電力会社における　　　　　　　　気象予測の影響

　　～需要想定と気象予測について～ 中部電力株式会社

中央給電指令所津坂　秩也

需要想定（燃料計画）　年間・月間・週間・翌日出水予測　水力発電所・貯水池運用計画災害対応　台風・地震による設備被害に備えた対応系統運用　雷・雪に伴う設備故障を想定した対応

電力と気象予測

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

1950 1960 1970 1980 1990 2000[ ]年度

[ kWh ]億

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000[ kW ]万

販売電力量最大電力

販売電力量と最大電力の推移

‘51 会社創設

過去最大電力27,500MW

(2001 年 7 月 24 日 )

’82 & ’93冷夏

’74 & ’80石油危機

30

40

50

60

70

80

90

100

110

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

[ ]時刻

[ % ]

夏冬秋秋（休日）

１日の電気の使われ方

発電計画の立案

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

[ 時 ]

原子力

自流式水力

ＩＰＰ他

ＬＮＧ

揚水式水力（発電）

揚水式水力（動力）

石炭

石油

電力需要の想定

必要な供給予備力の確保電力設備の効率運用

電力の安定供給資源の有効活用

電力設備の作業計画・運用制約を反映

季節・曜日気象状況（気温・相対湿度・天候等）　◎気温の影響 夏　 86 万 kW ／℃ 　 75 万 kW ／ DI (DI ：不快指数 ) 冬 -38 万 kW ／℃大口需要家の操業計画社会的因子（スポーツ・イベント等）景気の動向　　　　　　　　　　　　　　　　　など

電力需要の変動要因

冷暖房需要の気温感応度 (2004年度 )

（夏）

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

20 25 30 35 40

[℃]最高気温

[ kW]万 （冬）

0

5

10

15

20

25

30

35

40

-5 0 5 10 15 20

[℃]日平均気温

[ kW]万

８６万 kW ／℃

－３８万 kW ／℃

最大電力の予想

気象情報の提供

回帰計算式 類似日検索と補正最大電力予測システム( 方式ﾆｭｰﾗﾙﾈｯﾄﾜｰｸ )

人間系による総合判断・社会的要因・大口需要家の操業の有無・ピーク発生時間　　等

最終予想

最悪の場合

的確な需要想定の必要性（ケース①）気温予想値＜＜気温実況値

需要想定値＜＜需要実績値（夏季の場合）

供給力不足

非効率な発電機の運転他社からの電力購入

会社の収益に影響

電力品質の低下

会社の信頼性に影響

的確な需要想定の必要性（ケース②）

気温予想値＞＞気温実況値

需要想定値＞＞需要実績値（夏季の場合）

供給力過剰

発電機の熱効率が低下

会社の収益に影響

最大電力需要想定の誤差（ 2004 年 6 月～ 9 月）

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

-400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400

[ kW]前日の想定値－実績値 万

日数

絶対値の　　　平均　５７万 kW単純平均　２１万kW標準偏差　８１万kW

最高気温予測の誤差（ 2004 年 6 月～ 9 月）

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6

[℃]前日の予測値－実測値

日数

絶対値の　　　平均　１．２℃単純平均　０．２℃標準偏差　１．５℃

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

200

-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6

最高気温誤差と最大電力の需要想定誤差（ 2004 年 6 月～ 9 月）

前日の予測値－実測値 [℃]

前日の想定値－実績値 [ 万 kW]

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

満水値

計画値

貯水池運用計画（例）梅雨期 台風期

[ % ]

4月 5月 6月 7月 8月

9月 10月 11月 12月 1月

2月 3月

今後の課題

・安定供給と効率運用の両立には精度の高い需要想定が不可欠である

・電力需要は気象状況と密接な関係があり、需要想定の更なる精度向上は気象予測に委ねられている

・気象予測は不確実性を伴っている

電力需要想定に向けた気象解析能力の向上と気象情報の有効活用

（確率予報を用いたリスクマネジメントの可能性）