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1
インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究
2008/2009シーズン報告
平成21年度厚生労働科学研究費補助金
医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業
「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」
研究代表者 国立感染症研究所 岡部信彦
資料2
研究班
研究代表者
– 岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター長)
研究分担者(五十音順)
– 大日康史(国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官)
– 谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター第一室室長)
– 宮崎千明(福岡市立西部療育センター長)
– 桃井真里子(自治医科大学小児科学教授)
2
2
報告の内容
• インフルエンザ2008/2009シーズン
• 調査概要
• 重度の分析
• まとめ
3
4
インフルエンザ2008/2009シーズン
3
図1.インフルエンザ患者報告数
出典:発生動向調査
5(2008/2009)
図2.年齢別インフルエンザ
患者報告数
出典:発生動向調査
6(2008/2009)
4
図3.型別インフルエンザウイルス
分離の検出報告数
7(2008/2009)
8
調査概要
5
9
調査概要
• 重度の異常な行動に関する調査(重度調査)
– すべての医療機関
– 2006/2007シーズン:後向き調査
– 2007/2008シーズン:前向き調査
– 2008/2009シーズン:前向き調査
• 軽度の異常な行動に関する調査(軽度調査)
– インフルエンザ定点医療機関
– 2007/2008シーズン:前向き調査
– 2008/2009シーズン:前向き調査
10
調査概要(重度)
• 調査依頼対象:すべての医療機関
• 報告対象:インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動※を示した患者
– ※飛び降り、急に走り出すなど、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動
• 報告方法:インターネット 又は FAX
6
11
インフルエンザに伴う異常な行動に関する報告基準
• インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動を示した患者
• インフルエンザ様疾患– 臨床的特徴(上気道炎症状に加えて、突然の高熱、全身倦怠感、
頭痛、筋肉痛を伴うこと)を有しており、症状や所見からインフルエンザと疑われる者のうち、下記のいずれかに該当する者
次のすべての症状を満たす者①突然の発現、②高熱(38℃以上)、③上気道炎症状、④全身倦怠感等の全身症状
迅速診断キットで陽性であった者
• 重度の異常な行動– 突然走り出す
– 飛び降り
– その他、予期できない行動であって、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動
12
重度の分析
7
1313
表1.2008/2009分析対象データ
報告数
重度 185 除外 対象
30歳以上6 179
※このうち、「突然走り出す・飛び降り」については87例
図4.異常行動(重度)の発熱週と
発生動向調査
0
5
10
15
20
25
30
40 42 44 46 48 50 52 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 380
5
10
15
20
25
30
35
40
2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
2006/2007 n=149
0
5
10
15
20
25
30
1 4 7 10 1316 19 22 25 28
0
5
10
15
20
25
30
35
40
0
5
10
15
20
25
30
1 4 7 10 13 16 19 22 25
0
5
10
15
20
25
30
35
40
8
2006/2007 n=137平均値10.11 中央値10 2007/2008 n=77平均値8.66 中央値8
2008/2009 n=179平均値8.89 中央値8
図5. 患者の年齢
図6.患者の性別
118,66%
61,34%
男
女
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
9
図7.患者の年齢と性別
0
2
4
6
8
10
12
14
16
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
女 男
0
2
4
6
8
10
12
14
16
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
女 男
2007/2008 n=77 2008/2009 n=179
表2.発熱から異常行動発現までの
日数
重度走り出し、飛び降り
のみ
発現日 n % n %
発熱後1日以内 47 27.01 24 28.572日目 87 50.57 45 53.573日目 22 12.64 9 10.71
4日目以降 17 9.76 6 7.15
173 100 84 100
(2008/2009)
10
表3.発熱から異常行動発現までの
日数
重度走り出し、飛び降り
のみ
発現日 n % n %
発熱後1日以内 25 33.33 14 35
2日目 37 49.33 19 47.5
3日目 11 14.67 6 15
4日目 2 2.67 1 2.5
75 100 40 100
(2007/2008)
図8.最高体温
20
2006/2007 n=125 平均値39.24中央値39.0 2007/2008 n=77 平均値39.41中央値39.3
2008/2009 n=177 平均値39.28中央値39.2
11
図9.インフルエンザ迅速診断
キットの実施の有無
132,96%
0,0%
5,4%
有
無
不明76,99%
1, 1%
0,0%
有
無
不明
177,99%
0, 0%
2,1%
有
無
不明
2007/2008 n=772006/2007 n=137
2008/2009 n=179
図10.迅速診断キットによる
検査結果
72,54%
50,37%
2,2%
6,5%
2,2%
陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明70, 92%
3,4%
3,4%
陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明
129,73%
43,24%
5,3%
陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明
2008/2009 n=177
2006/2007 n=132 2007/2008 n=76
12
図11.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無
52,38%
82,60%
3,2%
有
無
不明50,65%
24,31%
3, 4%
有
無
不明
76,42%
81,46%
22,12%
有
無
不明
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
図12.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無の性別
11, 20%
41,75%
3,5%
服用有
服用無
不明
0,0%
9,41%
13, 59%
服用有
服用無
不明
56,48%
44,37%
18,15%
服用有
服用無
不明
32,53%
24, 39%
5, 8%
服用有
服用無
不明
男性
2007/2008 n=55
女性
n=22
女性
n=61
男性
2008/2009 n=118
13
図13.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無の年齢別
0
5
10
15
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 111213 14151617181920 212223 2425 262728
0
5
10
15
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011 1213 1415 1617 1819 2021 2223 2425 2627
0
5
10
15
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 111213 14151617181920 212223 2425 262728
0
5
10
15
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 111213 1415 161718 1920 212223 2425 262728
2007/2008 タミフル服用有 平均値5.5 中央値6.0
n=24 n=49
タミフル服用無 平均値9.9 中央値10.0
n=83n=76
2008/2009 タミフル服用有 平均値7.0 中央値6.0 タミフル服用無 平均値9.8 中央値10.0
図14.シンメトレル(塩酸アマンタ
ジン)服用の有無
0, 0%45,
25%
134,75%
有
無
不明
0,0%15,
19%
62,81%
有
無
不明
110, 80%
22,16%
5, 4%
有
無
不明
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
14
図15.リレンザ(ザナミビル)使用
の有無
28, 16%
43,24%
108,60%
有
無
不明
9,7%
105, 76%
23,17%
有
無
不明
11,14%
53,69%
13,17%
有
無
不明
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
図16.アセトアミノフェン服用
の有無
33,24% 51,
37%
53,39%
有
無
不明
10,
13%
33,
43%
34,
44%
有
無
不明
37,21%
65,36%
77,43%
有
無
不明
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
15
図17.異常行動と睡眠の関係
0,0%
18,23%
11, 14%
48,63%
異常行動は覚醒していて徐々に起こった
異常行動は眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
40,22%
111, 62%
21,12%
7,4%
異常行動は覚醒していて徐々に起こった
異常行動は眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
30,22%
2,1%
34,25%
71, 52%
異常行動は覚醒していて徐々に起こった
異常行動は眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
2006/2007 n=137 2007/2008 n=77
2008/2009 n=179
図18.タミフル有無と
異常行動と睡眠の関係
0,
0% 9,
18%11,
22%
30,
60%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
42,
52%
18,
22%
2,
2%
20,
24% 覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
10,
19%
26,
50%
16,
31%
0,0%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
17,
71%
6,
25%
0,
0%
1,
4%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
21,
28%
43,
56%
10,
13%
2,
3%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
16,
20%
3,
4%9,
11%
53,
65%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
服用群 未服用群
2006/2007 n=80 n=52
2007/2008 n=24
2008/2009 n=76
n=50
n=81
16
図19.異常行動の分類
0%
10%
20%
30%
40%
50%
突
然
走
り出
す
飛
び降
り
(未
遂
含
む
)
会
話
中
、突
然
話
が通
じな
く
な
る
お
び
え
・恐
慌
状
態
無
いも
の
が見
え
る
と言
う
激
し
いう
わ
ご
と
・寝
言
わ
めく
・泣
き
や
ま
な
い
暴
力
・興
奮
状
態
はね
る
徘
徊
無
意
味
な動
作
の
繰
り返
し
そ
の他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
突
然
走
り出
す
飛
び降
り
(未
遂
含
む
)
会
話
中
、突
然
話
が通
じな
く
な
る
お
び
え
・恐
慌
状
態
無
いも
の
が見
え
る
と言
う
激
し
いう
わ
ご
と
・寝
言
わ
めく
・泣
き
や
ま
な
い
暴
力
・興
奮
状
態
はね
る
徘
徊
無
意
味
な動
作
の
繰
り返
し
そ
の他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
突
然
走
り出
す
飛
び降
り
(未
遂
含
む
)
会
話
中
、突
然
話
が通
じな
く
な
る
お
び
え
・恐
慌
状
態
無
いも
の
が見
え
る
と言
う
激
し
いう
わ
ご
と
・寝
言
わ
めく
・泣
き
や
ま
な
い
暴
力
・興
奮
状
態
はね
る
徘
徊
無
意
味
な動
作
の
繰
り返
し
そ
の他
2006/2007 2007/2008
2008/2009
32
突然走り出す・飛び降りのみの分析
17
2006/2007 n=72 平均値9.93 中央値10 2007/2008 n=41 平均値9.21 中央値7
2008/2009 n=87平均値9.08 中央値9
図20.患者の年齢
0
2
4
6
8
10
12
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819202122232425262728
図21.患者の性別
23,27%
61,73%
男
女
56,78%
16 22%
男
女 31,76%
10, 24%
男
女
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=84
18
図22.最高体温
0
5
10
15
20
25
37.5 38 38.5 39 39.5 40 40.5 41 41.5 42
0
5
10
15
20
25
37.5 38 38.5 39 39.5 40 40.5 41 41.5 42
0
5
10
15
20
25
37.5 38 38.5 39 39.5 40 40.5 41 41.5 42
2006/2007 n=125 平均値39.24中央値39.0 2007/2008 n=41 平均値39.34 中央値39.2
2008/2009 n=86 平均値39.26 中央値39.3
図23.インフルエンザ迅速診断
キットの実施の有無
70, 97%
2,3%
0,0%
有
無
不明
0,0%
41,100%
0,0%
有
無
不明
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
85,98%
0,0%
2,2%
有
無
不明
2008/2009 n=87
19
図24.迅速診断キットによる
検査結果
0,0%
41,59%
25,36%
1,1%
3,4%
陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明 36,89%
3,7%
1,2%
1,2%
0, 0%
陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明
61, 72%
23,27%
0,0%0,
0% 1,1% 陽性(A型)
陽性(B型)
陽性(不明)
陰性
不明
2007/2008 n=41
2008/2009 n=85
2006/2007 n=70
図25.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
25,35%
1,1%
46,64%
有
無
不明
2, 5%
13, 32%
26,63%
有
無
不明
11,13%
31,36%
45,51%
有
無
不明
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
20
図26.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無の性別男性
2,7%
23,74%
6, 19%
有
無
不明
女性
0,0%
3,30%
7,70%
有
無
不明
男性
8,13%
35,54%
21, 33% 有
無
不明
女性
3,13%
10,44%
10,43%
有
無
不明
2007/2008 n=31
2008/2009 n=64
2007/2008 n=10
2008/2009 n=23
図27.タミフル(リン酸オセルタミ
ビル)服用の有無の年齢別
40
平均値4.6 中央値5 平均値10.96 中央値10
平均値6.70中央値6 平均値10.06中央値10
2007/2008
2008/2009
21
図28.シンメトレル(塩酸アマンタ
ジン)服用の有無
3,4%
57,79%
12,17%
有
無
不明
0,0%
34,83%
7,17%
有
無
不明
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
19,
22%
0,
0%
68,
78%
有
無
不明
2008/2009 n=87
図29.リレンザ(ザナミビル)使用
の有無
55, 77%
14, 19%
3, 4%
有
無
不明
29,70%
6,15%
6,15%
有
無
不明
21,24%
55,63%
11,13%
有
無
不明
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
22
図30.アセトアミノフェン服用
の有無
17, 24%
25,35%
30,41%
有
無
不明
18,44%
20,49%
3,7%
有
無
不明
12,14%
33,38%
42,48%
有
無
不明
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
図31.異常行動と睡眠の関係
22, 31%
38,53%
11,15%
1,1% 覚醒していて徐々に起
こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
6,15%
28, 68%
7, 17%
0, 0%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
67,77%
14, 16%2,
2%
4,5%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
2006/2007 n=72 2007/2008 n=41
2008/2009 n=87
23
図32.タミフル有無と
異常行動と睡眠の関係
6,
13%
22,
48%
17,
37%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他 15,
60%
5,
20%
0,
0%5,
20%覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
11,
85%
2,
15%
0,
0%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
8,
26%
22,
71%
1,
3%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
17,
66%
4,
15%
0,
0%5,
19% 覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
35,
79%
6,
13%
2,
4%2,
4%
覚醒していて徐々に起こった
眠りから覚めて直に起こった
不明
その他
服用群 未服用群
2006/2007 n=46
2007/2008 n=13
2008/2009 n=31
n=25
n=26
n=45
1,2%
まとめ
• 2008/2009シーズンは、昨シーズンに比べ発生動向調査によるインフルエンザ様疾患患者報告数は多かった。
• 重度の異常行動は、平均8.89歳(07/08同じ)、男性に多く(07/08同じ) 、発熱後2日以内(07/08同じ)の発現が多かった。
• 薬剤服用の割合は、タミフルの服用は42% (07/08は31%) 、リレンザは24% (07/08は14%) 、アセトアミノフェンは36%(07/08 は43 %)だった。
• 睡眠との関係は、眠りから覚めて直ぐに起こったものが多かった(07/08同じ) 。
• 昨シーズンと比べると、薬剤服用の割合に違いがみられたが、性別や異常行動の分類別の割合では殆ど違いは見られなかった。
24
参考資料
年齢群別異常行動発現率の経年比較
484848
通知前との比較(重度)
発現率(%)2007/3/20以前
2007/20082008/2009
発現率の比
95%信頼区間
下限 上限
10歳未満 .0000126 .0000187 .6725543 .4738345 .9546145
10代 .000022 .0000216 1.016379 .7182737 1.438207
注:発現率の分母は年齢区分別の発生動向調査からの推定患者数
25
494949
通知後との比較(重度)
発現率(%)2007/3/20以後
2007/20082008/2009
発現率の比
95%信頼区間
下限 上限
10歳未満 .0000157 .0000187 .8414886 .5103252 1.387553
10代 .0000346 .0000216 1.600432 .9624689 2.661262
505050
通知前との比較(走り出し、飛び降りのみ)
発現率(%)2007/3/20以前
2007/20082008/2009
発現率の比
95%信頼区間
下限 上限
10歳未満 .00000742 .00000847 .875897 .5477455 1.400642
10代 .0000129 .0000125 1.037121 .6584207 1.633637
26
515151
通知後との比較(走り出し、飛び降りのみ)
発現率(%)2007/3/20以後
2007/20082008/2009
発現率の比
95%信頼区間
下限 上限
10歳未満 .00000556 .00000847 .6558661 .285184 1.508361
10代 .0000115 .0000125 .9254326 .3964459 2.160258
525252
5歳刻みでの比較(重度)
発現率の比95%信頼区間
下限 上限
2007/3/20以前と
2007/20082008/2009との比較
5歳未満 .5840734 .25944051.314913
5-9歳 .6980793 .4728271 1.030641
10-14歳 1.024899 .7063877 1.487027
15-19歳 2.184836 .6934387 6.883822
2007/3/20以後と
2007/20082008/2009との比較
5歳未満 .3697504 .0889327 1.537289
5-9歳 1.130923 .661351 1.9339
10-14歳 1.995648 1.163287 3.423584
15-19歳 1.961896 .3806383 10.11205
27
535353
5歳刻みでの比較(走り出し、飛び降りのみ)
発現率の比95%信頼区間
下限 上限
2007/3/20以前と
2007/20082008/2009との比較
5歳未満 .8112103 .3011832 2.184923
5-9歳 .9137064 .5345999 1.561653
10-14歳 .9874282 .6104609 1.597178
15-19歳 1.248483 .3352594 4.649267
2007/3/20以後と
2007/20082008/2009との比較
5歳未満 .7189554 .1668227 3.098481
5-9歳 .7017565 .2538173 1.940223
10-14歳 1.220192 .5211484 2.8569
15-19歳 0 N.A. N.A.
5454
まとめ
• 2006/2007シーズンの通知前後と2007/2008, 2008/2009シーズンでの10代の重度の異常行動、あるいは走り出し・飛び降りの発現率に有意な差はない
• 10-14歳においては、2006/2007シーズン通知後よりも2007/2008 , 2008/2009シーズンの方が重度の異常行動の発現率が有意に低い(走り出し・飛び降りに限定すれば有意差はない)
28
5555
考察
• タミフルの使用差し控えによって大幅に異常行動が減ったわけではない
• ただし、2006/2007シーズンは振り返り調査、2007/2008, 2008/2009シーズンは前向き調査である事に留意– 2006/2007シーズンの調査は、後向き調査で、また、10歳代の
タミフル服用患者の転落・飛び降りが社会問題化していたことが影響したため、10歳代を中心とした重度事例の報告が相対的に多くなされ、他方、10歳未満の重度事例については患者・家族からの情報が得られず報告がなされにくい環境であった可能性がある
– 2007/2008, 2008/2009シーズンは、前向き調査であり、また、事前にタミフルの服用の有無を問わず小児・未成年者全般において重度の異常行動のおそれがあることの注意喚起が徹底されたため、昨シーズンに比べ10歳未満の重度事例の報告が多くなされる環境になった可能性がある