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すぐにできる VOC対策 塗装で取り組むVOC削減

すぐにできる VOC対策...VOC研修会(やさしい環境講座) VOC排出規制とは? 環境だけでなく、人体にもさまざまな悪影響を 及ぼすのが「VOC=揮発性有機化合物」で、

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すぐにできる VOC対策 塗装で取り組むVOC削減

地球温暖化とは 気候変動・エネルギー • 気候変動で、なぜ地球が温暖化するといけないの?

気候変動の危険な影響が人々や生態系を

脅かしています。化石燃料を減らし温室効果ガスの

大幅に削減し、気候変動の影響にそなえる事です。 世界の平均地球気温の上昇を抑制する事。大気中の

CO2濃度が750ppmが最も危険な状態でCO2濃度500ppm以下に下げると安定する。 すでに0.6度あまり上

昇しており、近年の異常気象も原因の始まりと考えられ

る。 温室効果ガス削減取り組みにチーム・マイナス6%に参加しましょう。

1990年に比べ排出量の削減目標があるが非常に難しい状態。

地球温暖化に規制例 自動車関連の規制例

自動車の排気ガス規制

• ジーゼル車 NOx(窒素酸化物)PM法

フロンガスは オゾン層の破壊に影響する。

• エアコンや車の冷却装置に使用するフロンガスは、実は • 二酸化炭素よりも温暖化効果があるので • 充分な対策が必要。

揮発性有機化合物(VOC)の削減

大気汚染防止法

光化学スモッグ削減

VOC研修会(やさしい環境講座)

VOC排出規制とは?

環境だけでなく、人体にもさまざまな悪影響を

及ぼすのが「VOC=揮発性有機化合物」で、

溶剤・シンナー等を減らすことです。

「事業者の自主取り組み」とは?

平成22年までにVOC排出量を30%以上削減する事です。

光化学スモッグ対策

光化学スモックにご注意を! • 光化学スモッグの発生機構と影響について

• (発生メカニズム) • 自動車の廃棄物窒素酸化物(NOX)廃ガスと、

• 工場のバイ煙とか、

• ガソリンやシンナー等、VOC(揮発性有機化合物)が太陽の紫外線を

• 受けて化学反応を起こすと

• 『光化学オキシダント』と呼ばれる物質が発生し、白くモヤがかかった

• 『光化学スモッグ』と呼ばれる状態になる事があります。

• この光化学スモッグは、4月から10月にかけて、気温が高く

• 風が弱く、日差しの強い日に発生しやすくなります。

光化学スモックが発生した場合 • 人の健康障害と植物の葉に斑点が発生する。

• ★ 眼の刺激(眼のちかちか感)、(流涙等)の症状 • ★ 呼吸器障害(鼻や、のどが痛い)呼吸気道の刺激。 • 『光化学オキシダント』 測定地域

• ★ 21年度全国の光化学オキシダントの • 発令日数が123日、被害届出人数は、 • 12県で合計910人だった。

VOCとは? 揮発性溶剤

• ‘’揮発性‘’とは、「蒸発しやすい」という事です。 • 一般的にはほとんどの有機溶剤がVOCです。

• VOCは臭います。すなわちVOCが蒸発している • 状態でそこにいる人の健康を害し、大気汚染と • なります。 • VOCが光化学スモッグの発生の原因となります。

VOCが環境汚染と危険性

•光化学スモッグ(窒素酸化物NOX) •浮遊粒子状物質(ほこり・SPM)

VOCの

有害性

•VOCは、大気中で紫外線を受

けて、工場や自動車の排気ガスと

反応して光オキシダントとなる。

光化学スモッグ

•人の健康や植物に影響を及ぼし、 •粘膜刺激・呼吸器への影響・ 光化学スモッグ

VOC排出規制とは?

• VOCと、どう付き合う? • VOCは人の健康や植物などに、影響を及ぼす原因となる物質です。しかし、塗料を溶かし

• たり、様々な場面でとても役に立つ、機能的な材料です。

• 環境リスクを最小限に抑える為の配慮が必要か、その答えの一つが「排出削減」です。

VOC削減のメリットや改善効果 • 作業環境の改善

• 塗料の使用量が減る • 大気中のVOC排出量が減る • 従業員の健康面でもメリット有り • 塗料の飛散が少ないと清掃 • コストが削減 • 産業廃棄物処理コストの削減

作業環境改善

VOC削減のメリットや改善効果

• ムダの削減・利益アップ

• 容器(塗料・希釈剤・洗浄剤)にふたをする(揮発させない) • 密閉化や覆いをする • 容器を高温の場所(ボイラーの横など)に置かない。

ムダの削減

• ムダが無くなり(コスト削減)、利益が向上します。 • お金を掛けないで出来る対策はいろいろあります。 利益アップ

• VOC排出規制の対象は大工場だけ?? NO です. • 「溶剤を扱う全事業所」が対象で、うちの工場は関係 • 無いというわけではありません.

塗料の使用料20%削減

すぐできるVOC対策(その1)

• ムダは無いですか? チェックしてみましょう

• 日常管理でのチェック • 容器(塗料・希釈剤・洗浄時に使用したウエス)などにふたをする(揮発させない)

• 密閉化や覆いをする • 容器を高温の場所(ボイラーなど)に置かない • (保管場所の温度管理)

すぐできるVOC対策(その2)

• 作業でのチェックポイント

★ スプレー作業(距離・吐出量と・角度・空気圧)の 改善の余地の検討(塗着効率向上) ★ スプレーガンのタイプを変更出来ないか (高効率ガンによる微粒化改善) ★ 適正な希釈率管理により、塗装必要量の調合

すぐできるVOC対策(その3)

• 作業でのチェックポイント

★ 調色や色変え時の見直し(使用量削減のため 少ない洗浄、カップガンや重量式タンクの使用) ★ 洗浄溶剤の回収と洗浄方法(溶剤再生機・ スプレーガン洗浄機の有効利用) ★ 塗装ブースの風速は強すぎないか(塗装ロス)

すぐできるVOC対策(その4)

• 作業でのチェックポイント

★ 作業場の整理・整頓(不要なものは無いか) 清掃がされているか。 ★ 設備・機器のメンテナンス(定期的な点検・清掃)

★ 作業場でシンナーなどの臭いがしないか?

今後に予想される規制内容

水性塗料と低VOC溶剤

型塗料の採用の条件

第三者機関による

VOC排出量の測定

VOC対策と共に悪臭

防止対策の強化

VOC排出量の提出

義務化

2010年以後

現場サイドのVOC対策

• 良く見かける塗装作業現場

現場サイドのVOC対策

整理整頓された塗装作業場

整理整頓された塗装作業場

整理整頓された塗装作業場

洗いシンナー容器にふたが無い 温度20度C・一夜で10%が蒸発

洗いシンナー容器にふたが無い 温度20度C・一夜で10%が蒸発

ふたが付いた洗いシンナー容器

ガン洗浄器の利用(シンナー削減)

理想のシンナー再生機と ガン洗浄器採用でシンナー削減

塗装中のVOC排出(例)

• 500KGの溶剤型塗料を対策無しで • 塗装すると、大気中に排出する • VOC量は270KG!!!

排出公害

• 現在市販の水性塗料はパール・及び • メタリック塗装のみで試算は75%削減 水性塗料

• 低溶剤塗料使用量、作業時間の削減 • 従来の溶剤型と比較して55%削減

(低溶剤型)

ハイソリット塗料

VOC年間使用量・排出量 アンケート集計23年度(22年度実績調査)

使用量 使用量平均 排出量 シンナー以外 シンナー 排出量平均

大阪府 191,165 1,038 152,208 59,598 92,609 827

京都府 108,782 899 86,610 34,217 52,392 715

兵庫県 157,077 801 125,008 53,115 71,893 637

奈良県 79,787 643 63,641 20,695 42,945 513

滋賀県 63,022 1,016 50,187 18,953 31,234 809

和歌山県 53,058 547 42,225 13,244 28,980 435

合 計 652,893 832 519,880 199,825 320,055 663

大阪 京都 兵庫 奈良 滋賀 和歌山

会員数 192社 172社 200社 130社 62社 103社

回答数 184社 121社 196社 124社 62社 97社

回収率 96% 70% 98% 95% 100% 94%

VOC自主規制チェックシート VOC使用量計算式 サンプル

項 目 購入量 年度末 在庫量

前年度 在庫量

使用量 単位KG

1 クリアー(従来型) 0.0 ①

2 クリアー(低溶剤型) 275.0 107.9 ②

3 ベースコート(従来型) 44.0 33.0 ③

4 ベースコート(低溶剤型) 248.0 161.2 ④

5 ベースコート(水性型) 0.0 ⑤

6 プラサフ 85.0 29.8 ⑥

7 硬化剤 97.0 53.4 ⑦

8 パテ 27.0 1.62 ⑧

9 シンナー 1269.0 1269.0 ⑨

10 年間のVOC使用量合計(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+⑧+⑨) 1655.9

このシートは、年間VOC排出量を計算するシートです

上の計算表の黄色字の枠内の中に数量を記入するだけで、年間のVOC排出量が計算できます。

VOC自主規制チェックシート VOC排出量計算表 サンプル

排出塗料明細 使用量 廃棄量 VOC排出量

① クリアー 107.9 85.3 ⑩

② カラーベース 194.2 153.5 ⑪

③ プラサフ 29.75 23.5 ⑫

④ 硬化剤 53.4 42.2 ⑬

⑤ パテ 1.6 1.3 ⑭

⑥ シンナー 1269.0 1015.2 ⑮

1655.9 1321.0

年間VOC排出量(⑩+⑪+⑫+⑬+⑭+⑮) 1321.0

環境問題の本質とは何か

• 環境問題は • ① [資源]の使い過ぎ(化石燃料を使い過ぎている) • ② [廃棄]のしすぎ (地球の容量を超えて捨てている) • いままで、「それが“当り前”」と思っていたから?? • 過剰ということは、最適な水準があるの??

• なぜ環境を守らなければならないのか?? • 私たちの経済活動は、地球から[資源]を受け取り、出てきたゴミを • 地球に[廃棄]することで成り立ってきましたが、地球=自然環境には • 環境破壊の影響が現れ始め、影響は広い範囲に及びます。

• 「守らなければ、人類に未来はないかも…・・」 • 「未来の子どもたにのために、」 意識を高める必要があります。

「10年先、私たちは何をしているだろう」 • かっては、環境では食えないと言われてました。

• でも今は、環境対策をやらないと食えない時代です。

• CSR(企業の社会的責任)とは何だろう • 企業に対する世間の認識が変化したのです。

• 企業は、さまざまな、ステークホルダーに対して説明責任を果たす事が容求 • されています。 (地域社会・政府・行政機関・金融機関・顧客・消費者・ • 取引先・従業員・)に関わる利害関係者の事

• 各事業所と、業界団体が、環境整備を認識し出来ることから随時実行して • 長期的な視野に向けて話し合い、問題解決をしましょう。

• 法令遵守や環境保全など企業が果たすべき責任は多い。

いま環境にやさしい工場になると?? 将来の法改正によりVOC規制対象の工場になっても安心です。

東京都をはじめとする各自治体ではVOC排出規制に沿った形で

独自のガイドラインを設定し、VOC排出規制削減の姿勢を

打ち出しています。

損害保険会社の工場評価基準に「VOC規制対応状況」が安心。

お客さまに対し「環境配慮=エコロジー=安心」をアピール。

まとめ

• VOC排出量の削減と従業員の健康管理

• 有機溶剤健康診断・じん肺診断など義務強化

• 《シンナーの臭いがしない作業環境を》

• 事業者の理解・指導・従業員の協力と自覚

• 出来る範囲から前向きに行動をしましょう。

こんな綺麗な空を残したい