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日立化成グループ ANNUAL REPORT 2015 2014.4.1 2015.3.31

日 ANNUAL REPORT · 2020. 9. 30. · 96,775 76,318 73,978 87,652 88,997 87,652 88,997 投資指標 売上高営業利益率 *(売上収益営業利益率) (%) 8.7 5.2

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日立化成グループ ANNUAL REPORT 20152014.4.1 2015.3.31

日立

化成

グル

ープ

AN

NU

AL REPO

RT 2015この印刷物は適切に管理された森林からの原料を含むFSC®認証紙を使用しています。

用紙での配慮

VOC(揮発性有機化合物)成分ゼロの環境に配慮した100%植物油インクを使用しています。

ユニバーサルデザイン(UD)の考え方に基づき、より多くの人へ適切に情報を伝えられるよう配慮した見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

有機物質を含んだ廃液が少ない、水なし印刷方式を採用しています。

2015年7月発行Printed in Japan

〒100-6606 東京都千代田区丸の内一丁目9番2号(グラントウキョウサウスタワー)

TEL:03-5533-7000 FAX:03-5533-7077http://www.hitachi-chem.co.jp

印刷での配慮

ユニバーサルデザインフォントの採用

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日立化成グループ・アイデンティティ「日立化成グループ・アイデンティティ」は、日立化成が、地域や事業分野を越えて優れたチーム力を発揮するため、グローバルに共有していく理念、価値の体系です。日立化成は、100年の歴史の中で「企業理念(Mission)」と「創業の精神(Values)」を受け継いできました。それらを踏まえた上で、グループとして、めざすべき姿を規定したものが、

「日立化成グループ・ビジョン(Vision)」です。

VALUES

VISION

MISSION

企業理念時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献すること。

日立化成グループ・ビジョン私たちは、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神をもって、化学を超えた「新たな価値」を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を実現します。

 日立化成は、「Working On Wonders(驚きを実現へ)」という企業スローガンのもと、「情 報 通信・ディスプレイ」「環境・エネルギ ー」「自 動 車・交 通 インフラ」「ライフサイエンス」という4つの重点事業領域で事業を展開しています。 日立化成は、複雑に連鎖し合う社会的課題の解決に貢献し続けるため、「事業」「組織」「人」の側面で継続的な変革を通して、「化学を超えた『新たな価値』を創造し、社会やお客さまの期待を超える『驚き』を実現する」という「日立化成グループ・ビジョン」の実現をめざしていきます。

創業の精神未知の領域に、独創的に取り組もうとすること。常に専門分野で先駆者でありたいと願い、能力を超えるような高いレベルの目標に挑戦する意欲のこと。

他者に責任を転嫁せず、常に当事者意識を持って誠実にことに当たること。社会から信頼をかち得るための基本姿勢。

他人の意見を尊重しつつ、偏らないオープンな議論をし、一旦決断に至れば、共通の目標に向かって全員一致協力すること。

開拓者精神

組織の変革

人の変革

事業の変革

会社の姿勢

個人の姿勢

事業の姿勢

経営方針 第2期CSR中期計画(2011~2015年度)

4つの重点事業領域

情報通信・

ディスプレイ 環境・エネル

ギー

ライフサイ

エンス

自動車・交

通インフラ

社会的課題の解決

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■ 報告対象組織日立化成(株)と連結子会社74社日立化成グループ全体をさす場合は「日立化成」「日立化成グループ」「当社グループ」「連結」、日立化成(株)のみをさす場合は「当社」「単独」と分けて記載しています。

■ 報告対象期間2014年度(2014年4月1日~ 2015年3月31日)ただし、重要事項については、2014年度以前・以後の報告を一部含んでいます。なお、「年度」は3月31日に終了する会計年度をさします。

■ 参考にしたガイドライン国際統合報告委員会(IIRC)「国際統合報告フレームワーク」GRI (Global Reporting Initiative) 「サステナビリティレポーティングガイドライン第4版」環境省「環境報告ガイドライン2012年版」「環境会計ガイドライン2005年版」

■ 将来に関する予測・予想・計画についてこの報告書は、日立化成の過去と現在の事実だけでなく、発行時点における計画や見通しに基づいた将来予測が含まれています。将来予測は、記述した時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、諸条件の変化によって将来の事業活動の結果や事象が予測とは異なったものとなる可能性があります。

編 集 方 針 当社は、2012年版より、従来は個別に発行していた決算、経営・事業戦略に関する年次報告書とCSR(社会的責任)の履行状況に関する報告書を統合し、「日立化成グループアニュアルレポート」(統合版)として発行しています。また、掲載内容はマテリアリティ分析に基づき記載しています(P.23参照)。国際統合報告委員会(IIRC)が発行した国際統合報告フレームワークを参考に編集し、当社グループの過年度の活動をわかりやすく伝えることをめざしています。ホームページではより詳細な情報を開示しています。 本アニュアルレポートは日本語版・英語版で発行すると同時に、ホームページでは両言語のPDFを掲載しています。英語版については、

「Financial Section」において、詳細な財務情報を追加していますが、日本語版の詳細な財務情報については、当社の有価証券報告書をご覧ください。なお、当社は、2015年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表から、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しています。IFRSへの移行日は2013年4月1日であり、2014年3月31日に終了した1年間についても、IFRSに準拠して表示しています。 また、当社が開示する非財務情報に信頼性を付与するため、今年度からCSRウェブサイトにおいて、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けています。詳細はCSRウェブサイトをご参照ください。 本レポートを通じて、「日立化成グループ・アイデンティティ」に基づいた当社グループの取り組みを、さまざまなステークホルダーの方々に理解していただければ幸いです。

03 At a Glance

05 トップメッセージ

11 日立化成の製品・サービス

15 特集 11 オープン・ラボ

19 特集 21 ステークホルダーダイアログ

23 日立化成の価値創造プロセス

25  マテリアリティ報告

25 事業 材料技術力の強化

27 事業 グローバルな事業展開

29 事業 新事業・新製品の創生

31 事業 サスティナブルエンジニアリングの展開

32 事業 安全で使いやすい製品の提供

33 事業 サプライチェーンマネジメント

34 組織 環境経営の実践

35 組織 知的財産戦略

36 人 グローバルで戦う人財の育成と評価

37 人 ダイバーシティマネジメント

38 人 ステークホルダーとの    双方向コミュニケーション

39 人 Working On Wonders Beyond    Boundaries(WOW-BB)活動

41 コーポレート・ガバナンス

CONTENTS

IRウェブサイト

CSRウェブサイト

http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/ir/index.html

http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/csr/index.html

アニュアルレポート日立化成の価値創造プロセスをベースに、マテリアリティを軸としたストーリー性のある年次情報を掲載しています。

有価証券報告書金融商品取引法が定める法定開示資料です。

会社案内日立化成の事業や製品の概要を紹介しています。

テクニカルレポート日立化成の技術を詳細に紹介しています。

株主通信半期ごとに株主の皆さまへお届けしている報告書です。

日立化成グループ ANNUAL REPORT 20152014.4.1 2015.3.31

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RT 2015

この印刷物は適切に管理された森林からの原料を含むFSC®認証紙を使用しています。

用紙での配慮

VOC(揮発性有機化合物)成分ゼロの環境に配慮した100%植物油インクを使用しています。

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2015年7月発行Printed in Japan

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印刷での配慮

ユニバーサルデザインフォントの採用

日立化成の情報開示ツールアニュアルレポートではCSRの視点を含む企業活動の全体像をお伝えしています。また、ウェブサイトでは日立化成についての広範囲で詳細な情報をタイムリーに開示しています。

財務情報

非財務情報

インデックス組み入れ状況日立化成のこれまでのサスティナビリティ活動、積極的な情報開示が評価され、P.38に掲載した国内外の社会的責任投資インデックスに組み入れられています。

02

Annual Report 2015

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At a Glance

日立化成グループが事業を通じて創出している価値の一部をご紹介します。

事 業日本基準 IFRS

2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2013年度 2014年度連結会計年度 売上高(売上収益)*

(百万円) 497,452 473,069 464,655 493,766 533,955 488,725 525,061 海外売上高比率 (海外売上収益比率)*

(%)43.4 42.4 46.7 50.6 52.8 51.1 53.7

営業利益(百万円) 43,471 24,495 23,559 27,775 35,144 36,569 29,226 当期純利益(当期利益)*

(百万円) 18,943 16,427 18,818 24,103 21,101 29,144 22,867 資本的支出(百万円) 30,432 37,347 46,698 33,492 26,643 31,935 26,620 研究開発費(百万円) 26,382 25,680 25,534 26,234 26,920 26,234 26,920

キャッシュ・フローの状況 営業活動による キャッシュ・フロー(百万円)

44,015 42,072 47,931 51,000 34,484 50,357 34,009

投資活動による キャッシュ・フロー(百万円)

△35,748 △67,202 △53,182 △37,088 △28,499 △37,099 △22,258

財務活動による キャッシュ・フロー(百万円)

△6,823 4,611 △2,867 △3,028 △11,107 △2,374 △16,874

現金及び現金同等物の 期末残高(百万円)

96,775 76,318 73,978 87,652 88,997 87,652 88,997

投資指標 売上高営業利益率 (売上収益営業利益率)*

(%)8.7 5.2 5.1 5.6 6.6 7.5 5.6

売上高当期純利益率 (売上収益当期利益率)*

(%)3.8 3.5 4.0 4.9 4.0 6.0 4.4

自己資本当期純利益率 (自己資本当期利益率)*(ROE)(%)

7.0 5.9 6.4 7.6 6.1 9.9 6.8

総資産当期純利益率 (総資産当期利益率)*(ROA)(%)

4.4 3.8 4.1 4.9 4.0 6.1 4.4

自己資本有利子 負債比率(DER)(倍)

0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

日立化成(株)および連結子会社が当該年の4月1日から翌年の3月31日に終了した会計年度を表示年度としています。

*()内はIFRSに準じた表記※1 2015 年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表から、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しています。※2 2013年度と2014 年度については、日本基準とIFRSの双方に基づく連結財務情報を記載しています。

売上高(売上収益)*/海外売上高比率(海外売上収益比率)*

営業利益 /売上高営業利益率(売上収益営業利益率)*

当期純利益(当期利益)*/ROE

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

0

10

20

30

40

50

60

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0(百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%)

2014 2013 2014(年度)2013201220112010

IFRS日本基準

2014 2013 2014(年度)2013201220112010

IFRS日本基準

2014 2013 2014(年度)2013201220112010

IFRS日本基準

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Annual Report 2015

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At a Glance

組 織2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

連結子会社数 (社) 51 57 58 58 74 国内 20 20 19 19 19 海外 31 37 39 39 55

環境関連データ※3

エネルギー使用量(千GJ) 10,198 9,316 9,085 8,821 9,583 CO2排出量(総量)(千トン-CO2e) 491 445 474 495 541 CO2排出量(売上高原単位:トン-CO2e/百万円) 1.33 1.17 1.27 1.43 1.40 水使用量(千㎥) 12,394 12,537 11,371 10,970 10,673 VOC(揮発性有機化合物)(トン) 514 531 518 506 577

労働安全関連データ※4

度数率 0.43 0.15 0.25 0.34 0.09 強度率 0.040 0.009 0.011 0.003 0.001

特許権の保有件数(件)

国内 1,957 2,205 2,371 2,582 2,983 海外 1,734 2,040 2,174 2,406 2,518

人2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

従業員数(人) 15,930 16,713 17,732 18,149 19,499 国内 10,918 10,845 10,769 10,619 9,292 海外 5,012 5,868 6,963 7,530 10,207

その他※5

従業員一人あたりの教育費(円)※6 ‒ ‒ 50,135 52,950 45,387 社会貢献支出額(百万円) ‒ 89.67 111.04 102.61 106.91 社会貢献活動従業員ボランティア数(人) 523 831 1,553 889 1,040 コンプライアンス研修受講者数(人) 981 1,288 1,774 2,072 3,137

※3 環境関連データの集計は、主要製造サイト(2014年度は18社、33サイト)を対象としています。過年度は該当年度時の主要製造サイトを対象としています。詳細については当社ウェブサイトをご参照ください。(http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/csr/stakeholder/environment/datasheet.html)

※4 労働安全関連データの集計は、国内連結を対象としています。

※5 「-」は当該データを集計していないことを示しています。※6 従業員一人あたりの教育費の集計は当社のみとしています。

CO2 排出量は地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき算定しています。ただし海外事業所の電力使用に伴うCO2 排出量は国際エネルギー機関(International Energy Agency)が 2010 年に公表した各国の2005年度のCO2 排出原単位に基づき算定しています。

CO2排出量 水使用量 国内 海外(千トン -CO2e) (千m3) (人)

従業員数

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5,000

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200

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400

500

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6,000

9,000

12,000

15,000

2014 (年度)2013201220112010 2014(年度)2013201220112010 2014(年度)2013201220112010

04

Annual Report 2015

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トップメッセージ

事業、組織、人の視点から事業活動を行いお客さまや社会へ継続的に価値を提供していきます。

執行役社長

05

Annual Report 2015

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トップメッセージ

Q1 中期経営計画(2013 ~ 2015年度)の中間年度である 2014年度の業績の振り返りをお願いします。 中期経営計画では、2015年度に「売上高6,000億円、営業利益率10%超」をめざしています。その中間点である2014年度は、売上高5,250億円、営業利益率7%を目標として、さまざまな施策を実行してきました。 具体的には、半導体の実装材料分野で、2014年6月にオープン・ラボをスタートさせました。お客さまや装置メーカーとともに新しい実装材料・プロセスを効率的に開発していくビジネスモデルを確立させることができたと評価しています。また、蓄電デバイス事業の拡大とグローバル展開の加速につなげるため、2015年1月に台湾神戸電池股份有限公司を連結子会社化したほか、2015年4月に米国とタイにて地域統括会社を発足させ、それぞれの地域における市場の変化に迅速に対応できる体制構築を進めました。一方では、グローバルでのいっそうの成長をめざした構造改革の一環として、国内で早期退職を募り、経営体質の強化に取り組みました。 これらの施策を実施した結果、売上高は5,340億円(前年度比8.1%増)、営業利益は351億円(前年度比26.5%増)となり、前年度に引き続き増収増益を達成することができました。営業利益率は6.6%と目標値には届きませんでした。その主な要因としては、新製品開発の立ち上げのスピードが不十分だったことや、構造改革による固定費削減の効果が一部2015年度に持ち越されたことが挙げられます。

関連情報 P.15-18、P.27-28

中期経営計画の基本方針と戦略

業績の推移

ハイエンド分野での材料技術による製品差別化とグローバル展開による増収増益の必達

構造改革による体質強化

コスト構造改革事業構造と業務構造の両面からの変革実行

成長戦略

■ 事業戦略

■ 研究開発戦略: 新事業の創生に資する研究ポートフォリオへの変革■ 投 資 戦 略: 収益に直結する投資テーマ厳選(投資管理指標としてROIC導入)

高機能材料事業 収益ドライバーとして、ハイエンド分野での材料技術による製品差別化と海外での製品展開による高収益体質の維持・向上

グローバルサプライヤーをめざし、海外生産拡大による収益性改善海外販路拡大、次世代製品開発の加速

将来の主力事業として、グローバル成長加速2016年度以降の本格成長に向けた磐石な事業基盤の確立

将来の基盤事業として、診断領域を中心に実績拡大新事業分野の探索

自動車部品事業

蓄電デバイス事業

ライフサイエンス関連事業

基本方針

2012

4,647 4,9385,340

236 278

2013 2013

351351

4,887

366366

5,251

292292

2014 2014(年度)

(億円)売上高(売上収益)*営業利益

日本基準 IFRS*()内はIFRSに準じた表記

06

Annual Report 2015

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Q2 最終年度となる2015年度の取り組みと 業績の見通しをお聞かせください。 2015年度は、中期経営計画の仕上げとして、グローバルでのいっそうの成長に向け、これまで実施してきた諸施策の成果を確実に刈り取るとともに、マーケットの変化に機敏に対応できる柔軟な経営基盤を構築するための取り組みを引き続き実行していきます。 2015年度の業績予想(IFRS)としては、売上収益5,700億円、営業利益550億円を見込んでいますが、M&Aなどの不確実性の高い要素は予想値から除いていますので、実力的には中期経営計画の目標値である「売上高6,000億円、営業利益率10%超」を狙える位置にいると考えています。

Q3 グローバルな事業展開の進捗はいかがですか?

 グローバル化は著しく進展しています。2013年度には海外売上高比率が50%を超え、2015年3月末には海外の従業員比率も初めて50%を超えました。これは、今まで進めてきた海外事業への積極投資やM&Aの成果の表れです。 当社グループの本格的な海外展開の第一次は1990年前後で、日系の半導体メーカーやプリント配線板メーカーの海外進出に合わせ、半導体用封止材やプリント配線板用感光性フィルムの生産拠点を設置しました。第二次としては、自動車メーカーが中国や東南アジア諸国において事業展開を本格化させる中、当社も自動車部品のグローバルサプライヤーとなるべく、これらの地域に生産拠点を建設してきました。 これから進めていく第三次では、拡充してきたエレクトロニクス関連製品や自動車部品の海外工場を活用して、それぞれの地域の特性や需要に応じた製品をつくり、さらに成果を上げていくことを考えています。この一環として、2015年4月にタイの連結子会社4社

(製造3社、販売1社)を統合し、従来は各社が個別に展開してきた各種電池、粉末冶金製品、ブレーキ用ディスクパッドの製造・販売を1社に集約しました。これによって、人財や生産技術の相互融通、マーケット情報の共有化などを行い、経営の効率化をめざします。

関連情報 P.27-28

Q4 蓄電デバイス事業を第3の基幹事業へ 成長させる理由をお聞かせください。 電池やキャパシタの性能は、それを構成する正極材、負極材、電解質、セパレータという4つの主要部材をいかに相性良く組み合わせるかによって決まります。そのため、蓄電デバイス事業は、材料事業の延長線上にあり、これまで培ってきた材料技術をフルに活用することができる分野と考えています。 蓄電デバイス事業を、機能材料事業や自動車部品事業と並ぶ中核事業へ育成するため、2012年に蓄電デバイス事業に長い歴史を持つ新神戸電機株式会社を完全子会社化しました。 また、新神戸電機を完全子会社化した理由の一つでもありますが、当社の蓄電デバイス事業は、これまで海外展開が遅れていましたので、もっと海外で我々の技術力を試してみたいとの想いもあります。どこまで通用するかは、蓄積してきた技術を海外へどう展開していくかということと、いかに強力な販売ルートを確保するかということが重要なポイントです。この一環として、2014年度には、新神戸電機の関連会社であった台湾神戸電池股份有限公司の株式を買い取り、当社の連結子会社としました。2015年度は、新

トップメッセージ07

Annual Report 2015

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たに当社グループの一員となった同社に対し、できるだけ速やかに私たちの経営理念である日立化成グループ・アイデンティティを浸透させるとともに、ガバナンスの一体化を図り、蓄電デバイス事業を世界へ大きく飛躍させていきたいと考えています。

関連情報 P.28

Q5 次の50年を見据えて定めた 「日立化成グループ・ビジョン」は浸透してきていますか? 当社グループの事業はB to Bビジネスを中心としています。お客さまとの対話を通じてニーズに的確にお応えできる製品をつくりだす技術開発力を有しており、それが当社グループの強みであると捉えています。 しかし、今後はそれだけでは不十分で、未だ顕在化していないお客さまのニーズや社会的課題をいち早く見出し、自社の技術や製品で解決策を提案していくというプロアクティブな活動が求められています。 そこで、2014年度から日立化成グループの未来を創る取り組みとしてWOW-BB

(Working On Wonders Beyond Boundaries)活動をスタートさせました。活動の主軸になるのは、WOWグローバルアワードというボトムアップ活動です。WOWグローバルアワードは、チームごとに、①ニーズを見出す力を持つ、②未来のシナリオを描く、③次のコア技術を生み出す、④グローバルで選ばれる企業になる、⑤共創しあえるワークスタイルをつくるという「5つの挑戦」からテーマを選んで挑戦し、その挑戦のプロセスを称える活動です。初年度は全世界から937チームがエントリーしました。各地域で予選を勝ち抜き、最終選考に残った10チームが、2015年5月に東京で開催された最終選考会に臨みました。その結果、上位4チームがゴールドアワードに選ばれました。 小集団での改善活動は製造現場が得意とするところですが、総務や人事などの間接部門からも多数のエントリーがあり、その質も非常に高いものでした。また、日本国内85%、海外27%、全世界平均で61%という参加率の高さに、従業員の自発性とボトムアップの力強さを感じました。

トップメッセージ

蓄電デバイス事業における実績と今後のアクション

次世代鉛蓄電池の開発と顧客・販路拡充により成長を加速

● グローバルポジションの強化 ● ISS用比率向上▶アライアンスによる 顧客・販路拡充▶アイドリングストップ システム(ISS)車向けを中心とした 次世代鉛蓄電池の開発 (高容量化技術による新製品を発売)

● グローバルポジションの強化▶M&A、アライアンスによる顧客・販路拡充▶ISS車向けを中心とした次世代鉛蓄電池の開発

高耐久性技術電解液の濃度を制御し、電極の劣化現象(成層化)を抑制→耐久性を向上

25%

2012 2013 2014(年度)

その他ISS・高回生

28% 33%

第3の基幹事業創生を計画的に推進

● 台湾神戸電池の連結子会社化● 成長が期待できる電力貯蔵用途市場向けに 実証実験を積極的に獲得2014年度の獲得案件(1件あたり3億円以上)

● 台湾神戸電池とのシナジーによるグローバル展開加速● 電力貯蔵用途市場向けに、大型実証案件獲得、 実績の積み上げ

● LIB新製品開発

▶システム会社(日立グループなど)との連携強化▶4つの蓄電デバイス(鉛蓄電池、LIB、LIC、コンデンサ)を 組み合わせたソリューションの提供

▶高入出力、高サイクル寿命の製品完成、アンシラリー応答性確保

用途・目的

変動抑制

電力系統安定化

製品リチウムイオン電池(LIB) 2件

4件1件

ハイブリッドリチウムイオンキャパシタ(LIC)

件数

進捗状況

2015年度の施策

自動車用電池 産業用電池

08

Annual Report 2015

Page 10: 日 ANNUAL REPORT · 2020. 9. 30. · 96,775 76,318 73,978 87,652 88,997 87,652 88,997 投資指標 売上高営業利益率 *(売上収益営業利益率) (%) 8.7 5.2

 WOWグローバルアワードは2015年度も実施しますが、今年は海外からのエントリーがさらに増えると予想しています。この活動を続けることによって、50年先の当社グループのあるべき姿である「化学を超えた『新たな価値』を創造し、社会やお客さまの期待を超える『驚き』を実現する」に着実に近づいていくはずです。

関連情報 P.39-40

Q6 次期の中期経営計画(2016 ~ 2018年度)に 向けた展望をお聞かせください。 従来の中期経営計画では、現在見えているテーマや課題を基に、3年先の未来を予測し、計画内容を立案してきました。そのため、どうしても目先の売上高と利益を目標とする計画になりがちで、将来的に会社をもっとこういう形にして、こういう方向へ進みたいという想いを計画に落とし込むことができませんでした。 そこで、今後10年間の事業環境がどのように変わっていくのか。そして、それを基にして10年後に日立化成グループがこうありたいという姿を重ね合わせた「10年戦略」をまずしっかりつくることにしました。そうすれば、10年後を見据えて最初の3年間にやるべきこと、次の3年間にやるべきことが段階的に明確になります。この仕掛けを次の中期経営計画へ織り込んでいきます。

関連情報 P.39

Q7 「事業活動とCSRの融合」についてのお考えをお聞かせください。

 CSRには社会貢献や環境への配慮という側面もありますが、当社は、グループが持続的に成長し、お客さまや社会へ継続的に価値を提供できるように、売上を伸ばし、利益を上げるという好循環をつくっていくことがCSRの根幹だと考えています。また、一度でも経営の根幹を揺るがすような事態が起これば、2万人近くの従業員とその家族はもちろん、従業員以外のステークホルダーの方々に与える影響は計り知れません。持続的な成長を担保する事業のサイクルや仕組みをつくることが不可欠です。 日立化成の第2期CSR中期計画(2011 ~ 2015年度)では、「事業の姿勢」「会社の姿勢」「個人の姿勢」を推進方針に掲げて取り組んでいます。これを、私が社長就任以来

トップメッセージ

第2期CSR中期計画(2011〜2015年度)

目標・KPIの登録

第2期CSR中期計画推進サイクル

アプローチ方法の見直し

各部門での実践

グループ環境・CSR会議への報告(1回/年)

サスティナブルビジネスを推進し「世界で通用する企業グループ」へと進化

地球環境に貢献するサスティナブルビジネス■ サスティナブルエンジニアリングの推進■ 当社グループ事業活動の地域社会への貢献を 検証(可視化)し、時代に先駆けた価値の創造を追求

■ 対話の文化醸成、情報の積極開示による企業価値向上■ グループガバナンスの強化、透明な企業経営の推進

■ 持続的発展への全社員の意識改革■ いかなる状況下でも社会人として誇れる行動を とれる人財の育成

誠実な企業経営

世界で通用し社会に貢献する人財集団

目標

三大方針

事業の姿勢

会社の姿勢

個人の姿勢

09

Annual Report 2015

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進めている3つの変革、すなわち「事業の変革」「組織の変革」「人の変革」の取り組みと連動させ、事業活動がCSRそのものであるという考えのもと、世界で通用する企業グループへと進化させていくことを目標としています。

関連情報 P.01

Q8非財務面での目標値はありますか。 多様性、すなわちダイバーシティは、当社グループの経営戦略の一つです。当社グループは多様な製品と技術を持っています。さまざまな技術を組み合わせる、あるいは融合することで新しい製品を開発しています。人財面も同様で、新しい地域で仕事をしたり、新しい事業を興したりするのは、多彩な人たちが才能を持ち寄ることで可能になります。年齢や性別、国籍を超えて、それぞれの人たちが活躍する場を提供し、活躍できる仕組みを整えていかなければなりません。 その一環として、報酬制度については、これまでの職能給を中心とした体系から、役割に重点を置いたグレード給へと変更し、当社および国内グループ会社への適用を開始しました。経営戦略を立て、実行に移すための組織をつくれば、どのようなポジションが必要になるかが明確になります。そのポジションに適した人財を配置することによって、その人の力を存分に発揮してもらうものです。2015年度は海外グループ会社へ適用していく予定で、これによって真の意味でのダイバーシティが実現できると考えています。 2014年度から日立化成が取り組むべき重点課題(マテリアリティ)の優先付けをし、開示しています。次期の中期経営計画では経営目標値の一つとして非財務指標の設定を検討しています。ダイバーシティを含めてその実施目標を独自のKPI(主要業績評価指数)として設定し、達成状況を「見える化」させていきたいと考えています。

関連情報 P.23、36

Q9最後に、ステークホルダーの方々へメッセージをお願いします。 日立化成は、「時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献すること」をミッションとしています。 そのミッションの1つは、前述したオープン・ラボを核に、装置メーカーやプロセス・部材メーカーなどとオープン・イノベーションを推進することによって、次世代の部材・プロセスを開発し、新たな価値を生み出すことです。すなわち、さまざまな企業と連携して新しい価値を生み出すプロセスをもデファクトスタンダード化していくことが重要であると考えています。 また、グローバル化の加速とともに、日本と海外の区別なく事業を展開していますので、特に国内の従業員には外向きの気概を持ち、真のグローバル人財になってほしいと考えています。それによって、新しい製品を創出して、事業を持続的に成長させ、株主の皆さまやお客さま、社会への貢献を続けることにつながっていくからです。 日立化成は、事業・組織・人の視点から事業活動を実践し、化学を超えた「新たな価値」を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を実現する企業グループへと成長し続けていきます。

トップメッセージ 10

Annual Report 2015

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新鮮な料理を供給したり、回転寿司のお皿の管理に役立っています。

レストランや回転寿司にも

RFIDタグモノの識別・管理に役立つタグです。

食品包装用ラップフィルム

「ビューラップ5」電子レンジ調理にも破れにくく、縮みにくいラップです。

長寿命で省エネな照明に役立っています。LED 照明にも

白色モールド樹脂LED の光を反射するリフレクターに使われ、輝度向上に貢献する材料です。

高熱伝導性接着シート「ハイセット」LED が発生する熱を効率よく発散させて、LED の寿命を延ばす材料です。

パワーショベルにも

軸受(粉末冶金製品)金属粉末を加圧成形し焼結してつくられる頑丈で摩耗に強い部品です。

建設機械の関節部分の動きを滑らかにします。

防湿絶縁材料「タッフィー」

液晶の電極部分をコーティングし、湿気やショートから守る材料です。

粘着フィルム「ヒタレックス」

製造工程で部品にきずが付かないよう保護するフィルムです。

異方導電フィルム「ANISOLM」

ミクロン単位の微細電極を一括して接続できるフィルムです。

液晶テレビにも薄型で高精細な液晶がテレビの新時代を担っています。

家の屋根にも

導電フィルム「CFシリーズ」

太陽電池の微細な電極を接続するフィルムです。

ソーラーパネルの効率的な発電に役立っています。

アレルギー検査にも

MASTⅢ 測定試薬1回の検査で患者のニーズの 高 い 33 項 目 の ア レ ルギーの原因物質を検査することができる試薬です。

花粉症や食物アレルギーの診断に使われています。

電車の運行を陰で支えています。電車にも

カーボンブラシモーターの回転子に電気を流す部品です。

電気絶縁ワニスモーターのコイルをショートから守る絶縁材料です。

人工衛星にも

マルチワイヤー配線板「MWB」過酷な条件下でも高い信頼性を発揮する配線板です。

宇宙でも、日立化成の配線板が活躍しています。

ゴルフ場にも

バッテリー乗用カートシステム

「日立ハイカート」自動で運転してくれるゴルフカートです。

広いゴルフ場でもカートで快適です。

スマートフォンやパソコンにも

風力発電や社会インフラにも

詳しくは次のページで 詳しくは次のページで

自動車にも

詳しくは次のページで

日立化成の製品・サービス

日立化成の製品・サービス日立化成の製品は、デジタル家電や自動車といった皆さまの身近な製品に「材料」や「部品」として使われ、「縁の下の力持ち」として製品の機能・性能の向上に貢献しています。

11

Annual Report 2015

機能材料セグメント  先端部品・システムセグメント

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新鮮な料理を供給したり、回転寿司のお皿の管理に役立っています。

レストランや回転寿司にも

RFIDタグモノの識別・管理に役立つタグです。

食品包装用ラップフィルム

「ビューラップ5」電子レンジ調理にも破れにくく、縮みにくいラップです。

長寿命で省エネな照明に役立っています。LED 照明にも

白色モールド樹脂LED の光を反射するリフレクターに使われ、輝度向上に貢献する材料です。

高熱伝導性接着シート「ハイセット」LED が発生する熱を効率よく発散させて、LED の寿命を延ばす材料です。

パワーショベルにも

軸受(粉末冶金製品)金属粉末を加圧成形し焼結してつくられる頑丈で摩耗に強い部品です。

建設機械の関節部分の動きを滑らかにします。

防湿絶縁材料「タッフィー」

液晶の電極部分をコーティングし、湿気やショートから守る材料です。

粘着フィルム「ヒタレックス」

製造工程で部品にきずが付かないよう保護するフィルムです。

異方導電フィルム「ANISOLM」

ミクロン単位の微細電極を一括して接続できるフィルムです。

液晶テレビにも薄型で高精細な液晶がテレビの新時代を担っています。

家の屋根にも

導電フィルム「CFシリーズ」

太陽電池の微細な電極を接続するフィルムです。

ソーラーパネルの効率的な発電に役立っています。

アレルギー検査にも

MASTⅢ 測定試薬1回の検査で患者のニーズの 高 い 33 項 目 の ア レ ルギーの原因物質を検査することができる試薬です。

花粉症や食物アレルギーの診断に使われています。

電車の運行を陰で支えています。電車にも

カーボンブラシモーターの回転子に電気を流す部品です。

電気絶縁ワニスモーターのコイルをショートから守る絶縁材料です。

人工衛星にも

マルチワイヤー配線板「MWB」過酷な条件下でも高い信頼性を発揮する配線板です。

宇宙でも、日立化成の配線板が活躍しています。

ゴルフ場にも

バッテリー乗用カートシステム

「日立ハイカート」自動で運転してくれるゴルフカートです。

広いゴルフ場でもカートで快適です。

スマートフォンやパソコンにも

風力発電や社会インフラにも

詳しくは次のページで 詳しくは次のページで

自動車にも

詳しくは次のページで

日立化成の製品・サービス 12

Annual Report 2015

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ダイボンディングフィルム半導体チップの接着に使われる超薄型の接着フィルムです。

プリント配線板用銅張積層板「MCL」プリント配線板のベースとなる材料です。

プリント配線板用感光性フィルム「フォテック」プリント配線板の回路を作るフィルムです。

CMPスラリー半導体回路の微細な凹凸を研磨する材料です。

エポキシ樹脂封止材半導体チップを熱やほこりから守る樹脂材料です。

電気・電子機器の頭脳である半導体の重要部材として働いています。

リチウムイオン電池用負極材電池の品質・性能向上に貢献している負極用カーボン材料です。

塗料用樹脂高光沢やきずがつきにくい塗料など、各種高機能塗料のベースになる樹脂です。

樹脂製バックドアモジュールデザイン性に優れ軽量で燃費の向上に貢献する、樹脂製自動車用バックドアです。

車載用リチウムイオン電池負極材高容量かつ放電負荷特性に優れたリチウムイオン電池を実現可能にします。

自動車用バッテリーアイドリングストップシステム(ISS)車専用の耐久性の高いタイプなど、さまざまな自動車に対応します。

電気絶縁ワニスハイブリッド自動車の駆動用モーターをはじめ、車の中のさまざまなモーターに使われています。

ディスクブレーキパッド雨や雪などの悪条件下でも高い性能で車を停止させます。

カーボンブラシ発電機から電気を取り出すための部品です。

電気絶縁ワニス発電機のコイルに欠かすことのできない絶縁材料です。

電力貯蔵システム「Seflaシステム」夜間電力を貯蔵し、昼間に活用するシステムです。

塗料用樹脂高光沢やきずがつきにくい塗料など、各種高機能塗料のベースになる樹脂です。

透明層間充填フィルム「ファインセット」見やすい画面を実現する透明粘着フィルムです。

電子機器で使われる製品ますます多機能・小型化するコミュニケーションデバイスの、次なる進化を実現させる技術と製品を提供しています。

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Annual Report 2015

日立化成の製品・サービス

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ダイボンディングフィルム半導体チップの接着に使われる超薄型の接着フィルムです。

プリント配線板用銅張積層板「MCL」プリント配線板のベースとなる材料です。

プリント配線板用感光性フィルム「フォテック」プリント配線板の回路を作るフィルムです。

CMPスラリー半導体回路の微細な凹凸を研磨する材料です。

エポキシ樹脂封止材半導体チップを熱やほこりから守る樹脂材料です。

電気・電子機器の頭脳である半導体の重要部材として働いています。

リチウムイオン電池用負極材電池の品質・性能向上に貢献している負極用カーボン材料です。

塗料用樹脂高光沢やきずがつきにくい塗料など、各種高機能塗料のベースになる樹脂です。

樹脂製バックドアモジュールデザイン性に優れ軽量で燃費の向上に貢献する、樹脂製自動車用バックドアです。

車載用リチウムイオン電池負極材高容量かつ放電負荷特性に優れたリチウムイオン電池を実現可能にします。

自動車用バッテリーアイドリングストップシステム(ISS)車専用の耐久性の高いタイプなど、さまざまな自動車に対応します。

電気絶縁ワニスハイブリッド自動車の駆動用モーターをはじめ、車の中のさまざまなモーターに使われています。

ディスクブレーキパッド雨や雪などの悪条件下でも高い性能で車を停止させます。

カーボンブラシ発電機から電気を取り出すための部品です。

電気絶縁ワニス発電機のコイルに欠かすことのできない絶縁材料です。

電力貯蔵システム「Seflaシステム」夜間電力を貯蔵し、昼間に活用するシステムです。

塗料用樹脂高光沢やきずがつきにくい塗料など、各種高機能塗料のベースになる樹脂です。

透明層間充填フィルム「ファインセット」見やすい画面を実現する透明粘着フィルムです。

自動車で使われる製品

社会インフラで使われる製品

自動車づくりの未来を見つめ、安全、快適、環境、そして美しさの可能性を、化学の力で開拓しています。

私たちの生活をいっそう豊かに、便利にするさまざまな製品や技術によって、未来に貢献していきます。

日立化成の製品・サービス 14

Annual Report 2015

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特集 オープン・ラボ1

「オープン・ラボ」を活用したオープン・イノベーションにより材料ビジネスを変革していきます。

特集1

2014年6月、日立化成は次世代の半導体実装材料技術の強化を目的として、筑波総合研究所内に「オープン・ラボ」を開設しました。日立化成は、オープン・ラボを活用したオープン・イノベーションにより、先端情報の先取りおよびサプライチェーンを巻き込んだ共同開発を促し、「社会やお客さまの期待を超える驚き」と「化学を超えた『新たな価値』の創造」を業界に先駆けて実現していきます。

Part.1 日立化成のオープン・ラボとは?その目的と概要 近年、半導体実装材料(以下、実装材料)の開発においては、半導体パッケージの技術がより高度になっていることに加え、製品サイクルが短く、短期間で実装材料を開発し、提供することが重要になっています。同時に、次世代の製品開発に活かせる新しいアイデアも必要になっています。日立化成では、これらの課題を解決するための新たなアプローチ法としてオープン・ラボを開設しました。

アプローチの変化 従来の実装材料開発では、「サンプル提出⇔顧客評価」の繰り返しに多くの時間を費やしていました。また、条件の違いなど、お客さまとともに実験できれば簡単に解明できる問題も多くありました。 一方、オープン・ラボでは、お客さまは、日立化成、競合の製品を問わず使いたい材料を用いて、日立化成もしくはお客さまの半導体パッケージで実装、解析す

ることが可能です。また、日立化成は、実装工程で必要な材料をほぼラインアップしているため、お客さまは、いろいろな組み合わせを試すことができるうえ、日立化成からはお客さまの求める実装材料や使い方(プロセス)をタイムリーに提案することができます。 これにより、開発期間は大幅に短縮されます。さらに、お客さまの開発の場に立ち会うことで、新しいアイデアを発見することも期待できます。

15

Annual Report 2015

従来アプローチ 新アプローチ

お客さまのニーズ吸い上げ・材料紹介

サンプル提出

お客さま採用

(OKが出るまで繰り返し)

お客さま評価(材料・プロセス)

お客さまのニーズ吸い上げ・材料紹介

当社サンプル

お客さま持ち込み部材

お客さま採用

オープン・ラボ

評価(ソリューション提案)

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特集 オープン・ラボ1

 近年のスマートフォンやタブレットPCに代表される情報端末機器の急激な小型化・高機能化に伴い、半導体パッケージは小型化・高密度化が急速に進んでいます。このため、その構造は面実装の高密度化にとどまらず、デバイスに貫通ビア(TSV: Through Silicon Via)を有する3次元へとより複雑化しており、実装プロセスも多様化して

います。 一方、製品サイクルも短くなっており、このような複雑な半導体パッケージを短期間で開発するには、新しい実装材料をタイムリーに提案することはもちろんのこと、実装プロセスを含めた顧客目線での総合的なソリューションをスピーディーに提案することが重要となります。

半導体パッケージとは 半導体デバイスのさまざまな機能は、複雑な工程を経てシリコンチップ(ベアチップ)上につくり込まれた集積回路によって実現されています。そのシリコンチップは非常に繊細なため、わずかなゴミや水分などの影響で動作しなくなったり誤動作を起こしたりしてしまいます。こうしたトラブルを防止するため、シリコンチップを樹脂(封止材)で覆い外部環境から保護する必要があります。また、非常に微細なシリコンチップの電極をプリント配線板と接続し確実に電子情報を伝えることが必要です。これらの役割を担うのが半導体パッケージです。

電子機器と半導体パッケージの動向

関係の変化 日立化成とお客さまや競合メーカーなどとの関係が変われば、新しいプロセスを検討する場合、その分野が得意な装置メーカーや日立化成が保有していない材料が得意なメーカーと一緒に半導体パッケージの評価を実施し、お客さまへ提案することができます。 日立化成は、オープン・ラボを通して、求める性能を

発揮する実装材料をタイムリーに提案し、お客さまの期待に応えていきます。同時に、先端の情報を入手し、その情報を基に新製品を開発し、次世代に対応することで、実装材料分野を積極的にリードし、お客さまに頼られ、お客さまの発展に貢献できる存在になることをめざします。

装置メーカー

アライアンス

パートナーシップ

情報共有(装置・プロセス条件のフィードバックなど)

材料メーカー(競合)

材料メーカー(競合)材料

メーカー(協業)

材料メーカー(協業)

日立化成

お客さま

既存の枠組みや視野に閉じこもる(お客さまにとっての存在価値低下) オープン・ラボを核として、

装置・材料メーカーのコンソーシアムを構築

従来 これからお客さまはどんな材料を組み合わせているんだろう?どんな処理をされるんだろう?

日立化成オープン・ラボ

お客さま

コンソーシアムを主導して価値を提供

コンソーシアム

協力

材料メーカー(協業)

材料メーカー(協業)

装置メーカー

材料メーカー(競合)

材料メーカー(競合)

1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代

パーソナルコンピュータ

ゲーム機

携帯電話

デジタルカメラ有機基盤

電子機器の小型化・高機能化が加速半導体パッケージの実装形態複雑化

製品サイクルの短縮化デバイス積層

スマートフォン

タブレット

ウェアラブル機器

新しい半導体パッケージを短期間で開発材料提案だけでなく、お客さまでの実装プロセスも提案

リードフレーム

メモリー積層

パッケージ積層

オープン・ラボ設立の背景

Annual Report 2015

16

Page 18: 日 ANNUAL REPORT · 2020. 9. 30. · 96,775 76,318 73,978 87,652 88,997 87,652 88,997 投資指標 売上高営業利益率 *(売上収益営業利益率) (%) 8.7 5.2

─ 半導体パッケージ開発の各工程における、お客さまとの関係の変化 ─Part.2 オープン・ラボで実現した新たなアプローチ

特集 オープン・ラボ117

Annual Report 2015

次世代のスマートフォンなどには、どのような構造の半導体パッケージが必要になるのか、お客さまの要望をうかがいます。オープン・ラボへ最先端の装置を導入したことにより、お客さまから「ニーズに応えてもらえる」と期待を持っていただけるため、以前より踏み込んだ具体的なニーズを引き出すことができるようになりました。

お客さまにとって最適な半導体パッケージを提案するために、評価に使用するさまざまな材料・プロセスを検討します。オープン・ラボでは、日立化成の豊富な材料ラインアップに加え、他社の材料も含めていくつものパターン、組み合わせを選ぶことができます。どのような材料・プロセスで評価するのか、お客さまと相談しながら決めることができるようになりました。

評価する材料を決めた後、材料の詳細な仕様を決めます。同じ材料でも、弾性率や熱膨張率、厚さなどが変わると発生する応力や反りに違いが生じます。オープン・ラボでは、どのような特性の材料が良いか、お客さまと一緒にシミュレーションを行い、詳細な材料特性および組み合わせ仕様を決めることができます。

お客さまのニーズ吸い上げ・材料紹介

評価用半導体パッケージの

打ち合わせシミュレーション

半導体パッケージの反りシミュレーション

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特集 オープン・ラボ1 18

Annual Report 2015

実装材料分野でNo.1ポジションの確立をめざします 2015年2月、オープン・ラボは横串の組織体制となり、各材料の開発や営業、さらには海外の販売拠点のメンバーが情報共有し、一体となって動いていくこととなりました。オープン・ラボによって、装置メーカーや材料メーカーとも積極的に協業し、期待以上にお客さまに貢献できるよう取り組んでいきます。そして、半導体パッケージにおけるこのビジネスモデルを今後はタッチパネル・ディスプレイ関係でも展開していきます。

オープン・ラボを核として積極的なオープン・イノベーションを進めていきます オープン・ラボの最大の特徴は、日立化成グループの豊富な材料ラインアップと、最先端パッケージの組み立て装置をすべてそろえていること、そして完成したパッケージの評価設備が充実していることです。お客さまはもとより、装置メーカーや材料メーカーからの反響も大きく、これまであまりお付き合いできていなかったメーカーとも協業できる仕掛けができつつあることを実感しています。今後はお客さまのデザイン・設計などの部署が取り組む次世代のプロジェクトにも参加できるように、オープン・ラボの実力を高めていきます。

評価する材料・プロセスが決まれば、オープン・ラボで評価します。各プロセスで必要な装置は、多くのお客さまへのヒアリング調査を基に、お客さまと同じレベルのものを備えています。お客さまにとっては、一度にさまざまな材料や仕様の組み合わせを同じ装置で評価できるので、迅速に材料の仕様やプロセス条件を確立でき、採用までの時間を短縮できます。

お客さまとの協業を通じて得られた情報を分析し、次世代に向けた新しい材料やプロセスを提案していきます。

評価 採用 次世代への提案

日立化成株式会社機能材料事業本部

パッケージングソリューションセンタ

センタ長宮崎 忠一

日立化成株式会社執行役

森嶋 浩之

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特集 ステークホルダーダイアログ2

[社外有識者]1 竹ケ原 啓介氏 株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部長

2 山崎 直実氏 一般社団法人 株主と会社と社会の和 代表理事

[日立化成側出席者]3 丸山 寿 日立化成株式会社 執行役常務 経営戦略本部長

4 武井 裕之 日立化成株式会社 執行役 営業本部長

[テーマ]日立化成の長期ビジョンにかかわる取り組みとステークホルダーとの関係について

[日 時]2015年6月2日

[場 所]日立化成株式会社 本社

参加者 開催概要

50 年後の将来像を見据えて 10 年後の戦略を考える

丸山 2012年に創立50周年を迎えたときに、グループ全従業員が参加して50年後の日立化成の将来像を語り合いました。それを受けて、次の50年に向け日立化成の取り組みを具体的に考えるための第一歩として2014年度からWOW-BB(Working On Wonders

Beyond Boundaries)活動を開始しました。その中では、10年後の夢を語る「10年戦略活動」と、有言実行の挑戦を称える「WOWグローバルアワード」を推進しています。竹ケ原 50年という遠い未来を展望するところに新鮮な印象を受けました。日本は社歴100年を超えるレジリエント(しなやかで強い)な会社が多いと言われます。レジリエントの本質は何かと考えると、いつでも起業の

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オープン・イノベーションの促進により、ステークホルダーとともに成長する企業グループへ

特集2

日立化成は、2012年の創立50周年を機に、10年後の姿を見据えたWOW-BB活動、筑波総合研究所内のオープン・ラボ、グローバル・コーチング・プログラムなど、50年後のあるべき姿を見据えた新しい挑戦に取り組んでいます。日立化成の姿勢、取り組みについて、社外のステークホルダーはどう考えるのか。当社執行役が社外有識者と意見を交換しました。

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特集 ステークホルダーダイアログ2

原点に立ち戻ることができるしっかりした理念があるということに尽きるのではないでしょうか。そのような理念があるからこそ、50年先にジャンプして未来を描けるわけで、そこが貴社の強みだと感じます。山崎 WOW-BBは、とてもユニークな活動だと感じました。従業員一人ひとりが10年先を見据えて夢を語り議論し、会社全体のビジョンとして共有化することは、ビジョン実現に向けた戦略が実効性の高いものになると思います。丸山 四半期ごとに結果を求めなければいけない部分もありますが、もっと将来を見た長い時間軸での議論、施策も必要です。例えば、当社は独自のスタイルとして、お客さまとの密度の濃いお付き合いの中からお客さまが抱える課題を発見し、高い材料技術によりソリュー

ションを提供してきました。これは短 期の視点ではできないアプローチです。竹ケ原 顧客との関係 の 中 で 潜 在 的 なニーズを引き出していくという手 法 は、まさにオープン・イノベーションの考え方ですね。

オープン・イノベーションで お客さまとの新しい関係性が見えてくる

丸山 オープン・イノベーションの新しい取り組みとして、筑波総合研究所内に開設したオープン・ラボがあります。 最 先 端の装置を備えたオープン・ラボ でお客さまと一緒に半 導体の実装プロセスを開発することで開発 期間の短 縮とニーズの先 取りを目的にしています。お客さま、装置メーカー、材料メーカーと一 緒 になってプ ロセスを 開 発していきます。当 社材料では十分な特性を出すことができない場合には、競合他社の材料を試すこともあります。これは他に例を見ない試みです。 昨年の開設以来、多くのお客さま、装置・材料メーカーにご来所いただき、すでに製品認定や共同開発に結びついた例も出てきました。注目度の高さを実感しています。 武井 市場環境が急速に変化し、顧客ニーズが多様化するなか、社内の資源だけで潜在ニーズを発見し、イ

ノベーションを実現することが困難な時代となりました。これまで以上に外部資源を効率的に取り込み、イノベーションの促進を図りたいと考えています。 オープン・ラボの活用によってお客さまや装置メーカー、競合他社との関係も中長期的に変化していくでしょう。日立化成は、オープン・ラボを通じて先端情報を入手し、それぞれに得意分野を持つ装置・材料メーカーとコンソーシアムを組んでお客さまの期待に応えていくことをめざしています。丸山 オープン・ラボの考え方は、実装材料以外の分野にも適用可能ですので、他の事業分野への展開も検討を進めているところです。

ビジョンをグローバルで共有し グループとしての求心力を高める

武井 当社の2014年度の海外売上高比率は、53%になりました。今後もグローバル化を加速し、M&Aを含めた海外拠点の強化・拡充と、アフリカ、中近東など未開拓な市場への展開をテーマに取り組んでいきます。海外展開を進める上では、今後は現地パートナーとのコミュニケーションの円滑化とパートナーの経営文化を尊重したマネジメントが課題だと認識しています。竹ケ原 M&Aで買収した会社の人財が流出しては元も子もありません。いかに現地に権限委譲しつつ求心力を発揮するか、これが貴社の非財務的な力の要素になってくると感じます。丸山 当社は、今 年1月の台湾神戸電池の連結子会社化により、従業員の半分以上が日本人以外という構成になりました。グローバル化する以上、ダイバーシティの推進は避けて通ることはできません。そしてさまざまなバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりに対して求心力を発揮するためには、経営ビジョンの共有化を進めるしかないと考えています。 また、次期の中期経営計画では、グローバル展開における本社の役割は何かということを明確化する必要があると考えています。山崎 最近、海外では、特に公務員に対する贈賄や課税回避の問題への対応が厳しく問われています。自社

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の考え方や防止策をしっかり開示することが重要となっています。丸山 贈賄については、譲らない一線を持ち、周知徹底を図っています。また、課税回避については、私たちの使命は正当な利益を計上して税金を支払い、世の中に価値を提供することですから、絶対に外してはいけないところだと考えています。武井 CSRやコンプライアンスへの備えを怠ることは、特に海外展開を進める上で大きなリスクになると認識しています。取り組み方針のもと、監査を定期的に実施するほか、従業員教育を繰り返し行っています。

グローバル人財の育成により 企業ビジョンを世界で実現する

丸山 私たちは、グループ内でビジョンを共有し、知識やスキルを磨いて自ら成長する人財を「ワールドクラスプロフェッショナル(WCP)」と呼んでいます。それは日本人だけではなく海外の従業員にも等しく要求しています。日立化成ではさまざまな教育プログラムを通じて

WCPの育成に取り組んでいます。武 井  ビ ジ ョ ン を実 現 す る た め に 挑戦した人を表彰する

「WOWグ ローバルアワード」ですが、初年 度 の 最 終 選 考 に残った10チームのうち4チームが海 外からの参加でした。国内で培ってきた日立

化成の理念がグローバルに浸透し、根づき始めていることを実感しています。竹ケ原 買収先企業が日立化成の経営理念を受け入れて、海外で日立化成にシンパシーを持つ人を育てることができれば、そのアウトカムは間違いなく大きいですね。武井 外部から優秀な人財をヘッドハンティングしても、短期間では当社文化への理解は深まりません。やはり勤続年数の長い人には日立化成へのロイヤリティを感じます。長く勤務し、日立化成のビジョンを理解してくれる人を積極的に登用したいと考えています。山崎 グローバル化にあたり経営理念が重要であることは確かです。ただ、飾り物として掲げるのでは意味がありません。従業員に浸透し、実際の行動に反映されて、

初めて企業としての強みになります。投資家も企業の持続可能性を検討する際に重視するので、こうした非財務的な強みをどのように説明していくのかが、ポイントになりますね。

中期経営計画の議論に数字はいらない 10 年後を見据え、 直近 3 年間の方向性を考える

山崎 次期中期経営計 画(2016 ~2018年度 )は、WOW-BB活動 の「10年 戦 略 」をベースに策定するということですね。丸山 当社は毎年秋に事業戦略会議を開催しています。これまでは次年度の予算策定に向けての基本方針を確認することが中心でしたが、昨年は主要部門の「10 年戦略」の発表会としました。今年の秋も事業戦略会議を予定していますが、そこでは10 年後にどうありたいかを徹底的に議論し、それを基に直近の3 年間に私たちは何をすべきかを考え、それを新しい中期経営計画に落とし込もうと思っています。 従来の計画は、過去を出発点とする財務中心の数字ベースの積み上げ型でした。今回は非財務の目標も取り込むなど、新しいスタイルで策定するつもりです。竹ケ原 私もそうなのですが、投資家は日立化成がなぜ業界平均あるいはライバルを上回る利益率を達成できるのかを知りたいのだと思います。中期経営計画で非財務的な内容はあまり語られませんが、他社との差別化要因として説明すれば、投資家に響くのではないでしょうか。個人的には技術・人財・顧客との関連性など、そのあたりに貴社の強みがありそうだと感じています。山崎 投資家が知りたいのは、経営者が頭の中に描くビッグピクチャーです。①どこへ向かうのか(経営理念)、②課題は何か(使命)、③どのような未来を創るのか(事業目的)、④目的地へどのように進むのか(戦略)、⑤重要資本とその再生産をどう行うのか(ビジネスモデル)、⑥どのように健全な経営を行うか(ガバナンス)、⑦どのような機会とリスクを想定し、どう対応するか(サスティナビリティ・E SG)、⑧今どこにいて、今後どうな

特集 ステークホルダーダイアログ221

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るのか(中期経営計画)という流れで、10~20年の長いスパンで話してほしいとよく聞きます。短期についての中期経営計画は最後になります。目的地が定まれば、自ずとすべてが明らかになり、整理されるのではないかと感じています。

財務・IRの世界にも オープン・イノベーションの時代が到来

丸山 当社は、グループ内に対話の文化を根づかせたいと考え、それを大きな課題と捉えています。一つの目標に向かい成長をめざして話を交わすことが対話であり、これを従業員、株主をはじめとするステークホルダーとの間で進めていかなければなりません。山崎 投資家との対話については、社長自身が計画の失敗や要因についてもオープンにすることで投資家を味方につけ、経営に巻き込んでいくような姿勢が求められていると思います。それができれば企業に対する投資家の信頼はいっそう厚くなるのではないでしょうか。 また、投資家に限らずステークホルダーもいろいろです。NGO、NPOも含め多様なステークホルダーと対話しながら、それぞれの考え方を吸収することが大切でしょう。まさにIRの世界におけるオープン・イノベーションです。丸山 重要なステークホルダーである従業員に対しても、私たちは「グローバル・コーチング・プログラム」や「タウンミーティング」など、あらゆる手法で対話の文化を

育成しようと取り組んでいます。経営陣と従業員との対話、また従業員同士の対話がないと、私たちが望む中期経営計画は完成しません。計画策定のプロセスは、全従業員で10年後を考える絶好のチャンスであり、それを大事にしたいと考えています。山崎 目標達成に向けた従業員のモチベーションアップには、プロセスが最も大切ですからね。

非財務の要素を「見える化」する KPI の開発にも挑戦してほしい

武井 中期経営計画を策定した後には、開示資料を作り上げなければいけません。山崎 素材はすでにでき上がっているので、後はいかにそれらの素材を組み合わせて投資家にとって納得感のあるストーリーを作り上げるかという作業になりますね。竹ケ原 非財務的要素も含め、日立化成の次の絵を描くためのマテリアルの抽出が完了しているように思います。後はそれをどう社内外に見せていくかですね。難しいことですが、社会貢献のKPIのようなものも、貴社に開発してほしいと思います。丸山 いつか「日立化成の売上が増えれば世の中がよくなる」と言えるような姿をお見せできれば嬉しいですね。これから全体をつなぎ合わせて魂を入れ、統合化しなければなりません。今日は大変な課題をいただいくと同時に、大変勉強になりました。ありがとうございました。

特集 ステークホルダーダイアログ2 22

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日立化成の価値創造プロセス

ガバナンス

事業

日立化成の事業活動

組織日立化成の製品・サービス(アウトプット)

ビジネスモデル

リスクと機会 戦略と資源配分

実績 見通し

財務資本

製造資本

知的資本

人的資本

自然資本

社会・関係資本

企業理念(Mission) 株主・投資家迅速で公正な情報開示とコミュニケーション活動の質の向上により、資本市場での認知度向上と企業価値の拡大に努めていきます。

お客さま・お取引先良きパートナーシップを通じて、次世代技術の開発と、信頼できる製品を安定供給していきます。バリューチェーン全体の視点でのリスクを抽出し、対応していきます。

従業員人権を尊重し、教育を実践することで個々の成長を促すとともに、働きやすく安全な労働環境を提供していきます。

社会事業を行う地域の状況を理解し、地域社会、市民社会、国際社会への貢献を続けていきます。

政府・行政事業を行う国・地域の関係法令情報を常にアップデートし、法令を遵守するとともに、良き企業市民として社会の信頼を高めていきます。

地球環境地球環境保全を経営の優先課題の一つとし、サスティナブルエンジニアリングを推進しながら技術開発、生産活動を進めていきます。

インプットステークホルダーに提供する価値

マテリアリティ特定プロセスの詳細は、ウェブサイトをご確認ください。 http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/csr/group/materiality.html

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Annual Report 2015

日立化成の価値創造プロセス日立化成は、「時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献する」という「企業理念(Mission)」のもと、外部環境、リスクや機会を意識し、マテリアリティを考慮した事業活動を行っています。これからもステークホルダーの価値の最大化をめざし持続的な成長を続けていきます。

 日立化成は、重点的に取り組むべき経営・事業課題を的確に把握し、適切な優先付けを行うため、マテリアリティ分析を行っています。以下に示すマテリアリティ・マトリックスは、分析の結果導き出された課題をさらに

ビジネスとステークホルダーの2つの側面で重要度分析を行い、取り組むべき重点課題の優先付けを平面上に表したものです。今後も定期的に見直しを行い、経営判断のベースとしていきます。

日立化成グループのマテリアリティ(P.25〜40)

ビジネスにとっての重要度高い 非常に高い

非常に高い

ステークホルダーに

とっての重要度

事業

生産性の向上

安全で使いやすい製品の提供

マーケティング力の強化

ステークホルダーとの双方向コミュニケーション

新事業・新製品の創生

グローバルで戦う人財の育成と評価

材料技術力の強化グローバルな事業展開ダイバーシティ

マネジメント

サスティナブルエンジニアリングの展開知的財産戦略

WOW-BB活動

オープン・イノベーションの推進

労働安全衛生マネジメント

現地化の推進

製品の安定供給

戦略的アライアンスの推進

シナジー効果の向上

環境経営の実践

サプライチェーンマネジメント

組織人

品質マネジメントの強化

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■ 機能材料セグメント 主要製品は電子材料、無機材料、樹脂材料、配線板材料などです。長年培ってきた有機・無機化学をはじめとする幅広い基盤技術を駆使して、お客さまの課題解決に向けた最先端の「機能材料」を提供しています。

■ 先端部品・システムセグメント 主要製品は自動車部品、蓄電デバイス・システム、電子部品などです。これまで蓄積してきた高度な材料技術と加工技術を複合・融合し、自動車、産業エネルギー、電子機器、ライフサイエンスなどの分野で、ニーズに応えた信頼性の高い「先端部品」「システム」の開発を行っています。

日立化成の価値創造プロセス

ガバナンス

事業

日立化成の事業活動

組織日立化成の製品・サービス(アウトプット)

ビジネスモデル

リスクと機会 戦略と資源配分

実績 見通し

財務資本

製造資本

知的資本

人的資本

自然資本

社会・関係資本

企業理念(Mission) 株主・投資家迅速で公正な情報開示とコミュニケーション活動の質の向上により、資本市場での認知度向上と企業価値の拡大に努めていきます。

お客さま・お取引先良きパートナーシップを通じて、次世代技術の開発と、信頼できる製品を安定供給していきます。バリューチェーン全体の視点でのリスクを抽出し、対応していきます。

従業員人権を尊重し、教育を実践することで個々の成長を促すとともに、働きやすく安全な労働環境を提供していきます。

社会事業を行う地域の状況を理解し、地域社会、市民社会、国際社会への貢献を続けていきます。

政府・行政事業を行う国・地域の関係法令情報を常にアップデートし、法令を遵守するとともに、良き企業市民として社会の信頼を高めていきます。

地球環境地球環境保全を経営の優先課題の一つとし、サスティナブルエンジニアリングを推進しながら技術開発、生産活動を進めていきます。

インプットステークホルダーに提供する価値

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2,5202,520

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311311

2,4492,449

2,2822,282 2,1952,1952,3302,330

2,6082,6082,4522,452

2,4552,455

2011 2012 2013 2014 2013 2014(年度)

売上高(売上収益)*・営業利益推移

売上高(売上収益)*(億円) 営業利益(億円)

売上高(売上収益)* 機能材料セグメント

営業利益

先端部品・システムセグメント

機能材料セグメント 先端部品・システムセグメント

日本基準 IFRS

1101105858

3636

256256

2,2752,275

2,6122,612 2,7582,7582,7592,759

2,4932,4932,5812,581

235235

317317

*()内はIFRSに準じた表記

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Annual Report 2015

事業活動によって生み出されるもの(P.11〜14) 日立化成は、材料から部材、さらに部品へと、製品の加工度に応じた括りによる組織体制に基づき、事業活動を展開しています。製品の加工度別に、材料を「機

能材料」、部材および部品を「先端部品・システム」の各セグメントに分類し、これら2つを報告セグメントとしています。

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材料技術力の強化マテリアリティ報告 事業

日立化成の価値創造プロセス

日立化成の特徴 日立化成は、4つの源流製品開発で培われた有機・無機化学にまたがる深い材料ノウハウと、製品を進化させる過程で生み出された多彩な技術をボーダーレスに組み合わせることで、価値を提供してきました。材料開発の基本となる精製、抽出、配合、合成などからなる「材料技術」、さまざまなニーズに合わせて最

適な特性を導き出す「プロセス技術」、的確なデータ分析により次の一手を導き出す「評価技術」、求められる機能を実現する「設計技術」。材料技術をはじめとしたこれら4つの基盤技術において、技術革新型企業としての企業価値を社会に提供しています。

基本的な考え方 日立化成は、「時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献する」という企業理念に基づき、新製品開発の基礎である材料技術力の強化に取り組んでいます。中期経営計画では、ハイエンド分野における材料技術力を強化し製品の差別化を図ることを成長戦略の1つとしており、その戦略を実行するためには、

内部からの技術革新だけではなく、社会の潮流を取りこんだ外部との協働も重要であると考えています。そうしたオープン・イノベーションへの取り組みを含め、次世代の新製品開発に必要な、特徴ある材料技術の強化に取り組んでいます。

研究開発体制の強化 日立化成では、将来を担う先端技術の研究をいっそう強化するため、重点事業領域にシフトした研究開発体制を構築するとともに、売上高の 5% 超を研究開発費に投入し、新製品・新事業の創出に努めています。 また、研究所については、独立した部門ではなく、新事業本部に所属させて「事業化促進を支援する機能」として位置付け、重点研究分野(情報通信、電池、

社会インフラ、未来技術、基盤技術)ごとに開発センタを設けています。 さらに、急速に変化する市場環境や次世代のニーズに迅速に対応するため、研究開発部門にマーケティングの役割も持たせています。マーケティング力の強化を目的とした研修を関係者に受講させ、日立化成の技術とお客さまのニーズを効果的に結び付けられるよう努めています。

基礎技術と事業領域

源流製品

絶縁ワニス積層板カーボンブラシ絶縁ガイシ

基盤技術 重点事業領域情報通信・ディスプレイ

環境・エネルギー

ライフサイエンス

自動車・交通インフラ

材料技術 精製、抽出、配合、有機・無機合成、精密重合、有機無機ハイブリッド

プロセス技術 表面・界面制御、粒子分散、含浸、塗工、コンポジット化、積層、焼結、成形加工、バイオテクノロジー

評価技術 材料特性評価、実装プロセス評価、実装信頼性評価、分析、解析

設計技術 分子・粒子設計、機能性樹脂設計、デバイス設計、高周波回路設計、熱設計、CAE

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日立化成の価値創造プロセス

太陽電池の変換効率向上に貢献する波長変換粒子を発売 日立化成は太陽電池の封止シート向けに、発電効率を向上させることができる波長変換粒子を開発し、販売を開始しました。この波長変換粒子はアクリル樹脂粒子内に蛍光体粒子を含有させたものであり、これまで発電に利用できなかった短波長の光(紫外線)を長波長の光

(可視光)に変える機能を持っています。この粒子を使用した封止シート(波長変換フィルム)を用いた太陽電池モジュールでは、変換効率が最大で2.2%向上※することが確認できました。また、この粒子は耐久性に優れたアクリル樹脂に分散させていることから、太陽電池モジュールの耐久性を損なうこともありません。加えて、封止シートメーカーがこの粒子を封止シートに混合させる際、封止シートメーカー側でのプロセス変更の必要はなく、生産性には影響を来たさずに変換効率を向上させることができます。

材料技術力に関する受賞(1)「高性能なリチウムイオン二次電池用炭素材料の発明」で平成26年度全国発明表彰 朝日新聞発明賞、発明実施功績賞を受賞 日立化成は、平成26年度全国発明表彰において、

「高性能なリチウムイオン二次電池用炭素材料の発明」(特許第3325021号)で特別賞「朝日新聞発明賞」および「発明実施功績賞」を受賞しました。 リチウムイオン電池(LIB)用炭素材料とは、当社が開発、生産しているLIB用負極材です。今回の発明はその製品の材料・製造方法に関する特許です。粒子の内部に細孔を形成した擬似等方性の球塊状黒鉛粒子にすることで、従来の負極材に比べ、エネルギー密度や大電流特性などを飛躍的に高めることに成功し、高性能LIBの実用化に貢献したことが高く評価されました。

 LIBは、大容量で小型・軽量である特性を活かして、ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器、近年ではハイブリッド自動車・電気自動車、再生可能エネルギー向け蓄電池などにも使用されており、ますます用途が広がっています。

(2)微細配線形成材料で「第10回JPCA賞(アワード)」を受賞 日立化成は、「セミアディティブ対応微細配線形成材料」で、「第 10 回 JPCA 賞 (アワード)」を受賞しました。審査は学術界、電子回路業界、専門誌編集者などの委員で構成される選考委員会にて行われ、①製品・技術の独創性(独自性・オリジナリティ)、②産業界での発展性・将来性、③信頼性、④時代の適合性が選考基準となります。今回は、応募テーマ総数 18 社 22 件の中から6 件が本賞を受賞しました。当社は6 度目の受賞となります。 本製品は、次世代のさらなる微細配線化に対応するため、極めて低粗化でめっき銅および絶縁樹脂との密着性に優れたセミアディティブ対応微細配線形成材料です。本製品をガラスクロス入り基材と組み合わせて用いることで、セミアディティブ工法に対応でき、高 剛 性と微 細 配 線化 ( L / S =5/5μm以 下 )を 両 立 す るパッケージ基板などを製造できます。

2014年度の取り組み

KPI 売上高研究開発費比率 (売上収益研究開発費比率)*

蛍光灯下 紫外線下

微細配線化を実現(L/S=5/5μm)

※JIS C 8919に準じた屋外試験により、従来の封止シートを用いた 太陽電池モジュールと比較した結果 (JIS C 8919:結晶系太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法)

2010 2011 2012 2013 20132014 2014(年度)

5.3 5.4 5.5 5.3 4.85.4 5.1

(%)

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日本基準 IFRS

*()内はIFRSに準じた表記

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グローバルな事業展開マテリアリティ報告 事業

日立化成の価値創造プロセス

地域統括機能の強化 各地域の需要動向に即したマーケティング戦略を展開し、現地の需要に適合した研究開発・製造・販売活動を行うため、重点地域については、中核となるグループ会社に地域統括機能を持たせて、地域ごとに効率的な経営・事業運営体制を構築しています。2011年度に中国の統括会社として日立化成(中国) 投資有限公司を設立し、お客さまに近い拠点における現地スタッフ主導による迅速な意思決定とガバナンス強化のための体制を構築してきました。2015 年 4 月には米

国、タイにて地域統括会社が発足しました。

「グローバル標準基幹システム(AX)」導入 日立化成グループは、海外グループ会社の基幹システムを統一し、グループ経営に必要な情報を正確かつタイムリーに管理できる「グローバル標準基幹システム(AX)」を導入しています。AXは、販売、購買、生産管理などの業務をカバーしており、日立化成の会計システムとあわせて利用することで基幹業務の効率化を図っています。また、各拠点の業績情報が照会できるシステムや、化学物質管理システムで使用する基礎情報をAXで管理することで、レベルの高い業務の共通化・標準化を図っています。

グローバル標準基幹システム(AX)のイメージ

タイの地域統括会社

販売 購買 在庫管理

生産計画 生産管理 品質管理

AX 業績管理システム

化学物質管理システム

会計システム(IFRS準拠)

2014年度の取り組み

日立化成の特徴 日立化成は、近年、特に新興国を中心として、生産能力増強などの設備投資を重点的に行い、グローバルに拡大する需要を獲得するための体制整備を進め

てきました。なお、2014 年度の海外売上高は52.8%となっています。また、海外生産売上高比率も上昇し、2014 年度は33.1%となっています。

基本的な考え方 中期経営計画(2013 ~ 2015年度)での海外展開方針として、高機能材料事業ではハイエンド分野での材料技術による製品差別化と海外での製品展開による収益体質の維持・向上を掲げています。また、自動車部品事業ではグローバルサプライヤーをめざした海外生産拡大による収益性改善、海外販路拡大、次世代製品開発の加速化を目標としており、蓄電デバイス事業では将来の主力事業として、グローバル成長加速、2016年度以降の本格成長に向けた磐石な事業基盤

の確立を掲げています。特に新興国市場の需要を獲得するため、生産・マーケティング・営業体制を強化することにより、市場拡大の機会を確実に捉えていきます。 また、グループ共通の企業統治方針に基づいて経営を行うグローバル企業をめざし、海外のグループ会社のためのコンプライアンス啓発活動や監査を実施するとともに、現地の情勢に配慮したリスクマネジメントを強化していきます。

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日立化成の価値創造プロセス

グローバル事業強化への取り組み

日本日立化成(株)連結子会社 19 社

米州連結子会社 8 社

ASEAN、インド連結子会社 13 社

欧州・アフリカ連結子会社 7 社

中華圏ほか連結子会社 26 社

南アフリカ市場開拓南アフリカ共和国に駐在員を置き、高品質樹脂の市場開拓で差別化をめざす

タイにて地域統括会社が発足連結子会社4社を統合。顧客サービス、運営効率の向上をめざす

台湾神戸電池股份有限公司を連結子会社化日立化成グループの持つ鉛蓄電池に関する高い技術とのシナジー効果を発揮させ、蓄電デバイス事業のグローバル展開を加速

米国にて地域統括会社が発足電子材料事業、自動車部品事業、診断薬事業に加え、蓄電デバイス事業の市場を拡大

会社数は2015年4月の地域統括会社発足などを反映

0

1,000

2,000

3,000

0

10

20

30

40

50

60

2010 2011 2012 2013 2014 20142013 (年度)

アジア

1,8151,815 1,7161,716 1,8861,886 2,1562,156

346 291283

341

2.3962.396

425

43.4

2,161 2,0072,169

2,4972,821

2,1562,156

341

2.3962.396

4252,4972,82142.4

46.750.6 52.8 51.1 53.7

(億円) (%)

その他 海外売上高比率(海外売上収益比率)*

日本基準 IFRS

4,000

0

10.0

20.0

30.0

2010 2011 2012 2013 2014 20142013 (年度)

40.0

16.9

18.7

23.0

28.4

33.1

28.7

33.6

(%)

日本基準 IFRS

KPI 海外売上高(海外売上収益)*/ 海外売上高比率(海外売上収益比率)*

KPI 海外生産売上高比率(海外生産売上収益比率)*

*()内はIFRSに準じた表記

28

Annual Report 2015

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日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

研究開発体制 Super-X・Next-X プロジェクトの推進

アイドリングストップシステム車向けの次世代鉛バッテリー技術を開発 アイドリングストップシステム※1(ISS)車向けに、容量・耐久性を高めた次世代鉛バッテリー技術を開発しました。 ISSは燃費改善、CO2 削減による環境負荷低減などの目的で多くの自動車に採用されており、グローバルレベルで急激に市場が拡大しています。日立化成は、2010年よりISS車向け鉛バッテリーを販売しており、お客さまから高い評価をいただいてきました。そして今日、日立化成の強みである材料加工技術などを活かし、ISS車用鉛バッテリーの高容量

化技術、高耐久性技術の開発に成功しました。高容量化技術: 電極に使用される電池活性物質を多孔質にすることで、電解液との接触面積を増やし、5%の容量拡大を実現。これにより、エンジンの始動性が高まるほか、自動車の電気負荷増に対応します。高耐久性技術: 特殊な不織布を従来のセパレータと併用することで、電極の上下で電解液の濃度が異なるために起こる電極の劣化現象(成層化)を抑制させ、バッテリーの耐久性200%※2 増加を実現します。※1 車両の停止・発進に合わせて、エンジンの停止・スタートを自動的に行うシステム※2 当社現行ISS車用バッテリー比較。当社基準のPSOC(部分充電状態)条件の耐久

性試験において上記性能を確認しました。

新事業本部筑波総合研究所マーケティングセンタ知的財産戦略室新事業推進センタメディカル事業ユニット

Super-X プロジェクト(新規事業)

Next-X プロジェクト(既存またはその延長線上の事業)

マーケティンググループ

社会・技術潮流分析

先端技術探索

日立化成の特徴 プロジェクト化による、経営層直下の研究開発マネジメントで、新規事業創生を強化・加速させています。既存事業の延長線上に無い大型新規事業を創出するために、筑波総合研究所が中心となって、環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野、社会インフラ分野におけるSuper-X プロジェクトと名付けた合計 8つ

の研究開発プロジェクトを推進しています。 また、既存事業の次期大型新製品の早期立上げのために、エレクトロニクス、電池事業を中心にNext-Xプロジェクトと名付けた14 プロジェクトを、研究所・事業部開発部門が一体となって専任体制で推進しています。

基本的な考え方 日立化成は、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神をもって、化学を超えた「新たな価値」を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を提供することをグループ・ビジョンとし、社会や市場の潮流を俯瞰し、10年以上先のニーズを見据えて新製品・新事業の創生に取り組んでいます。新製品・新事業の創生は、日立化

成の継続的な成長のコアとして不可欠のものであり、長年培ってきた広範な技術基盤を基に、リソースを効率的に投入しアウトプットに結びつける研究開発体制のもと、お客さま、社外研究機関などとの協業も活用し、各種施策を推進しています。

新事業・新製品の創生マテリアリティ報告 事業

29

Annual Report 2015

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日立化成の価値創造プロセス

製品構造比較

性能を一段と向上させた2種類の新たな異方導電フィルムを開発 タブレットPCやノートパソコン、液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)に広く使われている回路接続用異方導電フィルム(ACF)は、日立化成が世界に先駆けて開発した回路接続用材料です。 日立化成は、さらなる薄型化と高精細化に対応するため、基盤技術である機能性樹脂・硬化剤設計技術と、粒子分散プロセス技術を応用し、2種類のACFの新製品開発に成功しました。今後も高度な技術と新製品の開発を通じて、FPDのさらなる発展に貢献していきます。

(1)ガラス基板の薄型化に対応するUVB-ACF (UV照射型異方導電フィルム) 基板が薄型化すると、ドライバー ICチップとFPDガラス基板との間で温度差が発生しやすくなります。従来のACFで実装に必要な加熱温度では、FPDガラス基板に反り(歪み)が発生し、この結果、FPDの色調が不均一になる現

象が発生していました。UVB-ACFはFPDガラス基板の反りを従来比で50%低減でき、基板のさらなる薄型化に貢献します。

(2)高精細化に対応するPAL-ACF (粒子超分散配置型異方導電フィルム) 高精細化、いわゆる回路のファインピッチ化に関して、流動性を制御した接着剤中に導電粒子を均等・均一に分散配置させ、粒子密度※も従来比54%低減させたチップ・オン・グラス用新型ACFを開発しました。※粒子密度:垂直方向から光を照射し投影される、単位面積あたりの粒子の数

製品外観(UV保護の防湿袋を採用)

タブレットPCフレキシブル配線板

チップ液晶パネル

ACF

UVB-ACF

800

5

10

15

20

25

30

90 100 110 150 160 170 180

最大 50%の反り低減を実現

従来 ACFFPDガラス基板反り量(µm)

ACF実装温度(℃)実装条件 IC チップ : 0.9mm×20mm×0.2mmt       ガラス基板 厚み 0.2mmt, ITO-Metal 電極

項目 従来ACF PAL-ACF(新製品)

導電粒子配置状態

製品構造(断面模式図)

製品構造(実装断面写真)

実装外観写真(接続面積 1,200μ㎡)①微分干渉顕微鏡画像

②顕微鏡画像

①対向電極に捕捉された粒子数にばらつきがある

②隣接電極間に存在 する粒子が凝集しやすい

①対向電極間に捕捉された粒子数が多く、ばらつきが極めて少ない

②隣 接 電 極間に存在する粒子が均一に分散されて極めて凝 集しにくい

KPI コーポレート所属研究開発人員比率

2012 2013 2014

(%)

45

24

12

19

47

263

7

環境・エネルギー

24 16

57

20

情報通信ライフサイエンス 基盤技術など

0

20

40

60

80

100

30

Annual Report 2015

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サスティナブルエンジニアリングの展開マテリアリティ報告 事業

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

サスティナブルエンジニアリングの推進 2014年度のサスティナブルエンジニアリング製品

(環境適合製品)売上高比率は、98.8%となりました。環境適合製品の集計体制を見直すとともに、新規登録を促進した結果、大きく伸長しました。2015年度は98%以上の達成を目標としています。

サスティナブルエンジニアリング製品の一例

環境対応モビリティ・燃費改善機構用粉末冶金製品 年々強化される自動車の環境規制に対応するため、自動車メーカー各社はエンジンの改良や電動化に注力しています。日立化成は、形状と材料の自由度が高い粉末

冶金工法により、エンジン用をはじめとしたさまざまな粉末冶金製品を提供しています。 本製品は、エンジンの 吸 排 気 バルブの開閉タイミングを最適に可変させることで、排気ガスを低減し、燃 費や 出 力 の 改善に貢献するもので 高 い 評 価を得ています。

2014年度の環境適合製品新規登録品一覧

HOUSING, POWER MODULE

透明層間充填材

太陽電池用ドーピングペースト

高耐熱ガラスエポキシプリプレグ/銅張積層板/シールド板

サイクル用制御弁式据置鉛蓄電池

高率用制御弁式据置鉛蓄電池

リチウムイオン電池蓄電池システム

波長変換粒子※実績値は2011年度の目標を100とした場合の指数

2011

実績目標

2012 2013 2014 2015目標(年度)

100281

450625

575

1,350

1,169

2,200

175

売上目標と実績(指数表記※)

KPI サスティナブルエンジニアリング製品 (環境適合製品)売上高比率の実績と目標

(%)

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度目標

85.4 83.9 98.8 98以上

日立化成の特徴 サスティナブルエンジニアリング全体の進捗状況は、環境適合製品の売上高比率をKPIとしてモニタリングしています。環境適合製品の定義は日立グループ共通のもので、製品機能性、省資源性、再資源性、化学物質安全性、グリーンケミストリー性、環境保全性、省エネルギー性および情報提供性からなる8つのカテ

ゴリーを評価し、一定の基準をクリアしたものを認定しています。 また、事業部門ごとに対象製品や技術についてKPIを設定し、その達成度を毎年「グループ環境・CSR 会議」でフォローしています。

基本的な考え方 サスティナブルエンジニアリングは、サスティナブルビジネスの根幹を成す、日立化成の技術力の集積です。サスティナブルエンジニアリングの中核となるのは事業のイノベーションです。基盤技術の複合・融合を通じて、研究・開発、製品の企画・設計段階において地球への影

響・負荷を最小限とすることをめざしています。 環境への配慮をはじめ、高い機能を持ち、コスト面でも優位性のある差別化製品を積極的に市場に投入し、競争が激化しているサスティナブル技術分野における日立化成の市場ポジションを高めていきます。

31

Annual Report 2015

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安全で使いやすい製品の提供マテリアリティ報告 事業

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

製品の化学物質管理 日立化成は、2011年に化学物質の安全性情報と、取り扱い製品情報を一元的に管理する新システムを構築し、利用しています。2014年度は、製品や、調達資材に含まれる化学物質について、世界各国の化学物質法規制や危険有害性データの最新情報を容易に検索できる仕組みをシステム内に取り込み、国内外グループ各社に導入を進めました。これらの仕組みは、2014年度に施行された韓国や台湾の化学物質新法が要求する物量集計報告作業などにも適用する予定です。

製品事故の再発防止の徹底 日立化成は、2013年度にワールドワイドでの品質情報発信ネットワークを構築しました。これにより、品質情報の共有化を促進し、国内外の各拠点や事業部門での素早い課題改善のアクションに役立てています。2014年度は、摘出された課題の根本原因や是正策が

関係部門に正確に伝わるよう、発信様式の定型化と表記の標準化を進めました。是正対策の有効性は、関係する製品群の品質保証部門や本社管理部門が確認し、フォローアップの結果は全グループ会社に通知されます。また、製造物責任の考え方を定期的に学習するeラーニング教材を新規開発し、国内全生産拠点に啓発活動を行いました。2015年度は海外生産拠点にも展開を予定しています。

品質マネジメントシステム

●ニーズ●技術的要求事項

●製品の仕様●製品の輸出に関する 各種書類 (安全データシート、 製品仕様書)など

お客さま・お取引先との情報の流れ 製品の流れ 社内での情報の共有化・プロセス間での共同作業

お客さま 営業部門

資材調達部門 お取引先品質保証部門

■ 内部監査 ■ 是正・予防 ■ お客さま満足度評価

開発・設計部門■ 開発・改良 ■ 設計評価

製造部門■ 製造 ■ 出荷検査 ■ 発送

製造事業所

KPI お客さま満足度調査結果※

2012 2013 2014 (年度)

81.7 82.5 83.0

(%)

0

20

40

60

80

100

日立化成の特徴 日立化成では、「品質保証活動理念」を具体化するために、品質マネジメントシステムによる各種プロセスの監視と改善活動を継続的に実施し、お客さまのビ

ジネスやニーズのグローバル化に対応したサービスの維持向上に努めています。

基本的な考え方 日立化成は、事業のグローバル化に伴いお取引先やお客さまが多様化しているため、常に安全な資材を調達し、さまざまなお客さまに満足していただける高い安全性と品質を保つことが重要と考えています。 調達する資材に含まれる化学物質や、製造過程におけ

る化学物質の使用が人の健康と環境へ悪影響を与えるリスクを認識し、グループ全体で化学物質を適切に管理し、各国の関連法令にも適切に対応する体制を整備することで、品質に優れ、かつ安全性の高い製品の供給に努めていきます。

※当社、各事業所が調査した満足度の単純平均値

32

Annual Report 2015

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サプライチェーンマネジメントマテリアリティ報告 事業

日立化成の特徴 日立化成は、サプライチェーンにおける社会的責任を実現し、お取引先との相互理解をより深化させていくため、「日立化成購買方針」「日立化成購買取引行動指針」に基づき、「日立化成サプライチェーンCSR推進ガイドブック」「グリーン調達ガイドライン」を作成しています。新規お取引先の選定にあたっては、購入品の価格・品質、財務上の信用などに加え、CSR の観

点から調査を行い、調達部門の最高責任者が調査結果をすべて確認しています。

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

CSR調達・監査 2014年度は「日立化成サプライチェーンCSR推進ガイドブック」を日立化成各社の主要取引先約400社へ配布しました。主要なお取引先約200社(全購入額の9割相当)に対しては、「日立化成サプライチェーンCSR推進ガイドブック」に添付されているチェックシートを利用し、お取引先におけるCSR活動の実態について自己診断をお願いしており、2014年度までに約60%のお取引先から回答をいただきました。その結果に基づきお取引先を直接訪問し、人権、労働環境などを含む日立化成の考え方をご理解いただくための活動を行っています。また、高品質の資材を安定的に提供していただける体制を確認するため、当社の各事業所は、毎年サプライヤーに出向いて監査を実施しています。2014年度は73社を監査しました。

紛争鉱物への取り組み 日立化成は、「日立化成購買方針」および「日立グ

ループの紛争鉱物調達方針」に基づき、お客さまの要請する使用対象鉱物の産地調査を、サプライチェーンを遡って実施しています。 これからも、コンゴ民主共和国およびその周辺地域で重大な人権侵害を引き起こしている武装勢力の資金源を断つ目的で定められた米国金融規制改革法(通称ドッド・フランク法)1502条の趣旨を尊重し、調査依頼に誠実に対応していきます。

「日立化成サプライチェーンCSR推進ガイドブック」

KPI サプライヤー監査数※

基本的な考え方 より良い製品をお客さまに提供するためには、品質・納期・価格・先進技術に関する顧客要求に合致した資材を調達することが不可欠です。そのため、経営力・管理能力が高く、安定供給が可能なお取引先をグローバルな視点で探索し、強固なサプライチェーンを構築するよう努めています。加えて、お取引先の品質管理・コンプライアンス体制、環境保全への取り組みなどを

評価基準にした取引を行うため、お取引先のCSRの実態を把握するための監査やアンケート調査を実施しています。人権の尊重、労働安全衛生の確保、法令および社会的規範の遵守、環境保全活動などの面で、改善が必要な分野を指摘し、改善を促し、意識を共有することで、サプライチェーンが一体となって企業の社会的責任を果たしていきます。

2012 2013 2014 (年度)

96 89

73

(社)

40

20

0

60

80

100

※当社単独

33

Annual Report 2015

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環境経営の実践マテリアリティ報告 組織

日立化成の特徴 日立化成は、環境活動全体の自己評価を行い、継続的なレベルアップに役立てるため、事業所またはグループ全体の年度ごとの活動目標に対する達成度をグリーンポイント(GP)で客観的に分析しています。2014年度のグリーンポイントは599GPとなり、目標の576GP以上を達成しました。バックドアモジュールによるCO2 削減やFRP再生事業推進により「製品事業戦略」の項目が、また、環境適合製品の拡大により

「エコプロダクツ」の項目が大幅に向上しました。一方、「サプライチェーン」「地球温暖化防止」「資源循環」の項目は目標を達成できませんでした。2015年度は

「サプライチェーン」「地球温暖化防止」を重点的にさらなる活動レベルの向上を図ります。

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

製品と事業活動に伴うCO2 排出抑制 日立化成は、日立グループの「2025 年までに製品を通じて年間 1 億トンの CO2 排出抑制」計画に参画しています。また、事業活動に伴うエネルギー投入量の削減にも継続して取り組んでいます。2014 年度は2013 年度と比較して、製品によるCO2 排出抑制量では28% の改善、事業活動によるCO2 排出量では主要製造サイトの売上高原単位で2% の改善となりました。

水資源投入量の削減 日立化成は海外製造サイトを中心に水使用量の削減に取り組んでいます。2014年度は、主要製造サイトにおいて1,067万m3 の水を使用し、そのうち海外サイトにおいては171万m3 の水を使用しました。海外サイトの水使用量は、基準年度2005年度に比較して売上高原単位で63%改善しています。

公害防止への取り組み 日立化成は、光化学オキシダントの原因となる揮発性有機化合物(VOC)の大気排出量削減に取り組んでいます。2014年度は主要製造サイトで577トンのVOC※を排出し、基準年度(2006年度)比で67% 削減しました。また、そのほかの大気汚染物質、水質汚濁、騒音、振動、悪臭などに対しても、各拠点において定期的な計測などにより適切に管理されています。

※環境省の基準を基に日立グループが定めた41物質を集計

関連情報 P.04 

環境経営

製品事業戦略

サプライチェーン資源循環

エコマインド

エコプロダクツ

地球温暖化防止

ステークホルダーとの環境協働

2013年度実績:533GP2014年度目標:576GP2014年度実績:599GP

80

204060

100

0

8888

8484

7474

6060

7575

6969

8484

6464

「GREEN21-2015」の評価レーダーチャート※

KPI 環境投資額※

基本的な考え方 日立化成は、日立グループ共通の環境ビジョンである

「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」を環境経営の三本柱として採用しています。こ

れら基本方針のもと、「日立化成グループCSR取り組み方針」「日立化成環境保全行動指針」を定め、環境に配慮した事業活動を行っています。

2010 20122011 2013 2014(年度)

17.8

6.24.6

12.3

6.1

(億円)

0

5

10

15

20

※集計対象範囲は10 社、25サイト

※集計対象範囲はP.04※3参照

34

Annual Report 2015

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知的財産戦略マテリアリティ報告 組織

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

技術・製品の優位性の確保 日立化成は技術・製品分野ごとにPPM(Patent Portfolio Management)を実施しています。その黎明期・発展期・成熟期および競合の状況などに応じて、事業支援効果の高いグローバルな特許網を構築し、当社が開発した技術・製品の優位性を確保しています。

他社特許権の尊重 特許検索システムの整備と特許検索エキスパートの育成により、研究開発の段階から他社技術・特許の調査および分析を緻密に実施し、他社の知的財産を尊重しつつ、当社技術の差別化を支援しています。

権利侵害への毅然とした対応 当社の権利を侵害する企業に対し、グローバルで積極的な対抗策を講じています。なお、当社が保有する知的財産について、グループ会社以外からの受取ロイヤリティ額は、2014年度は約16億円となりました。

対象技術者向け 特許出願、特許権に関わる法知識

特許明細書作成(演習)、拒絶理由対応特許情報検索

主な教育内容

営業向け 技術情報の漏えい防止対策ビジネス活動への特許の活用方法

全従業員向け 知的財産に関する基礎知識(新人研修)技術情報の漏えい防止対策、パテントクリアランス(コンプライアンス)

知的財産に関する教育活動

知的財産管理体制

受取ロイヤリティ額

執行役社長 新事業本部 筑波総合研究所

知的財産戦略室

0

500

1,000

1,500

2,000(百万円)

(年度)2010 2011 2012 2013 2014

1,3951,395 1,3481,3481,6261,6261,5321,532

1,3891,389

日立化成の特徴 日立化成は、「事業戦略に対応した国内外での有効特許の取得と積極的な活用」の方針に基づき、「技術・製品の優位性の確保」「権利侵害への毅然とした対応」

「他社特許権の尊重」の3つのパテントポリシーを掲げ、社内規程を整備しています。また、専任部署(知的財産戦略室)を設けて知的財産に関する諸活動を行っており、2015年からは日立化成グループ全体の知的

財産を日立化成の知的財産戦略室で管理しています。 さらに、知的財産に関する意識向上を目的に、グループ会社を含めて従業員への継続的な教育活動に努めています。

基本的な考え方 日立化成は、知的財産を事業戦略推進に不可欠な重要な資産と位置付けています。 中長期的な企業価値の向上に向けて、市場における

高い優位性を実現できる価値ある技術を的確に把握し、知的財産として蓄積を図り、積極的に活用することで、技術力と製品競争力をさらに強化していきます。

KPI 特許出願件数/特許保有件数

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

(年度)

保有件数(日本) 保有件数(日本以外) 出願件数(日本以外)

(件)

出願件数(日本)

1,957

1,7342,040

698

788

2,3712,582

2,983

2,1742,406 2,518

841 727

651

727816 724

801

665

2010 2011 2012 2013 2014

2,205

35

Annual Report 2015

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グローバルで戦う人財の育成と評価マテリアリティ報告 人

日立化成の価値創造プロセス

2014年度の取り組み

グローバル・リーダーシップ・フォーラム 日立化成は、海外拠点のナショナルスタッフ幹部を集めて、グローバル・リーダーシップ・フォーラムを毎年実施しています。2014年度は、参加者自身のリーダーシップについて省察を促すためのプログラムや、執行役のラウンドテーブルを取り入れました。

グローバル・コーチング・プログラム 新たな価値を提供し続けるためには、多様な技能を持った人財がそれらを持ち寄り、対話をしながら挑戦することが必要です。そのため、日立化成ではグローバル・コーチング・プログラムを実施しています。 社内コーチは、5人の社員(ステークホルダー)と対話を重ね、相手の自発的な行動を促

していきます。2014年度は399人の社内コーチを育成し、のべ1,995人のステークホルダーが12の国・地域からこのプログラムに参加しました。

KT(Kepner-Tregoe)法の展開 KT法は問題解決や意思決定に関する思考プロセスです。日立化成はグループ内共通のコミュニケーション手段として導入し、会議での議論や意思決定などに活用しています。2014年度までに、累計国内約2,000人、海外約1,100人の社員が受講を完了しました。

「人の変革」のシナリオ

対話のスキル活性化

World Class Professional の育成による創造性と生産性の向上

独自の企業理念・企業文化をベースに世界で戦える武器(知識、スキル)を磨き

実践と省察を繰り返しながら自ら成長する人(自律)

人財ビジョン「World Class Professional」

人事基盤共通化コーチングKT(Kepner-Tregoe)法英語

Global Talent Standard日立化成グループビジョンに基づく「人の評価」

Hitachi Global Grading市場価値に基づく「ポジション評価」

New MBO組織目標を達成する業績評価

日立化成の特徴 日立化成は、世界で戦うための知識やスキルを備え、自ら省察を繰り返し、成長する人財を、「World Class Professional (WCP)」と位置付けています。そのため、対話スキルの活性化を目的とした教育プログラムやGlobal Talent Standard(人財評価)、Hitachi Global Grading(ポジション評価) を導入するなど、人事基盤のグループ共通化を進めています。

基本的な考え方 人財は、企業が成長していくための非常に大きな原動力となります。日立化成は、経営方針である3つの経営変革の1つとして「人の変革」を掲げています。従業員一人ひとりが経営の基本的な考え方や事業の方向性

を共有し、同じベクトルを持って業務を遂行することにより、グローバルで展開する日立化成の事業競争力をさらに高めていきます。

KPI グローバル・コーチング・プログラム参加者数

2012 2013 2014 (年度)

1,752

2,370 2,394(人)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

36

Annual Report 2015

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ダイバーシティマネジメントマテリアリティ報告 人

KPI 女性管理職数/女性管理職比率※ 

日立化成の価値創造プロセス

障がい者の雇用率

※当社単独

2014年度の取り組み

ダイバーシティ推進体制 日立化成は、2014年にダイバーシティ推進の専任部署を設置し、経営姿勢、環境意識、制度などの各面から取り組みを本格化させました。執行役全員が男性管理職意識変革、女性意識変革、在宅勤務拡大などダイバーシティを推進するための各プロジェクトのリーダーとして参画するなど、経営幹部が積極的に関わっています。また、2013年に女性の社外取締役を迎えたのに続き、2014年は外国籍の社外取締役を加えることで、経営に多様な視点が反映されています。 2014年度は、国内グループ社員約7,000人を対象とし、「ダイバーシティ推進に関する社員意識調査」を実施しました。今後も継続的なアンケートの実施により、各施策の効果を定量的に測定し、PDCAサイクルを回していきます。

外国籍社員の採用 日立化成は、採用にあたり、国籍を問わない採用・処遇の決定を行っています。 海外や国内で実施される留学生向けのキャリアフォーラムに積極的に参加するなど、優秀な人財の採

用に努めており、2014 年度の総合職新入社員のうち、外国籍社員の比率は8%となりました。

障がい者雇用の促進 日立化成は、障がい者に社会参加の機会を積極的に提供するために、障がいを持つ従業員の職域拡大や施設の改善を進めています。 2014年度の障がい者雇用率は、国内連結(50人以上、17社)2.39%、単独2.09%となり、いずれも法定雇用率を上回りました。今後もグループ会社を含め情報共有を図りながら、障がい者雇用の促進に取り組みます。

年度 2010 2011 2012 2013 2014

女性管理職 ( 人 ) 6 6 10 13 14

女性管理職比率 (% ) 1.1 1.1 1.8 1.9 2.0

年度 2010 2011 2012 2013 2014国内連結 2.13 1.97 2.18 2.27 2.39

単独 2.19 1.93 2.02 2.06 2.09

(%)

日立化成の特徴 日立化成では、2005年度から女性の総合職社員の採用を拡大しています。2014年度の総合職全体に占める女性社員比率(単独)は9%で、20代、30代の女性社員比率は17%です。女性管理職数も2010年度比で2倍以上になっています。女性社員が日立化成グ

ループの新製品開発や中長期的な経営戦略策定に参画するなど、多様な価値観や視点が経営施策に反映される機会が増えています。また、グローバルで評価基準を統一するなど、国籍を問わず個々の能力を発揮できる社員育成を推進しています。

基本的な考え方 日立化成は、ダイバーシティ推進を「多様な能力・発想・価値観を持つ人財がイノベーションを起こし、ソリューションを生み出すことを、会社自体の可能性を拡げるための経営戦略」と位置づけています。 特に日本においては、企業における女性活躍の推進が重要課題となっており、当社グループでも女性従業員の雇用と管理職任用の拡大に取り組んでいます。また、

グローバル化が急速に進展する事業環境を踏まえ、高い技術や豊かな創造力を持つ優秀な人財を確保する目的で外国籍社員を積極的に採用することも重要であると考えています。 今後も、働きがいのある職場環境を構築し、性別や国籍を問わずさまざまな人財が活躍できる機会を提供していきます。

37

Annual Report 2015

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ステークホルダーとの双方向コミュニケーションマテリアリティ報告 人

日立化成の価値創造プロセス

ステークホルダーとの関係

※寄付金並びに現物支給、施設の開放および 社会貢献活動に従事した従業員の時間などを金額換算しています。

2014年度の取り組み

従業員意識調査 日立化成はメールアドレスを所持している全従業員を対象に2014年度、「組織風土、経営システムについてのアンケート」と「ダイバーシティ推進に関する社員意識調査」を実施しました。 「組織風土、経営システムについてのアンケート」では、日立化成グループが独自に「対話と挑戦の文化」を築く上で改善すべき組織風土、経営システムについてのフィードバックを得ました。 「ダイバーシティ推進に関する社員意識調査」は、ダイバーシティ推進を目的に実施しました。個人のキャリアや職場環境に関する社員の意識を把握し、今後の施策立案の基礎材料としていきます。

社会貢献活動 日立化成は、「企業は社会の一員である」との考えのもと、当社と密接なつながりのある地域に重点を置いて、地球環境の保全、次代を担う人財の育成などを目的とする社会貢献活動を積極的に推進しています。

 子ども向けの化学実験教室やグリーンカーテンの普及活動、耕作放棄地を再生する活動などを実施し、2014年度はのべ3,474人が日立化成の社会貢献プログラムに参加しました。また、ボランティアで参 加した従業員数は年間のべ1,040人となりました。

日立化成

社会

株主・投資家

地球環境

政府・行政従業員

お客さまお取引先

日立化成の特徴 日立化成は、株主・投資家の皆さまの理解と適切な評価を得るため、適時・適切に経営戦略、財務状況およびCSRなどに関する情報を開示するとともに、アナリストや株主・投資家との対話などを通じて課題を認識し、改善に向けてさまざまな施策に取り組んでいます。

2015年6月現在、当社が採用されている主要なSRIインデックスは以下のとおりです。

基本的な考え方 日立化成は、ステークホルダーの皆さまとの双方向で活発なコミュニケーションを通して、課題を認識し、改善に向けてさまざまな施策に取り組むことが、すべてのステークホルダーの皆さまの理解と適切な評価につながると考えています。 法令および当社が上場している証券取引所が定める適時開示規則に該当する情報開示だけでなく、環境・社会的側面などに関する非財務情報も積極的に開示することにより、ステークホルダーの皆さまの信頼を損なう

可能性のあるリスクを排除するとともに、活力漲る組織を作り上げるための機会を捉えるよう努めていきます。

KPI 社会貢献支出額※

20122011 2013 2014(年度)

90

111103 107

(百万円)

0

60

40

20

80100

120

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Annual Report 2015

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マテリアリティ報告 人

日立化成の価値創造プロセス

Working On Wonders Beyond Boundaries(WOW-BB)活動

WOW-BB活動の狙い

WOW-BB活動の位置付け

挑戦する企業風土独自技術の開発

社会が求めるものを自ら先んじて形にする

「自ら見出す」マーケティング

一人ひとりの実践を通じ、日立化成が、次々とイノベーションを

起こす強力なチャレンジ集団になる!

長期視点で描いた未来の仮説ビジネスの先読み

基本的な考え方 日立化成は、日立化成グループ・ビジョンの具現化に向け、2013年度よりWOW-BB活動を開始しました。WOW-BB活動の目的は、日立化成グループが事業環境の変化が激しい中で、社会やお客さまの期待を超える

「驚き」のある製品やサービスを生み出すために、社会環境やお客さまのニーズを長期的な視点でとらえた「先読みの力」を備え、自らの限界を打破して「挑戦する企業風土」を創ることです。

 活動開始にあたり、10年後の会社事業のありたい姿に対する経営陣の「想い」を込めた「WOW-BB book

(2023年の会社案内)」を全従業員に配布しました。その中で示された5つの挑戦(①ニーズを見出す力を持つ ②未来のシナリオを描く ③次のコア技術を生み出す ④グローバルで選ばれる企業になる ⑤共創しあえるワークスタイルをつくる)に取り組み、社会とお客さまの

「驚き」を実現する企業をめざしていきます。

日立化成の特徴 「挑戦する企業風土をつくる」ために実施しているのが、「WOWグローバルアワード」です。これまでの結果や成果重視の表彰とは異なり、グループ・ビジョンを実現するための各々の挑戦について、「いかに有言実行したか」そして「その挑戦によっていかに企業文化を変えたか」というプロセス重視の表彰です。従業員が自らの意志でエントリーし、選考までの実践期間にチームで挑戦します。 一方で「将来のビジネスを先読み創出する」取り組みとして、「10年戦略から落とし込んだ次期中期経営計画の策定」にも取り組んでいます。各事業部門がそれぞれの担当領域において「将来どんな変化が起こりうるか」を真剣に考え、事業戦略を立てていきます。

日立化成グループ・アイデンティティ 50周年ワークショップ・次の50年に向けた「マネジメント・メッセージ」・「一文字ワークショップ」

・WOW-BB book ・WOWグローバルアワード

WOW-BB活動

企業理念時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献すること。

日立化成グループ・ビジョン私たちは、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神をもって、化学を超えた「新たな価値」を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を実現します。

MISSION

VALUES

VISION

創業の精神「開拓者精神」「誠」「和」

将来の姿を想像し、新しい発想につなげる冊子

挑戦の風土づくりのための全従業員参加型プログラム

・10年戦略長期視点を取り入れた次期 3カ年中期経営計画

Ver.0 Ver.Xへ

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Annual Report 2015

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日立化成の価値創造プロセス

「WOWグローバルアワード2014」を実施 WOWグローバルアワードの初年度にあたる2014年度は、次のような活動を行いました。 4月の活動開始時に、「WOW-BB book(2023年の会社案内)」を全従業員に配布し、挑戦の想いを共有しました。また、期首集会やタウンミーティングの場で、執行役が直接WOW-BB活動について従業員へ伝えるとと

もに、積極的な参加を呼びかけました。5月には部課長クラスが進行役となり、「自分たちの挑戦は何か」を考えるワークショップを職場ごとに実施しました。7月のエントリーでは、最終的に国内外の937チームがエントリーし、その後、それぞれのチームがエントリーテーマ目標に向けて、挑戦を進めました。

 WOWグローバルアワードの目的は、「挑戦する企業風土」を醸成することです。エントリーの選考基準は3点から成っています。① テーマのチャレンジ度:「難易度」「革新性・独自性」の2項目② プロセス(過程):「有言実行」「WOWの実践」「創意工夫」

「共創」の4項目③ 成果:「難易度と達成度」の1項目

 選考は、12月の1次選考(各拠点での選考)、2月の2次選考(各地域での選考)、3月の3次選考(各社幹部による委員会での書類審査)を経て、2015年5月に最終選考が行われました。最終的に、グループ全従業員の61%にあたる約11,500人が参加しました。

2014年度の実践スケジュール

1次選考

2014 年

2015 年

6~7月

執行役で構成された委員会での書類選考■通過数 40⇒10チーム■WOW Bronze Award 30チーム が決定

全世界を数ブロックに分けた発表会による選考■通過数 159⇒40チーム

勝ち抜いてきた10チームがプレゼンテーション■ WOW Gold Award 4チーム  WOW Silver Award 6チームが決定

2次選考

3次選考

3月

2月

12月

5月最終

選考会

■テーマ名・リーダー・メンバーを登録■12月までの目標を設定

エントリー 937チーム

各拠点(事業所・会社)での選考通過数 937⇒159チーム

2014年度の取り組み

2014年度1Q(4月~6月) 2Q(7月~9月) 3Q(10月~12月) 4Q(1月~3月)

期首集会・タウンミーティング

アワード選考 表彰

職場ワークショップエントリー

WOWグローバルアワード

エントリーテーマ目標に向けた実践(仕事)

40

Annual Report 2015

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「基本と正道」の徹底を図るとともに、ステークホルダーへの説明責任の履行に努め、透明かつ誠実な企業経営を推進します。

 日立化成は、「指名委員会等設置会社」の形態を採用し、業務執行機能と監督機能を分離するとともに、取締役会の監督機能を強化し、客観性と透明性の高い経営を推進しています。さらに、グループ会社に対する監督機能を強化するため、必要に応じてグループ会社に取締役・監査役を派遣しています。 また、日立化成は、業務執行の法令・定款への適合性を確保するために、ガバナンス体制の強化に努めており、事業所・グループ会社で内部監査を定期的に実

施しています。2014年度は、41拠点を対象に監査を行いました。 さらに、財務報告の信頼性を確保するため、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準」などに準拠して業務の文書化を行うとともに、内部統制の有効性を金融商品取引法に従って開示しています。グループ会社に対しては、定期的に業務監査と内部統制モニタリングを実施し、統制環境の改善を支援しています。

役員報酬 日立化成は役員の報酬の妥当性を高めるとともに、役員のモチベーションを高めるため、①業績との連動を重視し、短期のみならず中長期的な企業価値向上をめざした経営を動機づけるものとする、②報酬全体の競争力を高め、多様で優秀な人財を確保・惹きつけることができるものとする、という二つの基本方針に基づき、報酬委員会が毎年、取締役および執行役の報酬などの決定に関する方針、報酬の水準の検証などを議論し、その結果に基づき、役員の報酬を決定しています。取締役の報酬は、月額基本報酬および期末手当で、執行役兼務取締役および執行役の報酬は、月額基本報酬および業績連動報酬で構成されます。

■ 日立化成役員報酬(2014年度)

■ ガバナンス体制図 (2015年6月末現在)

コーポレート・ガバナンス

役員区分項目

取締役(社外取締役を除く) 執行役 社外

取締役

報酬等の総額(百万円) 40 568 87

の総額(百万円)

報酬等の種類別

月額基本報酬 36 373 76

業績連動報酬・期末手当 5 194 11

退任慰労金 ー ー ー

対象となる役員の人数(人) 4 13 7

※報酬等の額は、百万円未満の端数を四捨五入している。※執行役兼務取締役の報酬等の額は、取締役としての報酬等と執行役としての報酬等

を区分した上で、それぞれの報酬等の額に加算して表示している。※取締役(社外取締役を除く)4名中2名が執行役を兼務している。

執行役会(執行役社長の諮問機関)当社または当社グループに

影響をおよぼす重要事項の検討

株主総会

※取締役9名のうち、2名が執行役を兼務

取締役会(取締役9名※、うち社外取締役6名)﹇監督﹈

執行役社長執行役副社長、執行役常務、執行役

﹇執行﹈

(新日本有限責任監査法人)

会計監査人

指名委員会(取締役5名、うち社外取締役4名)

報酬委員会(取締役3名、うち社外取締役2名)

監査委員会(取締役5名、うち社外取締役4名)

取締役の選任・解任議案の決定 取締役および執行役の報酬などの決定

・取締役および執行役の職務執行の監査および監査報告の作成

・会計監査人の選任・解任議案の決定

経営管理本部 リスクマネジメントセンタ

監査室

コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンス41

Annual Report 2015

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CSR推進体制 日立化成は、第2期 CSR 中期計画のもと、環境安全、品質保証、社会貢献などの従来の CSR 関連部門だけでなく、すべての部門が連携して横断的にCSR 活動を推進しています。2015 年 4 月には、経営戦略本部、経営管理本部およびリスクマネジメントセンタが相互に連携しながら事業戦略の一環としてCSR 活動を推

進する体制になりました。四半期ごとに開催しているグループ環境・CSR 会議では、CSR 経営にかかわるグループ共通の基本方針と重要事項を審議・

決定するとともに、CSR 中期計画のフォローアップを行っています。

リスクマネジメント 日立化成は、「日立化成リスク対策活動実施要領」を制定し、企業として取り組むべきリスクを特定するとともに、役員・従業員に対してリスク発生未然防止義務を定めています。また、有事の場合に備え、リスク対策本部の設置基準、対策本部のメンバーおよび活動内容や連絡基準なども明確にしています。特に経営に重要な影響を与える可能性があるリスクについては、それらを特定し執行役会および取締役会に報告するとともに、有価証券報告書で公表しています。また、リスクマネジメントセンタには内部監査部門も含まれており、他部門から独立した社長直属の組織として監査委員会と密接に連携しています。

コンプライアンスの考え方 日立化成は、法令遵守のみならず、業界自主基準・企業倫理・社会規範の遵守や従業員各自の良識を守り高めることを含めて「コンプライアンス」と定義し、CSR の中核に位置づけています。 「日立化成グループ行動規範」の従業員への浸透に向け、国内外の全グループ会社で、eラーニングや事例討論会を開催し、違反時は処分もあり得ることを含め、周知徹底しています。また、行動規範を分かりやすく解説した「日立化成グループ行動規範ハンドブック」を日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)で作成し、国内外グループ会社すべての従業員に配布し、定期的な輪読会などを通じて内容を確認するよう要請しています。 万が一、法令違反案件が発生した場合、予め定めら

れた関係部門に直ちに報告するよう求め、顧問弁護士と連携し早期解決と再発防止を図っています。 さらに、「日立化成グループほっとライン」を設け、コンプライアンスに関する通報・相談を従業員から直接受け付けています。2014年度は、国内外から34 件の相談・通報を受け付けましたが、重大な法令違反などにつながる通報はありませんでした。なお、通報者に対しては不利益を被ることのないよう、個人情報の保護に特段の配慮をしています。

■ CSR推進体制図

■ リスク管理体制図

執行役社長

経営戦略本部

グループ環境・CSR 会議

事業部門、事業所グループ会社

事業開発部

財務部

経営管理本部 CSR品質保証部

環境安全推進部

コーポレートコミュニケーションセンタ

人財総務センタ

リスクマネジメントセンタ

取締役会

執行役社長

事業部門事業所

グループ会社

経営管理本部

リスクマネジメントセンタ

監査委員会

CSR品質保証部

輸出管理グループ

コンプライアンス・BCMグループグループ会社グループ

監査室

環境安全推進部コーポレートコミュニケーションセンタ

人財総務センタ

■ 通報・相談件数(件)

2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度

24 24 16 15 34

コーポレート・ガバナンス 42

Annual Report 2015

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情報管理の徹底 日立化成は、「情報セキュリティ方針」を制定し、個人情報保護と情報セキュリティを一体とした管理運用を行っています。また、ネットワークに関しては日立製作所が構築している日立グループ共通のインフラを使用しており、高度なセキュリティレベルを確保しています。パソコンなどの情報機器、外部記憶媒体からの情報漏えい施策としては、ウイルス対策ソフトおよび暗号化ソフトの導入、メール・Webフィルタリングシステムなど

を導入しています。また、情報セキュリティの維持向上のため、教育や訓練のほか監査を毎年実施しています。 2014年度、日立化成では、日立製作所から提供された情報セキュリティおよび個人情報保護の監査チェックリストを用い、当社および国内グループ会社19社において部門単位の自己監査を実施しました。また、海外のグループ会社37社でも日立製作所から提供を受けたグローバルセキュリティセルフチェックを実施しました。

執行役社長

■ 委員長 CISO※

■ メンバー 情報セキュリティ教育責任者

 情報セキュリティ監査責任者

 情報セキュリティ監査長

 委員長が指名する委員

情報セキュリティ責任者

情報セキュリティ委員会

事務局(リスクマネジメントセンタ)

事業所組織

グループ会社

※CISO:Chief Information Security Officer

情報資産管理者

情報資産管理代行者

情報セキュリティ実行責任者

情報セキュリティ監査員

情報システム管理者

物理セキュリティ管理者

対外窓口担当部署

情報セキュリティ推進部署

個人情報保護・情報セキュリティに関する・リスクマネジメントの実施・方針の展開・施策の実施・教育計画の立案および推進・事業所およびグループ会社の

監査

■ 情報セキュリティ体制図

独占禁止法講習会の様子

コンプライアンス研修・監査 日立化成は、全社員の入社時に漏れなく、CSR・コンプライアンス・人権研修を実施しています。 これに加え、全社員を対象に、2014年度はリスクマネジメントセンタが主催する研修を41回(日本30回、海外11回)実施し、3,137人が参加しました。 また、リスクマネジメントセンタは、定期的に当社事業

所やグループ会社のコンプライアンス対応状況について監査しています。2014年度は当社1事業所、グループ会社9社(日本3社、海外6社)で行い、管理体制や教育の実施状況を確認し、改善指導を行い、結果を経営幹部に報告しています。2015年度は、グループ会社13社(日本5社、海外8 社)で実施する計画です。

 当社グループは、アルミ電解コンデンサなどの取引に関して独占禁止法の疑いがあるとして、日本、欧州および米国を含む複数の国と地域の競争当局から調査を受けています。このうち、課徴金納付の可能性が高く、かつ、金額を合理的に見積もることができる部分について、引当金を計上しています。

独占禁止法の遵守 日立化成は、独占禁止法の遵守をコンプライアンス経営の重要課題と位置づけ、「独占禁止法ハンドブック」を作成・配布するとともに、企業倫理月間に社長から直接、遵守の徹底を呼びかけています。また、独占禁止法に少しでも抵触するおそれがあると思われる場合、「コンプライアンス情報記録ノート」に記録することを義務付けており、すべての記録を年に2回、コン

プライアンス担当部門が監査しています。なお、2014年7月、弁 護 士を招いて、全従業員向けの「独占 禁 止 法 講 習会 」を 開 催 し、882名が受講しました。

コーポレート・ガバナンス43

Annual Report 2015

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コーポレート・ガバナンス

役員紹介 (2015年6月末現在)

川村 隆

松田 千恵子

小豆畑 茂

田中 一行

大澤 佳雄

角田 和好

大戸 武元

野村 好弘

ジョージ・オルコット

委員会の構成 指名委員会川村 隆委員長

小豆畑 茂委員

大澤 佳雄委員

大戸 武元委員

田中 一行委員

監査委員会角田 和好委員長

大澤 佳雄委員

大戸 武元委員

ジョージ・オルコット委員

松田 千恵子委員

報酬委員会田中 一行委員長

川村 隆委員

小豆畑 茂委員

執行役田中 一行代表執行役 執行役社長

野村 好弘代表執行役 執行役副社長

(エネルギー事業、自動車部品事業及びリスクマネジメント(輸出管理及び内部統制を含む。)の総括)

内村 俊一郎執行役常務

(機能材料事業の総括)

菅 政之執行役常務

(モノづくり及び構造改革の総括)

丸山 寿執行役常務

(経営戦略及び財務の総括)

片寄 光雄執行役

(自動車部品事業担当)

高橋 聡執行役

(自動車部品事業担当)

武井 裕之執行役

(営業の統括)

中川 操執行役

(エネルギー事業担当)

中山 肇執行役

(電子部品事業の総括)

宮内 敏彦執行役

(経営管理の総括並びにリスクマネジメント(輸出管理及び内部統制を含む。)担当)

森嶋 浩之 執行役

(機能材料事業担当)

山下 祐行執行役

(中国事業の総括)

吉田 誠人 執行役

(新事業創出(研究開発及び知的財産を含む。)及びメディカル事業の総括)

取締役川村 隆取締役会長(社外取締役)

((株)日立製作所 相談役)

小豆畑 茂社外取締役

((株)日立製作所 フェロー)

大澤 佳雄社外取締役

((株)許斐 取締役会長)

大戸 武元社外取締役

((株)帝国ホテル 社外監査役)

ジョージ・オルコット社外取締役

(慶應義塾大学 商学部特別招聘教授)

松田 千恵子社外取締役(首都大学東京 社会科学研究科(大学院)教授)(首都大学東京 都市教養学部教授)

田中 一行取締役

(執行役を兼務)

角田 和好取締役

野村 好弘取締役

(執行役を兼務)

44

Annual Report 2015

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日立化成グループ ANNUAL REPORT 20152014.4.1 2015.3.31

日立

化成

グル

ープ

AN

NU

AL REPO

RT 2015

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VOC(揮発性有機化合物)成分ゼロの環境に配慮した100%植物油インクを使用しています。

ユニバーサルデザイン(UD)の考え方に基づき、より多くの人へ適切に情報を伝えられるよう配慮した見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

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2015年7月発行Printed in Japan

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