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明日の教室
学級集団づくりとアドラー心理学
と クラス会議と
上越教育大学 教職大学院
赤坂真二
やる気のあるクラスの構造
学習者のやる気
C-Cの関係
T-Cの関係
T-Tの関係
中谷(2007)をもとに
自治的集団
• 学級のルールが内在化され、一定の規則正しい全体生活や行動が温和な雰囲気の中で展開される。
• 課題に合わせてリーダーになる子どもが選ばれ、全ての子どもがリーダーシップをとり得るようになる。
• 学級の問題は自分達で解決できる状態である。子どもたちは自他のために協力できる状態である。
• (河村 2010)をもとに
対等性
主体性
協 働
必要条件
十分条件
集団規範あたたかさ
自治的集団への道
第1段階 混沌・緊張期
第2段階 小集団成立期
第3段階 中集団成立期
第4段階 全体集団成立期
第5段階 自治的集団成立期
•(河村 2010)をもとに
集団凝集性
教育効果のある学級機能的学級における調査から
教師のかかわり 所属感と有能感
• 子どもへのかかわりの質が、子どもの関係性における安心感や積極的な貢献に影響する
• その連続性が、クラスのまとまりを高める
• 一貫性のあるかかわりが,子どもたちに一定の納得を得る
• (松崎 2006)をもとに
主体性の尊重
• 学級の“荒れ”は、心の“荒れ”
• 2000年以降、様々な心理的アプローチの紹介
• 「さまざまな心理学理論のなかで、学級経営や生徒指導の問題に直接使えて、しかもききめのある理論はほとんどないのが実情」
• 諸富 1999 より
• 学級経営や生徒指導の具体的な指針を与える
• 「学校で活かせるカウンセリング」の代表選手• 会沢 2011
学校教育における注目は
“荒れ”とともに~アドラー心理学と教育~
共同体感覚
• 自分のことだけを考えるのではなく,他の人にも関心をもっていること
• A.アドラー 岸見訳 1996
• 子どもの正常性のバロメータ• A.アドラー 岸見訳 1998
• お互いに,そして,共に持っている共感的で情緒的な絆• ハロルド・モサック他 坂本監訳 2006
余談
• なぜ,プロセスに注目することが目標を達成するのか?
• モラル・ライセンシング
• → よいことをすると悪いことをしたくなる• (マクニゴガル 神崎訳 2015)より
• サラダを見るとジャンクフードを食べたくなる
• ボランティアをすると仕事をさぼりたくなる
• 計画表を立てるとやった気になる
• エコ・カーに乗るとスピードを出したくなる
• よかれと思って延々と説教をする(マクニゴガル 神崎訳 2015)をもとに
• ① 目標達成に向けて自分はどれくらい進歩したと思いますか?
• ② 目標を達成するためにどれくらい努力していますか?
• ① 進歩した自分はエライ → さぼる
• ② 自分が望んでるから → 目標達成
(マクニゴガル 神崎訳 2015)より
クラス会議の効果
•若者たちに,人生のあらゆる領域-学校,職場,家庭,社会-で成功を収めるために必要不可欠なスキルと態度を教える(ネルセンら 会沢訳 2000)
•学級生活満足度の上昇(赤坂 2014)
•共同体感覚は高まるのか?
共同体感覚を測る
• 小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度(橋口 2012)
• 共同体感覚的自己スキーマ
• 「私は人々にプラスを与える能力がある」という信念
• 共同体感覚的他者スキーマ
• 「人々は私にプラスを与えてくれる」という信念
参考・引用文献
• 中谷素之 『学ぶ意欲を育てる人間関係づくり』,金子書房,2007
• 河村茂雄 『日本の学級集団と学級経営』,図書文化,2010
• 松崎学 「学級機能尺度の作成と3学期間の因子構造の変化」,山形大学教職・教育実践研究 1,29ー38,2006
• 諸富祥彦 『学校現場で使えるカウンセリングテクニック上』,誠信書房,1999
• 会沢信彦 「4 学級づくり・授業づくりにカウンセリングこう生かす」会沢信彦・赤坂真二 『チャートでわかるカウンセリング・テクニックで高める「教師力」』,ぎょうせい,2011
• アルフレッド.アドラー著,岸見一郎訳 『個人心理学講義』,一光社,1996
• アルフレッド.アドラー著,岸見一郎訳 『子どもの教育』,一光社,1998
• ハロルド・モサック,ミカエル・マニアッチ著,坂本玲子監訳,キャラカー京子訳 『現代に生きるアドラー心理学-分析的認知行動心理学を学ぶ-』,一光社,2006
• ケリー・マクニゴガル著,神崎朗子訳 『スタンフォードの自分を変える教室』,大和書房,2015
• ジェーン・ネルセン,リン・ロット,H・ステファン・グレン著 会沢信彦訳 『クラス会議で子どもが変わる アドラー心理学でポジティブ学級づくり』,コスモスライブラリー,2000
• 赤坂真二 「アドラー心理学に基づくクラス会議プログラムの開発に関する研究 学級生活満足度の分析から」,臨床教科教育学会,臨床教科教育学会誌,第14巻,第2号,1ー12
• 橋口誠志朗 「小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度作成の試み 中核的信念に焦点をあてて」,学校メンタルヘルス 15(2),286ー291,2012
• 新潟日報「窓」,2016年8月15日付け