12
1 技術戦略マップを活用した新ビジネス創出 イノベーション支援技術プロジェクト 1. 目的と概要 2. 技術戦略マップの使われ方 3. 技術ロードマッピングを方法論として活用した地域産業の活性化 4. ビジネスモデル設計手法と戦略ロードマッピング手法との結合・統合 5. イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 6. TAMA地区におけるフィールドスタディ 7. 浜松地区におけるフィールドスタディ 8. 今後の課題 阿部 仁志 JATESイノベーション支援技術研究委員会リーダー 沖電気工業() CTO補佐 産業構造審議会産業技術分科会 第18回研究開発小委員会 (07.1.31) 第18回研究開発小委員会 参考資料2

参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

  • Upload
    lynhu

  • View
    238

  • Download
    7

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

1

技術戦略マップを活用した新ビジネス創出

イノベーション支援技術プロジェクト1. 目的と概要

2. 技術戦略マップの使われ方

3. 技術ロードマッピングを方法論として活用した地域産業の活性化

4. ビジネスモデル設計手法と戦略ロードマッピング手法との結合・統合

5. イノベーション支援技術(IST)のコンセプト

6. TAMA地区におけるフィールドスタディ

7. 浜松地区におけるフィールドスタディ

8. 今後の課題

阿部 仁志JATESイノベーション支援技術研究委員会リーダー

沖電気工業(株) CTO補佐

産業構造審議会産業技術分科会 第18回研究開発小委員会 (07.1.31)

第18回研究開発小委員会参考資料2

Page 2: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

2

1. 目的と概要

◇ イノベーション支援技術開発プロジェクトの目的◇

本IST研究の目的は、ビジネスモデル設計手法と技術戦略マップとを

組み合わせ、長所を活かし短所を補って、産業界におけるイノベーショ

ン加速化に役立てる手法の開発、マニュアル化を行うこと。

(適用ステージとメリット)

● ビジネスに向けてのグループ全体での価値観/戦略的視点の共有

● (現状の)ビジネスコンセプトの再検証

● (現状の)事業計画のリファイン

● 外部情報の入手

● ビジネスコンセプト検討プロセス手法の修得

Page 3: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

3

2. 技術戦略マップの使われ方

Page 4: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

4

3. 技術ロードマッピングを方法論として活用し

た地域産業の活性化

出所:渡邉政嘉、研究技術計画学会、MOT分科会(06.6.17)講演資料より

Page 5: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

5

4. ビジネスモデル設計手法と

戦略ロードマッピング手法との結合・統合

4. ビジネスモデル設計手法と

戦略ロードマッピング手法との結合・統合

戦略ロードマッピング手法

ビジネスモデル設計手法

・市場動向と機会を発見するためにいつ、何をするかを支援

・投資のタイミングと技術投入時期の意思決定

・ビジネスの価値評価が可能・R&D成果について企業としての魅力度を表現できること

Page 6: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

6

5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト

産業バリューチェーン分析

マクロ環境(PEST)分析

事業環境分析(5 Forces)

シナリオ

ドライバー絞込み

シナリオ の構築

シナリオごと

静的ビジネスモデル作成

動的ビジネスモデル作成利益モデル

分析

産業バリューチェーン分析

マクロ環境(PEST)分析

事業環境分析(5 Forces)

シナリオ

ドライバー絞込み

シナリオ の構築

シナリオごと

静的ビジネスモデル作成

動的ビジネスモデル作成利益モデル

分析

①利益モデル

②価値評価

収益モデル

①財の調達方法

②生産方法

③販売方法

How:価値提供方法

①提供するもの

②どのように 魅力づけするか

③競争力の源泉

What:

提供価値

①市場構造

Biz.ドメイン

②顧客の選択

Who: 顧客

市場セグメント

表現項目サブモデル

①利益モデル

②価値評価

収益モデル

①財の調達方法

②生産方法

③販売方法

How:価値提供方法

①提供するもの

②どのように 魅力づけするか

③競争力の源泉

What:

提供価値

①市場構造

Biz.ドメイン

②顧客の選択

Who: 顧客

市場セグメント

表現項目サブモデル MyVisionMyWill

視覚障害者支援システムからコミュニティ支援システムへ

10年後に10倍の◎◎億円規模の事業にしたい

!!

顧客価値仮説環境分析収益仮説

技術シナリオ予測

反映

ビジネスシナリオ計画

自社技術ロード

マッピング実施

参照反映

参照

ビジネスモデル完成

自社技術ロードマップ完成

IST出力(BM,RM統合)

Start UpBM

ビジネスアイデア

Data BaseMETI

技術戦略RM

市場、商品等のRM

自社技術ロードマッピング

スタート

ビジネスモデリングスタート

顧客価値仮説環境分析収益仮説

技術シナリオ予測

反映

ビジネスシナリオ計画

自社技術ロード

マッピング実施

参照反映

参照

ビジネスモデル完成

自社技術ロードマップ完成

IST出力(BM,RM統合)

Start UpBM

ビジネスアイデア

Data BaseMETI

技術戦略RM

市場、商品等のRM

自社技術ロードマッピング

スタート

ビジネスモデリングスタート

Page 7: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

7

A社(IT系ソフトウェア開発企業)業務:受注型アプリケーション・ソフトウェア及び

制御系ソフトウェアの設計開発、及び同分野技術者派遣サービス事業

テーマ:「画像解析ソフトウェア“カルシウムイメージング”の開発とその事業化」

目的:新商品開発による新事業立ち上げ戦略特徴:大学医学教室向け画像解析ソフトを核に

新市場開拓参加者:①研究開発者(リーダー)

②ソフトウェア開発者③ハードウェア営業担当者④マーケッティング担当者⑤人事部門担当者

オブザーバー: (社)TAMA協会実施時期:2006年10月~11月

B社(化学系機能材料メーカー)業務:粘着剤・微粉体・機能材等の製造販売、

装置・プラントの設計・製造・販売テーマ:「有機ナノ粒子の開発と新規用途の

創出による事業の拡大」目的:既存事業の見直しによる第2創業戦略

特徴:ナノレベル有機系粉体を開発し新商品・新市場を開拓

参加者:①営業担当者(リーダー)②営業部門長③営業担当者④営業担当者⑤研究開発部門室長⑥生産技術担当者

オブザーバー: (社) TAMA協会実施時期:2006年11月~12月

6. TAMA地区におけるフィールドスタディ

Page 8: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

8

製品・機能

マクロ環境・市場

事業

技術

リソース

2013~20102007層別ロードマップ

先端計測が重点課題研究テーマに

u-Japan政策(コンテンツの創造・流通・利用促進)

③販売開始

実用化に向けた検討

特定実験に向けた対応

応用システム完成

応用システムの検討

汎用画像形式対応

比較方式の検討

新方式の特許出願

必要機能の検討 新方式の画像形式検討

安全、安心、セキュリティー危機管理に対する政治的関心が増大する

バイオ、ライフサイエンス、ロボット、ナノテクが重点分野で研究開発投資が拡大

健康志向社会の到来、健康管理のパーソナル化(診断画像の持ち帰り)

X億円

④製品完了

④販売開始

④マーケティング

③製品完了

ノウハウの蓄積

①②との統合システム

様々な実験への対応

多機能化

ノウハウの蓄積

運用開始

比較方式の特許出願

多機能化

多機能化

新方式の画像形式標準化

応用システム運用開始

サービス提供開始

画像特化型DBサービス運用開始

③製品の改訂(多実験対応等)

③実験管理システム

④画像特化型データベース

②汎用画像解析ソフト

①カルシウムイメージングソフト

①販売開始

②販売開始

個別カスタマイズ対応独立端末型

既存システムとの互換性

実用化に向けた検討

③との統合に向けた改良

多機能化

ノウハウの蓄積

②製品完了

多機能化

ノウハウの蓄積

個別カスタマイズ対応

②改訂版/カスタマイズ版の開発・販売

画像特化型DB応用製品

(サービス)作成

「画像解析ソフトウェア“Caイメージング”の開発とその事業化」

TAMA地区・A社 統合ロードマップ

Page 9: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

9

「画像解析ソフトウェア“Caイメージング”の開発とその事業化」

ビジネスモデル(5年後)の完成

・システム販売

・保守/メンテナンス

・売上目標*千万円

・企画提案型/自社販売

・実験データの一元管理

・データ検索の手間軽減

・設備利用の効率化

新規製品・既存市場・大学

・研究室

・医学部、農学部、工学部、生命科学、薬学部

・近隣諸国

・実験管理システム

・システム販売

・売上*百万円

・売上目標*千万円

・企画提案型/自社販売

・イメージング解析システム

・ユーザニーズに応じた機能

・教材、教育用ソフト

・競争優位の源の設計

既存製品・既存市場・大学

・研究室

・教材、教育(100人単位)

・医学部、農学部、工学部、生命科学、薬学部

・近隣諸国

・個人

・カルシウムイメージングソフト

・汎用画像解析ソフトウェア

基本事業

・システム販売

・保守/メンテナンス

・売上目標*千万円

・企画提案型/自社販売

・画像の意味検索

・検索時間の短縮

・容易なシステム構築

新規製品・新規市場・他のソフトウェア企業

・個人

・画像特化型データベース

・画像管理サービス

提供価値

ドメ

イン

成長性モデル

収益

モデル

提供方法

戦略

モデル

動的

静的

商品・事業

ビジネスモデル

Page 10: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

10

「有機ナノ粒子の開発と新規用途の創出による事業の拡大」

TAMA地区・B社 統合ロードマップ

プロセス技術

リスク対策

技術ロードマップ(自社)

*億円

単品販売

5年後

*百万円

試作検討費

現在

*億円

インク販売 複合加工品販売

10年後

売上規模

技術ロードマップ(社会全般)

収益モデル

マクロ環境・市場

触媒応用分野の拡大

ナノ粒子の医療分野・膜応用分野への拡大

リスク管理手法の明確化

暴露評価手法確立ナノ粒子の体系的リスク評価手法の確立

60nm粒子合成確立 20nm粒子合成確立 20nm有機無機複合技術確立

色目

粒径コントロール

分散

被覆性

均一薄膜

100nm粉体化

60nmスケールアップ

60nm粉体化

20nmスケールアップ

20nm粉体化

ユーザー評価技術確立

用途開拓

インクジェット 新規コンデンサ部材

開発の効率化

繰り返しの提案

Y億円

事業大学、他社との連携

Page 11: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

11

中堅中小複数企業によるR&D事業のビジネスモデリングへの応用

7. 浜松地区におけるフィールドスタディ

テーマ:「光電・物質伝送ファイバー」参加者:①電気A社技術部(リーダー)

②電気A社市場開発部③光学メーカB社開発本部、④システム会社C社計測部門責任者、⑤システム会社C社計測部門マーケッティン

グ担当⑥計測・エンジニアリング会社D社技術営業

⑦総括研究代表者・大学教授管理法人:浜松地域テクノポリス推進機構オブザーバー:日本政策投資銀行実施時期:2007年1月~2月予定

-浜松:地域新生コンソーシアム研究開発事業-

Page 12: 参考資料2 産業構造審議会産業技術分科会第18回研 … 5.イノベーション支援技術(IST)のコンセプト 産業バリュー チェーン分析 マクロ環境

12

8. 今後の課題

(1)IST実践事例の拡充→マニュアル整備・充実

・特に、地域産業クラスター内連携、新連携、産学官連携、企業間連携、などへの適用

・事業化フェーズ別事例(開発段階、事業化段階等)の充実

(2)ISTの普及・啓蒙活動→MOT人材の育成・企業・連携体等での実践による現場リーダーの育成・地域コーディネーター、産学官連携コーディネーター等への普及・啓蒙

・公的教育機関・民間教育機関・大学等における、イノベーション推進チームリーダー、インストラクターの教育

注)中小機構H17年度 窓口相談件数14,504件のうち、事業計画作成は2,057件で第3位。また上位4項目(マーケッティング、資金調達、事業計画作成、公的支援制度)計9,085件は、いずれも事業化戦略策定(ビジネスモデル設計)がベースとして関連。