12
年月日 昭和54年4月1日 ~6月30日、及び 昭和55年4月1日 ~昭和56年1月 31日 ②技術学院講師(ユニチカ㈱の企業内教育機関) 昭和58、59年度 平成17年10月1日 昭和57年度 年月日 別記様式第4号(その2) (用紙 日本工業規格A4縦型) 2019年5月1日 氏名 近藤 仁司 生化学、酵素学、食品学、 耐熱性酵素、臨床診断薬、バイオリアクター、遺伝子組換え 分析化学(臨床診断薬、食品成分) 食品分析、食品関連資材開発 事項 教育方法の実践例 (1)京都大学非常勤講師(化学担当) 教養部において、化学実験実務の指導、レポート作 成補助、等の教育に従事。対象学部は農学部、工学 部、医学部。 (2)甲子園大学栄養学部教授 平成22年4月~現 この期間に以下の科目を担当した。「食品学総論」 (平成22年~27年)、「食品学各論」(平成22年~ 27年)、「食品学実験」(平成22年)、「食品学実 験Ⅰ」(平成22年~27年)、「生化学」(平成22年 ~24年)、「生化学Ⅱ」(平成25年~27年)、「生 化学実験Ⅰ」(平成25年)、「食品物性論」(平成 22年~23年)、「食品産業論」(平成22年)、「食 資源利用学」(平成22年~24年)、「分析化学」 (平成22年~24年、平成26~27年)、「インターン シップ」(平成22年~23年、平成25年)、「食と地 域の実践演習」(平成26年:分担)。講義では、教 科書以外に学生の理解を深める目的で毎回の講義の ポイントとなる教材を作成し、また、実験・実習科 目では、実験の目的を十分に理解させるために実 験・実習項目に関連する資料を作成した。 作成した教科書,教材 特になし 教育上の能力に関する大学等の評価 特記事項なし 実務の経験を有する者についての特記事項 ①学位取得のための教育・指導 昭和60年度~平 成4年度 部下の臨床診断薬分野での成果に対し、学位所得の ための実験指導、論文指導を実施し、平成4年に熊 本大学薬学部で薬学博士の学位を取得させる。 平成5年度~平成 6年度 国内大学への留学者の遺伝子組換え酵素に関する成 果を補足して、該酵素の利用における研究実験と論 文執筆を指導し、平成7年に京都大学農学部での農 学博士の学位取得のための側面支援を実施した。 高卒者・高専卒者からの選抜者を対象に将来の上級 技術者を養成する機関において、一般化学及び分析 化学の講義を担当。 ③中堅研究者のOJT教育担当 入社3年目~6年目の大学院卒以上の研究者から テーマ探索能力に優れた数名で探索チームを組織 し、将来テーマ探索の目標設定、実践、評価を通し て人材の能力向上を教育・指導。 ~平成21年5月30 ④その他、女子社員の社内教育機関での講師 高卒女子社員への化学一般の教育担当。 その他 特になし 事項 資格,免許 特記すべき資格、免許はなし 特許等 国内特許48件、海外特許14件 昭和56年度~平 成21年度 ①ATP再生産システム及び有用物質生産に関する 研究開発では国内特許5件、海外特許4件 1 / 12 ページ

教 育 研 究 業 績 書...学博士の学位取得のための側面支援を実施した。高卒者・高専卒者からの選抜者を対象に将来の上級 技術者を養成する機関において、一般化学及び分析

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年月日

昭和54年4月1日

~6月30日、及び

昭和55年4月1日

~昭和56年1月

31日

   ②技術学院講師(ユニチカ㈱の企業内教育機関) 昭和58、59年度

平成17年10月1日

昭和57年度

年月日

別記様式第4号(その2)

(用紙 日本工業規格A4縦型)

教 育 研 究 業 績 書

2019年5月1日

氏名  近藤 仁司     印

研 究 分 野 研 究 内 容 の キ ー ワ ー ド

生化学、酵素学、食品学、 耐熱性酵素、臨床診断薬、バイオリアクター、遺伝子組換え

分析化学(臨床診断薬、食品成分) 食品分析、食品関連資材開発

教 育 上 の 能 力 に 関 す る 事 項

事項 概 要

1 教育方法の実践例

   (1)京都大学非常勤講師(化学担当) 教養部において、化学実験実務の指導、レポート作成補助、等の教育に従事。対象学部は農学部、工学部、医学部。

    (2)甲子園大学栄養学部教授 平成22年4月~現在

この期間に以下の科目を担当した。「食品学総論」(平成22年~27年)、「食品学各論」(平成22年~27年)、「食品学実験」(平成22年)、「食品学実験Ⅰ」(平成22年~27年)、「生化学」(平成22年~24年)、「生化学Ⅱ」(平成25年~27年)、「生化学実験Ⅰ」(平成25年)、「食品物性論」(平成22年~23年)、「食品産業論」(平成22年)、「食資源利用学」(平成22年~24年)、「分析化学」(平成22年~24年、平成26~27年)、「インターンシップ」(平成22年~23年、平成25年)、「食と地域の実践演習」(平成26年:分担)。講義では、教科書以外に学生の理解を深める目的で毎回の講義のポイントとなる教材を作成し、また、実験・実習科目では、実験の目的を十分に理解させるために実験・実習項目に関連する資料を作成した。

2 作成した教科書,教材

   特になし

3 教育上の能力に関する大学等の評価

   特記事項なし

4 実務の経験を有する者についての特記事項

   ①学位取得のための教育・指導 昭和60年度~平成4年度

部下の臨床診断薬分野での成果に対し、学位所得のための実験指導、論文指導を実施し、平成4年に熊本大学薬学部で薬学博士の学位を取得させる。

平成5年度~平成6年度

国内大学への留学者の遺伝子組換え酵素に関する成果を補足して、該酵素の利用における研究実験と論文執筆を指導し、平成7年に京都大学農学部での農学博士の学位取得のための側面支援を実施した。

高卒者・高専卒者からの選抜者を対象に将来の上級技術者を養成する機関において、一般化学及び分析化学の講義を担当。

   ③中堅研究者のOJT教育担当 入社3年目~6年目の大学院卒以上の研究者からテーマ探索能力に優れた数名で探索チームを組織し、将来テーマ探索の目標設定、実践、評価を通して人材の能力向上を教育・指導。

~平成21年5月30日

   ④その他、女子社員の社内教育機関での講師 高卒女子社員への化学一般の教育担当。5 その他   特になし

職 務 上 の 実 績 に 関 す る 事 項

事項 概 要

1 資格,免許   特記すべき資格、免許はなし2 特許等   国内特許48件、海外特許14件 昭和56年度~平

成21年度①ATP再生産システム及び有用物質生産に関する研究開発では国内特許5件、海外特許4件

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   に記す

著書,学術論文等の名称単著・共著の別

発行又は発表の年月

概 要

(著書)

①.診断薬---検査薬関連酵素 分担執筆 1996年

・共著

(近藤仁司、中島宏:執筆全般)

分担執筆 2001年

・共著

(黒坂啓介、川瀬至道、内田和之、近藤仁司:執筆全

般)

③.生化学検査 分担執筆 2009年

・単著

(近藤仁司)

④第2章 食品の一次機能 分担執筆 2015年

  C.たんぱく質 ・単著

(近藤仁司)

昭和56年度~平成21年度

①ATP再生産システム及び有用物質生産に関する研究開発では国内特許5件、海外特許4件   (概要は右に示すが、詳細は以下の研究業

    関する事項の(その他)の項目で記載) ②臨床診断薬に関する研究開発では国内特許30件、海外特許9件

③食品分析に関する研究開発では国内特許1件

④酵素に関する研究開発では国内特許12件、海外特許1件

3 実務の経験を有する者についての特記事項   食品分野に関する実務経験で得られた成果 昭和60年度~平

成21年度①ワイン製造工程管理用の酢酸定量試薬の開発②ATPを発色に導く方法での簡易型微生物検出テ トデバイスの市場評価実施(食品現場管理用)③数種の酵素を利用した食品中の各種糖類の定量試 薬の研究開発(特許取得)④酢酸菌を利用した機能性食品用の素材等の開発の 指導⑤酵素を利用した、優れた界面活性作用を有する糖 肪酸エステルの高濃度合成法の研究指導(抗菌作 用を有する食品賦活化剤等への利用)

4 その他   特になし

研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項

発行所,発表雑誌等又は発表学会等の名称

バイオセパレーション便覧 , pp. 119-124(共立出版)

多成分系の分析試薬である検査薬(臨床診断薬)に多くの酵素が使用されるようになってきているが、これには酵素の高純度化や安定化に資する技術としての分離精製技術の進歩が大きく貢献している。一般的な酵素精製技術の概要を要約し、著者らの酵素を含めて代表的な酵素を例にして具体的な分離精製技術を示した。

②.ソルビトール測定用酵素---ソルビトール測定とその臨床的意義

最新酵素利用技術と応用展開 (相澤益男監修),pp. 308-315 ( シ ー エ ムシー出版)

糖尿病疾患の増加に伴い、合併症の早期診断技術の開発の重要性が指摘され、特に赤血球中のソルビトールの蓄積が合併症の指標となる可能性が報告されている。煩雑なHPLC法に代わる、日常検査に適用できる酵素法による測定法開発へのニーズが高まっていた。自然界から新規な酵素、ソルビトール脱水素酵素、を新たに見出し、その大量生産法を確立し、定量性に勝る紫外部吸収法による生体液中のソルビトール測定法を開発し、その有用性を検証した。

産業酵素の応用技術と最新動向(井上國世監修),pp. 161-170 ( シ ー エ ムシー出版)

臨床診断薬の生化学検査分野での酵素利用技術は、市場での液状試薬の汎用化で新規開発は停滞傾向にある。この流れの中で、糖尿病関連項目と通称メタボ健診関連項目のバイオセンサー分野への更なる高機能化酵素のニーズが高まっている。最近、従来の自然界からの有用酵素のスクリーニングから遺伝子組換え技術やDNA配列情報に基づく酵素機能改変技術の重要性が増加している。具体的な酵素を例にして開発状況と将来展望を要約した。

食べ物と健康 食品の 食品を構成する主要な成分の一つであるたんぱく質について、たんぱく質を構成しているアミノ酸の構造・性質、ペプチド結合、たんぱく質の構造、たんぱく質の種類と分類、たんぱく質の性質、たんぱく質の定量分析、たんぱく質の変性と凝集、たんぱく質の栄養性、酵素に関して多くの図表を示しながら基礎的事項を中心に執筆した。また、より基本的な事項についてはコラムとして説明した。尚、本著は、管理栄養士を目指す方々を対象として編纂されたものである。

科学(太田英明、北畠

直文、白土英樹編集),

pp. 23-43(南江堂)

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(学術論文)

①. Interaction of Cyclodextrins 共著 1976年

with Fluorescent Probes and Its

Application to Kinetic Studies of

Amylose(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験実施、執筆全

般)

②. Multiple Attack in Porcine 共著 1978年

Pancreatic α-Amylase-

Catalyzed Hydrolysis of Amylose

with a Fluorescence Probe(査

読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎、松野隆一:実験実

施、執筆全般)

③. Product Distribution in 共著 1981年

Amylase-Catalyzed Hydrolysis

of Amylose. Comaprison of Experi-

mental Results with Theoretical Predic-

tions(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験実施、執筆全

般)

④. In Vitro Action of Human 共著 1990年

and Porcine α-Amylases on

Cyclomaltooligosaccharides

(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験計画立案、実

験実施、執筆全般)

⑤. Effect of Maltotriitol on the 共著 1990年

Action Pattern of Porcine

Pancreatic α-Amylase Using

Amylose as a Substrate(査

読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験計画立案、実

験実施、執筆全般)

その他、この分野では以下

の4論文がある。

⑥. Analysis of Mixtures of 共著 1976年

α- and β-Cyclodextrins Using

Fluorescent Dyes(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験実施、執筆全

般)

Ⅰ.アミラーゼの反応機構に関する研究(9論文)

J. Biochem. , 79, 393-405(日本生化学会)

蛍光色素2-p -Toluidinylnaphthalene-6-Sulfonate(TNS)はシクロデキストリン(CD)に包接されてその蛍光が顕著に増大することを見出した。この蛍光特性を指標とした定量的解析から、CD-TNS複合体の蛍光特性は3種のCDの内径とTNS分子との相対的な大きさに依存していることが判った。また、この顕著な蛍光増加はアミラーゼによるCD加水分解における開環課程の選択的な速度論的解析に有効に応用できることを示した。

J. Biochem. , 84, 403- 豚膵α-アミラーゼの加水分解反応機構においては、1回の酵素・基質複合体形成で数回続けて基質が切断されるというマルティプルアタック機構の存在が示唆されていたが、鎖長の明確な基質ではこの機構を証明する適当な手段がなかった。そこで、上記蛍光色素TNSを用いた蛍光法で本アミラーゼ反応を各種のpHで経時的に追跡し、蛍光ー分解率プロフィルの解析からアルカリ側のpHではマルティプルアタックが生じていることが示された。

417(日本生化学会)

J. Biochem. , 87, 1053 アミロースのアミラーゼによる加水分解反応を各種アミラーゼのサブサイト構造と基質との結合エネルギーを基に生成物分布を理論的に予測し、実験的に生成するオリゴ糖を定量的に追跡して理論との比較から各種アミラーゼ反応の反応機構を明らかにした。また、1回のアミラーゼの加水分解後、生成オリゴ糖がアミラーゼから離れずに活性部位上をスライドしながら継続的に加水分解を受ける、マルティプルアタック、の頻度を推定することができた。

-1070(日本生化学会)

Carbohydr. Res. , 204, 食品、医薬品等の劣化防止等に使用されているシクロデキストリン(CD)の代謝性を検討する目的で人及び豚アミラーゼによるCDの被水解性をHPLCによる生成物分析で経時的に追跡した。その結果、CDの種類により加水分解速度は大きく異なり、最も大きな環径のCD(γ-CD)の分解速度が最も速いこと、また、γ-CDでは真の水解速度定数、マルティプルアタックの回数、等を求めることができ、両酵素の違いを比較検討出来た。

207-213(エルセビア・サイエンス出版)

Carbohydr. Res. , 206, 豚膵α-アミラーゼの作用機構を調べる目的で、オリゴ糖アナログMaltotriitol (G3OH)の作用をアミロースを

基質として調べた。蛋白質の蛍光滴定から酵素1分子当り2分子のG3OHが結合し、G3OH濃度が増加する

程マルティプルアタックの回数が減少すること、等が判り、少なくとも1分子のG3OHが酵素の活性部位に結

合し、基質アミロースの最初の水解後に活性部位上に残ったフラグメントのスライディングを妨害している可能性が示された。

161-166(エルセビア・サイエンス出版)

Carobohydr. Res. , 52, 各種シクロデキストリン(CD)分別定量の原理は、各種CDに対して親和力及び包接された際の蛍光強度が異なる蛍光色素を使用することにある。今回使用した2-p -Toluidinylnaphthalene-6-sulfonate(TNS)とo -anisaldehydeはこの条件を満たし、各種CDの分別定量が可能となった。α-CDの相対含量が10%以下でない限り、各CDを10%以内の誤差で分別定量できること、また、CDを完全分解後の還元力を定量する方法を併用すると更に測定精度が向上することが示された。

1-10(エルセビア・サイエンス社)

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⑦. Studies on Action Pattern 共著 1977年

of Amylase-Catalyzed Hydro-

lysis of Amylose Using TNS

Fluorescence as a Probe

(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験実施、執筆全

般)

⑧. Interaction of Amylose and 共著 1977年

Other α- Glucans with Hydro-

phobic Fluorescent Probe (2-

p -Toluidinylnaphthalene-6-

Sulfonate)(査読付)

(中谷博、柴田健一郎、近藤仁司、廣海啓太郎:実験

の一部(約1/3)実施と当該部分の執筆)

⑨. Rapid Preparation of Malto- 共著 1981年

oligosaccharides from Cyclo-

dextrins by Column Chromato-

graphy of Hydrophilic Vinyl

Polymer Gel(査読付)

(近藤仁司、中谷博、廣海啓太郎:実験計画立案、実

験実施、執筆全般)

Ⅱ.ATP再生産システム及

び有用物質生産に関する研

究開発(7論文)

①. Construction of a System for 共著 1984年

the Regeneration of Adenosine

5'-Triphosphate, Which Sup-

plies Energy to Bioreactor

(査読付)

(近藤仁司、冨岡功、中島宏、今堀和友:実験計画立

案、実験実施、執筆全般)

②. ATP再生産システムの開発 共著 1984年

とその合成用バイオリアクターへ

の応用

(近藤仁司、中島宏:実験実施、執筆全般)

③. Industrial Application of 共著 1991年

Adenosine 5'-Triphosphate Re-

generation to Synthetsis of

Sugar Phosphate(査読付)

(中島宏、近藤仁司、鶴谷良一、鈍宝宗彦、冨岡功、

冨田耕右:実験の一部(1/3)実施と該当部分の執

筆)

④. 耐熱性酵素の有用物質合成 共著 1997年

への利用

Agric. Biol. Chem. , 41, アミロースによる2-p -Toluidinylnaphthalene-6-sulfonateの蛍光強度の大きな増加はアミラーゼによる分解に従って減少することを見出した。この性質はアミロースの各種アミラーゼによる分解反応の追跡に用いることができ、今回、本新規な方法を6種のアミラーゼの作用様式の解析に利用した。この方法は、従来の生成糖の還元力を測定する青価法に代わる方法であり、また短鎖のアミロデキストリン水解においては高感度に分析できることが示された。この新規方法の利点は、青価法では追跡できないマルトオリゴ糖の水解反応の追跡に有用であり、また、酵素による連続追跡も可能であることである。

631-634(日本農芸化学会)

Biopolymers , 16, 2363- 2-p -Toluidinylnaphthalene-6-sulfonate(TNS)はマルトオリゴ糖、アミロース、及び他のα-グルカン存在下でその蛍光が大きく増強された。この様なTNS蛍光の鎖長依存性や、TNSと各種糖化合物との1:1結合を仮定した時の結合定数や熱力学的パラメーターを求めた。また、TNS-アミロース系での蛍光はイオン強度の上昇とともに増加することも判った。これらの結果から、マルトオリゴ糖、アミロース、及びα-グルカンによるTNSの蛍光増加現象は疎水環境の増加、或いは分子内回転の妨害によることが示唆された。

2370(ジョンワイリーアンドソンズ)

Agric. Biol. Chem. , 45, マルトオリゴ糖はアミラーゼ反応を研究するのに有用であるが、簡便な調製方法がなかった。今回、新規に開発された親水性ビニルポリマーゲルであるToyopearl HW-40Sを用いた簡便なマルトオリゴ糖の調製法を見出した。本新規な方法は、シクロデキストリンを硫酸で部分分解し、反応停止後、未反応のシクロデキストリンを除去し、その上清を上記ゲルに添着して水を溶出液として溶出する方法である。溶出したマルトオリゴ糖は凍結乾燥することにより高純度の単品として粉末状に得ることができる。

2369-2370 ( 日 本 農 芸 化 学会)

J. Appl. Biochem. , 6, 中等度好熱菌由来の耐熱性酢酸キナーゼとアデニル酸キナーゼを用いたAMPからATPへの再生産システムを構築した。基質供給部、固定化酵素反応器、自動サンプリング部、分析装置、及び計測制御部からなる半自動制御可能なエンジニアリングモデルを試作した。本システムによりAMPからATPへの連続的再生産を試み、6日間に亘りATPへの変換率が99%以上で推移することが判った。

29-38(米国アカデミック・プレス)

化学装置 , 26, 75-80 酵素を利用したATP再生産技術を著者らの耐熱性酢酸キナーゼとアデ二ル酸キナーゼを用いた例を具体的に示してその基本技術やシステムの構築を紹介し、今後の課題を示した。更に、ATP再生産と共役する合成用バイオリアクターのターゲットとしての研究例と著者らのペプチド合成の例を紹介し、現状と今後の課題を示した。

(工業調査会)

Enzyme in Carbohydrate 中等度好熱菌由来の各種酵素を利用した、高エネルギー物質ATPの再生産システムを構築し、長期間の連続ATP再生産運転を可能にした。更に、本システムと連結したアミノ酸活性化酵素反応や糖リン酸化酵素反応により市場で有用な各種のペプチドや糖リン酸化合物の工業的合成にも成功した。

Synthesis , pp. 111-120 ( 米国化学会)

バイオサイエンスとインダストリー , 55, 615-619(バイオインダストリー協会)

耐熱性酵素は通常の酵素と比べて安定性に優れるとともに高い触媒活性を示す。ATPと共役する反応、酸化還元反応を利用した反応、及び加水分解酵素や糖転移酵素等を用いた反応、による有用物質合成における著者らの結果も含めた実用化例や興味ある合成例を通して有用物質の酵素合成への課題を要約した。4 / 12 ページ

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(近藤仁司、中島宏、冨田耕右:執筆全般)

その他、この分野では以下

の3論文がある。

⑤. Continuous ATP Regenera- 共著 1984年

tion Process with Stable Ace-

tate Kinase(査読付)

(中島宏、永田和彦、近藤仁司、今堀和友:実験の一

部(1/4)実施と該当部分の執筆)

⑥.ATP再生産システム 共著 1985年

(中島宏、近藤仁司、永田和彦、冨岡功、松倉計夫、

今堀和友:実験の大部分(3/4)実施と執筆全般)

⑦.好熱菌と耐熱性酵素およ 共著 1986年

びこれらの利用

(近藤仁司、永田和彦:執筆全般)

Ⅲ.臨床診断薬に関する研究

開発(15論文)

①. Bacterial Glucokinase as an 共著 1987年

Enzymatic Reagent for Good

Stability for Measurement of

Creatine Kinase Activity

(査読付)

(近藤仁司、白石登業、影山雅夫、永田和彦、冨田耕

右:実験計画立案、実験主導、執筆全般)

②. An Enzymatic Method for 共著 1988年

the α-Amylase Assay Which

Comprises a New Procedure for

Eliminating Glucose and Maltose

in Biological Fluids(査読付)

(近藤仁司、白石登業、永田和彦、冨田耕右:実験計

画立案、実験主導、執筆全般)

③. A New Method for Measuring 共著 1991年

Serum Pyruvate Kinase and

バイオサイエンスとインダストリー , 55, 615-619(バイオインダストリー協会)

耐熱性酵素は通常の酵素と比べて安定性に優れるとともに高い触媒活性を示す。ATPと共役する反応、酸化還元反応を利用した反応、及び加水分解酵素や糖転移酵素等を用いた反応、による有用物質合成における著者らの結果も含めた実用化例や興味ある合成例を通して有用物質の酵素合成への課題を要約した。

J. Appl. Biochem. , 6, 耐熱性酢酸キナーゼをカルボジイミド、ヒドロキシスクシンイミド、サイアノーゲンブロミド、グルタルアルデヒドなどの幾つかの通常の方法や2官能性ADP誘導体でセファロース樹脂に固定化できた。これらの固定化酢酸キナーゼの性質や速度論的パラメーターをカラム法で求めた。その結果、固定化酵素の見掛けのKm値はフリーの酵素と大きく変わらず、pH-活性曲線も同等であることが判った。一方、固定化酵素の熱安定性はフリーの酵素に比べて大きく改善されていた。この固定化酢酸キナーゼはバイオリアクターにおけるATPの再生産に用いることができた。

19-28(米国アカデミック・プレス)

ライフサイエンスの現状と将来Ⅱ , pp. 119-129(理化学研究所編)

中等度好熱菌から得られた酢酸キナーゼとアデニル酸キナーゼを用いてAMPからATPを連続的に再生産するシステムを構築した。両酵素とも水不溶性高分子担体に容易に固定化できることを確認した。本ATP再生産システムには、基質供給部、酵素反応器、自動採取装置、分析装置、制御装置の5ユニットが含まれる。ATP再生産システムの最適運転条件を求めるため、アセチルリン酸の安定性、AMPからATPへの変換率に及ぼす空間速度や反応温度、AMPに対するATPの最低必要量、等を種々検討した。本システムを用いて6日間の連続運転を実施し、AMPからATPを100%の変換率で運転できることが判り、また、実用レベルでの高濃度運転も可能であることが示された。

科 学 と 工 業 , 60, 428-437(大阪工研協会)

酵素は一般的に不安定であり、その応用分野も限られている。これは、これまで扱ってきた酵素が主として常温生物由来の酵素であったためである。近年多くの研究や開発が可能となってきた好熱性微生物の工業面への利用、さらに耐熱性酵素の医療面や工業面への利用、などを紹介する。また遺伝子操作技術の進展により、耐熱化機構に関する知見もある程度得られるようになり、酵素の改良も可能となってきており、これらの点につき幾つかの例を紹介する。

J. Clin. Biochem. Nutr., 中等度好熱菌由来グルコキナーゼを用い、心筋梗塞の診断に重要な血清中クレアチンキナーゼ活性を長期に亘って正確に測定できる臨床診断薬を開発した。市場にある従来の試薬の大きな課題は試薬調製後の保存安定性が冷蔵でも数日程度であったが、2試薬系の確立と試薬pHの適切な条件の設定、及び安定性に優れた上記酵素の利用により1ヵ月程度の保存安定性を有する試薬を開発することができた。

3, 17-25(応用生化学研究所)

Clin. Chim. Acta , 172, 人アミラーゼによる切断箇所が明確なマルトペンタオースを基質に用い、特に膵疾患の診断に重要な血清中アミラーゼ活性が正確に評価できる臨床診断薬を開発した。本法では、酵素を用いて人血清中に含まれるグルコースとマルトースをアミラーゼ活性測定に影響しない物質に効果的に変換する新しい反応系を確立した。本法は各種の測定妨害物質の影響を受けない紫外部吸収測定によるアミラーゼ活性の正確な測定法であることが示された。

132-140(エルセビア・サイエンス出版)

Jpn. J. Clin. Chem. , 20, 血清中ピルビン酸キナーゼとクレアチンキナーゼ活性の同時測定法を確立した。本法では第一反応として前者の基質と反応させ、生成したATPをグルコキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素でNADPHを生成させ、次いで第二反応として後者の基質を添加して生成したATP量を同様にしてNADPHの変化に導く。第二反応と第一反応の差が後者の活性を示す。本法は心筋梗塞の鑑別診断法として有用であることが示された。

235-241(日本臨床化学会)

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Creatine Kinase Activities Using

a Thermostable Glucokinase

(査読付)

(白石登業、近藤仁司、坪田博幸:実験計画立案、実

験指導、執筆指導)

④.グルコキナーゼを利用したマ 共著 1991年

グネシウムの酵素的測定法

(査読付)

(白石登業、鈴木裕史、越智尚、川原一恵、近藤仁

司、永田和彦、冨田耕右:実験指導、執筆指導)

⑤. Assay of γ-Glutamyltrans- 共著 1992年

ferase with Amino Acid Dehy-

drogenases from Bacillus

stearothermophilus as Auxiliary

Enzymes(査読付)

(近藤仁司、橋本麻美子、永田和彦、冨田耕右、坪田

博幸:実験計画立案、実験指導、執筆全般)

⑥. Spectrophotometric Assay 共著 1992年

of Aminopeptidase with Thermo-

stable Alanine Dehydrogenase

from Bacillus stearothermo-

philus (査読付)

(阪本米和、近藤仁司、左右田健次:実験計画立案、

実験・実験指導、執筆全般)

⑦.耐熱性酵素の性質と検査薬 単著 1994年

への応用

(近藤仁司)

⑧.ビリルビンオキシダーゼを用 共著 1996年

いた抱合型ビリルビンの選択的

測定法の基礎的検討(査読付)

(近藤仁司、黒坂啓介、仙波章治、坪田博幸、小島正

美、圓藤葉子:実験計画立案、実験指導、執筆全般)

⑨. A New Enzymatic Assay for 共著 1998年

Selectively Measuring Conju-

gated Bilirubin Concentration in

Serum with Use of Bilirubin

Oxidase(査読付)

(黒坂啓介、仙波章治、坪田博幸、近藤仁司:実験計

血清中ピルビン酸キナーゼとクレアチンキナーゼ活性の同時測定法を確立した。本法では第一反応として前者の基質と反応させ、生成したATPをグルコキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素でNADPHを生成させ、次いで第二反応として後者の基質を添加して生成したATP量を同様にしてNADPHの変化に導く。第二反応と第一反応の差が後者の活性を示す。本法は心筋梗塞の鑑別診断法として有用であることが示された。

臨床化学 , 20, 37-41 Bacillus stearothermophilus 由来のグルコキナーゼを用いた血清中マグネシウムイオン測定用試薬を構築した。測定原理は該酵素活性がATP・マグネシウムイオン複合体量に依存することを利用したものである。反応はNADPHの340nmの吸光度増加速度として追跡する。この新規な分光学的方法は非常にシンプルで迅速性に富み、日常の臨床検査に供し得る実用的な方法であり、また、本法は従来の色素結合発色法に比べ特異性に優れている。

(日本臨床化学会)

Clin. Chim. Acta , 207, 血清中γ-グルタミルトランスフェラーゼ活性はアルコール性肝炎の基本的な診断項目であるが、γ-グルタミルペプチドの受容体基質への転移反応によって生ずるアミノ酸を中等度好熱菌由来の安定性に優れたアミノ酸脱水素酵素を用いて紫外部に吸収を有するNADHの吸収変化に導く新しい方法を開発した。本法は化学量論的に優れた方法で、従来の色素結合基質法に比べて血清中測定妨害物質の影響を殆ど受けない方法であることが示された。

1-9(エルセビア・サイエンス出版)

Biosci. Biotech. Biochem., 生体液中のアミノペプチダーゼ活性の分光学的測定法を耐熱性アラニン脱水素酵素を用いて構築した。アミノペプチダーゼはアラニンアミドやロイシルアラニンからL-アラニンを生成するため、該アラニンをアラニン脱水素酵素でNADHの吸収増加に導くことができる。測定されたアミノペプチダーゼ活性の測定範囲は実用レベルであり、基本的な試薬性能も定量用試薬として十分なもので、試薬は少なくとも冷蔵で1ヵ月間安定であることが示された。

58, 1675-1678(日本農芸化学会)

検査と技術 , 22, 111- 耐熱性酵素の大きな特徴である優れた熱安定性や長期の保存安定性の利点を活用した分析用途への適用を要約した。耐熱性酵素を産生する好熱菌の内、産業利用の観点から中等度好熱菌由来の酵素が常温での用途である分析用途に好適であることを、著者らの耐熱性グルコキナーゼと耐熱性アミノ酸脱水素酵素の各種臨床診断薬への適用例を紹介し、更には全ての試薬成分が調整時から液状になっている液状試薬構築への利用可能性の高さを教示した。

117(医学書院)

薬理と治療 , 24, 9-15 分別性に優れたビリルビン測定法の構築を目的に、酵素の持つ高い特異性を利用して抱合型ビリルビンのみを測定できる選択的測定法を開発し、各種疾患検体測定における分別性を基礎的に検討した。小児検体は抱合型ビリルビンを殆ど含まないが、従来法では有意な測定値を示す検体でも本法では実際の含有量を反映した測定値を示し、また肝胆道系疾患でも正確に抱合型ビリルビンのみを測定でき、病態の変化を鋭敏に反映することが示された。

(肝病態生理研究会:ライフサイエンス出版)

Clin. Chim. Acta , 269, 肝臓疾患の診断に重要な項目である血清中ビリルビン測定において、ビリルビン酸化酵素を用いた新規な抱合型ビリルビンの測定法を考案した。特に、非抱合ビリルビンへの反応性を低下させるフッ化ナトリウムを含む2種の試薬成分の存在下、弱酸性の条件で抱合型ビリルビンのみを酸化できることを示した。抱合型ビリルビンは煩雑なHPLC法のみでしか測定できなかったが、本法が日常検査で使用されている自動分析装置に適用できることが示された。

125-136(エルセビア・サイエンス社)

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画立案、実験指導、執筆全般)

⑩.臨床検査におけるポイント・ 共著 2000年

オブ・ケア・テスティング(POC

T)の現状と将来性

(近藤仁司、渡辺光雄、岩田建:執筆指導)

その他、この分野では以下

の5論文がある。

⑪. Thermostable Glucokinase 共著 1990年

from Bacillus stearothermo-

philus and Its Analytical Appli-

cation(査読付)

(冨田耕右、永田和彦、近藤仁司、白石登業、坪田博

幸、鈴木裕史、越智尚:実験の一部(1/2)の実施、

該当部分の執筆)

⑫. Double Kinetic Assayを用い 共著 1991年

たPyruvate Kinase, Creatine

Kinase同時測定法(査読付)

(宇治義則、杉内博幸、工藤信次、岡部紘明、白石登

業、近藤仁司、冨田耕右、坂元浩次二、坪田博幸:実

験の一部(1/3)指導、執筆指導)

⑬. Stabilized Enzymatic Rea- 共著 1995年

gents for Measuring Glucose,

Creatine Kinase and γ-Gluta-

myltransferase with Thermo-

stable Enzymes from a Thermo-

phile, Bacillus stearothermo-

philus (査読付)

(冨田耕右、野村久美子、近藤仁司、永田和彦、坪田

博幸:実験計画立案、実験指導、執筆全般)

⑭.酵素を用いたビリルビンの選 共著 1996年

択的測定法の検討(査読付)

(近藤仁司、黒坂啓介、仙波章治、坪田博幸、小島正

美、圓藤葉子:実験計画立案、実験指導、執筆全般)

⑮.ポイント・オブ・ケア・テスティ 共著 1999年

ングの技術動向

医療・健康・高齢化社会 POCTシステムは測定装置がコンパクトで試薬調製が不要であり、更に即時対応が可能であるためベッドサイドや開業医、更には在宅ケア等のより患者に近い場所での臨床検査に適している。この技術にはバイオセンサーや半導体等の技術的進歩が大きく寄与している。これまでに各種の測定法が開発されているが、特に自己血糖測定法は糖尿病疾患の増加とともに拡大している。これらのPOCT技術の課題と将来への方向性を要約した。

への対応技術 , pp. 163-

173(日本ビジネスサービス)

Ann. N. Y. Acad. Sci. , 613, 中等度好熱菌由来グルコキナーゼは、動物由来のグルコキナーゼや酵母のへキソキナーゼに対して、高安定性、グルコースに対する高い特性、α-及びβ-グルコースに等しく反応する、基質に対する低いKm値、ATP分解酵素活性を本質的に含まない、など多くの点で優れている。この特性を有する耐熱性グルコキナーゼを臨床分析用に適用した。その結果、グルコースの測定法、クレアチンキナーゼ活性の測定法、マグネシウムイオンの測定法として確立することができた。特に、マグネシウムイオンの測定法は世界で初めての酵素法による測定法である。

421-425(ニューヨーク科学アカデミー)

日本臨床検査自動化学会会誌 , 16, 111-114(日本臨床自動化学会)

耐熱性グルコキナーゼを用いて自動分析装置によるピルビン酸キナーゼ(PK)とクレアチンキナーゼ(CK)の同時測定法を確立した。本法とそれぞれ単独に測定したPK活性とCK活性の相関は良好で、測定における直線性、同時再現性、日差再現性も同等であることが判った。本法は、心筋梗塞の鑑別診断の迅速測定法として有用な方法であることが示された。

J. Pharm. Biomed. Anal. ,13,

好熱菌由来の2種の耐熱性酵素、グルコキナーゼとアラニン脱水素酵素、を用いた2試薬系による安定化した試薬を開発した。グルコキナーゼはグルコースとクレアチンキナーゼ活性の測定に、また、アラニン脱水素酵素はγ-グルタミルトランスフェラーゼ活性の測定に適用した。これらの試薬は、それぞれの試薬構成成分を第一試薬と第二試薬に分けて測定時に混合するもので、特にグルコキナーゼを用いた試薬は液体状で10℃でも1年以上に亘って測定対象をフルに測定できる性能を有していた。また、アラニン脱水素酵素を用いた試薬も40日間に亘って安定であり、いずれも実用性を備えた試薬性能であることを確認した。

477-481(エルセビア・サイエンス出版)

臨床化学 , 25, 20-27(日本臨床化学会)

ビリルビン酸化酵素を用いた新規な総ビリルビン測定法及び抱合ビリルビン測定法を開発した。総ビリルビン測定法では、陰イオン性界面活性剤の存在下pH7.8の条件下で全てのビリルビンを酸化し、また抱合ビリルビン測定法では、ビリルビンへの選択性を向上させる試薬成分の存在下pH5.5の条件下で抱合ビリルビンのみを酸化する。これらの新規測定法は、測定範囲、同時再現性、共存物質による影響など日常検査に供しうる基本性能を有していた。特に、抱合ビリルビン測定法では、HPLCによる解析で抱合ビリルビンにのみ反応していることが確認でき、小児検体測定への有用性が示された。

科学と工業 , 73, 541-547 糖尿病等の疾患で自己血糖測定などにポイント・オブ・ケア・テスティング(POCT)システムが活用されているが、その他の診断項目でも様々な検討がなされている。POCTシステムは測定装置がコンパクトで試薬調製が不要であり、さらに即時応答が可能であるためベッドサイドや開業医さらには在宅ケア等の、より患者に近い場所での臨床検査に適していると考えられている。このようなシステムが発達した背景には、ドライケミストリーやバイオセンサーさらには半導体等の技術が大きく関与していると考えられる。本論文では、具体的な実用例を示しながらPOCTシステムの技術的な特徴である測定方法とこれに応じた測定原理を中心にその内容を述べ、今後の展開について要約する。

(大阪工研協会)

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(岩田建、渡辺光雄、近藤仁司:執筆指導)

Ⅳ.食品分析に関する研究

開発(1論文)

①.耐熱性酢酸キナーゼを用い 共著 1997年

たワイン中の酢酸測定

(黒坂啓介、近藤仁司、鈴木直生、松土俊秀、横塚弘

毅:実験指導、執筆指導)

Ⅴ.酵素に関する研究開発

(7論文)

①.耐熱性アミノ酸脱水素酵素 共著 1995年

の遺伝子組換え技術による開

(黒坂啓介、近藤仁司、永田和彦:実験計画立案、実

験指導、執筆指導)

②. NAD-Specific 6-Phospho- 共著 1996年

gluconate Dehydrogenase from

Lactic Acid Bacteria(査読付)

(小原仁実、内田和之、矢幡正人、近藤仁司:実験計画画立案、実験指導、執筆指導)

③.ソルビトール測定用酵素--- 共著 2001年

ソルビトール測定とその臨床的

意義

(黒坂啓介、川瀬至道、内田和之、近藤仁司:実験計

画立案、実験指導、調査全般、執筆全般)

④. Purification and Characteri- 共著 2004年

zation of NAD-Specific 6-Phos-

phogluconate Dehydrogenase

from Leuconostoc lactis SHO-

54(査読付)

(小原仁実、ロイ・ラッセル、内田和之、近藤仁司:実

験計画立案、実験指導、執筆指導)

その他、この分野では以下

の3論文がある。

⑤. Identifocation and Growth 共著 1998年

of Leuconostoc sp. SHO-54

Highly Producing NAD-Specific

6-Phosphogluconate Dehydro-

genase(査読付)

(小原仁実、矢幡雅人、内田和之、近藤仁司:実験指

糖尿病等の疾患で自己血糖測定などにポイント・オブ・ケア・テスティング(POCT)システムが活用されているが、その他の診断項目でも様々な検討がなされている。POCTシステムは測定装置がコンパクトで試薬調製が不要であり、さらに即時応答が可能であるためベッドサイドや開業医さらには在宅ケア等の、より患者に近い場所での臨床検査に適していると考えられている。このようなシステムが発達した背景には、ドライケミストリーやバイオセンサーさらには半導体等の技術が大きく関与していると考えられる。本論文では、具体的な実用例を示しながらPOCTシステムの技術的な特徴である測定方法とこれに応じた測定原理を中心にその内容を述べ、今後の展開について要約する。

ASEV日本ブドウ・ワイン学 中等度好熱菌由来の耐熱性酢酸キナーゼを用いてワイン中の酢酸を定量できる試薬を開発した。該試薬の基本性能は良好で、蒸留法やHPLC法とも良く相関した。本法は1回の測定時間が10分と従来法より短く、高精度に定量できることが判り、ワイン醸造における品質管理に使用可能であることが示された。

会会誌 , 8, 230-231(日本ブドウ・ワイン学会)

生物試料分析 , 18, 294- 分析用酵素や有用物質合成用酵素として有用なアミノ酸脱水素酵素の工業的規模での生産例は殆どなかったため、中等度好熱菌由来の各種アミノ酸脱水素酵素の遺伝子組換えによる生産技術を開発した。耐熱性酵素の高い安定性を利用した活性染色法による効率的なクローン株選択法の考案、培養後の発酵槽内での溶菌操作技術の確立、等により生産性を遺伝子給源に比べて数百倍にも増強することができた。

298(生物試料分析学会)

Biosci. Biotech. Biochem. , 分析用酵素として有用な6-ホスホグルコン酸脱水素酵素を17種の乳酸菌中にスクリーニングした。該酵素は補酵素特異性により3タイプ(NAD特異的、NADP特異的、補酵素非特異的)に分類できることが判った。この中でヘテロ発酵経路を有する2株が利用の観点から有用なNAD特異的な該酵素を高濃度に含有することが示され、蛋白質当りの該酵素活性も他のタイプの酵素に比べて高いことが判った。

60, 692-693(日本農芸化学会)

BIO INDUSTRY , 18, 5-11 糖尿病合併症ではポリオール代謝異常により合併症の標的組織や赤血球中におけるソルビトールの蓄積が報告されている。このような生体液中のソルビトールを特異的かつ簡便に測定可能な酵素を自然界から新たにスクリーニングし、新規なソルビトール脱水素酵素を見出した。その大量生産法を開発し、基本性能を把握して、紫外部吸収法による新規なソルビトール測定法を開発した。

(シーエムシー出版)

J. Biosci. Bioeng. , 98, 126- 乳酸菌由来6-ホスホグルコン酸脱水素酵素を精製し、その基本性能を明らかにした。本酵素の乳酸菌内での代謝経路における意義を考察し、また、臨床検査においてNADを補酵素とする各種脱水素酵素の増感反応に有効に利用できることを示した。

128(日本生物工学会)

World J. Microbiol. Leuconostoc strain SHO-54は牛糞から単離された菌で、NAD特異的6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6-PGDH)を高活性に含んでいる。6-PGDHは6-ホスホグルコン酸の測定に有用な酵素であり、その供給源である本菌の株を同定し、酵素高生産のための培養条件を明らかにすることは重要である。

Biotechnol. , 14, 143-144(ラピッド・サイエンス出版)

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導、執筆指導)

⑥. NAD and NADP Utilization 共著 1998年

by Hetero-Lactic Acid Bacteria

(査読付)

(小原仁実、矢幡雅人、内田和之、近藤仁司:実験指

導、執筆指導)

⑦. Dissimilation of Lactic 共著 2001年

Acid and Ethanol in Aerobic

Culture in Leuconostoc lactis

SHO-54(査読付)

(小原仁実、矢幡雅人、内田和之、近藤仁司:実験指

導、執筆指導)

Ⅵ.抗体触媒に関する研究

(1論文)

①. Toward the Antibody-Cata- 共著 1998年

lyzed Chemiluminescence.

Design and Synthesis of Hapten(査読付)

(澤匡明、今枝泰宏、平竹潤、藤井亮太、梅下律子、

渡辺光雄、近藤仁司、小田順一:実験指導)

(その他)

Ⅰ.受賞論文(1論文)

①.耐熱性酵素の工業的生産と 共著 1997年

利用

(中島宏、永田和彦、影山雅夫、近藤仁司:一部(1/

2)の実験計画立案、該当部分の実験、執筆全般)

Ⅱ.特許

1.ATP再生産システム及

び有用物質生産に関する研究

開発(9特許)

①.複合酵素法による生理活性物 共著 1984年公開

質の製造法

(本特許に関連する特許は他に

以下の8件の特許がある:

  特開昭58-129970号

  特開昭58-209990号

  特許第1703138号

  特開昭60-203197号

  CA 1 194 827号(カナダ)

  USP 4,554,276号(米国)

  USP 4,882,276号(米国)

  EPC 0 084 975号(欧州))

2.臨床診断薬に関する研究

開発(40特許)

①.クレアチンキナーゼ定量用試 共著 1986年公開

Jap. J. Lactic Acid 7株のLeuconostoc と2株のLactobacillus を含むヘテロ乳酸菌中の各種酵素活性を無細胞抽出液で測定した。2株中の6-ホスホグルコン酸脱水素酵素はNAD特異的であり、他の7株の酵素は補酵素としてNADとNADPの両方を利用できた。また、全ての菌株はD-乳酸脱水素酵素を含み、2株はL-乳酸脱水素酵素も含んでおり、いずれの乳酸脱水素酵素ともNADのみを利用できた。さらに、全ての菌株にはNADとNADPの両方を利用できるアルコール脱水素酵素が含まれていた。

Bacteria , 9, 2-4(日本乳酸菌学会)

Shimadzu Review , 58, 73- Leuconostoc lactis SHO-54株を嫌気的及び好気的に培養した。好気的培養の方が嫌気的培養に比べてグルコースが完全に消費される時間は同等であったが、細胞重量は好気的培養の方が多かった。一方、酢酸は両条件で生成されたが、好気的条件ではグルコース消費後にその生成量が増加する一方、乳酸とエタノールは好気的条件でグルコースが消費後に減少した。他方、嫌気的条件ではこれらの物質の生産は一定であった。

76(島津製作所)

Bioorg. Med. Chem. Lett. , アダマンチルフェニルジオキサン誘導体の抗体触媒により生成される物質のケミルミネッセンス反応を開発する目的で、抗体産生用のハプテンを合成し、1、2-ジオキセタンに分解できる抗体触媒を見出した。

8, 647-652(エルセビア・サイエンス出版)

日本農芸化学会誌 , 71, 室温付近でも高い触媒活性を有する耐熱性酵素を生産する給源として中等度好熱菌に早くから着目し、耐熱性酵素の製造及び利用技術の工業化に世界に先駆けて成功した技術内容を要約した。その端緒は優秀な好熱菌の分離と工業的規模での連続培養技術の確立であり、高精度や安定性が要求される臨床分析技術への適用や高い効率と収率が必要な有用物質の工業生産技術等への発展につながった技術内容を紹介した。

879-886(日本農芸化学会)

特許第1737603号 ATPのエネルギーを利用して各種の化合物を合成する酵素反応系と酵素的ATP再生産系を組合わせて、ペプチドや糖リン酸化合物等の生理活性を有する各種の有用物質を製造する方法をクレームした。

特許第1907401号 クレアチンキナーゼ測定試薬を2試薬系に分け、試薬構成成分を異なるpHの2試薬のどちらかに分配して安定化を図り、かつ安定な耐熱性グルコキナーゼを利用した、2試薬系でのクレアチンキナーゼ定量用試薬をクレームした。本試薬開発により試薬調製後の安定性が大幅に増加し、かつ測定対象の血清中に存在する測定妨害物質の影響を受けない正確で、高精度な定量用試薬を提供することができた。

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(本特許に関連する特許は他に

以下の7件の特許がある:

  特許第1825489号

  特許第3045190号

  特許第4050384号

  特開平11-032758号

  特開2000-041698号

  USP 4,740,458号

  USP 4,888,289号)

②.アミラーゼ活性測定用試薬 共著 1986年公開

及び測定方法

(本特許に関連する特許は他に

以下の1件の特許がある:

  USP 4,812,398号(米国))

③.γ-グルタミルトランスペプチ 共著 1988年公開

ダーゼ定量用試薬

(本特許に関連する特許は他に

以下の5件の特許がある:

  特開昭63-094996号

  特開昭63-094997号

  特開昭63-094999号

  特許第3078343号

  USP 5,126,245号(米国))

④.マグネシウムイオン定量用 共著 1989年公開

試薬

(本特許に関連する特許は他に

以下の2件の特許がある:

  特開平04-816650号

  USP 5,683,889号(米国))

⑤.カルシウムイオン測定用試 共著 1992年公開 特許第2533236号

(本特許に関連する特許は他に

以下の3件の特許がある:

  特開平07-170999号

  特開平08-256794号

  USP 5,902,730号(米国))

⑥.直接型ビリルビンまたは総 共著 1993年公開

ビリルビン測定用試薬

(本特許に関連する特許は他に

以下の10件の特許がある:

  特許第2856757号

  特許第2963453号

  特許第2846179号

  特許第3177900号

  特許第2911696号

  特許第3091094号

  特許第3714689号

  特許第3727392号

  USP 5,104,794号(米国)

  USP 5,999,661号(米国))

⑦. Test Strip for Creatine 共著 1999年公開

Kinase Activity Measurement

(本特許に関連する特許は他に

以下の1件の特許がある:

  特開平11-253193号)

クレアチンキナーゼ測定試薬を2試薬系に分け、試薬構成成分を異なるpHの2試薬のどちらかに分配して安定化を図り、かつ安定な耐熱性グルコキナーゼを利用した、2試薬系でのクレアチンキナーゼ定量用試薬をクレームした。本試薬開発により試薬調製後の安定性が大幅に増加し、かつ測定対象の血清中に存在する測定妨害物質の影響を受けない正確で、高精度な定量用試薬を提供することができた。

特許第1858869号 第一試薬に含まれるグルコースリン酸イソメラーゼとホスホフルクトキナーゼを用いて第一試薬中で生成したグルコース-6-リン酸を第二試薬に含まれる基質マルトペンタオース添加前に予め反応系外に除去できる2試薬系でのアミラーゼ活性測定試薬をクレームした。本試薬開発により血清中に存在するグルコースやマルトース、及び他の測定妨害物質の影響を受けない、正確で、高精度、高安定性の定量用試薬を提供することができた。

特許第2501801号 γ-グルタミルジペプチドを受容体基質グリシルグリシンに転移し、生成する各種アミノ酸を該当する耐熱性アミノ酸脱水素酵素により化学量論的にケト酸とNADHに変換することを特徴とするγ-グルタミルトランスペプチダーゼ活性の新規な定量用試薬をクレームした。本試薬開発により血清中に存在する測定妨害物質の影響を受けない正確で、高精度の定量用試薬を提供することができた。

特許第2136242号 グルコキナーゼはATPとマグネシウムイオンの存在下、グルコースをリン酸化する反応を触媒するが、本酵素がATPとマグネシウムイオンの複合体を本来の基質とする性質を利用して血清中のマグネシウムイオンをレート法で測定できる定量用試薬をクレームした。本試薬開発により、従来の色素結合反応に基づく定量用試薬の欠点(血清中測定妨害物質による影響)を失くした正確で、高精度、かつ安定性の高い定量用試薬を提供することができた。

ホスホリパーゼD(PLD)活性がカルシウムイオンにより活性化される現象を利用して、簡便で、実用性の高いカルシウムイオンの酵素的測定法を確立した。反応原理はPLDを含む第一試薬とサンプルを混合後、PLDの基質を含む第二試薬を添加して反応を開始し、生成するキノン色素量をレート法で追跡するものである。この反応系にカルシウムイオン以外の2価金属イオンを添加するとカルシウムイオン測定域が大きく拡大でき、実用に供せる基本性能を示すことが判明した。

特許第2911696号 弱アルカリ性条件下と陰イオン界面活性剤存在下で全てのビリルビン種を、また、弱酸性条件下とビリルビンへの選択性を向上させる試薬成分存在下で直接型(抱合型)ビリルビンのみを、ビリルビン酸化酵素で酸化することにより総または直接型ビリルビンを測定できる定量用試薬をクレームした。特に本試薬開発により、従来煩雑なHPLC法のみで可能であった抱合型ビリルビンを汎用的な自動分析装置で測定できる様にできた。

USP 6,130,054号(米国) 血液中のクレアチンキナーゼ活性を簡便に測定するためのテストストリップをクレームした。本ストリップにはクレアチンキナーゼ活性を酵素的に測定できる試薬成分、及びジアホラーゼとホルマザン色素も含浸させ、更にはより精密な心筋梗塞の診断が可能なクレアチンキナーゼアイソザイムに特異的な抗体も含浸させることができ、本ストリップにより簡易な測定装置で色素量をの変化を追跡して目的のクレアチンキナーゼ活性を定量することができた。

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⑧その他の臨床診断薬に関連

する特許は他に以下の4件の

特許がある:

  特許第2080851号

  特許第3045191号

  特開平05-260996号

  特開平07-250698号

3.食品分析に関する研究開

発(1特許)

①.糖類測定用試薬 共著 1987年公開

4.酵素に関する研究開発

(13特許)

①.6-ホスホグルコン酸脱水素 共著 1995年公開

酵素とその製造法

(乳酸菌由来酵素に関連する

特許は他に以下の4件の特許

がある:

  特許第3773283号

  特開平09-023878号

  特開平10-084946号

  特開平10-113170号

②.耐熱性ジアホラーゼ遺伝子 共著 1998年公開

(本特許に関連する特許は他に

以下の1件の特許がある:

  USP 6,146,862号(米国))

③.改変型フラビンアデニンジヌ 共著 2010年国際公開

クレオチド依存性グルコースデ

ヒドロゲナーゼ

④.その他の酵素に関連する特

許は他に以下の5件の特許が

ある:

  特許第3188576号

  特許第3745803号

  特開平09-238678号

  特開平11-018760号

  特開平11-018762号

Ⅲ.国際会議プロシーデ

ィングス(10件)

①. Inhibition Mechanism of Amy- 共著 1978年

lase Inhibitor from Kidney Bean

(Phaseolamin) for Porcine Pan-

creatic α-Amylase

②. An ATP Recyling System 共著 1984年

Using Thermostable Acetate

Kinase and Its Application for

the Peptide Synthesis

③. Thermostable Enzymes and 共著 1987年

Their Application

(Taipei)

④. Thermostbale Glucokinase 共著 1989年

特許第1889359号 グルコキナーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びホスホフルクトキナーゼからなる試薬と糖のリン酸エステル及び糖類をグルコースに変換する酵素からなる試薬とを組合わせて食品中のグルコース、フラクトース、ショ糖、等の糖類を測定する試薬を開発した。

特許第3150868号 各種の乳酸菌の中から分析用酵素として有用な6-ホスホグルコン酸脱水素酵素を含有する乳酸菌を特定し、高濃度培養、高効率精製して、該酵素の製造法を確立し、また該酵素の諸特性をクレームした。該酵素はNADH生成反応の増感に有用な酵素であることを明らかにした。

特許第3953578号 ジアホラーゼは各種NADH生成反応を可視部吸収に導く有用な酵素であり、特に好熱菌由来の該酵素は高い安定性が評価されて実用に供されているが、遺伝子に関する情報はなかった。本特許では好熱菌B. stearothermophilus のゲノム遺伝子から該当する本酵素の遺伝子を単離し、塩基配列、アミノ酸配列を決定し、その遺伝子構造をクレームした。

WO2010-053161号 バイオセンサーやバイオ電池用酵素として有用性が期待されている各種のグルコース脱水素酵素の機能改変方法及び改変酵素をクレームした。遺伝子源は既に判明しているAspergillus 等のゲノム遺伝子情報から類似酵素の遺伝子情報を基に該酵素の遺伝子を検索し、数学的な解析による遺伝子の分子系統樹比較に基づく改変部位の設定と改変操作により従来にない、かつ市場で望まれる機能(Km値、比活性、耐熱性、等)を有する改変酵素が構築できた。

Fifth International Congress

of Food Science and Tech-

nology (Kyoto)

Fourth FAOB Synposium

and IUB Symposium No. 135

(Manila)

Workshop on Biotechnology

---Bioreactor and New

Separation Technology

10th Enzyme Engineering

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Page 12: 教 育 研 究 業 績 書...学博士の学位取得のための側面支援を実施した。高卒者・高専卒者からの選抜者を対象に将来の上級 技術者を養成する機関において、一般化学及び分析

from Bacillus stearothermo-

philus and Its Analytical Appli-

cation

⑤. Simultaneous Automated 共著 1991年

Measurement of Serum Crea-

tine Kinase (CK) and Pyruvate

Kinase (PK) by Using a Double

Kinetic Assay

⑥. Enzymatic Measurement of 共著 1993年

Serum Calcium by Using Phos-

pholipase D

⑦. Enzymes from a Thermophile 共著 1995年and Their Application to the De-

termination of Some Compo-

nents in Biological Fluids

⑧. Selectively Measurement of 共著 1998年the Conjugated Bilirubin in

Serum with Bilirubin Oxidase

⑨. Clinical Evaluation of a New 共著 1998年Enzymatic Assay for Selective

Measuring Conjugated Bilirubin

Concentration

⑩. Thermostable Enzymes and 共著 2006年Their Analytical Application

(Ikeda)

(注)

 この場合において,「氏名」は,旅券にした署名と同じ文字及び書体で自署すること。

Conference (Kashikojima)

American Association of

Clinical Chemistry 43rd

National Meeting

(Washington)

American Association of

Clinical Chemistry 45th

National Meeting (New

York)

5th International Sympo-sium on Pharmaceutical and

Biomedical Analysis

(Stockholm)

American Association ofClinical Chemistry 50th

National Meeting

(Chicago)

11th World Congress ofGastroenterology (Wien)

International Symposiumon Industrial Enzymes

5 印影は,印鑑登録をしている印章により押印すること。ただし,やむを得ない事由があるときは,省略することができる。

1 この書類は,学長(高等専門学校にあっては校長)及び専任教員について作成すること。

2 医科大学又は医学若しくは歯学に関する学部若しくは学部の学科の設置の認可を受けようとする場合,附属病院の長について

 もこの書類を作成すること。

3 「研究業績等に関する事項」には,書類の作成時において未発表のものを記入しないこと。

4 「氏名」は,本人が自署すること。

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