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BEST-専門版 衛生設備例題(給排水・給湯) 2012 年 11 月

121112 BEST専門版 給水給湯例題 - IBEC 建築省エ …...BEST専門版 衛生設備例題(給排水・給湯) 4 基準階便所の便器個数は以下により算出した。

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衛生設備例題(給排水・給湯)

2012 年 11 月

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衛生設備例題(給排水・給湯)

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目次

第第第第ⅠⅠⅠⅠ編編編編 給排水給排水給排水給排水衛生衛生衛生衛生システムシステムシステムシステム計算計算計算計算

1. 例題システム ・・・3

2. 給排水衛生システムのモジュール構成 ・・・7

3. 各モジュールの計算データの入力 ・・・8

4. 計算期間と計算時間間隔 ・・・16

5. 計算結果の出力とグラフ化 ・・・17

第第第第ⅡⅡⅡⅡ編編編編 給湯給湯給湯給湯システムシステムシステムシステム計算計算計算計算

1. 例題システム ・・・19

2. 給排水衛生システムのモジュール構成 ・・・23

3. 各モジュールの計算データの入力 ・・・24

4. 計算結果の出力とグラフ化 ・・・30

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衛生設備例題(給排水・給湯)

3

第第第第ⅠⅠⅠⅠ編編編編 給排水給排水給排水給排水衛生衛生衛生衛生システムシステムシステムシステム計算計算計算計算

1 例題システム(参考資料 1)

市街地に建設される地下1階、地上7階、塔屋1階の貸事務所ビルで、地下1階は飲食店舗、

機械室、倉庫、1階は貸事務所とエントランスロビー、2~7階は貸事務所となっている。延べ面

積は5,390㎡である。例題では事務所部分について試算する。

建物概要・面積表、使用人員を以下に示す。

表 1-1 建物概要

表 1-2 面積表

表 1-3 使用人員

主用途 事務所

従用途 店舗

構造 鉄骨+鉄筋コンクリート造

階 地上7階、塔屋1階、地下1階

敷地面積 900㎡

延床面積 5,390㎡

軒高 33.5m

用途地域 商業地域・防火地域

延床面積 有効面積 階高 天井高

(㎡) (㎡) (m) (m)

P 機械室 30 - 4 -

7 事務所 680 512 4 2.8

6 事務所 680 512 4 2.8

5 事務所 680 512 4 2.8

4 事務所 680 512 4 2.8

3 事務所 680 512 4 2.8

2 事務所 680 512 4 2.8

1 事務所 800 512 4.5 3

機械室・倉庫 240 150

店舗 240 220

5390 3734 軒高 33.5

5 3

用途階

合計

B1

使用区分 算定条件 計算根拠

有効面積当たり0.2人/㎡ 512 ㎡ × 0.2 人/㎡ = 102 人/階

(男性50%、女性50%) 102 人/階 × 7 フロア = 714 人

店舗面積の70%を客席面積 220 ㎡ × 0.7 = 154 ㎡

客席面積当たり1人/㎡ 154 ㎡ × 1 人/㎡ × 0.6

同時使用率60% 回転率0.5回/h × 0.5 回/h × 10 h/日 = 462 人

従業員数は客数の1% 462 人 × 0.01 = 5 人

管理要員 昼間2人 夜間無人 2 人

合計 1183 人

小計

飲食店舗

貸事務所

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基準階便所の便器個数は以下により算出した。

表 1-4 基準階便所の便器個数

男性 女性 大便器 小便器 洗面器 掃除流し 大便器 洗面器

人 人 個 個 個 個 個 個

基準階事務所 51 51 2 3 2 1 3 3

女子便所

事務所の適正器具数表より算出 サービスレベル:

レベル1(ゆとりのある器具数)とする

使用人員

算定根拠

用途

男子便所

基準階階数は 7 フロアあるので、男子人数、女子人数それぞれ合計 357 人となる。また男子大

便器数、女子大便器数の合計はそれぞれ、14 個、21 個となる。

全体の給水量は以下により算出した。

表 1-5 全体給水量

人員

単位

給水量

1日予想

給水量

1日平均

給水時間

時間平均

予想給水量

時間最大

予想給水量

ピーク時

予想給水量

Qd

Qh

Qm=k

1・Q

h

(k1=2)

Qp=k

2・Q

h/60

(k2=4)

系統 〔人〕 〔L/人〕 〔L/日〕 〔h〕 〔L/h〕 〔L/h〕 〔L/min〕 〔m3〕

事務所 717 60 43,020 9 4,780 9,560 319

(うち上水) 上水 6,453 9 717 1,434 48

(うち雑用水) 雑用水 36,567 9 4,063 8,126 271

B1F 客 上水 462 60 27,720 10 2,772 5,544 185

従業員 上水 5 80 400 10 40 80 3

上水 2 80 160 9 18 36 1

71,300 7,610 15,220 507 -

計 上水 34,733 3,547 7,094 236 18

計 雑用水 36,567 4,063 8,126 271 19

項目 用途

1F

7F

受水槽

有効容量

(Qdの50%と

する)

合計

保守要員

15%

85%

飲食

店舗

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上水、雑用水設備のシステムは下図のフローにて想定した。

本建物は、例題システムに合わせ、建物の最高の高さに制約があることと、断水時の受水槽の

水の利用が可能なことの理由によりポンプ直送方式とした。

図 1-1 例題システム給排水フロー図

上水、雑用水ポンプユニットは瞬時最大予想給水量の計算により、以下の仕様のポンプユニット

を選定した。

上水: インバーター方式推定末端圧力一定給水ユニット 並列交互運転方式

40mm×440L/min×510kPa×3.7kw×2 台

雑用水:インバーター方式推定末端圧力一定給水ユニット 並列交互運転方式

40mm×400L/min×490kPa×3.7kw×2 台

P P

雑用水系統

受水槽

P

上水系統

受水槽

雨水貯留槽

ユニット

雨水

汚水

排水槽

P

上水系統

補給水

上水

系統

雑用水

系統

P

雑用水

排水槽

温水洗浄便座電力

ハンドドライヤ電力

大便器

小便器

洗面器

P P

雑用水系統

受水槽

P

上水系統

受水槽

雨水貯留槽

ユニット

雨水

汚水

排水槽

P

上水系統

補給水

上水

系統

雑用水

系統

P

雑用水

排水槽

温水洗浄便座電力

ハンドドライヤ電力

大便器

小便器

洗面器

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本例題で計画された系統図を下記に示す。

図 1-2 例題システムの参考系統図図

※参考資料 1:例題システムの出典

「給排水衛生設備計画設計の実務の知識」改訂3版 第 11 章 設計例 P333~P347

空気調和・衛生工学会編 オーム社

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2 給水水衛生システムのモジュール構成

雨水利用のある上水、雑用水設備の高置水槽システムのモジュールとシステム構成の関係を下

図に示す。各モジュール番号をシステム図の部位に対応させたものである。

①①①①

②②②②

③③③③

④④④④

⑤⑤⑤⑤

⑥⑥⑥⑥

⑦⑦⑦⑦

⑧⑧⑧⑧

⑨⑨⑨⑨

⑩⑩⑩⑩

⑪⑪⑪⑪

⑫⑫⑫⑫

⑬⑬⑬⑬

⑭⑭⑭⑭

⑮⑮⑮⑮

P P P

雑用水系統

受水槽

P

上水系統

受水槽

雨水貯留槽

ユニット

雨水

空調ドレン

排水槽

汚水

排水槽

P

上水系統

補給水

上水

系統

雑用水

系統

P

雑用水

排水槽

温水洗浄便座電力

ハンドドライヤ電力

雑用水系統

高置水槽

上水系統

高置水槽

大便器

小便器

洗面器

加湿給水

冷却塔補

給給水

P P P

雑用水系統

受水槽

P

上水系統

受水槽

雨水貯留槽

ユニット

雨水

空調ドレン

排水槽

汚水

排水槽

P

上水系統

補給水

上水

系統

雑用水

系統

P

雑用水

排水槽

温水洗浄便座電力

ハンドドライヤ電力

雑用水系統

高置水槽

上水系統

高置水槽

大便器

小便器

洗面器

加湿給水

冷却塔補

給給水

①①①①

②②②②

③③③③

④④④④

⑤⑤⑤⑤ ⑥⑥⑥⑥

⑦⑦⑦⑦

⑦⑦⑦⑦

⑧⑧⑧⑧

⑨⑨⑨⑨

⑩⑩⑩⑩ ⑪⑪⑪⑪

⑫⑫⑫⑫

⑬⑬⑬⑬

⑮⑮⑮⑮

⑭⑭⑭⑭

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3 各モジュールの計算データの入力

給水例題の画面もクリックするとテンプレート衛生設備基幹 200812 が、下記のモジュールで構

成されていることが分かる。各モジュールは図1-1の例題システムの給排水フロー図のようにモジュ

ール間が接続され計算可能となっている。また下図の画面で計算順序の確認が可能である。

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3.1 衛生器具仕様

本モジュールでは給水負荷計算のために必要の入力情報を入力する。

①男子人数、女子人数を入力する。この数値は、この数値は給水使用量に影響する。

②男子大便器、女子大便器個数を入力する。この数値は大便器温水洗浄便座待機電力に影

響する。

③大便器、小便器、洗面器の1回あたりの吐水量を入力する。この数値は給水使用量に影響

する。標準器具か節水器具かなど衛生器具の仕様を入力することが出来る。下図では節水

仕様で入力しています。

④温水洗浄便座使用電力、待機電力、ハンドドライヤー使用電力の回数あたりまたは個数あ

たりの消費電力を入力する。

■記録・グラス表示について(これは各モジュール共通)

①計算中にグラフ表示をする場合には、チェックボタンを入れる。

②最大同時表示ステップ数は、グラフ表示中のグラフの横軸の範囲を示す。

③計算結果を記録する場合には、チェックボタンを入れる。

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3.2 受水槽(上水・雑用水)

本モジュールでは、給水システムにおいて、受水槽の仕様を入力する。

①受水槽容量を入力する。

②受水槽の水位が低下したときに、補給水から補給を停止する比率、開始する比率を入力す

る。下図の場合には、貯水量 18m3 に対して、上水系統で 18×80%=14m3 で上水補給停

止、18×20%=3.6m3 で上水補給開始となる。

同様に雑用水系統の受水槽の仕様を入力する。雑用水は、雨水で 19×80%=15.2m3 で雨

水補給停止、19×20%=3.8m3 で雨水補給開始となる。このとき、上水補給停止および開始水

量比は、雨水補給停止および開始水量比よりも小さい設定とし、上水よりも雨水の方が先に入

る設定とする必要がある。

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3.3 補給水(上水・雑用水)

本モジュールでは、受水槽への補給水量を入力する。

①上水補給水量を入力する。

②水温:補給水の水温を指定することが出来る。

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3.4 給水ポンプユニット(上水・雑用水)

本モジュールでは、給水ポンプの機器仕様を入力する。

①給水方式を選択する。(A 高置水槽方式、B 加圧給水方式吐出圧一定制御、C 加圧給水方

式(推定末端圧力制御)の3種類を選択出来る。ここではCを選択している。

※給水方式を変える場合には、別途モジュール間の接続を変更する必要がある。

②ポンプ選定給水量、揚程、と電源関連(電気力率、電気相、電気電圧、電気周波数)を入力

する。

同様に雑用水系統の給水ポンプユニットの機器仕様を入力する。

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3.5 雨水集水面積

本モジュールは雨水利用システムを計算する際に必要で、雨水の集水面積、有効面積率を入

力する。

①雨水集水面積を入力する。屋上面積 680 ㎡を入力

②上記のうち雨水利用として有効な面積比率(雨水流出係数)を入力する。

集水面積が 680 ㎡であっても、10%は利用出来ず流出されるとし、ここでは 90%とした。

③水温:外気温度に対する補正温度を入力することが出来る。

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3.6 雨水貯留槽

本モジュールは雨水利用システムを計算する際に必要で、雨水貯留槽容量、雑用水受水槽へ

移送するためのポンプ仕様を入力する。

①受水槽と同様に、雨水貯留量を入力する。

②雨水貯留槽に雨水が溜まっているときに、雨水貯留槽から雑用水受水槽へ移送を開始する比

率、停止する比率を入力する。下図の場合には、貯留槽 55m3 に対して移送開始が 55×20%=

11m3 で、移送停止が 55×100%=55m3 となる。

③移送ポンプの選定給水量、揚程と電源関連(消費電力、電気力率、電気相、電気電圧、電気周

波数)を入力する。ポンプの仕様は定流量の給水ポンプで、給水ポンプユニットのモジュールで

は、高置水槽方式の揚水ポンプと同じである。

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3.7 排水貯留槽(汚水、雑用水、空調ドレン)

建物から排水を一旦排水槽に受けたとして、建物の排水量を計算することが出来る。

本モジュールは排水貯留槽容量、下水道等へ圧送するためのポンプ仕様を入力する。雨水貯

留槽モジュールと同じである。

①雨水貯留槽と同様に、排水貯留量を入力する。

②排水貯留槽に汚水や雑排水が溜まっているときに、排水貯留槽から外部へ圧送を開始する

比率、停止する比率を入力する。下図の場合には、貯槽 1m3 に対して移送開始が 1×80%

=0.8m3 で、移送停止が 1×20%=0.2m3 となる。

③移送ポンプの選定給水量、揚程と電源関連(消費電力、電気力率、電気相、電気電圧、電

気周波数)を入力する。ポンプの仕様は定流量の給水ポンプで、給水ポンプユニットのモジ

ュールでは、高置水槽方式の揚水ポンプと同じである。

汚水排水槽ユニットも同じ入力となる。

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4 計算期間と計算時間間隔

衛生設備プログラムでは、現在 1 時間間隔の負荷パターンがデフォルトパターン※として入力さ

れており、計算時間間隔に応じて給水負荷を按分して計算する。

例えば10 分間では、各時刻のデータ×10/60(1/6)、30 分間隔では、30/60(1/2)となり、計算時

間間隔を 1 時間以内であれば自由に設定出来る。

5 計算結果の出力とグラフ化

5.1 計算中のグラフ化

各モジュール共通で、■記録・グラフ表示■のところの「グラフ表示する」をチェックすると計算

経過中のグラフを表示することが出来る。給水負荷変動に伴う受水槽の水位変動、雨水の集水状

況等を ON-TIME で見ることが出来る。

チェック

時間間隔を指定出来る。

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計算中のグラフの表示例(雑用水給水負荷変動)

計算中のグラフの表示例(雑用水系統 受水槽の水位変動)

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5.2 計算結果の参照

結果出力の結果グラフ出力から各モジュールで計算された結果をグラフ化することが出来る。

データファイルの best_result_U.csv から読み込んでグラフ化したいデータを選択する。

以下は有効雨水集水量のデータをグラフした例である。単位は[g/sec]となっている。

また計算結果の生データは、BEST-P フォルダ⇒ work フォルダ ⇒ Files ⇒ object info ⇒

object ⇒ result ⇒ 『 best_result_U 』の csv ファイルに出力されている。これより、年間に水使用

量や年間雨水利用率等を算出することが出来る。

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第第第第ⅡⅡⅡⅡ編編編編 給湯給湯給湯給湯システムシステムシステムシステム計算計算計算計算

1 例題システム(参考資料 1)

参考資料

1)

に記載のあるビジネスホテルの計算例として、中央式温水ボイラの入力を示す。図

1-1には例題システムの客室平面図と断面図、表1-1に例題の建物概要、表1-2に給湯二次循環

ポンプ系統の配管径と長さ、表 1-3 にシステム全体の配管径と長さを示す。図 1-2 に断面図と図

1-3 に客室系統図を示す。

この図表と【1】~【7】の算出式を用い、給湯モデルに入力を行う。

図 1-1 客室平面図と断面図

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表 1-1 給湯例題の建物概要

建物名称 給排水衛生設備計画の実務知識

空気調和衛生工学会編改訂 3 版 モデル

建設地 東京都

建物用途 ビジネスホテル

延床面積 8,157 ㎡

建物概要

階数 地上 9階、地下 1階、塔屋 1 階

給湯方式 中央式 (温水ボイラ) 給湯設備

利用者 客室 人員 224 人 時間最大給湯量 30[L/h・人]

一日の予想給湯量 200[L/日・人]

レストラン 面積 100 ㎡ 時間最大給湯量 6 [L/h・人]

一日の予想給湯量 40[L/日・人]

※ 一日の予想給湯量の 0.15 倍を時間最大給湯量として算出した。

図 1-2 給湯系統図および管径 図 1-3 2 客室/FL 系統

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表 1-2 給湯往還配管のゾーン分け

(給湯二次循環ポンプ系統)往復

【【【【1111】時間最大給湯量】時間最大給湯量】時間最大給湯量】時間最大給湯量

224 人×30L/(h・人)=6,7206,7206,7206,720 [L/h][L/h][L/h][L/h]

【【【【2222】有効貯湯槽容量】有効貯湯槽容量】有効貯湯槽容量】有効貯湯槽容量

2 基設置するものとし、貯湯槽の有効貯水量を 80%として計算すれば

6,720L/h×1/2÷0.8 4,200[L] 4,200[L] 4,200[L] 4,200[L] 2222 基基基基

【3333】加熱能力】加熱能力】加熱能力】加熱能力

給湯温度 60℃、給水温度 5℃、許容最低湯温 55℃、時間最大給湯量の継続時間 2 時間、

時間最大給湯量を貯湯槽の有効貯湯槽とすれば

1.163(60-55)× 8,400 + 2H ≧ 1.163 ×{( 60 + 55 )/ 2 -5 }×6,720×2

=385,883.4W⇒ 200kW200kW200kW200kW××××2222 基基基基

【【【【4444】給湯管径】給湯管径】給湯管径】給湯管径

給湯器具単位と給湯使用流量より決定する。

配管材料は、一般配管用ステンレス鋼管を使用する。

【【【【5555】給湯システム全体の循環流量】給湯システム全体の循環流量】給湯システム全体の循環流量】給湯システム全体の循環流量 WWWW

W=0.86×8,561÷60min÷5℃≒24.6L/min

全体の放熱量=6,584.8×1.3=8,561W8,561W8,561W8,561W

管径

[A]

長さ

[m]

放熱量

[W]

20 54 518.4

25 198 2296.8

30 36 460.8

40 50 740

50 6 98.4

60 28 470.4

75 100 2000

合計 472 6584.8

ゾーン 区

管径

[A]

長さ

[m]

ゾーン

合計[m]

① 13 6

② 13 1

③ 13 6

給湯還管

ゾーン 1

④ 13 1

14

⑤ 20 6

⑥ 20 1

⑦ 20 6

⑧ 20 1

給湯還管

ゾーン 2

⑨ 20 6

20

⑩ 25 1 給湯還管

ゾーン 3 ⑪ 25 15

16

給湯往管 25 160 160

表 1-3 システム全体の放熱量

・循環流量

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22

【【【【6666】給湯一次循環ポンプ】給湯一次循環ポンプ】給湯一次循環ポンプ】給湯一次循環ポンプ

循環水量は、加熱コイル入り口水温 20℃、出口水温 60℃とする。

Q ={200kW × 2 台×1,000/4186×(60-20)[℃]×60}≒144[L/min]144[L/min]144[L/min]144[L/min]

給湯一次配管の長さは 25m、管径 30A として計算する。

能力は、能力は、能力は、能力は、40mm40mm40mm40mm××××144L/min144L/min144L/min144L/min××××58kPa58kPa58kPa58kPa××××0.25kW0.25kW0.25kW0.25kW××××2222 台台台台

【【【【7777】給湯二次循環ポンプ】給湯二次循環ポンプ】給湯二次循環ポンプ】給湯二次循環ポンプ

表 1-1 より、25252525 ㎜×㎜×㎜×㎜×36L/min36L/min36L/min36L/min××××55kPa55kPa55kPa55kPa××××0.150.150.150.15kkkkWWWW××××2222 台台台台

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23

2 給湯システムのモジュール構成

本例題システムのような、一般的な中央式給湯システムのモジュールとシステム構成の関係を下

図に示す。各モジュール番号をシステム図の部位に対応させたものである。

①①①①

②②②②

③③③③

④④④④

⑤⑤⑤⑤

⑥⑥⑥⑥

⑦⑦⑦⑦

⑧⑧⑧⑧

⑨⑨⑨⑨

⑩⑩⑩⑩

⑪⑪⑪⑪

⑫⑫⑫⑫

⑬⑬⑬⑬

⑭⑭⑭⑭

⑮⑮⑮⑮

⑯⑯⑯⑯

⑰⑰⑰⑰

貯湯槽

加熱装置

給湯循環一次ポンプ

一次側給湯還配管

先止まり配管

P

給湯循環二次ポンプ

一次側給湯往配管

二次側給湯往配管

二次側給湯還配管

給湯使用

給水

P

貯湯槽

加熱装置

給湯循環一次ポンプ

一次側給湯還配管

先止まり配管

P

給湯循環二次ポンプ

一次側給湯往配管

二次側給湯往配管

二次側給湯還配管

給湯使用

給水

P

※加熱装置(ボイラー)、貯湯槽、一次、二次循環配管及びポンプで構成される。

気象気象気象気象データデータデータデータ((((①①①①⑮⑮⑮⑮))))

⑭⑭⑭⑭②②②②

⑫⑫⑫⑫③③③③

⑦⑦⑦⑦③③③③

④④④④

⑤⑤⑤⑤

⑥⑥⑥⑥

⑧⑧⑧⑧

⑨⑨⑨⑨

⑩⑩⑩⑩

⑫⑫⑫⑫

⑬⑬⑬⑬ ⑯⑯⑯⑯

⑰⑰⑰⑰

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24

3 各モジュールの計算データの入力

実際に入力した画面を参考に入力する。

温水ボイラの例題モデルを選択し、ファイルを開く。“設備”タブから“テンプレート衛生設備 給湯”

を開く。

また計算順序は以下に示す画面にて確認が出来る。

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25

① スケジュールの開始時刻と終了時刻を決定する

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26

②一次側給湯往配管、一次側給湯還配管の入力は、配管長さ 10m 配管口径 50SU を想定した。

③二次側給湯往配管、二次側給湯還配管の入力は、表 1-1、1-2 を参考に入力する。

4 つのゾーンにまとめて入力します。ゾーンが 1 つの場合は、ゾーン 1 を入力し、他のゾーン 2,3,4

の配管長さは「0m」として入力する。

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27

④ 給水負荷 給湯使用温度と二次給湯往配管の出口温度の初期値を入力する

⑤ 給湯使用量

表 1-1 の条件をもとに入力する。

⑥ 給湯循環一次ポンプ、二次ポンプを【6】【7】を参考に入力する。

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28

⑦ 衛生先止まり配管 2 を入力する。ここでは各客室から 1m の先止まり配管があると想定し、

先止まり配管により捨てられる回数、配管長さ、配管口径を入力する。

⑧ 衛生加熱装置_温水給湯ボイラ

カタログ値を入力します。個々では下記のような数値を用い入力する。

⑨ 衛生水温

建物所在地の都道府県に近い場所を選択します。

ここでは“東京”を選択しています。

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衛生設備例題(給排水・給湯)

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⑩ 貯湯槽容量

貯湯槽の上部・下部とも貯湯槽容量は同じ値を入力します。

⑪ 計算結果の記録の指定にチェックをいれる。

以上で入力は終了。次は、計算実行と結果図出力の説明です。

⑫ ・保存は、“ファイル”から行います。

・入力の検査を、“ツール”から実行することができます。

・計算の期間を決定します。“共通”⇒“計算範囲” から期間を決定します。

この例題では、一年間計算を行うように設定してあります。

・最小計算時間間隔は 10 分間です。

・“計算実行”⇒ “シミュレーション実行” ⇒ 計算順序を“給湯”に変更し

“OK”で計算を始めます。

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4 計算結果の出力とグラフ化

下記に温水ボイラ式の年間・月別の給水・給湯負荷、年間・月別の熱損失量を示す。

結果図は、

図 4-1 は、BEST の表示は、結果出力 ⇒ 結果グラフ出力 より作成し、

図 4-2、3、4 の平均値は、BEST-P フォルダ⇒ work フォルダ ⇒ Files ⇒ object info ⇒

object ⇒ result ⇒ 『 best_result_U 』の csv ファイルより月毎に平均値や合計値を算出した。

図 4-1 (BEST の結果表示) 給湯負荷[W]

図 4-2 月毎の給水・給湯負荷 平均値

(年間給水負荷:853121.45W、年間給湯負荷:10827835331.91W)

020,00040,00060,00080,000100,000120,000140,000160,000180,000200,000220,000240,000260,000280,000300,000

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

給水

・給

湯負

荷給

水・給

湯負

荷給

水・給

湯負

荷給

水・給

湯負

荷[W

]

[月月月月]

給湯負荷平均値 給水負荷平均値

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図 4-3 一次側・二次側給湯往還配管の熱損失量 (10 分データ平均値)

図 4-4 給湯循環一次・二次ポンプ月別合計消費電力量

※参考資料 1:例題システムの出典

「給排水衛生設備計画設計の実務の知識」改訂3版 第 11 章 設計例 P333~P347

空気調和・衛生工学会編 オーム社

020406080100120140160180200220240260280300

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

熱損

失量

熱損

失量

熱損

失量

熱損

失量[W

]

[月月月月]

一次側給湯往配管 一次側給湯還配管

二次側給湯往配管 二次側給湯還配管

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

給湯

循環

一次

・二

次ポ

ンプ

消費

電力

量給

湯循

環一

次・二

次ポ

ンプ

消費

電力

量給

湯循

環一

次・二

次ポ

ンプ

消費

電力

量給

湯循

環一

次・二

次ポ

ンプ

消費

電力

量[W

]

[月月月月]

一次ポンプ消費電力 二次ポンプ消費電力