うことの難しさを学んだ。

3.苦労したこと

現地のコーディネーターやタイの一緒にボランティアするメンバーなど英語を話す機会が意外と多くあっ

たが、自分の英語力への不安からなかなか話しかけることが出来なかった。しかし、少しでも話したいと

いうおもいから単語だけでの会話から初めて徐々にできるようになっていった。自分の恥ずかしいという

思いを捨てるのが大変だと感じた。

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4.身についたこと

自分から人に話しかけたり、できる仕事を探したりなど積極性がついた。ボランティアは、思っていたより

も仕事が少なく、休憩の時間が多かった。そんな時に、ホストファミリーがお昼ご飯を作るなどの、何か作

業をしていたら自分から手伝いに行き、島を散歩して現地の人と交流したりなどをした。また、現地の人々

はフレンドリーで散歩をしていると話しかけてくれ、時には一緒にご飯を食べるなど日本ではない距離感を

体験し、積極的に接することの楽しさを学んだ。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

文化の違いを受け入れまた、自分の文化も知ってもらい互いが気持ち良く過ごせるような環境がつくれる人

材だと思う。今回のボランティアを通して、文化交流について学んだ。私がボランティアに参加した最大の

目的が異文化を体験したい、であった。文化とは、持つ人にとっては大切なものであり、外部の人からする

と魅力的なものであり、触れることでその人の人生の新たな視点が広がるものである。このように文化が触

れ合えばいいこともあるが、逆にお互いを受け入れることが出来ないと宗教戦争のようにぶつかり合うこと

になってしまう。今回のボランティアでは、外部から入った私たちは肌の露出を控えるなどイスラム教の文

化を受け入れ、また現地の人々は、私たちが日本食を振る舞うという行事があり日本の文化に触れてくれ

た。このように、お互いが活性化し合うような距離感で文化を受け入れることが大切だと思う。この先グロ

ーバル化が進んでいく中で、どのようにお互いの文化を受け入れるのか、特に今問題になっているイスラム

教の文化、他にもマイノリティーの文化の人達が現れたときどこまで受け入れるのかなど問題がたくさんあ

る。今回のボランティアをきっかけにこの問題についてもっとよく考えていきたいと思った。

6.後輩へのメッセージ

ただボランティアに参加したことだけに満足せず、実際に行ってからどれだけ現地の人に話しかけるか、そこ

からいろいろな体験がさせてもらえるか、など自分から積極的に動くことがとても大切です。とくに英語力を

あげたいと思っている人は、英語は使わなくても困らないという状態なので、自分から積極的に使って行った

方がいいです。また、同じ世代の人達と約二週間一緒に生活するという体験はなかなか出来ない貴重なもので

す。ボランティアのメンバーにも積極的に話しかけて仲良くなるとますます楽しくなると思います。

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7.写真

イスラムのお祈りの日で、モスクに集まる子供達

ホストファミリーの家に設置する

トイレの壁を葉っぱで作っている

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氏名 唐沢 実希子 学生証番号 15Y1023

学部/研究科 生命科学部 学科/専攻 応用植物科学

学年 3 年

派遣国 フィリピン 派遣都市 ヌエバ・ビスカヤ

出国年月日 2017 年 8 月 8 日 帰国年月日 2017 年 8 月 22 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) GLMi

主な活動内容 認定 NPO 法人 GLM インスティチュート(GLMi)がフィリピン・ヌエバ・ビスカヤ州

で、現在実施中のプロジェクト「小規模農民を対象とした農業機械のマイクロ・レンタ

ル事業」(通称:ARMLED)、「零細稲作農民を通じた農業収入向上事業」(通称:I-

FARM)、また「有機農業の生産を通じた生計向上」(Vizcaya FRESH!) に参加し、調査

やプロジェクト活動のサポートを行う。

1.活動内容

8/7 まで日本における事前研修を行った。ARMLED・I-FARM・SILFOR のプロジェクトの資料を読み、ま

とめ資料の作成。また現地のプロジェクトのスタッフに対してエクセルを教えるための準備。

8/8 フィリピンへ移動。

8/9 I-FARM、ARMLED、VFI でのオリエンテーション。アイスブレイクや自己紹介、パワーポイントに

よる各プロジェクトの説明が行われた。

8/10 I-FARM におけるインターンシップ。水田での除草作業、木酢(イネのもみ殻等を燃やし、乾留して

得る液体で成長促進剤と殺虫剤として効果があると言われている)の精製と散布体験、キャッサバの収

穫、マッシュルーム栽培の見学、マッシュルームの菌床作成と菌株移植。

8/11 ARMLED でのインターンシップ。農機(コンバインハーベスターとハンドトラクター)の操作体験、

太陽光を用いた籾乾燥体験、イネの育苗場所の見学、農機保管庫の見学、現地スタッフに対してエクセル

教室(関数とグラフの使い方)。

8/12VFI でのインターンシップ。野菜の集荷点をまわる中で生産者から話を聞け、現地の子供たちとも関

われた。午後は集荷した野菜をパッキングし、夜はマニラへ移動した。

8/13 マニラ到着後、Legazpi Sunday Market で昨日集荷した有機野菜の販売補助。午後は NPO Halo Halo の

訪問をした。パヤタスダンプサイトで暮らす 2 家族へのインタビューと自立支援事業の見学。夜はユニカ

セという日本人オーナーが営むレストランを訪問し、ユニカセの活動内容を伺った。

8/14 JICA フィリピン事務所訪問。JICA の概要から、フィリピンにおける援助方針、具体的な支援内容の

説明を聞けた。マニラからヌエバビスカヤまでの移動。

8/15 I-FARM、VFI の事業内容の説明。

8/16 灌漑の見学と農民へのインタビュー。Paima national high school も訪問し、日本紹介のプレゼンテー

ションをし、現地の学生と交流できた。夜はゼミでヌエバビスカヤに来ていた明治大学の学生、先生と夕

食をとり、交流した。

8/17 耕耘機の操作と、育苗したイネの植え替え、農民やオペレーターに対してインタビュー。午後は

Nueva Vizcaya State University を訪問し、college of agriculture でも crop protection を専門にする教授からヌ

エバビスカヤで菌、細菌、ウイルス病害の発生状況とそれの媒介昆虫(特にかんきつとイネに関する病害

について)や研究内容に関して教えて頂いた。

8/18 VFI に携わり、有機栽培をする農民にインタビューをし、実際に栽培現場を見せてもらった。栽培は

せず、木酢を生産することで収入を得ている人からも話を聞けた。

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8/19Nueva Vizcaya State University に訪問し、菌類学を専門とする教授から病害に関してだけでなく、大学

と NGO と大学の連携の難しさ、大学が以前農民を対象に行った研修の詳細に関しても聞けた。その他の

時間は発表のために準備を行った。

8/20 調査に関してのプレゼンテーションと farewell party。

8/21 キアンガン観光。

8/22 日本へ帰国。

2.特筆すべきエピソード

・インターンシップ 1 週目は各プロジェクトサイトの見学がメインであったが、2 週目は各自で設定した

テーマを元に調査をした。その調査を通じて、フィリピン、さらに途上国の農業問題に触れることができ

た。

今回私は調査のテーマを、「ヌエバビスカヤ州における植物ウイルス病と細菌病にどう対応するか」とし

て、自分が大学で学んでいる植物病理学をリンクさせたものにし、最終的にプロジェクトのスタッフや他

の学生の前でプレゼンテーションを行った。インタビューを通して、情報の下流にあたる農民のウイルス

と細菌病害や防除に対する意識・知識を調べ、情報の上流の研究機関や大学への調査として、Nueva

Vizcaya State University の College of Agriculture を訪問し、流行している病害を調査した。さらにプロジェ

クトに関わるスタッフにプロジェクトをしていく中で分かった問題点を教えてもらった。

調べていく中で農民間、農民と大学から教えて頂いた情報や知識にかなり差があること、さらに農業の問

題は農学の知識だけでは解決できないことが分かった。まず知識量の差であるが、具体的にイネ病害で

は、大学での調査で RTV と RRSV が主要病害と教えてもらったが、RTV 等の病名や感染経路を知ってい

る農家は一部で、病害が発生しても何もせずに放置すると話す農家もいた程、上流と下流で差があること

を知った。また今回の場合では MAO と呼ばれる(municipal agricultural office)が主要な問題点の一つで

あった。彼らが本当であれば研修を農民に対して行い、大学や他の provincial, regional, national の機関と連

携していく役割を担うべきであるのに、そこが機能していない現状を知った。その結果として先に述べた

ような病害虫の情報が下流まで伝わっていないように思った。農家に病害虫の知識がないために必要な防

除が行われないと、外から感染が速く大きな被害をもたらす病害が持ち込まれた場合、地域全体の多大な

収量低下と収入低下も考えられるため、問題点として考えた。

これらの現状に対して、①現時点で行われている farmer to farmer(農民の中にリーダーを作り、そこから

他の零細農家に対して栽培知識や有機農法、練炭や木酢を使用した防除の知識を伝えていく仕組み)を安

定化させること、②大学の教授からは RTV と RRSV という2つのウイルスがイネ病害の原因ときいたが

インタビューでは RTV しかでていない⇒感染速度が大きいものや全身壊死になるような大きな病害のプ

ライオリティを意識して農民のリーダーから他の零細農家へシェアすること、③MAO の機能強化し、上

流から下流に情報が伝わるようにすること、これら3つが必要であると考え、最終的にプレゼンテーショ

ンで発表した。当初は何か自分の専門を生かして現地に残せればいいと考えていたが、防除そのものだけ

でなく、それを取り巻く問題も目を向ける必要があり、具体的で実現可能性の高い提案をすることは難し

かった。

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3.苦労したこと

・現地のことを理解していくことに苦労した。テーマに沿って調査を進めていく中で、病害虫問題1つを

解決するにも農学の知識だけではなく行政の現状等も理解する必要があることを知った。各プロジェクト

の資料を読むだけでは不十分で、事前にもっと多くの時間をかけて各プロジェクトはもちろん、フィリピ

ンの農村の現状を理解するべきであったと思う。また NPO Halo Halo・ユニカセ等他の事業地を訪れる前

にも準備をもっとするべきだったと感じている。都市のマニラではヌエバビスカヤとまた違った問題があ

り、アプローチの仕方も GLMi の内容とは違っていた。支援の仕方は多くあることは学べたが、せっかく

直接お話を伺う機会がありながら深く掘り下げて、理解することができなかった。

・調査の結果を発表する際の立場の取り方にも苦労した。よそ者である 2 週間だけ来た日本からの大学生

が、中立的な立場で、様々な考えを持つ現地のスタッフに聞いてもらえるよう考えること、自分の主張は

しながらも批判されないような内容に詰めていくことは難しかった。

4.身に付いたこと

・現地の人と積極的に交流すること。プロジェクトに関して気になったことはもちろん、それ以外に関し

ても積極的に現地スタッフや農家さんに聞くことができたため、様々なことに対して理解が深まったと思

うし、自分自身が楽しむことができたのだと思う。

・自分の専攻とは直接関係しないことに対しても興味をもって取り組むこと。学部 3 年になって大学の勉

強の専門性が増したことで、良く言えば植物病理学の知識が増えたが、悪く言えば視点が狭くなり、自分

が興味を持つことや必要とされることにばかり目を向けていた。プロジェクトには自分の専門には関係あ

るものもあったが、農業土木といった農学でも違う分野に関連するもの、またソーシャルビジネス等単語

しか聞いたことがない分野に関連するものがあり、最初はモチベーションを見いだせなかった。しかし、

調査をしていく中で一見関連性が低く見えるものも実際は繋がりがあることが分かり、そこから積極的に

現地の農民やスタッフに疑問をぶつけたことで現地に対する知識が深められた。2 週間を通して広い視野

をもち吸収する重要性に気付き、活動に対する姿勢を変えられたと思う。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

現地の人に主体になってもらうこと、またそこで信頼関係をうまく築くことが日本の外で働くとき、とり

わけ支援をする側に立つ時に必要だと思う。いくら途上国の支援としてノウハウを教える立場であって

も、そこで暮らす現地の人が一番現地を分かっているから謙虚でなければならないし、支援が終了した後

もその地域が持続発展していくには、彼らにいかに残していくかを考えていくことが重要だと分かった。

日本人スタッフと現地スタッフ、農家さんの間に信頼関係が形成されている状態だけを見ていたためにそ

れを当たり前のものと捉えていたが、実際話を聞く中で、時間をかけて双方の理解を経た結果、今の関係

性が得られたのだと知った。よって今回の経験から、周り(特に現地の人ととうまく信頼関係を構築でき

る人がグローバル人材と言えると思う。

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6.後輩へのメッセージ

理系だから国際協力なんて関係ないと思っている人こそ、このプログラムに参加してほしい。理系だから

こそ現場に赴いて情報の下流を知り意識していくこと、価値観や文化の違う異国で広い視野もって多くの

ことを吸収することが大事だと今回の 2 週間を通して感じた。もちろん研究室における研究も重要である

とは思う。しかし現場のことを知り考えることができれば、研究の意義を考える機会になり、それがモチ

ベーションに繋がると思うし、また自分の中で知らぬ内に形成されたバイアスを無くすことができると思

った。今回途上国、フィリピンにおいて自分が大学で学んでいる植物病理学に関連したテーマに基づいて

調査をし、プレゼンテーションを行った結果、スタッフが真剣に聞いて質問をしてくれ、中には資料がほ

しいと興味を示してくれる人もいた。それにより今まで途上国、とりわけフィリピンの人に対してあまり

勉強熱心でないという自分のバイアスを無くすことができ、また大学での勉強が実際に役に立つ瞬間を経

験できたことで、参加前に比べて卒業研究に対する意欲が高まったと感じている。理系だからと敬遠して

しまうのはもったいない!ぜひ積極的にチャレンジしてほしい。

7.写真

図1 カヤパにおけるインタビュー

図2 Nueva Vizcaya State University 訪問

農民にインタビューしている様子

図3 パヤタスダンプサイトの見学(NPO Halo Halo の

スタディーツアー)

図4 JICA フィリピン事務所訪問

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氏名 斎藤 遥 学生証番号 15Y1031

学部/研究科 生命科学部 学科/専攻 応用植物科学

学年 3 年

派遣国 フィリピン 派遣都市 ヌエバ・ビスカヤ

出国年月日 2017 年 8 月 8 日 帰国年月日 2017 年 8 月 22 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) GLMi

主な活動内容 GLMi の活動を知り体験するとともに、「国際協力塾」に参加し、インターンシップの

最後に自分の持ったテーマに関するプレゼンテーションを行った

1.活動内容

派遣決定後に GLMi 本部にて事前準備を行った。具体的には各種プロジェクトについての報告書を読み、

理解し、自分用のまとめ資料を作成した。また、今回は現地スタッフにExcelの使い方を指導するた

め、その準備を行った。

現地ではまず一週目は各種プロジェクトについての説明を聞き理解を深めるとともに、実際に有機農薬を

まき、農機を操縦するなどの体験を行った。その後、マニラにある JICA を訪問して、ダンプサイトとい

う廃棄物処理地区に足を運び、住民へのインタビューを行った。

二週目は「国際協力塾」に参加した。自分で決めたテーマに関して、住民やプロジェクトのスタッフ、大

学の教授などにインタビューを行った。それをまとめて最終日に現地スタッフの前で発表した。

2.特筆すべきエピソード

今回のインターンシップで印象的だったのは、農民や現地スタッフが今の自分の仕事に誇りを持ち、笑顔

が絶えないことだ。現地スタッフからプロジェクトの説明を聞いたが、どのスタッフも自分たちの活動に

自信と誇りを持ち、楽しそうに活動していた。質問には快く、詳しく答えてくれた。また、二週目に農民

へのインタビューを行ったが、農民たちは自分の農業に誇りを持っていた。GLMi のプロジェクトに参加

している農民の多くは有機農家であったが、彼らは自身が有機農家であることを誇りに思い、有機農法に

ついて笑顔で自信をもって教えてくれた。みなとても明るく、楽しそうに自分の農業を語っていたのが忘

れられない。

また、私はフィリピンの貧富の差に衝撃を受けた。マニラでは上記のとおり、パヤタスのダンプサイトを

訪れ、その後高級住宅街にありスターバックスなどの入っている大きなショッピングモールに行った。ま

た、ビスカヤフレッシュの活動ではビジネス街で有機野菜の販売を行ったことを通して、貧富の差がとて

も大きいことを学んだ。このインターンシップではマニラから車で 8 時間もかかるヌエバ・ビスカヤとい

う場所で主に活動を行っていたため、それまでは貧富の差を感じていなかった。しかし、マニラを訪れ

て、日本でも貧富の差はもちろんあるとはいえ、フィリピンでのその差とは比べ物にならないと感じた。

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3.苦労したこと

インターンシップ中苦労したのは英語だ。日常会話においては、フィリピン人特有のアクセントやイント

ネーションの違いなどはあったものの、何度か聞きなおして、スペルを聞くことで問題なく行うことがで

きた。しかしながら、私はインターンシップの最後にあるプレゼンテーションで今自分が大学で勉強して

いる植物の菌類病について発表したが、菌類病に関連する英単語を全く知らなかったため、その都度辞書

で調べる必要があり、インタビューが円滑に行えなかった。病気の英語名や病徴の英語表現などの知識に

ついて、テーマを決めた際にあらかじめ調べてから、インタビューに臨むべきだったと考える。また、プ

レゼンテーションでもそのような専門的な単語をかなり使ってしまったので、現地スタッフにも日本人ス

タッフにも理解してもらうために、もう少しわかりやすい説明を加える工夫が必要であったと思う。

4.身に付いたこと

論理的思考力がついたと思う。今まで参加したボランティアとは違い、最後のプレゼンテーションに向け

て本当に真剣に活動について考えることができた。みんなが納得できるように論理的に証拠をしっかり用

意することにより、論理的思考力が身についたと思う。活動の裏側にある問題は予想以上に複雑で、こん

なにも考えたインターンシップは初めてだったが、その分自分がこのインターンシップに参加した目的の

一つでもあった本当の国際協力とは何かを考えることができたと思う。

また、自分のプレゼンのテーマである植物の菌類病についての知識も増したと考えられる。農民や大学の

教授へのインタビューを通して、まだ日本では発生が確認されておらず、病気の和名がない病気について

も知ることができた。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

常に相手の意見に耳を傾け、学ぼうとする姿勢を持つ人だと考える。

途上国支援というと日本の優れた技術の応用などと安易に考えてしまいがちだが、その国、地域でそれぞ

れの文化があり、それぞれのやり方がある。彼らが本当に求めていること何なのかを先入観なしにまずは

しっかり聞くことが、一番グローバル人材に求められることだと思う。現地の日本人スタッフと話をして

いる中で、「自分たち日本人にとってはなんでそんな非効率的なやり方をしているのか疑問に思うことや

もっといいやり方があると思うこともある。でも彼らには彼らなりの理由がある。一見非効率に見えるや

り方だったとしても、彼らにとってはそれが金銭的な理由などから最もいい方法な場合もある。」と言わ

れたことがとても印象に残っている。確かに日本は技術的に進んでいると感じることが今回のインターン

シップで多くあった。しかしだからと言って、そこにいきなりやってきて技術を押し売りしてもうまくい

くはずがない。私たちは現地の人にしてみればただの部外者であり、そんな人が上からモノを言っても仕

方がないので、まずは教えてもらう気持ちで彼らのやり方や文化、考え方を積極的に尋ねて謙虚に学ぶ姿

勢が大事だと思う。

6.後輩へのメッセージ

このインターンシップは大変ではあるが、本当に多くのことを学べる内容の濃いものだと思う。私はこれ

まで何度も国際ボランティアに参加してきたが、インターンシップは初めての経験だった。今回のインタ

ーンシップでは様々なことを考えさせられ、今までのどのボランティアよりもずっと大変なものであっ

た。しかし、今までと比べ物にならないほど本当に多くのことを学べたと思う。大学の講義や日本国内で

は絶対できないように新しい体験や発見をすることができると思う。私はこのインターンシップを多くの

人に薦め、一人でも多くの人が「本当の国際協力」について考えてほしいと考えている。

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7.写真

農機操縦体験の様子 現地スタッフに Excel の使い方を教えている様子

農民にインタビューしている様子

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氏名 森下 裕貴 学生証番号 16X1113

学部/研究科 理工学部 学科/専攻 機械工学

学年 2 年

派遣国 フィリピン 派遣都市 ヌエバ・ビスカヤ

出国年月日 2017 年 8 月 8 日 帰国年月日 2017 年 8 月 22 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) GLMi

主な活動内容 プロジェクトの理解、国際協力塾合宿

1.活動内容

この 2 週間で行った主な活動は 2 点ある。1 点目は GLMi が農民の収入向上、環境保全を目的として支

援を行っているもしくは行っていてすでに独立したプロジェクトの理解。2 点目は国際協力塾合宿であ

り、自身で定めたテーマに沿って調査を行い、その調査結果をプレゼンテーションした。

1 点目のプロジェクト理解のための活動は出国前から始まった。事前研修の課題の 1 つが 3 つのプロジ

ェクト(ARMLED, I-FARM, Vizcaya Fresh!)を自分なりにまとめることであり、自分なりに活動報告書な

どを読み、それぞれのプロジェクトのある程度の理解が求められる。ここでどれだけ理解を深められるか

によって現地での理解の差がでるように思う。現地では今まで文章のみで理解していたプロジェクトを現

地スタッフによるプロジェクトの説明、Q&A、実際に自身で現地スタッフや農民たちの仕事を体験する

ことによりプロジェクトのより深い理解が得られる。

2 点目の国際協力塾合宿は主に 2 週目の 1 週間で行われた。現地スタッフや農民などへのインタビュー

結果や自分なりの調査によって、自分のテーマに関する調査結果を現地スタッフにプレゼンテーションす

る。私はこの国際協力塾合宿で NGO などのスタッフと農民などの利害関係者が良好な信頼関係を築くた

めには何が大切かをテーマに調査を行った。限られた時間と限られた調査結果から調査結果をまとめなけ

ればならなかったため、個人的にはこの国際協力塾合宿が 1 番大変だったように思う。

その他の活動としては大きく分けて 3 点ある。1 点目は現地スタッフへの Excel の使用方法の指導。今

回の参加者の専攻が全員理系であったこともあり、現地スタッフの仕事の効率化を図ることを目的とし

て、出国前から準備を行い、約 4 時間かけて指導を行った。2 点目はゴミ山を中心として暮らす貧困層の

支援を行っている NGO、HALOHALO、元 NGO 裨益者たちの社会復帰と自立を目指す会社、

UNIQUEASE、JICA Philippines の活動理解。この活動はマニラにて行われた。それぞれの団体の元を訪

れ、彼らの話を聞いて、現状を見たりすることで GLMi 以外の団体の苦労などを知った。そして 3 点目と

して現地の中学校で中学生と文化交流を行った。この活動は当初は予定になかったが、日本の文化をどう

したら伝わるかを考え、日本についてのプレゼンテーションをしたり恋ダンスを一緒にしたりした。彼ら

が想像以上に日本について知っていることに驚かされた。

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2.特筆すべきエピソード

私が最も印象に残っており、成長できたと感じる活動が国際協力塾合宿である。前述の通り私は NGO

などのスタッフと農民などの利害関係者が良好な信頼関係を築くためには何が必要かをテーマに国際協力

塾合宿を行った。これは高校生のときに参加した、JICA 主催のあるプログラムにおいて、信頼関係の構

築が国際支援の現場では重要だということを学んだが、具体的にどのように信頼関係を築けばよいのかを

当時は深く理解できなかったため、この機会に現場で学びたいと思ったからである。しかし、この国際協

力塾合宿において、私は信頼関係構築の方法を理解しただけでなく、多様な価値観を持った人がいるこ

と、信頼関係が重要であることを改めて痛感させられた。

まず初めにこの調査における結論、良好な信頼関係を気づく方法を簡単に先に述べると、次の 4 つのス

テップになる。1 つ目が頻繁なコミュニケーション。2 つ目が裨益者のニーズの理解。3 つ目が裨益者の

ニーズに応える。4 つ目が成功モデルを作り出すことである。この結論に至るまでに私が最初に学んだの

が多様な価値観の存在である。NGO などがプロジェクトを行ううえでまずぶつかる壁が価値観の違いで

ある。農民たちの中には本当に自分たちのためにプロジェクトをやろうとしているのかと疑う人がいた

り、新たなことを始めるリスクを恐れる人がいたり、有機野菜のプロジェクトを始めようにも健康を気に

している場合じゃないと考える人もいたりする。このように様々な価値観を持った人がいることを学ばさ

れた。そして、これらの価値観の違いのギャップを埋め、プロジェクトの理解をしてもらうために必要な

のが信頼関係であることも実感させられた。実際、プロジェクトの 1 つの I-FARM ではプロジェクト開始

当初、人があまり集まらず困っていた。そこで、一人一人と頻繁にコミュニケーションをとり、問題把握

などに努めた結果、今では多くの人がプロジェクトに参加するようになっている。

このようにこの国際協力塾合宿によって、ただ自身の決めた問いの 1 つの答えを見つけるだけでなく、

その過程において様々なことを学ぶことができた。

3.苦労したこと

私は本プログラムの開始当初、自分の質問に自信を持てずに苦労した。本プログラムに参加した私を除

く 2 人の学生は専攻が農業関係であった。そのため、彼女らの専門的な質問がアカデミックであったこと

もあり、自分の質問の内容が非常に薄く感じ、自分の質問に自信を持てず、質問をせずにいたことが当初

はあった。しかしある時、無意識に農民に多くの疑問を投げかけたときに気づいた、質問をすることでわ

かることはたくさんある、積極的に自分の気になることは聞こうと。こんな何においても大事なことを私

は忘れかけていたのだ。それから、私は多くの人に素直に多くの質問をし、議論をした。気づけば、私は

彼女たちよりも多くの質問をしていた。

もちろん、たくさん質問したものが良いというわけではないが、私は自分の疑問をぶつけ、議論するこ

とで、より深く多面的に様々なことを理解できたと感じている。

4.身に付いたこと

物事を多面的に見る力。一方向からではなく様々な方向から問題を見る力がこのプログラムにおいて身

に付いたと思う。例えば、プロジェクトの 1 つの ARMLED は Agri-Loan という農民向けのローンサービ

スを行っている。このサービスでは農民が 1 ヘクタールを田おこしから収穫までを行うには約 3 万ペソか

かるため、資金の問題や、農民の自立のためにローンの上限を 1 万 5 千ペソとして貸し出している。ま

た、農民の負担軽減のために利率は 2%にし、返済は米の収穫後にしていた。ソーシャルビジネスとし

て、農民のためを考え行われている事業であるが、彼らはローンの返済をしない人がいて困っていた。

ARMLED の視点から見れば、農民はお金を返すという責任感がないから返さないのだというように見え

るかもしれない。しかし、農民の視点から見ると彼らにも理由があることがわかった。Agri-Loan での資

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金だけでは足りず、他の金融業者からもお金を借りており、その利率がなんと約 50%であるために、そち

らに先に返済しなければならいという理由であった。Agri-Loan の利率の低さが裏目に出たのである。ま

た、他の金融業者の視点から見てみると、他に対抗する業者がなく、農民が稲作をするためにはお金を借

りる必要があることを知っていての営業しているようであった。この問題は ARMLED としてもどうする

こともできず、農機レンタルサービスなどにより収入向上をしてもらい、悪循環から抜け出してもらうし

か方法がないようであった。

このように 1 つの問題は一見単純そうに見えても、実はあらゆる角度からみると複雑に問題が絡み合っ

ていることがわかる。そのため、ただ一方向から 1 つの問題を見るのではなく、多面的に見ることが問題

の本質理解につながることを学ぶことができた。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

私の考える「グローバル人材」とは国際社会の一員として世界の問題を考えられる人である。世界には

約 200 カ国という国があり約 74 億人という数の人が住んでいる。しかし、日本にいても少し周りを見渡

せば様々な国から輸入されたものが簡単に見て取れるだろう。もし、海外からの食料がなんらかの理由で

輸入できなくなれば日本人は生きていけなくなるだろう。反対に、もし日本で大規模な海洋汚染が起これ

ば世界中の海に影響が出るかもしれない。このように、グローバル化が進む現代ではあらゆる問題が自国

の問題ではなく、世界の問題として捉えることが求められている。

これらの問題を世界のどこかで起きているけど誰かが何とかするだろう、ではなく、国際社会の一員と

して世界の問題を考え、できることをする。これが私の考える「グローバル人材」である。例えば、帰国

後の今、ビスカヤのために私ができることとすれば現地の現状をできるだけ多くの人に共有したり、支援

している NGO や NPO に寄付をしたりすることである。

6.後輩へのメッセージ

私はこのプログラムに参加することを強くお勧めする。このプログラムに参加することによって、国際

協力の現場を理解することができるからである。また、そのようになるようにこのプログラムは工夫され

ている。例えば、毎日のようにどのようなことを感じたかなどのフィードバックシートを書かされたり、

質疑応答などのディスカッションが多く設けられていたりする。また、国際協力塾合宿では自分のテーマ

に沿って柔軟に調査を行え、真摯に質問に答えてくれる人たちがたくさんいる。このような環境でプログ

ラムを実施しているので少なからず国際協力の現場を理解することはできると思う。特に国際協力に興味

がある人はぜひとも参加してほしい。

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7.写真

ARMLED の農機を使って代掻き

現地スタッフとのディスカッション

国際協力塾合宿におけるプレゼンテーション

現地の中学校との文化交流

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氏名 福島 瑠唯 学生証番号 16X0127

学部/研究科 理工学部 学科/専攻 機械工学科

学年 2 年

派遣国 ルーマニア 派遣都市 クルージュ・ナポカ

出国年月日 2017 年 8 月 5 日 帰国年月日 2017 年 8 月 31 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) UBB

主な活動内容 ARIES でのインターンシップ

1.活動内容

このプログラムの大まかな流れとして、最初の一週間はバベシュ・ボヤイ大学内で 6 つの講義を受け、

その後約 2 週間のインターンシップ期間となっていました。ARIES Transilvania というルーマニアを代表

する IT Cluster の会社で働かせてもらいました。毎週末に市外にグループで観光も行いオンオフのある活

動内容となっていました。

大学内での講義は 1 講義あたり 2 時間ほどで、内容はルーマニアの文化・政治・教育システム・IT や

プレゼンテーションに関する講義でした。これらの講義を受けたため、ルーマニアという国の文化や歴史

的背景、国の長所や問題点などその後のインターンや観光時に役立つ基礎的な情報を学ぶことができまし

た。またインターン最終日の発表に向けての効果的なプレゼンテーションの仕方パワーポイントの作り方

等の講義もあり、その他多方面でのルーマニアでの活動のサポートがありました。

約 2 週間のインターンでは、ARIES が今取り組んでいるいくつかのプログラムについて調べ、feedback

や news letter の作成の手伝いなどから、日本の IT association についての情報集め等、様々なタスクがあ

りました。また、最後の 2 日間で NTT DATA Romania の本社に行きインターンシップをさせてもらうこ

とができました。NTT では最新の自動車に関する testing service を行いました。

週末の観光ではバベシュ・ボヤイの学生や教授陣と歴史的観光地やルーマニアの塩鉱に行くなど、ルー

マニアの歴史について肌で体験することができました。また様々なアクティビティにも挑戦できインター

ンでの疲れをリフレッシュすることができました。

2.特筆すべきエピソード

ARIES という会社自体がルーマニアの IT 企業をまとめる一つの役割を果たしている中で、ルーマニア

にある NTT DATA Romania の本社内で 2 日間ものインターンシップを組んでもらえたことは、当初予想

もしていなかったことなので、自分にとってはとても刺激的で印象深い経験となりました。NTT DATA

では Testing service の仕組みやどのように行っているのかを実際に現場で体験したり、その他にどのよう

なサービスを行っていて、今開発中のプログラムについて意見交換をしたりなど、最新の技術を目の当た

りにしながらインターンシップができ、とても充実したものでした。NTT DATA は本社が日本というこ

ともあり、オフィス内の各所に日本語や侍のイラストなどがあり、社員の人達が日本に強い興味を示して

くれたため、日本についての話をするミーティングの時間を設けてもらうなど様々な経験ができました。

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3.苦労したこと

最初に戸惑ったのは社員さん達の自由さです。何時に出社などが決まっていないため、お昼過ぎに出社

してくるときなどもあり、日本にはないフレキシブルな環境に慣れるのには苦労しました。日本と違いイ

ンターン先での課題なども自分から相手に尋ね何をすればいいのか、何がわからないのか自己主張する必

要があり、自己表現の大変さを感じました。また、語学力の面でも力不足も感じました。6 時間以上一緒

に働く中でうまくコミュニケーションを図り、仕事を円滑に進めていくために英語での意思疎通や会話な

どで自分の意見を上手く伝えられないもどかしさを感じました。

4.身に付いたこと

ルーマニアという国に対しての知識や理解、また周辺国に対する理解等身に付けることが出来ました。

このプログラムに参加するまではルーマニアという国の場所すらも知らない状態でしたが、1 カ月過ごす

中で、ルーマニアという国の概要だけでなく現地に住んでいる人たちの個性や特徴も理解することができ

ました。また、今回のプログラムで様々な社会人と関わることが出来たのは、自分の将来に多岐にわたる

選択肢ができたと感じています。IT 企業で働いている人にプログラミングについての話や、世界の自動

車開発について、学生時にしておいたらいいことなど、普段めったにできない話をルーマニアでできたこ

とは今後の知識として身についたことと言えると思います。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

今回のインターンを通してやはり自分の語学力の乏しさを再認識し、英語でのコミュニケーションの大

切さを再認識しました。今回自分にとって初めてのヨーロッパ圏ということもそうなのですが、ARIES

の代表が EU の各国と英語でのミーティングやディスカッションをしているのを見て、多くの言語が隣接

しているヨーロッパでの英語の必要性を感じ、世界共通語である英語は少なくとも自由に話せるようにな

る必要があり、それに加えてその他の言語やコミュニケーション能力が備わっている必要があると感じま

した。また、異なる文化や習慣を受け入れ理解できることと、自国の文化や歴史習慣をしっかりと理解し

ている教養を持ち合わせることも大切だと思います。

6.後輩へのメッセージ

今回のインターンの目的は、将来海外で働くとはどのようなことなのか実際に現場で体感してみたいと

いうことだったのですが、実際体感してみるとグローバルに働く ARIES や NTT の人達のすごさや熱意を

肌で感じ自分にとってとても有益な影響を与えてもらうことができました。将来海外で働いてみたい人

や、少し海外に興味のある人にとっては、良い影響を必ず与えてくれると思うので、参加してみることを

お勧めします。また、ルーマニアは IT 関連で EU の中でも比較的発展している環境下であったため、理

系の学生でも十分に将来に役立つ経験を得ることができると思います。

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7.写真

インターン最後の報告の日

たまに街で見かける馬

観光

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氏名 武藤 篤希 学生証番号 14Z1010

学部/研究科 グローバル教養 学科/専攻 グローバル教養

学年 4 年

派遣国 ルーマニア 派遣都市 クルージュ・ナポカ

出国年月日 2017 年 8 月 5 日 帰国年月日 2017 年 8 月 30 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) UBB

主な活動内容 インターシップ

1.活動内容

約 1 ヶ月にわたって実施されたプログラムですが、大まかに 3 つのパーツに分けられます。まず始めは、

2 時間×6 回にわたって行われたバベシュボヤイ大学の教授による集中講義です。内容は多岐にわたり、ル

ーマニアに関するもの(文化、政治、教育制度など)や社会科学における研究の仕方、また効果的なプレ

ゼンテーションの方法論などを学びました。積極的に発言および質問することが求められるのでいい緊張

感のなか楽しく学ぶことができました。2 つ目はメインとなるインターンシップです。私は ARC(アーク)

というフィランソロピーや CSR に関する業務を行っている組織で約 2 週間働かせていただきました。期間

中は 3 つのタスクに取り組みました。1 つ目は日本や世界に存在する慈善事業および団体について調べ、

レポートにまとめる作業です。24 時間テレビや赤い羽根共同募金などについて調べましたが、中には英語

のウェブサイトがないものもありました。そのため誤解が生じないよう翻訳することが求められとても苦

労しました。最終日には調べた内容について社内プレゼンをさせていただきました。2 つ目は、high impact

philanthropy というテーマをもとに数冊与えられた本を読み、要約を作成する仕事です。10 冊ほどの中から

必要な部分をスキムし、内容をうまく統合させてレポートにまとめました。どちらのレポートも今後の活

動の際使用していただけるとのことだったので、いい緊張感を持ちながら真剣に取り組みました。3 つ目

は路上における資金調達です。こちらに関しては後述するのでここでは割愛します。最後は観光です。毎

週末、大学の方やインターン先の方達がルーマニアの様々な都市を案内してくださいました。都市ごとに

違った歴史的背景や建築様式などさまざまな話を聞く機会を得られとても興味深かったです。また現地の

学生とも交流する機会もありとても面白かったです。

2.特筆すべきエピソード

このインターンシップで一番印象に残っている活動は、路上での資金集め(Street fundraising)です。私は

Preventis という子どものギャンブル、アルコール、また麻薬中毒者の社会復帰を支援する団体の資金集め

に参加させていただきました。一緒に活動した仲間はみな現地の高校生で、こうした活動は一種のアルバ

イトとして認識されているようです。一日目はお互いを知るために軽く雑談をしたあと、Preventis の活動

内容をおしえてもらいました。その後路上に出た際どのように人々にアプローチし、また会話をすすめて

いくかのミニレクチャーをうけ、ある程度ロールプレイングをしたあと、すぐに街に出て活動を行いまし

た。私の場合、英語を話せる人に話しかける必要がありましたが、若い人に話しかけるといいよといった

アドバイスや、ルーマニア語をあまり話せない外国の方に対する説明を仲間が途中から私にまかせてくれ

たおかげで、何人かの人に Preventis について説明する機会を得ることができました。ただそうした人は

全体からするとやはり少数派で、次第にまた次も断られるのではないかと思い話しかけるのを躊躇するよ

うになってしまいました。しかしお互いにはげまし、鼓舞し合うことでモチベーションを高め合う雰囲気

があり、とても気持ちのいい空気のなか活動を終えることができました。

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3.苦労したこと

苦労したことの一つはインターン先の方々とのコミュニケーションです。日本語でももちろん年上の方と

の会話は簡単なものではないですが、英語でとなるとさらに難しさを感じました。また彼ら同士で話す際

はやはりルーマニア語になるので、仕事の途中経過の報告の際割って入っていいのかなど考えすぎてしま

うときがありました。

4.身に付いたこと

このインターンで身についたことの一つとしてタイムマネジメントのスキルが挙げられます。期間中は平

日のインターン先でのタスクのほか、日本文化紹介および最終日のプレゼンテーションの準備など多くの

課題がありました。さらに土日はほとんど旅行につれていっていただいたので、賢く時間を使ってそれぞ

れの課題をこなす必要がありました。優先順位を考えながら計画をたて、スキマ時間を活用しながら無事

すべての課題を終えることができました。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

第一に語学力があることが重要だと思います。コミュニケーション能力以前に自分の言いたいことが英語

で表現できないとそれだけコミュニケーションに余計な時間がかかってしまい、結果肝心の仕事のほうに

集中が十分に回らなくなってしまいます。そこをある程度クリアしてようやくコミュニケーション能力の

話ができてくると思います。第二に、よく言われると思いますが、積極性がやはり大事だと思います。待

っているだけでは得られる経験も限られてしまいますし、コミュニケーションにおいても積極的に相手と

交流しようとすれば、いい結果が得られると思います。

6.後輩へのメッセージ

旅費などの財政的なネックがあるのはたしかですが、ルーマニアという日本では比較的マイナーと見なさ

れている国に行くことができるいいチャンスだと思います。大学およびインターン先の方々はみな本当に

よい方たちばかりですし、経験できる全てがかけがえのないものになるとおもいます。私は今年から来年

にかけて就職活動をしますが、自分の適性を知る上でこの経験は大変役立っています。

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7.写真

インターン先の方達

資金調達の仲間

大学の方達

クルージュ・ナポカ

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氏名 福原 南奈 学生証番号 15A3138

学部/研究科 法学部 学科/専攻 国際政治学科

学年 3 年

派遣国 Romania 派遣都市 クルージュ・ナポカ

出国年月日 2017 年 8 月 5 日 帰国年月日 2017 年 8 月 31 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) UBB

主な活動内容 EU・ルーマニアにおける起業家のリサーチ、イベントの企画・提案等

1.活動内容

UBB のインターンシッププログラムは大きく 3 つから成り立つ。1 つ目は Babes-Bolyai University での

授業。2 つ目はインターンシップの活動。3 つ目は観光である。ルーマニアについてから 1 週間程は、

Babes-Bolyai University の教授たちが私達 4 人の為に授業をしてくれた。授業の内容は、Romanian society

and culture、administrative and political system、educational system; Relationship with the job market、IT sector

in Cluj-Napoca、presentation、researching social science の 6 クラスであった。教授ごとに授業のやり方は異

なるが、基本的にはディスカッションを交えた講義である。1 クラス 2 時間以上と長い時間ではあるが、

どの授業の情報も、その後の活動に関わる基礎的かつ有用な情報ばかりであるため、気を抜いてはいけな

い。

2 つ目はプログラムのメインであるインターンシップである。私は Danis Foudation とそのパートナーシ

ップである Impact HUB の 2 つの団体の業務に携わった。1 週目の授業の期間からインターン先に赴き、

自分は何がしたいか・何ができるのかということを先方の責任者と相談した上で仕事内容を決めた。その

内容は 1.co-working space である Impact HUB の会員の profiling(どの分野で活躍しているのか、現職、

前職の会社の情報のまとめ、どんな personality か等)2. Storytelling について調べ、Danis Foundation と

Impact HUB が共同で行っている、若手起業家たちに向けたセミナーのプログラム内容を考える。3.EU

諸国における CSR や SMEs について調べ、記事にまとめる。4.Danis Foundation を筆頭とした新しい

Erasmus project の launch を announce するために、proposal を読み、記事にまとめる。5.若手起業家への

出資を募るイベントの考案。6.起業家をサポートするクラスの受講生にとって何が有益であるか考え

る。どのタスクに関しても、基本的にはデスクワークであった。しかし毎日 1 時間程、私の supervisor と

の面談とタスクに関してのフィードバックがあった。それ以外にも分からないことがあれば、いつでも質

問に答えてくれる環境にあった。

3 つ目は観光である。休日はインターンシップの活動がないため、Babes-Bolyai University の教授や家

族、生徒たちが Cluj のみならず、Sibiu や Sigishuara、Turda、Alba lulia、など少し遠方まで連れて行って

くれた。ルーマニアは古くから周辺諸国からの侵攻と占領を受け、様々な文化が融合した非常に面白い場

所である。その中でも興味深かったのは教会である。10 か所以上の教会を巡ったが、宗派や場所によっ

て信仰や建築様式が全く違い、その違いを見ているだけでも非常に面白かった。私は専門が宗教の違いに

よる政治と社会ということもあり、観光からも今後の研究課題としても大きなものを得ることができた。

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2.特筆すべきエピソード

前述にもあるように、私は歴史や宗教に非常に興味がある。ルーマニアにはキリスト教だけでも、カト

リックやプロテスタント、ルーマニア正教会などの多様多種の教会があった。外観だけでもその違いは楽

しめるが、中に入ると建築様式や装飾だけでなく、参拝方法などに感服する場面もあった。特に、同じく

UBB に参加した友人のインターン先の人に、正教会の礼拝に連れて行ってもらえる機会があった。それ

は深夜から始まる、暗闇で行う特別な儀式であった。はじめはとても奇妙なものだと思ったが、これも異

文化体験だと自分に言い聞かせながら観覧していた。宗教儀式が終わると、神父を交えた参拝者との交流

パーティーがあった。そこでは私達は異教徒であるにも関わらず、宗教儀式の説明を丁寧にして下さった

り、私たちの稚拙な質問にも答えて下さったりした。この貴重な体験は忘れられない。

3.苦労したこと

私が最も苦労したのは、ルーマニアや EU に関しての政治や経済、教育システム等、インターン先のプ

ロジェクトに関する基本的な知識のインプットである。高校時に 1 年間の留学や短期留学を繰り返してい

たので、正直英語を使ったコミュニケーションはあまり苦労しなかった。しかしながら、インターン先で

は求められる答えを出すまでのプロセスに関する基礎知識が全くなかった。そのため、タスクが表記され

たスプレッドシートを見ても、何から着手すればいいのかよくわからないことが多々あった。だから遠回

りではあるが、とりあえずタスクに関する基本的データを集めて読み、それからまとめていくという地道

な作業を繰り返さなければならなかった。仕事が遅いと思われるのが嫌で、時間外にも作業をしなければ

ならなかったのが大変だった。

4.身に付いたこと

情報処理能力である。膨大な資料と情報を与えられた時に、何を使って、どうまとめたらいいのか、さ

らにはどうしたら他の人にとって分かりやすいのか戦略を練ってから作業に取り組むことを心掛けた。普

段から PC に慣れ親しんでいるわけではあるが、度々躓く場面があった。そんな時、インターン先の方々

に質問することで、今まで知らなかった便利なツールや方法を教えてもらうことができた。これは、その

後のパフォーマンスを上げることに繋がっただろう。

また積極的に質問する姿勢が身についた。与えられた課題、言われたことに対してすべて yes と答える

のではなく、なぜ今これをする必要があるのか?なんのためにやるのか?ということを考えること。そし

て今やる必要がないと思い、おかしいと思った時点で、すぐに質問した。インターン先では、通常ルーマ

ニア語で業務が行われる。その上、英語も思い通りに使いこなせない私が職場にいることは重々承知の上

だが、やはり雑用的な事を任されることがあった。その時に、素直にそれを成すのではなく、これをする

ことが何のメリットになるのか考え、尋ねることで、その後の業務を無駄なく効率的に出来たと思う。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

コミュニケーション能力は言うまでもない。私が思うに、相手がどこの国や地域の出身か、どの民族で

宗教に属しているかということに囚われずに、平等に接すること。さらに自他のアイデンティティを尊重

する上で、自分のアイデンティティである故郷や、国の社会と文化を十分に理解し、発信できる能力が必

要である。日本人がルーマニア人の事をよく知らないのと同様に、ルーマニア人も日本人のことがよく分

からない。しかしながら、ルーマニアには合気道の道場があったり、日本食レストランがいくつかあった

り日本文化に触れる機会が少なくない。そのため日本について聞かれることが多々あった。その質問の中

には私が知らないこともあり、上手く答えられない度にもどかしい気持ちになった。彼を知り己を知れば

百戦殆うからず。今やボーダーレスの社会と言われるが、やはり日本に生まれたからには日本人としての

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誇りを持って世界で活躍したい。その為にも、コミュニケーション能力を磨くだけではなく、日本人とし

ての文化と社会に関する知識も磨かなければならない。

6.後輩へのメッセージ

体調管理には十分気を付けてほしい。平日は毎日授業やインターンシップ、帰宅してからも作業をした

り夕飯を食べに行ったり、休日は 1 日中観光へ出かけたりと、とにかく忙しい約 1 ヵ月である。大変では

あるが、とても充実した毎日となるだろう。充実した日々をおくるためにも、体調管理は欠かせない。今

年、ルーマニアでは稀に見ぬ猛暑が続いた。ルーマニアの夏は基本的に涼しく過ごしやすいため、AC が

あまり普及していない。そうかと思えば帰国前 1 週間は 20℃前後に冷え込み、その温度差からか体調を

崩してしまった。湿度が低いため、1 日の中でも気温が大きく変動するので、適応できるように上着を持

ち歩くなどと注意したい。また食生活も大きく変わると思う。レストランにはベジタリアン向けのメニュ

ーもあるが、基本的に肉中心の食事になる。バランスよい食事をとって健康的な生活を送って、毎日万全

の体調でインターンに臨んでほしい。

7.写真

クルージュの街並み Transylvania Historical Day の様子

インターン先の様子 インターン先の方々

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氏名 加藤木 優花 学生証番号 17Z4004

学部/研究科 GIS 学科/専攻 GIS

学年 1 年

派遣国 ルーマニア 派遣都市 クルジュ・ナポカ

出国年月日 2017 年 8 月 5 日 帰国年月日 2017 年 8 月 31 日

法政大学との共催団体名(受入団体名) UBB

主な活動内容 インターンシップ

1.活動内容

私は下記の日程でルーマニアのインターンシップに参加した。

①6-8 日 授業

②8-28 日 NGO でのインターン(土日・祝日は除く)

◆6-8 日の授業の活動について:ルーマニアに関しての知識を得るために、バベシュ・ボヤイ大学の教授

らが授業を開いてくれた。そこで受けた授業は、現地の政治システムや歴史、教育、宗教、食だ。政治シ

ステムでの日本の共通点や教育の価値の基準、多様に混在する宗教、侵略されていた影響からできた建設

物と食文化、あらゆるヨーロッパの言語が合わさったルーマニア語を学んだ。これらの授業は、馴染みの

なかったルーマニアについて学べ、現地の人とコミュニケーションを取るのに役立った。

◆8-28 日の NGO でのインターンについて:私が興味を持っている地域活性化や地方開発のプロジェクト

に取り組んでいる会社に派遣された。私はタスクとして、フィールドワークとリサーチを行って、会社が

行なっているプロジェクトに参加と日本が行なっているプロジェクトのリサーチをした。フィールドワー

クでは、PEREGRIN HONEY BUSINESS と INTEGRATED MEASURES FOR MARGINALIZED

COMMUNITIES IN CAMPIA TRANSYLVANIA の二つを学び参加した。PEREGRIN HONEY は SZEK とい

う小さいコミュニティーを対象にしたプロジェクトで、収入が少なくて困っている人々のサポートとし

て、その地域で取れるオーガニック蜂蜜のパッケージングを手伝い、目標市場を広げる手伝いをした。目

標市場を広げるために町の大きなイベント、ハンガリーフェスティバルで屋台を出して売り、ルーマニア

人だけではなく観光客や多くの人とコミュニケーションを取り、ビジネスや SZEK COMMUNITY、日本

のことも発信することができた。INTEGRATED MEASURES FOR MARGINALIZED COMMUNITIES IN

CAMPIA TRANSYLVANIA はルーマニアで最も貧しい二つの地域への教育を提供するプロジェクトだ。

このプロジェクトは9、10月に実行されるものなのでミーティングに参加し、ディスカッションするこ

とができた。こういったミーティングでルーマニアの知識が特に生き、日本と比較しながら、新たな視点

で物事を見れた。

◆土日・祝日:バベシュ・ボヤイ大学の教授が観光に連れて行ってくださり、文化や歴史を肌で感じるこ

とができた。

2.特筆すべきエピソード

私は、授業やインターンシップ、観光と様々経験をさせていただいた。さらに、私たちは COLOR RUN

というマラソンに参加した。最初は、個人的な楽しみのために参加したが、その体験では通ったことのな

い道や現地の人との交流、音楽に触れることができた。こういったイベントはたくさんあり、参加するた

びに新たな発見があった。自ら探検し、イベントに参加することで貴重な経験になった。

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3.苦労したこと

私は高校時代アメリカに一年間留学していた経験があり、脂の多いものや全く異なる食文化には慣れてい

た方だった。だが、ルーマニアでの生活を開始して二週間、腹部が痛み体調があまり優れなかった。病院

に行ってみると、大腸が慣れない食事で腫れていた。その後、薬を受け取り、2日間は刺激のある食べ物

を食べずにいると完治した。教授や会社の人など様々な人が食事に連れて行ってくれるが、食事管理は一

人一人しっかりすることや薬を持って行くなど事前準備と自己管理は大事だ。

もう一つとして、言語が苦労したことだ。

事前に言われていたこととしては、英語が通じるからと言われていた。しかし、現地に着くと英語が話せ

るのは教育を受けている教授や若い世代だけだった。年配の方はルーマニア語やフランス語、ドイツ語、

ロシア語を話していた。お洒落なレストランでの食事だと通じる英語だが、多くの場所では通じず、覚え

ている単語やジェスチャーで伝えた。聞いていた話とはイメージが異なっていたので、もっとルーマニア

語を勉強しといた方が良かったと後悔した。

4.身に付いたこと

一年生でのインターンシップ参加だったので、専門知識や具体的な方向性がないままインターンの活動を

開始したので最初はタスクを決めるのが大変だった。しかし、コミュニケーションをいっぱい取ることで

会社のことを知ることができ、様々なプロジェクトやミーティングに参加することができた。プロジェク

トやミーティングでも積極的に質問や発言し、会社のことを知ることができた。今まで、質問があっても

タイミングを見ては逃し、積極性が欠けていましたがこのインターンシップではやりたいことをはっきり

主張し、相談し、と先のステップへ持って行くことができた。

5.今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは何か

実際にインターンとして働くことによって、コミュニケーションや人間関係が一番重要だと感じた。なの

で、私は多様な人と交流し、良い関係を構築できる人がグローバル人材であると考える。コミュニケーシ

ョンや良い人間関係の構築は当たり前だと思う人が多いだろう。しかし、その当たり前ができていないと

プロジェクトがうまく進まないことを間近で見た。特にコミュニケーションという観点では英語力が必要

不可欠だ。ルーマニアでのインターンシップでも、パートナーや資金提供をしている人たちへの電話やミ

ーティングは英語だった。英語はグローバル人材の一員として会話し、意思表示や発信するツールとな

る。人間関係という面では、インターンシップで学んだ。私が働いていた NGO では地方活性化の一つの

プロジェクトに密着させていただいた。そのプロジェクトでは、コミュニティーを理解し、人々のあり方

や考え方を尊重し、プロジェクトを適応させ、参加させることが重要だ。そのためには、信頼関係や良い

人間関係の構築が大事だ。この二つができる人は、グローバル人材としてどんな場所にいても適応し、自

らの力が発揮できる。

6.後輩へのメッセージ

このインターンシッププログラムは一人一人カスタマイズされてできているので、インターン先の方や教

授らにやりたいことや興味を持っていることなどをしっかり伝えることが大切だ。どのプログラムに参加

するにも自分次第で充実した時間を送れるか変わる。同じものに参加していても得るものが違う。積極的

にやりたいことをアピールすることがいいインターンシップ生活につながる。

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7.写真

インターンシップ先の企業と社員

観光の様子

SZEK COMMUNITY HONEY BUSINESS

市街の様子

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発行 2018年 4月

編集 法政大学 グローバル教育センター事務部 グローバルラーニング課

Tel. 03-3264-4088

E-mail [email protected]