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ヒューマノイドロボットの不整地歩行のための 軟弱地面動的沈下モデル Dynamic Sink Model of Loose Soil for Humanoid Robot Walking on Uneven Terrain 小貫 督仁(北大) 小水内 俊介(北大) 近野 敦 (北大) Yoshihito ONUKI, Hokkaido University, Shunsuke KOMIZUNAI, Hokkaido University, Atsushi KONNO, Hokkaido University, [email protected] When a humanoid robot walks on loose soil such as sand and snow, it is important for the humanoid robot to roughly estimate the dynamic behavior of the loose soil. This paper discusses a dynamic model of loose soil. Sand is taken as an example of loose soil. A mock-up of a foot of the humanoid robot with different loads is dropped onto the sand, and the relationship between the sinkage and ground reaction force generated on the mock-up is investigated. Based on the experimental results, a dynamic sink model of the sand is discussed. The parameters of the model are determined by performing dynamic simulations so that the error between the simulation result and experimental result is minimized. Key Words: Humanoid robot, Loose soil, Walking on uneven terrain 1. はじめに 従来,ヒューマノイドロボットは人間に代わって過酷な労 働を行うことが期待されてきた.土木,建設,災害救助など の現場では砂,土,雪といった軟弱な路面状況が想定される. しかし,これまでヒューマノイドロボットを含む二足歩行ロ ボットの研究は,固い床の上が前提とされてきた [1]軟弱地面における歩行技術を開発するうえで,軟弱地面に おけるロボットの挙動を予測することが重要となる.車両に 関しては,軟弱地面における走行性能の予測が重要であり, その方法はテラメカニクス [2] と呼ばれる分野において研究 されてきた.テラメカニクスにおいて,車輪の沈下の要因は 接地面に作用する接地圧と車輪のスリップに分けられている. 車輪や履帯を対象とした従来のテラメカニクスモデルで は,車輪のスリップによる沈下量の動的変化が考慮されてい [3].一方,車両は基本的に常時接地状態にあるため,接地 圧による沈下は定常状態のみが考慮され,その動的沈下挙動 についてはほとんど議論されていない.しかし,二足歩行の 場合には接地が繰り返されるため,接地圧による沈下量の動 的変化を考慮することが必要となる.小水内らは軟弱地面に おける二足歩行シミュレーションを行っており,スリップによ る沈下量の動的変化モデルを接地圧による沈下にも適用して いるが,その妥当性については議論していない [4, 5]本論文では,砂地におけるヒューマノイドロボットの歩行 を想定して,接地圧による動的沈下挙動を考慮した軟弱地面 モデルについて述べる.接地圧による動的沈下特性と除荷後 も沈下量が保存される塑性を表す軟弱地面モデルを示す.ま た,動的平板載荷試験によって接地圧と沈下量の関係を解析 し,本モデルに含まれるパラメータを同定する.さらに,本 モデルと同定されたパラメータについて実験的に評価するこ とで,本モデルの妥当性を示す. 2. 軟弱地面動的沈下モデル 接地圧による動的沈下特性と除荷後の塑性を併せ持つ軟 弱地面モデルとして,図 1 に示す Burgers モデルを考える. Burgers モデルは,Maxwell モデルと Voigt モデルを直列結合 したモデルであり,その運動方程式は次のように表される. c 2 k 2 k 1 c 1 σ x Fig. 1 Burgers model t x σ σ 0 (a) Step response t x σ σ 0 (b) Impact response Fig. 2 Response of burgers model c1c2 ¨ x + c1k2 ˙ x = k2σ + c 1 (k 1 + k 2 )+ c 2 k 1 k 1 ˙ σ + c1c2 k 1 ¨ σ (1) ここで,σ はモデルにかかる圧力,x は変位である. c1,c2,k1,k2 Burgers モデルに含まれる粘性係数および弾性 係数であり,これらのパラメータは地盤材料に依存するのた め実験的に同定する必要がある. 2 に,Burgers モデルの基本的な応答を示す.図 2 (a) のス 䢵䣃䢳䢯䣅䢲䢹 䢵䣃䢳䢯䣅䢲䢹䢪䢳䢫 䣐䣱䢰 䢳䢶䢯䢴 䣒䣴䣱䣥䣧䣧䣦䣫䣰䣩䣵 䣱䣨 䣶䣪䣧 䢴䢲䢳䢶 䣌䣕䣏䣇 䣅䣱䣰䣨䣧䣴䣧䣰䣥䣧 䣱䣰 䣔䣱䣤䣱䣶䣫䣥䣵 䣣䣰䣦 䣏䣧䣥䣪䣣䣶䣴䣱䣰䣫䣥䣵䢮 䣖䣱䣻䣣䣯䣣䢮 䣌䣣䣲䣣䣰䢮 䣏䣣䣻 䢴䢷䢯䢴䢻䢮 䢴䢲䢳䢶

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ヒューマノイドロボットの不整地歩行のための

軟弱地面動的沈下モデル

Dynamic Sink Model of Loose Soil for Humanoid Robot Walking on Uneven Terrain

○ 小貫督仁(北大) 正 小水内俊介(北大) 正 近野敦(北大)

Yoshihito ONUKI, Hokkaido University,Shunsuke KOMIZUNAI, Hokkaido University,

Atsushi KONNO, Hokkaido University,[email protected]

When a humanoid robot walks on loose soil such as sand and snow, it is important for the humanoid robot to roughly estimate the dynamicbehavior of the loose soil. This paper discusses a dynamic model of loose soil. Sand is taken as an example of loose soil. A mock-up of a foot ofthe humanoid robot with different loads is dropped onto the sand, and the relationship between the sinkage and ground reaction force generatedon the mock-up is investigated. Based on the experimental results, a dynamic sink model of the sand is discussed. The parameters of the modelare determined by performing dynamic simulations so that the error between the simulation result and experimental result is minimized.

Key Words: Humanoid robot, Loose soil, Walking on uneven terrain

1. はじめに

従来,ヒューマノイドロボットは人間に代わって過酷な労

働を行うことが期待されてきた.土木,建設,災害救助など

の現場では砂,土,雪といった軟弱な路面状況が想定される.

しかし,これまでヒューマノイドロボットを含む二足歩行ロ

ボットの研究は,固い床の上が前提とされてきた [1].

軟弱地面における歩行技術を開発するうえで,軟弱地面に

おけるロボットの挙動を予測することが重要となる.車両に

関しては,軟弱地面における走行性能の予測が重要であり,

その方法はテラメカニクス [2] と呼ばれる分野において研究されてきた.テラメカニクスにおいて,車輪の沈下の要因は

接地面に作用する接地圧と車輪のスリップに分けられている.

車輪や履帯を対象とした従来のテラメカニクスモデルで

は,車輪のスリップによる沈下量の動的変化が考慮されてい

る [3].一方,車両は基本的に常時接地状態にあるため,接地圧による沈下は定常状態のみが考慮され,その動的沈下挙動

についてはほとんど議論されていない.しかし,二足歩行の

場合には接地が繰り返されるため,接地圧による沈下量の動

的変化を考慮することが必要となる.小水内らは軟弱地面に

おける二足歩行シミュレーションを行っており,スリップによ

る沈下量の動的変化モデルを接地圧による沈下にも適用して

いるが,その妥当性については議論していない [4, 5].

本論文では,砂地におけるヒューマノイドロボットの歩行

を想定して,接地圧による動的沈下挙動を考慮した軟弱地面

モデルについて述べる.接地圧による動的沈下特性と除荷後

も沈下量が保存される塑性を表す軟弱地面モデルを示す.ま

た,動的平板載荷試験によって接地圧と沈下量の関係を解析

し,本モデルに含まれるパラメータを同定する.さらに,本

モデルと同定されたパラメータについて実験的に評価するこ

とで,本モデルの妥当性を示す.

2. 軟弱地面動的沈下モデル

接地圧による動的沈下特性と除荷後の塑性を併せ持つ軟

弱地面モデルとして,図 1に示す Burgersモデルを考える.Burgersモデルは,Maxwellモデルと Voigtモデルを直列結合したモデルであり,その運動方程式は次のように表される.

c2

k2

k1

c1

σ

x

Fig. 1 Burgers model

t

x

σ

σ0

(a) Step response

t

x

σ

σ0

(b) Impact response

Fig. 2 Response of burgers model

c1c2x+ c1k2x = k2σ +c1(k1 + k2) + c2k1

k1σ +

c1c2k1

σ (1)

ここで,σ はモデルにかかる圧力,x は変位である.

c1, c2, k1, k2 は Burgersモデルに含まれる粘性係数および弾性係数であり,これらのパラメータは地盤材料に依存するのた

め実験的に同定する必要がある.

図 2に,Burgersモデルの基本的な応答を示す.図 2 (a)のス

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(a) Overview

(b) Detail of the weight

Load-cell

Weight

Markers

(c) Arrangement of load-cell

Fig. 3 Measurement system

テップ応答では,載荷直後の急激な沈下量変化が整定していく

点や,除荷後も沈下量は完全には復元しない点から,本モデル

が粘弾塑性を示すことがわかる.図 2 (b)は着地時の衝撃的な接地圧を想定した場合の応答を示しており,衝撃的な入力に対

する応答も図 2 (a)と同様の粘弾塑性をの挙動を示している.

3. 動的平板載荷試験Burgersモデルに含まれる地盤材料に依存するパラメータを

同定するために,接地圧と沈下量の変化の関係を実験的に調

べる必要がある.そこで,軟弱地面上に接地板の付いた錘を

落下させ,接地圧と沈下量の変化を計測する.本研究では,

軟弱地面の例として砂を用いる.

図 3 (a)に計測システムの概観を示す.本計測システムはレール,錘,ロードセル,接地板,砂場から構成されており,

これらの装置をモーションキャプチャシステムが取り囲んで

いる.モーションキャプチャシステムとロードセルはともに

計測用コンピュータに接続されている.図 3 (b)に示す錘の重量は 2.0–6.0 [kg]まで 0.2 [kg]刻みで変更することができ,レールに沿って傾くことなく落下する.図 3 (c)に示すように,錘と接地板との間には PCB社製衝撃用ロードセル 200B05が取り付けられており,最大 22 [kN]までの接地時の衝撃力を150 [kHz]で計測することができる.ロードセルと接地板との間には,金属接触によるチャタリングを防ぐ目的でゴムシー

トが挟み込まれている.接地板の面積が既知であるため,

ロードセルの計測結果から接地圧の変化を計算することがで

きる.平板の沈下量変化は Vicon社製光学式モーションキャプチャシステムによって計測する.平板の四隅に反射マーカ

を取り付け,このマーカの軌道をもとに沈下量を計算する.

マーカ軌道は,ロードセルと同期して 100 [Hz]で撮影される.

Table 1 Experimental condition

No. 1 2 3 4 5 6

Weight [kg] 2.0 2.0 3.0 2.4 2.6 3.2

Height [mm] 50 90 90 90 90 90

Max. impulsive 102 326 592 308 260 214

force [N]

0 0.02 0.04 0.06 0.08−0.9

−0.8

−0.7

−0.6

−0.5

−0.4

−0.3

−0.2

−0.1

0

0.1

0.2

Time [s]

Sin

kage

[mm

]

−1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

x 10−3

Pre

ssur

e [N

/mm2 ]

SinkagePressure

Fig. 4 An experimental result (Weight=2.0 [kg], Height=50 [mm],Condition no. 1)

0 0.02 0.04 0.06 0.08−0.9

−0.8

−0.7

−0.6

−0.5

−0.4

−0.3

−0.2

−0.1

0

0.1

0.2

Time [s]

Sin

kage

[mm

]

−1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

x 10−3

Pre

ssur

e [N

/mm2 ]

SinkagePressure

Fig. 5 An experimental result (Weight=2.4 [kg], Height=90 [mm],Condition no. 4)

砂場には,特性が規格化され,テラメカニクスを含む地質分

野において標準砂として用いられる豊浦砂を用いる [6].

計測は,表 1に示す 6通りの条件について行った.接地時の衝撃力を変化させるために,錘を落下させる高さを 50,90 [mm]の 2通り,錘の重量を 2.0–3.2 [kg]の範囲で 5通り試行錯誤的に選び,それらの組み合わせで条件を設定する.そ

の結果,102–592 [N]の範囲で最大衝撃力を変化させることができる.各条件につき 5回の計測を行った.

図 4,5に計測結果のうち二つの特徴的な結果を示す.図 4は錘の重量 2.0 [kg],落下高さ 50 [mm]の結果,図 5は錘の重量 2.6 [kg],落下高さ 90 [mm]の結果である.本計測では,接地板の四隅に設置されたマーカの位置から接地板中央の位置

を計算し,これを接地板の沈下量とみなしている.この沈下

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挙動は,大きく次の 2通りのパターンに分けることができる.一方は,図 4に示すように載荷にともない沈下量が増大し,除荷後には沈下がある程度復元するパターンである.他方は,

図 5に示すように載荷とともに沈下量が増大し,除荷後も最大沈下量を維持するパターンである.どちらのパターンでも,

載荷にともない沈下量が増大する点と除荷後に沈下量が残る

点は共通している.一方,除荷後に沈下の復元が生じる点が

相違点となっている.この違いは錘の重量に起因すると考え

られる.衝撃的接地の後の整定時には錘による一定荷重が作

用するため,錘の重量が大きい場合には復元が起こりにくい

と考えられる.これらの特徴から,いずれの計測結果も定性

的には粘弾塑性的な挙動を示しているといえる.

4. パラメータ同定Burgersモデルによって豊浦砂の沈下挙動を再現するため

に,本計測の結果に基づいて本モデルに含まれる地盤材料依

存のパラメータ (c1, c2, k1, k2)を同定する.ある条件における計測結果のうち,サンプリングタイ

ム iにおける接地圧を pexp,i,沈下量を sexp,i とする.また,

pexp,i を入力として Burgersモデルから計算される沈下量をssim,i(x)とする.ここで,xはBurgersモデルのパラメータであり,下記のように表される.

x = [c1 c2 k1 k2]T (2)

計測およびモデルから得られた沈下量の差の二乗和を全サ

ンプリングタイムにわたり積分し,その総和が最小となるよ

うなパラメータを探索する.これは,不等式制約付き非線形

最適化問題として次のように定式化される.

minx

f(x) =∑i

(sexp,i − ssim,i(x))2

sub. to x > 0 (3)

x = [c1 c2 k1 k2]T

この最適化問題を解くために,MathWorks社製 MatlabのOptimization Toolboxを利用する.表 2に各計測結果について最適化により同定されたパラ

メータを示す.目的関数に着目すると,比較的よく最小化さ

れている試行と比べ,依然大きい試行は桁違いに大きくなっ

ている.図 6–8にそれぞれ目的関数が小さい場合,大きい場合,それらの中間の場合について,計測とモデルから得られ

た沈下挙動を示す.図 6および図 8では計測とモデルから得られた沈下挙動が比較的よく一致している.これらの沈下挙

動は前節で述べた 2通りのパターンに属するものであり,砂の粘弾塑性を表すモデルとして Burgersモデルが妥当であることを示している.それに対して,図 7はほぼ全域にわたり全くフィッティングができていないことがわかる.これは,一

度沈下・復元したのち,接地圧がほとんど作用していない

にもかかわらずさらに時間をかけて大きく沈下しており,

図 2 (b)に示した Burgersモデルの基本的な挙動とは異なるためであると考えられる.

表 2中の目的関数が比較的よく最小化されている試行同士を比べると,各決定変数 x = [c1 c2 k1 k2]

T は必ずしも近い値

になっていない.これらは,同一の地盤材料の特性を表すも

のであり,理想的には同一の値となるべきである.この差異

は,計測から得られた接地圧および沈下量を直接利用してパ

ラメータを同定していることに起因すると考えられる.沈下

0 0.02 0.04 0.06 0.08−0.9

−0.8

−0.7

−0.6

−0.5

−0.4

−0.3

−0.2

−0.1

0

0.1

0.2

Time [s]

Sin

kage

[mm

]

−1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

x 10−3

Pre

ssur

e [N

/mm2 ]

Sinkage (Simulation result)Sinkage (Experimental result)Pressure

Fig. 6 Result of parameter fitting(Weight=2.0 [kg],Height=50 [mm], Condition no. 1)

0 0.02 0.04 0.06 0.08−0.9

−0.8

−0.7

−0.6

−0.5

−0.4

−0.3

−0.2

−0.1

0

0.1

0.2

Time [s]

Sin

kage

[mm

]

−1

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1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

x 10−3

Pre

ssur

e [N

/mm2 ]

Sinkage (Simulation result)Sinkage (Experimental result)Pressure

Fig. 7 Result of parameter fitting(Weight=2.4 [kg],Height=90 [mm], Condition no. 4)

0 0.02 0.04 0.06 0.08−0.9

−0.8

−0.7

−0.6

−0.5

−0.4

−0.3

−0.2

−0.1

0

0.1

0.2

Time [s]

Sin

kage

[mm

]

−1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

x 10−3

Pre

ssur

e [N

/mm2 ]

Sinkage (Simulation result)Sinkage (Experimental result)Pressure

Fig. 8 Result of parameter fitting(Weight=2.0 [kg],Height=90 [mm], Condition no. 2)

量に着目すると,計測結果から得られるのはあくまでも接地

板の沈下軌跡であり,本解析で扱うべき軟弱地面の沈下軌跡

と厳密に同じとは言えない.接地板は接地時の衝撃で一瞬バ

ウンドする場合があるが(図 6,図 7),軟弱地面は直前の最

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Table 2 Estimated parameters of burgers model

No. c1 [N· s/mm3] c2 [N· s/mm3] k1 [N/mm3] k2 [N/mm3] f(x)

1 0.000208 7.57 0.0112 7.99×105 6.11

2 0.000105 428 7.86 7.56×103 75.4

3 0.000209 9.97×104 4.21×105 8.37×105 60.2

4 1.37×105 2.87×105 0.0715 8.44×105 1.01×103

5 5.99×10−5 3.20×105 0.0319 8.11×105 193

6 7.28×105 5.61×105 0.0123 6.77×105 1.00×103

大沈下量を維持している可能性もあり,この挙動をモデルに

含めるべきでない可能性がある.また,接地圧に着目すると

負になっている期間が存在するが,これはバウンド中の平板

側の慣性によるものと考えられる.したがって,接地圧が負

の期間は接地圧を 0 [N/mm2] として前処理を行う対応が考えられる.このような前処理により,各試行間の同定結果のば

らつきを低減させることが期待できる.

5. おわりに本論文では,砂地におけるヒューマノイドロボットの歩行

を想定して,接地圧による動的沈下挙動を考慮した軟弱地面

モデルについて述べた.接地圧による動的沈下特性と除荷後

も沈下量が保存される塑性を表す軟弱地面モデルを示した.

また,動的平板載荷試験によって接地圧と沈下量の関係を解

析し,本モデルに含まれるパラメータを同定した.さらに,

本モデルと同定されたパラメータについて実験的に評価する

ことで,本モデルの妥当性を示した.

今後は,同定されたパラメータのばらつきを低減するため

に,負の接地反力の除外や,平板の沈下軌跡から軟弱地面の

沈下軌跡を推定する処理などを試みる.

文献

[1] 梶田秀司,“ヒューマノイドロボット”,オーム社,1993.

[2] 室達郎,“テラメカニックス—走行力学—”,技報堂出版,1993.

[3] 伊藤信孝,“トラクタ駆動輪のすべり沈下について (第 1報)”,農業機械学会誌,vol. 35, no. 3, pp. 238–244, 1973.

[4] 小水内俊介,近野敦,安孫子聡子,内山勝,“二脚ロボットのための軟弱地面における動的沈下モデル”,第 29回日本ロボット学会学術講演会予稿集, 1J2-4, 2011.

[5] Komizunai, S. Konno, A., Abiko, S. Jiang, X. and Uchiyama, M., “DynamicSimulation of Biped Walking on Loose Soil,” International Journal of HumanoidRobotics, vol. 09, no. 4, 2012.

[6] 細野康代,吉嶺充俊,“豊浦砂の粒度分布”,土木学会第 64回年次学術講演会,pp. 335–336, 2009.

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