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【禁無断転載】
解答は,すべて解答用紙に記入して必ず提出してください。
簿記能力検定試験(見本)
問題用紙
2 級 商業簿記
(平成29年Ⅹ月ⅩⅩ日施行)
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注 意
・試験開始の合図があるまで,問題用紙は開かないでください。
・この試験の制限時間は1時間30分です。
・解答は,問題の指示にしたがい,すべて解答用紙の指定の位置に記入してください。
・解答用紙の会場コードは,試験監督委員が指示した6桁の数字を頭の0(ゼロ)を含
めてすべて書いてください。
受験番号は右寄せで書いてください。左の空白欄への0(ゼロ)記入は不要。
受験番号1番の場合,右寄せで1とだけ書いてください。
受験番号90001番の場合,右寄せで90001とだけ書いてください。
受験番号を記入していない場合や,氏名を記入した場合には,採点の対象とならな
い場合があります。
・印刷の汚れや乱丁,筆記用具の不具合などで必要のある場合は,手をあげて試験監
督委員に合図をしてください。
・下敷きは,机の不良などで特に許されたもの以外は使用してはいけません。
・計算用具(そろばん・計算機能のみの電卓など)を使用してもかまいません。
・解答用紙は,持ち帰りできませんので白紙の場合でも必ず提出してください。
解答用紙を持ち帰った場合は失格となり,以後の受験をお断りする場合があります。
・簿記上本来赤で記入する箇所も黒で記入すること。 ・金額には3位ごとのカンマ「 ,」を記入すること。 ただし,位取りのけい線のある解答用紙にはカンマを記入しないこと。
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主 催 公益社団法人 全国経理教育協会
後 援 文 部 科 学 省
日 本 簿 記 学 会
全3ページ
①
簿記能力検定試験問題(見本)
2級 商 業 簿 記
解答は解答用紙に
第1問 次の取引を仕訳しなさい。勘定科目は,下の中から最も適切なものを選ぶこと。同じ勘定科目を何度使
用してもよい。(32点)
現 金 普 通 預 金 当 座 預 金 外 貨 預 金
受 取 手 形 売 掛 金 クレジット売掛金 電子記録債権
未 収 金 前 払 家 賃 備 品 不 渡 手 形
支 払 手 形 買 掛 金 未 払 金 未 払 家 賃
未 払 配 当 金 利 益 準 備 金 繰越利益剰余金 新 築 積 立 金
売 上 為 替 差 益 固定資産売却益 仕 入
支 払 手 数 料 減 価 償 却 費 支 払 家 賃 為 替 差 損
固定資産売却損 備品減価償却累計額 本 店 支 店
1.前期末に繰り延べていた家賃の前払分¥48,000を,期首に再振替えした。
2.クレジットカードによって商品¥50,000を売り上げた。なお,クレジットカード会社に対する手数料は
¥1,000であるが,これは入金があった時に認識することとした。
3.売掛金¥30,000について,取引先の了解の下,取引銀行を通じて電子記録債権機関へ発生記録の請求を行
い,電子記録債権が発生記録された。
4.大阪商店から商品の代金として受け取っていた約束手形¥120,000が不渡りとなったので,大阪商店に償還
請求した。なお,償還請求のための諸費用¥7,000は現金で支払った。
5.京都商店は,期首に事務用の備品(取得原価¥450,000,減価償却累計額¥360,000)を¥75,000で売却し,
代金は後で受け取ることにした。なお,減価償却は間接法により記帳している。
6.神戸商事株式会社の株主総会において,繰越利益剰余金を次のとおり処分することを決議した。
株主配当金 ¥300,000 利益準備金 ¥30,000 新築積立金 ¥150,000
7.決算日における外貨預金の残高は$2,000(帳簿価額¥240,000)である。なお,決算日における為替相場
は$1あたり¥115である。
8.本店は,奈良支店に原価¥250,000の商品を送付した。本店の行う仕訳を示しなさい。
(見本)2級 商業簿記 全3ページ
②
第2問 商業を営む企業の次の期首・期末の貸借対照表と元帳の記録により,売上総利益,当期純利益,資本金
(次期繰越)および繰越利益剰余金(次期繰越)の金額を求めなさい。( )の中に入る語句と金額は各自
で考えること。(12点)
期首貸借対照表 期末貸借対照表
現 金 135,000 買 掛 金 171,000 現 金 243,000 買 掛 金 168,000
売 掛 金 282,000 借 入 金 270,000 売 掛 金 ( ) 借 入 金 320,000 商品(繰越商品) ( ) 資 本 金 400,000 商品(繰越商品) 216,000 資 本 金 ( )
土 地 300,000 繰越利益剰余金 ( ) 土 地 300,000 繰越利益剰余金 ( )
891,000 891,000 ( ) ( )
仕 入 売 上
期中総額 2,583,000 仕入値引 31,000 売上戻り 22,000 期中総額 3,578,000
繰越商品 ( ) 繰越商品 ( ) 損 益 ( )
損 益 ( ) 3,578,000 3,578,000
( ) ( )
損 益 資 本 金
仕 入 ( ) 売 上 ( ) 次期繰越 ( ) 前期繰越 ( )
その他費用 947,000 その他収益 69,000 追加元入 40,000
( ) ( ) ( ) ( )
( ) ( )
繰越利益剰余金
次期繰越 ( ) 前期繰越 ( )
損 益 ( )
( ) ( )
第3問 2月10日中の次の取引を略式伝票(3伝票制)に記入して,仕訳集計表(日計表)を作成するとともに,示
された総勘定元帳および得意先元帳へ転記(日付と金額のみでよい。)しなさい。空白の勘定科目名は各自考
えて埋めること。なお,仕訳集計表の作成に際しては,総勘定元帳へ転記したことを示す元丁欄の記入も行う
こと。(32点)
2月10日 秋田商店に対する売掛金のうち ¥80,000を現金で回収した。
〃 山形商店から商品 ¥60,000を仕入れ,代金は現金で支払った。
〃 岩手商店に商品 ¥100,000を販売した。その決済において,さきに受け取っていた内金 ¥30,000
を差し引いたうえ,残額は,他人振り出しの小切手を受け取った。
〃 全経銀行の当座預金口座に,現金 ¥100,000を預け入れた。
〃 先日,青森商店に掛けで売り渡していた商品の一部に品違いがあり,¥10,000分の商品が返品され,
代金は売掛金から差し引くこととした。
(見本)2級 商業簿記 全3ページ
③
第4問 次のA商品に関する資料にもとづき,移動平均法によって商品有高帳に記入しなさい。(10点)
売 上 帳 4
平 28
成 年 摘 要 金 額
4 12 埼玉商店 掛け
A商品 150個 @¥320 48,000
14 埼玉商店 掛け値引き
A商品 150個 @¥10 1,500
25 栃木商店 掛け
A商品 40個 @¥320 12,800
仕 入 帳 4
平 28
成 年 摘 要 金 額
4 4 千葉商店 掛け
A商品 120個 @¥200 24,000
5 千葉商店 掛け返品
A商品 20個 @¥200 4,000
18 神奈川商店 掛け
A商品 70個 @¥213 14,910
第5問 次の付記事項と決算整理事項によって,精算表を作成しなさい。なお,会計期間は,1月1日から12月
31日までの1年間である。(30点)
付 記 事 項
出張していた従業員が帰店し,仮受金のうち¥65,000は売掛金の回収分であり,¥35,000は商品注文の際に受
け取った内金であることが判明した。
決算整理事項
1.現金の実際有高と帳簿残高を照合したところ,実際有高は¥301,000であった。不足原因を調べたところ,
光熱費¥21,000を支払った際に,¥12,000と誤記入していたことが判明した。
2.期末商品棚卸高 ¥410,000
3.売掛金の期末残高について4%の貸倒れを見積もる。差額補充法により処理する。
4.備品について,定額法により減価償却を行う。
残存価額 ゼロ 耐用年数 6年
5.売買目的で保有している有価証券を¥243,000に評価替えする。
6.消耗品の未使用高 ¥ 22,000
7.手数料の未収高 ¥ 4,000
8.家賃の前払高 ¥ 72,000
9.利息の未払高 ¥ 6,000
10.未払法人税等
当期の課税所得を計算したところ,¥168,000となったので,未払分を計上する。なお,税率は30%である。
※氏名は記入しないこと。
会場コード
受験番号
【禁無断転載】
得 点
点
制限時間 【1時間30分】
全4ページ
①
簿記能力検定試験(見本)
2級 商 業 簿 記 解答用紙
第1問採点
第1問 (32点)
借 方 貸 方
勘 定 科 目 金 額 勘 定 科 目 金 額
1 仕 入 670,000 当 座 預 金 670,000
2 引 出 金 12,000 現 金 12,000
3 現 金
受 取 手 形
80,000
200,000 売 上 280,000
4 買 掛 金 500,000 支 払 手 形 500,000
5 当 座 預 金
手 形 売 却 損
393,000
7,000 受 取 手 形 400,000
6 給 料 380,000 従 業 員 預 り 金
現 金
35,000
345,000
7 当 座 預 金 50,000 前 受 金 50,000
8
第2問採点
第2問 (12点)
売上総利益 当期純利益 資本金(次期繰越) 繰越利益剰余金(次期繰越)
¥ ¥ ¥ ¥
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
②
第3問採点
第3問 (16点)
入 金 伝 票 入 金 伝 票
科 目 金 額 科 目 金 額
( ※売掛金/秋田商店 ) ( ) ( ) ( )
出 金 伝 票 出 金 伝 票
科 目 金 額 科 目 金 額
( ) ( ) ( ) 100,000
振替伝票(借方) 振替伝票(貸方)
科 目 金 額 科 目 金 額 ( ) ( ) ( ) ( )
振替伝票(借方) 振替伝票(貸方)
科 目 金 額 科 目 金 額 ( ) ( ) ( ) ( )
仕 訳 集 計 表
平成28年2月10日
借 方 元丁 勘 定 科 目 元丁 貸 方
1 現 金 1
2 当 座 預 金
売 掛 金
8 ( )
売 上
17 仕 入
総 勘 定 元 帳 得 意 先 元 帳 売 掛 金 < 4 > 秋 田 商 店 < 1 >
※200,000 ※120,000
売 上 <12> 青 森 商 店 < 2 >
※450,000 ※80,000
※ 2月9日までの残高である。
□注総勘定元帳および補助元帳の丁数欄は省略している。また,日付も記入していない。
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
③
第4問採点
第4問 (10点)
商 品 有 高 帳
A 商 品
平 成
28 年 摘 要
受 入 払 出 残 高
数量 単価 金 額 数量 単価 金 額 数量 単価 金 額
4 1 前 月 繰 越 100 178 17,800 100 178 17,800
30 次 月 繰 越
□注摘要欄には,取引先を記入すること。
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
④
第5問採点
第5問 (32点)
精 算 表
勘 定 科 目 残 高 試 算 表 整 理 記 入 損 益 計 算 書 貸 借 対 照 表
借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方
現 金 310,000 9,000 301,000
当 座 預 金 685,000 685,000
売 掛 金 1,515,000 65,000 1,450,000
貸 倒 引 当 金 11,000 47,000 58,000
売買目的有価証券 250,000 7,000 243,000
繰 越 商 品 430,000 410,000 430,000 410,000
備 品 450,000 450,000
備品減価償却累計額 150,000 75,000 225,000
買 掛 金 845,000 845,000
仮 受 金 100,000 100,000
借 入 金 600,000 600,000
資 本 金 1,300,000 1,700,000
資 本 準 備 金 350,000
利 益 準 備 金 22,200
繰越利益剰余金 27,800
売 上 4,754,000 4,754,000
受 取 手 数 料 35,000 4,000 39,000
仕 入 3,255,000 430,000 410,000 3,275,000
給 料 415,000 415,000
支 払 家 賃 360,000 72,000 288,000
広 告 費 240,000 240,000
保 険 料 44,000 44,000
消 耗 品 費 145,000 22,000 123,000
水 道 光 熱 費 84,000 9,000 93,000
支 払 利 息 12,000 6,000 18,000
8,195,000 8,195,000
( ) 35,000 35,000
貸倒引当金繰入 47,000 47,000
有価証券運用損益 7,000 7,000
減 価 償 却 費 75,000 75,000
( ) 22,000 22,000
( )手数料 4,000 4,000
( )家 賃 72,000 72,000
( )利 息 6,000 6,000
( ) 50,400 50,400
( ) 50,400 50,400
当期純( ) 117,600 3,637,000 3,637,000
1,204,000 1,204,000 4,804,000 4,804,000
※氏名は記入しないこと。
会場コード
受験番号
【禁無断転載】
得 点
点
制限時間 【1時間30分】
全4ページ
①
簿記能力検定試験(見本)
2級 商 業 簿 記 解 答
第1問(32点)
@4点×8=32点
借 方 貸 方
勘 定 科 目 金 額 勘 定 科 目 金 額
1 支 払 家 賃 48,000 前 払 家 賃 48,000
2 ク レ ジ ッ ト 売 掛 金 50,000 売 上 50,000
3 電 子 記 録 債 権 30,000 売 掛 金 30,000
4 不 渡 手 形 127,000 受 取 手 形
現 金
120,000
7,000
5
備品減価償却累計額
未 収 金
固 定 資 産 売 却 損
360,000
75,000
15,000
備 品 450,000
6 繰 越 利 益 剰 余 金 480,000
未 払 配 当 金
利 益 準 備 金
新 築 積 立 金
300,000
30,000
150,000
7 為 替 差 損 10,000 外 貨 預 金 10,000
8 支 店 250,000 仕 入 250,000
第2問(12点)
@3点×4=12点
売上総利益 当期純利益 資本金(次期繰越) 繰越利益剰余金(次期繰越)
¥ 1,046,000 ¥ 168,000 ¥ 440,000 ¥ 218,000
順不問
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
②
第3問(16点) ●印@2点×8=16点
入 金 伝 票 入 金 伝 票
科 目 金 額 科 目 金 額
( ※売掛金/秋田商店 ) ( 80,000 ) ( 売 上 ) ( 70,000 )
出 金 伝 票 出 金 伝 票
科 目 金 額 科 目 金 額
( 仕 入 ) ( 60,000 ) ( 当 座 預 金 ) 100,000
振替伝票(借方) 振替伝票(貸方)
科 目 金 額 科 目 金 額 ( ※前受金/岩手商店 ) ( 30,000 ) ( 売 上 ) ( 30,000 ) ※ 前受金のみでも正解
振替伝票(借方) 振替伝票(貸方)
科 目 金 額 科 目 金 額 ( 売 上 ) ( 10,000 ) ( ※売掛金/青森商店 ) ( 10,000 )
※ 売掛金のみでも正解
仕 訳 集 計 表
平成28年2月10日
借 方 元丁 勘 定 科 目 元丁 貸 方
150,000 1 現 金 1 160,000 ●
100,000 2 当 座 預 金
売 掛 金 4 90,000
30,000 8 (前 受 金)
10,000 12 売 上 12 100,000 ●
60,000 17 仕 入
350,000 350,000 ●
総 勘 定 元 帳 得 意 先 元 帳 売 掛 金 < 4 > 秋 田 商 店 < 1 >
※200,000 2/10 90,000 ● ※120,000 2/10 80,000 ●
売 上 <12> 青 森 商 店 < 2 >
2/10 10,000 ※450,000 ※80,000 2/10 10,000
2/10 100,000
※ 2月9日までの残高である。
□注総勘定元帳および補助元帳の丁数欄は省略している。また,日付も記入していない。
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
③
第4問 (10点) ●印@2点×5=10点
商 品 有 高 帳
A 商 品
平 成
28 年 摘 要
受 入 払 出 残 高
数量 単価 金 額 数量 単価 金 額 数量 単価 金 額
4 1 前 月 繰 越 100 178 17,800 100 178 17,800
4 千 葉 商 店 120 200 24,000 220 190 41,800
5 千 葉 商 店 20 200 4,000 200 189 37,800
12 埼 玉 商 店 150 189 28,350 50 189 9,450
18 神奈川商店 70 213 14,910 120 203 24,360
25 栃 木 商 店 40 203 8,120 80 203 16,240
30 次 月 繰 越 80 16,240
290 56,710 290 56,710
□注摘要欄には取引先を記入すること。
別解 5日の取引は下のように記入してもよい。
A 商 品
平 成
28 年 摘 要
受 入 払 出 残 高
数量 単価 金 額 数量 単価 金 額 数量 単価 金 額
4 1 前 月 繰 越 100 178 17,800 100 178 17,800
4 千 葉 商 店 120 200 24,000 220 190 41,800
5 千 葉 商 店 20 200 4,000 200 189 37,800
12 埼 玉 商 店 150 189 28,350 50 189 9,450
18 神奈川商店 70 213 14,910 120 203 24,360
25 栃 木 商 店 40 203 8,120 80 203 16,240
30 次 月 繰 越 80 16,240
270 52,710 270 52,710
(見本)2級 商業簿記 全4ページ
④
第5問(30点) ●印@2点×15=30点
精 算 表
勘 定 科 目 残 高 試 算 表 整 理 記 入 損 益 計 算 書 貸 借 対 照 表
借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方
現 金 310,000 9,000 ● 301,000
当 座 預 金 685,000 685,000
売 掛 金 1,515,000 65,000 1,450,000
貸 倒 引 当 金 11,000 47,000 ● 58,000
売買目的有価証券 250,000 7,000 243,000
繰 越 商 品 430,000 410,000 430,000 410,000
備 品 450,000 450,000
備品減価償却累計額 150,000 75,000 225,000
買 掛 金 845,000 845,000
仮 受 金 100,000 100,000 ●
借 入 金 600,000 600,000
資 本 金 1,300,000 1,300,000
資 本 準 備 金 350,000 350,000
利 益 準 備 金 22,200 22,200
繰越利益剰余金 27,800 27,800
売 上 4,754,000 4,754,000
受 取 手 数 料 35,000 4,000 39,000
仕 入 3,255,000 430,000 410,000 3,275,000 ●
給 料 415,000 415,000
支 払 家 賃 360,000 72,000 288,000 ●
広 告 費 240,000 240,000
保 険 料 44,000 44,000
消 耗 品 費 145,000 22,000 123,000 ●
水 道 光 熱 費 84,000 9,000 93,000 ●
支 払 利 息 12,000 6,000 18,000 ●
8,195,000 8,195,000
( 前 受 金 ) ● 35,000 35,000
貸倒引当金繰入 ● 47,000 47,000
有価証券運用損益 ● 7,000 7,000
減 価 償 却 費 ● 75,000 75,000
( 消 耗 品 ) 22,000 22,000
( 未 収)手数料 4,000 ● 4,000
( 前 払)家 賃 72,000 72,000
( 未 払)利 息 6,000 6,000
( 法 人 税 等 ) 50,400 50,400
( 未払法人税等 ) ● 50,400 50,400
当期純( 利益 ) ● 117,600 117,600
1,232,400 1,232,400 4,793,000 4,793,000 3,637,000 3,637,000
順不問
2級商簿-解説 1
2級 商業簿記 (見本) 簿記能力検定試験・解説
第1問 本問は,1.を除き,中規模会社で必要となると思われる取引を仕訳できるかを問うている。
1.前期の決算で見越し繰延べを行った結果,期首に必ず行わなければならない再振替仕訳を問うて
いる。この仕訳により,前期で支払った当期分の家賃が当期の費用となる。
なお,前期に費用の未払い分を追加計上した場合の学習もしておく必要がある。この場合には,
次の再振替仕訳を行う。
(借)未払家賃 20,000 (貸)支払家賃 20,000
これにより,支払家賃勘定貸方に,¥20,000 計上されるが,実際に前期分¥20,000 を支払った時
には,この金額が支払家賃勘定借方に計上されるので,この支払は,前記,支払家賃勘定貸方¥20,000
と相殺され,この金額は,当期の費用とはならない。
2.クレジットカードにより商品を販売したときに生じる債権は信販会社に対するものであり,得意
先のものとは異なるものであるため,通常の売掛金とは区別して,クレジット会社への債権を示す
クレジット売掛金勘定で処理する。また,信販会社に支払う手数料は信販会社からの入金時に支払
手数料勘定で処理する方法によっている。
入金時の仕訳を示すと,次のようになる。当座預金口座に振り込まれたとする。
(借)当 座 預 金 49,000 (貸)売 掛 金 50,000
支払手数料 1,000
なお,支払手数料を販売時に計上する方法もあり,次の仕訳になるが,この仕訳では,費用と収
益が対応することになり,簿記学習上つまり取引の結合表上,問題なしとしない。
(借)売 掛 金 49,000 (貸)売 上 50,000
支払手数料 1,000
3.売掛金などの債権について,金融機関を通じて電子債権記録機関に発生の記録を請求し,これが
機関の記録原簿に記録されると,電子記録債権が生じる。電子記録債権の債権者は,電子記録債権
勘定で処理する。
その後,電子記録債権が決済された時には,次の仕訳を行う。取引銀行の当座預金勘定に振り込
まれた。
(借)当 座 預 金 30,000 (貸)電子記録債権 30,000
これに対し,電子記録債権を例えば,未払金の決済に使用した時には,次の仕訳を行う。
(借)未 払 金 30,000 (貸)電子記録債権 30,000
一方,この設問で,電子記録債権の発生の時,債務者は,次の発生仕訳を行う。
(借)買 掛 金 30,000 (貸)電子記録債務 30,000
上記,債務が決済のため,当座預金口座から引き落とされた時には,次の仕訳を行う。
(借)電子記録債務 30,000 (貸)当 座 預 金 30,000
なお,電子記録債権の保有者が,上の未払金の決済のために,電子記録債権を使用した時,電子
記録債権の債権者側は,仕訳の必要はない。
このように,2級では,電子記録債権の発生から決済まで,債権者側,債務者側の仕訳を学ぶ必
要がある。
2級商簿-解説 2
4.所持している手形が不渡りとなった場合,償還請求額(遡及額)を,諸費用とともに不渡手形勘
定に計上する。
この後の不渡手形の処理は,もし,当期の手形の不渡りであり,債権者会議の結果,遡及請求の
うち¥57,000 を放棄し,残額¥70,000 を現金で受け取った場合には,
(借)現 金 70,000 (貸)不 渡 手 形 127,000
貸 倒 損 失 57,000
と処理する。
また,前期の手形の不渡りであり,貸倒引当金が設定されている場合には,貸倒引当金を取り崩
す。
(借)現 金 70,000 (貸)不 渡 手 形 127,000
貸 倒 引 当 金 57,000
その後,翌期になって,放棄していた上記債権のうち¥20,000 が回収でき,これを現金で受け
取った場合には,
(借)現 金 20,000 (貸)償却債権取立益 20,000
と処理する。これらも2級の出題範囲である。
5.固定資産を売却したときの処理である。未収金¥75,000 ならびに備品減価償却累計額勘定(評価
勘定)¥360,000 と備品(取得原価)¥450,000 との差額が固定資産売却損¥15,000 となる。
6.株式会社の利益処分の問題である。利益準備金は会社法の規定により配当が金銭ないし現物の社
外流出をともなう場合に,資本準備金と利益準備金を合わせて資本金の1/4になるまで積み立て
なければならない金額である(会社計算規則 22 条)。
なお,本問では,問うていないが,利益準備金の積み立てについては,会社法に則っているかど
うかを確認しなければならない。この問では,資本準備金と利益準備金の合計が,資本金の1/4
に達していない。
7.決算時において,外貨預金は,決算時の為替相場で円換算する。決算時における換算によって生
じた換算差額は,当期の為替差益または為替差損として処理する。この場合,差損が$2,000×¥115
-¥240,000 となる
8.本支店の簿記処理である。本店が支店に商品を発送した場合には,支店に対して権利が発生する
ので,支店勘定が使用される。一方,仕入れた商品が減少するので,三分法で商品を扱っている仕
入勘定から控除する。
なお,支店の仕訳は,(借)仕入 250,000 (貸)本店 250,000 となる。
第2問 本問は,会計学でいう貸借対照表等式および損益計算書の利益計算式が簿記では,どのよう
に現れるかを理解しているかを問うている。とくに当期純利益の計算構造,ならびに,経営管理上
必要な売上総利益をどのように算出するかを知ることが必要である。
仕入勘定で売上原価が計算されること,収益費用に関する勘定は損益勘定に振替えられること,
株式会社では損益勘定残高が繰越利益剰余金勘定に振替えられることなど簿記記録の原則を知って
いて欲しい。
解答にあたっては,仕入勘定と売上勘定の損益勘定への振替額をそれぞれ¥3,556,000 および
¥2,510,000 と計算したうえで,損益勘定残高より当期純利益を¥168,000 と計算する。この損益勘
定残高は繰越利益剰余金勘定に振替えられる。簿記の過程では出てこない売上総利益は売上勘定残
2級商簿-解説 3
高から仕入勘定残高を控除することで計算できる。また,資本金(次期繰越)は,資本金(前期繰
越)に追加元入の金額を加算して計算する。なお,簿記の繰越商品勘定は会計学つまり貸借対照表
では商品と表示される。
・売上総利益
売上総利益¥1,046,000=売上勘定残高¥3,556,000-仕入勘定残高¥2,510,000
・当期純利益
当期純利益¥168,000=収益合計¥3,625,000-費用合計¥3,457,000
・資本金(次期繰越)
資本金(次期繰越)¥440,000=資本金(前期繰越)¥400,000+追加元入¥40,000
・繰越利益剰余金(次期繰越)
繰越利益剰余金(次期繰越)¥218,000=繰越利益剰余金(前期繰越)¥50,000
+損益勘定残高¥168,000
〈参考〉
期首貸借対照表 期末貸借対照表
現 金 135,000 買 掛 金 171,000 現 金 243,000 買 掛 金 168,000
売 掛 金 282,000 借 入 金 270,000 売 掛 金 ( 387,000) 借 入 金 320,000 商品(繰越商品) ( 174,000) 資 本 金 400,000 商品(繰越商品) 216,000 資 本 金 ( 440,000) 土 地 300,000 繰越利益剰余金 ( 50,000) 土 地 300,000 繰越利益剰余金 ( 218,000)
891,000 891,000 (1,146,000) (1,146,000)
仕 入 売 上
期中総額 2,583,000 仕入値引 31,000 売上戻り 22,000 期中総額 3,578,000
繰越商品 ( 174,000) 繰越商品 ( 216,000) 損 益 (3,556,000)
損 益 (2,510,000) 3,578,000 3,578,000
(2,757,000) (2,757,000)
損 益 資 本 金
仕 入 (2,510,000) 売 上 (3,556,000) 次期繰越 ( 440,000) 前 期 繰 越 ( 400,000)
その他費用 947,000 その他収益 69,000 追 加 元 入 40,000
(繰越利益剰余金) ( 168,000) ( 440,000) ( 440,000)
(3,625,000) (3,625,000)
繰越利益剰余金
次期繰越 ( 218,000) 前期繰越 ( 50,000)
損 益 ( 168,000)
( 218,000) ( 218,000)
第3問 本問は,3伝票制で伝票を記入し,伝票から仕訳集計表を作成させ,これに基づいて総勘定元
帳(の一部)と得意先(売掛金)元帳を作成させる問題である。入金取引は入金伝票,出金取引は
出金伝票,その他の取引は振替伝票に記入されること,入金伝票は現金勘定の借方記入,出金伝票
は現金勘定の貸方記入へと繋がるものであることが理解できれば,仕訳集計表は作成できる。なお,
得意先(売掛金)元帳の記入は,伝票から個別に行われる。それを「 /商店名」形式で示して
いる。
取引の分解と伝票記入:振替伝票以外は網掛け部分を省略し相手勘定科目のみを記入
2級商簿-解説 4
なお,出題順に取引を仕訳で示すと,次のようになる。
①(借)現 金 80,000 (貸)売掛金/秋田商店 80,000
②(借)仕 入 60,000 (貸)現 金 60,000
③(借)前払金/岩手商店 30,000 (貸)売 上 30,000
(借)現 金 70,000 (貸)売 上 70,000
④(借)当 座 預 金 100,000 (貸)現 金 100,000
⑤(借)売 上 10,000 (貸)売 掛 金 10,000
仕訳集計表
現 金 借方:入金伝票合計(2枚)¥150,000
貸方:出金伝票合計(2枚)¥160,000
当座預金 借方:出金伝票相手科目 ¥100,000
売 掛 金 貸方:入金伝票相手科目 ¥80,000+振替伝票貸方 ¥10,000
前 受 金 借方:振替伝票借方 ¥30,000
売 上 借方:振替伝票借方 ¥10,000
貸方:入金伝票相手科目 ¥80,000
仕 入 借方:出金伝票相手科目 ¥60,000
記帳に誤りがない限り,すべての伝票の合計額は仕訳集計表の合計額と一致する。
なお,仕訳集計表は2級の出題範囲となった。
第4問 本問は,売上帳と仕入帳から商品有高帳を作成させる問題である。移動平均法は,単価の異
なるものを受け入れたつど平均単価を求め,これを払出単価とする方法である。商品有高帳は,受
入欄も払出欄もともに,原価で記録されることに留意する。
平均単価は,受入価額と受入直前の残高価額の合計を,受入数量と残高数量の合計で除して求め
る。たとえば,前月から繰り越されたA商品 100 個の単価が¥178 であり,4 月 3 日に仕入れたA商
品 120 個の単価が¥200 であれば,平均単価は(@¥178×100 個+@¥200×120 個)÷(100 個+
120 個)=@¥190 となる。以下,同様に,単価の異なるものを受け入れたつど平均単価を求めてい
く。
なお,売上値引きは,売価から控除されるものであり,原価に影響を与えるものではないため,
商品有高帳に記入されない。
第5問 本問は,付記事項と決算整理事項に基づいて記録の修正を行った上で,損益計算書と貸借対
照表を精算表上で作成する方法を問うたものである。
① 付記事項と決算整理事項を,期中に記録がある勘定は金額のみ,記録がない勘定は勘定科目を記
入した上で整理記入欄に貸借記入する。
② 収益・費用の勘定に,整理記入欄の修正額を加減し,損益計算書欄に書き移す。
③ 資産・負債・純資産(資本)の勘定に,整理記入欄の修正額を加減し,貸借対照表欄に書き移す。
④ 損益計算書欄の合計額を計算し,貸方の収益合計が大きい場合は当期純利益であるから借方に記
入し,合計額で計算結果を照合する。当期純利益は資本の増加であるから貸借対照表欄の貸方・繰
越利益剰余金勘定に書き移し,貸借対照表欄の合計額の一致によって当期純利益を検証する。
2級商簿-解説 5
付記事項
(借)仮 受 金 100,000 (貸)売 掛 金 65,000
前 受 金 35,000
決算整理事項
1.現金過不足の整理
(借)水 道 光 熱 費 9,000 (貸)現 金 9,000
2.売上原価の計算
(借)仕 入 430,000 (貸)繰 越 商 品 430,000
(借)繰 越 商 品 410,000 (貸)仕 入 410,000
3.貸倒れの見積り
(借)貸 倒 引 当 金 繰 入 47,000 (貸)貸 倒 引 当 金 47,000
貸倒引当金繰入:(¥1,515,000-¥65,000)×4%-¥11,000=¥47,000
4.備品の減価償却
(借)減 価 償 却 費 75,000 (貸)備品減価償却累計額 75,000
減価償却費:¥450,000÷6年=¥75,000
なお,間接表示法は2級の対象となる。
5.有価証券の評価替え
(借)有価証券運用損益 7,000 (貸)売買目的有価証券 7,000
6.消耗品の未使用高(未発生の費用の控除と資産の計上)
(借)消 耗 品 22,000 (貸)消 耗 品 費 22,000
7.手数料の未収高(発生している収益の加算と資産の計上)
(借)未 収 手 数 料 4,000 (貸)受 取 手 数 料 4,000
8.家賃の前払高(未発生の費用の控除と資産の計上)
(借)前 払 家 賃 72,000 (貸)支 払 家 賃 72,000
9.利息の未払高(発生している費用の加算と負債の計上)
(借)支 払 利 息 6,000 (貸)未 払 利 息 6,000
10.未払法人税等
(借)法 人 税 等 50,400 (貸)未 払 法 人 税 等 50,400
法人税等:¥168,000×30%=¥50,400
なお,第2問でも問うたように,当期純利益(損益勘定の貸方残)は次のように,損益勘定から繰
越利益剰余金に振替えられる。
(借)損 益 117,600 (貸)繰 越 利 益 剰 余 金 117,600
精算表の損益計算書末尾の表示の仕方は,この過程を示している。つまり,この表記は,収益と費
用が当期の繰越利益剰余金の増減要素であることを示している。当期純利益は貸方と借方の差額を精
算表上,便宜的に示したものであり,そもそも簿記の勘定ではない。つまり,簿記の決算においては
出てこない。