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地質図の歴史と地質図学 (キーワード)地質図の歴史 地質図学 地層境界線 断層 地質平面図 地質断面図 地質図とは 地質図というのは,「地表に分布する岩体や地層の状態を地形図の上に表現したもの」(岡本・堀,2003 )である. しかし,北海道を含む日本では湿潤な気候であるため,地表は表土や植生に覆われていて,広い範囲すべての地質を 観察することは難しい.そこで,比較的地質が露出しやすい沢を中心に踏査を行って露頭の記載をする.その結果を まとめたものが踏査図(ルートマップ)である.建設工事に関わる地質調査では,踏査による地質情報のほかにボー リングやトレンチなどによって詳細な地質情報を得られ,各種の検層や物理探査で地質情報を補うことができる.こ のようにして部分的に得られた地層の分布や性質を一定の規則に基づいて平面図あるいは断面図として表現し,三次 元的な地質の分布を把握する技術が地質図学である. 踏査段階では,その日の踏査結果をまとめると,今日見た地層や断層が明日踏査する隣の沢のどの辺りで出現する か,地質図学を使って予測することができる.予測が的中したときの喜びは踏査の楽しみの一つである.そして,露 頭などの情報をもとに踏査地域全体の地質構成・分布,地質構造を地質図として表現する. つまり,「地質図学には,ある場所で得た地質の情報から別の場所の状態を推測するという予測的な側面と,ある 範囲内で推定された地質のモデルを地形図の上に表現するという技法的な側面の,二つの役割がある」(岡本・堀, 2003 )ということになる. 地質図には,地質平面図,地質断面図,水平断面図,展開図などがある.これらの地質図は相互に整合性がとれて いなければならない.つまり,三次元的に矛盾のないものであることが必要である.地質図は地表面での地質の分布 を表したものであるが,地下の構造が反映されているので地質図学の基本を習得していれば,地質図からある程度地 下の構造を読み取ることができる.同時に,地質図には地層の成り立ちの歴史(地史)も表現されているので,地質 図を読むことによって,その地域で地質時代に何が起きたのかを想像することができる. 世界で最初の地質図 世界で最初の地質図は,1815 年 8 月 1 日に刊行されたウィリアム・スミス(1769−1839)の地質図である.この地 質図は「 イングランドとウェールズおよびスコットランドの一部の地層の描写図 」というタイトルである.この地質 図の地質の分布,地質構造は,全体として現在の地質図と比べても大きな間違いはないと言われている. イギリスで最初の地質図が生まれたのは,18世紀の後半からの産業革命の時期である.特に,ワットの蒸気機関は 燃料として石炭を必要とした.石炭を運ぶには,運河を建設し舟で運ぶのが最も効率的である.そのために,イング ランドの各地で運河が建設された.石炭を掘るのにも坑内の水を汲み上げるのにも蒸気機関が使われ,出炭量が飛躍 的に増大した.このような時代にスミスは育ち,1787 年(18 才)の時に測量士として仕事を始めた.その後,炭鉱 で働くようになり立坑の観察から地層の重なり方に法則性(地層累重の法則)があり,含まれている化石によって地 質年代が決定でき,離れた場所でも地層を対比できる(地層同定の法則)ことに気付いた.スミスは地層の三次元的 な拡がりを実感することが出来たのである.その後,スミスは運河建設のための測量の仕事に従事しながら地質図学 の基本を現地の露頭から学んでいった. この当時の地質学は次のような段階にあった.つまり,ジェイムス・ハットンが「地球の理論」を出し,現在の地 質現象をもとに過去の地質現象を合理的に説明できると説いた(斉一説)のが1795年,チャールス・ライエルが「地 質学原理」を出版したのは 1831〜1833 年である.

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地質図の歴史と地質図学

(キーワード)地質図の歴史 地質図学 地層境界線 断層 地質平面図 地質断面図

地質図とは

地質図というのは,「地表に分布する岩体や地層の状態を地形図の上に表現したもの」(岡本・堀,2003)である.

しかし,北海道を含む日本では湿潤な気候であるため,地表は表土や植生に覆われていて,広い範囲すべての地質を

観察することは難しい.そこで,比較的地質が露出しやすい沢を中心に踏査を行って露頭の記載をする.その結果を

まとめたものが踏査図(ルートマップ)である.建設工事に関わる地質調査では,踏査による地質情報のほかにボー

リングやトレンチなどによって詳細な地質情報を得られ,各種の検層や物理探査で地質情報を補うことができる.こ

のようにして部分的に得られた地層の分布や性質を一定の規則に基づいて平面図あるいは断面図として表現し,三次

元的な地質の分布を把握する技術が地質図学である.

踏査段階では,その日の踏査結果をまとめると,今日見た地層や断層が明日踏査する隣の沢のどの辺りで出現する

か,地質図学を使って予測することができる.予測が的中したときの喜びは踏査の楽しみの一つである.そして,露

頭などの情報をもとに踏査地域全体の地質構成・分布,地質構造を地質図として表現する.

つまり,「地質図学には,ある場所で得た地質の情報から別の場所の状態を推測するという予測的な側面と,ある

範囲内で推定された地質のモデルを地形図の上に表現するという技法的な側面の,二つの役割がある」(岡本・堀,

2003)ということになる.

地質図には,地質平面図,地質断面図,水平断面図,展開図などがある.これらの地質図は相互に整合性がとれて

いなければならない.つまり,三次元的に矛盾のないものであることが必要である.地質図は地表面での地質の分布

を表したものであるが,地下の構造が反映されているので地質図学の基本を習得していれば,地質図からある程度地

下の構造を読み取ることができる.同時に,地質図には地層の成り立ちの歴史(地史)も表現されているので,地質

図を読むことによって,その地域で地質時代に何が起きたのかを想像することができる.

世界で最初の地質図

世界で最初の地質図は,1815年8月1日に刊行されたウィリアム・スミス(1769−1839)の地質図である.この地

質図は「イングランドとウェールズおよびスコットランドの一部の地層の描写図」というタイトルである.この地質

図の地質の分布,地質構造は,全体として現在の地質図と比べても大きな間違いはないと言われている.

イギリスで最初の地質図が生まれたのは,18世紀の後半からの産業革命の時期である.特に,ワットの蒸気機関は

燃料として石炭を必要とした.石炭を運ぶには,運河を建設し舟で運ぶのが最も効率的である.そのために,イング

ランドの各地で運河が建設された.石炭を掘るのにも坑内の水を汲み上げるのにも蒸気機関が使われ,出炭量が飛躍

的に増大した.このような時代にスミスは育ち,1787年(18才)の時に測量士として仕事を始めた.その後,炭鉱

で働くようになり立坑の観察から地層の重なり方に法則性(地層累重の法則)があり,含まれている化石によって地

質年代が決定でき,離れた場所でも地層を対比できる(地層同定の法則)ことに気付いた.スミスは地層の三次元的

な拡がりを実感することが出来たのである.その後,スミスは運河建設のための測量の仕事に従事しながら地質図学

の基本を現地の露頭から学んでいった.

この当時の地質学は次のような段階にあった.つまり,ジェイムス・ハットンが「地球の理論」を出し,現在の地

質現象をもとに過去の地質現象を合理的に説明できると説いた(斉一説)のが1795年,チャールス・ライエルが「地

質学原理」を出版したのは1831〜1833年である.

図1 ウィリアム.スミスの地質図

(ウィキペディア パブリックドメイン 2008年12月11日 (木) 00:45版)

日本で最初の地質図

日本で最初の本格的な広域地質図は,B.S.ライマンらによって1876(明治9)年5月10日に出版された「日本蝦

夷地質要略之図」(縮尺 200 万分の 1)である.この地質図作成には,ライマン,モンローのほかに山内徳三郎を含

む13人の日本人技師が従事した.この地質図では北海道全体の地質分布を示している.また,石炭の採掘可能埋蔵

量を算出しているほか,資源として泥炭,石油,硫黄,鉄砂,沙金,亜鉛・鉛・銅,マンガン,石灰岩について,そ

の分布の概要を述べている.

ライマンの家系は,1654年にアメリカ,マサチューセッツ州ノースハンプトンンに最初に移住してきて定着した名

門である。ライマンは,純粋なヤンキー気質を持っていたと考えられる。1835年生まれで,1855年,19才で「ワシ

ントン ケンブリッジを再訪」という卒業論文を書いてハーバード大学を卒業した。その後,叔父,P.レスリーの地

質調査の手伝いをしながら力を付けた。さらに,ドイツのフライベルク鉱山学校で鉱山学を学んだ。1873 年 1 月に

助手のH.S.マンローとともに来日した。

この当時は,アイヌの通う道があったとは言え,ほとんど人跡未踏の地で測量をしながら石炭などの露頭を追跡し,

地質図を作成し,埋蔵量を算出するという作業を行った.1873(明治6)年から1875(明治8)年にかけて3年間の

踏査によってこの地質図を作成したのである.この当時の地質調査の主要な目的は石炭を初めとする資源開発であっ

た.

地質平面図の読み取り

地質図(地質平面図)は三次元的な地質の広がりを平面に表現するための工夫が色々と凝らされている.地層境界

や断層の表示,地層の走向・傾斜の表示などである.最も初歩的なことは,等高線(地表の凹凸)と地層境界あるい

は断層との関係を地質図から読み取ることである.それによって,地層の走向・傾斜や上下関係を平面図から読み取

ることができる.

ただし,火山岩地域などでは地質層序が把握できない場合があり地質図は「足で稼いで」作ることになる.また,

付加体堆積物分布地域では地質層序は成り立たない場合がある.このような地域では既存の地質図を十分に吟味し,

踏査により補足して全体の地質図を作成する必要がある.

地質図の例を示し,そこから何が読み取れるかを述べる(図2参照).

図2 地質図から何が読み取れるか

(5万分の1地質図幅「遠別」の一部:産総研承認番号;第60635130-A-20130226-002号)

この地質図は,非常にデータの豊富な地質図である.この地質図から何が読み取れるか.

まず,③の地層であるが,地形線と地層境界の関係から走向・傾斜が東では西傾斜,西では東傾斜である.つまり,

この地層の西の境界を見ると尾根の部分で西に凸になっているので,東に傾斜していることが分かる.東の境界では

逆になっている.したがって,この地層は褶曲していて,中心に描かれている赤い線は向斜を示している.西側の①

の地層は背斜構造の中心で,下位の地層が顔を出していることも分かる.

このことが分かれば,この付近の地層は①,②,③,④,⑤の順で下位から上位の地層となっていると判断出来る.

また,⑥が背斜軸で,⑦が向斜軸であることも読み取れる.

地層と地形の関係

今述べたような地層と地形との関係を平面図から読み取ることは,地質図学の基本的な技術である.頭のなかで地

層の平面的な分布のしかたをイメージできるようになればしめたものである.これについて説明する.

図3 地層境界と地形の関係

(藤田ほか,1984,15pに加筆)

沢で地層の走向・傾斜を測ることが出来れば,図学で

地層線を描くことが出来る.この図の場合,地層の走向

は南北で東(下流)に30度で傾斜している.

図の下に示したように,走向方向に線を引いて等高線

と地層の傾斜を描く.この地層の傾斜と等高線の交点を

上に伸ばして平面図の等高線との交点を記していくと地

層の分布を描くことが出来る.

地層の幅

平面図に現れる地層の幅は、1)地層の幅そのものの変化、2)地層の傾斜の変化、3)地表面の傾斜の変化によっ

て変わってくる。

図4 地層の幅の変化

(藤田ほか,1984,17pによる)

上:どの地層も地層面に直角方向の厚さは同じで、地

表面はいずれも水平である。地層の傾斜が変化す

るために地表での地層の幅が変わってくる。

下:地層の傾斜・厚さは変わらないが地表面の傾斜が

変化するために地表での地層の幅が変わってく

る。

断層の描き方

断層には縦ずれ断層と横ずれ断層がある.実際の断層は水平変位と断層面の傾斜方向変位の両方の成分を持ってい

る.

縦ずれ断層:正断層・逆断層・衝上断層(スラスト:逆断層のうち断層面の傾斜が45度以下のもの)

横ずれ断層:右横ずれ断層(断層の向こう側が右に動いているもの)・左横ずれ断層

断層の描き方を図5で説明する.ただし,これは原理的な話であり,実際の踏査では露頭で断層の変位量を測定す

ることは難しいことが多い.断層を挟んだ両側での地層の変位量(図5のx’)は,断層の傾斜と地層の傾斜の関係で

変わる.

図5 断層の描き方

(藤田ほか,1984,19pに加筆)

この図で,中央は尾根である.実線は断層で,点線が地層

境界である.等高線との関係からこの断層は右に急傾斜で傾

いていることが読み取れる.

地層境界は,走向がこの図の上下方向で,傾斜が左方向で

ある.

断層の右側で地層境界の走向・傾斜が把握出来て平面図上

に地層境界を落としていって断層のところに来た場合,断層

を境にズレ(左側の図のx’)が生じているはずである.地層

の傾斜がδ,断層の傾斜がγで断層の落差(h’)が分かって

いる場合,x’=h’cotδ+h’cotγとなる.断層を挟んで同じ等高

線上でのズレ(x’)が分かるので断層の左側の地層境界線を

引くことが出来る.

塗色

地質図全体の色を統一することも考えられたことがあったが,これといった決まりはないようである.ここでは,

「土木地質図作成マニュアル」(日本応用地質学会,1999,9p)の例を示す.

表1 地質年代による着色の例

地質年代 基本的着色

第四紀 完新世 淡黄,水色など淡く,明るい色

更新世 淡黄,水色など

古・新第三紀 貴,淡褐,青,橙,黄緑,緑など,古くなるにしたがってこい色に

中生代 緑,青,藍,紫など濃い色

古生代 灰,茶,暗褐など暗い色

表2 火成岩分布南緯の着色の例

分類または名称 基本的着色 分類または名称 基本的着色

酸性岩類 赤,桃など赤系統 (超)塩基性岩 濃緑,濃青,紫など濃い色

花崗岩 赤,桃など 斑れい岩 黄緑,緑など

花崗斑岩 橙,橙黄など 輝緑岩 濃緑,濃青など

流紋岩 桃,橙など 玄武岩 暗褐,紫など

中性岩類 橙,茶など茶系統 かんらん岩 濃緑,紫など

閃緑岩 桃,橙など

ひん岩 橙,桃など

安山岩 橙,茶,暗褐など

表3 堆積岩分布杯の着色の例

分類または名称 基本的着色 分類または名称 基本的着色

泥質岩 淡青系統 有機質岩 黄,青など

泥岩 水,灰など チャート 黄,灰など

頁岩 青,黄緑など 石灰岩 青,水など

粘板岩 茶,黄緑など 火山性堆積岩 桃,茶など

砂質岩 黄系統 凝灰岩 桃,橙など

砂岩 黄,黄緑など 溶結凝灰岩 茶,暗褐など

硬砂岩 黄,灰など 凝灰角礫岩 橙,桃など

礫質岩 茶系統 火山角礫岩 橙,茶など

礫岩 茶,緑など

表4 変成岩分布範囲の着色の例

名称 基本的着色 名称 基本的着色

片麻岩 赤,桃,橙など 珪岩 黄,橙など

ホルンフェルス 橙,茶,紫など 千枚岩 茶,暗褐など

片岩類 緑,茶,青など 蛇紋岩 紫,濃青など

地質記号

地質記号の最新のものについては,「全地連報告書」に詳しく述べられている.

(http://www.zenchiren.or.jp/houkoku/index.html)

地質記号は出来るだけ一般的なものを用いて,特殊な記号を新たにつくるのは,できるだけ控えた方が良い.記号

の凡例は必ず付ける.特に,応用地質的な地質図では,「土木地形地質図」が要求され,地質記号だけでなく地すべ

りや崩壊などの地形記号も含まれるので,漏れのないように注意する.平面図には必ず方位を記入し,平面図・断面

図とも縮尺を明示する.平面図と横断図では記号の種類が異なることがあるので,その点にも注意して漏れのない親

切な凡例を付ける.

地質断面図

広域的な地質平面図では,ある程度地質構造を読み取ることが出来る.しかし,土木地形地質図では特定の地域の

詳しい平面図が要求されるので,縦断図・横断図は必須である.ダム調査では水平断面図を必ず作成するし,施工中

のトンネル地質調査では展開図を作成する場合も出てくる.これらを作成するときのポイントは三次元的に矛盾のな

い図面を作成することである.

三次元での地質情報の表示についても,「全地連報告書」で詳しく述べられていて,実用化されているソフトが紹

介されている.しかし,電子的に処理されたものでも間違いが混入する余地は多い.それを防ぐためには地質図学の

基礎的な素養を身につけておくことが大事である.

地質断面図で最初に重要なことは,どの位置で断面を切るかを決めることである.例えば,地すべりの場合は対策

工を考慮して,最もすべり面が深くなると予想される位置,必要抑止力が最も大きくなる位置が主測線となる.道路

の詳細調査であれば20m毎に地質横断図を作成することになる.このような決まった位置のほかに,地質構造が最も

よく表現出来る位置での横断図が必要になる場合もある.

断面と地層の走向が直角でない場合は,地層の傾斜を補正(見かけの傾斜に直す)しなければならない.共線図表・

共点図表を用いる.

以上,地質図学の本の基本について述べた.以下に参考文献を示すので,これらを用いて訓練し実際に役立てるこ

とができるよう技術を磨くことが必要である.

参考文献

天野一男・秋山雅彦(2004)フィールドジオロジー入門.共立出版.

*野外調査の方法とそのまとめ方を簡潔に述べた本である.

岡本 隆・堀 利栄(2003 )地質図学演習。古今書院.

*地形図を見て景色を想像することから始まって,ルートマップから柱状図を作成する手法までの演習問題を揃

えた本である.基礎的な知識を持ってから演習に取り組めばかなりの力がつく.「解答編」もある.

木村 学(2013)地質学の自然観。東京大学出版会.

*地質学がどう発展してきたのか,その基本原理は何かといったことから始まり,これからの地質学の方向性を

示している.「現代的斉一主義」がキーワードとなっている.

小玉喜三郎・磯部一洋・湯浅真人(2004)見方・使い方 地質図.オーム社.

*いろいろな地質図について,実物を示して解説している.

柴 正博(2009)地質調査入門 第3版。駿河湾団体研究グループ。

*小冊子であるが必要な図など,実際に役に立つ資料が豊富に掲載されている.入手先は下記のところである.

<http://www.dino.or.jp/shiba/survey/index.htm>

全国地質調査業協会連合会(2003)「全地連“次世代CALS”対応研究会 報告書」

<http://www.zenchiren.or.jp/houkoku/index.html>

*土木地質図に関連した情報が網羅されている.

日本応用地質学会(1999)土木地質図作成マニュアル.

*土木工事で必要な地質情報を集成したものが土木地質図である.一般的な土木地質図の表現方法の解説と工事

の種類ごとの土木地質図が掲載されている.眺めるだけでも参考になる.

日本工業規格,JIS A 0204 地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示.2002-制定,2008-改正.

日本工業規格,JIS A 0205 ベクトル数値地質図-品質要求事項及び主題属性コード.2008-制定.

日本工業規格,JIS A 0206 地質図-工学的地質図に用いる記号,色,模様,用語及び地層・岩体区分の表示とコー

ド群.2008-制定.

*地質図についてのJIS規格である.日本工業標準調査会(JISC)のウェブで検索・閲覧できる.

<http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html>

福見恭子(1990−2010)ライマン雑記(初回から23回まで)。地質ニュース.

*ライマンに関する詳細な記事です.読み物として非常の面白いです.

藤田和夫・池辺 穣・杉村 新・小島丈児・宮田隆夫(1984)新版 地質図の書き方と読み方.古今書院.

*地質図の書き方について、最も親切に書かれた本である.

(この記事は日本地質学会北海道支部の「EPOCH No.66」に加筆したものです。2013年4月28日修正)

(以上)