Upload
ikegami-keiichi
View
185
Download
2
Embed Size (px)
DESCRIPTION
臨床研修指導者養成ワークショップのgenericバージョンです。
Citation preview
現状・目標❖ 現状
❖ 専門医不足
❖ 研修医不足
❖ バラバラな医療・バラバラな研修
❖ 到達すべき目標
❖ 病院がミッションを遂行できる構造を作る
❖ 専門医が専門診療に集中できる構造を作る
❖ 研修医の役割を明確化した研修プログラムを作る
臨床研修プログラム❖ 必修プログラム
❖ 総合的な救急診療
❖ 入院患者の診療・術後患者の診療
❖ 地域連携医療
❖ 希望履修プログラム
❖ 指導的研修医、専門医チームの一員
❖ ポートフォリオで「できること」を認証
臨床研修プログラム2015・コンセプト
❖ 地域医療の基盤・総合救急診療医を育てる
❖ 総合救急診療医(General Emergency Medicine)
❖ 総合診療(非選択的診療)
❖ 救急医療(急な傷病の診療)
❖ 入院患者の診療(ホスピタリスト)
❖ 術後患者の診療(ホスピタリスト)
❖ 地域連携医療(複雑な問題を連携により解決)
臨床研修プログラム2015・ポートフォリオ
2年後、総合救急診療医としてできるようになること
1. 医師に期待される態度・習慣・コミュケーション能力を身につける
2. 初診患者と救急患者の初期診療(基本的な救命医療)ができる
3. 医療全体のプランニングができる
4. 医療チームのリーダーができる
5. 入院患者・術後患者のマネジメントができる
6. 一人当直ができる・患者急変に対応できる
7. 複雑な問題を抱える患者に医療・ケアの包括プランを提案できる
8. 医科学で社会貢献できる基礎を作る
コンセプトとポートフォリオの関連急な傷病・初診患者 入院患者の診療 術後患者の診療 地域連携医療
習慣・態度・コミュニケーション ⚪ ⚪ ⚪ ⚪
初期診療 ⚪
医療全体のプラン ⚪ ⚪ ⚪
チーム医療 ⚪ ⚪ ⚪ ⚪
入院患者の管理 ⚪ ⚪
当直・急変 ⚪ ⚪ ⚪
地域との連携 ⚪ ⚪
サイエンス ⚪ ⚪ ⚪
ワークショップのミッション❖ 病院のミッションを達成できる医師の能力を前提に、
❖ 救急医療・総合診療・地域医療(地域連携)
❖ 専門・高度医療
❖ 当院発展の構造・ネットワークのイメージを共有し、
❖ 前期研修プログラムをデザインする。
❖ 2年後にできるようになることを担保
❖ ポートフォリオで「できること」を認証
プログラムが提供する研修医の経験の質は?
1. 何も気づかず、何も試みず、何も楽しまず、交流もない
2. 強制的にやらされたり、機械的な繰り返し
3. あれこれ言われたり、やらされたりするが、どれも中途半端(忙しく動き回るが学習にはならない)
4. そのときは集中したり勉強になるが、ローテーション終了時にどのような成果が得られるか見えない
5. 結果が成功であっても失敗であっても多くを学べるチャレンジの機会があり、本腰を入れて取り掛かり、それに見合う手応えがある
6. 目からウロコが落ちる学習経験があり、医師として生涯忘れなれない教訓を獲得する
レベル5、6の経験を増やす工夫は?レベル5.挑戦的な企て
❖ 実力より少し上
❖ サポート(事前・そのとき・事後)
❖ 認証
❖ 振り返り
レベル6.ここに、このメンバーと一緒にいたい
❖ 忘れられない経験
ヒント❖ 学習経験には、はじめ・なかごろ・おわり(すなわち筋書き:プロット)がある
❖ 学習者は、自分の学習経験の主人公である
❖ 教科ではなく学習活動がテーマを設定する
❖ 文脈が教育場面への没入感に貢献する
❖ インストラクターとデザイナーは、作者であり、助演者(学習コンパニオン)であり、主人公のモデルである
プログラムのレベル1. このプログラムで学べてよかった!
もっと勉強したい、没入してしまう、つい頑張ってしまう、自分に自信がついた
2. 環境や指導のおかげで目標を達成できた(⚪⚪ができるようになった)
挑戦的な課題、十分な支援・フィードバック、認証があった
3. 分かりやすかった
知識や手技の説明は分かりやすかったし、カンファレンスでも理解できるように配慮があった
4. 普通
人間関係などのストレスもそこそこに標準的医療を遂行していて、それに参加できた
5. 精神衛生よくない
エビデンスで否定されていたり問題のある医療が行われているうえにストレスが多い
自己診断とワン・レベルアップの工夫
1. このプログラムで学べてよかった!
2. 環境や指導のおかげで目標を達成できた(⚪⚪ができるようになった)
3. 分かりやすかった
4. 普通
5. 精神衛生よくない
ふたつのタイプ❖ 「私はこうしてきた」・だから君もこうしなさい
❖ 徒弟制
❖ 自信があり信念が強いと変われない
❖ 「私はこうしてきた」・だけど君はこうしたら
❖ もっといい方法があるんじゃないか
❖ 認知的徒弟制
教授システム学❖ Instructional design❖ 歴史
❖ 第二次世界大戦
❖ 学校・産業、トレーニング
❖ パフォーマンス
❖ 現在はIDT
❖ Instructional Design Technology 熊本大学大学院教授システム学専攻
鈴木克明教授 with ガニェ
カークパトリックの4つのレベル
研修参加者の反応の測定参加者はそのプログラムを気に入ったか
研修参加者の知識やスキル習得度を測定参加者は目的の能力を身につけたか
研修参加者の学習内容の活用状況を測定参加者は実際に職場で活用しているか
行動変容により得られた組織貢献度を測定組織のミッション達成に貢献しているか
レベル1
Reaction
レベル2
Learning
レベル3
Behavior
レベル4
Result
http://www3.osaka-ohtani.ac.jp/gp/info/080301/suzuki.pdf
ガニェの9教授事象・新しい学習への準備を整える
❖ 事象1
❖ 学習者の注意を獲得する
❖ 情報の受け入れ態勢を作る
❖ 事象2
❖ 授業の目標を知らせる
❖ 脳を活性化し、重要な情報に集中させる
❖ 事象3
❖ 前提条件を思い出させる
❖ いままでに学んだ関連事項を思い出す
ガニェの9教授事象・まとめ(でき具合を確かめ忘れないようにする)
❖ 事象8
❖ 学習の成果を評価する
❖ 成果を確かめ、学習結果を味わう
❖ 事象9
❖ 保持と転移を高める
❖ 長持ちさせ、応用がきくようにする
学習率を高める工夫❖ 分子:学習に費やす時間を増やす
❖ 学習機会:自分で取組む機会が多い
❖ 学習持続力:楽しい・集中できる
❖ 分母:学習に必要な時間をなるべく減らす
❖ 課題への適性:意味を持たせる
❖ 授業の質:下手ならしない・よくデザインされた教材
❖ 授業理解力:カリキュラムを通してトレーニング
メーガーの3つの質問 1974年
❖ Where am I going?❖ どこへ行くのか
❖ How do I know when I get there?❖ たどりついたことをどうやって知るのか
❖ How do I get there?❖ どうやってそこへ行くのか
Attention:面白そうだなあ❖ 知覚的喚起(perceptual arousal)
❖ 目をパッチリ開ける
❖ 関連のあるムービー
❖ 探究心の喚起(inquiry arousal)
❖ 好奇心を大切にする
❖ 大きな謎をかけて、それを解き明かすように学習設計
❖ 変化性(variability)
❖ マンネリを避ける
❖ 教授方略は20分ごとに変える
Relevance:やりがいがありそう❖ 親しみやすさ(familiarity):自分の味付けにする
❖ 学習者が関心のある、得意な分野の例を取り上げる
❖ 説明を自分なりの言葉でまとめて書き込む
❖ 目的指向性(goal oriented):目標を目指す
❖ 受身ではなく、自分の課題として積極的に取組めるようにする
❖ 教材のゴールを達成することの意義・有用性を強調する
❖ 動機との一致(motive matching):プロセスを楽しむ
❖ 自分の得意な、やりやすい方法でやれるように選択しの幅を設ける
❖ 勉強すること自体を楽しめる工夫を盛り込む(例:ゲーム)
Confidence:やればできそうだなあ❖ 学習要求(learning requirement):ゴールインテープをはる
❖ メーガーの3つの質問
❖ 高すぎない、低すぎない、頑張ればできそうなもの
❖ 成功の機会(success opportunities):一歩ずつ確かめて進む
❖ 他人との比較ではなく、過去の自分との比較で進歩を確かめられるようにする
❖ 易しいものから難しいものへ・チャンクごとに確認問題・まとめの練習問題
❖ コントロールの個人化(personal control):自分で制御する
❖ 「自分が努力したから成功した」いえるような教材にする
❖ 失敗したらその原因を自分で判断できるようチェックリストを用意する
Satisfaction:やってよかったなあ❖ 自然な結果(natural consequences):無駄に終わらせない
❖ 努力の結果がどうだったかを目標に基づいてすぐにチェックできるようにする
❖ 応用問題に挑戦し努力の成果を確かめ、それを味わう機会をつくる
❖ 肯定的な結果(positive consequences):ほめて認めてもらう
❖ 困難を克服して目標に到達した学習者にプレゼントを与える(認証)
❖ できて当たり前と思わず、できた自分に誇りを持ち、素直に喜べるようなコメントをつける
❖ 公平さ(equity):自分を大切にする
❖ 目標、練習問題、テストの整合性を高め、終始一貫性を保つ
❖ 練習とテストで条件や基準を揃える
Instructional Conversation❖ 学習デザイン
❖ ゴール・プロセスが明確
❖ 前提条件が整っている
❖ メーガーの3つの質問
❖ Instructional conversation❖ 会話はインストラクション
❖ Just-in-time❖ 理解・応用・失敗の分析・改善と評価が可能
現実に起こりそうな問題に挑戦する:問題(Problem)
❖ 学習者が遭遇しそうな問題解決を教材にする
❖ 学習を修了するとどのような問題が解決できるようのなるのか、どのような業務ができるようになるのかを示す
❖ 単に操作手順や方法論のレベルよりも深いレベルの学習をデザインする(転移)
❖ 解決すべき問題を徐々に難しくして何度もチャレンジさせ、問題同士で何が違うのかを明らかに示す
すでに知っている知識を動員する:活性化(Activation)
❖ 学習者の過去の関連する経験を思い出させる
❖ 新しく学ぶ知識の基礎になりそうな過去の経験から得た知識を思い出させ、関連づけ、記述させ、応用させるように仕向ける
❖ 新しく学ぶ知識の基礎になるような関連する知識を学習者に与える
❖ 学習者がすでに知っている知識やスキルを使う機会を与える
Tell meではなくShow me:例示(Demonstration)
❖ 新しく学ぶことを単に情報として「伝える」のではなく「例示」する
❖ 学習目的に合致した例示方法を採用する(弁別、概念、ルール、態度、手技など、学習成果の分類に適した例示を行う)
❖ 学習者にガイダンスを与える(関連する情報の検索、例示方法を複数用意する、例示を比較させ相違点を明らかにする)
❖ メディアに教授上の意味を持たせて適切に活用する
応用するチャンスがある:応用(Application)
❖ 新しく学んだ知識やスキルを使うような問題解決の機会を与える
❖ 練習とテストをあらかじめ記述された学習目標と合致させる
❖ 学習者の問題解決を導くために、誤りを発見して修正したり、徐々に援助の手を少なくしていくことを含めて、適切なフィードバックとコーチングを実施する
❖ 学習者に異なる問題を連続して解くことを要求する
現場で活用し、振り返るチャンスがある:統合(Integration)
❖ 学習者が新しい知識やスキルを業務・生活のなかで統合することを奨励する
❖ 学習者が新しい知識やスキルについて振返り、話し合い、肩を持つように仕向ける
❖ 学習者が新しい知識やスキルの使い方について自分なりのアイデアを考え、探索し、創出するように仕向ける
地域・病院・職員のいい関係❖ どんな病院であるべきか?
❖ どんな診療部門が必要か?
❖ どんな診療部門にしたいか?
❖ 医師としてどのような生活を送りたいか?
❖ 病院の評判
❖ 仕事へのプライド
❖ 充実したプライベート
❖ 好きな仕事
プログラムに関するキーワード❖ アウトカム基盤型
❖ 2年後に何ができるようになるかを担保する
❖ コンピテンシー・ベイスト
❖ 個々のプログラム・モジュール・レッスンがアウトカム基盤(出口を保証する)
❖ 上記を達成するには学習を合理的に設計する方法論、インストラクショナル・デザインが必要
個人ワーク❖ Where am I going?
❖ どこへ行くのか
❖ How do I know when I get there?
❖ たどりついたことをどうやって知るのか
❖ How do I get there?
❖ どうやってそこへ行くのか
サンプル❖ 「慢性腎疾患患者の食事指導ができる」
❖ 「できるようになった」ことを評価する方法を記載する
❖ 例:慢性腎疾患患者3例に対し、食事指導プランが策定できる、プランの妥当性を指導医に説明できる、説明内容が合格基準に達する、実際に食事指導ができる
❖ 「できるようになる」ための学習プロセスを記載する
❖ 例:事前学習で食事指導の知識を獲得し指導医に説明できる→指導医の実践を見て学ぶ→自分でやってみてできた点・できない点について指導医とディスカッションする→準備ができたら合格テストを受ける
❖ できるようになったら認定証を発行する(ポートフォリオ)
コンセプトとポートフォリオの関連急な傷病・初診患者 入院患者の診療 術後患者の診療 地域連携医療
習慣・態度・コミュニケーション ⚪ ⚪ ⚪ ⚪
初期診療 ⚪
医療全体のプラン ⚪ ⚪ ⚪
チーム医療 ⚪ ⚪ ⚪ ⚪
入院患者の管理 ⚪ ⚪
当直・急変 ⚪ ⚪ ⚪
地域との連携 ⚪ ⚪
サイエンス ⚪ ⚪ ⚪