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発表論文 タイトル 自然言語要求仕様からオブジェクト指向 設計図を自動生成するシステム著者 原田実、野村佳秀、山本幸二、 大野雅志、田村浩樹、高橋史郎 出典 情報処理学会論文誌. 38(10), 2031-2039, 1997-10-15 0

1997 情報処理学会論文誌-自然言語要求仕様からオブジェクト指向設計図を自動生成するシステム

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Page 1: 1997 情報処理学会論文誌-自然言語要求仕様からオブジェクト指向設計図を自動生成するシステム

発表論文

• タイトル

「自然言語要求仕様からオブジェクト指向

設計図を自動生成するシステム」

• 著者

–原田実、野村佳秀、山本幸二、

大野雅志、田村浩樹、高橋史郎

• 出典

–情報処理学会論文誌. 38(10), 2031-2039,

1997-10-15 0

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概要

• 目的:オブジェクト指向システム開発の

生産性を向上させるため

• 手法:自然言語による要求文書から、

オブジェクト図・イベントトレース図を

自動生成する

• 結果:設計工程で十分に使える設計図の

プロトタイプを短時間で自動生成できた 1

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選定理由

• 課題に時間を使いたかったから

(日本語だったから)

• 自分が想定している研究に近そうだったから

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要求文書

• 顧客がシステムに求める機能を記述

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抽象的すぎて、プログラムが組めない!

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• プログラムが組みやすいようにモデル化

オブジェクト図・イベントトレース図

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オブジェクト図

イベントトレース図

クラスが持つ属性・クラス間の関係が

明白

システムの処理の流れが明白

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現在のオブジェクト指向開発

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手動

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CAMEO(Computer Automated Modeling Enjine for Objects)

① 形態素解析

② 統語解析

③ 意味解析

④ モデリング要素

(クラス、関連、属性etc)を抽出・分類

⑤ モデリング要素を自動レイアウト、

設計図を生成6

• 要求文書から、オブジェクト図・イベントトレース図を自動生成

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frame(1,’ビル’,’ビル’,’JN1’,’ビル’,’none’,’none’,’0f512f’,[],1)

• EDR日本語辞書を使い、

名詞や動詞に10種類の情報をつける

意味解析(意味フレームの形式)

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識別子 見出し語 読み 基本表記品詞

活用型 活用形 概念ID 関係子 要求分番号

例)

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オブジェクト分析• 意味フレームからモデリング要素を抽出し分類

クラス、属性、属性値、ロール、関連、集約、

イベント、計算、シナリオ

例)

[cls1,クラス,ビル,active,[1]]

→原文1の「ビル」がactiveなクラスとして抽出

[att1,属性,行き先階,class(人),type(),mul(),[3]]

→原文3の「行き先階」が「人」クラスの属性として抽出8

モデリング要素

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分析ルール

• Prologで記述したホーン節で構成

• 青の条件に合うとき、赤の関数を実行

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自動レイアウト

• 遺伝的アルゴリズムを使い、

モデリング要素の適切な配置を求める

1.弧の交差が少ない

2.頂点どうしの重なりが少ない

3.分布面積が狭い

4.頂点間の間隔が指定値Xドットに近い

5.多くの頂点がx,y上に並べられて表示されている 10

モデリング要素の適切な配置

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評価1:かかった時間

• CAMEOを使ってモデリングしたときと、

手作業でモデリングしたときとのかかった

時間を比較

CAMEOの作成したモデルを修正して、

正しいモデルを作成するのにかかった時間

手作業でモデリングしたときにかかった時間×3

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評価2: CAMEOが作成したオブジェクト図

(a)クラスの候補が挙げられ、関連が正しく描かれている

(b)各クラスに対して、子クラスが描かれている

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評価3:研究の課題(オブジェクト図)

• 余計なモデリング要素が抽出される

– クラス 8個 (正解 4個)

–属性 8個 (正解 3個)

–ロール 8個 (正解 3個) etc…

• ルールを精密化し、抽出の誤りを減らす

• 「の」を「所有」、「限定修飾」、「動作主格」の

3つの格フレームに区別し照合する

• 辞書を充実化し、同意語・類義語を同一化する13

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評価4:研究の課題(イベントトレース図)

• イベントの送受信者の関係子を、

より正確にとらえる

• 文脈解析を行い、欠けている関係子を

推定する

• 同じイベントで違った表現のものを

同一視できるようにする

• 処理の条件や範囲を表わす情報を

抽出できるようにする 14

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まとめプログラムを組むためには、要求文書を

オブジェクトモデルへ変換する必要がある

現在要求文書から、オブジェクトモデルへの変換は手動で行われている

自動化ツールCAMEOを作成

実用可能なオブジェクトモデルのプロトタイプを自動作成できた 15

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私見

• 長所

–研究の方向性が、私の想定している方向性に

近い

–論文中に、現在のシステム開発の課題が細かく説明されている

• 短所

–実際にプログラムを組むためには、クラスの持つ属性やメソッドを洗い出す必要があり、この研究の成果物では不十分すぎる

–イベントトレース図の成果物の画像がない16