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80 NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 24 No. 2

2015 Wireless Innovation Forum Technology of the Year Award受賞

第5世代移動通信システムに関する欧州の研究プロジェクト:METIS(Mobile and wireless communica-tions Enablers Twenty-twenty Information Society)において,先進技術研究所とドコモ欧州研究所(DOCOMO Communications Laboratories Europe GmbH)が2013年からおよそ2年かけて開発に携わった“METIS channel models”が,Wireless Innovation Forumの“2015 Wireless Innovation Forum Technolo-gy of the Year Award”を受賞しました.本Awardは,メンバによって選ばれた,ソフトウェア無線・コグニティブ無線分野における画期的な製品や技術に対して個人または組織に与えられるものであり,今回は,「現実的なシナリオや要求条件に応えた新たなチャネルモデルを開発することにより,今後の次世代モバイル通信(5G)の開発に貢献した.このモデルは,現行の移動通信で使用されている周波数からミリ波に至る広い周波数帯を対象とし,次世代無線デバイスのテストや最適化を可能とすることから,次世代無線技術開発の促進に役立つものである」が受賞の理由です.なお.受賞したチャネルモデルの他の開発メンバは,Anite,Ericsson,Fraunhofer HHI,Nokia,Aalto University,University of Oulu,Elektrobitとなります. チャネルモデルとは,移動通信システムの設計に必要となる電波伝搬特性をモデル化したものであり,近年は伝搬損失に加えて伝搬遅延,到来方向,偏波などの特性がモデル化の対象となっています.第4世代(4G)用のモデルとしては,ITU-R(International Tel-ecommunication Union-Radio communication sector)で標準化されたIMT Advancedモデルや,3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化された3Dチャネルモデルが挙げられます.5Gでは新たに, ・適用周波数の高周波化:既存周波数に加えて,6GHzから100GHzまでが対象

・アレーアンテナ技術の高度化:Massive MIMO技術などへの対応

・システムの構築シナリオの多様化:既存のシナリオに加えて,野外フェスティバルやスタジアムなど,多くの人が1カ所に集まるようなシナリオの追加

が検討されていることから,チャネルモデルにおいてもこれらが新たな要求条件として加えられました.これらを考慮して開発されたのがMETIS channel mod-elsです. METISではアプローチの異なる2つのモデルが提案されています.1つは従来と同様に測定データを統計的

に解析してモデル化した“Stochastic model”であり,もう1つは構造物のデータを用いてレイトレーシングのように伝搬特性を解析する“Map-based model”です. Stochastic modelは5Gの要求条件に応えるべく,新たに測定を実施し,そのデータを解析して構築されたものです.モデル化の基本アプローチが同じであることから,4Gのチャネルモデルと親和性が高いことが特徴となります.しかし,このモデルは測定データを統計的に解析したものであることから,各シナリオにおける平均的な特性しか模擬することができません.例えば,人の交通量の場所的・時間的分布は反映されません. そこで,開発されたのがMap-based modelです.このモデルは構造物データを用いて送受信局間のパスを求めることで,伝搬特性を解析します.構造物データを用いることからStochastic modelよりも使い勝手は悪くなりますが,建物のような構造物に加えて人や車両といった遮蔽物をさらに定義することにより,これら遮蔽物の場所的・時間的分布を反映した伝搬特性を解析できる利点があります.また,一般的に送受信局間のパスをレイトレーシングにより求めるには多くの演算量が必要となりますが,Map-based modelではこの演算量を極力少なくするための工夫が提案されております. 以上のようにMETISでは,5Gで想定される要求条

件に応えたチャネルモデルを開発し,今回,その成果がWireless Innovation Forumにて評価されました.なお,本チャネルモデルの詳細はMETISのホームページをご参照ください[1].

文 献 [1] METISホームページ.

https://www.metis2020.com/

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