Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 11
光触媒化学特論光触媒化学特論
光触媒がわかれば化学がわかる光触媒がわかれば化学がわかる
化学がわかれば光触媒がわかる化学がわかれば光触媒がわかる
大学院環境科学院・環境物質科学専攻大学院環境科学院・環境物質科学専攻 開講科目開講科目
20082008年度前期・毎週年度前期・毎週木木曜日第曜日第11校時(校時(08:4508:45──10:1510:15))
研究院講堂研究院講堂→→A803A803((55月月11日から)日から)
大谷文章大谷文章(おおたにぶんしょう)(おおたにぶんしょう)・阿部竜・天野史章・阿部竜・天野史章001001--0021 0021 札幌市北区北札幌市北区北2121条西条西1010丁目丁目 北海道大学・触媒化学研究センター北海道大学・触媒化学研究センター
011011--706706--91329132(ダイヤルイン)・(ダイヤルイン)・011011--706706--91339133(ファクシミリ)(ファクシミリ)
[email protected]@cat.hokudai.ac.jp・・http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/
北大北大 大谷研大谷研 検索検索 光触媒光触媒 研究室研究室 検索検索
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 22
講義の目標講義の目標
■■光触媒のトピックスを中心にして先端的な研究内容から説き光触媒のトピックスを中心にして先端的な研究内容から説き起こして起こして基礎的な化学基礎的な化学あるいはあるいは実験化学研究の技術実験化学研究の技術などになどに掘り下げていく掘り下げていく
■■光触媒光触媒反応の諸現象のほとんどを反応の諸現象のほとんどを化学的に解釈化学的に解釈できることをできることを理解し,化学の研究法を適用して説明する理解し,化学の研究法を適用して説明する
■■化学研究の基礎化学研究の基礎を学ぶことを通じて光触媒の研究を理解し,を学ぶことを通じて光触媒の研究を理解し,さらにさらに応用展開できる応用展開できることを知ることを知る
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 33
講義予定講義予定
(1)(1) 44月月1717日日 光触媒とは光触媒とは ──光触媒入門光触媒入門──
(2)(2) 44月月2424日日 光光と物質の相互作用と物質の相互作用
(3)(3) 55月月11日日 分子と固体の電子構造と光吸収分子と固体の電子構造と光吸収
(4)(4) 55月月88日日 固体の光吸収と固体の光吸収と電子と正孔の反応電子と正孔の反応
(5)(5) 55月月1515日日 吸着と電子吸着と電子//正孔の反応正孔の反応
(6)(6) 55月月2222日日 酸化チタン酸化チタン光触媒とその構造光触媒とその構造
55月月2929日日 (修士論文中間発表会のため休講)(修士論文中間発表会のため休講)
(7)(7) 66月月55日日 酸化チタンの結晶構造酸化チタンの結晶構造
(8)(8) 66月月1212日日 光触媒の物性と特性の解析光触媒の物性と特性の解析
(9)(9) 66月月1919日日 光触媒反応の解析光触媒反応の解析
(10)(10) 66月月2626日日 (阿部准教授)(阿部准教授)光触媒反応による水の分解光触媒反応による水の分解
(11)(11) 77月月33日日 光触媒の物性と光触媒活性の制御光触媒の物性と光触媒活性の制御((11))
77月月1010日日 (教員全員が出張のため休講)(教員全員が出張のため休講)
(12)(12) 99月月44日日 光触媒の物性と光触媒活性の制御光触媒の物性と光触媒活性の制御((22))
(13)(13) 99月月1111日日 光触媒による有機合成光触媒による有機合成
(14)(14) 99月月1818日日 (天野助教)局所励起光触媒(天野助教)局所励起光触媒
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 44
講義のすすめ方講義のすすめ方
■■講義中のクイズに答え,感想・意見を書いて提出講義中のクイズに答え,感想・意見を書いて提出
感想は講義のウェブページに感想は講義のウェブページにニックネーム(ニックネームがないニックネーム(ニックネームがないと本名がでます)をつけてと本名がでます)をつけて掲載掲載
■欠席の場合■欠席の場合
ウェブページ上にある講義のウェブページ上にある講義のPowerPointPowerPointファイルを見て,クイファイルを見て,クイズに答えたメールをズに答えたメールを[email protected]@cat.hokudai.ac.jpへ送れば,出席へ送れば,出席と同じ扱いと同じ扱い
■■ウェブページのアドレス(ウェブページのアドレス(URLURL))
http://pcat.cat.hokudai.ac.jp/class/pcs_2007/http://pcat.cat.hokudai.ac.jp/class/pcs_2007/
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 55
高結晶性酸化チタン微粒子の高結晶性酸化チタン微粒子のTEMTEM
HyCOMHyCOM法によって調製した酸化チタン微粒子法によって調製した酸化チタン微粒子
縞模様がアナタース型結晶の面間隔に一致・ひとつひとつが単結晶縞模様がアナタース型結晶の面間隔に一致・ひとつひとつが単結晶
THyCATHyCA法によって調製した法によって調製した
酸化チタン微粒子酸化チタン微粒子ひとつひとつの結晶が角ひとつひとつの結晶が角ばったばった単結晶単結晶
1212--13 nm13 nmの単分散状態の単分散状態
5 nm
50 nm
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 66fujikura001fujikura001
塩化チタン塩化チタン(IV) (IV) を原料とするを原料とする
気相法により合成気相法により合成
[フジクラ[フジクラ・昭和タイタニウム・昭和タイタニウムととの共同研究]の共同研究]
粒径:粒径: 4040--150 nm150 nm
比表面積:比表面積: 1010--40 m40 m22 gg--11
高結晶性十面体型アナタース粒子高結晶性十面体型アナタース粒子
(001)(001)とと(101)(101)面のみが露出面のみが露出
結晶欠陥量小さい結晶欠陥量小さい
《《マイクロメートルサイズの十面体粒子マイクロメートルサイズの十面体粒子》》
T. Taguchi, Y. Saito, K. Sarukawa,T. Taguchi, Y. Saito, K. Sarukawa,
T. Ohno, and M. Matsumura, T. Ohno, and M. Matsumura,
New J. Chem., 2003, 27, 1304New J. Chem., 2003, 27, 1304--13061306
(001)(001)
(101)(101)
高結晶性十面体型アナタース微粒子高結晶性十面体型アナタース微粒子
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 77
酸化チタンの結晶型(酸化チタンの結晶型(crystalline forms of anatasecrystalline forms of anatase))
■■天然に存在するのは,アナタース天然に存在するのは,アナタース//ルチルルチル//ブルカイトブルカイト
occurring naturally as occurring naturally as anataseanatase, , rutilerutile, or , or brookitebrookite
■■人工鉱物としては,人工鉱物としては,TiOTiO22(B)(B)ややTiOTiO22(H)(H)などなど
artificial crystal forms: TiOartificial crystal forms: TiO22(B), TiO(B), TiO22(H)(H)
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 88
酸化チタンのつくりわけ:酸化チタンのつくりわけ: anatase and rutileanatase and rutile
■ルチル(■ルチル(rutilerutile))
・熱力学的にもっとも安定-高温にすればよい・熱力学的にもっとも安定-高温にすればよい
・他の特性(例:比表面積)を同時に制御するのが困難・他の特性(例:比表面積)を同時に制御するのが困難
・他の結晶を完全にとりきれないことが多い・他の結晶を完全にとりきれないことが多い
thermodynamically stable thermodynamically stable -- heat treatmentheat treatment
difficult to control the other properties simultaneouslydifficult to control the other properties simultaneously
difficult to remove the other crystallites completelydifficult to remove the other crystallites completely
■■アナタース(アナタース(anataseanatase))
・通常の条件では生成しやすい・通常の条件では生成しやすい
・硫酸イオンやリン酸イオンがあるとルチルに転移しにくい・硫酸イオンやリン酸イオンがあるとルチルに転移しにくい
formed under ordinary conditionsformed under ordinary conditions
Presence of sulfate or phosphate ions prevents Presence of sulfate or phosphate ions prevents
transformation into rutiletransformation into rutile
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 99
粒子の特性粒子の特性
QQ ある粒子の平均粒径(直径)がある粒子の平均粒径(直径)がd d nmnm,比表面積が,比表面積がSS mm22 gg--11でであるとする.あるとする.dd がが22倍になったとすると,倍になったとすると,SS は何倍になりますか.は何倍になりますか.ただし,粒子は真球状であると考えること.ただし,粒子は真球状であると考えること.
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1010
粒子の特性粒子の特性
QQ ある粒子の平均粒径(直径)がある粒子の平均粒径(直径)がd d nmnm,比表面積が,比表面積がSS mm22 gg--11でであるとする.あるとする.dd がが22倍になったとすると,倍になったとすると,SS は何倍になりますか.は何倍になりますか.ただし,粒子は真球状であると考えること.ただし,粒子は真球状であると考えること.
AA dd がが22倍になると,倍になると,11つの粒子の表面積はつの粒子の表面積は44倍,体積は倍,体積は88倍に倍になるので,おなじ質量であれば粒子数はなるので,おなじ質量であれば粒子数は1/81/8になる.したがっになる.したがって,比表面積はて,比表面積は44××1/81/8==1/21/2倍.倍.
QQ 酸化チタンの結晶の密度が酸化チタンの結晶の密度が4 g cm4 g cm--33であるとすると,であるとすると,SdSd ((nm nm mm22 gg--11)) の値はいくらですか.の値はいくらですか.
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1111
粒子の特性粒子の特性
QQ ある粒子の平均粒径(直径)がある粒子の平均粒径(直径)がd d nmnm,比表面積が,比表面積がSS mm22 gg--11でであるとする.あるとする.dd がが22倍になったとすると,倍になったとすると,SS は何倍になりますか.は何倍になりますか.ただし,粒子は真球状であると考えること.ただし,粒子は真球状であると考えること.
AA dd がが22倍になると,倍になると,11つの粒子の表面積はつの粒子の表面積は44倍,体積は倍,体積は88倍に倍になるので,おなじ質量であれば粒子数はなるので,おなじ質量であれば粒子数は1/81/8になる.したがっになる.したがって,比表面積はて,比表面積は44××1/81/8==1/21/2倍.倍.
QQ 酸化チタンの結晶の密度が酸化チタンの結晶の密度が4 g cm4 g cm--33であるとすると,であるとすると,SdSd ((nm nm mm22 gg--11)) の値はいくらですか.の値はいくらですか.
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1212
粒子の特性粒子の特性
QQ 酸化チタンの結晶の密度が酸化チタンの結晶の密度が4 g cm4 g cm--33であるとすると,であるとすると,SdSd((nm mnm m22 gg--11)) の値はいくらですか.の値はいくらですか.
AA 11個の粒子の質量は,(個の粒子の質量は,(44××44ππ((dd /2/2))33××1010--2121))/ 3 / 3 ggなのなので,比表面積で,比表面積SS ==33××((44ππ((dd /2/2))22××1010--1818)) / 4/ 4××44ππ((d/2d/2))3 3 ××1010--2121 ==1,500 / 1,500 / d d となる.したがって,となる.したがって,
SdSd == 1,500 nm m1,500 nm m22 gg--11
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1313
平均値の求め方:平均値の求め方: averagingaveraging
■■粒径粒径dd とと22dd の真球状粒子がの真球状粒子が1010個ずつある.平均粒径は個ずつある.平均粒径は??
Calculate average radius of mixture of Calculate average radius of mixture of d d -- and 2and 2dd --diameter particles (10 for each).diameter particles (10 for each).
■■平均値の求め方平均値の求め方
ΣΣ((xxii ppii)) xxii:値・:値・ppii:分率:分率
1.501.50dd 1.891.89dd数平均数平均 重量平均重量平均
dd
2d2d
d 2dd 2d 2d2d 2d2d
dd dd
粒径粒径 粒径粒径 粒径粒径
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1414
Q:Q: 表面積平均の粒径表面積平均の粒径
■■粒径粒径dd とと22dd のの22種類の真球状粒子が種類の真球状粒子が1010個ずつあるとき,表個ずつあるとき,表面積平均の粒径はいくらか面積平均の粒径はいくらか
Calculate surfaceCalculate surface--area average diameter for the particles, area average diameter for the particles, 10 for each, of diameter of 10 for each, of diameter of dd and 2and 2dd..
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1515
Q:Q: 表面積平均の粒径表面積平均の粒径
■■粒径粒径dd とと22dd のの22種類の真球状粒子が種類の真球状粒子が1010個ずつあるとき,表個ずつあるとき,表面積平均の粒径はいくらか面積平均の粒径はいくらか
Calculate surfaceCalculate surface--area average diameter for the particles, area average diameter for the particles, 10 for each, of diameter of 10 for each, of diameter of dd and 2and 2dd..
■■ 粒径粒径dd とと22dd のの22種類の真球状粒子のひとつひとつの粒子の表面積の比は種類の真球状粒子のひとつひとつの粒子の表面積の比は
11::44であるから,であるから,1010個ずつの合計の表面積の比も個ずつの合計の表面積の比も11::44である.したがって,である.したがって,それぞれの総面積あたりの分率はそれぞれの総面積あたりの分率は0.20.2とと0.80.8.したがって,.したがって,
d d ××0.2 + 20.2 + 2d d ××0.8 = 1.80.8 = 1.8dd
Ratio of area of each particle is 1:4 and therefore the proportiRatio of area of each particle is 1:4 and therefore the proportions of ons of surface area against total surface area are 0.2 and 0.8.surface area against total surface area are 0.2 and 0.8.
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1616
特性・物性と切り口:特性・物性と切り口: propertiesproperties
■■切り口から全体像を把握するのは不可能切り口から全体像を把握するのは不可能
difficult to know all from the cross sectionsdifficult to know all from the cross sections
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1717
酸化チタン光触媒の結晶酸化チタン光触媒の結晶
■■酸化チタンの結晶:酸化チタンの結晶:
アナタース・ルチル・ブルカイト=天然に存在する結晶相アナタース・ルチル・ブルカイト=天然に存在する結晶相
TiOTiO22(B)(B)・・TiOTiO22(H)(H)......=人工的な結晶相=人工的な結晶相
アナタースが高活性であるアナタースが高活性であると言われていると言われている
■■ほんとうにアナタースが高活性なのかほんとうにアナタースが高活性なのか
どうやって比較するのかどうやって比較するのか
もしそうならなぜ高活性なのかもしそうならなぜ高活性なのか
=結晶のどんな性質が光触媒活性を決めるのか=結晶のどんな性質が光触媒活性を決めるのか
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1818
モデル反応系モデル反応系
銀塩水溶液からの銀の析出と酸素生成反応(無酸素下)銀塩水溶液からの銀の析出と酸素生成反応(無酸素下)
4Ag4Ag++ + 2H+ 2H22O = 4Ag + O = 4Ag + OO22 + 4H+ 4H++
メタノールの脱水素反応(白金担持メタノールの脱水素反応(白金担持//無酸素下)無酸素下)
CHCH33OH = HCHO + OH = HCHO + HH22
酢酸の水溶液系酸化分解反応(空気存在下)酢酸の水溶液系酸化分解反応(空気存在下)
CHCH33COOH + 2OCOOH + 2O22 = 2= 2COCO22 + 2H+ 2H22OO
アセトアルデヒドの気相酸化分解反応(空気中)アセトアルデヒドの気相酸化分解反応(空気中)
CHCH33CHO + 5/2OCHO + 5/2O22 = 2= 2COCO22 + 2H+ 2H22OO
LL--リシンからのピペコリン酸合成(白金担持リシンからのピペコリン酸合成(白金担持//無酸素下)無酸素下)
LL--lysine = lysine = PCAPCA + NH+ NH33
Ag+AgAg++
MeOHMeOHMeOH
AcOHAcOHAcOH
AcHAcHAcH
LysLysLys
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 1919
解析につかった構造特性解析につかった構造特性
BETBET BETBET法によりもとめた比表面積法によりもとめた比表面積
PPSPPS 一次粒子径=シェラー式からもとめた結晶子サイズ一次粒子径=シェラー式からもとめた結晶子サイズ
SPSSPS 粒度分布計によりもとめた二次粒子径粒度分布計によりもとめた二次粒子径
DEFDEF 三価のチタン生成量からもとめた結晶格子欠陥密度三価のチタン生成量からもとめた結晶格子欠陥密度
ANAANA アナタース結晶の存在アナタース結晶の存在//非存在非存在
RUTRUT ルチル結晶の存在ルチル結晶の存在//非存在非存在
について市販酸化チタンについて市販酸化チタン4040種類以上種類以上についについて測定し,て測定し,55種類の光触媒反応活性を評種類の光触媒反応活性を評価価......オルランド=プリエトさんオルランド=プリエトさん
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2020
統計的解析による構造因子-光触媒活性の相関統計的解析による構造因子-光触媒活性の相関
■■ 構造因子の線形結合として解析構造因子の線形結合として解析
■■ 各係数が大きいほど影響が大き各係数が大きいほど影響が大きい:い: 正なら構造因子が大きいほど,負な正なら構造因子が大きいほど,負なら構造因子が小さいほど活性が高いら構造因子が小さいほど活性が高い
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2121
アナタース-ルチル混合結晶光触媒アナタース-ルチル混合結晶光触媒
■■アナタースとルチルが混合した酸化チタン試料が多いアナタースとルチルが混合した酸化チタン試料が多い
■■工業的には,ルチルのみを含む酸化チタンは製造困難工業的には,ルチルのみを含む酸化チタンは製造困難一般的にアナタースが生じやすく,熱処理(焼成)によってルチル化させる.一般的にアナタースが生じやすく,熱処理(焼成)によってルチル化させる.
焼成温度が高ければすべてルチルにできるが,焼結により塊状になる焼成温度が高ければすべてルチルにできるが,焼結により塊状になる
■■正確には,正確には,アモルファスアモルファスを含めて考える必要があるを含めて考える必要があるアナタースのみを含む試料は実はアモルファスも含まれている可能性大(アアナタースのみを含む試料は実はアモルファスも含まれている可能性大(ア
モルファスを正確に定量できない).実際には,純粋なアナタース,ルチルモルファスを正確に定量できない).実際には,純粋なアナタース,ルチル(アモルファス)を得ることが困難(アモルファス)を得ることが困難
■■高活性とされる酸化チタン光触媒に,アナタースとルチルが混高活性とされる酸化チタン光触媒に,アナタースとルチルが混合したものが多い=合したものが多い=相乗効果(相乗効果(synergy effectsynergy effect))かか
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2222
アナタース-ルチル混合光触媒の相乗効果アナタース-ルチル混合光触媒の相乗効果
■■横野らの報告(横野らの報告(ApplAppl.. CatalCatal. . A: A: GenGen. . 244244, 383, 383--391391(2003)(2003)))
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2323作用スペクトル作用スペクトル004004
ルチルルチル
アナタースアナタース
(混合物)(混合物)
アモルファスアモルファスブルカイトブルカイト
アナタースアナタース--ルチル混合結晶ルチル混合結晶
混合様式混合様式各結晶が物理的に混合各結晶が物理的に混合
担持されている担持されている
コアシェル構造コアシェル構造
混合比混合比結晶子の数結晶子の数質量質量
光吸収特性光吸収特性表面積表面積
反応物の吸着量反応物の吸着量
光触媒活性光触媒活性
バルクバルクバルク
表面表面表面
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2424
デグサ(デグサ(DegussaDegussa)) P25P25
■正式名称:■正式名称: AEROXIDE TiOAEROXIDE TiO22 P 25P 25Titanium Dioxide P25Titanium Dioxide P25((AEROSILAEROSIL技術レポート技術レポート55))
Titanium Titanium DioxdeDioxde P 25P 25((AEROSILAEROSIL技術レポート技術レポート2121))
触媒学会参照酸化チタン触媒学会参照酸化チタンTIOTIO--4(2)4(2)
■■ アモルファスは存在するのか-結晶組成が不明アモルファスは存在するのか-結晶組成が不明×× A. K. A. K. DatyeDatye, G. , G. RiegelRiegel, J. R. Bolton, M. Huang, M. R. Prairie, , J. R. Bolton, M. Huang, M. R. Prairie, J. Solid State Chem.J. Solid State Chem., , 115115, ,
236236--239 (1995)239 (1995)○○ T. Ohno, K. Sarukawa, K. T. Ohno, K. Sarukawa, K. TokiedaTokieda, M. Matsumura, , M. Matsumura, J. Catal., J. Catal., 203203, 82, 82--86 (2001)86 (2001)
■■ アナタースとルチルが共存するから活性が高いのか:アナタースとルチルが共存するから活性が高いのか:作用スペクトル測定結果作用スペクトル測定結果から否定可能かから否定可能かT. Torimoto, N. Nakamura, S. Ikeda, B. Ohtani, T. Torimoto, N. Nakamura, S. Ikeda, B. Ohtani, Phys. Chem. Chem. Phys.Phys. Chem. Chem. Phys., , 44, 5910, 5910--
5914 (2002)5914 (2002)
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2525作用スペクトル作用スペクトル001001
光反応光反応//光触媒反応系光触媒反応系
波長波長 11 ((強度強度 11))
波長波長 22 ((強度強度 22))
波長波長 33 ((強度強度 33))
波長波長 44 ((強度強度 44))
反応生成物反応生成物応答(電流など)応答(電流など)
・・・・・・
作用スペクトル(作用スペクトル(action spectrumaction spectrum))
作用スペクトルの測定作用スペクトルの測定量子収率ではなく量子収率ではなく
みかけの量子収率(光子利用率みかけの量子収率(光子利用率/apparent quantum yield/apparent quantum yield:入射光束当たりの反応速度):入射光束当たりの反応速度)
波長波長 / nm/ nm
反応
速度
・効
率反
応速
度・効
率
11 2233
44
55
66
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2626
作用スペクトルの意味作用スペクトルの意味
■■作用スペクトル作用スペクトル==光吸収効率光吸収効率××電子-正孔電子-正孔の利用効率の利用効率
■■電子-正孔の電子-正孔の利用効率が利用効率が一一定定なら作用スなら作用スペクトルと吸収ペクトルと吸収スペクトルの形スペクトルの形はおなじはおなじ
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2727
スペクトル形状の数値化:スペクトル形状の数値化: λλ1/21/2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
350 360 370 380 390 400 410 420
KM
function (
norm
aliz
ed)
Wavelength/nm
■■350 nm350 nmで規格化で規格化
■■350 nm350 nmの半分の値をあたえる波長をもとめるの半分の値をあたえる波長をもとめる
λ1/2 = 382 nmλλ1/21/2 = 382 nm= 382 nm
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2828作用スペクトル作用スペクトル005005
測定測定粉末状態で測定粉末状態で測定
クベルカ・ムンク関数に変換クベルカ・ムンク関数に変換
350 nm350 nmで規格化で規格化
λλ1/21/2350 nm350 nmの半分の値を与える波長の半分の値を与える波長
アナタース・ルチル混合物の拡散反射測定アナタース・ルチル混合物の拡散反射測定
fanatase
XRDパターンから求めたアナタース含有率
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
350 360 370 380 390 400 410 420
KM
function (
norm
aliz
ed)
Wavelength / nm
Merck P-25
Wako(A)+CR-EL
CR-EL
TIO-5
CR-EL(1473 K) 360
370
380
390
400
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
λ1/2
/ n
m
fanatase
Merck
HombikatTIO-2
P-25
Wako(A)
Merck+CR-EL
Wako(A)+CR-EL
TIO-5Aldrich(A<R)
Wako(R)CR-EL
CR-EL(1473K)
P-25(1473K)
0.5
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 2929
光触媒反応光触媒反応
AA:: 酢酸の酸化分解反応(液相酢酸の酸化分解反応(液相//空気中)空気中)
CHCH33COOH + 2OCOOH + 2O22 = 2= 2COCO22 + 2H+ 2H22OO
BB:アセトアルデヒドの酸化分解反応(気相:アセトアルデヒドの酸化分解反応(気相//空気中)空気中)
CHCH33CHO + 5/2OCHO + 5/2O22 = 2CO= 2CO22 + 2H+ 2H22OO
CC:: メタノールの脱水素反応(液相メタノールの脱水素反応(液相//無酸素無酸素//白金担持)白金担持)
CHCH33OH = HCHO + OH = HCHO + HH22
DD:: 銀塩水溶液からの酸素発生と金属銀の析出(液相銀塩水溶液からの酸素発生と金属銀の析出(液相//無酸素)無酸素)
4Ag4Ag++ + 2H+ 2H22O = 4Ag + O = 4Ag + OO22 + 4H+ 4H++
E:E: リシンからピペコリン酸の生成(液相リシンからピペコリン酸の生成(液相//無酸素無酸素//白金担持)白金担持)
LL--lysine = PCA + NHlysine = PCA + NH33
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3030作用スペクトル作用スペクトル006006
酢酸の酸化分解反応
メタノール脱水素反応
CH3OH = HCHO + H2
4Ag+ + 2H2O = 4Ag + O2 + 4H+
CH3COOH + 2O2 = 2CO2 + 2H2O
銀析出・酸素生成反応
光触媒反応の作用スペクトル光触媒反応の作用スペクトル
Φapp
(norm
aliz
ed)
0.5
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1 (a)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1 (b)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
350 360 370 380 390 400 410Wavelength / nm
(c)
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3131作用スペクトル作用スペクトル007007
360360
370370
380380
390390
400400
410410
00 0.20.2 0.40.4 0.60.6 0.80.8 11
λλ 1/2
1/2 /
nm
/ n
m
ffanataseanatase
MerckMerck
CRCR--ELEL
Merck+CRMerck+CR--ELEL
P25P25TIOTIO--55
Aldrich(A<R)Aldrich(A<R)
Wako(A)+CRWako(A)+CR--ELEL
Wako(R)Wako(R)
HombikatHombikat
CRCR--EL(1473 K)EL(1473 K)
P25 (1473 K)P25 (1473 K)
TIOTIO--22Wako(A)Wako(A)
370370
380380
390390
400400
410410
00 0.20.2 0.40.4 0.60.6 0.80.8 11
λλ 1/2
1/2/ n
m/ n
m
ffanataseanatase
MerckMerckP25P25
Wako(A)Wako(A)
Merck+CRMerck+CR--ELEL
Aldrich(A<R)Aldrich(A<R)TIOTIO--55
CRCR--ELEL
Wako(R)Wako(R)Wako(A)+CRWako(A)+CR--ELEL
CRCR--EL(1473 K)EL(1473 K)P25 (1473 K)P25 (1473 K)
TIOTIO--22
360360
370370
380380
390390
400400
410410
00 0.20.2 0.40.4 0.60.6 0.80.8 11
λλ 1/2
1/2 /
nm
/ n
m
ffanataseanatase
Wako(R)Wako(R)CRCR--ELEL
HombikatHombikat
MerckMerck
Wako(A)Wako(A)
Merck+CRMerck+CR--ELEL(1:1)(1:1)Aldrich(A<R)Aldrich(A<R)
TIOTIO--55
TIOTIO--22
CRCR--EL(1473 K)EL(1473 K)P25 (1473 K)P25 (1473 K)
P25P25
メタノール脱水素反応メタノール脱水素反応
銀析出・酸素生成反応銀析出・酸素生成反応
酢酸酸化分解反応酢酸酸化分解反応
λλ1/2 1/2 とと ffanataseanataseの関係の関係
アナタースアナタース:: ca. 370 nmca. 370 nm
ルチルルチル:: ca. 410 nmca. 410 nm
R >> AR >> AR >> A
R ~ AR R ~~ AA
A >> RA >> RA >> R
アナタース分率アナタース分率
アナ
ター
ス←
アナ
ター
ス←
→ル
チル
→ル
チル
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3232
P25P25からの結晶相の分離からの結晶相の分離
■■アナタースアナタース
30%30%過酸化水素水過酸化水素水50 mL50 mLにに25%25%アンモニア水をアンモニア水を8 mL8 mL加え,加え,0.5 0.5 ggののP25P25をを
懸濁させて室温懸濁させて室温でで12 h12 h撹拌撹拌
Ohtani, B.; Azuma, Y.; Li, D.; Ihara, T.; Abe, R. Ohtani, B.; Azuma, Y.; Li, D.; Ihara, T.; Abe, R. Trans. Mater. Res. Soc. Trans. Mater. Res. Soc. JpnJpn..20072007, , 3232, 401, 401--40.40.
ダイセル化学工業株式会社「酸化チタンの精製方法」特開ダイセル化学工業株式会社「酸化チタンの精製方法」特開20052005--298295298295
■■ルチルルチル
10%10%フッ化水素酸水溶液に懸濁させ,室温でフッ化水素酸水溶液に懸濁させ,室温で24 h24 h処理処理
T. Ohno, K. Sarukawa, M. Matsumura, T. Ohno, K. Sarukawa, M. Matsumura, J. Phys. Chem. B,J. Phys. Chem. B, 105105, 2417, 2417--2420 2420
(2001).(2001).
■■アモルファスアモルファス((現時点では有効な手法なし現時点では有効な手法なし))
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3333
分離したアナタースとルチルの粉末X線回折パターン分離したアナタースとルチルの粉末X線回折パターン
■■それぞれの最強回折ピークがそれぞれの最強回折ピークがPP--2525とほぼ完全に重なるとほぼ完全に重なる
== どちらの結晶相も結晶子の大きさに変化なしどちらの結晶相も結晶子の大きさに変化なし
24 25 26 27 28
inte
nsi
ty (
arb
itra
ry)
2θ/degree
isolated anatase
isolated rutile
P-25(white)
それぞれのピークトップで規格化
それぞれのそれぞれのピークトップでピークトップで規格化規格化
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3434
粉末X線回折ピークによる検量線粉末X線回折ピークによる検量線
■■ 標準物質として酸化ニッケル(標準物質として酸化ニッケル(IIII)()(NiONiO)を使用し,)を使用し,20wt%20wt%混合して測定混合して測定
■■ 単離したアナタースとルチルを適当な比で混合単離したアナタースとルチルを適当な比で混合
■■ 両結晶相の最強回折線(両結晶相の最強回折線(25.425.4とと27.527.5°°付近)のピーク面積を付近)のピーク面積をNiONiOと比較と比較
■■ ピーク面積比はアナタースとルチルの分率に比例ピーク面積比はアナタースとルチルの分率に比例
■■ 未知試料(未知試料(PP--2525)に)にNiONiOを混合して測定することによって含量がもとまるを混合して測定することによって含量がもとまる
00 0.20.2 0.40.4 0.60.6 0.80.8 11
33
22
11
00
are
a inte
nsi
ty r
atio
are
a inte
nsi
ty r
atio
anatase fractionanatase fraction
00 0.20.2 0.40.4 0.60.6 0.80.8 11
22
11
00
rutile fractionrutile fraction
are
a inte
nsi
ty r
atio
are
a inte
nsi
ty r
atio
※プロットの各点はそれぞれ3回ずつ測定・標準偏差は0.01~0.02※※プロットの各点はそれぞれプロットの各点はそれぞれ33回ずつ測定・標準偏差は回ずつ測定・標準偏差は0.010.01~~0.020.02
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3535
粉末粉末XX線回折の面積強度の粒径依存性線回折の面積強度の粒径依存性
■■アモルファス(出光アモルファス(出光UFUF)-アナタース混合試料)-アナタース混合試料
■■DSCDSCによりアモルファス量を算出によりアモルファス量を算出
J. Phys. Chem.J. Phys. Chem., , 101101, 3746 (1997), 3746 (1997)
アモルファス→アモルファス→アナタース転移アナタース転移の結晶化熱の結晶化熱
f(anata
sef(
anata
se) fro
m X
RD
) fro
m X
RD
f(anata
se)from
f(anata
se)from
DSC
DSC
粒径が30 nm以下ではXRDでは定量困難
粒径が粒径が30 nm30 nm以下では以下ではXRDでは定量困難XRDでは定量困難
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3636
P25P25の組成の決定の組成の決定
アナタース(アナタース(XRDXRDの検量線により)の検量線により) 78%78%
ルチル(ルチル(XRDXRDの検量線により)の検量線により) 14%14%
(不明)(不明) 88%%
合計合計 100100%%
不明分をアモルファスと仮定すると不明分をアモルファスと仮定すると
アナタース:ルチル:アモルファス=アナタース:ルチル:アモルファス=7878::1414::88
cf.cf.
アナタース:ルチルアナタース:ルチル
==7676::2424 (ピーク高さ比)(ピーク高さ比) 0.980.98
==8484::1616 (ピーク面積比)(ピーク面積比) 1.391.39
R. A. Spurr, H. Myers, R. A. Spurr, H. Myers, Anal. Chem.Anal. Chem., , 2929, 760, 760--762 (1957).762 (1957).
A
RA
1.261.26+1
1=
I
Ix
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3737
混合結晶の分別定量混合結晶の分別定量
■■検量線につかう検量線につかう標準試料標準試料が適切かどうかを決める方法がないが適切かどうかを決める方法がない
■■同一組成の混合結晶からそれぞれの成分を単離したはじめて同一組成の混合結晶からそれぞれの成分を単離したはじめての例の例??
■■微量のアモルファスを定量した唯一の例微量のアモルファスを定量した唯一の例??
機器分析のてびき(第機器分析のてびき(第33版)第版)第33集(化学同人)集(化学同人)
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3838
P25P25酸化チタン光触媒の再構成酸化チタン光触媒の再構成
アナタース:ルチル:アモルファス=アナタース:ルチル:アモルファス=7878::1414::88
PP--2525
rutilerutile
anataseanatase
(Wako Pure Chemical)(Wako Pure Chemical)
amorphousamorphous
かさかさ高い高い//やややや青みがかってい青みがかってい
る・蛍光かる・蛍光か??
かさかさ高さはない高さはない//やややや黄色みがかっている・黄色みがかっている・
過酸化物か過酸化物か??
かさかさ高い高い//比較的白い比較的白い
おおよその成分比率(質量)をしめすおおよその成分比率(質量)をしめす
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 3939
再構成した再構成したP25P25酸化チタンの物性・特性酸化チタンの物性・特性
アナタース:ルチル:アモルファス=アナタース:ルチル:アモルファス=7878::1414::88
になるように,になるように,33種類の粉末を種類の粉末をふりまぜふりまぜ
■■比表面積:比表面積: P25P25とほぼ一致.単相の比表面積のからの計算とほぼ一致.単相の比表面積のからの計算値とほぼ一致(アモルファスを無視したとき)値とほぼ一致(アモルファスを無視したとき)
■■粉末粉末XX線回折パターン:線回折パターン: P25P25とほぼ一致.単相パターンの和とほぼ一致.単相パターンの和にほぼ一致.にほぼ一致.
■■拡散反射光吸収スペクトル:拡散反射光吸収スペクトル: P25P25とほぼ一致.(単相パターとほぼ一致.(単相パターンとの比較はむずかしい=検討中)ンとの比較はむずかしい=検討中)
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 4040
光触媒反応光触媒反応
AA:: 酢酸の酸化分解反応(液相酢酸の酸化分解反応(液相//空気中)空気中)
CHCH33COOH + 2OCOOH + 2O22 = 2= 2COCO22 + 2H+ 2H22OO
BB:アセトアルデヒドの酸化分解反応(気相:アセトアルデヒドの酸化分解反応(気相//空気中)空気中)
CHCH33CHO + 5/2OCHO + 5/2O22 = 2= 2COCO22 + 2H+ 2H22OO
CC:: メタノールの脱水素反応(液相メタノールの脱水素反応(液相//無酸素無酸素//白金担持)白金担持)
CHCH33OH = HCHO + OH = HCHO + HH22
DD:: 銀塩水溶液からの酸素発生と金属銀の析出(液相銀塩水溶液からの酸素発生と金属銀の析出(液相//無酸素)無酸素)
4Ag4Ag++ + 2H+ 2H22O = 4Ag + O = 4Ag + OO22 + 4H+ 4H++
E:E: リシンからピペコリン酸の生成(液相リシンからピペコリン酸の生成(液相//無酸素無酸素//白金担持)白金担持)
LL--lysine = PCA + NHlysine = PCA + NH33
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 4141
単離アナタース・ルチルと再構成試料の光触媒活性単離アナタース・ルチルと再構成試料の光触媒活性
■■ いずれの系でも再構成試料はいずれの系でも再構成試料はP25P25とほぼおなじ活性とほぼおなじ活性
■■ 酸素生成系ではルチル,それ以外ではアナタースのみ酸素生成系ではルチル,それ以外ではアナタースのみにすると活性化にすると活性化
00
5050
100100
150150
PP--2525
単離アナタース単離アナタース 単離ルチル単離ルチル
再構成再構成
←←100%100%にに規格化規格化
酢酸分解酢酸分解アセトアルアセトアルデヒド分解デヒド分解
メタノールメタノール脱水素脱水素
水の酸化水の酸化と銀析出と銀析出
アモルファスアモルファス
9191100100
120120 5656
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 4242
P25P25の再構成の再構成
■■P25P25の結晶組成(重量比)はアナタース:ルチル:アモルファスの結晶組成(重量比)はアナタース:ルチル:アモルファス==7878::1414::88である(これまでの報告はすべてである(これまでの報告はすべて不適切不適切))
■■アナタースとルチルの両結晶が接合した構造があることは否アナタースとルチルの両結晶が接合した構造があることは否定できないが,もしあったとしても定できないが,もしあったとしても光触媒活性には影響をあた光触媒活性には影響をあたえないえない=アナタース,ルチルおよびアモルファスはそれぞれが=アナタース,ルチルおよびアモルファスはそれぞれがべつべつに機能を発揮していると考えればよいべつべつに機能を発揮していると考えればよい
■■アナタースの活性が高い酸素存在下の反応では,活性が低いアナタースの活性が高い酸素存在下の反応では,活性が低いルチルを除去することによって活性が向上=ルチルを除去することによって活性が向上=混合物でない方混合物でない方が活性が高いが活性が高い
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 4343
アナタースとルチル:アナタースとルチル: anatase and rutileanatase and rutile
■■アナタースはルチルより光触媒活性が高いアナタースはルチルより光触媒活性が高い
経験的には正しい・科学的根拠はない経験的には正しい・科学的根拠はない
■■固体粉末の物性・特性の評価の問題固体粉末の物性・特性の評価の問題
cf. cf. 分子状の化学物質との大きなちがい:分子状の化学物質との大きなちがい:
分布が存在する分布が存在する
■■結晶型もひとつの特性にすぎない結晶型もひとつの特性にすぎない
e.g. e.g. 表面積と粒径は反比例表面積と粒径は反比例
同時に他の特性も変化する同時に他の特性も変化する
2008/06/122008/06/12──光触媒化学特論・第光触媒化学特論・第88回回 4444
Q:今日の講義に関する感想と意見Q:今日の講義に関する感想と意見
感想感想と意見:と意見:講義のウェブページに講義のウェブページにニックネームをつけてニックネームをつけて掲載掲載
連絡先として連絡先として電子メールアドレス電子メールアドレス忘れた人・まだもってない人は後で忘れた人・まだもってない人は後で(([email protected]@cat.hokudai.ac.jp)へ)へ
電子メールで連絡電子メールで連絡