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旧嘉手納飛行場(28)土壌調査
報 告 書
平成 29 年 3 月
沖 縄 防 衛 局 管 理 部
株式会社 南西環境研究所
目 次
第 1 章 業務概要 ...................................................................................................... 1
1.1 業務概要 ........................................................................................................... 1
1.2 業務対象地 ........................................................................................................ 1
1.3 業務目的 ........................................................................................................... 2
1.4 業務内容 ........................................................................................................... 2
1.5 業務工程 ........................................................................................................... 3
1.6 適用図書および法規.......................................................................................... 3
1.7 業務フロー ........................................................................................................ 4
1.8 調査業務成果物 ................................................................................................. 5
第 2 章 土壌調査 ...................................................................................................... 6
2.1 採取位置選定 .................................................................................................... 6
2.2 土壌ガス採取 .................................................................................................... 8
2.3 土壌試料採取 .................................................................................................. 10
第 3 章 土壌等分析 ................................................................................................. 12
3.1 測定方法 ......................................................................................................... 12
3.2 土壌ガス分析 .................................................................................................. 13
3.3 土壌溶出量分析 ............................................................................................... 14
3.4 土壌含有量分析 ............................................................................................... 17
3.5 ダイオキシン類分析........................................................................................ 18
3.6 油分・油臭分析 ............................................................................................... 19
3.7 評価方法 ......................................................................................................... 20
第 4 章 調査結果 .................................................................................................... 22
4.1 土壌ガス調査 .................................................................................................. 22
4.2 土壌溶出量調査 ............................................................................................... 23
4.3 土壌含有量調査 ............................................................................................... 24
4.4 ダイオキシン類調査........................................................................................ 25
4.5 油分・油臭調査 ............................................................................................... 26
4.6 結果のまとめ .................................................................................................. 27
1
第1章 業務概要
1.1 業務概要
業務名称:旧嘉手納飛行場(28)土壌調査
契約年月日および履行期間
契約年月日:平成 29年 1月 20 日
履行期間 :平成 29年 1月 21 日から平成 29年 3月 15 日まで
発注者:沖縄防衛局
受注者:株式会社 南西環境研究所 代表取締役
沖縄県中頭郡西原町字東崎 4-4
TEL : 098-835-8411 FAX : 098-835-8412
E-mail : [email protected]
土壌汚染状況調査指定調査機関 指定番号 2003-7-1001
計量法第 107 条の登録機関 濃度:第 42 号(沖縄県)
業務の一部委託:[ダイオキシン類分析]
機関名:三浦工業株式会社 三浦環境科学研究所
所在地:愛媛県松山市北条辻 864 番地 1
1.2 業務対象地
履行場所:旧嘉手納飛行場返還跡地内(沖縄市コザ総合運動公園サッカー場内)
図 1.2.1 業務対象地(赤色で示す範囲)
2
1.3 業務目的
本業務は、旧嘉手納飛行場返還跡地(沖縄市サッカー場内)において、廃棄物混じり土等
を仮置きしていた場所の土壌調査を実施し、土壌汚染に関する基準への適合性を評価するこ
とを目的とする。
調査結果のとりまとめについては、愛媛大学農学部客員教授 森田昌敏教授の監修を受け、
とりまとめたものである。
1.4 業務内容
本業務の業務内容を表 1.4.1 に示す。
表 1.4.1 業務内容
項 目 規 格・寸 法 単位 数 量 備 考
1.土壌等採取
オーガーボーリング 地点 25 0.5m(表層の砕石等は除く)
土壌ガス採取 地点 5 0.8~1.0m
2.土壌等分析
土壌ガス分析 第 1種特定有害物質 検体 5 平成 15 年環境省告示
第 16 号に基づく方法
土壌溶出量分析 第 2種特定有害物質
第 3種特定有害物質 検体 5
平成 15 年環境省告示
第 18 号に基づく方法
土壌含有量分析 第 2種特定有害物質 検体 5 平成 15 年環境省告示
第 19 号に基づく方法
ダイオキシン類 検体 5 平成 11 年環境庁告示
第 68 号に基づく方法
油分調査 含有量調査・重量法 検体 5 油汚染対策ガイドラインに示す
方法
油臭調査 臭気強度測定 検体 5 油汚染対策ガイドラインに示す
方法
3
1.5 業務工程
調査期間は平成 29 年 1月 21 日~平成 29年 3月 15 日とする。表 1.5.1 に工程表を示す。
表 1.5.1 業務工程
1.6 適用図書および法規
1) 調査業務委託特記仕様書
2) 土壌汚染対策法、土壌汚染対策法施行令、土壌汚染対策法施行規則
3) 土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン
(監修:環境省、編:社団法人土壌環境センター)
4) 環境省の油汚染対策ガイドライン(編:社団法人土壌環境センター)
5)ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル
6)ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル
7) 労働基準法、労働安全衛生法、労働安全衛生規則
8) 貸与資料
3
6 8
6 9
6 1
3
1 0
報告書作成20 14
有識者監修
成果物納品15
土壌ガス・土壌試料採取
土壌ガス分析
土壌試料分析(溶出・含有・油分・油臭)
土壌試料分析
(ダイオキシン類)6
計画・準備21
11 21
打合せ
11 21 1種別 11 21 1
月 別 1月 2月 3月
4
1.7 業務フロー
業務全体のフローを図 1.7.1 に示す。
図 1.7.1 業務フロー図
調査報告書作成
成果物提出
有識者の監修
試料採取
・第1種特定有害物質(土壌ガス)
・第2種特定有害物質(溶出・含有量)・第3種特定有害物質(溶出量)
・ダイオキシン類・油分・油臭
結果整理とりまとめ
異常値報告
計画・準備
採取位置選定(現地作業)
土壌ガス採取
オーガーボーリング
5
1.8 調査業務成果物
提出する成果物は、表 1.8.1 に示すものとする。
表1.8.1 成果物一覧
名 称 規格・寸法 提出部数 備 考
A.報告書
調査報告書 土壌等調査業務 2 部 写真供
デジタルデータ 正副 1 部 CD-R 等
6
第2章 土壌調査
2.1 採取位置選定
沖縄市サッカー場の全体の表層については、平成 25 年 11 月に実施した旧嘉手納飛行場(25)
土壌等確認調査(その 2)において、汚染が無いことが確認されているが、グラウンド側につ
いては、調査後、廃棄物混じり土等を仮置きしていたことから、当該場所において、汚染の
拡散の有無を確認することを目的として、A:廃棄物混じり土(ドラム缶上部、下部)の仮置き
場、B:フレコンバックの仕分け作業場、C:フレコンバック(ドラム缶底面)の仮置き場、D:
廃棄物混じり土(ドラム缶上部)の仮置き場の 4箇所において調査を行うこととする。
ただし、Aについては約 1600 ㎡あるため A-1 と A-2 の 2区画に分けて調査を実施する。
試料採取については、ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアルを参考としてそれぞ
れの区画において、5地点から試料を採取し、混合の上、1検体として分析することとする。
試料採取位置については、A~D の区画ごとに図 2.1 に示すように 5 点を設定し、現地の位
置出しをおこなう。本土壌調査の全調査地点図を図 2.1.2 に示す。基本的に第 1 種特定有害
物質(土壌ガス)は、区画の中心で採取し、第 2 種特定有害物質および第 3 種特定有害物質
は区画内の 5 地点均等混合法による採取をおこなう。すなわち、調査対象の 1 区画につき、
中心および周辺の 4 方位の 5~10m までの間からそれぞれ1箇所ずつ、合計 5 箇所(地点)
で試料を採取し、これを等量混合する。 なお、調査地点の状況により、5 地点混合方式の間
隔が十分にとれない場合は、間隔を小さくして 5 箇所(地点)から採取するか、または、中
心及び 4 方位以外で、調査地点の代表性が確保できる 5 地点を設定し、試料を採取する。
図 2.1.1 試料採取地点の配置方法
7
図 2.1.2 調査地点図
8
2.2 土壌ガス採取
土壌ガスの採取方法を図 2.2.1 に示し、主要機材および採取フローを表 2.2.1、表 2.2.2 に
示す。
また、地下水位が浅く土壌ガスが採取出来ない場合は、地下水を採取し分析をおこなう。
図 2.2.1 土壌ガスの採取方法
表 2.2.1 主要機材(土壌ガス採取)
名 称 規格・型式等(メーカー名) 画像
採取管
土壌ガス採取孔採取管
一体型保護管
タイプ14
(セロリ社)
気密容器 土壌ガス採取器
(セロリ社)
9
表 2.2.2 採取フロー(土壌ガス採取)
手 順 参考例
1
ボーリングバーなどで 80cm
以上削孔して、採取孔を設置
する。
2
採取孔に保護管を挿入後 30
分以上密栓して、減圧捕集法
により土壌ガスを採取する。
10
2.3 土壌試料採取
土壌採取はオーガーボーリングを用い、図 2.3.1 に示す通り、採取開始深度は、路盤材下か
ら 50㎝までとする。土壌汚染対策法による分析試料はチャック付きビニール袋等に保存し、ダ
イオキシン類と油分・油臭用の試料は密栓瓶にて保存する。また、油分・油臭については、採
取時定められた位置の他に油臭強度が大きい箇所あった場合は、監督官に報告し、その箇所へ
変更する等の指示を受ける。
主要機材を表 2.3.1、採取フローを表 2.3.2 に示す。
図 2.3.1 土壌試料の採取方法
表 2.3.1 主要機材(土壌試料採取)
名称 規格・型式等 画像
オーガーボ
ーリング用
スコップ
[サイズ]
全長 1400mm
先幅 120mm
頭部長さ 240mm
穴径 155mm
重量 4kg
11
表 2.3.2 採取フロー(土壌試料採取)
手 順 参考例 手 順 参考例
1試料採取
位置確認
4 試料採取
深度確認
2
[試料採取]
オーガ
ボーリング
5 採取試料
3 深度確認
6 施工後
12
第3章 土壌等分析
3.1 測定方法
採取した試料の測定方法を表3.1.1 に示す。
表3.1.1 測定方法一覧
項 目 測定方法(関連告示)
土壌ガス分析 環境大臣が定める土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法
(平成15年3月6日環境省告示第16号)
土壌溶出量分析 環境大臣が定める土壌溶出量調査に係る測定方法
(平成 15年 3月 6日 環境省告示第 18号)
土壌含有量分析 環境大臣が定める土壌含有量調査に係る測定方法
(平成 15年 3月 6日 環境省告示第 19号)
ダイオキシン類 ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル
(平成 21年 3月 環境省水・大気環境局土壌環境課)
油分調査 「油汚染対策ガイドライン」に定める測定方法
(平成 18 年 3 月中央環境審議会土壌農薬部土壌汚染技術基準等専門委員会)
油臭調査 「油汚染対策ガイドライン」に定める測定方法
(平成18年3月 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会)
13
3.2 土壌ガス分析
土壌等調査業務で採取した試料を「土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法」に定めるガス
クロマトグラフ(GC-PID,GC-ELCD)による測定をおこなう。分析は当社試験室でおこなうこと
とし、分析は現地採取時間より 48 時間以内で実施する。また、期間中に運搬用標準ガス 2 試
料の分析をおこない、標準試料の濃度低下 20%以上(2 試料平均)であれば、濃度低下の割合
に応じた補正をおこなう。
主要機材を表 3.2.1 に示し、分析方法の一覧を表に示す。
表3.2.1 主要機材(土壌ガス分析)
機材名称 ポータブルガスクロマトグラフ
(JE0L GC-8610:日本電子データム)
分析項目 第 1種特定有害物質 全般
画像
表3.2.2 分析方法一覧(土壌ガス分析)
項 目 分 析 方 法
第一種特定有害物質
四塩化炭素
ガスクロマトグラフ法(GC-PID,GC-ELCD)
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
ベンゼン
14
3.3 土壌溶出量分析
土壌調査で採取した試料について、「土壌溶出量調査に係る測定方法」(平成15年3月6日 環
境省告示第 18 号)に定める方法により測定をおこなう。 土壌溶出分析フローを図 3.3.1 に
示し、主要機材および分析方法の一覧を表 3.3.1~表 3.3.2 に示す。
図 3.3.1 土壌溶出量分析フロー図
↓
↓
↓
↓
篩を通過した試料を試料液の調製に使用
* 大中礫を取り除き、土塊、団塊を粗粉
* 孔径0.45μmメンブランフィルターでろ過
試料液の調製
* 1試料 300g以上
* 概略調査地点の場合は100g以上
前処理
土壌採取
* 溶媒(蒸留水) pH 5.8~6.3
* 試料を2mm篩分け
* 試料を風乾
* 重量体積比10%
(概略調査地点は等量混合した試料を用いる)
振とう回数:200回/分 振とう幅:4~5cm
* 6時間連続振とう
分析
溶出検液の作成
* 遠心分離機 20分 遠心回数:3000回/分
15
表3.3.1 主要機材(土壌溶出量分析)
機材
名称
誘導結合プラズマ質量分析装置
(7500ce:Agilent)
還元気化水銀全自動測定装置
(RA-4500:日本インスツルメンツ)
分析
項目 カドミウム、六価クロム、セレン、鉛、砒素、ほう素 水銀
画像
機材
名称
オートアナライザー3型
(SCIC3:ビーエルテック)
ガスクロマトグラフ
(7890B:Agilent)
分析
項目 シアン、ふっ素 有機リン、アルキル水銀
画像
機材
名称
ガスクロマトグラフ質量分析計
(QP-2010: 島津製作所)
液体クロマトグラフ質量分析計
(LCMS-8030:島津製作所)
分析
項目 シマジン、チオベンカルブ チウラム
画像
16
機材
名称
ガスクロマトグラフ
(7890A:Agilent)
振とう機
(MW-Z 型 23711:宮本理研工業)
分析
項目 ポリ塩化ビフェニル(PCB) 溶出液の作成
画像
表3.3.2 分析方法一覧(土壌溶出量分析)
項 目 分 析 方 法
第二種特定有害物質
カドミウム及びその化合物 JIS K 0102-55.4
六価クロム化合物 JIS K 0102-65.2.5
シアン化合物 JIS K 0102-38.5
水銀及びその化合物 環告第 59号 *1 付表 1
アルキル水銀化合物 環告第 59号 付表 2
セレン及びその化合物 JIS K 0102-67.4
鉛及びその化合物 JIS K 0102-54.4
砒素及びその化合物 JIS K 0102-61.4
ふっ素及びその化合物 JIS K 0102-34.4
ほう素及びその化合物 JIS K 0102-47.4
第三種特定有害物質
シマジン 環告第 59号*1 付表 5
チオベンカルブ 環告第 59号 付表 5
チウラム 環告第 59号 付表 4
ポリ塩化ビフェニル(PCB) 環告第 59号 付表 3
有機りん化合物 環告第 64号*2 付表 1
*1 水質汚濁に係る環境基準について 昭和 46 年 12 月 環境庁告示第 59 号
最終改正 平成 26 年 環境省告示第 126 号
*2 環境大臣が定める排水基準に係る検定方法 昭和 49 年 9 月環境庁告示第 64 号
最終改正 平成 26 年 環境省告示第 41号
17
3.4 土壌含有量分析
土壌調査で採取した試料について、「土壌含有量調査に係る測定方法」(平成15年3月6日 環
境省告示第 19 号)に定める方法により測定をおこなう。 土壌含有分析フローを図 3. に示
し、分析方法の一覧を表 3.4.1 に示す。主要機材は溶出試験と同様の機材を使用する。
図 3.4.1 土壌含有量分析フロー図
↓
↓
↓
↓
振とう回数:200回/分 振とう幅:4~5cm
* 2時間連続振とう(六価クロム化合物以外)
分析
* 4時間連続振とう(六価クロム化合物)
振とう回数:200回/分 振とう幅:4~5cm
* 1試料 300g以上
* 概略調査地点の場合は100g以上
前処理
土壌採取
* 溶媒(六価クロム化合物以外):1mol/L 塩酸
:0.01mol/L 炭酸水素ナトリウム
* 試料を風乾
* 重量体積比3%
(概略調査地点は等量混合した試料を用いる)
* 溶媒(六価クロム化合物)
* 試料を2mm篩分け
* 大中礫を取り除き、土塊、団塊を粗粉
含有検液の作成
* 遠心分離機 20分 遠心回数:3000回/分
* 孔径0.45μmメンブランフィルターでろ過
試料液の調製
篩を通過した試料を試料液の調製に使用
18
表3.4.1 分析方法一覧(土壌含有量分析)
項 目 分 析 方 法
第二種特定有害物質
カドミウム及びその化合物 JIS K 0102-55.4
六価クロム化合物 JIS K 0102-65.2.5
シアン化合物 JIS K 0102-38.5
水銀及びその化合物 環告第 59号 *1 付表 1
セレン及びその化合物 JIS K 0102-67.4
鉛及びその化合物 JIS K 0102-54.4
砒素及びその化合物 JIS K 0102-61.4
ふっ素及びその化合物 JIS K 0102-34.4
ほう素及びその化合物 JIS K 0102-47.4
*1 水質汚濁に係る環境基準について 昭和 46 年 12 月 環境庁告示第 59 号
最終改正 平成 26 年 環境省告示第 126 号
3.5 ダイオキシン類分析
土壌等調査業務で採取した試料について、「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」
(平成 21年 3月環境省)に定める方法により測定をおこなう。
土壌試料から抽出後、クリーンアップして高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/HRMS)
で同定、定量する。
ダイオキシン類の分析は MLAP の認定を受けた認定特定計量証明事業者にて実施する。
19
3.6 油分・油臭分析
土壌等調査業務で採取した試料について、「油汚染対策ガイドライン」(平成 18 年 3 月中央
環境審議会土壌農薬部土壌汚染技術基準等専門委員会)に定める方法により測定をおこなう。
主要機材および分析方法の一覧を表 3.6.1~表に示す。
表3.6.1 主要機材(油分・油臭分析)
機材名称 電子天秤
(BL-320S 島津製作所)
ソックスレー抽出器、ウォーターバス
(BS660:ヤマト科学)
分析項目 油分調査 油分調査
画像
表3.6.2 分析方法一覧(油分・油臭)
項 目 分 析 方 法
油 分 油汚染対策ガイドライン*1 のn-ヘキサン抽出重量法(ソックスレ-抽出法)
油 臭 油汚染対策ガイドラインの 6 段階臭気強度表示法
*1 平成 18 年 3月 中央環境審議会土壌農薬部会 土壌汚染技術基準等専門委員会
20
3.7 評価方法
結果の数値に関する取扱については、表 3. に示すとおりとし、調査結果に関する定量下限
値を表 3.7.2 に示す。表 3.7.3 に示す基準値と調査結果を比較し、土壌汚染等の評価をおこな
う。また、報告書は必要に応じて有識者の監修を受ける。
表3.7.1 数値の取扱い
項 目 取 扱 い 方 法
土壌ガス分析 測定値が定量下限値未満の場合は不検出とする。
報告値は有効数字を 2桁として 3桁目以降を切り捨てて表示する。
土壌溶出量分析
定量下限値は表 3.7.2 に示された値を使用する。土壌溶出量基準が検出されな
いこととなっている 4項目については、シアン化合物 0.1 mg/L、アルキル水銀
0.0005 mg/L、ポリ塩化ビフェニル 0.0005 mg/L、有機りん化合物 0.1 mg/L。
報告値は有効数字を2桁として3桁目以降を切り捨てて評価する。
土壌含有量分析 定量下限値は表3.7.2に示された値を使用する。報告値は有効数字を2桁として
3桁目以降を切り捨てて評価する。
表3.7.2 定量下限値一覧
区分 特定有害物質等の種類 土壌ガス(第一種)調査と
溶出量調査の定量下限値
含有量調査の
定量下限値
第一種
ベンゼン以外(土壌ガス) 0.1 volppm ―
ベンゼン(土壌ガス) 0.05 volppm ―
第二種
カドミウム及びその化合物 0.001mg/L 0.1mg/kg
六価クロム化合物 0.005mg/L 0.5mg/kg
シアン化合物 0.1mg/L 0.5mg/kg
水銀及びその化合物 0.0005mg/L 0.01mg/kg
アルキル水銀 0.0005mg/L ―
セレン及びその化合物 0.001mg/L 0.2mg/kg
鉛及びその化合物 0.002mg/L 1mg/kg
砒素及びその化合物 0.002mg/L 0.2mg/kg
ふっ素及びその化合物 0.05mg/L 2mg/kg
ほう素及びその化合物 0.01mg/L 1mg/kg
第三種
シマジン 0.0003mg/L ―
チオベンカルブ 0.001mg/L ―
チウラム 0.0006mg/L ―
ポリ塩化ビフェニル 0.0005mg/L ―
有機りん化合物 0.1mg/L ―
油分
油臭
油分(n-ヘキサン抽出物質) ― 100mg/kg
油臭(6段階) 0 ―
21
表3.7.3 基準値一覧
区分 特定有害物質等の種類 溶出基準*1/地下水基準*2 第二溶出基準*3 含有基準*4
第一種特定有害物質
四塩化炭素 0.002mg/L 0.02mg/L ―
1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L 0.04mg/L ―
1,1-ジクロロエチレン 0.02mg/L 0.2mg/L ―
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L 0.4mg/L ―
1,3-ジクロロプロペン 0.002mg/L 0.02mg/L ―
ジクロロメタン 0.02mg/L 0.2mg/L ―
テトラクロロエチレン 0.01mg/L 0.1mg/L ―
1,1,1-トリクロロエタン 1mg/L 3mg/L ―
1,1,2-トリクロロエタン 0.006mg/L 0.06mg/L ―
トリクロロエチレン 0.03mg/L 0.3mg/L ―
ベンゼン 0.01mg/L 0.1mg/L ―
第二種特定有害物質
カドミウム及びその化合物 0.01mg/L 0.3mg/L 150mg/kg
六価クロム化合物 0.05mg/L 1.5mg/L 250mg/kg
シアン化合物 検出されないこと 1mg/L 50mg/kg*5
水銀及びその化合物 0.0005mg/L 0.005mg/L 15mg/kg
アルキル水銀 検出されないこと 検出されないこと ―
セレン及びその化合物 0.01mg/L 0.3mg/L 150mg/kg
鉛及びその化合物 0.01mg/L 0.3mg/L 150mg/kg
砒素及びその化合物 0.01mg/L 0.3mg/L 150mg/kg
ふっ素及びその化合物 0.8mg/L 24mg/L 4000mg/kg
ほう素及びその化合物 1mg/L 30mg/L 4000mg/kg
第三種特定有害物質
シマジン 0.003mg/L 0.03mg/L ―
チオベンカルブ 0.02mg/L 0.2mg/L ―
チウラム 0.006mg/L 0.06mg/L ―
ポリ塩化ビフェニル 検出されないこと 0.003mg/L ―
有機りん化合物 検出されないこと 1mg/L ―
― ダイオキシン類 ― ― 1000pg-TEQ/g
油分
油臭
油分(n-ヘキサン抽出物質) ― ― 5%
油臭 ― ― ―
*1:土壌溶出液試験に適用 地下水経由の観点からの指定基準(都道府県知事が「指定区域」として指定する際の基準)
*2:地下水試験に適用
*3:土壌溶出液試験に適用
この基準を超えた場合、土壌汚染対策法に基づいた指定区域に講じられる対策に制限がつく
*4:含有量試験に適用、直接摂取の観点からの指定基準 。ただしダイオキシン類は環境基準で、油分は産廃分類基準
*5:遊離シアンとしての値
22
第4章 調査結果
4.1 土壌ガス調査
各地点の土壌ガス調査結果は、表 4.1.1 に示すとおりであり、全 5地点ともすべての調査項目
は定量下限値未満であった。
表 4.1.1 土壌ガス調査結果
項 目 A-1 A-2 B C D 定量下限値
1 四塩化炭素 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
2 1,2-ジクロロエタン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
3 1,1-ジクロロエチレン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
4 シス-1,2-ジクロロエチレン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
5 1,3-ジクロロプロペン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
6 ジクロロメタン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
7 テトラクロロエチレン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
8 1,1,1-トリクロロエタン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
9 1,1,2-トリクロロエタン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
10 トリクロロエチレン <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 0.1
11 ベンゼン <0.05 <0.05 <0.05 <0.05 <0.05 0.05
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4.2 土壌溶出量調査
調査対象である 15項目の調査結果を表 4.2.1 に示す。第二種特定有害物質に属する 5項目(六
価クロム、セレン、砒素、ふっ素、ほう素)の検出があったが、いずれの検出値とも土壌汚染対
策法に示された基準を下回るものであった。
表 4.2.1 溶出量調査結果
項 目 A-1 A-2 B C D 基準値
1 カドミウム及びその
化合物 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 0.01 以下
2 六価クロム化合物 <0.005 <0.005 <0.005 <0.005 0.007 0.05 以下
3 シアン化合物 不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1) 不検出
4 水銀及びその化合物 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 0.0005 以下
5 アルキル水銀化合物 不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005) 不検出
6 セレン及びその化合物 <0.001 <0.001 0.001 <0.001 0.001 0.01 以下
7 鉛及びその化合物 <0.002 <0.002 <0.002 <0.002 <0.002 0.01 以下
8 砒素及びその化合物 <0.002 <0.002 0.002 <0.002 0.005 0.01 以下
9 ふっ素及びその化合物 0.21 0.34 0.28 0.19 0.43 0.8 以下
10 ほう素及びその化合物 <0.01 0.01 0.02 0.01 0.07 1 以下
11 シマジン <0.0003 <0.0003 <0.0003 <0.0003 <0.0003 0.003 以下
12 チオベンカルブ <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 0.02 以下
13 チウラム <0.0006 <0.0006 <0.0006 <0.0006 <0.0006 0.006 以下
14 ポリ塩化ビフェニル
(PCB)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005)
不検出
(<0.0005) 不検出
15 有機りん化合物 不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1)
不検出
(<0.1) 不検出
単位:mg/L
なお、「ふっ素及びその化合物」は基準値の桁での検出があり、他の項目と比較して、基準値
に対する存在度が高いようにみられるが、ふっ素は海水に比較的多く含まれている成分であり、
海に囲まれた沖縄県内の土壌はある程度その影響を受けているため、高めに検出されることがあ
ると考えられる。また、「沖縄県内主要土壌の粒度分布および流出濁水における懸濁物質の粒度
分布(沖縄県衛生環境研究報 第 48 号(2014))」によると、沖縄県内の主な土壌は極微細粒子
(粒径 0.45 ㎛以下の粒子)の割合が 0.50%-3.79%となっており,溶出試験の検液を作成する
際にフィルターを通過して、土壌汚染対策法における溶出試験値に与える影響は大きいとの記載
があることから、微細な粒子の混入により土壌に含有している成分が実際の溶出量より高い濃度
として出た可能性が考えられる。
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4.3 土壌含有量調査
調査対象である 9項目の調査結果を表 4.3.1 に示す。第二種特定有害物質に属する 6項目(カ
ドミウム、水銀、鉛、砒素、ふっ素、ほう素)の検出があったが、いずれの項目とも土壌汚染対
策法に示された基準を下回るものであった。
表 4.3.1 含有量調査結果
項 目 A-1 A-2 B C D 基準値
1 カドミウム及びその化合物 <0.1 <0.1 0.1 <0.1 0.1 150 以下
2 六価クロム化合物 <0.5 <0.5 <0.5 <0.5 <0.5 250 以下
3 シアン化合物 <0.5 <0.5 <0.5 <0.5 <0.5 50 以下(遊離シ
アンとして)
4 水銀及びその化合物 0.02 0.02 <0.01 <0.01 <0.01 15 以下
5 セレン及びその化合物 <0.2 <0.2 <0.2 <0.2 <0.2 150 以下
6 鉛及びその化合物 8 11 9 9 11 150 以下
7 砒素及びその化合物 2.0 2.4 2.7 2.3 2.8 150 以下
8 ふっ素及びその化合物 2.5 4.2 13 <2 29 4000 以下
9 ほう素及びその化合物 1 3 2 4 4 4000 以下
単位:mg/kg
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4.4 ダイオキシン類調査
ダイオキシン類の調査結果を表 4.4.1 と図 4.4.1 に示す。全試料から 2.2~71pg-TEQ/g の検出
があったが、土壌に関する環境基準を下回るものであった。
表 4.4.1 ダイオキシン類調査結果
項 目 A-1 A-2 B C D 基準値
ダイオキシン類(pg-TEQ/g) 5.9 23 2.2 4.6 71 1000
なお、沖縄県が実施し、公表している土壌中のダイオキシン類調査データをみると、平成 12
年から平成24年度までの県内土壌は一般環境と発生源周辺を合わせて0.0078~52pg-TEQ/gの範
囲であった。
平成 23年には沖縄市内で 7地点調査が実施されており、0.017~52 pg-TEQ/g の範囲を示して
いた。本調査結果はこれらの値と比較して同程度であり、いずれもダイオキシン類対策特別措置
法(平成 11年法律第 105号)に基づく、土壌の汚染に係る環境基準の 1000pg/-TEQ/g を下回っ
ており問題ない。
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4.5 油分・油臭調査
油分と油臭の調査結果を表 4.5.1 に示す。油分は A-2 と B で検出されたが、油臭は 5 試料とも
無臭(0)であった。
表 4.5.1 油分・油臭調査結果
項 目 A-1 A-2 B C D 基準値
油分(㎎/kg)
(重量法) <100 140 200 <100 <100 ―
油臭(6段階臭気強度表示) 0 0 0 0 0 ―
表 4.5.2 6 段階臭気強度表示法
臭気強度 内 容
0 無臭
1 やっと感知できるにおい(検閾値濃度)
2 何のにおいであるかがわかる弱いにおい(認知閾値濃度)
3 らくに感知できるにおい
4 強いにおい
5 強烈なにおい
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4.6 結果のまとめ
サッカー場内において廃棄物混じり土等を仮置きしていた場所について、土壌汚染に係る調査
を実施した結果、土壌ガス調査においては第一種特定有害物質は検出がなく、土壌の溶出量調査
と含有量調査においては第二種、第三種特定有害物質およびダイオキシン類は、土壌汚染対策法
に示される基準およびダイオキシン類に係る環境基準を満たしていることが確認された。
油分と油臭に関しても特に汚染と考えられるものはないことが確認された。