東京おお

このピーマンは

美味しそうだな

…と

……あー

どうしたの？

あなた

ああ

うん…

福島県産だった

から

大丈夫でしょ

まぁわかって

るんだけど

とりあえずね…

………

買わないの？

！

池田ミツキ高校2年生

小川ユウナ高校2年生

福島えぇ!?

なにそれ

信じられない

だよね

もっと福島の

現状が伝わって

いればこ

んな思い

しなくて

いいのに…

震災から

7年も

経つのにね

…………

あの日から

みんなそれぞれに

色々な思いを持って

一歩一歩

前に進んで

やっと

笑えるように

なってきたのに…

コンピューター

管理を導入

しながらも

手間をかける

ところはかけて

いるから

しかも

大規模な温室で

作られているらしいよ

農業経営が

できる人を育てて

しかもすごいのが

この雑誌を

作ってるの

私達と同じ

高校生なの

えっ高

校生が!?

それを聞くと

もっと応援

したくなるね

でしょ！

この地域の成長産業に

したいって想いも

あるみたい

へぇ…！

こんなに美味しい

トマトができるん

だって！

へぇ〜

コンピューター管理！

なんだかすごいね！

福島のかっこいい

農家さんの想いや

ミツキ

どうしたの？

まだ

高校生だから

できないっ

て自分に言い訳

してた…

じゃあ

入部する！

この雑誌みたいに

私達もきっと何か

できるはず…！

だったら

『高校生が伝える

ふくしま食べる通信』に

入部したら？

福島の高校生

募集してるよ

本当だ！

私……

本当に美味しいものを

伝えたいって

気持ちから

始まったんだって

…………！

ええっ!!?

本気で言ってるの!?

本気だよ

そ…そ

うね…

じゃあ私も

入部する

報道だけじゃ

伝わらないん

だったら

自分たちが

福島の良さを

直接伝えないと！

あなた達が新しく

入部した子たちね

1号2500円で

福島の生産者の想いを

旬の農作物付きで

届けている情報誌よ

『高校生が伝える

ふくしま食べる通信』は

定期購読で年4回

私だって

福島の

いいところを

伝えたい！

じゃあ私も〜

美味しいもの

食べれそう

だし♪

「高校生が伝えるふくしま食べる通信」編集部

「食べる通信」事務局長

根本 優子

あなた達が

書く文章に対して

読者さんから

代金をもらっている

つまり

遊びではないの

社会的意義を

理解して

取り組むように

してね

いきなり

夏号の取材をして

ほしいって

言ってたよね

農家さんに

取材を申し込んで

みるね

……根本さん

なんだか怖いね

そう？

うん

キャリアウーマン

って感じで

私あこがれる

けどなぁ〜

ほ…ほ…本日は

よろしく

お願いします！

緊張しなくても

大丈夫だよ

うちは自然と

寄り添う

野菜づくりを

目指している

まずは農地を

見学していってくれ

いただきます！

立派な

とうもろこし

ですね

いいんですかっ!?

娘のように

愛情をこめて

育てたからね

どうだい

食べてみるかい？

生のままで

大丈夫だから

つまり無農薬・

無化学肥料での

栽培に挑戦して

いるんだ

はははは

うわぁ甘

い！

フルーツみたい!!

最高〜編

集部入って

よかった…!!!!

実がぎっしり！

深みのある香りが

口の中に広がる〜！

美味いだろ

あぁ

俺らは

自然の生態系に

寄り添う形で

農業をしたいんだ

苦労はするが

こだわりをもって

野菜づくりを

していくつもりだよ

だから農薬を

使っていない

土ですか？

うちは

土づくりから

こだわってる

からな

――こだわりをもって

野菜づくりをしている

とのことですが

人一倍苦労すると

思うんです

なぜそこまで

頑張ることが

できるんですか？

えっ……

さらに

その日本の放射性物質の

基準値は世

界で最も厳しい

レベルなんだ

市場に流通しないよう

必要な措置が

取られているんだ

だけど食

品中に含まれている

放射性物質についてはね

出荷前に検査をして

国が定める基準値を

超えているものが

もし見つかったら…

――――！

…………

ここがふるさと

だからだよ

福島の野菜を

食べるのは不安

だって言われる

ことがあるんだよ

でも未だにね

君たちのように

若い人たちが

俺がやりたいのは

夢のある農業

なんだ

夢のある農業？

うん

スーパーでは

なかなか

お目にかかれない

バリエーション

豊かな野菜を作りたい

本当に

おいしいものを

作っているから

食べてほしい！

っていう

エネルギーが

伝わってきた！

す

ごかったね

うん

…まぁ

難しくて

変人扱いされる

こともあるん

だけどな

福島の野菜が

美味しいって

発信し続けて

くれれば

誤解はいずれ

なくなると

信じているよ

では最後に

将来どのような

農家になりたいと

考えていますか？

そうだな…

なんだか

わくわく

するね早

く書きたい！原

稿送信

…と

わっも

う根本さんからの

返信が来た！

え〜っと…

え……

ミツキ

これ見て

私も…

『取材のテープを

ただ文字にした

だけでしょう

もう一度

やり直し』って

書かれてた

根本さんから

ダメ出しの嵐が

きちゃって…

そっか…

そりゃ

そうだよね

一発でうまく

いくわけ

ないよね

うん

――よし

1時間後

翌日

わ…私思

い違い

してたのかも

しれない…！

１週間後―――

食べる通信編集部

どうしたのかしら

ミツキさん

以前は毎日の

ように原稿が

送られてきたのに

ここのところ

全くね

メールしても

返ってこないし…

もしかして

……！

！

やっぱり…！

ミツキさん

なにやってるの!?

わっ

根本さんど

うして

ここに!?

あなたから

記事が送られて

来ないから

ちゃんと連絡

してもらえないと

困るわ

心配したん

だから 取

材し直してる

んじゃないかな

って思ったの！

今回はちゃんと

取材はできたの？

これまで私整

理された情報とか

伝え方ばかり考えて

記事を書いてました

きれいな文章とか

けど…私

が伝えなきゃ

いけなかったのは

きれいな文章など

じゃなくて

農家さんの

エネルギーだって

気がついたんです

『本当においしい

ものを作っているから

是非食べてほしい』

っていう

……実は私

バックナンバーを

読み直したんです

で

す…すみません

先輩たちの記事からも

それがビンビン

伝わってきました

だから…

もう一度ここで

エネルギーを

注入して

もらおうと思って

読者が

知りたいのは

高校生の

あなたたちが

伝える

純粋に感じた

農家さんの想いよ

はいっ!!

次は

いい記事が

書けそうね

…ふふふ

よく

気が付いたわね

よかった……！

数週間後

すごい！

本当に

雑誌になった…！

見て

お母さん

美味しそうな

とうもろこしが

はいってるよ！

作ってくれた人の

ことがわかると

いつもより美味しく

感じるね

大したもんだ

ほらそ

のまま生で

かじれるぞ！

あら

立派な

とうもろこしねぇ

私が書いた

文章だ！

これを読んで

一人でも多くの

人に福島の今を

知ってほしいね!!

ミツキちゃん

フェイスブック

見た？全

国から

反響が来てるわよ

はい

たった今

見ました

ほかにも

「自分たちも復興の

ために何かできることは

ありせんか？」

なんて

問い合わせが

来たわ

…………！

初めての取材にしては

いいモノができたわね

根本さんの

おかげです

そんなこと

ないわ

あなた達が福島の

本当にいいところを

紹介しようとした

気持ちが伝わったのよ

ありがとう

ございます

けども

う次の取材を

始めてね！

はいっ！

福島にはまだまだ

紹介したいことが

あるから

わたし

頑張ります……!!

※マンガの登場人物は「高校生が伝えるふくしま食べる通信」編集部への取材をベースにしたフィクションです。