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フィールドクランプサイズの最適化
有本靖
July 22, 2005
概 要PRISM-FFAGの電磁石には RFコア (FINEMET)への漏れ磁場を軽減するためにフィールドク
ランプを用いる。このフィールドクランプの重量は 1枚あたり 1 t である。これは通常の電磁石に用いられるクランプと比較するとかなり重い。今回、機能を保持しながらどこまでフィールドクランプの重量を削ることが出来るのか調べた。
1 3次元磁場計算条件磁場計算には 3次元磁場解析コードOpera3D(TOSCA)を用いた。今回、計算した際の電磁石 ·RFコ
ア ·クランプの配置平面図を図 1に示す。計算領域はグレーで塗り潰されていない部分で、F磁極の中心線から 18◦まで開いた扇形の領域である。境界面は Tangential Magneticとした。磁極の形状は rを関数として以下の曲線で表わされる。
g(r) = g0 f(r)(
r
r0
)k
(1)
f(r) = a
(r
r0− 1
)2
+ 1 (2)
g0 = gref f(rref)−1
(rref
r0
)−k
(3)
ここで g(r)、r, r0はハーフギャップ, リング中心からの距離、中心軌道半径 (r0 =650 cm)を表わす。今回の 3次元磁場設計で用いたこの式のパラメーター、k, a, gref, rrefの値は表 1に示す。また各磁極
のリング内側のシム形状は表 2に示す。各メインコイルの電流値を表 3に示す。
k a gref rref 関数有効範囲 コイル電流F磁極 -3.36 -4.3533 19.5 cm 715 cm 586 cm ≤ r ≤ 715 cm 68400 A·TD磁極 -2.05 -3.47 19.0 cm 715 cm 577 cm ≤ r ≤ 715 cm 18500 A·T
表 1: 磁極曲線関数のパラメーター値
( r, z ) ( r, z )F磁極シム (570, 34.104) (586, 38.104)D磁極シム (559, 29.718) (577, 29.218)
表 2: 各磁極中心軸で切った断面のリング内側シムの両端の座標点。median plane を高さの原点とした。単位は cm。
コイル電流F磁極 68400 A·TD磁極 18500 A·T
表 3: メインコイル電流
クランプの最適化パラメーターの位置を図 2に示す。クランプ開口部の左端の位置は固定した。
1
1700
1501802
953
654
805
10625
695810
115
35
RF cavity flame
RF core
R 6191
Field clamp
Field clamp
F pole
4.4
0°
2.0
0°
2.0
0°
1.1
0°
1.1
0°
2.5
0°
2.2
0°
C40
C20
R 5250
R 5450
R 5590
R 5700
R 7250
10.2
0°
D pole
D pole
A A
B
B
40
図 1: 計算に用いた電磁石、フィールドクランプと RFコアの配置図。計算領域はグレーで塗り潰されていない部分。(F磁極の中心線から 18◦まで開いた扇形の領域)
図 3に今回の計算で用いた BH曲線を示す。図中の”nkj1.bh”は今回の一連の計算を通して RFコア以外の磁性体材料に用いたものである。また、“ft-3kl.bh”, “ft-3km.bh”は RFコアの材質の BH曲線で、それぞれ FINEMET(日立金属)の型番、”FT-3KL”, “FT-3KM”を想定したものである。
2 3次元磁場計算結果2.1 Wの最適化
Wを最適化するために Hの値は 57 cmに固定し、Wを変えて RFコア内の磁束密度の変化を調べた。RFコアの BH曲線には”ft-3kl.bh”を用いた。以降の計算ではRFコア内の磁場として図 4に示したレーストラック形状の経路, Path 1,2,3上のものを参照する。図 5に RFコア内の磁場をプロットし
2
W
T
Distance from ring center
(5660: Fixed)
H17
0
A
図 2: フィールドクランプ形状と変数の定義
0
5000
10000
15000
20000
25000
10-2
1 102
104
H (OERSTEAD)
B (
GA
USS
)
nkj1.bhft-3kl.bhft-3km.bh
10
10 2
10 3
10 4
10 5
10 6
0 10000 20000
B (GAUSS)
µ
nkj1.bhft-3kl.bhft-3km.bh
図 3: 磁場計算に使用した BH曲線。左図:BH曲線、右図:比透磁率
たものを示す。図 5-左図,中図,右図はそれぞれクランプの厚み,T を 2 cm, 3 cm, 4 cm にした時のものを表わしている。上段は Path1、2、3に沿った距離を関数として、RFコアの磁束密度の大きさをプロットしたものである。下段はWを関数としてPath1,2,3に沿ったRFコアの磁束密度の線積分の平均値をプロットしたものである。どの厚さでもWが大きくなるにつれて、磁束密度は一定値に近づいていくのがわかる。また一定値になった時のRFコア内の磁束密度の大きさはT= 3 cm と 4 cmではあまり変わらないが、T= 2 cmでは 2倍以上になるのがわかる。これはクランプが別のところで磁気に的に飽和しているためと考えられる。コア内の平均磁束密度がだいたい一定値に近づく所を最適値と考えると、この図からクランプのWはT= 3 cm では 60 cm以上、T= 4 cm では 45 cm 以上であれば良いことがわかる。また T=4 cm の時のクランプ、RFコア表面の磁束密度のコンター図を図 6-9 に示す。W= 31 cm,
36 cm (図 6、7) ではクランプの磁束密度は飽和していることが分かる。この時 RFコア内の磁束密度も高くなっている。
Median-plane上での磁場分布を図 10に示す。縦に並べられた 3枚のプロットを 1セットとして、4セットの図を掲載した。各セットごとに、Wの値が異なっている。左上のセットから順にW=31, 36,41, 46 cm の場合の磁場分布となっている。また、上段はBL積 (r弧に沿ってF磁極の中心からRFキャビティの中心までMedian plane での磁束密度を積分したもの) の分布、中段は BL積から求めた k+1
3
値、下段は BL積から求めた F/D比であり、上段、中段の図中の実線は F成分、点線はD成分を表わしている。横軸は r方向の位置である。
35 1700
1080
380
1000
RF Core
Path 3 Path 2 Path 1
r
z
1010
図 4: 経路の定義
T=2 cm T=3 cm T=4 cm
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-rfs-clmp2cm-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp2cm-w1-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp2cm-w2-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp2cm-w3-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
40 45 50 55 60 65 70 75
W (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-rfs-clmp3cm-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w1-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w2-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w3-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
40 45 50 55 60 65 70 75
W (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-rfs-clmp4cm-w1-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w2-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w3-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
30 35 40 45 50 55 60 65
W (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
図 5: クランプのリターン部の幅, W を変更。上図:実線、点線、一点鎖線はそれぞれPATH1,2,3上の磁束密度を示す。下図:●、■、▲はそれぞれ PATH1,2,3上の平均磁束密度を示す。
2.2 Hの最適化
次に Hを最適化するために T, W, Aを固定して Hの幅に対するコア内の磁束密度の変化を調べた。RFコアの BH曲線には”ft-3kl.bh”を用いた。図 11にその結果を示す。図の見方については、下図の
4
図 6: 上図:クランプの磁束密度のコンター図。下図:RFコアの磁束密度のコンター図。T=4 cm, W=31cm。
横軸がHであること以外は図 5と同じである。左図は T= 3cm, W=61 cm, A=159 cmとした時のもので、右図は T= 4cm, W=46 cm, A=159 cm
とした時のものである。また T=4 cm の時のMedian-plane上での磁場分布を図 12に示す。図の見方は図 10と同じである。
左上のセットから順にH=36 cm, H=41 cm, H=46 cm, H=51 cm、の場合の磁場分布となっている。尚、図 10と図 12は磁場計算を行なった時の有限要素メッシュのサイズが異なる (図 12の方がメッシュが粗い)ためこの二つの図を比較する際に注意が必要である。RFコア内の磁束密度については、
5
図 7: 上図:クランプの磁束密度のコンター図。下図:RFコアの磁束密度のコンター図。T=4 cm, W=36cm。
メッシュサイズの違いはほとんど無視出来ることは確認した。
2.3 Tの最適化
クランプ板の厚みを最適化するために、クランプの重さがどの厚みでも同程度になるように、クランプの面積と厚みを変えてRFコア内の磁場を調ベた。電磁石本体の端面とクランプの距離は一定として厚みを変えた。どの厚さでも約H/W=0.9程度となるようにし、Aは 159 cmに固定した。これらのパラメーターの値をまとめたものを表 4に示す。図 13に計算で得られたコア内の磁束密度をプロットする。
6
図 8: 上図:クランプの磁束密度のコンター図。下図:RFコアの磁束密度のコンター図。T=4 cm, W=41cm。
下図の横軸はTである。黒で塗り潰したマーカーはコア内の磁束密度の平均値、白抜きの丸はクランプの重量を表わしている。厚さ 4 cm の方が重量が若干少なくなっているにもかかわらず、RFコア内の磁束密度は低い。このことからクランプは厚い方が良いと言える。しかし、厚すぎるとPRISM-FFAGでおいてはRF空洞との空間的な干渉が問題となるため T= 4 cm が適当であると考えられる。
7
図 9: 上図:クランプの磁束密度のコンター図。下図:RFコアの磁束密度のコンター図。T=4 cm, W=46cm。
T [cm] W [cm] H [cm] A [cm]
2 91 78 1593 61 56 1594 46 41 159
表 4: 厚みの最適化を行なった際のパラメータ
8
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w1.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54491.4,BDL = -9007.95, r=600 cmBFL = 85604.2,BDL = -14201.4, r=650 cmBFL = 129940,BDL = -23398.5, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w2.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54499.6,BDL = -8777.86, r=600 cmBFL = 85610.5,BDL = -13948.5, r=650 cmBFL = 129946,BDL = -22443.1, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54503.3,BDL = -8673.14, r=600 cmBFL = 85613.4,BDL = -13833.3, r=650 cmBFL = 129949,BDL = -22006.4, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54504.5,BDL = -8640.92, r=600 cmBFL = 85614.3,BDL = -13797.8, r=650 cmBFL = 129950,BDL = -21871.9, r=700 cm
図 10: Median-plane上での磁場分布。左上より順に、W=31, W=36, W=41, W=46 cm。クランプの厚さはすべてT= 4cm。上段:BL積の分布、中段:BL積から求めた k+1値、下段:BL積から求めたF/D比。実線は F成分、点線はD成分を表わしている。横軸は r方向の位置。
9
T=3 cm, W=61 cm, A=159 cm T=4 cm, W=46 cm, A=159 cm
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-rfs-clmp3cm-w2-h4-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w2-h3-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w2-h2-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp3cm-w2-h1-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70
H (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-rfs-clmp4cm-w3-h0-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w3-h1-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w3-h2-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w3-h3-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
36 38 40 42 44 46 48 50 52 54
H (cm)B
mea
n (G
)
PATH1PATH2PATH3
図 11: クランプの高さ方向の幅を変更。左図:T= 3cm, W=61 cm, A=159 cm。右図:T= 4cm, W=46cm, A=159 cm。上図:実線、点線、一点鎖線はそれぞれ PATH1,2,3上の磁束密度を示す。下図:●、■、▲はそれぞれ PATH1,2,3上の平均磁束密度を示す。
2.4 Aの最適化
クランプの r方向の長さ, A の最適化を行った。その結果を図 11に示す。下段の図を見るとRFコア内の平均磁束密度はAの値に対して極小値を持っている。これは、Aを長くすることで元々RFコアに入り込まない磁束をクランプが吸い込んでその磁束がRFコアに漏れていると考えられる。ただしこの増加量はあまり大きくはないため、Aの値は極小値の位置以上にしておけば問題はない。
2.5 最適化されたパラメーターのまとめ
以上のスタディよりRFコア内の磁束密度を抑えるためのクランプの各パラメータの条件は以下の通りとなる。
• T=4 cm
• W ≥ 46 cm
• H ≥ 41 cm
• A ≥ 139 cm
この時の最小値を選んだ時の重さ (クランプ上半分)は
旧 0.495 t新 0.264 t
となり、これまでの約半分に減量することが出来る。
10
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3-h0.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54523.2,BDL = -8824.28, r=600 cmBFL = 85767.5,BDL = -14011, r=650 cmBFL = 130313,BDL = -22446.8, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3-h1.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54525.2,BDL = -8786.96, r=600 cmBFL = 85769.2,BDL = -13960.3, r=650 cmBFL = 130315,BDL = -22239.3, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3-h2.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54525.9,BDL = -8771.43, r=600 cmBFL = 85770,BDL = -13937.3, r=650 cmBFL = 130316,BDL = -22137.2, r=700 cm
/export/home/arimoto/tosca/0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3-h3.op3
0
500
1000
1500
2000
x 10 2
580 600 620 640 660 680 700 720
BzL
(G
auss
*cm
)
BFLBDL
z = 0 cm
4.5
5
5.5
6
6.5
580 600 620 640 660 680 700 720
BFLBDL
k va
lue
+ 1
4
5
6
7
8
580 600 620 640 660 680 700 720
r (cm)
F/D
rat
io
BFL = 54526.2,BDL = -8763.63, r=600 cmBFL = 85770.4,BDL = -13925.4, r=650 cmBFL = 130317,BDL = -22084.5, r=700 cm
図 12: Median-plane 上での磁場分布。左上より順に、H=36 cm, H=41 cm, H=46 cm, H=51 cm。クランプの厚さはすべてT= 4cm。上段:BL積の分布、中段:BL積から求めた k+1値、下段:BL積から求めた F/D比。実線は F成分、点線はD成分を表わしている。横軸は r方向の位置。
11
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
T=2cm (tr730-rfs-clmp2cm-w4-h1-bmod-rfcore.dat)T=3cm (tr730-rfs-clmp3cm-w2-h3-bmod-rfcore.dat)T=4cm (tr730-rfs-clmp4cm-w3-h1-bmod-rfcore.dat)PATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
2 2.25 2.5 2.75 3 3.25 3.5 3.75 4
Thickness (cm)
Bm
ean
(G)
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.352 2.25 2.5 2.75 3 3.25 3.5 3.75 4
Wei
ght (
t)
PATH1PATH2PATH3Weight
図 13: クランプの厚み, T を変更。上図:実線、点線、一点鎖線はそれぞれPATH1,2,3上の磁束密度を示す。下図:●、■、▲はそれぞれ PATH1,2,3上の平均磁束密度を示す。○はクランプの重量を示す。
T=3 cm, W=61 cm, H=56 cm T=4 cm, W=46 cm, H=41 cm T=4 cm, W=46 cm, H=51 cm
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-3-61-56-119-bmod-rfcore.dattr730-3-61-56-139-bmod-rfcore.dat../0505/tr730-rfs-clmp3cm-w2-h3-bmod-rfcore.dattr730-3-61-56-179-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
90 100 110 120 130 140 150 160 170 180
A (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-4-46-41-119-bmod-rfcore.dattr730-4-46-41-139-bmod-rfcore.dat../0505/tr730-rfs-clmp4cm-w3-h1-bmod-rfcore.dattr730-4-46-41-179-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
90 100 110 120 130 140 150 160 170 180
A (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-4-46-51-099-bmod-rfcore.dattr730-4-46-51-119-bmod-rfcore.dattr730-4-46-51-139-bmod-rfcore.dattr730-rfs-clmp4cm-w3-h3-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
90 100 110 120 130 140 150 160 170 180
A (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
図 14: クランプの長手方向の長さ、A を変更。上図:実線、点線、一点鎖線はそれぞれ PATH1,2,3上の磁束密度を示す。下図:●、■、▲はそれぞれ PATH1,2,3上の平均磁束密度を示す。
3 RFコアのBH曲線の違い次にRFコアのBH曲線を変更してみた。これまでの計算ではRFコア内のBH曲線として”ft-3km.bh”(図 3)
を使用してきたが、もう少し透磁率の大きな”ft-3kl.bh” を使用した場合について計算を行なった。そ
12
460 840
40
(6500)
Distance from ring center
(7050)(5660)(5200)
410
17
0
(1390)
550
図 15: 最適化されたクランプの形状
2550
1850
710
460
740
58
0
17
0
After optimization Before optimization
図 16: これまでのクランプとの大きさの比較
の結果を図 18に示す。BH曲線の違いによるRFコア内の平均磁束密度の変化量は、5 %程度であるため、RFコアの透磁率の影響はほとんど無視出来ると言える。
4 クランプ開口部を広げた場合次にクランプ開口部の高さを変えた場合について調べた。これは真空チェンバを連結するフランジの位置がクランプの開口部にくる可能性があるためである。この場合、クランプの開口部はこれまでより±10 cm の高さ方向に広げる必要がある。このようなクランプ形状の変更は、開口部からの漏れを大きくし、その結果、RFコア内の磁束密度の増加につながる可能性がある。そこで開口部を広げた時の磁
13
図 17: 最適化されたクランプを使用した時の磁束密度のコンター図上図:クランプの磁束密度。下図:RFコアの磁束密度。T = 4 cm、W = 46 cm、H = 41 cm、A = 139 cm。
場計算を行なった。この時のW,H,Aは図 15と同じである。ただし開口部の高さは 170 mm → 220 mmに変更した。計算結果を図 19に示す。RFコア内の磁束密度の 増加率は 20 % 程度であり、問題になるほど大きくはないと言える。
14
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-4-46-41-139-bmod-rfcore.dattr730-4-46-41-139-ft3m-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
-1 0 1 2 3 4 5 6
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
図 18: RFコアの磁気特性の違いによるRFコア内の磁束密度の変化。下図:横軸が 0の位置のデータは”ft-3km.bh”, 5の位置のデータは”ft-3kl.bh”の平均磁束密度
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
500
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225
s (cm)
Bm
od (
G)
tr730-4-46-41-139-bmod-rfcore.dattr730-4-46-41-139-5-bmod-rfcore.datPATH1PATH2PATH3
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
-1 0 1 2 3 4 5 6
Gap Height (cm)
Bm
ean
(G)
PATH1PATH2PATH3
図 19: クランプ開口部の高さによる RFコア内磁束密度の違い。
5 まとめクランプ形状の最適化によって、クランプの重量は半分まで減量できることがわかった。また、RFコアの透磁率の変化に対するコア内の磁束の増加は 5 %程度でありこれは無視できる程小さい値である。また、開口を±5 cm 広げた場合でも 20%程度の増加ですむことが確認された。
15