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通信処理概論
システム工学群(電子・光系) 担当教員:野中 弘二
講義:6月9日~8月4日 第1回小テスト:6月30日 第2回小テスト:7月28日 最終テスト:8月4日
ノート②【TDM多重伝送】 【通信網構築】
多重通信方式 • TDM(時分割多重):同期が重要! データの読み取り、書き込み重ね合せの周期が正確に決定される必要がある ⇒フレーム同期周波数の統一
S2 S1
・・・
PCM(8bit2進数データ列)
サンプリングデータ
この周期を実現するにはネットワーク内の 【送受信端末・交換機・多重伝送装置】 全てのタイミングが「同期」している必要がある。
• 「網同期」 • 「フレーム同期」 • 「バイト多重」
125µm
8kHz(125µs)
フレーム同期 (ここに多chの多重データ)
・・・ ・・・ ・・・
ch1 ch2
S3
S2 S1
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TDM:網同期・Byte多重化
• 網同期→親局がクロック配信 ネット内従属同期方式で125µsのフレームを同期 クロック周波数とフレーム位相が完全に一致
• なぜバイト多重(オクテット多重)→ 64kbit/sの量子化ステップ8bitをばらさない
キャラクタ信号+パリティでの直接処理可能
↑<TDM多重や品質監視が楽な組み合わせ>
デジタル変調方式
PCM して時間的に“1”,“0”の情報列送信 ⇒TDM:時分割多重
信号をサンプリング 量子化 2進符号化
1. クロック周波数の網同期 2. フレーム規格の統一,同期 3. フレーム内に時間的に圧縮したByte情報をタイミングをずらして並べる 4. 誤り訂正など監視・管理ヘッダーをつける 5. 送信 ⇒ ビットごとの3R再生中継 ⇒ 受信 6. 群としてフレーム内に時間多重:「デジタルハイアラーキ」
多重の方法(TDM)
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多重の方法(TDM)
演習:TDM多重のビットレート
(多重化する際のビット数、ビットレートが変化する 例1)
0次群:1フレームで1サンプリング8bitを 24ch 多重化した場合 1フレーム周期(125µs)に24×8+1=193bit
フレーム同期パルス(フラッグビット)
2次群 6.312Mbit/s 1次群 1.544Mbit/s
4ch多重 ⇒ 1秒に6.312×106 bit 125µsに○bit ⇒ 1秒に1.544×106 bit 125µsに△bit
193 193 193 193 ?
125µs
789bit/frame
{6.312×106 }×{1.25-4×10 }=789bit/frame {1.544×106 }×{1.25-4×10 }=193bit/frame
17bit
(例題3:0次群から2次群に96ch多重化した場合、フレーム同期パルスは何ビット?)
(多重化する際のビット数、ビットレートが変化する 例2)
⇒ 1.544×10 bit/s 1次群インターフェース
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フレーム・ISDN・SDHの関係
SDH:TDMのメインメニュー! 同期デジタルハイアラーキを世界標準化 1988CCITT → SDH ( Synchronous Digital Hierachy ) SDHではフレーム内に顧客情報=ペイロードと 管理ヘッダー(SOH,AU-Pointer)を搭載
155.52Mbit/sを基本速度→フレーム基本単位
STM-1( Synchronous Transport Module-1)
STMーN 多重単位→追加のフラッグビット不要、 同期多重、リアルタイム(再送なし) (滅多にエラーが起きない光通信前提)
STM0(52Mbit/s)~STM64(9.95Gbit/s),256(40Gbit/s+FEC) まで実用化
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世界標準化されたハイアラーキ 群の階層 群の構成 周波数帯域 チャンネル数
0次群 1×音声 64kbit/s 1
1次群 24×0次群 1.544Mbit/s 24
2次群 SG
4×1次群 6.312Mbit/s 96
3次群 (STM- 0)
7×2次群 51.84Mbit/s 672
4次群 (STM-1)
3×3次群 155.52Mbit/s 2016
5次群 (STM-4)
4×STM-1 622.1Mbit/s 8064
6次群 STM-16
16×STM-1 2.488Gbit/s 16256
STM-48 48×STM-1 9.9952Gbit/s 4倍
STM-256 256×STM-1 約40~43Gbit/s 4倍
+Flag 1bit
+Flag 17bit
Flag-bit -追加なし
FEC誤り 訂正bit追加
STM-N多重(バイト多重)
固定同期パターンA1バイト(フラッグ)がフレームの同一箇所に続いているので追加のフラッグビットはもうけず、そのままNフレーム多重(ビットレートも単純にN倍)→管理 楽、単純
*B1、B2はパリティ符号誤り監視の一種
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ペイロード 顧客情報をのせる領域(契約ユーザに部分貸しありVC) →信号と伝送路の保守・監視、アドレスデータ無し パケット交換やATM、IPはヘッダもペイロード上に
セクションオーバヘッド (Section Over Head : SOH)
• A1..,A2..→フレーム同期の固定パターン(11110110 , 00101000)
• C1→STM-Nの多重内順序指示 • B1-2→BIP-8 パリティ符号誤り監視 • E1-2、メンテ音声打ち合わせ用 • F1、運用自由 Z1-2 予備 • D1-12,データ通信チャンネル→監視制御データ • K1-2,故障時自動切り替え・警報
注意点!:送信ノードも受信ノードも「固定された伝送装置間の通信」なので、行き先表示アドレスなどはありません。伝送品質管理のために特化した管理ヘッダです
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パスオーバヘッド (Path Over Head:POH)
J1→固定パターンで導通確認 B3→BIP-8 パリティ符号誤り監視 C2→VC3(=0) or VC4(=1)を区別 G1、パス状態表示バイト F2、ユーザチャンネル 運用自由 H4、位置表示 ペイロード中のVC位置
ポインタ(PRT:Pointer)
• フレーム同期・データ頭出しを瞬時に取る手段 • 情報コンテナは125msにあわせて来るとは限らない →ペイロード頭とずれた信号を運ぶ手段
・全データをメモリして頭出しして送信
・ずれたまま乗せて、信号頭位置の情報を付加
• ポインタ数値処理でフレーム位相ずれも吸収
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TCP/IPを支えるSDHと光通信
インターネットプロトコルは再送制御 →再送多では非効率
→高速転送可能でエラーも少ない通信に乗っかる必要
公衆網 SDH光伝送方式(誤り訂正、同期管理) 大学内 ATM-光LAN
日本はあちこち光ファイバだらけ!
高信頼の再送ないバックボーンがネット支える
IP を運ぶコンテナ →SDH伝送方式とTDM/WDM光通信
TDM : 時分割多重
A
B
C
D
時間
複数のパルス信号のタイミングをずらして重ねあわせる
高速の光のタイミング制御 が必要になる
10Gbit/sの信号を光パルス化 隙間に詰めこんで40多重化 1本の光ファイバに400Gbit/sの信号
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WDM : 波長多重
A
B
C
D
A
B
C
D
1本の光ファイバ 1台のEDFAで 一括処理可能 →省エネ
波長(色)の異なる光 細かい波長の合分波器が必要
各波長に分離
合波器 分波器
電気信号でSTM-64(10Gbit/s) 波長の異なる40色の光で多重化 1本の光ファイバに400Gbit/sの信号
光ファイバ通信網 日本全国の主要都市間は 光ファイバリング、メッシュ で結ばれている 総延長:700万km@1997
高速伝送路
超高速伝送路
大阪
福岡
広島 名古屋
東京
仙台
札幌
海外へ
海外へ
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完全グラフ(単純メッシュ)
伝送路数 N(N-1)/2, SW数N, 切り替えパス N-1 使われない伝送路多 装置数・線路数多
完全星形(単純スター)
伝送路数 N, SW数1, 切り替えパス N(N-1)/2 使われない伝送路節減 伝送路占有大 SW負荷大
この組み合わせと回線の共用、多重を利用して リング型、多段階層(ツリー)型接続が用いられる
回線の利用数・率と多重共用でほど良い規模を決める
→トラフィック理論
通信網の基本接続形態
交換機
膨大なユーザやトラフィックで論理的にメッシュ型機能をどう実現? →長距離転送に便利なリング網、多数エンドユーザ集約星形網 組み合わせて階層型(ツリー型)ネットワーク形成
交換機
交換 交換
交換 交換
Osaka Nagoya Tokyo
NTT-West
NTT-East
Access: ISDN,ADSL,Modm
NTT-Com.
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公衆網構造:回線交換方式 (P108-109)
電話ネットワークの階層構造1980年代にはほぼ完成
Tree 構成<<集約・多重化の発想>> スター型とリング、メッシュの組み合わせ
基幹局(~8)
中心局(~60)
集中局(~550)
端局(~6000)
Osaka Nagoya Tokyo
NTT-West
NTT-East
Access: ISDN,ADSL,Modm
NTT-Com.
回線交換:スイッチの集約(Sスイッチ)P110
(Sスイッチ2段リンク接続)
スペース
・ 空間分割スイッチ回路網 ⇒N×N接点の巨大な箱
・ N×Mの大規模スイッチ数を小規模 スイッチの複数モジュール化で節約 ⇒多段リンク接続回路
β×α2 +α×β2 =(α+β)N=switch数 個 個 スイッチ スイッチ
出線 入線
β×α=Nとおけるαβ選択
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回線交換の集約(Tスイッチ)P111
吸吹呁
1 2 3 4 3 4 2 1
TDM-MUX 位相変換 TDM-DeMUX 1 2 3 4
3 4 2 1
α β γ
δ
(Tスイッチ)
タイム
・ 時分割スイッチ回路網 ⇒TDM多重伝送技術を交換に利用
・ 大規模データの切替を3段階のタイミング処理で対応 ⇒多重化スイッチ ⇒位相変換スイッチ ⇒共通線スイッチ
Sスイッチ節約法:多段リンク接続
1000chを2段リンクで接続するスイッチ数,4段リンクで接続するスイッチ数,単純接続 からの削減率
• 2段リンクで接続した場合の総スイッチ数は N= 1000 = α・β =25×40
5×200 20×50 25×40 50×20 200×5
β×α2 +α×β2 =(α+β)N=switch数 個 個 スイッチ スイッチ
入線 出線
よって、総スイッチ数は(25+40)×1000 = 65000(個)
• 単純接続した場合 N2 =1000000 よって、65000個を6.5%に削減 (あるいは93.5%削減)
総スイッチ数が最少になる組み合わせ
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演習:Sスイッチの多段リンク接続
• 4段リンクで接続した場合の総スイッチ数は
α×α (25×25)
β×β (40×40)
625
1600
よって、総スイッチ数は、 40×250+25×520=23000(個)
単純接続した場合は、N2=1000000 なので 23000個は2.3%への削減 (あるいは97.7%削減)
25(5×5) =250
40(8×5) =520
5×5 5×5
呍呍呍
呍呍呍
5個
5個
5×5 8×8
呍呍呍
呍呍呍
8個
5個
単位時間当たりに換算したトラヒック量 →[呼量(アーラン)]
次の利用者が回線を使えない確率 →[呼損率]
回線交換のつながりやすさを設計 :アーランの呼損式
回線数n
呼の生起率
呼の終了率
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演習:アーランの呼損式の活用例
例:3 回線を10人のユーザが各々単位時間あたり10分話したときの呼損率は?
∴約16%の呼損率
出線数nは3本、総呼量はa=5/3なので
を代入
単位時間当たりの総呼量
リアルタイムでない通信 蓄積型(パケット)交換機
• データをパケット単位(256×2N)bitに分割
• ヘッダ(フラッグ・アドレス・番号)付与 • 蓄積(遅延を許容) • 情報量(Packet個数)課金
• 似たサービス →可変長フレームリレー
・固定長ATMセルリレー
(53Byteセル、5Byteヘッダ)
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蓄積パケット交換 (p112~114)
• 情報を固定長パケットに分割 • ヘッダにフラッグ・アドレス・番号付与 • アドレスをもとに近い交換機に送付 • 混雑していたらメモリーで待機 ⇒あいたタイミングで送付 • 受信側全パケットそろった時点で再構成 →呼損回避できるが遅延発生
→各交換機で逐次蓄積・転送 遅延大
回線交換型ネットワークと パケット交換型ネットワークの比較(p114)
• ユーザが使用する回線を時間貸し • 接続先は送信者が指定、「接続を確認後」リアルタイムで交換 • 伝送路はリアルタイム信頼のSDH • 混雑していたら接続できず ⇒接続できたら確実キープ
• 細切れパケットを個別に課金、送信 • 接続先はルータがアドレスを見て パケットごとに指定、ゴールを待たず発信、接続断 • 伝送路はSDH上のVCをプロバイダーが管理、いつ届くかはサーバ能力次第 • 混雑したら待機、再送、接続断 ⇒接続できても次のクリックでは1から接続 チャレンジ直し
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LAN コンピュータネットワーキング(p119)
データ通信は有象無象の技術の混在
・TCP/IP ・UDP Streaming ・IPX,AppleTalk ・ISDN ・ATM
統一プロトコル体系は望み薄
異なる機器、ネット間をつなぐ仕組み →ある層のみの共通規格、変換・接続
機能レイヤー 処理規格: 処理単位 通信を橋渡しする機器
アプリケーション層 Telnet.FTP:Application アプリケーションゲートウェイ,サーバ
トランスポート層 TCP/UDP: File トランスポートゲートウェイ
インターネット層 IP:Packet ルータ
データリンク層 : Byte, Frame ブリッジ
物理層 Ethernet:bit,Byte リピータ(ハブ)⇒共有バス型
トランシーバ ブリッジ
リピータ (ハブ)
ゲートウェイ
ホストPC
ターミネータ
Ethernet
フルメッシュ型 スター型 リング型
バス型 ツリー型
通信網の基本設計要素:ネットワーク構成
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IPパケット交換を利用したLANとインターネット (p118)
Internet:ネットワーク同士がたくさんつながった「ネットワークの集合体」
IP プロトコルを共通言語とし、異なるネットワーク間の 相互通信を実現 もともとはリスクの分散が目的
多くのLANと公衆網が無償でネットワーク伝送路を 相互利用。相互接続拠点IX(Internet Exchange) は東京等都会に一極集中
LAN(Local Area Network):各組織が自前で構築するプライベートなネットワークネットワーク
最近はEthernet規格の機器を利用したTCP/IP on ATMやon Fiberを基本としている
公衆網とは、有料の専用線伝送路コストを支払って接続
マルチメディアと公衆網SDHの位置づけ
• 低速(64k-数M)を束ねた中速(52-155M)以上のデータを多重化して、瞬時に1Byte誤りも無く伝送する手段
→ 信号と伝送路の保守・監視、アドレスデータ無し、パケット交換やATM,IPはヘッダもペイロード上に
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インターネットプロトコル :IPパケットに含まれる情報 (p119)
IPv4データグラムフォーマット ・ヘッダ(20Byte+オプション)・ボディ全長 64kByte以下 ・TOS QOS に使用したい→無視! ・ID 実際許容長はネット下位層で制限→無視 ・TTL ネット滞在許容時間 セット数×255秒→無視 ・上位層プロトコル、ヘッダチェックサム→無視
・送信、受信アドレス 各4オクテット(32bit)
・パケット番号 ・フラッグバイト
→もうすぐ枯渇する? IP-Ver.6へ移行作業進む
アドレスフォーマット:4オクテットの内訳は次ページ
IPv4アドレスとルーティングp119 アドレスフォーマット:4オクテット(32bit) ・ClassA: 0nnnnnnn.hhhhhhhh.hhhhhhhh.hhhhhhhh LAN内に16777214台接続OK ・ClassB: 10nnnnnn.nnnnnnnn.hhhhhhhh.hhhhhhhh LAN内に65534台接続OK ・ClassC: 110nnnnn.nnnnnnnn.nnnnnnnn.hhhhhhhh LAN内に254台接続OK
ネットアドレスの表記 例 ClassB 140.44.165.20 10001100 00101100 11100001 00010100 ネットワークのアドレス ネット内のホストのアドレス
ネットマスク設定の意味 255.255.255.0 はLANのアドレス部(11111111)が Class-Cで規定され、0(00000000)の部分にホスト番号を振れることを意味する。 サブネットマスク 例B 255,255,240,0 240→11110000
本来はClassBであるがユーザ側で外向けサブネット桁と隠れるホスト桁を設定 ホストアドレスの番号をグループ化したサブネットとその下に接続するホスト数に振り分け
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注: netアドレス、ホストアドレスとも
全て1や全て0は不許可!
注: ルータだってホストです!
演習問題:アーランの呼損率
問題: A~Tの20ユーザがそれぞれ1時間当たり10分回線を使用した場合の、【Q1】呼量、【Q2】外部接続2回線のときの呼損率、【Q3】呼損率が10%以下になる最小の外部接続回線数を求めよ。
交換機
A B C
・・・
T・・・
・・・
R S
外部接続
20ユーザ
1時間当たり10分回線を使用
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演習問題:アーランの呼損率(解答)
出線数は2本、総呼量は10/3なので n = 2 ,a =10/3を代入
∴約56%の呼損率
Q2
Q1
∴呼量は10/3アーラン
Q3
回線数n の値を変え、アーランの呼損率の式で順番に計算して行く。
【 n=6 < 10% < n=5 】より10%以下の最小回線数は6本
n = 5 のとき
n = 6 のとき
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演習問題:回線交換 問題: 下図を用いて答えよ。【Q1】S-SWを2段リンクでSW数を削減し、【Q2】いくつのT-SW,S-SWでいくつの回線を処理しているか求めよ。
T-SW
T-SW
T-SW
in 1 in 2 in 3
in 1′
in 100′
in 4 in 5 in 6
in 298 in 299 in 300
呍呍呍
呍呍呍
in 2′
S - SW out 1 out 2 out 3
out 1′
呍呍呍
呍呍呍
out 4 out 5 out 6
out 2′
out 100′ out 298 out 299 out 300
多重化器 逆多重化器
演習問題:回線交換(解答)
Q2
単純接続した場合, N×N=(100)2=10000(SW)
(10×10)のSWにした場合 102(SW)×10group+10group×102(SW) =(10+10)×102=2000(SW)
∴80%削減 又は 20%削減
Q1
T-SW 100個,S-SW 1個,300回線の処理