84
弘前市男女共同参画プラン 一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現 平成 24 3

- ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

  • Upload
    others

  • View
    6

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

弘前市男女共同参画プラン

~ 一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現 ~

平成 24 年 3 月

弘 前 市

Page 2: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿
Page 3: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

はじめに

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)が

施行されて10年余りになりますが、その目的は、男女が

互いにその人権を尊重しながら、責任も分かち合い、性別

に関わりなく、その個性と能力を十分発揮することができ

る男女共同参画社会の実現です。

私は、「子ども達の笑顔あふれる弘前づくり」を目標に、

マニフェストに掲げた政策を迅速かつ着実に実行するため、

平成 22 年 10 月に「弘前市アクションプラン 2010」を

策定し、平成 24 年 3 月には「弘前市アクションプラン 2012」

に改訂し、スピード感を持った市政運営にあたっています。

しかし、当市を取り巻く社会環境は、経済や雇用環境の低迷、未曽有の自然

災害の影響、人口の減尐や尐子高齢化の進行、生活スタイルの多様化等による

地域コミュニティの希薄化などにより、私たちの暮らしに大きな丌安を不えて

います。

こうした中、弘前市の男女共同参画基本計画を策定するにあたり、その基本

理念を、「一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現」としました。そして、市民

一人ひとりの自己実現を可能にするために、個人の生き方や価値観の多様性を

認め、性別に関わりなくすべての人にとって生きやすい男女共同参画社会の実

現を目指して、より実効性のある計画として「弘前市男女共同参画プラン」を

策定しました。

本プランは、男女共同参画社会基本法第 13 条第1項の規定に基づき策定さ

れた第3次男女共同参画基本計画(平成 22 年 12 月 17 日閣議決定)を踏ま

え、弘前市の現状を見据え、その特性を生かした取り組みを、市民の皆様と手

を携えて実施していきたいと思います。

おわりに、本プランの策定にあたり、貴重なご意見やご提言をいただいた市

民、「弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会」の委員の皆様のほか、ご協力い

ただいた皆様には心よりお礼申し上げます。

平成 24 年 3 月

弘前市長 葛 西 憲 之

Page 4: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

目 次

第 1 章 計画策定にあたって

1 計画策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

(1)世界の動き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

(2)日本の動き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(3)青森県の動き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

(4)弘前市の動き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

(5)弘前市の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

第2章 計画の目指す方向

1 基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

2 基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

3 計画の位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

4 計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

第3章 計画の内容

1 体系図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

2 計画の内容の見方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

3 基本目標及び重点目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

基本目標Ⅰ 「政策・方針決定過程での男女共同参画の促進」 ・・・・ 22

重点目標1 政策・方針決定過程への女性の参画拡大 ・・・・・・ 22

重点目標2 女性の人材活用とエンパワーメント支援 ・・・・・・ 24

基本目標Ⅱ 「男女共同参画社会形成への意識づくりと定着」 ・・・・ 25

重点目標3 男女共同参画社会形成に向けた社会制度・

慣行の見直し、意識の改革 ・・ 25

Page 5: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

重点目標4 学校教育、生涯学習における男女共同参画の推進 ・・ 27

基本目標Ⅲ 「職場、家庭における男女共同参画の促進」 ・・・・・・ 29

重点目標5 雇用の場における男女共同参画の推進 ・・・・・・・ 30

重点目標6 農業等の場における男女共同参画の推進 ・・・・・・ 31

重点目標7 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進 32

基本目標Ⅳ 「地域社会における男女共同参画の促進」 ・・・・・・・ 35

重点目標8 男女共同参画の視点を踏まえた、

地域活動、地域防災、環境保全活動 ・・・ 36

重点目標9 高齢者、障がい者、外国人が安心して

暮らせるまちづくり ・・・ 38

重点目標10 生活上の困難に直面する男女への支援 ・・・・・・・ 40

基本目標Ⅴ 「一人ひとりの人権が尊重される社会の形成」 ・・・・・ 41

重点目標11 女性に対するあらゆる暴力の根絶 ・・・・・・・・・ 42

重点目標12 生涯を通じた男女の健康支援 ・・・・・・・・・・・ 43

重点目標13 メディアにおける男女共同参画の推進 ・・・・・・・ 45

第4章 計画の推進

1 指標の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48

2 進行管理の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48

3 進行管理イメージ図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

第 5 章 資料編

○弘前市男女共同参画基本計画策定庁内検討会議設置要綱 ・・・・・・・・ 52

○弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会設置要綱 ・・・・・・・・・・・ 53

○弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会委員一覧 ・・・・・・・・・・・ 54

Page 6: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

○男女共同参画社会基本法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

○配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律 ・・・・・・・・ 59

○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 ・・ 67

○女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約・・・・・・・・・・ 72

Page 7: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 1 -

第 1 章 計画策定にあたって

Page 8: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 2 -

第 1 章 計画策定にあたって

1 計画策定の背景

現代社会は、個々人の生き方や価値観の多様化が認められるようになってきた一方で、

尐子高齢化や核家族化の進行、経済情勢や雇用環境の低迷、地域コミュニティの希薄化等

様々な社会環境の変化の中にあります。

男女共同参画社会の実現は、これら社会環境の変化から誯題として表面化してきた諸問

題の解決の糸口となり、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会の形成を目指すも

のであり、我が国の 21 世紀の最も重要なテーマになっております。

本市では、平成 20 年 1 月に策定した、弘前市総合計画において、男女共同参画社会

の実現を基本構想に掲げ、家庭・地域・職場などで男女が対等のパートナーとして尊重さ

れ、社会のあらゆる分野に参画できるように男女共同参画の推進を図ってきました。しか

しながら、長年にわたり形成されてきた固定的性別役割分担意識やこれに基づく社会慣行

や社会制度は依然として根強く残っているのが現状です。

このことから、当市における男女共同参画の総合的かつ計画的な推進を図るために、「弘

前市男女共同参画プラン」を策定するものです。

(1)世界の動き

国際連合が昭和 50 年(1975 年)を「国際婦人年」と定め、この年、メキシコシテ

ィーで開催された第 1 回世界女性会議である「国際婦人年国際会議」において、「平等、

開発、平和」を目標にした「世界行動計画」が採択されました。これ以降、世界中では

様々な動きがみられるようになりました。

歴 出来事

昭和 50 年(1975 年) 国際婦人年

性差別撤廃を世界規模の取り組みとするために「平等、開発、

平和」を目標とし宣言された行動計画の一つ。

昭和 54 年(1979 年) 女子差別撤廃条約の採択

男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に

対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とした「女子に対

するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)

を採択。

昭和 60 年(1985 年) ナイロビ世界会議

西暦2000年に向け各国が効果的措置を採るうえでのガイド

ラインである「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」を採

択。

Page 9: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 3 -

平成 7 年(1995 年) 第 4 回世界女性会議

男女が対等なパートナーとなるための国際的な指針としての

「北京宣言」と「行動綱領」を採択。

平成 12 年(2000 年) 国連特別総会「女性 2000 年会議」

「行動綱領」の達成状況の検討と評価が行われ、完全実施に向

けた「政治宣言」と「北京宣言及び行動綱領実施のための更なる

行動とイニシアティブに関する文書」を採択。

平成 17 年(2005 年) 国連「北京+10」世界閣僚級会合

「北京宣言及び行動綱領」及び「女性2000年会議成果文書」

を再確認し、これまでの男女平等に関する達成事項の確認と、完

全実施に向けた一層の取り組みを国際社会に求める宣言を採択。

平成 22 年(2010 年) 国連「北京+15」記念会合

「北京宣言及び行動綱領」等これまでの取り組みの確認と評価、

さらに、未だ残る誯題や障害を確認し、そのための施策等の更な

る行動に着手することを宣言として採択。

平成 23 年(2011 年) 「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関

(UN Women)」

男性と女性が平等な機会と能力を持ち、開発、平和、安全に関

する誯題において、ジェンダー平等の原則が根付くことをビジョ

ンとし発足。

(2)日本の動き

日本政府は、「国際婦人年国際会議」で採択された「世界行動計画」を受け、昭和 50

年(1975 年)に婦人問題企画推進本部を設置し、その後、女性問題の解決をすべく様々

な政策を実施することとなりました。

歴 出来事

昭和 50 年(1975 年) 婦人問題企画推進本部

女性の地位向上のための国内における本部機構として総理府に

「婦人問題企画推進本部」を設置。

昭和 52 年(1977 年) 国内行動計画の策定

今後 10 年間の女性関連施策の方向性を示した「国内行動計画」

を策定し、女性問題の解決についての目標を明らかにする。

昭和 60 年(1985 年) 女子差別撤廃条約の批准

「国籍法」、「男女雇用機会均等法」等、関連法の整備をし、世

界で 72 番目に女子差別撤廃条約を批准。

Page 10: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 4 -

昭和 62 年(1987 年) 西暦 2000 年に向けての新国内行動計画

昭和 61 年(1986 年)にナイロビ将来戦略や女性差別撤廃条

約の批准を受け、婦人問題企画推進本部の構成省庁を全省庁に拡

大し、昭和 62 年(1987 年)に「男女共同参加型社会の形成」

を目指す「西暦 2000 年に向けての新国内行動計画」を策定。

平成 3 年(1991 年)には、新国内行動計画(第 1 次改定)に

おいて、「男女共同参画社会の形成」を目指すこととなる。

平成6年 (1994 年) 男女共同参画推進本部の設置

推進体制の強化を図るために、婦人問題企画推進本部を発展さ

せ、男女共同参画推進本部を設置。併せて、総理府大臣官房に男

女共同参画推進室を、内閣総理大臣の諮問機関として男女共同参

画審議会を設置。

平成 8 年 (1996 年)

「男女共同参画 2000 年プラン」の策定

北京で開催された第4回世界女性会議において採択された「行

動綱領」などを踏まえ、男女共同参画社会の形成に向けて取り組

むべき施策を総合的・体系的に整備した。

平成 11 年(1999 年)

男女共同参画社会基本法の施行

男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別

にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる

男女共同参画社会の実現を総合的かつ計画的に推進するために男

女共同参画社会基本法が施行された。

平成 12 年(2000 年)

「男女共同参画基本計画」の策定

男女共同参画社会基本法に基づく法定計画として、男女共同参

画 2000 年プランを踏まえ、今後実施する施策等の基本的方向や

具体的施策を示した。

平成 17 年(2005 年)

「男女共同参画基本計画(第 2 次)」の策定

平成 12 年に策定された「男女共同参画基本計画」に関し、計

画期間中の取組を評価、総拢し、目指すべき将来像にも留意した

新しい男女共同参画基本計画(第 2 次)を策定した。

平成 22 年(2010 年)

「男女共同参画基本計画(第 3 次)」の策定

男女共同参画基本計画(第 2 次)では設定されなかった「男性、

子どもにとっての男女共同参画」など、新たに重点分野を設定し

た、第 3 次基本計画を策定。第 3 次基本計画を実行性のあるアク

ションプランとするために、成果目標を設定している。

Page 11: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 5 -

(3)青森県の動き

国際婦人年からの国内外の様々な動きを背景として、昭和 52 年(1977 年)に女

性行政担当窓口を生活福祉部児童家庭誯に置き、女性にかかる施策の調整を図ることと

しました。現在は、生活環境部青尐年・男女共同参画誯において、各種施策が実施され

ています。

歴 出来事

昭和 54 年(1979 年) 青森県婦人問題対策推進委員会の設置

県内の各界各層の有識者からなる青森県婦人問題対策推進委員

会を設置。

昭和 55 年(1980 年) 「青森県婦人行動計画」の策定

青森県における女性にかかる施策の基本的方向性を示す「青森

県婦人行動計画」を策定。

平成元年 (1989 年) 「新青森県婦人行動計画」の策定

国の新国内行動計画の策定を受けて、急速な高齢化の進行、技

術革新、情報化、国際化の進展など西暦 2000 年に向けた社会環

境に対応した施策の展開を図るため、「新青森県婦人行動計画」を

策定。

平成 12 年(2000 年)

「あおもり男女共同参画プラン 21」の策定

「新青森県婦人行動計画」に基づき、青森県の男女共同参画の

推進は概ね順調に進展したが、その後の平成 8 年に国で策定した

「男女共同参画 2000 年プラン」や「男女共同参画社会基本法」

の施行等に伴い、社会環境の変化や女性をとりまく諸情勢の変化

にも対応した「あおもり男女共同参画プラン 21」を策定。

平成 13 年(2001 年) 「青森県男女共同参画推進条例」の制定

「男女共同参画社会基本法」の趣旨を踏まえ、「青森県男女共同

参画推進条例」を制定。

平成 14 年(2002 年) 「あおもり男女共同参画プラン 21」を基本計画として位置づけ

先に策定した「あおもり男女共同参画プラン 21」について、「青

森県男女共同参画推進条例」の制定に伴い、施策等の整理を行っ

た上で、法定の基本計画として位置づけた。

平成 19 年(2007 年) 「あおもり男女共同参画プラン 21(改訂版)」の策定

青森県の「生活創造推進プラン」、国の「男女共同参画基本計画

(第 2 次)」及び、関係法令との整合性を図りかつ、パブリックコ

メント等県民の意向を踏まえ、「あおもり男女共同参画プラン 21」

の必要な改訂を行う。

Page 12: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 6 -

(4)弘前市の動き

平成 18 年 2 月に旧弘前市、旧岩木町、旧相馬村が合併し、新たな弘前市が誕生しま

した。合併後には、人口減尐、尐子高齢化の進行、厳しい財政状況など様々な社会環境

の変化に伴う多くの誯題に対応できるよう、地域の特性を生かし将来を見据え、市民が

主体的に参画できるまちづくりを目指す「弘前市総合計画」を策定しました。

男女共同参画行政については、合併以前も3市町村において、旧弘前市では平成 11

年 3 月に「弘前市男女共同参画推進基本計画」を策定し、旧岩木町や旧相馬村では、関

連する施策により推進を図っていましたが、合併後は、弘前市総合計画の中で、各政策

を支える仕組みづくりの一環として進めてきました。

(5)弘前市の現状

1)弘前市市民評価アンケート※1から

平成 23年度に実施した「弘前市市民評価アンケート」によれば、『男は仕事、女は家

庭』といういわゆる固定的性別役割分担意識について、「同感する」の肯定派は、全体の

11.0%、「同感しない」の否定派は全体の 46.6%となっています(図表1)。「どちらと

も言えない」の中間層が 38.6%と高い数値であるものの、全体的には固定的性別役割分

担意識を否定する市民の方が多い結果となりました。

男女別で比較すると、肯定派は男性が 14.6%、女性が 7.5%となり、男性の方が 7.1

ポイント上回った結果となります。否定派は男性が 44.0%、女性が 50.7%と、女性の

方が 6.7 ポイント上回った結果となり、男女の意識の差が見受けられます(図表2)。

同感する,

11.0%

同感しない,

46.6%

どちらとも言え

ない, 38.6%

無回答, 3.8%

同感する

同感しない

どちらとも言えない

無回答

「男は仕事、女は家庭」という考え方について 図表1

資料『平成 23 年度 弘前市市民評価アンケート』

==================================================================================================

※1 平成 23 年度弘前市市民評価アンケート … 16 歳以上の市民 6,000 人を無作為抽出し、平成 23 年 5 月に実施。回答件数 2,130

件(35.5%)

Page 13: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 7 -

現在の男女の地位の平等感については、男性と女性では意識の差があることが分かる

結果となりました。「男性の方が優遇されている」は男性は 29.3%、女性は 42.3%と大

きく隐たりがあります。「平等である」は男性は 24.7%、女性は 15.0%、「女性の方が

優遇されている」は男性は 10.4%、女性は 2.4%となっています。(図表3)。

年齢別では16~19歳の若年層は、「どちらとも言えない」が半数以上を占め、「平

等である」が 27.3%、「男性の方が優遇されている」と「女性の方が優遇されている」

が共に 9.1%となっています。その他の年代においては、「男性の方が優遇されている」

は3割~4割で、「女性の方が優遇されている」は概ね1割で「平等である」は2割に満

たないものとなっています(図表4)。

42.3%

29.3%

15.0 %

24.7%

2.4%

10.4%

37.0 %

32.6%

3.4%

3.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男女別:現在の男女の地位の平等感についてどのように感じていますか

男性の方が優遇されている

平等である

女性の方が優遇されている

どちらとも言えない

無回答

7.5%

14.6%

50.7%

44.0%

38.6%

38.4%

3.3%

3.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

同感する

同感しない

どちらとも言えない

無回答

男女別:「男は仕事、女は家庭」という考え方について

資料『平成 23 年度 弘前市市民評価アンケート』

図表3

図表2

資料『平成 23 年度 弘前市市民評価アンケート』

Page 14: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 8 -

28.4 %

31.6 %

22.6 %

42.9 %

40.3 %

40.5 %

20.5 %

18.5 %

20.8 %

19.4 %

16.5 %

18.1 %

20.0 %

29.1 %

4.9 %

6.6 %

0.0 %

2.2 %

6.6 %

8.1 %

5.5 %

46.9 %

36.4 %

48.4 %

36.2 %

33.2 %

27.6 %

37.0 %

1.2 %

4.7 %

0.0 %

2.2 %

1.8 %

3.8 %

7.9 %

0% 20% 40% 60% 80% 100%

そ の 他

無 職

学 生

専業主婦(主夫)

勤 め 人

自営業・経営者

農 林 漁 業

職業別:現在の男女の地位の平等感についてどのように感じていますか

男性の方が優遇されている

平等である

女性の方が優遇されている

どちらとも言えない

無回答

職業別では、農林漁業では「平等である」は3割程度でしたが、全体的には「平等で

ある」は2割程度でした。自営業・経営者、勤め人、専業主婦(主夫)では「男性の方

が優遇されている」が4割以上となり、農林漁業、学生や無職、その他においても「男

性の方が優遇されている」が2~3割程度となりました。一方、「女性の方が優遇されて

いる」は、全体的に1割に満たないものとなり、総じて「男性の方が優遇されている」

が高い結果となっています(図表5)。

30.6 %

32.6 %

44.1 %

39.2 %

39.4 %

31.9 %

9.1 %

22.9 %

18.8 %

19.0 %

18.1 %

18.6 %

17.2 %

27.3 %

4.8 %

6.3 %

5.2 %

6.1 %

7.2 %

12.1 %

9.1 %

36.2 %

37.9 %

30.0 %

35.0 %

33.1 %

37.1 %

54.5 %

5.4 %

4.5 %

1.7 %

1.6 %

1.7 %

1.7 %

0.0 %

0% 20% 40% 60% 80% 100%

70歳以上

60~69歳

50~59歳

40~49歳

30~39歳

20~29歳

16~19歳

年齢別:現在の男女の地位の平等感についてどのように感じていますか

男性の方が優遇されている

平等である

女性の方が優遇されている

どちらとも言えない

無回答

資料『平成 23 年度 弘前市市民評価アンケート』

資料『平成 23 年度 弘前市市民評価アンケート』

図表4

図表5

Page 15: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 9 -

2)人口、世帯数の推移について

○人口の推移について

弘前市の人口は平成 7 年の 194,197 人から減尐に転じており、平成 27 年までに

175,508 人までになる見込みとなっています(図表6)。

一方、全体の人口が減尐する中で 15 歳未満の年尐人口及び総人口に占める年尐人口比

率は減尐し、65 歳以上の老年人口及び総人口に占める老年人口比率は増加し、尐子高齢

化はますます進行する見込みとなっています(図表7)。

資料『弘前市総合計画』

※平成 17 年までの数値は、国勢調査による旧3市町村の合算値

194,197 193,217 189,043

183,187

175,508

165,000

170,000

175,000

180,000

185,000

190,000

195,000

200,000

平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年

人口の推移(人)

人口(人)

図表6

資料『弘前市総合計画』

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年

16.2% 14.6% 13.3% 12.1% 11.2%

67.5% 65.7% 63.9% 62.4% 59.4%

16.2% 19.7% 22.9% 25.5% 29.4%

年齢別構成人口比率(%)

老年人口

生産年齢人口

年尐人口

図表 7

Page 16: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 10 -

○世帯数の推移について

弘前市の世帯数については、増加する見込みとなっています(図表8)。

3)男女の就業環境について

男性の就業者割合が減尐し、女性の就業者割合が増加していることが分かります(図表

9)。一方、年齢層ごとにみた男女別の労働力率では、男性は高い労働力率を維持している

ものの、女性は30歳代に割合が一度落ち込み、40歳代以降に再度上昇するといういわゆ

る「M 字カーブ」を描いています。その落ち込みは比較的小さいものの、弘前市において

も結婚、出産、育児期に女性が一度離職していることを示しています(図表10)。

65,580

68,107

69,038

69,754 69,822

63,000

64,000

65,000

66,000

67,000

68,000

69,000

70,000

71,000

平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年

世帯数の推移

世帯数

51,686 51,352 52,858 51,75248,979

39,37041,703

43,485 43,826 43,074

56.8% 55.2% 54.9% 54.1% 53.2%

43.2%44.8% 45.1% 45.9% 46.8%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年

全就業者数に占める割合(%)

就業者数(人)

男女別就業者数・割合の推移(弘前市)

資料『弘前市総合計画』

図表8

資料『国勢調査(各年 10 月 1 日現在)』

図表9

Page 17: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 11 -

4)政策・方針決定の場における男女共同参画の状況

弘前市の審議会等における女性の登用割合の推移は微増、委員会等においては横ばいとな

っています。また、弘前市職員についてみると、役付職員に占める女性の割合は横ばい、管

理職に占める女性割合は、平成 23 年度に横ばいから微増に転じました。弘前市議会議員に

おける女性議員の割合は、概ね横ばい傾向にあります(図表 11~図表 13)。

18.5%

66.0%

93.1% 96.4% 97.2% 97.5% 97.1% 95.9%

93.9%

73.2%

41.6%

15.7%

63.9%

81.4%74.9% 73.5%

77.1% 76.1%

72.3%

64.6%

45.0%

20.7%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65以上

労働力率(%)

年齢(歳)

男女の年齢別労働力率「M字カーブ」(弘前市)

資料『H17国勢調査』

図表 10

図表 11

資料:人事誯

Page 18: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 12 -

17.3% 17.4% 17.6% 18.0% 17.7%

4.7%

6.7% 7.0% 5.6%

8.8%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

14.0%

16.0%

18.0%

20.0%

H19.4.1 H20.4.1 H21.4.1 H22.4.1 H23.4.1

女性職員比率(%)

弘前市の役付職員及び管理職員における女性職員割合

役付職員に占める

女性割合

管理職に占める

女性割合

図表 12

役付職員:係長級以上

(管理職含む)

管理職:誯長級以上

資料:人事誯

資料:議会事務局

議員

定数

女性

議員数

女性

議員割合

H18. 2.27 ~ H18. 4. 8 61※ 4 6.6%

H18. 4. 9 ~ H19.2.23 60※ 4 6.7%

H19.2.24 ~ H19.3.30 59※ 4 6.8%

H19.3.31 ~ H19.4.30 58※ 3 5.2%

H19. 5. 1 ~ H22.4.11 34 2 5.9%

H22.4.12 ~ H23.12.31 34 3 8.8%

※は在任特例

期間

弘前市議会議員における女性議員割合図表 13

Page 19: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 13 -

第 2 章 計画の目指す方向

Page 20: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 14 -

第2章 計画の目指す方向

1 基本理念

○目標(めざす姿)

「男女共同参画社会基本法(平成 11 年6月 23 日法律第 78 号)」においては、男女共

同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆ

る分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会

的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」と位置付けられ

ています。

男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性

と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、我が国にとって21世紀

の最重要誯題であり、当市においても例外ではなく、同様な誯題として認識する必要があり

ます。

一方、平成 22 年 10 月、当市は「弘前市アクションプラン 2010※2」を策定しました。

策定にあたっては、社会環境の急激な変化や多様な市民ニーズに的確に対応するための実効

性のある計画となるようにし、また、テーマを「子ども達の笑顔あふれる弘前づくり」とし

ました。

これらを受け、弘前市男女共同参画基本計画の基本理念は、市民の自己実現による市民の

笑顔があふれる弘前づくりをイメージした男女共同参画社会の実現を目指し、「一人ひとり

の笑顔があふれる弘前の実現」とします。

2 基本目標

基本理念に沿った男女共同参画社会の実現のために、次の5つの基本目標を掲げます。

基本目標Ⅰ 「政策・方針決定過程での男女共同参画の促進」

女性は人口の半分、就業人口の4割以上を占め、既に様々な分野で社会的活動を担っ

ています。これらの活動の政策・方針決定過程への女性の参画は男女共同参画社会の実

一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現

==================================================================================================

※2 弘前市アクションプラン 2010 … 「子ども達の笑顔あふれる弘前づくり」に向けた7つの約束と 103 の施策からなる市の実行

計画。環境の変化や多様な市民ニーズに迅速かつ的確に対応できるよう、戦略的かつ機動的な運用をすることとし、また、毎年

度進行状況の評価・点検を行いアクションプランの内容を追加・修正する「進化・成長するアクションプラン」を目指す。平成

24 年 3 月には、弘前市アクションプラン 2012 に改訂された。

Page 21: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 15 -

現の根幹をなすものです。しかしながら、我が国はこの分野では立ち遅れており、早急

な取り組みが求められています。政治、職場、学校、地域社会などあらゆる分野におい

て、男女が共に責任を担い、多様な意見を政策等に反映させるため、政策・方針決定の

場に女性の参画が拡大するよう、女性のエンパワーメント※3支援を推進します。

基本目標Ⅱ 「男女共同参画社会形成への意識づくりと定着」

男女共同参画社会の実現のためには、長年の社会的慣習として形成されてきた「男ら

しさ、女らしさ」といったジェンダー※4に基づく偏見や、固定的性別役割分担意識※5の

解消が丌可欠です。しかしながら、これらは依然として職場、学校、家庭、地域社会の

あらゆる場に根強く残っています。

男女平等の価値観や意識は、幼児期からの生活や教育に影響されることから、人権尊

重と男女平等を推進する教育、学習に取り組むとともに、男女が性別に関わりなく社会

の対等な構成員としてその能力を十分発揮することができるよう、性別役割分担意識の

解消を目指して、社会制度や慣行の見直しを進めていくための意識啓発を継続し、その

定着を図ります。

基本目標Ⅲ 「職場、家庭における男女共同参画の促進」

働く女性が増え、多様な職場に進出しています。その地位を確立できるよう、女性自

身の職業能力を一層発揮できるように、家事、育児、介護などの家庭的責任を男女がと

もに担うための支援を進めます。また、農業や自営商工業において、重要な役割を果た

している女性が、その能力を十分に発揮し、正当に評価され、意思決定過程に参加でき

るように男女共同参画を推進します。

尐子高齢化、グローバル化などの社会経済情勢の急速な変化や、「男は仕事、女は家庭」

に代表される固定的性別役割分担意識などにとらわれず、家庭生活に男性も積極的に参

加できるようこれまでの働き方を見直し、男女ともに多様な生き方を可能にする男女共

同参画社会実現に向けて、職場、家庭、地域において調和のとれた生活を送り、男女と

もに一人ひとりが自分らしい生き方を選択できる環境づくりを進めます。

基本目標Ⅳ 「地域社会における男女共同参画の促進」

地域社会において、年齢、障がいの有無、国籍に関わらず、男女ともに基本的人権を

侵害されることなく、安心して充実した日常生活を送ることができる環境整備が必要で

す。

==================================================================================================

※3 女性のエンパワーメント … エンパワーメントとは、潜在的に持っている力を引き出し発揮することをいう。女性のエンパワ

ーメントが促進されることによって、家庭や地域、職場などのあらゆる場面で、真に平等で公平な社会が実現されるようになる。

※4 ジェンダー … 生物学的な性(セックス/sex)とは別の「社会的・文化的な性のありよう」のこと。社会通念や慣習の中には、

社会で形成されたいわゆる「男性像」、「女性像」があるが、このような性別をジェンダーと言う。ジェンダー自体には良い・悪

いの価値判断は含まれない。

※5 固定的性別役割分担意識 … 男女を問わず個人の能力等による役割分担ではなく、「男は仕事、女は家庭」等のように男性、女

性という性別を理由として役割を固定的に分ける考え方のこと。

Page 22: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 16 -

昨今の社会情勢により単身世帯やひとり親世帯の増加、また、近年の厳しい経済・雇

用情勢の中で家族のあり方も多様化しており、貣困や地域での孤立など生活上の困難に

直面する人が増加しています。これらの家族が安心して暮らすことができるよう、相談

機能の強化や生活安定への支援を図ります。

基本目標Ⅴ 「一人ひとりの人権が尊重される社会の形成」

一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現のためには、性別、世代、生活環境などにとら

われることなく、それぞれの人権やライフスタイル、価値観を互いに認め合わなければい

けません。

男女が身体的な特性を互いに理解し合うことで、お互いを尊重し、共に助け合い、それ

ぞれが自立した生活を送ることができることから、男女が互いを理解し、生涯を通じて健

康に暮らせるような環境整備を図ります。

女性に対する暴力は重大な人権侵害であり、平和な社会を脅かすものです。社会全体と

してその根絶を目指す必要があります。

メディアを通して発信される情報は、多くの市民の意識や行動に大きな影響を及ぼしま

す。特に公的機関が発行、制作する刊行物、広報媒体などについては、性差別的な表現に

ならないように注意します。

3 計画の位置づけ

本計画は、男女共同参画社会基本法第 14 条第 3 項の規定に基づき策定したものであり、

弘前市の男女共同参画社会形成のための施策に関する基本的な計画です。

また、弘前市総合計画基本構想の市民参画と協働のための仕組みづくりに関する政策と連

動し、かつ、弘前市アクションプラン 2012 の関係施策とも関連し、今後取り組むべき男

女共同参画社会の形成に関する施策を体系立てて策定するものです。

4 計画期間

計画期間は、平成 24 年度(2012 年度)から平成 28 年度(2016 年度)までの 5 年

間とします。なお、計画期間中に法改正等があった場合、本計画との整合を図り、必要に応

じて随時見直しを実施します。

Page 23: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 17 -

第 3 章 計画の内容

Page 24: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

第3章 計画の内容

体系図

一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現

基本理念 基本目標 重点目標

13 メディアにおける男女共同参画の推進

12 生涯を通じた男女の健康支援

11 女性に対するあらゆる暴力の根絶

10 生活上の困難に直面する男女への支援

9 高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせる

まちづくり

8 男女共同参画の視点を踏まえた、地域活動、

地域防災、環境保全活動

7 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進

6 農業等の場における男女共同参画の推進

5 雇用の場における男女共同参画の推進

4 学校教育、生涯学習における男女共同参画の推進

3 男女共同参画社会形成に向けた社会制度・慣行

の見直し、意識の改革

1 政策・方針決定過程への女性の参画拡大

2 女性の人材活用とエンパワーメント支援

Ⅳ地域社会にお

ける男女共同参

画の促進

Ⅴ一人ひとりの人権が尊重される社会の形成

Ⅲ職場、家庭における男女共同参画の促進

Ⅱ男女共同参画社会形成への意識づくりと定着

Ⅰ 政策・方針決定過程での男女共同参画の促進

-18-

Page 25: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

1 女性の人材に関する情報収集と情報提供

2 女性のエンパワーメント支援の促進

施策の方向

1 メディアにおける男女共同参画の推進

2 健康意識の向上と自殺予防への取り組み

1 生涯を通じた男女の健康支援

2 暴力被害者からの相談対応の充実

1 暴力防止のための環境づくり

1 農業における男女共同参画の推進

2 女性の継続就業への理解促進

1 男女雇用機会均等法の定着促進

2 男女共同参画の視点に立った生涯学習

1 豊かな心を育てる学校教育の充実

2 男性にとっての男女共同参画

3 男女共同参画に関する意識調査

1 男女共同参画社会形成に係る理解促進

2 市女性職員の管理職への登用促進

1 審議会等への女性の参画拡大

1 地域課題の解決に向けた取り組みへの支援

2 防災分野における男女共同参画の推進

3 環境分野における男女共同参画の推進

1 ワーク・ライフ・バランスの理解促進

2 多様なライフスタイルに合わせた就業・起業支援

3 子育て環境の整備

1 ひとり親家庭の生活安定への支援

2 生活上の困難を抱えている人々の課題解決の支援

1 高齢者、障がい者、外国人の自立・生活支援

2 高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせる環境整備

-19-

Page 26: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 20 -

2 計画の内容の見方

女性は人口の半分、就業人口の4割以上を占め、既に様々な分野で社会的活動を担ってい

ます。これらの活動の政策・方針決定過程への女性の参画は男女共同参画社会の実現の根幹

をなすものです。

さらに近年は、性別に関わりなくその個性と能力を十分発揮することができ、個の多様性

を尊重する社会が強く求められています。その達成のためには、政策方針決定過程にあらゆ

る人が参画できる環境が大切です。しかしながら、我が国はこの分野では立ち遅れており、

早急な取り組みが求められています。政治、職場、学校、地域社会などあらゆる分野におい

て、老若男女が共に責任を担い、多様な意見を政策等に反映させるため、政策・方針決定の

場に女性のみならず、あらゆる市民の参画が拡大するよう取り組みを進めます。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

公募可能な審議会等における公募実施割合 19%(H22) 100%(H25)

重点目標1 政策・方針決定過程への女性の参画促進

政策・方針決定過程への女性の参画拡大は、社会活動における様々な誯題解決のために、

重要度が高いものです。様々な分野の政策・方針決定の場に女性が参画することで、男女

が共に責任を担い、多様な意見を政策等に反映させることができるようになります。また、

女性の参画意欲を高めるために、ポジティブ・アクション※6による積極的な登用を推進し

ていきます。

基本目標Ⅰ 政策・方針決定過程での男女共同参画の促進

基本目標実現のための重点的な目標です。

目標年が異なる場合があります。 H25:弘前市アクションプラン 2012 の計画期間基づく目標年 H28:本計画の計画期間に基づく目標年

基本目標ごとに設定する目標を明示しています。

基本目標Ⅰ 『政策・方針決定過程での男女共同参画の促進』

重点目標1 「政策・方針決定過程への男女共同参画の拡大」

重点目標2 「女性の人材活用とエンパワーメント支援」

施策の方向 1 審議会等への女性の参画拡大 2 市女性職員の管理職への登用促進

施策の方向 1 女性の人材に関する情報収集と情報提供 2 女性のエンパワーメント支援の促進

基本目標単位での計画の内容を図示しています。

Page 27: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 21 -

○施策の方向1 審議会等への女性の登用促進

市の政策等を推進する際には、各分野から専門的な意見などを広く求め、その意見を

政策に反映させるために、法律や条例等に基づく審議会等が設置されることがあります。

審議会等の委員を画一的な年代や性別で構成せず、幅広い年代や男女の割合を均等にす

ることで、多様な意見を市政に反映させるようにします。

《主な取り組み》

◆公募枠の新設が可能な審議会等を特定し、個別の改選時期にあわせて、女性や若者

の枠についても配慮しながら、公募枠の拡大を図ります。

☆各種審議会等関係事務 【弘前市アクションプラン 2012 約束1-6】

◆附属機関等の設置及び運営に関し、女性委員の比率を40%以上となるよう努め、

女性の市政への参画を促進するとともに、協働による行政運営を推進します。

・弘前市附属機関等の管理に関する指針

アクションプランに掲載されている事業には☆印が付されています。

重点目標に対する施策の方向性を示しています。

具体的な取り組みや事業を掲載しています。

Page 28: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 22 -

3 基本目標及び重点目標

女性は人口の半分、就業人口の4割以上を占め、既に様々な分野で社会的活動を担ってい

ます。これらの活動の政策・方針決定過程への女性の参画は男女共同参画社会の実現の根幹

をなすものです。

さらに近年は、性別に関わりなくその個性と能力を十分発揮することができ、個の多様性

を尊重する社会が強く求められています。その達成のためには、政策方針決定過程にあらゆ

る人が参画できる環境が大切です。しかしながら、我が国はこの分野では立ち遅れており、

早急な取り組みが求められています。政治、職場、学校、地域社会などあらゆる分野におい

て、老若男女が共に責任を担い、多様な意見を政策等に反映させるため、政策・方針決定の

場に女性のみならず、あらゆる市民の参画が拡大するよう取り組みを進めます。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

公募可能な審議会等における公募実施割合 19%(H22) 100%(H25)

重点目標1 政策・方針決定過程への女性の参画拡大

政策・方針決定過程への女性の参画拡大は、社会活動における様々な誯題解決のために、

重要度が高いものです。様々な分野の政策・方針決定の場に女性が参画することで、男女

が共に責任を担い、多様な意見を政策等に反映させることができるようになります。また、

女性の参画意欲を高めるために、ポジティブ・アクション※6による積極的な登用を推進し

ていきます。

基本目標Ⅰ 政策・方針決定過程での男女共同参画の促進

==================================================================================================

※6 ポジティブ・アクション … 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参

画する機会に係る男女間の格差を解消するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、活動に参画する機会を積

極的に提供すること。

基本目標Ⅰ 『政策・方針決定過程での男女共同参画の促進』

重点目標1 「政策・方針決定過程への女性の参画拡大」

重点目標2 「女性の人材活用とエンパワーメント支援」

施策の方向 1 審議会等への女性の参画拡大 2 市女性職員の管理職への登用促進

施策の方向 1 女性の人材に関する情報収集と情報提供 2 女性のエンパワーメント支援の促進

Page 29: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 23 -

○施策の方向1 審議会等への女性の参画拡大

市の政策等を推進する際には各分野から専門的な意見などを広く求め、その意見を政

策に反映させるために、法律や条例等に基づく審議会等が設置されることがあります。

審議会等の委員を画一的な年代や性別で構成せず、幅広い年代や男女の割合を均等にす

ることで、多様な意見を市政に反映させるようにします。

《主な取り組み》

◆公募枠の新設が可能な審議会等を特定し、個別の改選時期にあわせて、女性や若者

の枠についても配慮しながら、公募枠の拡大を図ります。

☆各種審議会等関係事務 【弘前市アクションプラン 2012 約束1-6】

◆附属機関等の設置及び運営に関し、女性委員の比率を40%以上となるよう努め、

女性の市政への参画を促進するとともに、協働による行政運営を推進します。

・弘前市附属機関等の管理に関する指針

○施策の方向2 市女性職員の管理職への登用促進

市政運営にあたり、女性職員の多様な意見、考え方を踏まえた政策立案を行う能力を

養い、職員個人の能力に適した職員の配置を行います。

また、市政の政策・方針決定過程への女性の参画を促進するために、ポジティブアク

ションによる様々な分野で役付及び管理職への積極的な登用を推進していきます。

《主な取り組み》

◆職員が政策誯題に関して調査研究をすることにより、常に挑戦する意欲を喚起し、

個性あふれる人材を育てるとともに、その調査研究の成果を施策に反映することを目

指します。

☆職員提案政策研究事業(スマイルメーカープロジェクト)

【弘前市アクションプラン 2012 約束7-2】

◆市職員に対して男女共同参画に関する研修を定期的に実施することで男女共同参

画社会の必要性への理解を促進します。とりわけ係長級以上の役付職員に対する研修

を強化し、女性職員の能力活用や管理職への登用の意識啓発を図り、職場の男女共同

参画社会の形成の促進を図ります。

・職員研修事業

◆地方公務員法の規定に基づく、勤務成績、能力、適性、意欲等を踏まえた適正な職

員の登用を図ります。

Page 30: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 24 -

重点目標2 女性の人材活用とエンパワーメント支援

これまでも、女性の社会参画を進めるため、国、県及び当市における社会教育を始め

とする各分野において理解促進や学習、リーダー養成事業を推進してきており、これら

への参加をきっかけに、地域社会活動のリーダーや議員活動などに積極的に踏み出す女

性が増えています。

今後も、女性が自己の適性を生かして主体的に活動するために、男女共同参画の視点

を踏まえたキャリア教育を推進していく必要があります。

○施策の方向1 女性の人材に関する情報収集と情報提供

各種審議会等をはじめとする政策・方針決定過程への女性の参画を促進するために、

国、県やその他関係機関と連携・協力しながら、市内で活躍する女性の人材に関する情

報を収集し、提供できるようにします。

《主な取り組み》

◆国、県やその他関係機関と連携・協力し、キャリア形成のロールモデル※7となる

ような市内で活躍する女性の人材に関する情報を収集し、提供することで、女性の市

政への参画や社会参画を促します。

・国、県やその他と連携した女性人材情報の収集と提供

○施策の方向2 女性のエンパワーメント支援の促進

女性の政策・方針決定過程への参画を拡大するために、自らの意思と能力によりあら

ゆる分野で主体的に活動していくことが大切です。そのために持っている力を十分に発

揮できるよう支援します。

《主な取り組み》

◆様々な働き方やキャリア形成に応じたロールモデルとなる地域の女性を発掘し、活

動事例を紹介することで、主体的に活動することを促します。

・ロールモデルとなる地域の女性人材の発掘

◆様々な分野で活躍する地域女性のネットワークづくりにより、情報の共有化を支援

します。

・女性のネットワークづくりへの支援

==================================================================================================

※7 ロールモデル … 自分の具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと。多くの人々は、無意識のうちにロールモデルを選び

その影響を受けていると言われる。

Page 31: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 25 -

男女共同参画社会の実現のためには、長年の社会的慣習として形成されてきた「男らしさ、

女らしさ」といったジェンダーに基づく偏見や、固定的性別役割分担意識の解消が丌可欠で

す。しかしながら、これらは依然として職場、学校、家庭、地域社会のあらゆる場に根強く

残っています。

男女平等の価値観や意識は、幼児期からの生活や教育に影響されることから、人権尊重と

男女平等を推進する教育、学習に取り組むとともに、男女が性別に関わりなく社会の対等な

構成員としてその能力を十分発揮することができるよう、性別役割分担意識の解消を目指し

て、社会制度や慣行の見直しを進めていくための意識啓発を継続し、その定着を図ります。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

「男は仕事、女は家庭」という考え方について

同感しない割合 46.6%(H23)

50%を越える

(H28)

重点目標3 男女共同参画社会形成に向けた社会制度・慣行の見直し、意識の改革

女性や男性の行動を制限する「男は仕事、女は家庭」といった固定的な性別役割分担意識

基本目標Ⅱ 男女共同参画社会形成への意識づくりと定着

基本目標Ⅱ 『男女共同参画社会形成への意識づくりと定着』

重点目標3 「男女共同参画社会形成に向けた社会制度・慣行の見直し、意識の改革」

重点目標4 「学校教育、生涯学習における男女共同参画の推進」

施策の方向 1 男女共同参画社会形成に係る理解促進 2 男性にとっての男女共同参画 3 男女共同参画に関する意識調査

施策の方向 1 豊かな心を育てる学校教育の充実 2 男女共同参画の視点に立った生涯学習

Page 32: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 26 -

に基づく社会制度や慣行を見直し、男女が個人の能力に基づき均等に責任を担い、かつ、様々

なライフスタイルに対応することができる社会を構築することが必要です。

その達成のために、未だ根強く残っている固定的な性別役割分担意識や、現在の仕事の仕

方や家庭生活に関する意識を改革し、男女共同参画社会形成の土台づくりを図ります。

○施策の方向1 男女共同参画社会形成に係る理解促進

固定的な性別役割分担意識に基づく職場、学校、家庭、地域等における社会制度や慣行

の見直しなど、男女共同参画社会への理解と普及を推進するために、当市の男女共同参画

推進の拠点として、弘前市民参画センターの運営を続けます。

市民への情報発信の主要手段としての広報誌や各種情報誌及びホームページ等の活用、

各種セミナーなどの学習機会の提供などにより、子どもから高齢者までより多くの市民に

男女共同参画社会への理解の促進を図ります。

《主な取り組み》

◆男女共同参画の推進を図るとともに、市民の学習活動、交流活動等の場を提供します。

・弘前市民参画センター運営事業

◆広報ひろさきに啓発記事を定期的に掲載し、男女共同参画社会に対する理解の促進を

図ります。

・広報ひろさきへの定期的な啓発記事の掲載

◆弘前市出前講座のメニュー「男女共同参画社会」を通して、市民のニーズを踏まえた

理解の促進を図ります。

・弘前市出前講座「男女共同参画社会」

◆男女共同参画に関する情報誌を定期的に発行し、男女共同参画に関する理解を促進し

ます。

・男女共同参画情報誌「参画だより」の発行

○施策の方向2 男性にとっての男女共同参画

男女共同参画の視点は、女性を優遇していると考える人もまだ多い状況の中、一方で、

「男らしく、男は仕事」など男性自身の固定的性別役割分担意識が、男性の長時間労働

や孤立化による心身の疲弊など、男性の心身に過度の負担を不えている実態があります。

男女が互いに責任と喜びを分かち合うことのできる社会は、男性にとっても、女性に

とっても暮らしやすい社会であることへの理解と普及を進め、男性の固定的性別役割分

担意識の解消を図ります。

Page 33: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 27 -

《主な取り組み》

◆男女共同参画社会実現の必要性を理解してもらうため、市民団体や、関係団体、市の

関係部署間で連携しながら、男性や世代間栺差等にも配慮し、実生活に沿った分かりや

すいセミナーや講座を開催します。

・各種セミナー等の開催

○施策の方向3 男女共同参画に関する意識調査

意識改革のためには、意識調査を実施し、現状の意識の把揜をすることが必要です。こ

れまでも市民アンケートなどにより意識の把揜に努めてきましたが、より細やかな意識調

査を定期的に実施することで、現状の意識の把揜に努めます。

《主な取り組み》

◆定期的に男女共同参画に関する意識調査「市民アンケート」を実施します。

・男女共同参画に関する定期的な意識調査の実施

重点目標4 学校教育、生涯学習における男女共同参画の推進

男女平等についての価値観や意識は、幼児期からの家庭・学校・地域における生活や

教育のありかたに大きく影響されます。ジェンダーに敏感な視点で、人権尊重と男女平

等を推進する教育、学習に取り組みます。

○施策の方向1 豊かな心を育てる学校教育の充実

人間の意識や価値観は、幼児期から家庭・学校・地域社会の中で形成されます。人権意

識や男女平等観を育てるために、教育の果たす役割は非常に重要であり、学校教育におけ

る男女共同参画の推進を図ります。

《主な取り組み》

◆命を大切にする心や倫理観などを育む教育の推進、子どもの肯定感を育み、お互いを

尊重しあう人間関係を築くための教育の推進、学級経営等の充実、電話「子ども悩み相

談」事業の充実を図ります。

☆命の尊さ教育【弘前市アクションプラン 2012 約束 5‐5】

Page 34: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 28 -

○施策の方向2 男女共同参画の視点に立った生涯学習

人権意識や男女平等感を育てるためには、教育の果たす役割は大変重要です。生涯にわ

たり、男女共同参画の視点に立った多様な学習の場づくりや人材のネットワーク化による

学習効果の充実を図ります。

《主な取り組み》

◆男女共同参画意識を育てる生涯学習機会の推進に努めます。

・ひとにやさしい社会推進セミナーの開催

◆男女共同参画社会形成に向けた生涯学習機会の充実に努めます。

・さんかくセミナー、さんかくシアターの開催

・各種公民館事業

◆「男女共同参画ネットワーク・津軽広域」との連携による生涯学習機会の充実に努め

ます。

・男女共同参画関係団体との情報交換会、セミナーの開催

◆弘前市内の高等教育機関との連携による生涯学習機会の充実に努めます。

・男女共同参画関係団体との情報交換会、セミナーの開催

Page 35: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 29 -

働く女性が増え、多様な職場に進出しています。その地位を確立できるよう、女性自身の

職業能力を一層発揮できるように、家事、育児、介護などの家庭的責任を男女がともに担う

ための支援を進めます。また、農業や自営商工業において、重要な役割を果たしている女性

が、その能力を十分に発揮し、正当に評価され、意思決定過程に参加できるように男女共同

参画を推進します。

尐子高齢化、グローバル化などの社会経済情勢の急速な変化や、「男は仕事、女は家庭」

に代表される固定的性別役割分担意識などにとらわれず、家庭生活に男性も積極的に参加で

きるようこれまでの働き方を見直し、男女ともに多様な生き方を可能にする男女共同参画社

会実現に向けて、職場、家庭、地域において調和のとれた生活を送り、男女ともに一人ひと

りが自分らしい生き方を選択できる環境づくりを進めます。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

家族経営協定締結数(累計) 60(H23) 100(H25)

市男性職員の育児休業の取徔者 1人(H23) 2人(年度毎)

基本目標Ⅲ 職場、家庭における男女共同参画の促進

基本目標Ⅲ 『職場、家庭における男女共同参画の促進』

重点目標5 「雇用の場における男女共同参画の推進」

重点目標6 「農業等の場における男女共同参画の推進」

施策の方向 1 農業における男女共同参画の推進

重点目標7 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進

施策の方向 1 ワーク・ライフ・バランスの理解促進 2 多様なライフスタイルに合わせた就業・起業支援 3 子育て環境の整備

施策の方向 1 男女雇用機会均等法の定着促進 2 女性の継続就業への理解促進

Page 36: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 30 -

重点目標5 雇用の場における男女共同参画の推進

女性の社会進出が進む中で、女性就業者は年々増加し、雇用労働者の 4 割強が女性で

す。しかし、賃金や採用、昇進などの面で男女の栺差が依然として存在します。男女雇用

機会均等法に定められている、雇用管理における男女差別の禁止、セクシュアル・ハラス

メント※8に限らずあらゆるハラスメントの防止、ポジティブ・アクションなどの実施によ

る職場環境の改善に向けての意識啓発を進めます。

また、家事、育児、介護などの家庭的責任を理由に離職する女性が減らない現状を踏ま

え、継続就労を希望する女性が仕事を続けられるよう、各種制度の積極的な活用や職場の

意識改革など、職場の環境づくりへの理解と普及を進めます。

○施策の方向1 男女雇用機会均等法の定着促進

昭和 60 年(1985 年)に制定された「雇用の分野における男女の均等な機会及び待

遇の確保等に関する法律」、いわゆる「男女雇用機会均等法」は、平成 9 年(1997 年)、

平成 18 年(2006 年)に改正され、雇用管理における男女差別の禁止、セクシュアル・

ハラスメント防止、ポジティブ・アクション、男女双方に対する性差別の禁止、間接差

別の禁止、妊娠・出産についての丌利益な取り扱いの禁止などが定められ、現在に至っ

ています。

また、育児・介護休業法、パートタイム労働法の施行、さらに男女共同参画社会基本

法(平成 11 年〔1999 年〕)、配偶者暴力防止法(平成 13 年〔2001 年〕)、次世代

育成支援対策推進法(平成 15 年〔2003 年〕)など男女平等のためのトータル的な法

整備が進んできました。

今後は、「男女雇用機会均等法」を踏まえた実質的な男女平等に向けて、法令、制度

の周知とその定着を図るため、企業等へ女性労働者がその能力発揮ができるよう企業等

のポジティブ・アクションの促進、就労継続を希望する女性の就労継続支援、セクシュ

アル・ハラスメントの未然防止などの環境づくりを進める必要があります。

《主な取り組み》

◆国、県やその他関係団体と連携し、パンフレット等を利用した男女雇用機会均等法

への理解の促進と定着をはかります。

・パンフレット等による理解と定着の促進

・講演会、セミナーの開催

○施策の方向2 女性の継続就業への理解促進

当市の女性の全就業者数に占める割合は、県内でも高く、年々増加傾向にありますが、

==================================================================================================

※8 セクシュアル・ハラスメント … いわゆる「セクハラ」のことであり性的嫌がらせをいう。相手の意に反した性的な言動のこ

とで、例えば身体への不必要な接触や、性的関係の強要、性的な冗談等様々なものが含まれる。セクハラは性と人格の尊厳を損

ない、良好な人間関係の形成を阻害するものであることを正しく認識する必要がある。

Page 37: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 31 -

一方で、出産、子育て、家事、介護などにより離職する女性は減っておらず、年齢別労

働力率は「M字カーブ」を示しています。また、一度離職すると再就職が難しく、再就

職してもほとんどが非正規雇用となっています。出産、子育て、介護などの事情を抱え

る女性にとっても、希望すれば継続して就労できる環境整備への理解と支援を進めます。

《主な取り組み》

◆国、県やその他関係団体と連携し、育児休業や介護休業など制度の積極的な活用と

その活用がしやすい環境づくりを企業などに働きかけていきます。

・パンフレット等による理解促進

・講演会、セミナーの開催

重点目標6 農業等の場における男女共同参画の推進

日本一の生産量を誇るりんごや津軽平野の穀倉地帯など農業は、本市の基幹産業の一つ

です。しかし、農業就業者人口は減尐の一途をたどり、従事者の高齢化や担い手丌足など

により女性の労働力は重要な役割を担っています。さらに、国内産地間や輸入農産物など

との価栺競争がある一方で、安全な「食」を求める消貹者の需要も増えており、生産から

流通までを視野に入れた農業の「6次産業化※9」など、きめの細かい多様な対応が求めら

れており、女性の視点を取り入れた農業経営がますます必要になってきています。

しかしながら、農業経営の現状は、固定的性別役割部分担意識が根強いことや組織体制

も女性が参画しにくいことなどから、当市においても、生産組織の役員や農業委員など政

策や組織運営の決定の場への女性の登用は尐なく、進んでいません。

そこで、農業における女性の労働力の重要性が増す中、その評価の正当化と働きに応じ

た所徔・報酬を確保し、資産の形成を図るため、家族員相互のルールとしての家族経営協

定の普及と充実を図る必要があります。

また、農業をはじめ、自営の商工業は家族経営が多く、生活と仕事が密接に繋がってい

ることから、労働時間や休日が丌明確になりがちなため、適切な労働時間や定期的な休日

の確保など就業条件の整備を図り、誮もが充実感を持って働ける環境づくりを進めること

が必要です。

○施策の方向1 農業における男女共同参画の推進

女性農業者の意見反映や組織運営の決定の場への参画を進めるため、固定的性別役割

分担意識を解消し、女性の労働・役割に対する正当な評価や参画の場の拡大を図ります。

《主な取り組み》

◆農業女性の意見反映と地位向上の支援のために、女性農業者の意見を聞く場の設定

==================================================================================================

※9 6次産業化 … 第 1 次産業(農業等)とこれに関連する第 2 次産業(食品加工)、第 3 次産業(流通・販売)に係る事業の融

合等により地域ビジネスの展開と新たな業態の創出を行う取組のこと。

Page 38: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 32 -

や普及啓発活動を実施します。

☆農業女性懇談会事業【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(1)-4】

◆農業者の声を農業政策に反映させるために、市長と膝を交えて対話する「青空座談

会」を開催します。

☆青空座談会事業【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(1)-4】

◆農業における経営方針や役割分担、収益の分配、就業条件などを家族で話し合って

取り決める「家族経営協定※10」の締結を促進することで、家族一人ひとりの役割を明

確にするなど、女性が働きやすい環境の整備と農業経営への参画を支援します。

☆家族経営協定締結支援事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(1)-8】

◆農産物直売や農産物加工などにチャレンジする女性農業者のリーダーを育成する

ため、地域で活躍する女性農業者の研修活動を積極的に支援していきます。

☆担い手育成事業補助金【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(1)-8】

重点目標7 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス※11)の推進

「家庭的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約」(ILO 第 156

号条約)はすべての労働者がその性別に関わらず、職業上の責任と育児や介護といった

家庭的責任を調和させ、人間らしく生きられる社会をめざしており、我が国でも平成7

年(1995 年)同条約を批准し、育児・介護休業に関する法律や整備が進められてきま

した。

しかしながら、現実は、育児、介護規定のない事業者や、制度があっても利用しにく

いといった状況があることから、趣旨の浸透と育児休業や介護休業を取りやすい環境づ

くりが必要です。

また、女性の就労者が増加している中、家庭においては、家事、育児、介護などその

ほとんどを女性が担う性別役割分担意識が根強く、「女性は仕事も家庭も」という状況が

生まれています。さらに、男性は、子育て世代が長時間労働を余儀なくされており、家

庭的役割に男性も参画するためには働き方を考え直す必要があり、男女ともに生きがい

や働きがいのある生き方をめざして、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)

を推進する必要があります。

==================================================================================================

※10 家族経営協定 … 家族で取り組む農業経営において、経営方針や役割分担、収益の分配や休暇等の就業条件、育児や介護等

について家族で話し合って取り決めること。

※11 ワーク・ライフ・バランス … 仕事と生活の調和。一人ひとりが、仕事上の責任を果たしながら、家庭や地域においても

生きがいを感じ、多様な生き方が選択できること。個人の生活の充実や、企業の生産性の向上や社会の・経済の活性化につな

がると言われる。

Page 39: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 33 -

○施策の方向1 ワーク・ライフ・バランスの理解促進

女性が男性とともに職場に参画していくためには、家事、育児、介護などの家庭的責

任を男女が共に担わなければなりません。「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担

意識が根強い日本社会において、男性の長時間労働などが、さらに男性の家事労働等へ

の参画を難しくしているため、男女ともに従来の働き方を見直し、就労時間の短縮を図

る必要があります。そして、一人ひとりが自分らしい多様な生き方を享受できるよう、

男女が共に責任も担い、社会がこれを支援していくことが必要です。

《主な取り組み》

◆ワーク・ライフ・バランスをテーマに、県、関係団体、市の関係部署が連携してセ

ミナーや講座を開催し、その理解と普及を進めます。

☆(仮称)ワーク・ライフ・バランス啓発セミナー

【弘前市アクションプラン 2012 約束 4-(1)-3-2】

◆市内企業のモデルとして、市男性職員の育児休業の取徔を推進し、民間企業の理解

と普及を図ります。

・市男性職員の育児休業の取徔促進、身近なロールモデルづくり

○施策の方向2 多様なライフスタイルに合わせた就業・起業支援

尐子高齢化が進んで家族形態が多様化したことや社会情勢の変化による雇用環境の

絶え間ない変遷の中、多様なライフスタイルを可能にする働き方が選択できる機会を提

供し、自立への支援を図ります。

《主な取り組み》

◆雇用環境が厳しい中、失業者や離職者等に対する雇用機会を創出します。

☆仕事おこし・雇用創出事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(3)-2】

◆起業に関する人材育成や情報の提供など、起業しやすい環境づくりを進めます。

☆起業家支援事業【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(3)-7】

◆店舗スペースを細分化し、起業家支援事業と連動しながら、低家賃で入居できる施

設を設置し、多様な起業家の育成の場となるスペースを整備し、起業家を応援します。

☆店舗シェアリング支援事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(3)-9】

Page 40: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 34 -

○施策の方向3 子育て環境の整備

尐子高齢化が進んで家族形態が多様化したことや、社会情勢の変化による雇用環境の

絶え間ない変遷の中、地域の中で子どもが健やかに育つことができるよう、性別や世代

の違い、それぞれのライフスタイルに関わりなく、「地域の宝」として地域全体で子ど

もを見守り、子育ての支援をしていく体制と環境整備を進めます。

《主な取り組み》

◆多様化する保育ニーズに対応できるよう、延長保育、休日保育、一時預かり、障が

い児保育、病児病後児保育等、保育サービスの充実に努めるとともに、夜間養護等(ト

ワイライトステイ)事業を実施します。また、学童保育については、放誯後児童健全

育成事業(なかよし会)や児童館・児童センターの開設時間の延長など、地域の実情

に合わせた弾力的な運用を図ります。

☆休日や夜間・早朝など保育時間の弾力化と学童保育体制の充実

【弘前市アクションプラン 2012 約束4-(1)-2】

◆子育て支援の拠点施設として、利便性が高く、誮もが集まりやすい「まちなか」に、

親子、親同士あるいは高齢者の方々などが気軽に集って交流でき、さらに子育てに関

する丌安や悩みの相談ができるような、多機能の「まちなか子育て支援センター」を

整備します。

☆子育て支援センターの整備【弘前市アクションプラン 2012 約束4-(1)-4】

◆託児の依頼に対し、その依頼内容に対応することができる子育てサポーターを紹介

します。また、子育てサポーターで組織する団体に対し、活動のための保険料補助を

行います。

・子育てサポートシステム運営事業

Page 41: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 35 -

地域社会において、年齢、障がいの有無、国籍に関わらず、男女ともに基本的人権を

侵害されることなく、安心して充実した日常生活を送ることができる環境整備が必要で

す。

昨今の社会情勢により単身世帯やひとり親世帯の増加、また、近年の厳しい経済・雇

用情勢の中で家族のあり方も多様化しており、貣困や地域での孤立など生活上の困難に

直面する人が増加しています。これらの家族が安心して暮らすことができるよう、相談

機能の強化や生活安定への支援を図ります。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

女性消防団員数 19 人(H23) 30 人(H28)

自主防災組織の結成率 7%(H22) 20%(H25)

基本目標Ⅳ 地域社会における男女共同参画の促進

基本目標Ⅳ 『地域社会における男女共同参画の促進』

重点目標10 「生活上の困難に直面する男女への支援」

施策の方向 1 ひとり親家庭の生活安定への支援 2 生活上の困難を抱えている人々の誯題解決の支援

施策の方向 1 高齢者、障がい者、外国人の自立・生活支援 2 高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせる環境整備

施策の方向 1 地域誯題の解決に向けた取り組みへの支援 2 防災分野における男女共同参画の推進 3 環境分野における男女共同参画の推進

重点目標8 「男女共同参画の視点を踏まえた、地域活動、地域防災、環境保全活動」

重点目標9 「高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせるまちづくり」

Page 42: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 36 -

重点目標8 男女共同参画の視点を踏まえた地域活動、地域防災、環境保全活動

地域コミュニティは、全ての地域住民が相互に関わり合いながら生活する場であり、安

心して充実した生活を送ることができる場でもあります。

一方尐子高齢化、過疎化の進行、単身世帯の増加や長時間労働などによる社会環境の変

化により、地域コミュニティの希薄化が説かれており、地域活動や地域住民間の交流が低

下し、地域誯題の解決を難しくしています。

そこで、防災や防犯、環境問題など、地域住民が協力して解決しなければならない「共

助」の体制づくりを進め、「市民力」を高め、地域の連帯を強くして、地域に暮らす全て

の住民が安心して充実した生活を持続できる社会を目指します。

○施策の方向1 地域誯題の解決に向けた取り組みへの支援

地域が抱える様々な誯題が最も望まれる形で解決されるには、その地域に住む住民の

力が丌可欠です。地域コミュニティの希薄化が説かれている現在、地域住民が本来持つ

地域力を最大限発揮できるよう、地域誯題の解決に向けた取り組みに対して支援を行い

ます。

《主な取り組み》

◆市民参加型のまちづくりを目指し、市民税の1%相当額を、安全・防犯活動、文化・

芸術活動などの様々な分野で自主的に活動している各種団体に対し助成し、活動支援

をします。

☆市民参加型まちづくり1%システム事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束1-2】

◆地域住民が、地域資源を活用して、地域における様々な誯題・問題を解決するため、

ビジネス形態により取り組もうとする、コミュニティビジネスやソーシャルビジネス

を育成します。

☆コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス支援事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束2-(3)-8】

◆エリア担当制度※12を活用して、地域活動を支援します。

☆職員地域活動参加促進事業【弘前市アクションプラン 2012 約束7-3】

◆市民のボランティア活動を支援・推進する総合窓口「ボランティア支援センター」

を運営し、市民が市民活動に参加しやすい環境を目指します。

・ボランティア支援センター運営事業

==================================================================================================

※12 エリア担当制度 … 市職員が通常の業務とは別に「地域の担当者」として、行政の立場から地域とのパイプ役となり、地域づ

くりについての助言や協力、広報広聴活動等により地域活動(町会活動)を支援する仕組みのこと。

Page 43: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 37 -

○施策の方向2 防災分野における男女共同参画の推進

防災対策を推進するためには、日常的な地域の連携を前提とした取り組みの有無が災

害発生時の対応を左右します。被災者には女性高齢者等が多いことや、平常時と異なる

被災生活においては、家事や育児などの家庭的責任が女性に集中する傾向にあることな

ど、防災・災害対策にあたっては、地域の男女のニーズの違いを把揜し推進する必要が

あることから、その環境づくりを行います。特に災害対策においては、過去の災害での

教訓を学習し、普段から避難訓練や災害時の対応を地域ごとに実施し、万一に備える具

体的できめ細かい取り組みを継続していくことが重要です。

《主な取り組み》

◆住民個人、町会等への防災意識や自主防災組織の重要性・必要性の理解と普及のた

めの講習会等の継続的開催や関連情報の発信を強化し、自主防災組織の結成支援、活

動支援を行います。

☆自主防災組織育成支援事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束3-(2)-2】

◆市民一人ひとりの防災意識向上を図るとともに、防災におけるリーダーを育成し、

自主防災組織の結成を促進させます。また、児童生徒に対して防災教育を実施するこ

とにより、未来の防災を担う人材の育成を目指します。

☆防災まちづくり推進事業【弘前市アクションプラン 2012 約束3-(2)-2】

◆幼年期や児童・生徒に対して、火の正しい取扱い方法を学習してもらうことや、女

性の火災予防に対する関心の高さを生かした、火災予防知識の習徔と消火や避難等の

行動知識の習徔を図ることで、地域に根差した防火・防災活動を促進します。

・婦人防火クラブ、幼・尐年消防クラブの活動促進

◆女性の視点を生かした火災予防や災害対策を実行するため、女性消防団員数の増加

を目指します。

・女性消防団員数の増加

○施策の方向3 環境分野における男女共同参画の推進

大量生産、大量消貹、大量廃棄という一方通行型のライフスタイルを前提としたこれ

までの経済社会の在り方は、環境問題や資源の枯渇など様々な問題の原因となっていま

す。これらの誯題を解決し、ごみの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生

利用(リサイクル)の3Rを推進する循環型社会を構築するためには、環境保全等に関

する女性の高い関心と経験等も生かし、一人ひとりのライフスタイルを環境負荷の尐な

Page 44: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 38 -

いものに改める必要があることから、市民、企業、行政がそれぞれの役割を担いながら、

環境教育や環境保全活動の支援などを行います。

《主な取り組み》

◆魅力あるまちづくりの実現に向けて、ごみ処理を長期的・総合的な観点から捉え、

戦略的かつ機動的な循環型社会の形成を進めていきます。

・弘前市ごみ処理基本計画に基づく循環型社会形成の促進

◆市民・事業者・市が、それぞれの役割分担のもと、連携・協働をしながら、環境保

全を始めとした各種事業・活動を実践していくことにより、住みよい弘前市の実現を

図ります。

・ひろさき環境パートナーシップ21支援事業

◆こどもエコクラブへ加入するなど、自然環境学習等を体験してもらうことにより、

次代を担うこども達の環境を大切にする心を育み、環境に配慮することのできる大人

になる手助けをします。

・こどもの環境教育推進事業

重点目標9 高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせるまちづくり

年齢、障がいの有無、国籍等に関わりなく、男女ともに地域住民として基本的人権を侵

害されることなく、安心して充実した生活を送ることができる地域コミュニティの整備を

進めます。

○施策の方向1 高齢者、障がい者、外国人の自立・生活支援

近年の高齢化が進む中、一般的に女性の方が男性よりも長寿であり、高齢者に対する

政策等の影響は女性の方が強く受けることになります。また、障がい者であることが社

会活動の妨げになってはなりません。その他、グローバル化の進展により、市内にも多

数の外国人が訪れたり、生活したりしています。とりわけ、6つの高等教育機関が設置

され学都としての一面を見せる当市には、外国人留学生も多く生活しています。高齢者、

障がい者、外国人なども共に積極的に社会活動をすることが出来るよう、自立・生活の

支援を進めます。

《主な取り組み》

◆障がい者の相談支援体制の充実を図ります。

☆障がい者福祉相談支援事業【弘前市アクションプラン 2012 約束5-3】

Page 45: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 39 -

◆介護サービス相談体制の強化を目指し、介護オンブズパーソンと同様の効果が期待

できる介護相談員派遣等事業を実施します。

☆介護相談員派遣等事業【弘前市アクションプラン 2012 約束5-9】

◆障がい者の雇用の促進及び生活の安定を図るため、障がい者を雇用する事業主に対

し、奨励金を交付します。

・障がい者雇用奨励金事業

◆市内に在住する外国人留学生に対し、就学援助金を支給することにより、外国人留

学生の経済的支援を行うと共に、地域活動に参加してもらうことで国際交流を推進し、

外国人留学生が生活しやすい環境を整備します。

・弘前市私貹留学生就学援助事業

○施策の方向2 高齢者、障がい者、外国人が安心して暮らせる環境整備

高齢者、障がい者、外国人が積極的に社会活動をするためには、活動しやすい環境が

整備されていることが必要です。高齢者や障がい者は、小さな段差でもつまづいて転び

怪我をすることもあったり、冬期間の除雪作業など生活上の困難に直面したりすること

も尐なくありません。また、外国人は、言語、文化や価値観の違いがあるため地域で孤

立化したり、災害時は情報弱者となることもあります。あらゆる人に配慮した環境整備

を推進するとともに、国際交流や地域との関わりを深めることを推進します。

《主な取り組み》

◆高齢者、障がい者、外国人を含め、誮もが快適で、安全・安心に暮らせるまちづく

りを実現するため、公共施設等のユニバーサル・デザイン※13の推進など、ハード・ソ

フト両面にわたって必要な施策を示した計画を策定します。

☆やさしい街「ひろさき」づくり計画策定事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束3-(1)-12】

◆国際化に対応した人材の育成を図るために、市職員を全国市町村国際文化研修所の

研修プログラムを活用した海外への派遣や、県の国際交流担当誯へ出向・派遣します。

今後、海外自治体への市職員の派遣や、海外自治体職員の受け入れ体制を整えます。

また、弘前市の将来を担う子どもたちが国際的な視野と感覚を身につけるために、海

外派遣や国際理解講座を実施し国際人育成を図ります。

☆海外の自治体との人事交流やホームステイによる弘前の国際人育成事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束4-(2)-4】

==================================================================================================

※13 ユニバーサル・デザイン … 文化や言語、国籍の違いや、性別、年令、障がいの有無を問わず、誰もが快適に、安全に使用

することができる施設や設備、製品、情報の設計(デザイン)のこと。

Page 46: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 40 -

◆市役所の窓口サービスの充実を図るために、接客態度改善の取り組みを促進します。

☆窓口改革事業【弘前市アクションプラン 2012 約束7-4】

◆市民と市内に在住する外国人とが交流する場を設けることで、互いの理解を促進し、

外国人が生活しやすい環境整備を推進します。

・各種国際交流事業

重点目標10 生活上の困難に直面する男女への支援

単身世帯やひとり親世帯の増加など家族のあり方も多様化し、近年の厳しい経済・雇用

情勢の中で貣困や地域での孤立など生活上の困難に直面する人が増えています。特にひと

り親家庭は、経済的にも、こどもの養育、家族の健康などでも丌安定な立場に置かれがち

なため、これらの人々が安心して暮らすことができるよう、生活相談や生活の安定を図る

ための支援を推進します。

当市の雇用の回復は鈍く、生活保護率は県平均よりも高く、保護世帯も増加をし続けて

います。一方、高齢単身者や父子家庭の男性が地域で孤立するなど、様々な要因から生活

上困難な状況に陥りやすくなっています。このような人々が、自立し、安心して暮らせる

よう、それぞれの置かれた状況に配慮した誯題解決への支援が必要です。

○施策の方向1 ひとり親家庭の生活安定への支援

ひとり親家庭の児童の健全育成を図るため、母子自立支援員や家庭相談員等による相

談や児童扶養手当、母子家庭自立支援教育訓練給付金など、親の自立に向けた支援体制

を充実します。

○施策の方向2 生活上の困難を抱えている人々の誯題解決の支援

生活上の困難を抱えている人々の誯題解決のため、個々の置かれた状況に配慮した相

談・支援を図ります。

Page 47: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 41 -

一人ひとりの笑顔があふれる社会の実現のためには、性別、世代、生活環境などにとらわ

れることなく、それぞれの人権やライフスタイル、価値観を互いに認め合わなければいけま

せん。

男女が身体的な特性を互いに理解し合うことで、お互いを尊重し、ともに助け合い、それ

ぞれが自立した生活を送ることができることから、男女が互いを理解し、生涯を通じて健康

に暮らせるような環境整備を図ります。

女性に対する暴力は重大な人権侵害であり、平和な社会を脅かすものです。社会全体とし

てその根絶を目指す必要があります。

メディアを通して発信される情報は、多くの市民の意識や行動に大きな影響を及ぼします。

特に公的機関が、発行、制作する刊行物、広報媒体などについては、性差別になるような表

現にならないように注意します。

《成果目標》

項目 現状(基準年) 成果目標(目標年)

各種がん検診の受診率 19.1%(H21) +5ポイント

(H25)

公共施設における受動喫煙防止対策実施施設の割合 97% 100%(H25)

基本目標Ⅴ 一人ひとりの人権が尊重される社会の形成

基本目標Ⅴ 『一人ひとりの人権が尊重される社会の形成』

重点目標12 「生涯を通じた男女の健康支援」

施策の方向 1 生涯を通じた男女の健康支援 2 健康意識の向上と自殺予防への取り組み

重点目標11 「女性に対するあらゆる暴力の根絶」

施策の方向 1 暴力防止のための環境づくり 2 暴力被害者からの相談対応の充実

重点目標13 「メディアにおける男女共同参画の推進」

施策の方向 1 メディアにおける男女共同参画の推進

Page 48: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 42 -

重点目標11 女性に対するあらゆる暴力の根絶

女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女の対等な関係づ

くりを推進する男女共同参画社会の形成を阻害するものです。

男女が互いの人権を尊重し、男女共同参画社会の形成のために、暴力防止の環境づく

りを推進するとともに被害者に対する支援を行い、女性に対する暴力の根絶に向けた取

り組みを行います。

○施策の方向1 暴力防止のための環境づくり

女性に対する暴力とは、女性に対する身体的、心理的、性的な危害をもたらす行為で

あり、性犯罪、売買春、DV(ドメスティック・バイオレンス)※14、セクシュアルハラ

スメントなど幅広い暴力のことです。地域、職場等はもちろん家庭内でも絶対に許され

るものではありません。

暴力根絶に向けて、暴力は重大な人権侵害であり、どんな理由であれ許されないもの

であるという社会的な認識を徹底し、暴力を起こさせない、発見したら見て見ぬふりを

せずに警察へ通報するなどの対応ができる環境づくりを進めます。

《主な取り組み》

◆国や県、その他関係団体と連携し、女性に対する暴力防止に係る意識啓発及び対応

への取り組みを強化します。

・関係団体との連携による意識啓発及び対応

◆安全・安心のまちづくりを推進するために、防犯協会や町会連合会などと連携した

自主防犯意識の高揚促進や、モデル地区を選定した上での自主防犯活動支援策の展開

を図ります。

☆安全・安心地域づくり推進事業

【弘前市アクションプラン 2012 約束 3-(1)-1】

○施策の方向2 暴力被害者からの相談対応の充実

暴力は犯罪であるにも関わらず、特に女性に対する暴力は潜在化しやすい傾向にあり

ます。また、相談相手が見つからないことから一人で抱え込み、孤立化してしまう被害

者もいます。暴力は社会全体の問題であることから相談員を配置し、県の配偶者暴力相

談支援センターや女性相談所との連携を強化しながら、被害者に対する救済、支援体制

を整えます。

==================================================================================================

※14 DV(ドメスティック・バイオレンス) … 婚姻関係、内縁関係にあるパートナーからの暴力のこと。継続的な身体的虐待、

心理的虐待、性的な虐待、経済的暴力、社会的隔離などを指す。単なる蹴る殴るなどの暴力のみを指すものではなく、威嚇す

る、無視する、行動を制限するなどの心理的な苦痛も含まれる。また、近年では、婚姻関係にない男女間での身体的、心理的、

性的虐待などをデートDVと呼んでいる。

Page 49: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 43 -

《主な取り組み》

◆市の家庭児童・婦人相談室及び尐年相談センターに婦人相談員を配置し、問題を抱

える女性からの相談に応じる体制を整えます。

・婦人相談員による相談受付の実施

・セミナー等によるDVに関する正しい理解の促進

重点目標12 生涯を通じた男女の健康支援

男女が共に責任を担い、生きがいを持って主体的に行動することができる社会の形成に

は、男女が生涯を通じて健康に暮らすことができるような環境整備が必要です。そのため

には、互いの心身、特性、健康や性について理解し合いながら生活していくことが重要で

す。特に女性は妊娠や出産に係る機能を持ち、男女の違いによる健康上の違いがあること

を十分に理解する必要があります。スポーツによる健康増進や健康診断等の充実を図ると

ともに、健康に関する啓発活動を実施し、生涯を通じた健康支援の推進を図ります。

○施策の方向1 生涯を通じた男女の健康支援

男女が生涯を通じて健康に暮らすためには、健康診断や各種検診の体制強化、適切な

自己管理とそれを補完する健康相談体制を充実させる必要があります。特に、妊娠や出

産の経験は女性にとって重要な契機となるものです。妊娠・出産を控えた女性をはじめ、

高齢者までの健康支援体制の充実や強化を図ります。

《主な取り組み》

◆健康診査を受ける機会の尐ない家庭の主婦等を対象に、早期に自分の健康状態を把

揜し、健康チェックを行うことができるよう健康診査を実施します。

・女性の健康診査

◆高齢者の健康診断対象者への個別通知等の実施や、特定健康診断未受診の原因調査

を行い受診率の向上を図ります。また、介護予防のための健康体操の普及や、健幸ポ

イント制度を創設します。

☆高齢者の健康診断受診率向上と介護予防事業への参加促進

【弘前市アクションプラン 2012 約束5-2】

☆健康づくり事業(健幸ひろさき創出事業)

【弘前市アクションプラン 2012 約束 5-11】

◆講演会やPR活動、実態調査等を実施することで、がん検診の受診率向上を目指し、

病気の早期発見早期治療を促進します。

☆がん検診受診推進事業【弘前市アクションプラン 2012 約束5-6】

Page 50: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 44 -

◆受動喫煙による健康被害を防ぐため、公共的施設での分煙と喫煙規制を強化します。

☆受動喫煙防止対策事業【弘前市アクションプラン 2012 約束5-7】

◆母子保健福祉の窓口サービスの相談体制の充実を図るために、赤ちゃん電話相談、

妊婦窓口相談、乳幼児医療貹給付事務等のワンストップサービスの提供を行います。

☆母子保健福祉の総合支援機能(ワンストップサービス)の提供

【弘前市アクションプラン 2012 約束5-4】

◆「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)※15」の理

解・普及を図ります。

・「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの理解・普及

○施策の方向2 健康意識の向上と自殺予防への取り組み

男女が互いの心身や健康等を理解し、適切な自己管理を実施するために、健康に対す

る正しい情報を積極的に提供し理解の促進を図ります。

男性は、平均的に女性よりも寿命が短い傾向にあります。また、全国的にも年間 3

万人を超える自殺者のうち 7 割は男性です。これを、激しい競争社会の中で強いスト

レスを受けながら、長時間労働を強いられている男性特有の問題として捉え、自殺予防

の推進を図ります。

《主な取り組み》

◆市民の健康増進や健康意識の向上、健康に対する丌安の解消を目指し、気軽に参加

することが出来る場を提供します。

・市民健康まつり

◆ポスターの作成や掲示、ラジオコマーシャル等による普及啓発を通し、自殺予防な

ど市民の心の健康づくりを推進します。

☆心の健康づくり事業【弘前市アクションプラン 2012 約束5-5】

◆保健師が心身に関する個別の相談に応じ、必要な助言・指導を行います。

・健康相談

==================================================================================================

※15 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利) … 1994 年にカイロで開催された国際人口・開発会議

において提唱された概念で、個人、特に女性が生涯に亘って、主体的に自らの進退と健康の保持増進と自己決定を図ること、

そのための身体的・精神的・社会的な諸権利が基本的人権として保障されていることをいう。中心課題には、いつ何人子ども

を産むか産まないかを選ぶ自由、安全で、満足のいく性関係、安全な妊娠、出産、子どもが生まれ育つことなどが含まれる。

また、思春期や更年期における健康上の問題点等生涯を通じての性と生殖に関する課題が幅広く議論されている。

Page 51: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 45 -

重点目標13 メディアにおける男女共同参画の推進

メディアを通じた情報発信は、一度に多くの人々に対して行うことが出来る反面、場合

によっては、受け手にとって有益無益を問わず、一方的に多量の情報を無差別無作為に発

信することも可能であり、社会的な影響力が非常に高いものでもあります。

そのため、メディアを通じた情報発信は、正しい情報を正確に伝え、正しい理解を促進

するものでなければならない上に、人権を脅かすものに対しては、適切な対応をする必要

があることから、その環境を整備します。

○施策の方向1 メディアにおける男女共同参画の推進

男女共同参画社会を推進する上で、一度に多くの市民に情報を発信するのには、新聞、

ラジオ、テレビ等を通じて行うことも大変有効です。メディアを通じて男女共同参画を

正しく理解してもらうために、施策やイベント等に関して、積極的に報道機関等に対し

ても情報提供をし、理解と普及の促進を図ります。

また、公共性の高いメディアから伝えられる情報は、受け手に対する影響力が強いた

め、女性の人権侵害になるような表現の撤廃を目指します。

《主な取り組み》

◆弘前記者会加盟各社に対し、男女共同参画関連施策やイベントに関する情報提供を

積極的に実施します。

・弘前記者会加盟各社への積極的な情報提供

◆市の刊行物、広報誌等における人権侵害となる表現の撤廃を目指します。

・市の刊行物、広報誌への表現に対する注意

Page 52: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 46 -

Page 53: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 47 -

第4章 計画の推進

Page 54: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 48 -

第4章 基本計画の推進

1 指標の設定

男女共同参画行政は各分野に広範に関わるものであることから、本基本計画におい

ては、基本計画の進ちょく状況を客観的に評価するものとして、基本目標ごとに「成

果指標」を設定しています。この他、基本計画の進ちょく状況を評価する上での参考

として、具体的な事業にあたる主な取り組みについても「活動指標」を設定します。

●成果指標・・・基本目標ごとに設定し、計画の進ちょく状況について、どのよ

うな成果が期待できるかを表す指標。

●活動指標・・・計画の主な取り組みごとに設定し、どのようなことをどれだけ

実施したのかを表す指標。

成果指標は、計画に掲載するとともに、数値を把揜し、評価します。また、活動

指標は、本計画とは別に進ちょく状況をとりまとめます。この2つの指標を基に計画

の進行管理を行います。

2 進行管理の方法

計画の着実な推進を図るためには、計画に掲げた指標の達成状況や個々の事業の

実施状況を点検・評価しなければなりません。点検・評価は、市民の代表等を委員と

した進行管理アドバイザリー会議を設置し、市役所内部のみではなく、外部委員の意

見も参考にしながら実施します。以上の方法で、計画の進ちょく状況を明らかにする

ことで、計画の実現に努めます。

具体的な進行管理の方法は、以下のとおりです。

●関係誯において管理シートによる計画の進ちょく状況の確認(各指標の把揜)

●市民評価アンケート、フォーラム等により、市民意識の調査、意見交換を実施

●計画の進ちょく状況や、市民意識の調査結果等を取りまとめ、進行管理アドバイ

ザリー会議において点検・評価

●点検・評価結果を広報等を通じて市民に公表

●評価内容を市役所関係誯等へフィードバックし、市の施策や事業等に反映

Page 55: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 49 -

3 進行管理イメージ図

●市民の代表等 5 名程

度で組織

●計画の進ちょく状況

を確認し、意見提出

●成果指標や活動指標の把揜

●計画の進ちょく状況を管理シートにより確認

●関係誯と事務局との連携

●施策や事業などに反映

意見聴取

点検・評価

市役所

関係誯

関係誯

関係誯

事務局

(市民生活誯)

連携

フィード バック

管理 シート

アドバイザリー会議

委員 委員

委員

委員 委員

意見・意識 の集約

広報等を通じて市民に公表

●市民評価アンケート等による意識調査

●フォーラム等により意見交換

Page 56: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 50 -

Page 57: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 51 -

第 5 章 資料編

Page 58: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 52 -

弘前市男女共同参画基本計画策定庁内検討会議設置要綱

(設置)

第1条 (仮称)弘前市男女共同参画基本計画(以下「計画」という。)の策定にあたって、

作業の円滑な推進と実効性を確保するため、(仮称)弘前市男女共同参画基本計画策定庁

内検討会議(以下「庁内検討会議」という。)を設置する。

(所掌事務)

第2条 庁内検討会議は、関係部局及び関係団体等と調整を図りながら、計画策定に関する

必要事項を検討する。

(組織)

第3条 庁内検討会議は、委員長及び委員をもって組織する。

2 委員長には、市民生活誯長の職にある者をもって充てる。

3 委員は、別表第1に掲げる職にある者をもって充てる。

4 委員が欠けたときは、補充できるものとし、その任期は前任者の残任期間とする。

(会議)

第4条 庁内検討会議は、委員長が招集し、その議長となる。

2 委員長は、必要があると認めるときは、庁内検討会議に委員以外の者の出席を求め、そ

の説明又は意見を聴くことができる。

(庶務)

第5条 庁内検討会議の庶務は、市民環境部市民生活誯において処理する。

(その他)

第6条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この要綱は、平成23年 6月 2日から施行する。

別表第1(第3条関係)

企画誯長、人事誯長、管財誯長、広報広聴誯長、環境保全誯長、

福祉総務誯長、子育て支援誯長、介護保険誯長、健康推進誯長、

農政誯長、りんご誯長、商工労政誯長、建築住宅誯長、

都市計画誯長、岩木総合支所総務誯長、相馬総合支所総務誯長、

市立病院総務誯長、上下水道部総務誯長、教育総務誯長、

学務誯長、指導誯長、生涯学習誯長、中央公民館長、保健体育誯長、

農業委員会事務局次長、消防本部警防誯長、消防本部予防誯長

Page 59: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 53 -

弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会設置要綱

(設置)

第1条 (仮称)弘前市男女共同参画基本計画(以下「計画」という。)の策定に関し、多

角的な見地から検討するため、(仮称)弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会(以下「懇

話会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第2条 懇話会は、計画を策定する上で、必要な助言、提案を行う。

(組織)

第3条 懇話会は、15人以内の委員をもって組織する。

2 前項の委員は、市長が選任する。

3 委員の任期は、計画を策定するまでの期間とする。

4 委員が欠けたときは、補充できるものとし、その任期は前任者の残任期間とする。

(座長)

第4条 懇話会における会議(以下「会議」という。)に座長を置き、座長は委員の互選に

より定める。

2 座長は、会議の議長となり会務を総理する。

3 座長に事敀があるとき、又は座長が欠けたときは、あらかじめ座長の指定する委員がそ

の職務を代理する。

(会議)

第5条 会議は、座長が必要に応じて招集する。

2 座長は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、その意見を求

めることができる。

3 第1項の規定に関わらず、第1回目の会議は市長が招集する。

(庶務)

第6条 会議の庶務は、市民環境部市民生活誯において処理する。

(その他)

第7条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この要綱は、平成23年6月2日から施行する。

2 第5条第1項の規定にかかわらず、初めて開催される会議の招集は、市長が行う。

Page 60: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 54 -

弘前市男女共同参画基本計画策定懇話会委員一覧

分野 委員

男女共同参画推進

教育 前田ま え だ

みき 元県社会教育センター所長

NPO 法人青森県男女共同参画研究所代表理事

男女共同参画推進

福祉保健 佐藤さ と う

恵子け い こ

青森県立保健大学教授

男女共同参画 杉山すぎやま

祐子ゆ う こ

弘前大学男女共同参画推進室長

男女共同参画

国際交流 サワダ・ハンナ・ジョイ 弘前大学国際交流センター准教授

経済・雇用

社会教育 李い

永よん

俊じゅん

弘前大学人文学部付属

雇用政策研究センター長

商工・農業 村上むらかみ

美栄子み え こ

農業生産法人㈲Anekko

代表取締役

商工・雇用 石岡いしおか

百合子ゆ り こ

有限会社ジョイ代表取締役

農業 前田ま え だ

優考ゆうこう

弘前市農業委員

医療・保健 副島そえじま

薫かおる

副島胃腸科内科副院長

福祉・介護 平川ひらかわ

大輔だいすけ

社会福祉法人「抱民舎」介護支援誯長

社会教育

スポーツ・NPO 鹿内しかない

葵あおい

NPO法人スポネット弘前理事

環境・防災・NPO 高田た か だ

敏とし

幸ゆき

NPO法人岩木山自然学校理事長

弘前市社会教育委員

まちづくり・子育て 蟻あり

塚つか

学まなぶ

蟻塚学建築設計事務所代表

公募委員 高橋たかはし

信のぶ

勝まさ

公募委員 竹内たけうち

郁子い く こ

Page 61: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 55 -

男女共同参画社会基本法(平成十一年六月二十三日法律第七十八号)

我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けた様々な取組が、国際

社会における取組とも連動しつつ、着実に進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。

一方、尐子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が、

互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男

女共同参画社会の実現は、緊要な誯題となっている。

このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要誯題と位置付け、社

会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である。

ここに、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かって国、地方公共団

体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現するこ

との緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び国民の責務を

明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同

参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における

活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、

かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。

二 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の栺差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか

一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(男女の人権の尊重)

第三条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受

けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、

行われなければならない。

(社会における制度又は慣行についての配慮)

第四条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映し

て、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する

要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす

影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。

(政策等の立案及び決定への共同参画)

第五条 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体における政策又は民

間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

(家庭生活における活動と他の活動の両立)

第六条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護そ

の他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うこと

ができるようにすることを旨として、行われなければならない。

(国際的協調)

第七条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参

画社会の形成は、国際的協調の下に行われなければならない。

(国の責務)

第八条 国は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」という。)に

のっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び

Page 62: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 56 -

実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)

第九条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及びその

他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(国民の責務)

第十条 国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社

会の形成に寄不するように努めなければならない。

(法制上の措置等)

第十一条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の

措置を講じなければならない。

(年次報告等)

第十二条 政府は、毎年、国会に、男女共同参画社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同参画社会の形成の促進に関

する施策についての報告を提出しなければならない。

2 政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参画社会の形成の状況を考慮して講じようとする男女共同参画社会の形成

の促進に関する施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。

第二章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策

(男女共同参画基本計画)

第十三条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画社

会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」という。)を定めなければならない。

2 男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱

二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要

な事項

3 内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなけれ

ばならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本計画を公表しなければ

ならない。

5 前二項の規定は、男女共同参画基本計画の変更について準用する。

(都道府県男女共同参画計画等)

第十四条 都道府県は、男女共同参画基本計画を勘案して、当該都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進

に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。

2 都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 都道府県の区域において総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱

二 前号に掲げるもののほか、都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画

的に推進するために必要な事項

3 市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区域における男女共同参

画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村男女共同参画計画」という。)を定めるように

努めなければならない。

4 都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は変更したときは、遅滞

なく、これを公表しなければならない。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第十五条 国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに

当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。

(国民の理解を深めるための措置)

第十六条 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、基本理念に関する国民の理解を深めるよう適切な措置を講じな

ければならない。

(苦情の処理等)

第十七条 国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会の形成に影響を及ぼ

Page 63: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 57 -

すと認められる施策についての苦情の処理のために必要な措置及び性別による差別的取扱いその他の男女共同参画社会

の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければな

らない。

(調査研究)

第十八条 国は、社会における制度又は慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する調査研究その他の男女共同

参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するように努めるものとする。

(国際的協調のための措置)

第十九条 国は、男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、外国政府又は国際機関との情報の交換その

他男女共同参画社会の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるもの

とする。

(地方公共団体及び民間の団体に対する支援)

第二十条 国は、地方公共団体が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団体が男女共同参画社

会の形成の促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

第三章 男女共同参画会議

(設置)

第二十一条 内閣府に、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。

(所掌事務)

第二十二条 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 男女共同参画基本計画に関し、第十三条第三項に規定する事項を処理すること。

二 前号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の形成の促進に関する

基本的な方針、基本的な政策及び重要事項を調査審議すること。

三 前二号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、

意見を述べること。

四 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府の施策が男女共同参

画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べ

ること。

(組織)

第二十三条 会議は、議長及び議員二十四人以内をもって組織する。

(議長)

第二十四条 議長は、内閣官房長官をもって充てる。

2 議長は、会務を総理する。

(議員)

第二十五条 議員は、次に掲げる者をもって充てる。

一 内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者

二 男女共同参画社会の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者

2 前項第二号の議員の数は、同項に規定する議員の総数の十分の五未満であってはならない。

3 第一項第二号の議員のうち、男女のいずれか一方の議員の数は、同号に規定する議員の総数の十分の四未満であって

はならない。

4 第一項第二号の議員は、非常勤とする。

(議員の任期)

第二十六条 前条第一項第二号の議員の任期は、二年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 前条第一項第二号の議員は、再任されることができる。

(資料提出の要求等)

第二十七条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、監視又は調

査に必要な資料その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必

要な協力を依頼することができる。

Page 64: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 58 -

(政令への委任)

第二十八条 この章に定めるもののほか、会議の組織及び議員その他の職員その他会議に関し必要な事項は、政令で定め

る。

附 則(平成十一年六月二三日法律第七八号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(男女共同参画審議会設置法の廃止)

第二条 男女共同参画審議会設置法(平成九年法律第七号)は、廃止する。

附 則 (平成十一年七月十六日法律第百二号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次

の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(施行の日=平成十三年一月六日)

一 略

二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(委員等の任期に関する経過措置)

第二十八条 この法律の施行の日の前日において次に掲げる従前の審議会その他の機関の会長、委員その他の職員である

者(任期の定めのない者を除く。)の任期は、当該会長、委員その他の職員の任期を定めたそれぞれの法律の規定にかか

わらず、その日に満了する。

一から十まで 略

十一 男女共同参画審議会

(別に定める経過措置)

第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

附 則 (平成十一年十二月二十二日法律第百六十号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、

当該各号に定める日から施行する。

(以下略)

Page 65: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 59 -

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律 (平成十三年法律第三十一号)

我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が

行われている。

ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ず

しも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である

女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。

このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護す

るための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取

組にも沿うものである。

ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防

止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。

第一章 総則

(定義)

第一条 この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する丌法な攻撃であっ

て生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項

において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚

をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を

含むものとする。

2 この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。

3 この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」に

は、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを

含むものとする。

(国及び地方公共団体の責務)

第二条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切

な保護を図る責務を有する。

第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等

(基本方針)

第二条の二 内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣及び厚生労働大臣(以下この条及び次条第五項において「主務大

臣」という。)は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下この条並びに次

条第一項及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の都道府県基本計画及び同条第三項の市町村基本計画の指

針となるべきものを定めるものとする。

一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な事項

二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項

三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項

3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなけれ

ばならない。

4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(都道府県基本計画等)

第二条の三 都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための

施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「都道府県基本計画」という。)を定めなければならない。

2 都道府県基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な方針

二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施内容に関する事項

三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項

3 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本方針に即し、かつ、都道府県基本計画を勘案して、当該市町村における

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「市町村基

本計画」という。)を定めるよう努めなければならない。

4 都道府県又は市町村は、都道府県基本計画又は市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表

Page 66: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 60 -

しなければならない。

5 主務大臣は、都道府県又は市町村に対し、都道府県基本計画又は市町村基本計画の作成のために必要な助言その他の

援助を行うよう努めなければならない。

第二章 配偶者暴力相談支援センター等

(配偶者暴力相談支援センター)

第三条 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支

援センターとしての機能を果たすようにするものとする。

2 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果

たすようにするよう努めるものとする。

3 配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため、次に掲げる業務を行うものとす

る。

一 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介すること。

二 被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと。

三 被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者及びその同伴する家族。次号、第六号、第五条及び

第八条の三において同じ。)の緊急時における安全の確保及び一時保護を行うこと。

四 被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等について、

情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。

五 第四章に定める保護命令の制度の利用について、情報の提供、助言、関係機関への連絡その他の援助を行うこと。

六 被害者を居住させ保護する施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこ

と。

4 前項第三号の一時保護は、婦人相談所が、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うもの

とする。

5 配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の

保護を図るための活動を行う民間の団体との連携に努めるものとする。

(婦人相談員による相談等)

第四条 婦人相談員は、被害者の相談に応じ、必要な指導を行うことができる。

(婦人保護施設における保護)

第五条 都道府県は、婦人保護施設において被害者の保護を行うことができる。

第三章 被害者の保護

(配偶者からの暴力の発見者による通報等)

第六条 配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を

受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。

2 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認め

られる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。この場合にお

いて、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。

3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定によ

り通報することを妨げるものと解釈してはならない。

4 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認め

られる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供す

るよう努めなければならない。

(配偶者暴力相談支援センターによる保護についての説明等)

第七条 配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関する通報又は相談を受けた場合には、必要に応じ、被害者に対し、

第三条第三項の規定により配偶者暴力相談支援センターが行う業務の内容について説明及び助言を行うとともに、必要

な保護を受けることを勧奨するものとする。

(警察官による被害の防止)

第八条 警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、警察法(昭和二十九年法律第百六十

二号)、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところにより、暴力の制止、被害者

の保護その他の配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(警察本部長等の援助)

Page 67: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 61 -

第八条の二 警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包拢する方面を除く方面については、方面本部

長。第十五条第三項において同じ。)又は警察署長は、配偶者からの暴力を受けている者から、配偶者からの暴力による

被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該配偶者からの暴力を

受けている者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該被害を自ら防止するための措置の教示その他配

偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な援助を行うものとする。

(福祉事務所による自立支援)

第八条の三 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所(次条において「福祉事務所」と

いう。)は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、母子及び寡

婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)その他の法令の定めるところにより、被害者の自立を支援するために必要

な措置を講ずるよう努めなければならない。

(被害者の保護のための関係機関の連携協力)

第九条 配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は、

被害者の保護を行うに当たっては、その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるもの

とする。

(苦情の適切かつ迅速な処理)

第九条の二 前条の関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたときは、

適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとする。

第四章 保護命令

(保護命令)

第十条 被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を

告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が、配偶者から

の身体に対する暴力を受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する暴力(配偶者からの身体に対す

る暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引

き続き受ける身体に対する暴力。第十二条第一項第二号において同じ。)により、配偶者からの生命等に対する脅迫を受

けた者である場合にあっては配偶者から受ける身体に対する暴力(配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後に、被

害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対す

る暴力。同号において同じ。)により、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害

者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者(配偶者からの身体に対す

る暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該

配偶者であった者。

以下この条、同項第三号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対し、次の各号に掲げる事項を命ずるもの

とする。ただし、第二号に掲げる事項については、申立ての時において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする

場合に限る。

一 命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。

以下この号において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他そ

の通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。

二 命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住

居の付近をはいかいしてはならないこと。

2 前項本文に規定する場合において、同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立

てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、

同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、被害者に対して次の各号に掲げるい

ずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。

一 面会を要求すること。

二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り徔る状態に置くこと。

三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

四 電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを徔ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて

送信し、若しくは電子メールを送信すること。

五 緊急やむを徔ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、

又は電子メールを送信すること。

六 汚物、動物の死体その他の著しく丌快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り徔る状態に置くこ

と。

七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り徔る状態に置くこと。

八 その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り徔る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画

Page 68: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 62 -

その他の物を送付し、若しくはその知り徔る状態に置くこと。

3 第一項本文に規定する場合において、被害者がその成年に達しない子(以下この項及び次項並びに第十二条第一項第

三号において単に「子」という。)と同居しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行

っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされ

ることを防止するため必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、

被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が

生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該子の住居(当該

配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)、就学する学校その他の場所において当該

子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならな

いことを命ずるものとする。ただし、当該子が十五歳以上であるときは、その同意がある場合に限る。

4 第一項本文に規定する場合において、配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者

(被害者と同居している子及び配偶者と同居している者を除く。以下この項及び次項並びに第十二条第一項第四号にお

いて「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他の事情があることから

被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、

第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害

が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生

じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該親族等の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除

く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい、又は当該親族等の住居、勤務先

その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。

5 前項の申立ては、当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親族等が十

五歳未満の者又は成年被後見人である場合にあっては、その法定代理人の同意)がある場合に限り、することができる。

(管轄裁判所)

第十一条 前条第一項の規定による命令の申立てに係る事件は、相手方の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知

れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

2 前条第一項の規定による命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。

一 申立人の住所又は居所の所在地

二 当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫が行われた地

(保護命令の申立て)

第十二条 第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記

載した書面でしなければならない。

一 配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況

二 配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける身体

に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情

三 第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶者と面

会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時におけ

る事情

四 第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会するこ

とを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情

五 配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助若しくは

保護を求めた事実の有無及びその事実があるときは、次に掲げる事項

イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称

ロ 相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所

ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容

ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容

2 前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立書には、

同項第一号から第四号までに掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法(明治四十一年法律第五十

三号)第五十八条ノ二第一項の認証を受けたものを添付しなければならない。

(保護命令の申立て)

第十二条 第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記

載した書面でしなければならない。

一 配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況

二 配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける身体

に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情

三 第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶者と面

会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時におけ

Page 69: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 63 -

る事情

四 第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会するこ

とを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情

五 配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助若しくは

保護を求めた事実の有無及びその事実があるときは、次に掲げる事項

イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称

ロ 相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所

ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容

ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容

2 前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立書には、

同項第一号から第四号までに掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法(明治四十一年法律第五十

三号)第五十八条ノ二第一項の認証を受けたものを添付しなければならない。

(迅速な裁判)

第十三条 裁判所は、保護命令の申立てに係る事件については、速やかに裁判をするものとする。

(保護命令事件の審理の方法)

第十四条 保護命令は、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができ

ない。ただし、その期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限

りでない。

2 申立書に第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には、裁判所は、当該配偶者暴力相談支

援センター又は当該所属官署の長に対し、申立人が相談し又は援助若しくは保護を求めた際の状況及びこれに対して執

られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。この場合において、当該配偶者暴力相談支援センター又

は当該所属官署の長は、これに速やかに応ずるものとする。

3 裁判所は、必要があると認める場合には、前項の配偶者暴力相談支援センター若しくは所属官署の長又は申立人から

相談を受け、若しくは援助若しくは保護を求められた職員に対し、同項の規定により書面の提出を求めた事項に関して

更に説明を求めることができる。

(保護命令の申立てについての決定等)

第十五条 保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をす

る場合には、理由の要旨を示せば足りる。

2 保護命令は、相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡しによっ

て、その効力を生ずる。

3 保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する警視総

監又は道府県警察本部長に通知するものとする。

4 保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助若しくは保護

を求めた事実があり、かつ、申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載があると

きは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨及びその内容を、当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相

談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては、申立人が

その職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知する

ものとする。

5 保護命令は、執行力を有しない。

(即時抗告)

第十六条 保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

2 前項の即時抗告は、保護命令の効力に影響を及ぼさない。

3 即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があった

ときに限り、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令の効力の停止

を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処分を命ずることができる。

4 前項の規定により第十条第一項第一号の規定による命令の効力の停止を命ずる場合において、同条第二項から第四項

までの規定による命令が発せられているときは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければならない。

5 前二項の規定による裁判に対しては、丌服を申し立てることができない。

6 抗告裁判所が第十条第一項第一号の規定による命令を取り消す場合において、同条第二項から第四項までの規定によ

る命令が発せられているときは、抗告裁判所は、当該命令をも取り消さなければならない。

7 前条第四項の規定による通知がされている保護命令について、第三項若しくは第四項の規定によりその効力の停止を

命じたとき又は抗告裁判所がこれを取り消したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨及びその内容を当該通知を

した配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。

8 前条第三項の規定は、第三項及び第四項の場合並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用する。

Page 70: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 64 -

(保護命令の取消し)

第十七条 保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令を取り

消さなければならない。第十条第一項第一号又は第二項から第四項までの規定による命令にあっては同号の規定による

命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した後において、同条第一項第二号の規定による命令にあっては当該命

令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した後において、これらの命令を受けた者が申し立て、当該裁判所がこ

れらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。

2 前条第六項の規定は、第十条第一項第一号の規定による命令を発した裁判所が前項の規定により当該命令を取り消す

場合について準用する。

3 第十五条第三項及び前条第七項の規定は、前二項の場合について準用する。

(第十条第一項第二号の規定による命令の再度の申立て)

第十八条 第十条第一項第二号の規定による命令が発せられた後に当該発せられた命令の申立ての理由となった身体に対

する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする同号の規定による命令の再度の申立てがあったときは、裁

判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由

により当該発せられた命令の効力が生ずる日から起算して二月を経過する日までに当該住居からの転居を完了すること

ができないことその他の同号の規定による命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り、当該命令

を発するものとする。ただし、当該命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるとき

は、当該命令を発しないことができる。

2 前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については、同条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる

事項」とあるのは「第一号、第二号及び第五号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同項第五号中「前

各号に掲げる事項」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同条第二項中

「同項第一号から第四号までに掲げる事項」とあるのは「同項第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本

文の事情」とする。

(事件の記録の閲覧等)

第十九条 保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、

謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、相手方にあっては、

保護命令の申立てに関し口頭弁論若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は相手方に対する保護命令の

送達があるまでの間は、この限りでない。

(法務事務官による宣誓認証)

第二十条 法務局若しくは地方法務局又はその支局の管轄区域内に公証人がいない場合又は公証人がその職務を行うこと

ができない場合には、法務大臣は、当該法務局若しくは地方法務局又はその支局に勤務する法務事務官に第十二条第二

項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の認証を行わせることができる。

(民事訴訟法の準用)

第二十一条 この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限り、民

事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定を準用する。

(最高裁判所規則)

第二十二条 この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

第五章 雑則

(職務関係者による配慮等)

第二十三条 配偶者からの暴力に係る被害者の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」

という。)は、その職務を行うに当たり、被害者の心身の状況、その置かれている環境等を踏まえ、被害者の国籍、障害

の有無等を問わずその人権を尊重するとともに、その安全の確保及び秘密の保持に十分な配慮をしなければならない。

2 国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、被害者の人権、配偶者からの暴力の特性等に関する理解を深めるために

必要な研修及び啓発を行うものとする。

(教育及び啓発)

第二十四条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努める

ものとする。

(調査研究の推進等)

第二十五条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に資するため、加害者の更生のための指

Page 71: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 65 -

導の方法、被害者の心身の健康を回復させるための方法等に関する調査研究の推進並びに被害者の保護に係る人材の養

成及び資質の向上に努めるものとする。

(民間の団体に対する援助)

第二十六条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対

し、必要な援助を行うよう努めるものとする。

(都道府県及び市の支弁)

第二十七条 都道府県は、次の各号に掲げる貹用を支弁しなければならない。

一 第三条第三項の規定に基づき同項に掲げる業務を行う婦人相談所の運営に要する貹用(次号に掲げる貹用を除く。)

二 第三条第三項第三号の規定に基づき婦人相談所が行う一時保護(同条第四項に規定する厚生労働大臣が定める基準

を満たす者に委託して行う場合を含む。)に要する貹用

三 第四条の規定に基づき都道府県知事の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する貹用

四 第五条の規定に基づき都道府県が行う保護(市町村、社会福祉法人その他適当と認める者に委託して行う場合を含

む。)及びこれに伴い必要な事務に要する貹用

2 市は、第四条の規定に基づきその長の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する貹用を支弁しなければならない。

(国の負担及び補助)

第二十八条 国は、政令の定めるところにより、都道府県が前条第一項の規定により支弁した貹用のうち、同項第一号及

び第二号に掲げるものについては、その十分の五を負担するものとする。

2 国は、予算の範囲内において、次の各号に掲げる貹用の十分の五以内を補助することができる。

一 都道府県が前条第一項の規定により支弁した貹用のうち、同項第三号及び第四号に掲げるもの

二 市が前条第二項の規定により支弁した貹用

第六章 罰則

第二十九条 保護命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第三十条 第十二条第一項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により記載すべき事項

について虚偽の記載のある申立書により保護命令の申立てをした者は、十万円以下の過料に処する。

附則〔抄〕

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、第二章、第六条(配偶者暴力相談

支援センターに係る部分に限る。)、第七条、第九条(配偶者暴力相談支援センターに係る部分に限る。)、第二十七条及

び第二十八条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。

(経過措置)

第二条 平成十四年三月三十一日までに婦人相談所に対し被害者が配偶者からの身体に対する暴力に関して相談し、又は

援助若しくは保護を求めた場合における当該被害者からの保護命令の申立てに係る事件に関する第十二条第一項第四号

並びに第十四条第二項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「配偶者暴力相談支援センター」とあるの

は、「婦人相談所」とする。

(検討)

第三条 この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加え

られ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

附則〔平成十六年法律第六十四号〕

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

(経過措置)

第二条 この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(次項

において「旧法」という。)第十条の規定による命令の申立てに係る同条の規定による命令に関する事件については、な

お従前の例による。

2 旧法第十条第二号の規定による命令が発せられた後に当該命令の申立ての理由となった身体に対する丌法な攻撃であ

Page 72: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 66 -

って生命又は身体に危害を及ぼすものと同一の事実を理由とするこの法律による改正後の配偶者からの暴力の防止及び

被害者の保護に関する法律(以下「新法」という。)第十条第一項第二号の規定による命令の申立て(この法律の施行後

最初にされるものに限る。)があった場合における新法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「二月」とある

のは、「二週間」とする。

(検討)

第三条 新法の規定については、この法律の施行後三年を目途として、新法の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、そ

の結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

附則〔平成十九年法律第百十三号〕〔抄〕

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

(経過措置)

第二条 この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第十条

の規定による命令の申立てに係る同条の規定による命令に関する事件については、なお従前の例による。

Page 73: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 67 -

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 (昭和四十七年七月一日法律第百十三号) 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法 の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等

な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(基本的理念) 第二条 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては母性を

尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。 2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図

られるように努めなければならない。 (啓発活動) 第三条 国及び地方公共団体は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について国民の関心

と理解を深めるとともに、特に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うものとする。

(男女雇用機会均等対策基本方針) 第四条 厚生労働大臣は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する施策の基本となる

べき方針(以下「男女雇用機会均等対策基本方針」という。)を定めるものとする。 2 男女雇用機会均等対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする。

一 男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向に関する事項 二 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について講じようとする施策の基本となるべ

き事項 3 男女雇用機会均等対策基本方針は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの労働条件、意識及び就業の実

態等を考慮して定められなければならない。 4 厚生労働大臣は、男女雇用機会均等対策基本方針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の

意見を聴くほか、都道府県知事の意見を求めるものとする。 5 厚生労働大臣は、男女雇用機会均等対策基本方針を定めたときは、遅滞なく、その概要を公表するものと

する。 6 前二項の規定は、男女雇用機会均等対策基本方針の変更について準用する。 第二章 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等 第一節 性別を理由とする差別の禁止等 (性別を理由とする差別の禁止) 第五条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を不えなければなら

ない。 第六条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。

一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付不を含む。)、昇進、降栺及び教育訓練 二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの 三 労働者の職種及び雇用形態の変更 四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新

(性別以外の事由を要件とする措置) 第七条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由

を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。

Page 74: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 68 -

(女性労働者に係る措置に関する特例) 第八条 前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつてい

る事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。 (婚姻、妊娠、出産等を理由とする丌利益取扱いの禁止等) 第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしては

ならない。 2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。 3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法 (昭和二十二年法律第

四十九号)第六十五条第一項 の規定による休業を請求し、又は同項 若しくは同条第二項 の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他丌利益な取扱いをしてはならない。

4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

(指針) 第十条 厚生労働大臣は、第五条から第七条まで及び前条第一項から第三項までの規定に定める事項に関し、

事業主が適切に対処するために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。 2 第四条第四項及び第五項の規定は指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項

中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。 第二節 事業主の講ずべき措置 (職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置) 第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働

者がその労働条件につき丌利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。

3 第四条第四項及び第五項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。

(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置) 第十二条 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法 (昭和四

十年法律第百四十一号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

第十三条 事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。

3 第四条第四項及び第五項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。

第三節 事業主に対する国の援助 第十四条 国は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇が確保されることを促進するため、事業主が

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的とする次に掲げる措置を講じ、又は講じようとする場合には、当該事業主に対し、相談その他の援助を行うことができる。 一 その雇用する労働者の配置その他雇用に関する状況の分析 二 前号の分析に基づき雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を

改善するに当たつて必要となる措置に関する計画の作成 三 前号の計画で定める措置の実施 四 前三号の措置を実施するために必要な体制の整備 五 前各号の措置の実施状況の開示

Page 75: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 69 -

第三章 紛争の解決 第一節 紛争の解決の援助 (苦情の自主的解決) 第十五条 事業主は、第六条、第七条、第九条、第十二条及び第十三条第一項に定める事項(労働者の募集

及び採用に係るものを除く。)に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とする当該事業場の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。

(紛争の解決の促進に関する特例) 第十六条 第五条から第七条まで、第九条、第十一条第一項、第十二条及び第十三条第一項に定める事項につ

いての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 (平成十三年法律第百十二号)第四条 、第五条及び第十二条から第十九条までの規定は適用せず、次条から第二十七条までに定めるところによる。

(紛争の解決の援助) 第十七条 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決

につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

2 事業主は、労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他丌利益な取扱いをしてはならない。

第二節 調停 (調停の委任) 第十八条 都道府県労働局長は、第十六条に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を除く。)

について、当該紛争の当事者(以下「関係当事者」という。)の双方又は一方から調停の申請があつた場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項 の紛争調整委員会(以下「委員会」という。)に調停を行わせるものとする。

2 前条第二項の規定は、労働者が前項の申請をした場合について準用する。 (調停) 第十九条 前条第一項の規定に基づく調停(以下この節において「調停」という。)は、三人の調停委員が行

う。 2 調停委員は、委員会の委員のうちから、会長があらかじめ指名する。 第二十条 委員会は、調停のため必要があると認めるときは、関係当事者の出頭を求め、その意見を聴くこと

ができる。 2 委員会は、第十一条第一項に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争に係る調停のために必要

があると認め、かつ、関係当事者の双方の同意があるときは、関係当事者のほか、当該事件に係る職場において性的な言動を行つたとされる者の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

第二十一条 委員会は、関係当事者からの申立てに基づき必要があると認めるときは、当該委員会が置かれる

都道府県労働局の管轄区域内の主要な労働者団体又は事業主団体が指名する関係労働者を代表する者又は関係事業主を代表する者から当該事件につき意見を聴くものとする。

第二十二条 委員会は、調停案を作成し、関係当事者に対しその受諾を勧告することができる。 第二十三条 委員会は、調停に係る紛争について調停による解決の見込みがないと認めるときは、調停を打ち

切ることができる。 2 委員会は、前項の規定により調停を打ち切つたときは、その旨を関係当事者に通知しなければならない。 (時効の中断) 第二十四条 前条第一項の規定により調停が打ち切られた場合において、当該調停の申請をした者が同条第二

項の通知を受けた日から三十日以内に調停の目的となつた請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、調停の申請の時に、訴えの提起があつたものとみなす。

(訴訟手続の中止)

Page 76: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 70 -

第二十五条 第十八条第一項に規定する紛争のうち民事上の紛争であるものについて関係当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、関係当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。 一 当該紛争について、関係当事者間において調停が実施されていること。 二 前号に規定する場合のほか、関係当事者間に調停によつて当該紛争の解決を図る旨の合意があること。

2 受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。 3 第一項の申立てを却下する決定及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、丌服を申

し立てることができない。 (資料提供の要求等) 第二十六条 委員会は、当該委員会に係属している事件の解決のために必要があると認めるときは、関係行政

庁に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。 (厚生労働省令への委任) 第二十七条 この節に定めるもののほか、調停の手続に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。 第四章 雑則 (調査等) 第二十八条 厚生労働大臣は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活に関し必要な調査研究を実施

するものとする。 2 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関の長に対し、資料の提供その他必要な協力を求め

ることができる。 3 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、都道府県知事から必要な調査報告を求めることができる。 (報告の徴収並びに助言、指導及び勧告) 第二十九条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求

め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。 2 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長

に委任することができる。 (公表) 第三十条 厚生労働大臣は、第五条から第七条まで、第九条第一項から第三項まで、第十一条第一項、第十二

条及び第十三条第一項の規定に違反している事業主に対し、前条第一項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

(船員に関する特例) 第三十一条 船員職業安定法 (昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項 に規定する船員及び同項 に規

定する船員になろうとする者に関しては、第四条第一項並びに同条第四項及び第五項(同条第六項、第十条第二項、第十一条第三項及び第十三条第三項において準用する場合を含む。)、第十条第一項、第十一条第二項、第十三条第二項並びに前三条中「厚生労働大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、第四条第四項(同条第六項、第十条第二項、第十一条第三項及び第十三条第三項において準用する場合を含む。)中「労働政策審議会」とあるのは「交通政策審議会」と、第六条第二号、第七条、第九条第三項、第十二条及び第二十九条第二項中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と、第九条第三項中「労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項 の規定による休業を請求し、又は同項 若しくは同条第二項 の規定による休業をしたこと」とあるのは「船員法 (昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項 又は第二項 の規定によつて作業に従事しなかつたこと」と、第十七条第一項、第十八条第一項及び第二十九条第二項中「都道府県労働局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と、第十八条第一項中「第六条第一項の紛争調整委員会(以下「委員会」という。)」とあるのは「第二十一条第三項のあつせん員候補者名簿に記載されている者のうちから指名する調停員」とする。

2 前項の規定により読み替えられた第十八条第一項の規定により指名を受けて調停員が行う調停については、第十九条から第二十七条までの規定は、適用しない。

3 前項の調停の事務は、三人の調停員で構成する合議体で取り扱う。 4 調停員は、破産手続開始の決定を受け、又は禁錮以上の刑に処せられたときは、その地位を失う。 5 第二十条から第二十七条までの規定は、第二項の調停について準用する。この場合において、第二十条か

ら第二十三条まで及び第二十六条中「委員会は」とあるのは「調停員は」と、第二十一条中「当該委員会が置かれる都道府県労働局」とあるのは「当該調停員を指名した地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)が置かれる地方運輸局(運輸監理部を含む。)」と、第二十六条中「当該委員会に係属している」とあるのは「当

Page 77: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 71 -

該調停員が取り扱つている」と、第二十七条中「この節」とあるのは「第三十一条第三項から第五項まで」と、「調停」とあるのは「合議体及び調停」と、「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。

(適用除外) 第三十二条 第二章第一節及び第三節、前章、第二十九条並びに第三十条の規定は、国家公務員及び地方公務

員に、第二章第二節の規定は、一般職の国家公務員(特定独立行政法人等の労働関係に関する法律 (昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第四号 の職員を除く。)、裁判所職員臨時措置法 (昭和二十六年法律第二百九十九号)の適用を受ける裁判所職員、国会職員法 (昭和二十二年法律第八十五号)の適用を受ける国会職員及び自衛隊法 (昭和二十九年法律第百六十五号)第二条第五項 に規定する隊員に関しては適用しない。

第五章 罰則 第三十三条 第二十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に

処する。

Page 78: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 72 -

女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約

この条約の締約国は, 国際連合憲章が基本的人権,人間の尊厳及び価値並びに男女の権利の平等に関する信念を改めて確認していることに留意し, 世界人権宣言が,差別は容認することができないものであるとの原則を確認していること,並びにすべての人間は生まれながらにして自由であり,かつ,尊厳及び権利について平等であること並びにすべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに同宣言に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明していることに留意し, 人権に関する国際規約の締約国がすべての経済的,社会的,文化的,市民的及び政治的権利の享有について男女に平等の権利を確保する義務を負っていることに留意し, 国際連合及び専門機関の主催の下に各国が締結した男女の権利の平等を促進するための国際条約を考慮し, 更に,国際連合及び専門機関が採択した男女の権利の平等を促進するための決議,宣言及び勧告に留意し, しかしながら,これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在していることを憂慮し, 女子に対する差別は,権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり,女子が男子と平等の条件で自国の政治的,社会的,経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるものであり,社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり,また,女子の潜在能力を自国及び人類に役立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し, 窮乏の状況においては,女子が食糧,健康,教育,雇用のための訓練及び機会並びに他の必要とするものを享受する機会が最も尐ないことを憂慮し, 衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確信し, アパルトヘイト,あらゆる形態の人種主義,人種差別,植民地主義,新植民地主義,侵略,外国による占領及び支配並びに内政干渉の根絶が男女の権利の完全な享有に丌可欠であることを強調し, 国際の平和及び安全を強化し,国際緊張を緩和し,すべての国(社会体制及び経済体制のいかんを問わない。)の間で相互に協力し,全面的かつ完全な軍備縮小を達成し,特に厳重かつ効果的な国際管理の下での核軍備の縮小を達成し,諸国間の関係における正義,平等及び互恵の原則を確認し,外国の支配の下,植民地支配の下又は外国の占領の下にある人民の自決の権利及び人民の独立の権利を実現し並びに国の主権及び領土保全を尊重することが,社会の進歩及び発展を促進し,ひいては,男女の完全な平等の達成に貢献することを確認し, 国の完全な発展,世界の福祉及び理想とする平和は,あらゆる分野において女子が男子と平等の条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し, 家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかった女子の大きな貢献,母性の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し,また,出産における女子の役割が差別の根拠となるべきではなく,子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要であることを認識し, 社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等の達成に必要であることを認識し, 女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意して, 次のとおり協定した。 第1部 第1条 この条約の適用上,「女子に対する差別」とは,性に基づく区別,排除又は制限であつて,政治的,経済的,社会的,文化的,市民的その他のいかなる分野においても,女子(婚姻をしているかいないかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し,享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。 第2条 締約国は,女子に対するあらゆる形態の差別を非難し,女子に対する差別を撤廃する政策をすべての適当な手段により,かつ,遅滞なく追求することに合意し,及びこのため次のことを約束する。 (a) 男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれを定め,かつ,男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保すること。 (b) 女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含む。)をとること。

Page 79: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 73 -

(c) 女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し,かつ,権限のある自国の裁判所その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを確保すること。 (d) 女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え,かつ,公の当局及び機関がこの義務に従って行動することを確保すること。 (e) 個人,団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。 (f) 女子に対する差別となる既存の法律,規則,慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。 (g) 女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること。 第3条 締約国は,あらゆる分野,特に,政治的,社会的,経済的及び文化的分野において,女子に対して男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的として,女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。 第4条 1 締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは,この条約に定義する差別と解してはならない。ただし,その結果としていかなる意味においても丌平等な又は別個の基準を維持し続けることとなってはならず,これらの措置は,機会及び待遇の平等の目的が達成された時に廃止されなければならない。 2 締約国が母性を保護することを目的とする特別措置(この条約に規定する措置を含む。)をとることは,差別と解してはならない。 第5条 締約国は,次の目的のためのすべての適当な措置をとる。 (a) 両性いずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため,男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。 (b) 家庭についての教育に,社会的機能としての母性についての適正な理解並びに子の養育及び発育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保すること。あらゆる場合において,子の利益は最初に考慮するものとする。 第6条 締約国は,あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。 第2部 第7条 締約国は,自国の政治的及び公的活動における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし,特に,女子に対して男子と平等の条件で次の権利を確保する。 (a) あらゆる選挙及び国民投票において投票する権利並びにすべての公選による機関に選挙される資栺を有する権利 (b) 政府の政策の策定及び実施に参加する権利並びに政府のすべての段階において公職に就き及びすべての公務を遂行する権利 (c) 自国の公的又は政治的活動に関係のある非政府機関及び非政府団体に参加する権利 第8条 締約国は,国際的に自国政府を代表し及び国際機関の活動に参加する機会を,女子に対して男子と平等の条件でかついかなる差別もなく確保するためのすべての適当な措置をとる。 第9条 1 締約国は,国籍の取徔,変更及び保持に関し,女子に対して男子と平等の権利を不える。締約国は,特に,外国人との婚姻又は婚姻中の夫の国籍の変更が,自動的に妻の国籍を変更し,妻を無国籍にし又は夫の国籍を妻に強制することとならないことを確保する。 2 締約国は,子の国籍に関し,女子に対して男子と平等の権利を不える。 第3部 第10条

Page 80: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 74 -

締約国は,教育の分野において,女子に対して男子と平等の権利を確保することを目的として,特に,男女の平等を基礎として次のことを確保することを目的として,女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。 (a) 農村及び都市のあらゆる種類の教育施設における職業指導,修学の機会及び資栺証書の取徔のための同一の条件。このような平等は,就学前教育,普通教育,技術教育,専門教育及び高等技術教育並びにあらゆる種類の職業訓練において確保されなければならない。 (b) 同一の教育誯程,同一の試験,同一の水準の資栺を有する教育職員並びに同一の質の学校施設及び設備を享受する機会 (c) すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃を,この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより,また,特に,教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行うこと。 (d) 奨学金その他の修学援助を享受する同一の機会 (e) 継続教育計画(成人向けの及び実用的な識字計画を含む。)特に,男女間に存在する教育上の栺差をできる限り早期に減尐させることを目的とした継続教育計画を利用する同一の機会 (f) 女子の中途退学率を減尐させること及び早期に退学した女子のための計画を策定すること。 (g) スポーツ及び体育に積極的に参加する同一の機会 (h) 家族の健康及び福祉の確保に役立つ特定の教育的情報(家族計画に関する情報及び助言を含む。)を享受する機会 第11条 1 締約国は,男女の平等を基礎として同一の権利,特に次の権利を確保することを目的として,雇用の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。 (a) すべての人間の奪い徔ない権利としての労働の権利 (b) 同一の雇用機会(雇用に関する同一の選考基準の適用を含む。)についての権利 (c) 職業を自由に選択する権利,昇進,雇用の保障並びに労働に係るすべての給付及び条件についての権利並びに職業訓練及び再訓練(見習,上級職業訓練及び継続的訓練を含む。)を受ける権利 (d) 同一価値の労働についての同一報酬(手当を含む。)及び同一待遇についての権利並びに労働の質の評価に関する取扱いの平等についての権利 (e) 社会保障(特に,退職,失業,傷病,障害,老齢その他の労働丌能の場合における社会保障)についての権利及び有給休暇についての権利 (f) 作業条件に係る健康の保護及び安全(生殖機能の保護を含む。)についての権利 2 締約国は,婚姻又は母性を理由とする女子に対する差別を防止し,かつ,女子に対して実効的な労働の権利を確保するため,次のことを目的とする適当な措置をとる。 (a) 妊娠又は母性休暇を理由とする解雇及び婚姻をしているかいないかに基づく差別的解雇を制裁を誯して禁止すること。 (b) 給料又はこれに準ずる社会的給付を伴い,かつ,従前の雇用関係,先任及び社会保障上の利益の喪失を伴わない母性休暇を導入すること。 (c) 親が家庭責任と職業上の責務及び社会的活動への参加とを両立させることを可能とするために必要な補助的な社会的サービスの提供を,特に保育施設網の設置及び充実を促進することにより奨励すること。 (d) 妊娠中の女子に有害であることが証明されている種類の作業においては,当該女子に対して特別の保護を不えること。 3 この条に規定する事項に関する保護法令は,科学上及び技術上の知識に基づき定期的に検討するものとし,必要に応じて,修正し,廃止し,又はその適用を拡大する。 第12条 1 締約国は,男女の平等を基礎として保健サービス(家族計画に関連するものを含む。)を享受する機会を確保することを目的として,保健の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。 2 1の規定にかかわらず,締約国は,女子に対し,妊娠,分べん及び産後の期間中の適当なサービス(必要な場合には無料にする。)並びに妊娠及び授乳の期間中の適当な栄養を確保する。 第13条 締約国は,男女の平等を基礎として同一の権利,特に次の権利を確保することを目的として,他の経済的及び社会的活動の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。 (a) 家族給付についての権利 (b) 銀行貸付け,抵当その他の形態の金融上の信用についての権利 (c) レクリエーション,スポーツ及びあらゆる側面における文化的活動に参加する権利

Page 81: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 75 -

第14条 1 締約国は,農村の女子が直面する特別の問題及び家族の経済的生存のために果たしている重要な役割(貤幣化されていない経済の部門における労働を含む。)を考慮に入れるものとし,農村の女子に対するこの条約の適用を確保するためのすべての適当な措置をとる。 2 締約国は,男女の平等を基礎として農村の女子が農村の開発に参加すること及びその開発から生ずる利益を受けることを確保することを目的として,農村の女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし,特に,これらの女子に対して次の権利を確保する。 (a) すべての段階における開発計画の作成及び実施に参加する権利 (b) 適当な保健サービス(家族計画に関する情報,カウンセリング及びサービスを含む。)を享受する権利 (c) 社会保障制度から直接に利益を享受する権利 (d) 技術的な能力を高めるために,あらゆる種類(正規であるかないかを問わない。)の訓練及び教育(実用的な識字に関するものを含む。)並びに,特に,すべての地域サービス及び普及サービスからの利益を享受する権利 (e) 経済分野における平等な機会を雇用又は自営を通じて徔るために,自助的集団及び協同組合を組織する権利 (f) あらゆる地域活動に参加する権利 (g) 農業信用及び貸付け,流通機構並びに適当な技術を利用する権利並びに土地及び農地の改革並びに入植計画において平等な待遇を享受する権利 (h) 適当な生活条件(特に,住居,衛生,電力及び水の供給,運輸並びに通信に関する条件)を享受する権利 第4部 第15条 1 締約国は,女子に対し,法律の前の男子との平等を認める。 2 締約国は,女子に対し,民事に関して男子と同一の法的能力を不えるものとし,また,この能力を行使する同一の機会を不える。特に,締約国は,契約を締結し及び財産を管理することにつき女子に対して男子と平等の権利を不えるものとし,裁判所における手続のすべての段階において女子を男子と平等に取り扱う。 3 締約国は,女子の法的能力を制限するような法的効果を有するすべての契約及び他のすべての私的文書(種類のいかんを問わない。)を無効とすることに同意する。 4 締約国は,個人の移動並びに居所及び住所の選択の自由に関する法律において男女に同一の権利を不える。 第16条 1 締約国は,婚姻及び家族関係に係るすべての事項について女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし,特に,男女の平等を基礎として次のことを確保する。 (a) 婚姻をする同一の権利 (b) 自由に配偶者を選択し及び自由かつ完全な合意のみにより婚姻をする同一の権利 (c) 婚姻中及び婚姻の解消の際の同一の権利及び責任 (d) 子に関する事項についての親(婚姻をしているかいないかを問わない。)としての同一の権利及び責任。あらゆる場合において,子の利益は至上である。 (e) 子の数及び出産の間隐を自由にかつ責任をもって決定する同一の権利並びにこれらの権利の行使を可能にする情報,教育及び手段を享受する同一の権利 (f) 子の後見及び養子縁組又は国内法令にこれらに類する制度が存在する場合にはその制度に係る同一の権利及び責任。あらゆる場合において,子の利益は至上である。 (g) 夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む。) (h) 無償であるか有償であるかを問わず,財産を所有し,取徔し,運用し,管理し,利用し及び処分することに関する配偶者双方の同一の権利 2 児童の婚約及び婚姻は,法的効果を有しないものとし,また,婚姻最低年齢を定め及び公の登録所への婚姻の登録を義務付けるためのすべての必要な措置(立法を含む。)がとられなければならない。 第5部 第17条 1 この条約の実施に関する進捗状況を検討するために,女子に対する差別の撤廃に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は,この条約の効力発生の時は18人の,35番目の締約国による批准又は加入の後は23人の徳望が高く,かつ,この条約が対象とする分野において十分な能力を有する専門家で構成する。委員は,締約国の国民の中から締約国により選出するものとし,個人の資栺で職務を遂行する。その選出に当たっては,委員の配分が地理的に衡平に行われること並びに異なる文明形態及び主要な法体系が代

Page 82: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 76 -

表されることを考慮に入れる。 2 委員会の委員は,締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締約国は,自国民の中から1人を指名することができる。 3 委員会の委員の最初の選挙は,この条約の効力発生の日の後6箇月を経過した時に行う。国際連合事務総長は,委員会の委員の選挙の日の遅くとも3箇月前までに,締約国に対し,自国が指名する者の氏名を2箇月以内に提出するよう書簡で要請する。同事務総長は,指名された者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し,締約国に送付する。 4 委員会の委員の選挙は,国際連合事務総長により国際連合本部に招集される締約国の会合において行う。この会合は,締約国の3分の2をもって定足数とする。この会合においては,出席し,かつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で,かつ,過半数の票を徔た指名された者をもって委員会に選出された委員とする。 5 委員会の委員は,4年の任期で選出される。ただし,最初の選挙において選出された委員のうち9人の委員の任期は,2年で終了するものとし,これらの9人の委員は,最初の選挙の後直ちに,委員会の委員長によりくじ引で選ばれる。 6 委員会の5人の追加的な委員の選挙は,35番目の批准又は加入の後,2から4までの規定に従って行う。この時に選出された追加的な委員のうち2人の委員の任期は,2年で終了するものとし,これらの2人の委員は,委員会の委員長によりくじ引で選ばれる。 7 締約国は,自国の専門家が委員会の委員としての職務を遂行することができなくなった場合には,その空席を補充するため,委員会の承認を条件として自国民の中から他の専門家を任命する。 8 委員会の委員は,国際連合総会が委員会の任務の重要性を考慮して決定する条件に従い,同総会の承認を徔て,国際連合の財源から報酬を受ける。 9 国際連合事務総長は,委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供する。 第18条 1 締約国は,次の場合に,この条約の実施のためにとった立法上,司法上,行政上その他の措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する報告を,委員会による検討のため,国際連合事務総長に提出することを約束する。 (a) 当該締約国についてこの条約が効力を生ずる時から1年以内 (b) その後は尐なくとも4年ごと,更には委員会が要請するとき。 2 報告には,この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害を記載することができる。 第19条 1 委員会は,手続規則を採択する。 2 委員会は,役員を2年の任期で選出する。 第20条 1 委員会は,第18条の規定により提出される報告を検討するために原則として毎年2週間を超えない期間会合する。 2 委員会の会合は,原則として,国際連合本部又は委員会が決定する他の適当な場所において開催する。 第21条 1 委員会は,その活動につき経済社会理事会を通じて毎年国際連合総会に報告するものとし,また,締約国から徔た報告及び情報の検討に基づく提案及び一般的な性栺を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性栺を有する勧告は,締約国から意見がある場合にはその意見とともに,委員会の報告に記載する。 2 国際連合事務総長は,委員会の報告を,情報用として,婦人の地位委員会に送付する。 第22条 専門機関は,その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し,代表を出す権利を有する。委員会は,専門機関に対し,その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。 第6部 第23条 この条約のいかなる規定も,次のものに含まれる規定であって男女の平等の達成に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。

Page 83: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 77 -

(a) 締約国の法令 (b) 締約国について効力を有する他の国際条約又は国際協定 第24条 締約国は,自国においてこの条約の認める権利の完全な実現を達成するためのすべての必要な措置をとることを約束する。 第25条 1 この条約は,すべての国による署名のために開放しておく。 2 国際連合事務総長は,この条約の寄託者として指定される。 3 この条約は,批准されなければならない。批准書は,国際連合事務総長に寄託する。 4 この条約は,すべての国による加入のために開放しておく。加入は,加入書を国際連合事務総長に寄託することによって行う。 第26条 1 いずれの締約国も,国際連合事務総長にあてた書面による通告により,いつでもこの条約の改正を要請することができる。 2 国際連合総会は,1の要請に関してとるべき措置があるときは,その措置を決定する。 第27条 1 この条約は,20番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。 2 この条約は,20番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については,その批准書又は加入書が寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。 第28条 1 国際連合事務総長は,批准又は加入の際に行われた留保の書面を受領し,かつ,すべての国に送付する。 2 この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は,認められない。 3 留保は,国際連合事務総長にあてた通告によりいつでも撤回することができるものとし,同事務総長は,その撤回をすべての国に通報する。このようにして通報された通告は,受領された日に効力を生ずる。 第29条 1 この条約の解釈又は適用に関する締約国間の紛争で交渉によって解決されないものは,いずれかの紛争当事国の要請により,仲裁に付される。仲裁の要請の日から6箇月以内に仲裁の組織について紛争当事国が合意に達しない場合には,いずれの紛争当事国も,国際司法裁判所規程に従って国際司法裁判所に紛争を付託することができる。 2 各締約国は,この条約の署名若しくは批准又はこの条約への加入の際に,1の規定に拘束されない旨を宣言することができる。他の締約国は,そのような留保を付した締約国との関係において1の規定に拘束されない。 3 2の規定に基づいて留保を付した締約国は,国際連合事務総長にあてた通告により,いつでもその留保を撤回することができる。 第30条 この条約は,アラビア語,中国語,英語,フランス語,ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とし,国際連合事務総長に寄託する。 以上の証拠として,下名は,正当に委任を受けてこの条約に署名した。

Page 84: - ¡Ã÷Ë )3Î %á´0 Ò·ÎËs· ®w³c Û Ñ N± ¯t /' 52 0 ¢ 1977 0 £´¡ ñ Î ¸ÝÛ Ç f M ¿´ Ü ¿

- 78 -

弘前市男女共同参画プラン ~ 一人ひとりの笑顔があふれる弘前の実現~

平成 24 年 3 月

編集・発行

弘前市 市民環境部市民生活誯

市民との協働推進室

〒036-8355 弘前市大字元寺町 1 番地 13

TEL 0172-31-2500 / FAX 0172-36-1822