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オンラインクイズ大会 解答解説集
1. 海苔はどこでとれるでしょう?
①海
②畑
③森
(解答①:海苔は海藻(かいそう)であるノリ(Pyropia spp.)を原料としています。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改
訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
2. 日本において、年貢(ねんぐ)という形で海苔(のり)が食べられていた最古(さいこ)の記録(きろく)が登場(と
うじょう)するのは何時代(じだい)でしょう?
①飛鳥(あすか)時代
②奈良(なら)時代
③平安(へいあん)時代
④江戸(えど)時代
(解答①:いつから海苔が食品(しょくひん)として用いられていたか、はっきりした証拠(しょうこ)はあ
りません。むかし持統天皇(じとうてんのう)が律令国家(りつりょうこっか)をたてるために、701 年 6 月
に『大宝律令(たいほうりつりょう)』が完成(かんせい)しました。この中に年貢(ねんぐ)として「紫菜」
が登場します。「紫菜」とはムラサキノリのことです。この大宝律令が施行された(702 年)1 月 1 日を
新暦に直すと 702 年 2 月 6 日になるので、全国海苔貝類漁業協同組合連合会(ぜんこくのりかいるいぎょ
ぎょうきょうどうくみあいれんごうかい)は 2 月 6 日を海苔の日と決めています。【出典】大塚剛(2016)
『海苔をまいにち食べて健康になる』キクロス出版.)
3. どちらの方法で味付け海苔は作られているでしょう?
①海で海苔を養殖(ようしょく)し、紙状に漉(す)いて、乾燥(かんそう)、味つけ、流通のすべてを行う
一貫生産(いっかんせいさん)をしている
②養殖から乾燥までを行う製造工程(せいぞうこうてい)と、仕入れた乾海苔に味付けなどの加工(かこ
う)をして海苔を売る流通(りゅうつう)工程が完全に分かれていて、入札制(にゅうさつせい)をとってい
る
(解答②:入札は明治(めいじ)時代のはじめに、同じ場所に海苔の生産者(せいさんしゃ)と流通業者(り
ゅうつうぎょうしゃ)が利便性(りべんせい)をもとめて集まることではじまりました。戦後(せんご)もほ
ぼ同じ形を継承(けいしょう)しながら今日にいたっています。【出典】大塚剛(2016)『海苔をまいにち食べ
て健康になる』キクロス出版.、全国海苔貝類漁業協働組合連合会(2002)『ノリの生活』最終閲覧日 2020 年 3
月 24 日 http://www.zennori.or.jp/chisiki1.html#chishiki1_b)
4. 海苔にふくまれていないビタミンはどれでしょう?
①ビタミン A
②ビタミン B
③ビタミン C
④ビタミン D
(解答④:ビタミン D をのぞいて、海苔にはすべてのビタミンがふくまれています。ビタミンはからだ
の調子(ちょうし)を整えるのに必要(ひつよう)な栄養素(えいようそ)です。【出典】「海苔を毎日食べて健
康になる」(農学博士大塚剛著,星雲社刊))
5. ノリの胞子(ほうし)は夏の間、どこで過ごすでしょう?
①岩の上
②岩と岩のすきま
③貝殻の中
(解答③:春になり暖かくなると、葉体から離れたノリの胞子は海をながれていって貝殻につきます。春から
夏まで海苔は貝殻の中で糸のような枝(糸状体(しじょうたい)といいます)をのばしながら生⾧します。
【出典】大塚剛(2016)『海苔をまいにち食べて健康になる』キクロス出版.、全国海苔貝類漁業協働組合連合会
(2002)『ノリの生活』最終閲覧日 2020 年 3 月 24 日 http://www.zennori.or.jp/chisiki1.html#chishiki1_b)
6. 奈良時代に書かれた「出雲国風土記(いずものくにふどき)」にはノリの記録が登場します。どの表記が使わ
れていたでしょう?
①海苔
②紫菜
③乃利
(解答②:大宝律令(たいほうりつりょう)、出雲国風土記、延喜式(えんぎしき)といった公文書(こうぶんしょ)
の中で海苔は「紫菜」という中国語で書かれていました。奈良時代末期に書かれたという万葉集には「乃利」
という表記が出てきます。公文書でのノリの表記が現在私たちの使っている「海苔」に統一(とういつ)された
のは江戸時代からです。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
7. 海苔の品質(ひんしつ)を保つのに、最も適した環境はどれでしょう?
①乾燥(かんそう)している場所
②高温(こうおん)の場所
③光のよくあたる場所
④酸素(さんそ)によくふれる場所
(解答①:海苔は冬の間にのみ作られ、それが一年にわたって消費(しょうひ)される食べものです。そこでいか
に品質を落とさず海苔を保存(ほぞん)するかが海苔加工(かこう)メーカーの大事な関心(かんしん)ごとの 1 つ
になります。海苔の品質を落とす原因は、大きく分けて湿気(しっけ)、高温、光、酸素の 4 つです。これらを
うまくコントロールできれば⾧い間海苔の風味を保つことができます。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版
加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
8. 海藻(かいそう)の種類(しゅるい)を多く網羅(もうら)している日本最初の書物、岡村金太郎(おかむら
きんたろう)博士が書いた『日本海藻誌(にほんかいそうし)』には何種類の海藻がのっているでしょう?
①100 種類
②200 種類
③1000 種類以上
(解答③:『日本海藻誌』にはカワノリやスイゼンジノリのような、海藻ではないが海藻扱いされている藻類
もふくまれる一方、ノリの養殖で使われる品種(ようしょくひんしゅ)などはまだ紹介(しょうかい)されていま
せんでした。『日本海藻誌』には亜種(あしゅ)、変種(へんしゅ)を除くと 1732 種がのっており、その中でノリ
という名前のつくものは 125 種紹介されています。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日
本食糧新聞社.)
9. 農林水産省(のうりんすいさんしょう)は 2006 年度から、すぐれたノリ株(かぶ)の品種登録(ひんしゅとうろ
く)を促進(そくしん)しています。2006 年より前に農林水産省知的財産課(ちてきざいさんか)に品種登録申請
(しんせい)された品種はどれでしょう?
①あゆち黒吉
②ひょうごはりま薫黒(くんこく)
③新佐賀4号
④暁光(ぎょうこう)
(解答④:2006 年以降(いこう)に農林水産省知的財産課に対し登録申請された海苔品種は、①あゆち黒吉
(2009 年)、②ひょうごはりま薫黒(2009 年)、③新佐賀4号(2009 年)です。④暁光は 1990 年に登録申請されま
した。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社. 工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加
工海苔入門』日本食糧新聞社. 農林水産省『
品 種 登 録 デ ー タ 検 索 』 最 終 閲 覧 日 2020 年 3 月 24 日
http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1)
10. ノリの収穫(しゅうかく)時期として適切でないものはどれでしょう?
①夏
②秋
③冬
(解答①:海苔の胞子(ほうし)をつけたノリ網は、一度海の上に(空中)出して乾燥(かんそう)させます。この作
業を育苗(いくびょう)と言います。育苗したノリの一部は冷凍(れいとう)され、残りのノリはそのまま育成に
移ります。育苗からそのまま育成にはいったノリは秋から初冬にかけて収穫(しゅうかく)されます。これを秋
芽網(あきめあみ)栽培といいます。一方、育苗の後冷凍された海苔は 12 月末~3 月まで収穫されます。これは
冷凍網(れいとうあみ)栽培といいます。【出典】全国海苔貝類漁業協働組合連合会(2002)『ノリの生活』最終
閲覧日 2020 年 3 月 24 日 http://www.zennori.or.jp/chisiki1.html#chishiki1_b)
11. 生産方法として、どちらが先に開発されたでしょう?
①養殖(ようしょく)
②海苔漉(す)き
(解答①:植物であるノリは自然に川や海岸で取れるので海苔漉(す)ききが先に開発されたと思われま
すが、養殖(ようしょく)の方が先に開発されたようです。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔
入門』日本食糧新聞社.)
12. 日本で最も海苔の出荷量(しゅっかりょう)が多い都道府県はどこでしょう?(2007 年)
①千葉県
②兵庫県
③佐賀県
④熊本県
(解答③:全国の海苔養殖生産地(のりようしょくせいさんち)は東北、東京湾、東海、瀬戸内、九州の5
ブロックにわけられます。九州の生産地(せいさんち)は有明海(ありあけかい)が中心です。このほか熊本
の不知火海(しらぬいかい)、福岡県の玄海(げんかい)、大分県および熊本・鹿児島県の八代海(やつしろ
かい)産地です。九州地区の生産は全国の約 40%をしめます。有明海は干満差(かんまんさ)が大きく、福
岡県、佐賀県ではほぼ 100%、熊本県では約 60%が支柱をたてる方式(支柱式:しちゅうしき)によって
養殖を行っています。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
13. 海苔にはたくさんの種類の栄養(えいよう)がふくまれていることから、「海の〇〇」と言われています。〇
〇に入る言葉はどれでしょう?
①ミルク
②漢方
③緑黄色野菜(りょくおうしょくやさい)
④マグロ
(解答③:海苔には豊富なビタミン、ミネラルの他、食物繊維(しょくもつせんい)や必須脂肪酸(ひっすしぼう
さん)が含まれており、健康増進(けんこうぞうしん)、生活習慣病予防(せいかつしゅうかんびょうよぼう)など
様々な効果が知られています。なお、海のミルクは牡蠣(かき)のことを指します。【出典】全国海苔貝類漁
業 協 働 組 合 連 合 会 (2002) 『 海 苔 の 効 用 』 最 終 閲 覧 日 2020 年 3 月 24 日
http://www.zennori.or.jp/chisiki3.html#chishiki3_3)
14. 海苔の用途(ようと)のうち、2006 年で最も推定消費量(すいていしょうひりょう)が多かったものはどれで
しょう?
①贈答(ぞうとう)用
②業務(ぎょうむ)用
③家庭用
(解答②:2006 年の海苔の用途別推定消費量は、業務用が約 60 億枚、贈答用が約 6 億枚、家庭用が約 30 億
枚でした。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
15. 海苔に一番近いものはどれでしょう?
①コンブ
②シイタケ
③キャベツ
④マグロ
(解答①:海苔は海藻(かいそう)を原料にしています。コンブ、シイタケ、キャベツ、マグロのうち海藻はコン
ブだけです。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
16. 海苔が流通(りゅうつう)するにつれて、輸送(ゆそう)の便(べん)を図るために海苔のサイズがそろえられる
ようになりました。現在の全形海苔の規格(きかく)サイズはどれでしょう?
①縦 5cm×横 5cm
②縦 20cm×横 20cm
③縦 21cm×横 19cm
④縦 30cm×横 50cm
(解説③:海苔の流通量がふえたころから、海苔のサイズはだんだんと全国でそろえられるようになりました。
初めて乾海苔が商品になったのは江戸時代のころです。幕末(ばくまつ)から明治(めいじ)時代にかけてさまざ
まなサイズの海苔が生まれましたが、海苔をつめる箱である「海苔平箱(のりひらばこ)」が広まって、やがて
縦 20.6cm×横 18.8cm が全国統一規格となっていきました。そして戦後に全自動乾海苔製造機(ぜんじどうか
んのりせいぞうき)が普及した関係で、現在の規格サイズは縦 21cm×横 19cm となっています。【出典】工藤盛
徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新聞社.)
17. イギリスの海藻学者(かいそうがくしゃ)キャサリン・メリー・ドリュウさんは何をした人でしょう?
①初めての海苔料理本を作った
②味付け海苔を考えた
③海苔の養殖(ようしょく)をはじめた
④ノリ種の越夏生態(えっかせいたい)を発見した
(解答④:昭和 20 年代にキャサリン・メリー・ドリュウさんは「ノリ種は夏の間、貝殻(かいがら) で夏を越し
ている」という発見をしました。この発見をもとに海苔の一生が解明(かいめい)され、海苔研究者たちが人
工採苗技術(じんこうさいびょうぎじゅつ)の開発につながりました。それまで自然頼みの天然採苗をしていた
海苔養殖業界にとって、これは一大発見でした。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食
糧新聞社.)
18. ノリの養殖(ようしょく)がはじまったのはどの時代(じだい)でしょう?
①江戸(えど)時代
②明治(めいじ)時代
③大正(たいしょう)時代
(解答①:ノリ養殖が始まったのは、江戸時代中期と言われています。当時は品川(しながわ)・大森(おおもり)
界隈(かいわい)で作られ、製法(せいほう)は門外不出(もんがいふしゅつ)でした。養殖が全国に広がり始めた
のは、幕府による封建制度(ほうけんせいど)が崩(くず)はじじめ、各藩が地場産業(じばさんぎょう)の振興(し
んこう)をすすめた幕末(ばくまつ)からです。【出典】工藤盛徳ほか(2009)『改訂版 加工海苔入門』日本食糧新
聞社.)