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スライド 1 日本機械工業連合会 最近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12 最近の機械安全国際規格の紹介 ISO14121-1 機械類の安全性 リスクアセスメント 第1部:原則 ISO/TR14121-2 第2部 実践ガイド及び方法の例 ソニーファシリティマネジメント(株) セーフティエンジニアリングセンター 安全防災ソリューション部 内藤 博光 スライド 2 日本機械工業連合会 最近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12 国際安全規格の階層におけるISO14121の位置付け こちらの位置付けに なります この国際規格は、機械類の耐用期間中の全段階おけるリスク低減目標を達成 することを目的として、リスクアセスメントを実施するために要求される情報に関 するガイドラインとなっています。 適用範囲

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スライド 1

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

近の機械安全国際規格の紹介

ISO14121-1 機械類の安全性リスクアセスメント 第1部:原則

ISO/TR14121-2 第2部 実践ガイド及び方法の例

ソニーファシリティマネジメント(株)セーフティエンジニアリングセンター 安全防災ソリューション部

内藤 博光

スライド 2

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

国際安全規格の階層におけるISO14121の位置付け

こちらの位置付けになります

この国際規格は、機械類の耐用期間中の全段階おけるリスク低減目標を達成することを目的として、リスクアセスメントを実施するために要求される情報に関するガイドラインとなっています。

適用範囲

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スライド 3

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ISO 14121-1:2007Safety of machinery - Risk assessment –Part1:Principles

ISO TR14121-2:2007Safety of machinery - Risk assessment – Part2:Practical guidance and examples of methods

内容

(概要)

リスクアセスメントの一般原則を定めた規格であり、リスクアセスメントに関する用語の定義、リスクアセスメントフロー(危険源の同定,リスク見積もり,リスク評価の手順)等を示す。

ISO14121-1に基づき、機械類のリスクアセスメントを実

施するための実践的ガイドを示すととも,リスクアセスメントの各プロセスにおいて使用可能な様々な手法及びツールについて説明する。

目次 序文

1 適用範囲

2 引用規格

3 用語及び定義

4 一般原則

5 機械類の制限の決定

6 危険源の同定

7 リスク見積もり

8 リスクの評価

9 文書化

附属書A(参考) 危険源,危険状態及び危険事象の例

序文

1 適用範囲

2 引用規格

3 用語及び定義

4 リスクアセスメントの準備

5 リスクアセスメントプロセス

6 リスク低減

7 リスクアセスメントの反復

8 文書化

附属書A(参考) リスクアセスメントプロセスの各段階における手法の例

附属書B(参考) リスクアセスメント及びリスク低減プロセスの適用例

文書間の関係

ISO14121-1の要求事項を具体的に展開するためのガイドがISO/TR14121-2

ISO14121-1とISO/TR14121-2の内容と目次

これら項目を説明します

スライド 4

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

ISO14121は、以下の9項目から構成されています

ISO14121 の構成について

0 序文1 適用範囲2 引用規格3 定義4 一般原則5 機械の制限の決定6 危険源の同定7 リスク見積もり8 リスクの評価9 文書化

付属書A 危険源、危険状態および危険事象の例

付属書B 危険解析およびリスク推定の方法付属書C 参考資料

個別 適 全体 適

各企業

ツール リスクアセスメント手法

A社

B社

D社

E社

C社

×

このままでいいのか

産業界における

リスクアセスメント手法の

全体

適化を目指す

リスクアセスメントデザインレビューセーフティレビュー

各社で実施されてはいるが、そのやり方は設計者に任され、各企業まちまちであった

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スライド 5

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1.適用範囲

購入計画起案

装置引合い

仕様打合せ

発注・受注

安全方策確認

装置製造

社内検査

立会検査

出荷搬入

装置引渡し

検収

安全設計検証

この一般原則は,リスクアセスメントとして知られるものであり,リスクアセスメントは,機械の寿命の全局面でリスクを査定するために・・・

規格要求

これらステップで危険源を同定し、リスクを見積もり、評価するのは当然だが・・・

と記載されています設備の購入起案から出荷までの一般的なフローにおいて

このような側面も考慮する必要があります B 工場A 工場 移設搬出 移設搬入

設備の用力を切り離し、移設する時

設備の部分改造や使用する危険有害性物質が変更となり、リスクレベルが変化する時

A純水から→

薬液へ変更した

洗浄設備で

スライド 6

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1.適用範囲

この国際規格は,リスクアセスメントを実施するために要求される情報に関するガイダンスを与える。危険源を同定し(Hazard identification),リスクを見積もり,評価する手順を示す。

規格要求

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スライド 7

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1.適用範囲

この国際規格は,リスクアセスメントを実施するために要求される情報に関するガイダンスを与える。危険源を同定し(Hazard identification),リスクを見積もり,評価する手順を示す。

規格要求

リスクアセスメントrisk assessment

・耐用期間の各段階に対する要求事項・機械の正しい使用と操作

予測される誤使用・使用者の性別、身体能力の限界・使用者の熟練度、能力・人間が危険にさらされる頻度、期間

機械的危険源 押しつぶし、せん断

電気的 充電部との接触、静電気

熱的・振動・騒音・放射線

火災、聴力低下、低周波・赤外線

材料及び物質 毒性、刺激性

機械設計における人間 ・工学原則の無視

不自然な姿勢、精神的な負担

すべり、つまづき及び・墜落

床表面、接近手段の無視

危険源の組み合わせ 些細な危険の組み合わせ

機械が使用される環境 温度、風、雪、落雷

スライド 8

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3.用語 及び 定義 危険源 規格から抜粋して説明します

注記1 “危険源”という用語は,その発生源(例えば,機械的危険源,電気的危険源)を明確にし,又は潜在的な危害(例えば,感電の危険源,切断の危険源,毒性による危険源,火災による危険源)の性質を明確にするために適切である。

機械的危険源

固体 または、液体の機械的作用に起因して生ずる危険。たとえば、押しすぶし、切断、裂傷巻き込みなどの危険性

熱的危険源 電気的危険源

有害磁場,光線危険源 騒音の危険源 材料及び物質による危険源

高温、低温の機械類に接触することなど。火災または爆発を引き起こす高温の危険性

感電、電気アーク、絶縁破壊、漏洩電流、静電気などの危険性

レーザー、マイクロ波、X線、電離及び非電離放射線などの危険性

聴覚への支障や耳鳴りなど 有害な化学薬品などの吸入、摂取または接触。それらが使用が起因する、火災・爆発の危険性

規格では

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スライド 9

可燃性化学物質

腐食性薬液

可動部

高電圧 巻き込まれ レーザー等有害磁場

爆発性ガス

高温加熱部

腐食性ガス

設備に内包するこれら危険源は・・・

「機械の包括的な指針」を順守し、リスクを低減すべき危険源

3.用語 及び 定義 危険源 国内法から見たリスクアセスメント

危険有害性物質については・・・改正労働安全衛生法 第28条の2 2006年4月1日改正要旨

機械設備、原材料などの作業行動に伴う危険性・有害性などの調査・評価を行い、その結果に基づき必要な処置をすることと求められています。

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平成12年3月公示「化学物質管理指針」を順守し、有害性の特定とリスクアセスメントを実施すべき危険源

スライド 10

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3.用語 及び 定義 危険区域

災害の発生 = 人と機械の危険源が接触

危険源ハザード危険区域(曝露域)

機械の作動空間(機械とその周辺)人の行動範囲(作業空間) リスクが発生危険状態

安全域

危険区域(hazard zone/danger zone)人が危険源に暴露されるような機械類の内部及び/又は機械類周辺の空間。

規格では

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スライド 11

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3.用語 及び 定義 危険事象・危険状態

・高電圧部への接触し感電する

・発煙、発火(電気火災)

熱的危険源

・危険状態例:極端な温度の物体又は材料の近くにおける作業・高温加熱部(ヒーター、

油圧装置等)への接触する

・危険状態例:騒音の危険源に作業者が暴露される・排気音、ワーク加工音

により聴覚障害となる

・回転部等からの発生

振動による危険源

表面、端部、角等による危険源

・筐体表面、コーナー部への接触し裂傷する

・機械相互間の連動の不備による危険

・墜落による危険・重量物の搬送による危険・滑り、つまずきによる危険・安定性の欠如による危険・材料の破壊、破損による危険

その他の危険源

感電等の電気的危険源

危険事象(hazardous event)危害を起こし得る事象

危険状態(hazardous situation)人が少なくとも一つの危険源に暴露される状況。

騒音による危険源

スライド 12

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3.用語 及び 定義 機械類/機械

人力のみによって動かされるものは、機械には該当しません。

機械類とは:連結された部品又は構成品の組合せで,そのうちの少なくとも一つは適切な機械アクチュエ-タ,制御及び動力回路を備えて動くものであって,特に材料の加工,処理,移動及び梱包といった特定の用途に合うように結合されたもの

規格では

手回しハンドル

回転刃手回しスライサの例:

手回しハンドルを回すと回転刃が左から右へ動き、肉をスライスする。肉の送りは手動でセットする。

写真出典:日食工50年のあゆみ,p118,南常鉄工㈱,(社)日本食品機械工業会

回転刃は左から右へ動く

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スライド 13

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+-

-+

+-

+-

設計者による方策とは

設計、製造、改造等を行なう時リスクアセスメントを実施し、危険性を漏れなく予測し、予防策(安全方策)を織り込むこと。

リスクを摘む目 ユーザーさんには、設置の際安全柵を付けてもらわないといけないな。

教示の手順が必要だな。

運転状態表示灯を見やすい所に設置しなければ。

メーカーでは予見出来ない、設置して初めて発生するリスクもある。ユーザーの視点でのリスクアセスメントに基づく安全方策が重要。

安全柵を設置したから、安全プラグとサーボ電源の連動インターロックを確認しよう。

3.用語 及び 定義 保護方策

― 設計者による方策(本質的安全設計方策,安全防護及び付加保護方策,使用上の情報)及び

― 使用者による方策(組織(安全作業手順,監督,作業許可システム),追加安全防護物の準備及び使用,保護具の使用,訓練)

規格では

使用者による方策とは

スライド 14

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3.用語 及び 定義 リスク分析・リスクアセスメント・リスク見積り・リスクの評価

機械の制限に関する仕様,危険源の同定及びリスク見積りの組合せ

リスク分析及びリスクの評価を含む全てのプロセス。

起こり得る危害のひどさとその発生確率を明確にすること。

リスク分析に基づき,リスク低減目標を達成したかどうかを判断すること。

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スライド 15

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4.一般原則 4.1 基本概念

リスクアセスメントは,機械類に関連するリスク分析及びその評価を系統的方法で実施可能にするための一連の手順である。

この手順を繰り返すとき,保護方策を実施することによって,できる限り現実的に危険源を除去すること,またリスクを低減することに関しては,反復的プロセスとなる。

規格では

適切にリスク低減するための反復的プロセス

ここが重要です以下のようなことを想定

してください

例として、実施した安全方策が、新たな危険源になっていないかなどを確認する必要があります。

危険警告のためのシグナルタワーが、取り付け位置が低いために頭をぶつける危険性を発生させてしまった

スライド 16

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4.2 リスクアセスメントに関する情報 使用者の仕様

リスクアセスメントに関する情報は,次を含むのが望ましい。a) 機械類の詳細に関連する事項

1) 使用者の仕様

規格では

■性別,年齢,利き手の使用,又は身体能力の限界例えば,視覚又は聴覚の減退,体型,体力などにより特定される人の機械類使用(例えば,産業,非産業及び家庭?)

■次のような使用者の訓練,経験又は能力の想定レベルオペレータ

保全要員又は技術者見習い及び初心者一般大衆

使用者の仕様とは・・・シュレッダー幼児指切断事故

を思い出してください

私は保全要員

私は技術者

私は監督者

誤使用例:シュレッダーによる幼児の指切断

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スライド 17

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4.2 リスクアセスメントに関する情報 想定される機械の仕様

次を含む,想定される機械の仕様i) 機械類の全寿命のさまざまな局面の記述ii) 設計図面又は機械類の性質を示す他の手段iii) 要求される動力源及び接続方法

規格では

全寿命とは・・・

出荷搬入

顧客

引渡し

使

が寿命となり、廃棄したい

ここで重要なのは、廃棄作業時におけるリスクをも、想定することです

ローターリーポンプ

動力源及び接続方法とは・・・

ガス配管継手部 薬液供給配管 接続部電源入力部

スライド 18

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4.2 リスクアセスメントに関する情報法規制、規格及び他の適用可能な文書に関連する事項

規格では 法規制,規格及び他の適用可能な文書に関連する事項1) 適用可能な法規制2) 関連する規格3) 関連する技術仕様4) 安全データシート

リスクアセスメント規格

ISO

14121

を使用する際は

これら規格を参考とすることです

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スライド 19

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4.2 リスクアセスメントに関する情報 使用経験に関する事項

規格では 実際の又は類似の機械類の災害,事故又は機能不良履歴

設備事故災害の発生情報を共有して

電磁波の漏洩事故が発生しました

自社内からの情報や産業界からの情報を得て

Safety notice 設備事故災害発生情報

半導体製造設備より電磁波漏洩が発生!!

マッチングBOXの電磁波シールドが不足していたため、大量の電磁波漏洩が発生しました。同様の設備を設備を設計する際は、類似事故再発防止の為の方策を確実に実施してください。

設計検討会議を開き・・・

販売している設備は問題無いかな?同等の危険性は無いかな?

スライド 20

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4.2 リスクアセスメントに関する情報 使用経験に関する事項

規格では 放射(騒音,振動,埃,噴霧など),機械類によって使用される化学物質,処理される材料から生じる健康障害履歴

化学物質を使用する設備も考慮して、有害化学物質のばく露から労働者を保護する方策の取り組みも要求されます。

薬液使用設備

薬液の使用が起因する様々な危険有害性・・・ 薬液雰囲気の局所排気

保護具の選定と着用方法

薬液漏洩の早期検知

化学物質取り扱い情報

緊急時の処置方法

作業環境測定に関する情報

必要とされる方策や使用者への情報

酸化性

皮膚腐食性

急性毒性

眼・皮膚刺激性皮膚感作性

生殖毒性呼吸器感作性標的臓器毒性

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スライド 21

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4.2 リスクアセスメントに関する情報 備考

規格では 災害履歴がない,災害件数が少ない,又は発生した災害のひどさが低いということで,自動的にリスクが低いとしてはならない。

備考ですが、重要なことが記載されています。以下のような考え方は、間違った考え方ですよ。

これまで事故がなかったから大丈夫

安全は人間が注意をして確保すべきもの

安全よりコスト優先は、企業として当然

安全装置を付けたから大丈夫

事故が起きたら、その時に対応すればよい

何も報告がないから安全だ

事故情報、クレーム情報は責任問題になるので

上には報告をしない

誤魔化す、隠す、無視する、責任転嫁する

スライド 22

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5.機械類の制限の決定

規格ではリスクアセスメントは,機械類の制限の仕様を決定することから始める。その中で・・・空間上の制限。例えば,次の面を考慮する。1) 可動範囲2) 機械の設置及び保全のための空間要求3) 人の相互作用。例えば,“オペレータ―機械”間インターフェイス4) “機械―動力供給”インターフェイス

パーテッション

緊急事態表示として、非常停止動作時に赤の回転灯を動作させる

可搬式の非常停止スイッチを設置するなどの検討

顧客と設備設置の仕様打合せの中で保全エリアがパーテッションで仕切られることになったことを想定してください

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スライド 23

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6.危険源の同定

規格では 機械類のリスクアセスメントにおいて本質的なステップは,機械の寿命の全局面の間,危険源,危険状態及び危険事象を系統的に同定することである。例えば,a) 機械の製作b) 運搬,組立及び設置c) 立上げ(commissioning検収)d) 使用e) 使用停止,分解及び安全上問題がある場合には廃棄処分

同定するとは、危険源を漏れなく特定することです。

設定(段取り等) 試験ティ-チング/プログラミング 工具/工程の切替え起動 すべての運転モード機械供給 機械から製品を取り出す正常停止 非常停止ジャミングからの回復 計画外停止後の再起動不具合(障害)の発見/トラブルシューティング(オペレータの介入)清掃及び大掃除 計画保全及び修理計画外保全及び修理

以下のような、さまざまなタスクに関連するすべての合理的に予見可能な危険源,危険状態又は危険事象を同定しなければならない。

タスク(task)機械の寿命の間,機械に対して又は機械の周辺で実施される特定の活動。

スライド 24

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

それでは、ISO/TR14121-2 第2部 実践ガイド及び方法の例 に進みます

リスク低減するための反復的プロセス フロー

ISO 14121-1では、この範囲を説明しました

ISO 14121-2では、この範囲を説明します

1.適用範囲 5.リスクアセスメントプロセス2.引用規格 5.1一般要求事項3.用語及び定義 5.2機械類の制限の決定4.リスクアセスメントの準備 5.3危険源の同定

5.4リスク見積もり5.5リスク評価

6.リスク低減7.リスクアセスメントの反復8.文書化

こちらを説明します

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スライド 25

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

危害の発生確率

危険源への人の暴露

危険事象の発生

危害を回避又は制限する可能性

考慮下の

危険源に

関連する

リスク

考慮下の

危険源から生

じる

危害のひどさ

は と の関数

5.機械類の制限の決定 5.4.1 一般要求事項

二つの主なリスク要素は危害のひどさとその発生確率である。

リスク見積もりの目的は、各危険状態又は事故のシナリオから生じる

も高いリスクを決定することである。

危害のひどさ

災害が起こるとしたときの災害(傷害)の程度

危害の発生確率

想定した災害の起こりやすさ。以下の3点を考慮して決定する。

危険源への人の暴露

危険区域に人が侵入し危険源と接する状態

危害事象の発生

危険源への人の暴露により、危険状態から実際の危害に到ってしまう状況

危害を回避または制限する可能性

危険源に暴露した人の経験や反射神経などに基づく危険回避の可能性

規格では

スライド 26

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

人暴露

人の存在

危険源

危険区域

時間

危害(健康への害)

人危険状態

人の存在

危険源

危険区域

危険事象(技術的又は人が起源)

危害の回避又は制限(技術的又は人の要因)

危害(怪我)

急性プロセス 時間プロセス

危 害 発 生 の 条 件

5.機械類の制限の決定 5.4.1 一般要求事項

繰り返し作業などの人間工学的な側面やアスベストの使用など・・・

慢性暴露的な生体への影響など

感電事故インターロック不足で巻き込まれた

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スライド 27

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

エネルギーの大小と「危害のひどさ」の相関事例

1mw→安全250W→眼障害・皮膚障害

<レーザーの場合>

5.機械類の制限の決定 5.4.2 危害のひどさ

同じレーザーでも、炭酸ガスレーザー出力250Wのエネルギーでは金属加工が可能であり、人的危害のひどさも「重傷」が想定される。

レーザーポインターは出力が1mW程度であり、人体に対して安全な設計になっているため、危害のひどさはほぼゼロに等しい。

代表的なひどさの範囲のリスクを見積もり、 も高いリスクを示すものを使用することが有益である。

一般的に危険源のエネルギーが低ければ低いほど、関連する潜在的危害のひどさも低くなる。潜在的危害のひどさは、暴露される身体部位に関連する可能性がある。例えば、押しつぶしの怪我を生じ得る危険源は、全身又は頭が暴露される場合、一般的に致命的である。

規格では

スライド 28

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

a) 危険源に暴露される人

●オペレーター・保全要員・メーカー担当者・・・・・

●熟練者、有資格者、未経験者、新入社員・・・・・

b) 危険事象の発生確率

●信頼性及び他の統計データ

●災害履歴

●健康障害履歴・・・・・

c) 危害を回避又は制限する技術的及び人的可能性

●危険状態が危害に到る速度

●人的可能性(反射的動作、敏捷性、脱出の可能性)

●実際の経験、知識の度合い・・・

5.機械類の制限の決定 5.4.3 危害発生の確率

リスク見積もりの全てのアプローチは、次を考慮し危害の発生確率を見積もらねばならない。

規格では

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スライド 29

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

見積もりツールは上記のような5つのツールがあります。

5.機械類の制限の決定 5.4.4 リスク見積もりツール

それでは順にツールコンセプトを説明しましょう

規格ではリスク見積もりプロセスでは次に示すいずれかの「リスク見積もり

ツール」を選択し、使用することができる

1. リスクマトリクス

2. リスクグラフ

3. スコアリング

5. ハイブリッドツール

スライド 30

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4 リスク見積もりツール

はじめに「リスクマトリクス」について解説します。

規格では リスク見積もりプロセスでは次に示すいずれかの「リスク見積もり

ツール」を選択し、使用することができる

1. リスクマトリクス

2. リスクグラフ

3. スコアリング

5. ハイブリッドツール

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スライド 31

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5.機械類の制限の決定 5.4.4.2 リスクマトリクス

危害のひどさのクラスと危害の発生確率のクラスを組み合わせた

多次元テーブルである。

それぞれ選択されるクラスの欄と列の交差に一致するセルの内容

は同定される危険状態に対して見積もったリスクを示す。

規格では

<リスクマトリクスの特徴>

◆危険源に対するリスクレベルを導き出す為の容易で迅速な手法である。

◆習得するにも使用するにも簡単で早い。

◆手法の性質が主観的であるがゆえに正確性又は再現性に欠ける。

◆機械・設備に精通した人が使用する必要がある。

機械に精通していないと正しく評価できません

スライド 32

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

危害の発生確率

危害のひどさ

Catastrophic死亡又は恒久的な不可

逆性傷害又は疾病

Serious深刻な傷害又は疾病

Moderate応急処置以上を必要とする重大な傷害又は疾

Minor応急処置以上のことを必要としない傷害又は

軽微な傷害

Very likely

発生が確実に近い

High

High

High

Medium

Likely

起こりえる

High

High

Medium

Low

Unlikely

起こりえない

Medium

Medium

Low

Negligible

無視可能

Remote

ゼロに近く起こりえない

Low

Low

Negligible

無視可能

Negligible

無視可能

ANSI B11 TR3:2000によるリスク見積もりマトリクス

5.機械類の制限の決定 5.4.4.2 リスクマトリクス 事例

危害のひどさ( Severity )及び可能性(Class)は各々4つのクラスに分類されている。

交点のセル内のリスク見積もりは「無視可能」~「高」までの4つに分類されている。

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スライド 33

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

使用者/タスク

危険源

最初のリスクアセスメントリスク低減

方法

残留リスクの査定

状態ひどさ/確率

リスクレベル

ひどさ/確率

リスクレベル

作業者/入力側コンベヤからの板を選択

機械的:材木の破片

Minor/very likely

中 グローブ Minor/unlikely 無視可能 完了

人間工学:反復動作

Moderate/likely 中作業ローテーション,計画的休息間隔,標準手順

Minor/unlikely 低 作業中

人間工学:持ち上げ/曲げ(身体)/ひねり(身体)

Moderate/likely 中

到達を最小にするための作業場の高さ及び位置、作業ローテーション

Moderate/likely 中 完了

作業者/木目の切断

機械的:回転するのこ刃による切断/切り裂き

Catastrophic/likely 高

固定式エンクロージャ/バリア

Catastrophic/remote 低 完了

機械的:材木の破片

Minor/very likely 中 グローブ Minor/unlikely 無視可能 完了

機械的:飛散する屑

Moderate/likely 中 安全めがね Moderate/remote 無視可能 完了

人間工学:反復動作

Moderate/likely 中作業ローテーション,計画的休息間隔,標準手順

Minor/unlikely 低 作業中

騒音:騒音/音レベル>85dBA

Serious/very likely 高 聴覚保護 Serious/unlikely 中 作業中

作業者/出力側コンベヤに板を置く

機械的:材木の破片

Minor/very likely

中 グローブ Minor/unlikely 無視可能 完了

人間工学:負荷の押し引き

Minor/unlikely 無視可能

補助棒による最小限の持ち上げ。作業者のみが板をスライドさせる

Minor/unlikely 無視可能 完了

リスクマトリックス手法・フォーマット使用例 (木材加工工場、研削作業)

危害の発生確率

危害のひどさ

Catastrophic死亡又は恒久的な不可逆性傷害又は疾病

Serious深刻な傷害又は疾病

Moderate応急処置以上を必要とする重大な傷害又

は疾病

Minor応急処置以上のことを必要としない傷害

又は軽微な傷害

Very likely

発生が確実に近い

High

High

High

Medium

Likely

起こりえる

High

High

Medium

Low

Unlikely

起こりえない

Medium

Medium

Low

Negligible

無視可能

Remote

ゼロに近く起こりえない

Low

Low

Negligible

無視可能

Negligible

無視可能

この評価事例で解説します。

初のリスクアセスメント結果はCatastrophicとLikelyの交わる「高」のリスクとなります。

リスク低減後の残留リスクはCatastrophicとRemoteの交わる「低」となります。

リスク低減策として「固定エンクロージャ/バリア」を実施

スライド 34

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4 リスク見積もりツール

次にリスクグラフについて解説します。

規格では リスク見積もりプロセスでは次に示すいずれかの「リスク見積もり

ツール」を選択し、使用することができる

1. リスクマトリクス

2. リスクグラフ

3. スコアリング

5. ハイブリッドツール

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スライド 35

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

危害のひどさ及び危害の可能性に関するパラメーターについて

そのクラスをツリー状に階層化させてリスクレベルまたはリスク

インデクスを導きだす手法

5.機械類の制限の決定 5.4.4.3 リスクグラフ

規格では

<リスクグラフの特徴>

◆保護方策によるリスク低減量を示すのに有益である。

◆ひとつのパラメーターに対する分岐(クラス)が二つ以上ある場合は

非常に厄介で散漫なものになる。

スライド 36

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

開始

S1,軽微

S2,深刻

F1,F2

F1,滅多にない

F2,頻繁

O1,O2 A1,A2

O3,高

O1,非常に低

O2,低

O3,高

O1,非常に低

O2,低

O3,高

A1,A2

A1,可能

A1,可能

A1,可能

A1,可能

A2,不可能

A2,不可能

A2,不可能

A2,不可能

ひどさ(Severity)

暴露(Frequency)

危険事象の発生確率(Occurrence)

回避の可能性(Avoidance)

リスクインデクス

5.機械類の制限の決定 5.4.4.3 リスクグラフ 事例

パラメーター4項目に対して2~3のクラス(分岐)が設定されている。

終のリスク見積もり(インデクス)は6段階に設定されている。

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スライド 37

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

初のリスク分析

Activity 危険な条件リスク見積もり

リスクインデクスの計算

解決策 Activity 危険源 危険状態 危険事象想定危害

ひどさ

(S1/S2)

頻度/暴露

(F1/F2)

発生確率

(O1/O2/O3)

回避可能性

(A1/A2)

リスクインデク

ス(1から

6)

3

紙切断ナイフの垂直動作

作業者の手が紙スタッカの近くにある。

作業者により始動信号を出したナイフの軌道に作業者の手がある。 上肢の

重要な切断

2 1 3 2 4

―制御回路の障害により始動信号を出したナイフの軌道に作業者の手がある。

2 1 2 2 3

こちらの評価事例で解説します。

開始

S1,軽微

S2,深刻

F1,F2

F1,滅多にない

F2,頻繁

O1,O2 A1,A2

O3,高

O1,非常に低

O2,低

O3,高

O1,非常に低

O2,低

O3,高

A1,A2

A1,可能

A1,可能

A1,可能

A1,可能

A2,不可能

A2,不可能

A2,不可能

A2,不可能

危害のひどさが②

頻度が①

発生確率が③

回避可能性が②

以上の結果よりリスクインデクス④

リスクグラフ・フォーマット使用例

スライド 38

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4 リスク見積もりツール

次にスコアリングについて解説します。

規格では リスク見積もりプロセスでは次に示すいずれかの「リスク見積もり

ツール」を選択し、使用することができる

1. リスクマトリクス

2. リスクグラフ

3. スコアリング

5. ハイブリッドツール

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スライド 39

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4.4 リスクスコア

危害のひどさ及び危害の可能性に関するパラメーターについて分割され

たクラス内にてさらに詳細なスコア(点数)付けがなされ、その組み合わせ

(合算)によってリスクスコアが見積もられる。

規格では

<リスクスコアの特徴>

◆パラメータが簡単に、はっきりと重み付けされる。

◆各リスク要素に対する数字の割り当てが非常に客観性を有している、

◆組み合わされたリスクレベルの総点数についての意味づけは難しいが

「高」「中」「低」という定性的分類にグループ化するとわかり易い。

スライド 40

ひどさ (SS) Severity ScoreCATASTOROPHIC(SS≧100)死亡又は恒久的な不可逆性傷害又は疾病

SERIOUS(99≧SS≧90)深刻な傷害又は疾病

MODERATE(89≧SS≧30)応急処置以上を必要とする重大な傷害又は疾病

MINOR(29≧SS≧0)

応急処置以上のことを必要としない傷害又は軽微な傷害

確率 (PS) Probability ScoreVERY LIKELY(PS≧100)起こりそう又は起こることが確実

LIKELY(99≧PS≧70)起こりえる(しかし確実ではない)

UNLIKELY(69≧PS≧30)起こりそうもない

REMOTE(29≧PS≧0)本質的にゼロに近いくらいの発生

5.機械類の制限の決定 5.4.4.4 リスクスコア 事例

SS+PS=RS

― 高 ≧160

159≧ 中 ≧120

119≧ 低 ≧90

89≧ 無視可能 ≧0

RS:Risk Score

パラメーターは「危害のひどさ」SSと「確率」PSのふたつで、各々4つのクラスに分類される。リスクスコアは各パラメーターのスコアの合算となる。

リスクスコアも「高」~「無視可能」の4段階に分類される。

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スライド 41

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

ベーグルやバンズを所定の厚みで分割する機械。上部からベーグルを投入。内部のブレードにて裁断されて下部に排出される。

スコアリング・フォーマット使用例

タスク―危険源最初の

アセスメントSSとPS

リスクスコア

リスク低減手法最終

アセスメントSSとPS

リスクスコア

ベーグルを通過させるための頂点部分に到達しないようにする指示の無視

30(moderate)

70(likely)

100(low)

調整式エンクロージャ/バリア,警告ラベル,標準手順,指示マニュアル

30(moderate)

30(unlikely)

60(negligible)

ブレードの危険源の深刻さの誤解―ベーグルを通過させるための頂点部分への到達

30(moderate)

70(likely)

100(low)

調整式エンクロージャ/バリア,警告ラベル,標準手順,指示マニュアル

30(moderate)

30(unlikely)

60(negligible)

ベーグルを出すための下部分に到達しないようにする指示の無視

30(moderate)

70(likely)

100(low)

調整式エンクロージャ/バリア,警告ラベル,標準手順,指示マニュアル

30(moderate)

30(unlikely)

60(negligible)

ブレードが惰性で動く及び到達することを忘れる。

30(moderate)

70(likely)

100(low)

調整式エンクロージャ/バリア,警告ラベル,標準手順,指示マニュアル

30(moderate)

30(unlikely)

60(negligible)

例:ベーグルスライサのリスクアセスメント

5.4.4.4 リスクスコアフォーマット使用例

― 高 ≧160

159≧ 中 ≧120

119≧ 低 ≧90

89≧ 無視可能 ≧0

こちらの評価事例で解説します。

ひどさ(SS)が30点 リスクスコア(RS)は

30点+70点=100点

ひどさ (SS) Severity ScoreCATASTOROPHIC(SS≧100)死亡又は恒久的な不可逆性傷害又は疾病

SERIOUS(99≧SS≧90)深刻な傷害又は疾病

MODERATE(89≧SS≧30)応急処置以上を必要とする重大な傷害又は疾病

MINOR(29≧SS≧0)

応急処置以上のことを必要としない傷害又は軽微な傷害

確率 (PS) Probability ScoreVERY LIKELY(PS≧100)起こりそう又は起こることが確実

LIKELY(99≧PS≧70)起こりえる(しかし確実ではない)

UNLIKELY(69≧PS≧30)起こりそうもない

REMOTE(29≧PS≧0)本質的にゼロに近いくらいの発生

確率(PS)が70点

スライド 42

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4 リスク見積もりツール

次にハイブリッドツールについて解説します。

規格ではリスク見積もりプロセスでは次に示すいずれかの「リスク見積もり

ツール」を選択し、使用することができる

1. リスクマトリクス

2. リスクグラフ

3. スコアリング

5. ハイブリッドツール

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スライド 43

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

5.機械類の制限の決定 5.4.4.5 ハイブリッドツール

このリスクアセスメントは,定性的パラメータを定量化するものであり、

スコアリングとマトリクスを組み合わせた手法である。

規格では

<ハイブリッドツールの特徴>

◆スコアリングとマトリクスの特徴を兼ね備える

◆スコアリングで評価するパラメーターについては重み付けがはっきりする

◆マトリクス部の選択には経験や知識を要する

◆マトリクスよりは客観性があり、再現性が得られやすい

スライド 44

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

結果ひどさ

Se

クラスCI(Fr+Pr+Av)

頻度Fr

確率Pr

回避Av3-

45-7

8-10

11-13

14-15

死亡,目又は腕の喪失 4 h≦1H 5 Very high 5

恒久的傷害,指の喪失 3 1H<h≦24H 5 Likely 4

可逆性傷害,医療上の注意 224H<h≦2W 4 Possible 3 Impossible 5

可逆性傷害,応急処置 1 2W<h≦1y 3 Rarely 2 Possible 3

1y<h 2 Negligible 1 Likely 1

5.機械類の制限の決定 5.4.4.5 ハイブリッドツール 事例

危害のひどさ(Se)は4つのクラスに分類される。

可能性(CI)は「頻度」「確率」「回避」のスコアの合計とし、合計点数によって5つの

クラスに分類される。「ひどさ」と「可能性」のマトリクスからリスクを見積もる。

黒部分は、無条件で安全方策が要求される 灰色部分は、安全方策が推奨される。

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スライド 45

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

結果ひどさ

Se

クラスCI(Fr+Pr+Av)頻度Fr

確率Pr

回避Av3-4 5-7

8-10

11-13

14-15

死亡,目又は腕の喪失 4 h≦1H 5 Very high 5

恒久的傷害,指の喪失 3 1H<h≦24H 5 Likely 4

可逆性傷害,医療上の注意 2 24H<h≦2W 4 Possible 3 Impossible 5

可逆性傷害,応急処置 1 2W<h≦1y 3 Rarely 2 Possible 3

1y<h 2 Negligible 1 Likely 1

文書番号 684

文書パート 672

リスクアセスメント及び保護方策

製品: 振動ドライブ装置 □ 事前リスクアセスメント

発行者: <名前> 黒部分 =安全方策が要求される

灰部分 =安全方策が推奨される

■ 中間リスクアセスメント

日付: 2007-09-17 □ フォローアップリスクアセスメント

5.4.4.5 ハイブリッドツールフォーマット使用例(包装機械)

No 危険源 危険源 Se Fr Pr Av CI 保護方策 適切な安全性

1 2 充電部からの電撃 Yes

2 1 指の押しつぶし 3 4 2 3 9 インタロックガード

3 1 可動ピンとフレーム間の指 2 3 2 3 8 インタロックガード

危害のひどさSeが③

頻度が④確率が②回避が③

CI=Fr+Pr+Av=9

SeとCIの交点(黒)は安全方策が必要

こちらの事例で解説します。

黒部分:無条件で安全方策が要求される

スライド 46

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

もしあるならば、危険状態がさらなるリスク低減を要求しているかどうかを決定すること

要求のリスク低減が更なる危険源を発生させること無しに、又は他のリスクを増加することなしに達成されているかどうかを決定すること

規格では

5.5リスクの評価

リスク

インデクス

判断

基準

実施すべき保護方策

1 些細なリスク

保護方策要、従来の安全管理継続

2 軽微なリスク

「本質的安全設計」、「安全防護」、「付加保護方策」、「使用上の情報の作成」の優先順位で方策の適用を検討する。

但し、リスクレベルが高いものには、例え同じ「本質的安全設計方策」を採用するにしても、より安全確保性能の高い(確実な)方策を立案すること。

3 中程度のリスク

4 重大な

リスク

5 極めて

重大なリスク

現状の管理で良いか、更なるリスク低減が必要かを分類ごとに明確にすることが重要です。

極めて重大なリスク回避の可能性なし

ひどさ 暴露 危険事象の発生確率 回避の可能性

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スライド 47

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6.リスクの低減 6,1 一般要求事項

規格では リスク低減は,リスクアセスメントの段階で展開された推奨事項を組み込み,JIS B 9700にしたがって保護方策を実施することにより達成される。

ISO12100規格に定義されている3ステップメソッド

形状・エネルギー・制御面での配慮

操作方法・人間工学面での配慮

ガードによる危険源からの隔離

保護装置による危険源の停止

非常停止機能の付加

蓄積/残留エネルギーの除去

機械を安全に使うための通知・警告

本質安全設計方策

安 全 防 護

付加保護方策

使用上の情報の提供

Step 1

Step 2

Step 3

設計者によって講じられる保護方策

スライド 48

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

6.リスクの低減 6.2 設計による危険源の除去

規格ではリスク低減プロセスにおける1番目のステップは,設計による危険源の除去である。設計による危険源の除去は,リスクを低減するための も効果的な方法である。

本質安全設計方策

安 全 防 護

付加保護方策

使用上の情報の提供

Step 1

Step 2

Step 3

設計者によって講じられる保護方策設計手法により危険源そのものをなくす

(低減する)

作業者が危険区域に入る必然性をなくす(低減する)

機構的に危険な部位をなくす

エネルギーを小さくする

構造計算、材料など一般設計技術・知識の活用

本質的に安全な技術や動力源の使用

ヒューマンファクターを考慮した設計

制御システムの本質設計

圧力機器の危険防止

Step 1

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スライド 49

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6.リスク低減 6.3 設計によるリスクの低減

危害のひどさを低減するリスク低減方法・エネルギを低減する

例えば、より低い力、低い液圧/空圧を使用する・危険源を防止/低減するための技術的安全装置の利用

危険源への暴露を低減するリスク低減方法・危険状態にいる必要性の低減

例えば、搬入/搬出の機械化又は自動化を採用する・危害の源を再配置する

危険事象の発生を低減するリスク低減方法・機械のコンポーネントの信頼性の向上

機械的、電気/電子、液圧/空圧コンポーネント・安全設計方策を制御システムの安全関連部に適用する

モータ

コントローラ

安全回路

(判断機能)

P L C

I N O U T

危険源の遮断

安全関連部

制御電源

動力電源

ON側異常

危険源停止

OFF

非安全関連部

・2重回路・異常チェック

・再起動防止

安全制御部と非安全制御部の冗長性による制御系の本質安全設計

スライド 50

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6.リスク低減 6.4 安全防護策

規格では 危険源を設計方策により適切に除去できない,又はリスクを低減できない場合,危険源への暴露を制限する,危険事象の発生確率を低減する,又は危害回避若しくは制限を向上させるために安全防護策(ガード及び保護方策)を適用しなければならない。

前面エリアセンサーのみの設置 前面:ライトカーテン侵入可能領域:固定ガードによる隔離

リスクアセスメント後の改良箇所

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スライド 51

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6.リスク低減 6.5 付加保護方策

非常停止

捕捉された人の脱出及び救助のための方策機械及びその重量のある構成要素の簡単で安全な取り扱いのための準備

万一、閉じ込められた場合、

保全担当者が内側の

ハンドルを回すとロックが

解除され、脱出が可能。

保全用メンテナンス台車

■停止した機構部分(挟まれている、巻き込まれている)を、手で動かす手段

■機構部の動作を逆転できる構造

スライド 52

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

6.リスクの低減 6.6 使用上の情報

規格では 6.6.2 機械自体に付けられる情報a) 警告標識(ピクトグラム)b) 安全な使用のためのマーキング及びラベルc) 聴覚又は視覚信号(例えば、ホーン,ベル,ホイッスル,ライト)d) 他の警告装置(例えば,注意喚起バリア,振動)

緊急事態表示として、非常停止動作時に赤の回転灯を動作させる

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スライド 53

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6.リスク低減 6.7 訓練

規格では 供給者は,人が機械を正確に使用し,保護方策の適用の仕方を知ることを確実にするために必要とされる訓練について,指示書に詳細を記述しなければならない。保護方策が人の行為に基づく場合,訓練及び能力はもっとも重要である。訓練には,次を含むがこれに限定はしない。― 機械と共に提供される使用上の情報― 使用者により作成される使用上の情報― 供給者により提供される特別な訓練,もしあるならば― 使用者により提供される特別な訓練

潜在的な危険性、安全対策の正しい使い方、安全作業などはマニュアルで、ユーザーに伝達されなければならない。

設備の何処に危険性があるのか、使用前に確認しましょう。

本質安全対策をやらずして、使用上の情報警告で対策の不備を補ってはいけない。

スライド 54

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

6.リスク低減 6.7 訓練

規格では 供給者は,人が機械を正確に使用し,保護方策の適用の仕方を知ることを確実にするために必要とされる訓練について,指示書に詳細を記述しなければならない。保護方策が人の行為に基づく場合,訓練及び能力はもっとも重要である。訓練には,次を含むがこれに限定はしない。― 機械と共に提供される使用上の情報― 使用者により作成される使用上の情報― 供給者により提供される特別な訓練,もしあるならば― 使用者により提供される特別な訓練

point 出荷搬入後の安全教育段階では、実施してきた全ての安全方策の正しい使い方を顧客に的確に伝授すること。

設備搬入後に、安全作業マニュアルなどをもとに定常・非定常安全作業手順書を作成して顧客へ教育訓練を行う

警告標識、安全方策を説明しましょう緊急時の回避方法は・・・保護具は・・・

安全マニュアルには

安全情報が記載されています

設備が設置された作業環境においても、必要とされる安全方策を見出す

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スライド 55

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6.リスク低減 6.8 保護具

規格では 供給者は,残留リスクに関連する危険源から人を保護するために使用される保護具について指示書にその詳細を示さなければならない。― 聴覚保護具― 安全めがね/ゴーグル― フェースシールド― 呼吸器― グローブ― 保護服(例えば、熱耐性,化学物質の飛散,切断)― ヘルメット

レーザー用保護眼鏡着用例防毒マスク(例)

スライド 56

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6.リスク低減 6.8 保護具

規格では 保護具の信頼性及び保全性は,その長期間にわたる効率を確実にするために重要である。正しく使用するための訓練及び強制は必須である

1.吸収缶をマスク本体より外し、使用時間を記録に残す。

ジッパー付きポリエチレン袋に入れ、外気と

石鹸を含 お湯を 洗浄する。消毒する。

収納する。

2.ライフ(吸収缶の有効時間)が残っている場合は、吸湿して能力が減退しない様

遮断すること。ふたが付いているものは、上下に蓋をし、保管すること。

3.マスク本体を、 んだ 使用し、きれいに4.マスク本体は、乾燥後、消毒剤で、5.保管ボックスに、

呼吸用保護具の正しい保管方法と間違った保管方法 保護手袋の正しい保管方法と間違った保管方法

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スライド 57

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規格では 供給者は,使用者が機械を運転する又は保全するために採用する標準作業手順(SOP)について指示書に詳細を示さなければならない。― 作業計画及び組織― タスクの分類/整合化,authority及び責任― 監視― ロックアウトの手順― 安全運転方法及び手順

6.リスク低減 6.9 標準作業手順

実施する付加保護方策 主電源ブレーカーが上がらないような鍵を付ける

A さんの鍵 B さんの鍵 Cさんの鍵 Dさんの鍵

それぞれ違う鍵

ここの穴にタグアウトして・・・

タグにキーを入れて誤起動を防止する

ロータリースイッチ

設備内作業中に、第三者が電源投入出来ない様にすること。

スライド 58

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

7.リスクアセスメントの反復

規格では リスクを低減するために保護方策が組み込まれたら,リスクアセスメントのすべての段階で次のことを繰り返し確認しなければならない。― 機械類の制限に対して変更があるか― 新たな危険源又は危険状態が生じたか― 危険状態からのリスクは増加したか― 保護方策は十分にリスクを低減するか― リスク低減目標は達成したか繰り返し確認は

ここを意味しています

• 付加保護方策によって新たな危険が発生していないかを確認する必要がある。

新たな危険性を想定して → 付加保護を施す

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スライド 59

日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

7.リスクアセスメントの反復

規格では リスクを低減するために保護方策が組み込まれたら,リスクアセスメントのすべての段階で次のことを繰り返し確認しなければならない。― 機械類の制限に対して変更があるか― 新たな危険源又は危険状態が生じたか― 危険状態からのリスクは増加したか― 保護方策は十分にリスクを低減するか― リスク低減目標は達成したか

pointpoint 設備が形となり、電源が投入されていない段階では、初めて設備が形として存在するので、実機から顕在危険源(機械的)を特定する

主電源が投入される段階では、制御システムの設計に誤りが無いか、潜在危険源(制御安全)の特定を目的として信頼性確認を行う

図面で特定した危険源以外危ない箇所はないかな?保全の作業性は良いか?

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新機械指令 付属書Ⅶ, A,機械に関する技術構造ファイル1,(a)以下の項目を含んだリスクアセスメントの書類:(i) 機械が健康と安全の要求事項に適合していることを証明

するリスト

(ⅱ) 機械の呈する危険を排除又は低減するために採用した方法と残留リスクへの指示

8.文書化

SEMI S2-0200 半導体装置の環境、健康、安全に関するガイドライン

9.ユーザに提出する文書9.2.1 不適合の容認の根拠としてS10に

基づいたリスクアセスメント結果の提示

規格では リスクアセスメントの記録文書を作成し,所持していなければならない。リスクアセスメント文書は,使用上の情報を作成する際の有益な参照文書となり得る。プロセスを正確に文書化することは,重要である。なぜならば,リスクアセスメントに直接関与しなかった人により,後でその決定を検証することができるからである

他の規格、ガイドラインでも同様のことが求められています

警告標識、安全方策を説明しましょう緊急時の回避方法は・・・保護具は・・・

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日本機械工業連合会 近の機械安全国際規格の紹介 2009.2.12

近の機械安全国際規格の紹介を終了します

ISO14121-1 機械類の安全性リスクアセスメント 第1部:原則

ISO/TR14121-2 第2部 実践ガイド及び方法の例

本発表にあたり、以下の方々に多大なる御協力を、頂きました。この場を、お借りして感謝の意を表します。

ご静聴、誠に有難うございました

株式会社 シンクロン 様オムロン 株式会社 様株式会社 キーエンス 様SUNX株式会社 様シュメアザール日本支社 様明治大学 理工学部 情報科学科 様中央労働災害防止協会・技術支援部 様日本機械工業連合会・標準化推進部 様

(順不同)