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於:東京商船大学 2002 年2月 18 日. フェリーを活用したトラック輸送の モーダルシフトに関する研究. 東京商船大学大学院 商船学研究科 海洋情報システム工学専攻 松尾 俊彦. 研究の背景. 貨物輸送におけるモータリゼーションの進展. 多くの問題が顕在化 ・大気汚染 ・地球温暖化問題 ・交通渋滞 ・騒音振動 ・交通事故 ・その他. 研究の背景. 物流における対応は生産と比べると遅れている。 ・統合概念は 1960 ~ 1970 年代に普及。 - PowerPoint PPT Presentation
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フェリーを活用したトラック輸送の
モーダルシフトに関する研究
於:東京商船大学 2002 年2月 18日
東京商船大学大学院商船学研究科
海洋情報システム工学専攻
松尾 俊彦
研究の背景
貨物輸送におけるモータリゼーションの進展
多くの問題が顕在化 ・大気汚染 ・地球温暖化問題
・交通渋滞 ・騒音振動
・交通事故 ・その他
物流における対応は生産と比べると遅れている。
・統合概念は 1960 ~ 1970 年代に普及。
・技術開発は大型化など進展している。
・コスト管理は 1970 年代後半から徐々に。
・公害問題などへの対応は遅れている。
司法の面からも改善が求められている。
研究の背景
研究の目的
トラック輸送が抱える多くの問題を解決できる具体的な対策を提案すること。
貨物輸送におけるモータリーゼーションの進展
企業の物流に対する要求内容の変化
産業構造の変化や消費行動の変化
多くの問題が顕在化 複合的な問題
解決策としてはモーダルシフトが有効
トラック輸送の受け皿はフェリーが適している
一般道と高速道路を走行しているトラックをフェリーへシフト
研究の流れ
=
どのようにしてフェリーへシフトさせるか
経路を変える問題
経路の条件を変化させる
フェリーから見た場合(フェリーサービスの変更)
近くにフェリーターミナルを設ける
フェリーの高速化
フェリー運賃の値下げ
陸送から見た場合(一般道と高速道の内容の変更)
インターチェンジを遠ざける
速度規制を加える
高速道路料金の値上げ
モーダルシフト効果の測定
CO2 排出量の測定
フェリー航路との関係
便数の増便など 通行量規制など
論文の構成(1)
第2章 貨物輸送のモータリゼーションとモーダルシフトの検討
トラックに大きく依存していることから生じる問題点を示し、モーダルシフトの必要性を
述べる。そしてモーダルシフトの受け皿としてはフェリーが適していることを示す。
第4章 中・長距離フェリー航路の分析
モーダルシフト先として適切と考えられるフェリーの状況を示す。
特に、主要貨物輸送経路における機関分担の状況を示す。
第5章 トラック輸送におけるフェリー選択の要因分析
トラック輸送におけるフェリーが選択される要因を検討する。
第3章 モーダルシフトに関する既往研究の分析と本研究の特徴
従来の研究レビューを行い、本研究の特徴を明らかにする。
第1章 序論
研究の背景と目的、そして本論文の構成を示す。
第6章 トラック輸送経路の距離距離 の変更とモーダルシフトの検討 一般道、高速道、フェリーの経路選択モデルをを構築し、経路上の距離を変更した際のモーダルシフト効果の測定
第7章 経路の輸送時間およびコスト の変化とモーダルシフトの検討 各経路の輸送時間やコストを変化させた際のモーダルシフト効果の測定
第8章 モーダルシフトと CO2排出削減の検討
フェリーへのモーダルシフトが CO2排出削減ににどの程度影響を与えるか検討する。
第9章 フェリー航路の整備と CO2排出量削減の検討
モーダルシフトの受け皿としてのフェリー環境の課題を示す。
第 10章 結論
本研究のまとめを行う。
第5章 トラック輸送におけるフェリー選択の要因分析
トラック輸送におけるフェリーが選択される要因を検討する。
論文の構成(2)
0
10
20
30
40
50
6019
50
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990 91 92 93 94
1995 96 97 98
年度
%
自動車
鉄道
内航船舶
図2-3 トンキロベースでみる輸送機関別貨物輸送のシェア
わが国の貨物輸送構造
(単位:%)
トラック 鉄 道 内航船 その他
日 本(1990) 50.0 5.0 44.9 0.1
韓 国(1990) 47.7 20.5 31.7 0.1
米 国(1990) 25.7 37.4 16.2 20.7
独 国(1990) 56.7 21.0 18.3 4.0
旧東独(1988) 9.7 35.7 52.1 2.5
注) トンキロ(トンマイル)ベース
先進国における輸送機関別の貨物輸送シェア
わが国の貨物輸送構造
大気汚染
労働者不足
地球温暖化
交通渋滞
長時間労働 交通事故
騒音・振動 トラック輸送量の増加
トラック輸送の抱える問題の複合性
これらを解決するにはモーダルシフトが最適!これらを解決するにはモーダルシフトが最適!
輸送距離
ロット
TRTruck
Ship
Rail
TSTSR
SR
輸送距離とロットから見た貨物の輸送機関分担
平均輸送距離(km)
平均出荷ロット(トン)
トラック 392.25(326.41)
2.85(16.11)
鉄 道 862.59(438.61)
17.00(61.69)
内航船舶 628.11(451.20)
586.27(1437.41)
表2-6 輸送機関の輸送距離とロット( 1995年)
図2- 12 輸送機関の輸送領域( 1985年)
トラック輸送のモーダルシフトの受け皿となる輸送機関の検討
注)カッコ( )内の数値は標準偏差
0.1
1.0
10.0
100.0
1,000.0
100 300 500 700 900 1,100 1,300
(km)
(ton
)
フェリー自家用ト ラ ッ ク宅配等ト ラ ッ ク一車貸切トラック鉄道コンテナ鉄道車扱などコンテナ船RoRo船その他の船舶
図2- 13 各輸送機関の輸送距離とロット( 1995年)
0
10
20
30
40
50
60
農水
産品
林産
品
鉱産
品
金属
機械
化学
工業
軽工
業
雑工
業
特殊
品
%
0.00
10.00
20.00
30.00
40.00
50.00
60.00
トラックフェリー内航船
図2- 14 100km 以上のトラック、内航船およびフェリーの輸送品目割合
内航海運業の問題
20歳未満20歳以上~
30歳未満
30歳以上~
40歳未満
40歳以上~
50歳未満
50歳以上~
60歳未満60歳以上
1988年度 1.4 9.6 22.7 37.5 28.5 0.3
1993年度 2.0 9.5 17.4 38.7 31.6 0.8
1998年度 0.8 12.8 14.8 39.0 31.7 0.9
表2-5 内航船員の年齢構成の推移
(単位:%)
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
45,000
50,000
1979 80 81 82 83 84 85 86 87 88
1989
年
人
40歳以上の船員が 70%以上の高齢化!
・若年労働者不足問題
・旅客用のダイヤの空きを利用した輸送
↓
・輸送能力不足
鉄道の問題
対 策 技 術 名追加的削減費用(円/t-C)
追加的削減量(千トン CO2)
トラック輸送から船舶へのモーダルシフト 730 270
実走行燃費の改善(低公害車の普及) 57,000 6,800
購入車両の小型化(買い換え時のより低燃費な車種への転換) 57,000 3,300
トラック輸送から鉄道へのモーダルシフト 200,000 30
公共交通機関の活用(バス路線の整備) 290,000 1,700
都市部での自動車走行環境の改善(ITSの活用) 2,300,000 320
貨物の輸送効率の改善(共同輸送) 4,100,000 3,800
公共交通機関の活用(新交通システムの整備) 6,400,000 680
出所)中央環境審議会(文献 47)p.124.
表2-7 CO2削減とその費用
鉄道の問題
東京 ~ 札幌 東京 ~ 釧路 東京 ~ 福岡
運賃 時間 運賃 時間 運賃 時間
トラックの陸送 24,600 20.7 25,020 26.9 22,830 17.0
鉄道コンテナ 16,320 21.5 18,720 28.0 16,320 21.5
内航コンテナ船 10,170 48.0 7,730 47.0 7,450 47.0
内航 RORO船 12,840 44.0 12,070 48.0 10,700 43.0
フェリー(有人) 19,470 34.5 18,390 33.5 15,730 40.1
フェリー(無人) 13,550 34.5 12,630 33.5 11,120 40.1
注)①運賃はトン当たり運賃(トン/円)でタリフベース。時間は hourで荷役・待機時間を含む。 ②トラックおよびフェリー(有人)は 10トントラック、フェリー(無人)および内航 ROROは 15トン
トレーラ、鉄道は5トンコンテナ、内航コンテナは 20フィートコンテナ。 ③トラックの陸送は高速道を利用し、その他は末端輸送をトラックが受け持っている。 出所)海事産業研究所(文献 48)pp.86-87.
表2-8 輸送機関別トン当たり運賃および輸送時間の比較
フェリーの特徴
フェリーの特徴
Speed
Cost
Ship
Ferry
Rail C
Truck
トラック輸送のモーダルシフトの受け皿
フェリーが適している!
鉄 道 : 容量不足
内航船舶 : コストを除くサービスの質が悪い 労働問題を抱えている
中・長距離フェリー航路の分析中・長距離フェリー航路の分析
トラック輸送量 フェリー利用率
トン数 件数 トン数(%) 件数(%)
1980年 20,795,782 6,936,407 0.57 0.78
1985年 24,145,873 10,913,377 1.65 3.77
1990年 27,534,462 13,431,582 1.41 3.04
1995年 26,814,652 15,117,493 1.77 2.83
表4-8 トラック輸送量の変化とフェリー利用率
中・長距離フェリー航路の分析中・長距離フェリー航路の分析
北 海 道
東 京
苫小牧港
(29,779トン)
代表輸送機関
トラック(フェリー) 鉄 道
内航船舶
航 空 機
釧 路 港 函 館 港 そ の 他 千歳空港苫 小 牧 札幌貨物 そ の 他そ の 他
東 京 港 そ の 他 羽田空港小名木川 隅 田 川 そ の 他そ の 他
青 森 港12.4%
14.6%
3.6% 2.6%
17.9% 17.3%
8.2%
8.9%
10.0%4.5% 0.0% 0.0%
図4- 11 北海道発・東京都着貨物の輸送経路( 1990 年調査)
中・長距離フェリー航路の分析中・長距離フェリー航路の分析
東 京
そ の 他
大 阪
東京貨物
そ の 他 梅 田 大阪貨物
羽田空港 川 崎 港 千 葉 港
大阪空港 大 阪 港
0.9%
68.2%
20.6% 7.3%
2.0% 0.7% 0.2%
(20,540トン)
代表輸送機関
トラック(フェリー) 鉄 道
内航船舶
航 空 機
図4- 16 東京都発・大阪府着貨物の輸送経路( 1990 年調査)
中・長距離フェリー航路の分析中・長距離フェリー航路の分析
フェリーサービスの変更例
発地 着地一般道
フェリー航路
港頭地区
新着地
発港湾 着港湾
発地 着地
IC (A) IC (B)IC (X) IC (Y)
一般道
高速道
発港湾着港湾
フェリー航路
高速道サービスの変更例
検討すべき事項と既往研究の問題
・一般道、高速道、フェリーという3つのネットワークを 使用していない
・データが 1990 年以前の物流センサスデータ
・研究対象地域が限定的
フェリーターミナルの位置問題
フェリー航路
一般道および高速道とIC
比較的正確な距離
フェリーネットワーク
一般道・高速道ネットワーク
物流に関する全国データ
↓
「全国貨物純流動調査(物流センサス)」データ
↓
貨物流動の発着地(OD)の公表
・ 1990 年までのデータは「県単位」→ 県庁所在地として処理
↓
距離に比較的大きな誤差を含む
・ 1995年のデータは「生活圏」→ 距離の問題がある程度解消!
データの問題
生活圏数 都 道 府 県
20 北海道
7 新潟
6 兵庫、山口、長崎、鹿児島
岩手、秋田、福島、栃木、長野5
岐阜、三重、島根、愛媛、宮崎
青森、山形、茨城、群馬、富山4
高知、福岡、熊本、大分
宮城、埼玉、千葉、石川、福井、静岡3
滋賀、京都、和歌山、鳥取、広島、徳島
2 山梨、愛知、奈良、岡山、香川、佐賀
1 東京、神奈川、大阪、沖縄
表5-2 分析に使用した物流センサスデータの生活圏数
第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析
市町村及び交差点
貨物発着点 生活圏代表都市
ノード
市町村及び交差点
貨物発着点 生活圏代表都市
ノード
第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析
生活圏別データを用いた場合 県別データを用いた場合
トン % トン %
県 全 体 29,891 100.0 29,891 100.0
新居浜市周辺 7,687 25.7 - -
今治市周辺 15,617 52.2 - -
松山市周辺 3,933 13.2 29,891 100.0
八幡浜市周辺 757 2.5 - -
宇和島市周辺 1,898 6.3 - -
表5-3 生活圏データと県別データの比較
第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析第5章 フェリー輸送の機関選択要因分析
フェリーが選択される要因分析と分析手法
表5-8 要因分析で使用される分析手法
分 析 手 法 目的変数 説明変数
回 帰 分 析 量的データ 量的データ
判 別 分 析 質的データ 量的データ
数 量 化 Ⅰ 類 量的データ 質的データ
数 量 化 Ⅱ 類 質的データ 質的データ 出所)木下栄蔵(文献 19)を参考に作成した。
フェリー選択の要因分析
目的変数: フェリーか否か
説明変数: 輸送距離やロットなど
質的データ
量的データ
判別分析
要因分析とモデル ・正準判別モデル
Z =β 1X1+ β 2X2+……+ β nXn+ β 0
ここで、Z>0: フェリーを選択 Z<0: フェリーではない Xi: 説明変数 β i: 係数
フェリー選択の要因分析
発地着地
一般道
フェリー航路
発港湾 着港湾X2
X1
X3
X4
図5-9 モデルに投入した距離変数
フェリー選択の要因分析
①発地から発港湾までの道路距離(X1)
②フェリーの航路長(X2)
③着港湾から着地までの道路距離(X3)
④発地から着地までの陸送距離(X4)
⑤輸送ロット(トン/件)
⑥週あたりの便数
⑦品目ダミー(8品目)
⑧届け先ダミー(9分類)
⑨トラックの形態ダミー(自家用、宅配等混載、一車貸切)
モデルに投入した説明変数
距離データ
一般道 : 1,038ノード
フェリー: 57 航路
フェリー選択の要因分析
表5-5 分析に用いたフェリー航路
No. 港 名 航路長(km)
No. 港 名 航路長(km)
1 苫小牧港 東京港 1,045 30 大阪港 志布志港 580
2 高松港 神戸港 119 31 大阪港 宮崎港 505
3 大阪港 北九州港 458 32 室蘭港 青森港 204
4 小樽港 舞鶴港 1,061 33 大阪港 高知港 282
5 八戸港 室蘭港 226 34 岩内港 直江津港 721
6 松山港 神戸港 287 35 直江津港 室蘭港 678
7 北九州港 境泉北港 466 36 東京港 志布志港 1,109
8 大洗港 苫小牧港 775 37 小松島港 東京港 642
9 八戸港 苫小牧港 253 38 御前崎港 苅田港 814
10 小松島港 大阪港 105 39 室蘭港 大畑港 122
11 横須賀港 苅田港 979 40 川崎港 宮崎港 915
12 神戸港 三島川之江港 200 41 川崎港 細島港 887
13 敦賀港 小樽港 1,024 42 大阪港 細島港 507
14 神戸港 今治港 222 43 塩釜港 松山港 127
15 東予港 大阪港 238 44 別府港 宇和島港 98
16 東京港 北九州港 1,163 45 高知港 東京港 726
17 釧路港 東京港 1,111 46 甲浦港 大阪港 172
18 室蘭港 大洗港 728 47 別府港 松山港 133
19 名古屋港 苫小牧港 1,330 48 北九州港 小松島港 514
20 苫小牧港 塩釜港 560 49 東京港 細島港 963
21 新居浜港 神戸港 214 50 高知港 釧路港 1,837
22 新居浜港 大阪港 222 51 北九州港 苫小牧港 2,208
23 新潟港 小樽港 704 52 函館港 野辺地港 122
24 名古屋港 塩釜港 803 53 東京港 南紀勝浦港 481
25 神戸港 北九州港 454 54 新潟港 敦賀港 440
26 神戸港 塩釜港 420 55 神戸港 別府港 405
27 松山港 大阪港 303 56 広島港 別府港 183
28 別府港 大阪港 422 57 高知港 南紀勝浦港 290
29 松山港 北九州港 184 注)青函航路はトラック輸送として処理した。
的中率(レコード数)
Wilks λの フェリー(4,036)
トラック(22,144)
全体(26,180)
0.7321 72.3% 83.9% 82.1%
表5-7 Wilksの λおよび的中率
モデルに投入した説明変数
関 数
フェリー +0.25823
トラック -1.41678
表5-8 グループ重心の位置
フェリー選択の要因分析
表5-9 正準判別関数係数とF値
係数 F値
発港湾までの距離(X1) -0.00056 1,177
航路長(X2) 0.00048 1,808
発着地間の距離(X4) 0.00020 868
農水産品 0.80690 2,761
軽工業品 0.23807 1,334
雑工業品 -0.23452 1,054
ロット 0.03253 2,201
週あたり便数 -0.02998 3,911
外国向け -0.40124 684
営業倉庫向け 0.39424 1,533
自家倉庫向け 0.18818 953
建設現場向け -0.20946 797
自家用トラック -0.11728 736
宅配等混載 -1.78531 6,058
定 数 1.34155 -
①輸送距離が長い場合はフェリーが選択される。
②フェリーターミナルが遠いとフェリーは敬遠される。
③農水産品と軽工業品はフェリーが選択される。
④貨物のロットが大きいこともフェリーを利用する傾向になる。
⑤貨物の届け先が営業倉庫あるいは自家倉庫向けはフェリーが利用されやすい。
⑥一車貸切の場合はフェリーが利用されやすい。
フェリー選択の要因分析
調査年 一般道 高速道 フェリー フェリーと高速 合計
1980 76.09 21.61 2.00 0.31 100
1985 65.77 28.79 4.05 1.39 100
1990 69.21 26.52 3.18 1.10 100
1995 66.43 28.70 3.38 1.49 100
表6-4 トラック輸送の経路選択状況
注)データは県間流動を使用した。
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
経 路 データ数(件数) 割合(%)
一般道 175,325 70.8
高速道 67,076 27.1
フェリー 5,153 2.1
合 計 247,554 100
表6-5 モデル構築に使用したデータ数
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
説明変数
X1 : 発着地を結ぶ一般道の最短道路距離 X2 : 発地から発港湾までの道路距離 X3 : 着港湾から着地までの道路距離 X4 : 発地から進入したインターチェンジ(IC)までの道路距離 X5 : 降りたICから着地までの道路距離 X6 : フェリーを利用した場合の合計距離と一般道の距離差 X7 : 高速道を利用した場合の合計距離と一般道との距離差 X8 : フェリーを利用した場合の合計距離と高速道を利用した場合 の合計の距離差・品目ダミー(8品目)・輸送ロット(トン/件)・フェリーの週あたりの便数・届先区分ダミー(9区分)・トラックの輸送形態ダミー(自家用、宅配等混載、一車貸切)
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
発地
発港湾
着港湾
X1
X3X2
X4X 5
発IC
着IC
高速道路長
航路長
X6=(X 2+航路長+X3) , X7=(X4 +高速道路長+X5)
X8=X7-X6
一般道路長 着地
説明変数
X1 : 発着地を結ぶ一般道の最短道路距離 X2 : 発地から発港湾までの道路距離 X3 : 着港湾から着地までの道路距離 X4 : 発地から進入したインターチェンジ(IC)までの道路距離 X5 : 降りたICから着地までの道路距離 X6 : フェリーを利用した場合の合計距離と一般道の距離差 X7 : 高速道を利用した場合の合計距離と一般道との距離差 X8 : フェリーを利用した場合の合計距離と高速道を利用した場合 の合計の距離差・品目ダミー(8品目)・輸送ロット(トン/件)・フェリーの週あたりの便数・届先区分ダミー(9区分)・トラックの輸送形態ダミー(自家用、宅配等混載、一車貸切)
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
Z1= β 11X1+ β 12X2+ β 13X3+……+ β 1nXn+ β 10
Z2= β 21X1+ β 22X2+ β 23X3+……+ β 2nXn+ β 20
ここで、Z1:正と負で3つのグループのうち分けやすいものを2分する
Z2:Z1で分離できなかった2グループを2分する
Xi:説明変数
β i j:判別係数
経路選択モデル(正準判別モデル)
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
判別モデルによる結果
フェリー 高速道 一般道合計
フェリー3,390(65.8)
241(4.7)
1,522(29.5)
5,153(100)
高速道14,519(21.6)
42,352(63.1)
10,205(15.2)
67,076(100)
実際のデ|タ 一般道
17,156(9.8)
38,127(21.7)
120,042(68.5)
175,325(100)
合 計 35,065 80,720 131,769 247,554
表6-8 正準判別モデルによる判別結果
注)数値はレコード数、カッコ内の数値は割合 全体の正判別率は 67.0%
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
-0.5
0
0.5
1
1.5
2
2.5
-0.5 0 0.5 1 1.5
フェリー高速道一般道
Z1 Z2フェリー 1.00546 2.35206
高速道 0.93709 -0.19002
一般道 -0.38806 0.00357
表6-9 グループ重心の位置
Z2
Z1
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
Z1
6420-2-4-6
Z2
10
8
6
4
2
0
-2
-4
経路
一般道
高速道
フェリー
各輸送経路の正準判別量のプロット
Z1 Z2 要因大 要因小
X1 0.004103 0.002800 フェリー 一般道
X2 -0.001249 -0.003032 一般道 フェリー
X3 -0.001346 -0.002815 一般道 フェリー
X4 -0.005592 0.001899 一般道 高速道
X5 -0.004882 0.003767 一般道 高速道
X7 0.007419 0.001291 フェリー 一般道
X8 0.000756 0.001889 フェリー 一般道
農水産品 0.772678 0.431018 フェリー
鉱産品 -0.523346 -0.019415 一般道
金属機械 0.465747 -0.343930 高速道
化学工業品 0.373306 -0.210305 高速道
軽工業品 0.506499 -0.066286 高速道
雑工業品 0.340446 -0.287457 高速道
ロット -0.000399 0.003465 一般道 高速道
フェリーの便数 0.016882 0.019542 フェリー 一般道
工場 -0.322460 0.064813 一般道
営業倉庫 0.083085 -0.164200 高速道
自家倉庫 0.091253 0.236371 フェリー
小売店店頭 -0.106419 -0.057426 一般道
卸売市場 -0.036759 -0.081936 一般道
建設現場 0.107163 0.145828 フェリー
その他 -0.399018 -0.014561 一般道
自家用トラック -0.153196 -0.100500 一般道
宅配等混載 -1.010614 -0.567437 一般道
定 数 -0.154376 -0.601123 -
表6- 10 モデルの係数
制限距離 フェリー利用 高速道利用 一般道利用高速道と一般道の利用
50km -1.00 -13.44 +18.04 +0.14発地からの距離(X4)
100km -5.21 -47.71 +64.56 +0.72
50km +6.25 -11.61 +13.32 -0.86着地までの距離(X5)
100km +19.57 -44.54 +52.49 -2.69
50km +5.88 -30.17 +37.91 -0.81X4とX5を同時に制限
100km +4.59 -79.71 +103.63 -0.63
表6- 11 利用できるICの規制距離と経路利用の変化(トン数)(単位:%)
発地側の規制がフェリーへのモーダルシフトに有効でない。
↓
発地側にフェリーのターミナルがない(地方にターミナルが少ない)
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
短縮距離 フェリー利用率 高速道利用率 一般道利用率高速道と一般道の利用
50km +15.99 +0.02 -5.12 -2.20発港湾までの距離(X2)
100km +35.76 -0.89 -10.22 -4.91
50km +14.71 +0.98 -5.97 -2.02着港湾までの距離(X3)
100km +29.96 +1.06 -10.94 -4.11
50km +35.55 -0.22 -11.02 -4.88X2とX3を同時に短縮
100km +76.33 -2.88 -20.51 -10.48
表6- 12 貨物の発着地と港湾までの距離の短縮および経路利用率の変化(トン数)(単位%)
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
①経路選択を表すモデルには正準判別モデルが適用できる。その際の説明変数としては貨物の輸送距離、港湾やインターチェンジまでの距離、貨物のロット、品目、届け先、トラックの輸送形態などが有効である。
②トラック輸送の経路選択においては、まず一般道を走行するか否かを考え、次いで一般道を走行しないとなればフェリーを利用するか高速道を利用するかといった階層的な選択が行われている。
③フェリーへのモーダルシフトを促進するには、ICの利用を規制すると効果が得られる。ただし、発地側ではなく着地側のICの利用を規制する政策が効果的で、その距離は 100km程度が良い。
④フェリーが利用できる港湾と貨物流動の発着地を近づけることは、ICの利用を規制することよりモーダルシフト効果は高い。この場合は発地側でも着地側でも効果があり、その差に大きなものは認められない。
⑤ICの利用規制と港湾までの距離を短縮することを組み合わせれば、更にモーダルシフト効果が高まる。
トラック輸送経路の距離の変更とモーダルシフト
平均速度 輸送コスト
フェリー 20ノット 11.87円/t・km
高 速 道 70km/h 20.00円/t・km
一 般 道 30km/h 15.53円/t・km
表7-1 モデル構築に使用した平均速度および輸送コスト
注)高速道路のコストは高速道路料金として4円 /t・ kmを考慮し一般道の値を加味した。
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
・一般道の輸送時間(Tg)
・フェリーと一般道との輸送時間差(Tf-Tg)
・一般道と高速道との輸送時間差(Tg-Th)
・一般道の輸送コスト(Cg)
・一般道とフェリーの輸送コスト差(Cf-Cg)
・高速道と一般道との輸送コスト差(Ch-Cg)
・8品目(農水産品・林産品・鉱産品・金属機械・化学工業、軽工業、雑工業、特殊品)のダミー変数
・貨物のロット
・9つの届け先(工場・営業倉庫・自家倉庫・問屋店頭・小売店頭・卸売市場・建設現場、その他、外国)
のダミー変数
・3つのトラックの輸送形態(自家用・宅配等混載・一車貸切)
・高速道路距離
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
判別モデルによる結果フェリー 高速道 一般道
フェリー 69.6% 13.0% 17.5%
高速道 3.9% 73.9% 22.2%
実際のデ|タ 一般道 8.0% 16.0% 76.0%
表7-4 正準判別モデルによる判別結果
注)全体の正判別率は 75.3 %である。
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
- 0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
- 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5
フェリー高速道一般道
Z1 Z2
フェリー 0.53150 2.34445
高速道 1.08012 -0.11711
一般道 -0.41868 -0.02523
表7-5 グループ重心の関数値
Z1
Z2
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
表7-6 輸送時間コストモデルの係数と傾向 要 因 Z1 Z2 要因大 要因小
Tg -0.074354 0.134415 一般道 高速道
Tf-Tg -0.005864 -0.006769 一般道 フェリー
Tg-Th -0.005248 -0.101380 一般道 フェリー
Cg -0.000016 0.000134 一般道 高速道
Cg-Cf 0.000002 0.000003 フェリー 一般道
Ch-Cg -0.000001 0.000003 一般道 高速道
農水産品 0.619040 0.689128 フェリー
林 産 品 -0.129019 0.084132 一般道
鉱 産 品 -0.453124 -0.177857 一般道
金属機械 0.412579 -0.191251 高速道
化学工業品 0.320802 -0.085202 高速道
軽工業品 0.438010 0.069921 フェリー
雑工業品 0.308499 -0.176839 高速道
ロ ッ ト -0.000235 0.002191 一般道 高速道
工 場 -0.289587 0.051280 一般道
営業倉庫 0.093852 -0.158613 高速道
自家倉庫 0.054079 0.255132 フェリー
小売店頭 -0.097960 -0.102579 一般道
卸売市場 -0.044069 -0.074283 一般道
そ の 他 -0.360037 -0.099592 一般道
自家用トラック -0.131324 -0.100740 一般道
宅配便混載 -0.875295 -0.810984 一般道
高速道距離 0.006477 -0.000800 高速道 一般道
定 数 0.069110 -0.467765 -
規制速度 フェリー利用 高速道利用 一般道利用一般道と高速道の利用
-10km/hの規制 +3.48 -2.45 -0.07 -1.04
-20km/hの規制 +8.07 -5.72 -0.14 -2.41
-30km/hの規制 +13.99 -9.93 -0.23 -4.18
表7-7 高速道路の速度規制とモーダルシフト量(トン数)(単位:%)
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
フェリーのスピード フェリー利用 高速道利用 一般道利用一般道と高速道の利用
+5ノット高速化 +2.23 +0.04 -1.15 -0.67
+10 ノット高速化 +3.40 +0.28 -1.91 -1.02
+15 ノット高速化 +4.55 +0.20 -2.43 -1.36
表7-8 フェリーの高速化とモーダルシフト量(トン数)
(単位:%)
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
トンキロ当たりのコスト フェリー利用 高速道利用 一般道利用一般道と高速道の利用
22円/t・km (+2円) +0.00 -0.06 +0.05 +0.00
24円/t・km (+4円) -0.01 -0.06 +0.05 +0.00
26円/t・km (+6円) -0.06 -0.10 +0.10 +0.02
表7-9 高速道利用コストの増加とモーダルシフト量(トン数)
(単位:%)
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
トンキロ当たりのコスト フェリー利用 高速道利用 一般道利用一般道と高速道の利用
10円/t・km 約-2円) +0.14 +0.18 -0.19 -0.04
9円/t・km (約-3円) +1.12 +0.35 -0.80 -0.33
8円/t・km (約-4円) +1.17 +0.43 -0.89 -0.35
表7- 10 フェリー利用コストの減少とモーダルシフト量(トン数)
(単位:%)
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
①高速道の速度規制は比較的大きなモーダルシフト効果をもたらす。
②フェリーの高速化もモーダルシフトに対して有効ではあるが、高速道の速度規制ほどには大きな影響を与えない。
③高速道のコストやフェリーのコストの変化はモーダルシフトに対してはほとんど影響を与えない。
④本研究では高速道の経路選択にはコストよりも輸送時間が大きな影響を与える結果となったが、輸送時間とコストは複合的に輸送経路の選択に影響を与えるものと思われる。
輸送経路の時間およびコストの変更と輸送経路の時間およびコストの変更と モーダルシフト モーダルシフト
輸 送 機 関 CO2排出量
鉄 道 24g/t・km
船 舶 35g/t・km
トラック(高速道等走行時) 73g/t・km
トラック(一般道等走行時) 86g/t・km
表8-1 各輸送機関別の CO2排出量
モーダルシフトと CO2 排出削減
制限距離 フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
50km -1.03 -20.71 +11.61 -3.62発地からの距離(X4)
100km -4.55 -42.70 +35.03 -4.34
50km +4.29 -21.98 +5.86 -4.49着地までの距離(X5)
100km +18.26 -44.58 +27.84 -0.71
50km +4.67 -39.83 +20.99 -5.45X4とX5を同時に制限
100km +7.72 -70.04 +57.49 -2.59
表8-2 利用できるICの規制距離と経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
モーダルシフトと CO2 排出削減
規制速度 フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
-10km/h +3.65 -5.54 -0.15 +1.11
-20km/h +8.13 -12.41 -0.26 +2.50
-30km/h +14.49 -20.72 -0.50 +4.62
表8-3 高速道路の速度規制と経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
モーダルシフトと CO2 排出削減
表8-4 高速道輸送コストの変化と経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
トンキロ当たりのコスト フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
22円/t・km(+2円) -0.08 -0.10 +0.03 -0.05
24円/t・km(+4円) -0.09 -0.10 +0.03 -0.05
26円/t・km(+6円) -0.13 -0.16 +0.11 -0.05
モーダルシフトと CO2 排出削減
短縮距離 フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
50km +12.74 -4.03 -4.52 +0.79発港湾までの距離(X2)
100km +29.35 -8.49 -8.75 +2.69
50km +11.44 -2.72 -5.26 +0.61着港湾までの距離(X3)
100km +25.37 -5.50 -9.26 +2.39
50km +28.09 -8.13 -9.61 +2.14X2とX3を同時に短縮
100km +65.24 -18.08 -17.24 +7.02
表8-5 貨物の発着地と港湾までの距離の短縮および経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
モーダルシフトと CO2 排出削減
表8-6 フェリーの高速化と経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
フェリーのスピード フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
+5ノット高速化 +2.59 -0.89 -0.92 +0.91
+10ノット高速化 +3.90 -0.26 -1.54 +1.32
+15ノット高速化 +5.27 -1.64 -2.01 +1.82
モーダルシフトと CO2 排出削減
表8-7 フェリー輸送コストの減少と経路上の CO2排出量の変化(単位:%)
トンキロ当たりのコスト フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体
10円/t・km(約-2円) +0.14 +0.02 -0.13 +0.03
9円/t・km(約-3円) +1.60 +0.02 -0.50 +0.66
8円/t・km(約-4円) +1.67 +0.06 -0.55 +0.68
モーダルシフトと CO2 排出削減
対 策 モーダルシフト効果 環境改善効果
① ICの利用規制・発地側は効果なし・着地側は効果あり
・すべて効果あり
② 高速道の速度規制 ・すべて効果あり ・すべて効果なし(悪化)
③ 港湾との距離短縮 ・すべて効果あり ・すべて効果なし(悪化)
④ フェリーの高速化 ・すべてに効果あり ・すべて効果なし(悪化)
⑤ 高速道料金の値上げ ・ほとんど変化なし ・ほとんど変化なし
⑥ フェリー料金の値下げ ・ほとんど変化なし ・ほとんど変化なし
表9-1 本研究で構築したモデルにより検討した政策と効果
長期
短期長期短期
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
表9-3 港湾までの距離を発着側で一割短縮した際の CO2排出量の変化
(単位:%)
規制速度 フェリー利用 高速道利用 一般道利用 3経路全体短縮なしの場合(表 8-3)
-10km/h -4.61 -5.54 -0.15 -3.17 +1.11
-20km/h -0.49 -12.41 -0.26 -1.98 +2.50
-30km/h +5.35 -20.72 -0.50 -0.12 +4.62
表9-4 CO2排出量が多くなる航路(単位:トン)
注)合計が 100 トンを超えるもののみを取り上げた。
航 路 名高速道よりシフト
一般道よりシフト
合 計
東 京 ~ 那智勝浦 1,260 672 1,932
大 阪 ~ 小松島 1,139 369 1,508
新 潟 ~ 敦 賀 604 713 1,317
函 館 ~ 野辺地 265 304 569
神 戸 ~ 高 松 127 371 498
広 島 ~ 別 府 105 314 419
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
表9-5 フェリー航路の比較
航路名 航路長 東京側港湾に最寄りの生活圏と距離
中部側港湾に最寄りの生活圏と距離
東京~那智勝浦 481km 中央区 (旧東京都庁) 10km 新宮市 10km
横須賀~松阪 360km 横浜市 25km 津市 15km
横須賀~阪南 650km 横浜市 25km 大阪市 33km
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
①
②
③
① 横須賀~松阪航路
② 東京~那智勝浦航路
③ 横須賀~阪南(岸和田)
フェリー利用 高速道利用 一般道利用 経路上の変化
トン数の変化 +5.83 +1.24 -3.79 -1.74①
CO2排出量の変化 -4.76 -0.83 -2.45 -3.43②
表9-6 東京~那智勝浦(現状)を横須賀~松阪に航路移転した効果
(単位:%)
注)①トン数の変化は高速道と一般道の2経路の変化を示す。 ② CO2排出量の変化は3経路全体の変化を示す。
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
フェリー利用 高速道利用 一般道利用 経路上の変化
トン数の変化 -1.42 -0.51 +1.07 +0.42①
CO2排出量の変化 -0.45 +0.03 +0.42 -0.05②
表9-7 東京~那智勝浦(現状)を横須賀~阪南に航路移転した効果
(単位:%)
注)①トン数の変化は高速道と一般道の2経路の変化を示す。 ② CO2排出量の変化は3経路全体の変化を示す。
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
表9-8 航路移転(横須賀~松阪)と高速道の速度規制による モーダルシフトおよび CO2排出量の変化
(単位:%)
規制速度 フェリー利用 高速道利用 一般道利用陸路あるいは経路全体
移転なしの場合(表 7-7)(表 8-3)
-10km/h+9.23-1.65
-1.17-6.30
-3.84-2.57
-2.76-2.58
-1.04+1.11
-20km/h+13.74+2.35
-4.42-13.09
-3.89-2.64
-4.11-1.42
-2.41+2.50
-30km/h+19.48+7.70
-8.49-21.07
-3.99-2.86
-5.82+0.23
-4.18+4.62
注)上段の数値がモーダルシフト量(トン数)で、下段が CO2排出量の変化を示す。
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
(単位:%)
規制速度 フェリー利用 高速道利用 一般道利用陸路あるいは経路全体
移転なしの場合(表 7-7)(表 8-3)
-10km/h+2.30+3.65
-3.13-5.46
+0.99+0.28
-0.69+1.27
-1.04+1.11
-20km/h+6.90+8.24
-6.41-12.42
+0.92+0.18
-2.06+2.71
-2.41+2.50
-30km/h+12.75+14.61
-10.56-20.78
+0.82-0.05
-3.81+4.83
-4.18+4.62
注)上段の数値がモーダルシフト量(トン数)で、下段が CO2排出量の変化を示す。
表9-9 航路移転(横須賀~岸和田)と高速道の速度規制による モーダルシフトおよび CO2排出量の変化
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
表9- 10 航路移転(横須賀~松阪)とフェリーの高速化による モーダルシフトおよび CO2排出量の変化
(単位:%)
速力の変化 フェリー利用 高速道利用 一般道利用陸路あるいは経路全体
高速道の速度規制の場合(表 9-8)
+5ノット+7.85-2.73
+0.63-2.24
-4.39-3.09
-2.34-2.79
-2.76-2.58
+10ノット+9.00-1.62
+0.44-2.77
-4.84-3.66
-2.69-2.48
-4.11-1.42
+15ノット+9.91-0.75
+0.73-2.78
-5.49-4.26
-2.96-2.24
-5.82+0.23
注)上段の数値がモーダルシフト量(トン数)で、下段が CO2排出量の変化を示す。 なお、高速道の速度規制は上から-10km/h、-20km/h、-30km/hの結果である。
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
(単位:%)
速力の変化 フェリー利用 高速道利用 一般道利用陸路あるいは経路全体
高速道の速度規制の場合(表 9-8)
+5ノットと-10km/h
+10.78-0.07
-1.34-6.99
-4.51-3.26
-3.22-2.10
-2.76-2.58
+10ノットと-20km/h
+15.81+4.36
-4.94-14.23
-4.57-3.46
-4.72-0.82
-4.11-1.42
+15ノットと-30km/h
+21.86+10.03
-9.23-22.22
-4.67-3.66
-6.53+1.00
-5.82+0.23
注)上段の数値がモーダルシフト量(トン数)で、下段が CO2排出量の変化を示す。
表9- 13 航路移転(横須賀~松阪)とフェリーの高速化および 高速道の速度規制の組み合せによる影響
フェリーの航路整備と CO2 排出削減
結 論結 論
・トラック輸送の抱える問題点の整理
・問題を解決のためのモーダルシフトの有効性
・モーダルシフトの受け皿としてのフェリーの適性
・フェリーが選択される要因
・一般道・高速道そしてフェリー航路ネットワークの作成と数理モデルの構築
・フェリーへのモーダルシフトを誘因する要因
IC の位置と利用規制、港湾の位置、フェリー航路の配置、高速道の速度規制、
高速道料金、フェリー料金の変更、フェリーの高速化
・モーダルシフトと CO2排出削減による地球環境問題との関係
政府(国土交通省)の政策担当者、長距離フェリー協会、港湾管理者、
トラック協会など
今後の課題今後の課題
・モデルの精度の向上
・港湾の最適な位置の検討
・集計モデルの検討
・フェリーのネットワーク効果の検討
ご静聴ありがとうございました。
松尾 俊彦