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18NICHIGIN 2018 NO.54写真 野瀬勝一
19世紀には「小さなオーケストラ」と呼ばれたギター。若くしてプロデビュー後、ワールドワイドに活躍している村治佳織氏と、ギターをこよなく愛する鈴木人司審議委員が、楽器の魅力や音楽に取り組む姿勢を語り合う。その考え方や生き方から人生を豊かにするポイントが浮かび上がった。
村治佳織1978 年東京都生まれ。92 年ブローウェル国際ギターコンクール及び東京国際ギターコンクールで優勝。93年にCDデビュー。その後、出光音楽賞、村松賞、ホテルオークラ音楽賞を受賞。2003 年英国の名門クラシックレーベル DECCA と日本人初のインターナショナル長期専属契約を結ぶ。以後、日本を代表するクラシックギタリストの一人として活躍している。
Kaori Muraji
クラシックギタリスト
1954 年東京都生まれ。77 年慶應義塾大学経済学部卒業後、（株）三菱銀行に入行。2002年（株）東京三菱銀行市場企画室長、06 年（株）三菱東京 UFJ 銀行執行役員市場企画部長兼本店東京ビル出張所長を経て、常務取締役、専務取締役、副頭取、顧問などを歴任。17年7月より日本銀行政策委員会審議委員。
Hitoshi Suzuki
日本銀行政策委員会 審議委員
鈴木人司
出会いと発見を通じて
人生を豊かに楽しもう
鈴木
村治さんは台東区のお生
まれで、私は隣の荒川区の生ま
れです。小さい頃の思い出をお
聞かせいただければと思います。
村治
活発な子どもでした。ギ
タリストだった父の影響でギ
ターを始めましたが、演奏する
ことは好きでしたし、本を読む
のも好きでした。
ギターを弾くことは、日常生
活の一部でしたので、お風呂に
入ったり食事をしたりするのと
同じような感覚で、楽器を弾く
時間がありました。好きだとか
嫌いだとか考える前に、そこに
ギターがあるから弾くというよ
うな感覚でした。
鈴木
中学・高校のとき、クラ
ブ活動はしていましたか。
村治
帰宅部でした。子どもの
頃は父がギターの先生でした
が、中学・高校のときは他の先
生にもついていて、いろいろな
曲を勉強しました。学校には普
通に通い、夕方に帰ってきてか
ら、練習を二、三時間するのが日
課でした。
ギターとの出会い
NICHIGIN 2018 NO.5419
村治
私は東京育ちなので、
ずっとふるさとはないのかなと
思っていました。「ふるさと」に
描かれている山とか川は田舎に
行かないと見られないという意
識でいたのですが、数年休養し
た後に久しぶりにステージで演
奏できたとき、自然と「第二の
家に帰ってきました」という言
葉が自分の口から出ました。生
まれ育った場所だけではなく、
その後長い時間を過ごした大切
な場所も「ふるさと」だと解釈
していいのではないかと思い、
ステージも私の「ふるさと」だ
という柔軟な考えになりまし
た。大切に思う場所があるとい
うことは、とても大きなことだ
と思います。一方で、東日本大
震災で被災された方たちのよう
に、生まれ育った場所を大切に
思う気持ちも良く分かります。
こうした思いは、どこか一致す
る部分があるのではないかなと
思いました。
このＣＤが生まれるきっかけ
は、東日本大震災の被災地の皆
さまのためのチャリティーコン
サートでした。そのコンサート
私の場合、自分が意識する前
にギターがあったのですが、鈴
木委員は、ご自身の意思でギ
ターに惹ひ
かれて始められたので
しょうか。
鈴木
一三歳の頃に、母親を亡
くしました。その寂しさから、
家の近くの楽器屋さんでギター
を買って弾くようになりまし
た。学校にはギター部がなかっ
たので、東京音楽アカデミーと
いう通信教育制のギター講座を
受講し、毎月送られてくる楽譜
とソノシート（ビニールなどで
作られた薄手の柔らかいレコー
ド）を使って練習しました。高
校生になってまたひとつギター
を買い、大学でも続けました。
大学を卒業し、今の三菱ＵＦＪ
銀行に入った際には、接客業で
もある銀行では爪を伸ばしては
いけないと言われたので、一時
中断することとなりましたが、
二○○二年にロンドン赴任から
帰ってきてから再開することに
しまして、先生についてレッス
ンするようになりました。今は
プロのクラシックギタリストと
して幅広く活動されている川井
善晴さんに教えていただいてい
ます。
村治
独学で学ばれたとはすご
いですね。自分とは違う環境な
ので、ご自身の意思で始められ
た方をうらやましく思います。
鈴木
大ギタリストのアンドレ
ス・セゴビアは九四歳で亡くな
りましたが、晩年期までコン
サートを開いていました。
楽器は高齢になっても弾ける
し、ぼけの防止にもなりますよ
ね。特にギターは右手と左手で
違うことをしますから、頭を使
うんですよね。
村治
どんな楽器も難しいと思
いますが、ギターは特に指の動
かし方が細かいですよね。
鈴木
バイオリンはフレット
（弦を指で押さえる部分に埋め
込んである金属の横棒）がない
けれども、弦を一本ずつ弾いて
いることが多いですものね。
村治
しかもバイオリンは右手
に弓を持って弾きますが、ギ
ターの場合は指を一本ずつ動か
します。
鈴木 （ギターを弾くまねをし
て）こうやって左手で弦を押さ
えるので、一般的に左手のほう
が指が長くなりますよね。私も
そうなっています。
村治
かなり違いますね。（指を
のばして）私も同じく左右で指
の長さが違います。
鈴木
ところで、村治さんは、
二〇一六年、五年ぶりの録音と
なるアルバム「ラプソディー・
ジャパン」を出され、私も愛聴
しています。このアルバムは「ふ
るさと」がテーマということで
すが、どのような思いが込めら
れているのですか。
新たなる挑戦
3 歳の頃、父村治昇氏とともに初舞台
20NICHIGIN 2018 NO.54
で弾いた曲を全てＣＤに録音す
るので、当初はタイトルも「ふ
るさと」にしようかとも思った
ほどでしたが、世界に向けて発
売するということで、「ラプソ
ディー・ジャパン」というタイ
トルを選びました。
鈴木
アルバムには村治さんご
自身が作曲された作品が四曲あ
りますが、作曲は以前から手が
けていたのですか。
村治
いえ、以前は全く興味が
ありませんでした。演奏のみで、
書かれた譜面をどのように解釈
するかで十分満足していまし
た。
鈴木
作曲をしようと思った
きっかけは、どのようなことが
あったのでしょうか。
村治
二〇一二年にアフリカを
訪れたのがきっかけです。Ｎ
ＨＫの「旅のチカラ」という
番組があり、その番組は、出演
者が好きな場所に行って何か新
しい経験を一つするという内容
でした。音楽活動でなかなか行
けない場所はどこだろうと考え
て、アフリカに行ってみたいと
思い、その時の新しい経験とし
て作曲をしました。それまで、
作曲はしたことがなかったので
す。
鈴木
旅がきっかけだったので
すね。「島の記憶」という作品は、
副題が「五島列島にて」です。
これも旅がきっかけですか。
村治
そうです。日記を書くよ
うにメロディーを書くというこ
とが楽しかったので、その後、
五島列島に行ったときも、教会
を見たときの厳かな気持ちを曲
にしたためたり、詩に音楽をつ
けたりしました。そうしてでき
あがった曲の中から四曲をアル
バムに収録しました。
鈴木
これからも作曲は続けて
いくのでしょうか。
村治
皆さんに、いい曲だなと
思っていただけて、機会があれ
ば作曲したいと思います。
鈴木
実は、私も高校生のとき、
第二校歌を制定するという機会
があり、応募しました。
村治
それは学校の課題だった
のですか。
鈴木
いえ、有志が手を挙げて
自分たちでつくる形でした。残
念ながら、採用されませんでし
たけれどもね（笑）。
鈴木
ギターという楽器につい
てお話をしたいと思います。私
は、最初に近所で買った後、お
小遣いをためて手工ギターを
買ったのが本格的なギターとの
出会いで、練習を再開した後に
欧州の製作者のものを中心に楽
器を求めてきました。村治さん
は、ホセ・ルイス・ロマニリョ
ス製作のトルナボス（サウンド
ホール内につけられた木製の円
筒）つきの楽器を弾いていまし
たが、最近、テレビで拝見した
ときはポール・ジェイコブソン
をお使いでした。これは以前
使っていた楽器かなと思ったの
ですが。
村治
そうです。デビュー当時
に弾いていた楽器です。
鈴木
村治さんの楽器の遍歴は
どのような感じでしょうか。
村治
バイオリンと比べると、
ギターは求めやすいお値段なの
で、いろいろと手元に置いて、
この曲にはどのギターが合うだ
ろうかとか、今度はこれを弾い
てみたいという具合に、楽器の
変化を楽しめるのがおもしろい
ですよね。
鈴木
ロマニリョスとジェイコ
ブソンは出てくる音が大分違い
ますよね。
村治
違いますね。ジェイコブ
ソンは音量がパワフルだったの
で、東京国際ギターコンクール
に出るときに、当時習っていた
福田進一先生が勧めてくださっ
て使うようになりました。その
後、もう少し深みのある音を出
したいなと思うようになり、別
の楽器にしました。でも、不思
議なことに、一〇年以上使わな
かったジェイコブソンを、四、五
年前に弾いたら、ものすごくい
い音なんです。以前よりも深み
ギターという楽器は
とても奥が深い
1993 年 CD デビュー記念リサイタル
NICHIGIN 2018 NO.5421
が出たような感じがしました。
人と同じなのかもしれないです
けれども、たとえずっと弾き込
まれていたわけではなくても、
時がたつと少しずつ変わるので
しょうね。それで、最近また使っ
ています。
鈴木
ロマニリョスは、私も
持っていますが、低音が結構太
くて、それでいて高音は軽やか
で叙情詩的な味があると感じま
す。ロマニリョスの音のどの辺
がお好きですか。
村治
今おっしゃったとおり
で、低音がちゃんと支えて、高
音も細くはなく、輝きのある音
です。響きのバランスがよく、
どんなジャンルの音楽でもつく
りやすいです。例えばスペイン
のギターは、スペインの作品に
は合うけれども、ドイツのバッ
ハには味が少し濃過ぎるかなと
いう音色のものもありますよ
ね。でも、ロマニリョスは気品
もあるのでバッハにも対応でき
て、ホアキン・ロドリーゴ、イサー
ク・アルベニスなどのスペイン
の作曲家の作品にも合う、オー
ルマイティーなギターだなと思
います。
鈴木
テレビで拝見した際、ト
ルナボスつきの楽器をオーダー
されるときに、「ネックを少し細
めに」とおっしゃっていた記憶
があるのですが、結果的に何ミ
リぐらい細くなったのですか。
村治
それが細くならなかった
んです（笑）。実は、トルナボス
も、お願いしたわけではなくて、
でき上がってきたらついていた
のです。
ロマニリョスさんにもお会い
しましたけれども、演奏家に寄
り添うよりも、製作家としての
プライドがすごくあって、「演奏
するよりつくるほうが難しいか
もしれない」と、にやっとしな
がら言われました。そのくらい
の気概を持ってつくられている
から、芯がある響きを備えた楽
器になるのだと思います。
鈴木
ロマニリョスさんは、ご
自分でギターを弾くのですか。
村治
ほとんど弾かないです。
鈴木
実は、パウリーノ・ベル
ナベさんの工房を訪ねたことが
あるのですが、ベルナベさんも、
あまり弾けない感じでした。
村治
不思議ですね。製作家の
方で達者に演奏する方はあまり
いらっしゃらないですよね。
鈴木
でも、とてもフランクな
人で、工房に伺うと、「どれでも
いいから好きなように弾きなさ
い」と言われて、横のほうのス
ペースで弾かせてくれたりしま
した。
鈴木
村治さんはお父様がギタ
リストで、三歳からギターを始
められていますが、以前テレビ
番組で、「食事をやめようと思う
ことがないように、ギターをや
めたいと思ったことはない」と
お話しされていました。ギター
を続けられる中で、時には好き
ではなくなってしまうことはな
かったのでしょうか。
村治
それはなかったです。け
れども、早くからデビューして
大人の皆さんとお仕事をしてい
たので、楽しむというよりも、
しっかりやらなきゃみたいな気
持ちがすごく強かったですね。
それが強過ぎて、コンサート一
つ一つも、楽しむよりも、毎回
「頑張ろう」とこなしている感が
途中からありました。そうして
何十年も続けていくと、いずれ
自分が苦しくなるんじゃないか
なと徐々に思い、その後は「い
かに楽しめるか」をこつこつと
自分なりに追求していくように
なりました。
鈴木
私は元銀行員で、プレッ
シャーのかかる場面もありまし
たが、仕事をするうちに、徐々
に緊張しないようになりまし
た。しかし、趣味でやっている
ギターでは、発表コンサートが
あると、とても緊張することが
あります。
村治さんはプロとして大成さ
れているのでコントロールでき
緊張をいかにして
コントロールしていくか
c○Takashi Okamoto
22NICHIGIN 2018 NO.54
ていると思いますが、コンサー
トですごく緊張して大変だった
ということはありますか。
村治
小さいころから弾いてい
るので、頭が真っ白になるとか、
手が震えるとか、冷や汗をかく
ということはこれまでなかった
です。ただ、緊張すると少し硬
くなるので、練習のときには滑
らかに動けていたものが、自分
の中で少し動きが硬いな、とな
る感じはありました。
鈴木
ギターは左右の手の動き
が客席からよく見えます。私は
見られていると気になって体が
動かなくなることがあります。
村治
リハーサルをしっかりこ
なしていると、「これだけやった
のだから、なるようにしかなら
ない」と思えるようになります
よ。
鈴木
先日、演奏会に参加した
のですが、そこでスタンリー・
マイヤーズの「カヴァティーナ」
とレオ・ブローウェルの「11月
のある日」の二曲を弾き、一曲
目がスムーズに弾けたので、何
とかなるぞと考えながら弾いて
いたら、途中で先が分からなく
なってしまいました……。
村治
分かります。ステージの
上には魔物がすんでいるんで
す。
この前、ビリヤードの選手の
方とお話をさせていただきまし
たが、ビリヤードもギターの演
奏と少し似たものがあるかなと
思いました。相手に心を読まれ
たりするから、落ちついて、表
情にも出してはいけないのだそ
うです。だから、普段からメン
タルを鍛えることが大事だと。
私にとっては、音楽家以外の
ジャンルの人と話すことがすご
くいい刺激になります。
先程、お仕事のときは緊張さ
れないと伺いましたが。その秘
訣は何でしょうか。
鈴木
例えば数十人が集まって
いる会議でプレゼンをすると
か、緊張が生じそうな場面でも、
早い段階からそういう経験を積
んでいくと、だんだん大丈夫に
なります。もちろん緊張はして
いるのでしょうが、ちゃんと自
分をコントロールできるように
なるのでしょう。
村治
そこは演奏も一緒です
ね。いかに自分をコントロール
するかが大事です。私は、「試練
は、乗り越えられる者にしか与
えられない」という言葉が好き
です。何か困難に直面した時に
は、いつも思い出します。
鈴木
しばらく前までは、年に
数カ月間、スペインにおられた
のですよね。
村治
スペインには、年に三カ
月ぐらい滞在するという生活を
四年間繰り返しました。あのと
きは楽しかったですね。
鈴木
私はロンドンに四年間勤
務しましたが、スペイン人の部
下がマドリードで働いていたお
かげで、年に最低一回はスペイ
ンに行けましたし、旅行もしま
した。
村治
ロンドンからスペインに
行くと、何だかほっとしません
か。
鈴木
スペインでは夕方近くに
なると、道端に置いてあるテー
ブルの上に夕日に当たって少し
溶けたような生ハムが載ってい
たりして、それを食べながら白
ワインかなんかも飲んでいる
と、すごくのどかで、豊かな国
だなという感じがします。
村治
私も訪れるまでは、ここ
までスペインが好きになるとは
思わなかったです。留学はパリ
かけがえのない出会いと
人生の豊かな楽しみ
c○Takashi Okamoto
NICHIGIN 2018 NO.5423
でしたので、マドリードは最先
端の街とは少し違うんだろうな
と思っていたんです。けれど
も、行ってみると、時間の流れ
はゆったりとしていておおらか
ですし、それこそ人生を楽しも
うという気になれるような感じ
で、すごく影響を受けました。
鈴木
そのスペインで村治さん
は、亡くなる少し前の作曲家ロ
ドリーゴさんにもお会いになっ
ています。それは、人生の中で
かけがえのない経験だと思いま
すが、振り返ってみていかがで
すか。
村治
クラシック音楽の場合、
演奏している曲の作曲者はほと
んど天国に召された方なので、
楽譜と自分の対話という感じに
なります。しかし、ロドリーゴ
さんとお会いして、どんな名作
も、やっぱり人が創ったものな
のだなと実感しました。もちろ
ん、今までもそれは分かってい
ましたけれども、しっかりとそ
のことを心で感じることができ
ました。その時、ロドリーゴさ
んは九七歳でいらっしゃいまし
たけれども、その人にしかない
人生があって、その中の大切な
時間で曲を書かれていて。演奏
家は、作曲者の気持ちを代弁し
たり、推しはかって表現するこ
とが大事だと教わってきました
が、そのことをあらためて感じ
ました。一方で、その出会いを
契機に、自分の人生も大事にし
ようと思うようになりました。
自分のことでさえも全て分か
るわけではないのに、その曲を
書いた方のことを分かったと思
うのはおこがましいので、その
あたりはバランスよく、分かる
ところまではしっかり学んで、
あとは日々の自分の暮らしを大
事にしようと思いました。ロド
リーゴさん自身、そういう方な
んですよね。家族に囲まれて、
大変なことに遭遇しながらも、
人生を一生懸命生きておられた
方です。本で読んでも感じとれ
るのかもしれませんが、自分が
一瞬でもお会いできたことで、
後々まで心に残るものが多く得
られました。
鈴木
村治さんが以前どこか
で、「日常の中で小さな偶然を見
つけることが趣味の一つ」と話
していたのが印象に残っていま
す。旅やロドリーゴさんとの出
会いは、人生における偶然の一
つということですね。
村治
小さな偶然を見つけるこ
とが好きになったきっかけは、
人との出会いは不思議だなと思
うようになったことですね。デ
ビューしてどんどん会う人の数
が増えて、自分が想像する以上
の何かが起きて、出会いや再会
があり、自分の思い以外の不思
議な何かってあるんだなと思う
ようになりました。
そんな中から、例えば、読み
たいなと思っていた本を図書館
でほかの人が読んでいるのを目
にするとか、そんな小さなこと
でいいのですが、それはきっと
神様からの「日常を楽しみなさ
い」というプレゼントなのだと
思うようになってきました。
鈴木
私も、「日にちにちこれこうじつ
日是好日」や「一
期一会」、「莫まくもうぞう
妄想」や「一い
ちぐう隅を
照らす」といった、一日一日を
大切にして、いろいろな感動を
探すという言葉が好きなので、
村治さんのお考えに通じるもの
を感じます。
村治
旅は予想もしないことが
起きます。始まりがあったら終
わりがあり、人生のようなもの
だなとも感じます。だから、旅
をしているような感じで日常を
過ごせば、より刺激的に豊かに
過ごせるかなと思っています。
もちろん、さまざまな出会いも
大切にしたいです。
鈴木
こうやってお会いするこ
とができてよかったです。
村治
今年は新しいアルバムを
制作する予定があり、曲も決
まっていて、どんなふうにアレ
ンジするか相談中です。
鈴木
楽しみにしています。本
日はありがとうございました。
