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反射波が支配的な状況下でのマルチパス誤差低減. 東京海洋大学 情報通信工学研究室 土本和彦. 背景. 市街地で GPS を使用する場合のマルチパス 遅延距離の長い反射波が受信される 誤差が大きくなる 30 ~ 150m の範囲 反射波の受信電力が直接波より強くなることがある 高感度 GPS 受信機の開発 マルチパスの影響を受け易い 従来のマルチパス誤差低減技術 直接波の受信電力が反射波より強いことが前提の技術 数 10m ~数 100m の測位誤差を引き起こす. 研究の目的. 瞬時的に起こる大きな測位誤差の補正 測位結果の跳びを減らす - PowerPoint PPT Presentation
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反射波が支配的な状況下でのマルチパス誤差低減
東京海洋大学情報通信工学研究室
土本和彦
背景• 市街地で GPS を使用する場合のマルチパス
– 遅延距離の長い反射波が受信される• 誤差が大きくなる 30 ~ 150m の範囲
– 反射波の受信電力が直接波より強くなることがある• 高感度 GPS 受信機の開発
– マルチパスの影響を受け易い• 従来のマルチパス誤差低減技術
– 直接波の受信電力が反射波より強いことが前提の技術
数 10m ~数 100m の測位誤差を引き起こす
研究の目的• 瞬時的に起こる大きな
測位誤差の補正– 測位結果の跳びを減ら
す
目標• 実環境で測位結果を真
の測位点に近づける– 数 100m → 数 10m -5
0
5
10
15
20
25
-5 0 5 10 15 20 25
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
反射波が支配的な状況の検知
直接波
反射波
合成波
直接波
反射波 合成波
反射波
直接波
合成波
1.0chip
• SQM 受信機を用いて検知• 通常のマルチパスの場合
– 遅延波である• 直接波より遅れて相関が現れる
– 右側に大きな変化• 反射波が支配的な状況
– 反射波付近をトラッキング– 相関波形の左側に大きな変化– トラッキングポイントから 1chip
前のポイント• ある程度相関が現れている
トラッキングポイントから 1chip前のポイントの相関値で検知
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
衛星を排除 (1/4)• 実験環境• 受信機 : SQM (ENRI, 古野電気 ) OEMV1 (NovAtel)• アンテナ : ANN-MS (u-blox)
高層ビル 木 木木
直接波反射波
• 場所 : 晴海2丁目
• 時間 : 6 分(静止)
• 可視衛星 : 7 機(最大)
• 北西に高層ビル• 南西、南東方向にある 2
衛星の相関波形をモニタリング– 仰角 : 20 ~ 30° 付近– 測位地点と衛星の間に森
衛星を排除 (2/4)
反射波の位相が変化受信電力が直接波を上回る
トラッキングポイント トラッキングポイント
反射波を中心にトラッキング直接波の相関が負の方向に現れる
衛星を排除 (3/4)
90m
補正なし検知を行い排除
静止データ
衛星を排除 (4/4)
衛星を排除した結果• 測位精度の改善
– 全体的に僅かに改善– 瞬時的に起こる大きな測位誤差が改善
• Availability の低下– HDOP の向上– 衛星が 4 機以下の時間が8s
• 状況によっては衛星を排除できない
マルチパス誤差を推定する必要
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
マルチパス誤差の推定( 1/2)
反射波
直接波
合成波
直接波
反射波
合成波
直接波
反射波 合成波
• SQM 受信機から出力される相関波形を用いて推定– 反射波が支配的に受信されると左側に大
きな変化が現れる
• 相関が現れ始めるポイントを決定– 変化の始まるポイントから 1chip 離れた
ところが直接波のピーク
マルチパスに左右されず真のトラッキングポイントを知ることができる
1.0chip
1.0chip
マルチパス誤差の推定( 2/2)相関波形を正規化
トラッキングポイント - 1chipのポイントの相関値が閾値以上である? NO
推定しない
左から順に隣のサンプルとの傾きを求める
YES
傾きが5回連続で閾値以上である?
NO
YES
一番左の点が相関の現れ始めるポイント-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
chip相
関値
サンプリング周波数 40MHz
• 上で決定した点から 1chip 先のポイントが直接波のピーク• 直接波のピークとトラッキングポイントとの chip 差に chip 長を掛
けた値がマルチパス誤差と推定される
1.0chip
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
シミュレータで検証( 1/2)G
PS
シミ
ュ レ
ー
タ
分配器
AEK-4T
SQM
- 100
0
100
200
300
400
500
600
700
- 2 - 1.5 - 1 - 0.5 0 0.5 1 1.5 2
chip
相関
値
• シミュレータ( Spirent )に分配器を接続して AEK-4T( u-blox )と SQM で同時にデータを取得した– 取得時間 : 30 分– 支配的なマルチパスを与えた時間 : 17 秒– マルチパスの遅延距離 : 約 57m
シミュレータで検証( 2/2)• 数秒間のマルチパスを与えた
AEK-4T の測位結果– 右上に大きな測位誤差
• マルチパス誤差の補正– SQM の波形から誤差を推定– AEK-4T の擬似距離から推定し
た誤差を減算
• マルチパスによる誤差を補正し真の位置に近づけることができた
- 1
- 0.8
- 0.6
- 0.4
- 0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
- 2 0 2 4 6 8 10 12
X error (m )
Y er
ror
(m)
補正前補正後
発表の流れ• 反射波が支配的な状況の検知• 検知した衛星を測位計算から排除• マルチパス誤差の推定
– Availability を向上させるため誤差を推定し補正
• シミュレータで検証• 実データでの結果
実データでの結果 (1/3)• 実験環境• 受信機 : SQM (ENRI, 古野電気 ) OEMV1 (NovAtel)• アンテナ : ANN-MS (u-blox)
高層ビル 木 木木
直接波反射波
• 場所 : 晴海2丁目
• 時間 : 6 分 (静止)
• 可視衛星 : 7 機 (最大)
• 北西に高層ビル• 南西、南東方向にある 2
衛星の相関波形をモニタリング– 仰角 : 20 ~ 30° 付近– 測位地点と衛星の間に森
実データでの結果 (2/3)
6分間の測位結果
測位した場所
静止データ
90m
実データでの結果 (3/3)
測位結果が変化した点
測位した場所
補正なし補正を行った測位結果
まとめ• SQM 受信機の相関波形から反射波が支配的に受信された
場合のマルチパス誤差低減を試みた– 相関波形から反射波が支配的に受信された場合を見極め測位計算
から排除することによって、本研究の目的である瞬時的に起こる大きな測位誤差を低減させることができた
• 上の状況で Availability を向上させるために、反射波が支配的に受信された場合のマルチパス誤差推定を試みた– 理想的な環境(シミュレータ)では正しく推定することができた– 実環境では瞬時的に起こる大きな測位誤差が補正できることを確
認できた• 今後の課題
– 上の 2 つを同時に満たす環境での評価
ご清聴ありがとうございました
本研究を行うにあたり、必要となった SQM受信機を提供してくださいました電子航法研究所様、古野電気様に心から感謝申し上げます。