2
編集後記 ある国際協力雑誌の記事で。‘灯油ランプで夜遅くまで勉 強するケニアの子ども達。部屋は煤で黒ずみ、健康が心配される中、日 本の援助で太陽光ランプが導入、みんな笑顔です。’ああ、素晴らしい! 一方、オーストラリアに嫁いだ娘さんの所に遊びに行った知人の話。 「太陽光スタンドランプがあって、昼間、庭で充電すると夜 34 時間は 十分読書できるのよ。買って帰ろうとしたら、お母さん、日本は技術が進 んでるんだから売ってるわよ、って言われたの。あなた、知ってる?」 うーん、見たことありません。どなたかご存知でしたら 教えてください。(あかほし) 第46号:平成27年4月 あかほし&はまべ 社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会 大阪市ボランティア・市民活動センター 543-0021 大阪市天王寺区東高津町 12-10 TEL : 06-6765-4041 / FAX : 06-6765-5618 Email[email protected] (担当:赤星・浜辺) ≪利用時間≫ 月~金曜 9302030 土曜 9301700 (日曜・祝日及び年末年始休館) 問合せ 申込み ☆情報紙 IMONIKAI は毎月 1 日発行です。 情報掲載希望の方は、毎月 15 日までにご連絡下さい 「このおでん、ようしゅんでるわ」の「しゅんでる」は「しゅむ」という言 葉に状態を表す「~ている」が接続した言葉です。「しゅむ」の語源 は「しむ(染む)」。『万葉集』に登場する古語です。「なかなかに人 とあらずは酒壺に成りにてしかも酒にしみ(染み)なむ」。酒壺に なれば酒に浸って体に酒を染みこませることができる。これは無 類の酒好きだった大伴旅人の歌です。 「しむ」は各地に伝わり形を変えました。東北では「しもる」 「すもる」「しもう」「すもう」などの報告があります。一方で大 阪を中心とした関西では「しゅむ」と発音し、「気が塞ぐ」「気 が小さくなる」という意味も表したそうですが、「しゅんでる」 ほどは耳にしません。「しゅんでる」は食材に味が十分染み こんでいる状態を表す言葉として、食事の場面で重宝さ れているようです。 【方言募集】どんな疑問・質問でも結構です。ぜひ、ご連絡ください。 住所:〒567-8502 大阪府茨木市西安威 2-1-15 追手門学院大学 Email[email protected] 追手門学院大学国際教養学部講師 櫛引祐希子 東北・関東と大阪をつなぐ「里帰りバス」の運行詳細が決定しました。 ゴールデンウィークの帰省などにお役立てください。 運行期間 5 1 ()5 5 () 東日本大震災により関西に避難している人 参加費 無料 35 (応募多数の場合は抽選) 4 6 () 1700 まで 大阪市ボランティア・市民活動センター 06-6765-4041(担当:赤星・浜辺) 問合せ 申込み ※申込み時に詳細をお聞きします。 ※当落のご連絡は 4 7 日~10 日に電話にて随時行います。 4 10 17 時までにご連絡が取れない場合は、次の方を繰り上げ 当選とします。 ※乗降場所は参加者の状況により寄らない場合もあります。 ※詳細については、当選者の方のみに後日郵送にてお送りします。 ※往路または復路のみの利用もできますが、調整させていただきます のでご了承ください。 ※一人でも多くの方にご利用いただけるよう、キャンセルされる 場合はなるべく早くご連絡ください。 本心を打ち明けられる人がまわりにいな い、遠くに離れていて頻繁に話ができない… つらくてひとりぼっちだと感じる時があり ます。 どうしたらよいのでしょう。 辛い、悲しい気持ちを受け止め てくれる家族や友人に話を聞いて もらえるだけでもほっとします。しかし、その人たちが身近に居ない、 ゆっくり話す時間がないと、自分の中に抱え込んで辛い気持ちがいつ までも消えません。こんな時にはその代役を見つけていきましょう。 ・同じ体験をした人と話しましょう。説明しなくても分かりあえるで しょう。 ・周囲にそのような人が見当たらない時は、地域の支援者に尋ねてみ ましょう。ピアの会などを紹介してもらえます。 ・専門家も辛い気持ちを乗り越えるお手伝いをしますので相談してみ ましょう。 桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授 郭麗月 いわき駅(福島県) 郡山駅(福島県) 仙台駅(宮城県) 大阪市立社会福祉センター (天王寺区東高津町 12-10東京駅(東京都) 2030 <出発> 500 <到着> 1200 <到着> 1500 <出発> 1630 <出発> 1830 <出発> 2100 <出発> 800 <到着> 820 <到着> 955 <到着> 5/2 5/1 5/5 5/4 5/3 団体紹介 学習サポートでは、学生が 子ども達と向き合って、子ども を元気にし、親世代には、親世 代が抱える悩みに対応できる ボランティア団体等に連携をお願いしました。 2015 年は、大阪府下を超えて兵庫、滋賀、和歌山で、行政・ ボランティア団体等と連携し、法律相談、健康相談、健康チェ ック、健康体操、就労支援、進路相談、住宅支援等、学習サポ ートという手法によって避難家庭の悩み解決のための場づくり を展開しています。 また、茨木市の中村町自治会の餅つき大会で、避難者がふ るまう芋煮会を共同開催し、地域の皆さんに避難の現実を知 っていただく機会をつくれたのも、地域が避難者に寄り添える 環境づくりを「チームおせっかい」活動として継続した成果では ないかと思っています。 今後の各地区の開催日は、まるっと西日本の情報誌に掲 載しています。 東日本大震災で吹田市に避難している被災者がおられるこ とがわかり、2011 5 月避難者支援を目的として吹田市のボラ ンティア団体等が集まって「復興支援すいた市民会議」を立ち 上げました。 避難者とのお好み焼きやバーベキューパーティーを開催し、 避難者の話を聞くことから始めました。 避難家庭の多くが、小学生以下のお子さんとの避難であるこ とがわかり、子育て避難家庭の安心づくり支援を検討し、避難家 庭の心配の第一は子どもの不安解消と考え、子どもの学習支援 や寄り添い支援並びに付き添いで来る親世代の交流を目的とし て東日本大震災被災者支援「チームおせっかい」を 8 月に設立、 10 16 日第一回学習サポートを開始、避難者とつながる活動 を進めることとなりました。 「チームおせっかい」の仕事は、避難者と地域のボランティア団 体等との交流の場づくり、情報の提供にあります。 東日本大震災避難者支援 「チームおせっかい」 代表 青木良三 564-0062 吹田市垂水町 1-39-20 TEL06-7504-5090 E-mail[email protected] 学習サポート風景 大阪府立大学 I-site なんば (南海なんば第 1 ビル 2 階) (地下鉄御堂筋線「大国町」(1 番出口)より 7 南海電鉄「なんば」(中央出口)より 12 東日本大震災により関西に 避難している人

+1 ú# · 2019. 10. 16. · 1q2%2N2W1r1q2#2N2 1r1q2%2N2 1r26252: 2 2 2V2J2%1>· A23 ... TEL >8 06 - 7504 - 5090 E - mail >8 [email protected] Û*f§Ïîº8¼ +1

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編集後記 ある国際協力雑誌の記事で。‘灯油ランプで夜遅くまで勉

強するケニアの子ども達。部屋は煤で黒ずみ、健康が心配される中、日

本の援助で太陽光ランプが導入、みんな笑顔です。’ああ、素晴らしい!

一方、オーストラリアに嫁いだ娘さんの所に遊びに行った知人の話。

「太陽光スタンドランプがあって、昼間、庭で充電すると夜 3~4 時間は

十分読書できるのよ。買って帰ろうとしたら、お母さん、日本は技術が進

んでるんだから売ってるわよ、って言われたの。あなた、知ってる?」

うーん、見たことありません。どなたかご存知でしたら

教えてください。(あかほし)

第46号:平成27年4月

あかほし&はまべ

社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会

大阪市ボランティア・市民活動センター

〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町 12-10 TEL : 06-6765-4041 / FAX : 06-6765-5618 Email:[email protected] (担当:赤星・浜辺) ≪利用時間≫ 月~金曜 9:30~20:30 土曜 9:30~17:00 (日曜・祝日及び年末年始休館)

問合せ

申込み

☆情報紙 IMONIKAIは毎月 1日発行です。

情報掲載希望の方は、毎月 15日までにご連絡下さい

「このおでん、ようしゅんでるわ」の「しゅんでる」は「しゅむ」という言

葉に状態を表す「~ている」が接続した言葉です。「しゅむ」の語源

は「しむ(染む)」。『万葉集』に登場する古語です。「なかなかに人

とあらずは酒壺に成りにてしかも酒にしみ(染み)なむ」。酒壺に

なれば酒に浸って体に酒を染みこませることができる。これは無

類の酒好きだった大伴旅人の歌です。

「しむ」は各地に伝わり形を変えました。東北では「しもる」

「すもる」「しもう」「すもう」などの報告があります。一方で大

阪を中心とした関西では「しゅむ」と発音し、「気が塞ぐ」「気

が小さくなる」という意味も表したそうですが、「しゅんでる」

ほどは耳にしません。「しゅんでる」は食材に味が十分染み

こんでいる状態を表す言葉として、食事の場面で重宝さ

れているようです。

【方言募集】どんな疑問・質問でも結構です。ぜひ、ご連絡ください。 住所:〒567-8502 大阪府茨木市西安威 2-1-15 追手門学院大学

E‐mail:[email protected] 追手門学院大学国際教養学部講師 櫛引祐希子

東北・関東と大阪をつなぐ「里帰りバス」の運行詳細が決定しました。

ゴールデンウィークの帰省などにお役立てください。

運行期間 : 5月 1日(金)~5月 5日(火) 対 象 :東日本大震災により関西に避難している人

参加費 : 無料

定 員 : 35人(応募多数の場合は抽選)

締 切 : 4月 6日(月) 17:00まで 大阪市ボランティア・市民活動センター

☎06-6765-4041(担当:赤星・浜辺) 問合せ 申込み

※申込み時に詳細をお聞きします。

※当落のご連絡は 4月 7日~10日に電話にて随時行います。

※4月 10日 17時までにご連絡が取れない場合は、次の方を繰り上げ

当選とします。

※乗降場所は参加者の状況により寄らない場合もあります。

※詳細については、当選者の方のみに後日郵送にてお送りします。

※往路または復路のみの利用もできますが、調整させていただきます

のでご了承ください。

※一人でも多くの方にご利用いただけるよう、キャンセルされる

場合はなるべく早くご連絡ください。

本心を打ち明けられる人がまわりにいな

い、遠くに離れていて頻繁に話ができない…

つらくてひとりぼっちだと感じる時があり

ます。

どうしたらよいのでしょう。

辛い、悲しい気持ちを受け止め てくれる家族や友人に話を聞いて

もらえるだけでもほっとします。しかし、その人たちが身近に居ない、

ゆっくり話す時間がないと、自分の中に抱え込んで辛い気持ちがいつ

までも消えません。こんな時にはその代役を見つけていきましょう。

・同じ体験をした人と話しましょう。説明しなくても分かりあえるで

しょう。

・周囲にそのような人が見当たらない時は、地域の支援者に尋ねてみ

ましょう。ピアの会などを紹介してもらえます。

・専門家も辛い気持ちを乗り越えるお手伝いをしますので相談してみ

ましょう。

桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授 郭麗月

いわき駅(福島県)

郡山駅(福島県)

仙台駅(宮城県)

大阪市立社会福祉センター

(天王寺区東高津町 12-10)

東京駅(東京都)

20:30 <出発>

5:00 <到着>

12:00 <到着>

15:00 <出発>

16:30 <出発>

18:30 <出発>

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8:20 <到着>

9:55 <到着>

5/2

5/1 5/5

5/4 5/3

団体紹介 学習サポートでは、学生が

子ども達と向き合って、子ども

を元気にし、親世代には、親世

代が抱える悩みに対応できる

ボランティア団体等に連携をお願いしました。

2015 年は、大阪府下を超えて兵庫、滋賀、和歌山で、行政・

ボランティア団体等と連携し、法律相談、健康相談、健康チェ

ック、健康体操、就労支援、進路相談、住宅支援等、学習サポ

ートという手法によって避難家庭の悩み解決のための場づくり

を展開しています。

また、茨木市の中村町自治会の餅つき大会で、避難者がふ

るまう芋煮会を共同開催し、地域の皆さんに避難の現実を知

っていただく機会をつくれたのも、地域が避難者に寄り添える

環境づくりを「チームおせっかい」活動として継続した成果では

ないかと思っています。

今後の各地区の開催日は、まるっと西日本の情報誌に掲

載しています。

東日本大震災で吹田市に避難している被災者がおられるこ

とがわかり、2011 年 5 月避難者支援を目的として吹田市のボラ

ンティア団体等が集まって「復興支援すいた市民会議」を立ち

上げました。

避難者とのお好み焼きやバーベキューパーティーを開催し、

避難者の話を聞くことから始めました。

避難家庭の多くが、小学生以下のお子さんとの避難であるこ

とがわかり、子育て避難家庭の安心づくり支援を検討し、避難家

庭の心配の第一は子どもの不安解消と考え、子どもの学習支援

や寄り添い支援並びに付き添いで来る親世代の交流を目的とし

て東日本大震災被災者支援「チームおせっかい」を 8 月に設立、

10 月 16 日第一回学習サポートを開始、避難者とつながる活動

を進めることとなりました。

「チームおせっかい」の仕事は、避難者と地域のボランティア団

体等との交流の場づくり、情報の提供にあります。

東日本大震災避難者支援 「チームおせっかい」 代表 青木良三

〒564-0062 吹田市垂水町 1-39-20 TEL:06-7504-5090 E-mail:[email protected]

学習サポート風景

大阪府立大学 I-siteなんば (南海なんば第 1ビル 2階)

(地下鉄御堂筋線「大国町」(1番出口)より 7分 南海電鉄「なんば」(中央出口)より 12分

東日本大震災により関西に避難している人

Page 2: +1 ú# · 2019. 10. 16. · 1q2%2N2W1r1q2#2N2 1r1q2%2N2 1r26252: 2 2 2V2J2%1>· A23 ... TEL >8 06 - 7504 - 5090 E - mail >8 sien@hukusi.or.jp Û*f§Ïîº8¼ +1

大坂の陣 400年 特別展

大坂 -考古学が語る近世都市-

1882 年着工以来、現在も

建設が進められているサ

グラダ・ファミリアはガ

ウディ没後 100 年にあた

る 2016年に完成予定。

会 期:3月 21日(土)~5月 24日(日) 10:00~18:00

(入館は閉館 30分前まで) 休館日:毎週月曜日(5月 4日(月・祝)は開館、5月 7日(木)は休館)

場 所:兵庫県立美術館 ギャラリー棟 3階 (JR「灘」駅下車 約 10分、 阪神電車「岩屋」駅下車 約 8分)

ご招待:5組 10人(抽選) 申込み:大阪市ボランティア・市民活動センター(担当:赤星・浜辺) (電話・メールにて。全員の名前・〒・住所・TELを添えて) 締 切:3月 28日(土) ※4月 4日頃のチケット発送をもってかえさせていただきます。

時空を超えたコラボレーション

特別展 ガウディ×井上雄彦

今年は、大坂夏の陣から 400 年。大坂城建設以前

から時代を追って、30 年にわたる発掘調査の出土品

を展示します。他にも、大坂の歴史や文化、暮らし

がよくわかる古絵図や古文書、絵画作品などが一堂

に勢ぞろいする特別展です。

会 期:4月 18日(土)~6月 8日(月) 9:30~17:00(金曜日は~20:00)

(入館は閉館 30分前まで) 休館日:火曜日(5月 5日(火・祝)は開館、

5月 7日(木)は休館)

場 所:大阪歴史博物館 6階 特別展示室 (地下鉄谷町線・中央線 「谷町四丁目」駅2号・9号出口)

ご招待:3組 6人(先着順) 申込み:大阪市ボランティア・市民活動センター(担当:赤星・浜辺)

(電話・メールにて。全員の名前・〒・住所・TELを添えて)

締 切:3月 28日(土) ※4月 4日頃のチケット発送をもってかえさせていただきます。

Ⓒgaudinoue 2014-15

化粧道具 18~19世紀 中之島蔵屋敷跡出土 大阪文化財研究所保管

「日本スペイン交流 400周年」を記念し

た展覧会。ガウディ自筆のスケッチ、図

面など貴重な資料約 100点とともに、井

上雄彦がガウディの物語を表現、描きお

ろした作品約 40点が展示されます。

東西異なるジャンルにおける世界観の

融合を楽しめる特別展です。

「SLAM DUNK」は国内発行

部数 1億部突破。京都・本

願寺に描いた親鸞の屏風

絵など漫画家の枠にとど

まらない活動も行う。

「よく眠れない」 「なんとなく気がふさぐ」

「慣れない土地で話し相手がいない」

「将来に不安がある」など

ひとりで悩まず、どんなことでもご相談ください。

※相談は無料。プライバシー

は固く守られます。

お問合せ・ご利用申込み

06(4963)2357

髪油を入れる油壺や鬢びん

水みず

入れ、内面に

濃い紅液を塗って売られた紅皿など。

鉄漿おはぐろ

壺つぼ

は、お歯黒液を作る時に使われ

た。

東日本大震災の時、福島で起きたこと 炉芯が溶けてしまった 1~3号機には、

4年経った今でも誰も行けません。行けば 即死、コンピューター(IC回路)は放射能 に弱いため、誤作動をおこしてしまいます。 炉心がどこにあるのか、どんな状態なのかわからない。こんな過酷な事故は原発以外ありえません。

避難生活への決心 地震が起きたときは、二人の幼子と

家にいました。家はだめになりましたが、 津波被害もなく、その日のうちに無事家族 と会うことができました。 もうひとつ本当によかったと思ったのは、避難所に

電気と水があったこと。これで情報が得られる、この水で何日かしのげると思ったからです。ですが、数日後東京の水で放射線量が出たと知りました。福島原発から 60km しか離れていないこの水が汚染されていないはずがありません。毒だとわかってわが子に与えなければならない…私たち夫婦だけでなく、多くの親がこのつらい決断をしたと思います。 子どもの通園時は、マスクに長袖、長ズボン、子どもが道端の落ち葉や小石を拾おうものなら、親は鬼の形相で怒っていました。県外の公園で「この石ころ持って帰っていい?」と怯えたように聞く子どもを見て、これではいけないと避難を決めました。その後、大阪に地縁があったことで避難ができ、夫の理解があって避難生活を続けています。 原発はクリーンで安全、という学校教育を受けてきましたが、同時に広島・長崎の戦争教育も受けてきました。その 2 つが同じ危険なものとして今理解できるのは、原爆を経験した人々が語り継いできてくれたお陰です。知った者が、気付いた一人ひとりが声をあげてゆくということが大人の責任であり、大切なことだと思っています。

方形桐文金箔瓦 16世紀 大坂城跡出土 大阪歴史博物館蔵

たべものと放射線量 基準を決め、その数値を境に‘安全’と決める

やり方は間違っていると思います。でも、その農産物も、生きるために作っているものです。その土地で生活を強いられている人がいる現実と、原発を容認してきた我々の責任として、大人達は受入れるべきではないでしょうか。ただし、こどもは絶対避けねばならなりません。まず守るべきこどもの命を大事にし、そしてみんなが被爆をしない社会を作るべきなのです。

社会福祉法人 博愛社 創立 125周年記念講演

放射線管理区域というもの 私の研究所は、4 万ベクレル/㎡の放射能を取り

扱うため、街から離れた山の中にあります。 ここは放射線管理区域と呼ばれ、トイレはなく、

水も飲めず、食べることもできません。外に出る時は、きちっと計測し、4 万ベクレル/㎡以内でないとドアが開きません。日本には、4 万ベクレル/㎡を超えているものはどんなものでも持ち出してはならないという法律があるからです。 事故後、放射性管理区域に相当するかそれ以上の

放射線量の中、いまだにたくさんの人たちが、暮らしを強いられています。法律があったのに、日本政府はそれを反故にしてしまった。勝手に逃げろと言って逃げられる人は多くはないでしょう。残れば被爆により身体が傷つき、避難すれば生活や家庭が崩壊し、心がつぶれてしまう。日本が法治国家なら、国家の責任でコミュニティーごと逃がすべきです。

司法の決断 一方、希望もあります。司法が変わってきました。

大飯原発差止請求裁判において、‘人格権の尊重’を謳い、「命と電気代を比べてはならない。国民の生活こそが国富である」と差止請求を認める判決をだしました。 都会が電気の恩恵を受けるために、危険を過疎地

に押し付けてきました。ですが、日本にある 50 数基の原発から 250km圏内で円を描くと、日本全国安全な場所はどこにもないのです。忘れていたいという思いと、忘れさせようとする思惑から、報道の減少がみられます。そして今、原発再稼働、輸出の拡大が進んでいます。

映画上映会(豊中、京都)

「FALLOUT」(邦題「死の灰」)

日 時:3月 24日(火)

14:00~16:00 場 所:とよなか国際交流センター

会議室 2AB (阪急宝塚線「豊中」駅下車すぐ)

日 時:3月 25日(水) 18:30~

場 所:ひとまち交流館 京都 (京阪電車「清水五条」下車 8分 市バス「河原町正面」下車すぐ)

日 時:3月 14日(土)18:30~ 場 所:ひとまち交流館 京都

「FALLOUT」は反核映画「渚にて」の制作過程を記録したドキュメンタリー映画です。(2013年、オーストラリア・日本語字幕・86分) 上映会の後は、来日し

ているプロデューサーのカウフマン氏との懇談会があります。 参加無料で豊中・京都

の 2ヶ所で開催されます。お近くの会場へどうぞ。

本誌第 44号で 20人のご招待をいただいた講演会「福島のいま・日本のいま ~大人の責任として、私たちはどのように生きるのか?~」の報告です。会場は、博愛社構内にあるステンドグラスの美しい聖贖主教会礼拝堂。講演は、小出裕章さん(京都大学原子炉研究所 助教)と森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表、東日本大震災避難者の会 Thanks&Dream代表)です。木の長椅子は全て埋まり、200人近い人が集まりました。

森松さんは福島県郡山市から大阪へ母子避難をし、4 年を迎えようとしています。「避難者にはそれぞれの決断、思いがあって状況は百人百様だが、多くの共通点がある」と避難に至るまでを語りました。

「渚にて」は 1959年に公開され、世界中に大きなセンセーションを巻き起こしました。第三次世界大戦によって壊滅する地球を描き、核の恐怖を訴えた映画です。 「FALLOUT」をご覧になる前に、こちらもどうぞ。参加費無料です。

日本産業カウンセラー協会

日時:3月 25日(水) 10:00~15:00

※昼食は各自でご用意ください。 場所:大阪市立社会福祉センター 3階

(地下鉄「谷町九丁目」駅、

近鉄「大阪上本町」駅 11番出口)

毎月第 4水曜日開催の交流会☆今回は昼から素敵なコンサートがあります。途中参加・途中退室は自由。当日参加も大歓迎です。

☆保育あります。希望される場

合、事前予約をお願いします。

歌が大好き!たくさんの人と素敵な時間を共有したい!と各方面で活動しているコーラスグループ MCA。

小出先生は、「こんなに莫大な危険を抱えた機械は使うべきではない、事故が起こる前に何とか止めなければ」と、一貫して原発反対の立場をとっておられます。科学者の目から見た、福島で起きたことや現状を、わかりやすく話しました。

4年間かけ続けている水は、汚染水として増え続けています。現場に長時間いればいる程被爆してしまうので作業は簡素化され、タンクからどんどん汚染水が漏れている状態です。まだ事故は収束していません。