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ガスを安全に取り扱うために
技術室 計測班
分析・データ処理係
松崎 剛
都市ガス 生成ガス 窒素、水素
ボンベガス 窒素、水素、ヘリウム、アルゴン、酸素など
液化ガス 液化窒素、液化ヘリウムなど
高圧ガス
実験室で使用するガス
・ 高圧ガスによる災害を防止するために制定された法律
・ 民間事業者及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し公共の安全を確保
法令
高圧ガス保安法
圧縮ガス 常温で圧縮されて気体の状態にある高圧ガス 酸素、水素、メタン、窒素、アルゴン、ヘリウム等
低温液化ガス 低温で圧縮されて液体の状態にある高圧ガス
液化窒素、液化ヘリウム、液化酸素、液化アルゴン、液化空気、 液化天然ガス等
液化ガス 常温で圧縮されて液体の状態にある高圧ガス 液化アンモニア、液化塩素、液化酸化エチレン、液化石油ガス等
溶解ガス 常温で加圧されて溶剤に溶解している状態にある高圧ガス アセチレン
容器内部の状態による高圧ガスの分類
アセトンに溶解して容器に充填することで爆発を防止
可燃性ガス 酸素や空気などと反応して燃焼するガス 水素、アセチレン、メタン 等
支燃性ガス みずから燃焼しないが燃焼を支えるガス 酸素、空気、フッ素等
不活性ガス 燃焼反応には関与しないガス 窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム等
毒性ガス 人体に機能障害(中毒)を起こさせるガス 塩素、アンモニア、一酸化炭素等
ガスの性状による高圧ガスの分類
ア セ チ レ ン
酸
素 二
酸
化
炭
素
ア ン モ ニ ア
窒 素 ・ そ の 他
水
素
塩 素
毒 燃
ボンベの色とガス名表示
ボンベの色や圧力調整器の取り付けナットの形状は日本独自のもので各国により異なっています。
毒
留学生は注意
充填ガスの種類
容器の記号、番号 耐圧試験年月
耐圧試験圧力(Kg/cm2)
最高充填圧力(kg/cm2) 内容積(L)
容器質量(Kg)
ボンベの刻印
3年に1回耐圧試験
貸与期間1年
空気の混入を防ぐため完全に使い切らず2kg/cm2程度残した状態で返却する
(0.2Mpa)
大型ボンベは壁に固定する
液化ガス、溶解ガスは横にしない!
転倒防止措置 日陰で風通しの良いところに専用の鎖で頑丈な架台にゆるみがない
ように2点固定する
温度上昇により圧力上昇 安全弁破損
移動時,保管時にはバルブ保護のキャップを
必ず付ける
直射日光× ストーブ×
小型ボンベスタンド
液体が漏れて危険
ボンベ運搬方法
移動式架台(ボンベスタンドではない)
ボンベを転がす
のは危険
必ず二人で運搬
必ず鎖をつける
当たり前ですがヒールなどは厳禁
ストップバルブ 低圧ゲージ
高圧ゲージ
圧力調整バルブ
接続ナット
ダイヤフラム
ゲージはフルスケールの 2/3 以下で使用!
圧力調整器の構造
ガス
安全弁 圧力調整器装着部
注意!
モンキーレンチ×
専用スパナ○
圧力調整器の取り付け
モンキーレンチ× 専用スパナ○
ストップバルブが 閉まっていること
圧力調整バルブが 解放になっていること
右ねじ
左ねじ ヘリウム、水素、メタン等
ゲージの前に立って操作をしない!
取り付け後の漏れチェック!
圧力調整器取り付け時の注意
砂、泥、塵埃を拭い去る 酸素、窒素、アルゴン等
(酸素は禁油 の物)
操作方法 ハンドルを開けるときはゆっくり1回から1回半左へ回すだけでよい。
急激にハンドルを開けるとガス出口に接続してある圧力調整器内のガスが瞬間的に 断熱圧縮されて発熱し非常に危険で
ある。
圧力調整器はゲージの針がゆるやかに 上がる程度に静かに開ける。
・ 不安定な形状の容器 転倒に注意! ・ 強い衝撃、転倒 真空槽の破壊! ・ 使用中 室内の換気! 革の手袋
エレベーター中、
人との同乗厳禁!
液化窒素など
酸素欠乏
警報が鳴っている場合
酸素濃度が下がっているときは入室禁止
担当者に連絡
酸素濃度 状態&症状
20.9% 空気の組成
18% 安全の下限界、連続した換気が必要
16%以下 呼吸数増加、脈拍数増加、頭痛、吐き気
13% 富士山山頂(3776m)
12% めまい、吐き気、筋力低下:行動の自由がきかない
10%以下 失神、痙攣
7% エベレスト山頂(8848m)
6%以下 数呼吸で失神、昏睡、呼吸停止、心臓停止
16%:正常人の適応限界
半導体等新規物質の製造用として需要が拡大
シリコン系 モノシラン、ジクロルシランなど
ヒ 素 系 アルシン、フッ化 ヒ素など
リ ン 系 ホスフィン、フッ化リンなど
ホ ウ素 系 ジボラン、三フッ化ホウ素など
金属水素化物 セレン化水素、モノゲルマンなど
ハロゲン化 物 三フッ化窒素、四フッ化硫黄など
金属アルキル化物 トリメチルガリウム、トリエチルガリウムなど39物質
特殊材料ガス
毒性が強く自然発火性や分解爆発性のような燃焼危険性が大きい
厳しい基準も制定されており特別な注意が必要である
高圧ガスによる事故例 大阪大学
1991年10月 実験室内における
ガス爆発事故
大学院生学部生
死亡
シランガスを用いたCVD(化学気相成長法)装置を使用して半導体を作る実験中、漏れたガスが爆発し大学院生及び学部生の2名が死亡した。
北海道 大学
1992年8月 実験室内における
酸素欠乏事故
助手
大学院生
死亡
北海道大学工学部の低温実験室(-2
~-1℃)において、南極の氷を研究中停電になり溶かさないようにと思いパニックになり室内の温度を下げようとして液体窒素をばらまき(推定)、 そのため液体窒素が気化して室内に充満し、
酸欠状態になり呼吸不全のため助手と大学院学生の二名が死亡した
大阪大学 2013年5月 ボンベ運搬時に おける転倒事故
女子学生
負傷
女子学生が一人でボンベ運搬中にボンベ庫ドアとボンベキャリアが接触したはずみで右足の指の上にボンベが転倒し負傷。(右足指裂創・爪損傷・骨折など)使用していたキャリアに鎖・ベルトはついておらず老朽化して外れたものをそのまま使用していたと見られる
災害を避けるためには
容器、設備、配管等の整備、点検を怠らないこと。 不当な取り扱いをしない。
危険性を熟知し細心の注意を払って使用すること。