導入の背景 DOTシステムのインフラ刷新 運用の最適化に取り組む 大和証券の個人投資家向けオンラ イントレードシステム「ダイワのオン ライントレード」(以下、DOT システム) は、株式/投資信託/債券からFX/先物・ オプションまで幅広い品揃えを誇る。 顧客がインターネットで、利便性の高 い情報ツール類を使用してトレードを 行う「ダイワ・ダイレクト」コースと、 営業店で対面アドバイスを受けられる 「ダイワ・コンサルティング」コースを 用意。現在、オンライントレードの利 用者は 250 万人を超える。 大和証券株式会社 システム企画部 担当部長 山田 芳也 氏は「DOTシステ ムは社会インフラです。売買を支える システムの停止は許されません。処理 性能や信頼性、安定性、拡張性が高 いレベルで求められます」と強調する。 同社はシステムや運用などの見える 化を重視し、2009 年、一部ハードウェ アの保守切れを機に、DOTシステム のインフラ刷新を決めた。まずプロ ジェクトメンバーで議論し、高い信頼 性をはじめ、 “ 絶対に譲れない 10 項目 ” を掲げた。そのひとつが運用の最適 化である。 大和証券株式会社 システム企画部 基盤システム課長 副部長 川岸 伸二 氏は「従来、複数サーバへ手作業で ソフトウェア資源を配付していました。 そのため、Web サーバごとにコンテン ツの更新に時間差が生じないよう、公 開時間を決めて一斉に作業するなど、 サービス品質を維持するために、手間 と時間をかけていました」と振り返る。 加えて、システムのログについて、 大和証券株式会社 システム企画部 基盤 システム課 次長 小貫 武 氏は「ログの 大和証券株式会社 ミドルウェア導入事例 効 果 ●複数サーバへの同時配付による工数削減と精度向上 ●ログ収集・管理の自動化で作業負荷を軽減 ●プラットフォームを問わず作業手順の標準化が可能 複数サーバへの設定・資源配付作業を自動化 リスクを低減し、運用工数を約1/2、コストを約 3 割削減 − 運用管理自動化ソフトウェア 「B ビーエムシー MC B ブレードロジック ladeLogic S サーバ erver A オートメーション utomation」 課 題 ●複数サーバへの資源配付を手早く正確に行いたい ●ログ収集・管理の作業負荷を軽減したい ●異なるプラットフォームでも作業手順を統一したい ユーザープロフィール 大和証券株式会社 事業概要 大和証券グループは、1902 年創業の日本を代表す る独立系総合証券グループ。グローバルなネットワー クにより、世界中の顧客に対し資産形成や企業活 動の支援といった金融サービスを提供し、社会及び 経済の発展に貢献している。主要な事業は、エクイ ティ、債券、投資信託、デリバティブおよびその他 金融商品の開発・提供、エクイティ・債券等の引受 業務、M&A をはじめとするアドバイザリー業務に 加え、アセットマネジメント業務や投資業務、シス テム関連業務である。また、2011 年には銀行業に 参入。2012 年 4 月には、個人向け証券業務を行う 「大和証券」と法人向け証券業務を行う「大和証券キャ ピタル・マーケッツ」を統合している。大和証券グルー プの営業拠点は、日本をはじめ、米国、欧州、およ びアジア・オセアニア地域に広がっている。 大和証券株式会社 システム企画部 担当部長 山田 芳也大和証券株式会社 システム企画部 基盤システム課長 副部長 川岸 伸二大和証券株式会社 システム企画部 基盤システム課 次長 小貫 武大和証券株式会社 システム企画部 基盤システム課 上席課長代理 宮田 宗太株式会社大和総研 第二システム本部 オープンシステム開発部開発四課長 次長 平塚 桂子本社所在地東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウノースタワー 約 38.9 兆円(2012 年 9 月末現在) 代表取締役社長: 日比野 隆司 約 14,300 名(2012 年 9 月末現在、 大和証券グループ全体) ホームページ: http://www.daiwa.jp/

導入事例 大和証券株式会社様 BMC BladeLogic Server Automation · トウェア製の「BMC BladeLogic Server Automation」(以下、BladeLogic)を 導入した。 同製品の採用には、プラットフォー

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Page 1: 導入事例 大和証券株式会社様 BMC BladeLogic Server Automation · トウェア製の「BMC BladeLogic Server Automation」(以下、BladeLogic)を 導入した。 同製品の採用には、プラットフォー

導入の背景

DOTシステムのインフラ刷新運用の最適化に取り組む

 大和証券の個人投資家向けオンラ

イントレードシステム「ダイワのオン

ライントレード」(以下、DOTシステム)

は、株式/投資信託/債券からFX/先物・

オプションまで幅広い品揃えを誇る。

顧客がインターネットで、利便性の高

い情報ツール類を使用してトレードを

行う「ダイワ・ダイレクト」コースと、

営業店で対面アドバイスを受けられる

「ダイワ・コンサルティング」コースを

用意。現在、オンライントレードの利

用者は250万人を超える。

 大和証券株式会社 システム企画部

担当部長 山田 芳也 氏は「DOTシステ

ムは社会インフラです。売買を支える

システムの停止は許されません。処理

性能や信頼性、安定性、拡張性が高

いレベルで求められます」と強調する。

 同社はシステムや運用などの見える

化を重視し、2009年、一部ハードウェ

アの保守切れを機に、DOTシステム

のインフラ刷新を決めた。まずプロ

ジェクトメンバーで議論し、高い信頼

性をはじめ、“絶対に譲れない10項目”

を掲げた。そのひとつが運用の最適

化である。

 大和証券株式会社 システム企画部

基盤システム課長 副部長 川岸 伸二

氏は「従来、複数サーバへ手作業で

ソフトウェア資源を配付していました。

そのため、Webサーバごとにコンテン

ツの更新に時間差が生じないよう、公

開時間を決めて一斉に作業するなど、

サービス品質を維持するために、手間

と時間をかけていました」と振り返る。

 加えて、システムのログについて、

大和証券株式会社 システム企画部 基盤

システム課 次長 小貫 武 氏は「ログの

大和証券株式会社 様

ミドルウェア導入事例

効 果

●複数サーバへの同時配付による工数削減と精度向上●ログ収集・管理の自動化で作業負荷を軽減●プラットフォームを問わず作業手順の標準化が可能

複数サーバへの設定・資源配付作業を自動化リスクを低減し、運用工数を約1/2、コストを約3割削減 − 運用管理自動化ソフトウェア「B

ビーエムシー

MC Bブレードロジック

ladeLogic Sサーバ

erver Aオートメーション

utomation」 −

課 題

●複数サーバへの資源配付を手早く正確に行いたい●ログ収集・管理の作業負荷を軽減したい●異なるプラットフォームでも作業手順を統一したい

ユーザープロフィール

大和証券株式会社

事業概要大和証券グループは、1902 年創業の日本を代表する独立系総合証券グループ。グローバルなネットワークにより、世界中の顧客に対し資産形成や企業活

動の支援といった金融サービスを提供し、社会及び経済の発展に貢献している。主要な事業は、エクイティ、債券、投資信託、デリバティブおよびその他金融商品の開発・提供、エクイティ・債券等の引受業務、M&A をはじめとするアドバイザリー業務に加え、アセットマネジメント業務や投資業務、システム関連業務である。また、2011 年には銀行業に参入。2012 年 4 月には、個人向け証券業務を行う

「大和証券」と法人向け証券業務を行う「大和証券キャピタル・マーケッツ」を統合している。大和証券グループの営業拠点は、日本をはじめ、米国、欧州、およびアジア・オセアニア地域に広がっている。

大和証券株式会社システム企画部担当部長

山田 芳也氏

大和証券株式会社システム企画部基盤システム課長 副部長

川岸 伸二氏

大和証券株式会社システム企画部基盤システム課 次長

小貫 武氏

大和証券株式会社システム企画部基盤システム課 上席課長代理

宮田 宗太氏

株式会社大和総研第二システム本部オープンシステム開発部開発四課長 次長

平塚 桂子氏

本 社 所 在 地:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号グラントウキョウノースタワー

預 り 資 産:約38.9兆円(2012年9月末現在)代表取締役社長:日比野 隆司

従 業 員 数:約14,300名(2012年9月末現在、大和証券グループ全体)

ホームページ:http://www.daiwa.jp/

Page 2: 導入事例 大和証券株式会社様 BMC BladeLogic Server Automation · トウェア製の「BMC BladeLogic Server Automation」(以下、BladeLogic)を 導入した。 同製品の採用には、プラットフォー

お問い合わせ先 富士通コンタクトライン 0120-933-200 受付時間 9:00 〜 17:30(土 ・ 日 ・ 祝日を除く) 富士通株式会社 〒 105-7123 東京都港区東新橋 1-5-2 汐留シティセンター

収集・管理は従来、手作りのスクリプ

トで行っていました。この作業をより効

率化したいと考えていました」と語る。

 また、異なるプラットフォームのサー

バでも、作業手順を統一するための

体制を整備し、サーバ構成の見える化、

アカウント管理工数削減など、運用全

体の効率化とコスト削減に取り組んだ。

導入のポイント

運用ツールにBladeLogicを導入製品を熟知した富士通の支援が鍵

 インフラ全体としては、拡張性向上

およびシステムをより長く利用するた

め、OSを商用 UNIX からハ-ドウェア

ベンダーに依存しない Linux に切り替

え、仮想化を新たに導入しサーバの集

約を実現した。

 パートナーには、社会インフラの構築・

運用の豊富な実績などから、富士通

を選んだ。そして、運用管理ツール

として、富士通が提供する米BMCソフ

トウェア製の「BMC BladeLogic Server

Automation」(以下、BladeLogic)を

導入した。

 同製品の採用には、プラットフォー

ムが混在する環境でもサーバ全体を一

元管理可能であることに加え、導入・

運用に富士通の支援が受けられること

が決め手となった。大和証券株式会社

システム企画部 基盤システム課 上席

課長代理 宮田 宗太 氏は「海外ベン

ダーの製品は、サポートに不安がある

場合が多い。その点、BladeLogic は

製品を熟知した富士通のサポートが受

けられるため、安心ですね」と話す。

システム概要

すべてのサーバ管理を自動化管理用GUIを独自に作成

 2010年1月から新インフラの要件定

義、設計を行い、同年 10月から環境

構築を開始。運用については、すべ

てのサーバをBladeLogicで一元管理

し、自動化を実現した。

 その際、運用業務をより効率化すべく、

大和証券の標準スケジューラや標準コ

マンドインターフェースからBladeLogic

を実行できる仕組みを富士通の支援の

もとに作成した。株式会社大和総研

第二システム本部 オープンシステム

開発部開発四課長 次長 平塚 桂子 氏は

「富士通の SE は BladeLogic の内部構

造やコンポーネントの使い方などに詳

しく、私たちが求めるGUI連携をスムー

ズに作成できて助かりましたね」と語る。

 構築・テスト後、アプリケーション

を段階的に移行し、2012年4月に新イ

ンフラがカットオーバーした。

導入効果と今後の展開

運用工数を約1/2に削減運用精度向上も果たす

 大和証券は BladeLogicを軸に、運

用の最適化を果たした。「複数サーバ

への資源配付を同時に素早く実施でき

ます。今まではサービス品質維持のた

め に か け て い た 時 間 と 手 間 が、

BladeLogicのおかげで大幅に削減でき

ました」と川岸氏は述べる。

 平塚氏も自動化のメリットを「ログ

収集・管理を大幅に効率化できました。

複数サーバへの資源配付やアカウント

管理の自動化もあわせると、運用工数

を従来の約1/2に削減できました」と

説明する。

 山田氏は「自動化を中心とする運用

改善により運用コストが約3割減少し、

コスト削減に大きく寄与しました」と

満足げだ。

 DOT シ ス テ ム は Linux サ ー バ、

Windows サ ー バ が 混 在 する環 境 に

なっているが、BladeLogic によって作

業手順の標準化・自動化が可能となっ

た。自動化したことで手作業によるミ

スの発生リスクも最小化できている。

 同時に、サーバ構成のリアルタイム

での見える化も実現。「実際にサーバ

が設計書通りに構築されているか容易

に確認できるなど、運用の精度向上に

も役立っています」と小貫氏は語る。

 また、システム構築フェーズにおい

ても、「複数サーバに対する設定作業

を自動化できました」(平塚氏)といっ

た効果が得られている。

 今回の刷新で、より高性能・高信頼

なインフラを整備した大和証券。「今

後は新たなサービス投入など、アプリ

ケーションのレイヤーにも注力します。

社会インフラとしての責任を果たすと

ともに、顧客ロイヤリティをより高める

べく、サービス品質のさらなる向上に

努めていきます」と展望を語る山田氏。

富士通の支援のもと、DOTシステムの

さらなる飛躍が期待される。

大和証券株式会社 様ミドルウェア導入事例

●このカタログには、環境に配慮した用紙、大豆インキ、有害な廃液を出さない水なし印刷方式を採用しています。 CZ5235-2012年11月AP