Upload
-
View
2.540
Download
2
Embed Size (px)
DESCRIPTION
「Lean Interview」 誰でも、ほぼコストゼロ、1日でできるインタビュー法 Our Growth Hack Method To KAIZEN Product ・ いわゆる「正しい」⼿法とは異なります。王道はビービット社による「ユーザ中⼼ウェブサイト戦略」などが参考になります。・ [Lean Interview]は私の造語です。権利は主張しません(笑) ・ ディップ株式会社での社内共有資料です。 ※ 素人訳なので誤訳等々あるかもです。間違ってたら是非教えて下さい。※ わたしが働いているディップ株式会社ではリーンなひとを募集しています。ご興味ある方はぜひコンタクトください。◆ まとめた人 http://about.me/sin10k
Citation preview
Lean Interview誰でも、ほぼコストゼロ、1日でできるインタビュー法
Our Growth Hack Method To KAIZEN Product
・ [Lean Interview]は私の造語です。権利は主張しません(笑)
・ ディップ株式会社での社内共有資料です。
・ エリック・リース「リーン・スタートアップ」アッシュ・マウリャ「ランニング・リーン」樽本徹也「アジャイル・ユーザービリティ」の3冊に大きなヒントとエネルギーをもらいました。ありがとうございます。
・ いきあたりばったりなインタビューにお付き合い頂くユーザーのみなさまありがとうございます。
・ いわゆる「正しい」⼿法とは異なります。王道はビービット社による「ユーザ中⼼ウェブサイト戦略」などが参考になります。
※ 素人訳なので誤訳等々あるかもです。間違ってたら是非教えて下さい。※ わたしが働いているディップ株式会社ではリーンなひとを募集しています。
ご興味ある方はぜひコンタクトください。
◆ まとめた人 http://about.me/sin10k/
ユーザーインタビューしたいけど難しそう…時間も費用も経験もないし…結果もわかりにくい
① 設計・実施するコストがない② 結果のサービス反映ができない③ 時間がかかる
<ユーザーインタビューを阻む3つの壁>
ヒト・モノ・カネ
誰でも、ほぼコストゼロ、1日でできるインタビュー法
Lean Interviewをお試しください!
Lean Interview は「正確さより速度を優先」したスタートアップ、アジャイル開発向けの手法です。
① 誰でもできてコストほぼゼロ② 結果がわかりやすく利⽤しやすい③ 1日あれば改善策までできる
<Lean Interview の特徴>
※ 逆に、ヒト・モノ・カネがあって精度優先ならおすすめしない手法です。「間違えるかもしれないが、どのみちスタートアップはゴールも⾒えていな
いのだからフォーカスしてすばやく検証しろよ、という発想」です。
サービスがなくてもOK。予算2万円あればできます。付箋、模造紙、サービス、お菓子をご用意ください。
<インタビューに必要なもの>
プロトでも紙でも実サイトでもOK もしくは謝礼
ふせん 模造紙 謝礼
30分程度なので外部の方には時給換算1000円程度の謝礼でもOKだと思います。(実施者のキャラによるけど)
テストするサービスをお忘れなく
① インタビュー設計をする(2h)② インタビューを実施する(4h)③ 結果を改善策にする (2h)
<Lean Interview の3ステップ>
1日をかけて3ステップでインタビューをやっていきます。
最大8時間。これならアジャイルの短いイテレーション期間にも間に合うはず!
ただし、いわゆる「正しい」「ちゃんとした」ユーザーインタビュー法ではありません。
「どんなテストでもプロダクトの成⻑につながればOK」発想で最低限をクリアするための「ダーティな」インタビューです。
・ターゲットはあっているか ・シーンはあるか・価値設計は正しいか ・価値は理解されているか・サービスは利⽤できるか
を最小コストで検証したい場合のみおすすめします。
やりかたも素人感丸出しでよいです。5つの原則にもとづいてやります。
① インタビューしようとしない(脱線上等)→ インタビューというより楽しくお話のノリで、まじめにやるとお互い緊張する
② 1インタビューで被験者は最大5人まで→ ニールセン※の言うことを信じて、最低5人ワンセットで84%網羅と考える
③ 発話、撮影、録音など難しいことはしない→ インタビューの正攻法をやり過ぎて難しくしない。発話法などは無理。
④ 取り囲まない、グルインしない→ 基本は1対1。N対1のグルインは効率良さげに⾒えるけど難しいのでやらない。
⑤ 1人試して、また増やす→ いきなりたくさんの人にやらない。最初の人で「ないわ」ってわかるかも
<Lean Interview の5原則>
※ ユーザーテストでは、5人の被験者でユーザビリティ問題の85%を発⾒できることが明らかになっています(Nielsen and Landauer, 1993) http://www.usability.gr.jp/whatis/methods/
Lean Interview 設計編
① 候補者選び (20分)→ 「どういう人がサービスにぴったりかなー」というノリで。
② スクリプト作り (30分)→ 「何の話題がたのしく喋ってくれるだろう?」というノリで
③ リクルーティング (20分)→ 意中の人を飲み会に誘うノリで。最初の一人だけでよいですよ
<設計の3ステップ>
設計はかんたん。合コンの幹事にでもなった感じです。
候補者はペルソナに合うひとりだけ決めればOK。あとは芋づる式に5名も集めれば十分。
そういえば、営業に来る◯◯さんちょうどこんな感じのリア充男子だったような…
街で歩いてる人でもOK。
※ ペルソナに合う社員がたくさんいるとかなら、最初っから5人集めてもいいですね(企業内起業のメリットですね)
このユーザーの知り合いを辿ります
① シーン、コンセプト雑談(10分)② サービス体験 (10分)③ 質疑応答 (10分)
<Lean Interview のかんたん3ステップ>
被験者にやってもらうのは3つシーンの確認、コンセプトの理解、⾏動観察です。
<インタビューざっくりスクリプト>
完璧にスクリプトを作る必要はありません。1回めが終わったら、修正しますので軽い気持ちで。
1、挨拶 → こんにちはー。◯◯です、よろしくお願いしまーす!2、趣旨説明 → 今日はですね、◯◯という内容で30分ほどお時間いただきます。3、発言の枠ぎめ → 今日のお話はどこにも出ませんので、ご安⼼ください。4、イントロ → きょうのテーマ、◯◯って聞いてどんなイメージしました?5、サービスコンセプト確認 → ◯◯ってサービス、どんなサービスだと思います?6、シーン確認 → ◯◯ってなシーンで使うんですが、こういうことってあります?7、シーン価値の深堀り → こういうシーンで困ることってあんまりないですよね?8、利⽤テーマの設定 → お聞きした◯◯を◯◯する時、でサービスを使ってみてください!9、サービス利⽤の実施 → 質問はのちほどお受けしますので、いつものように使ってくださいね。10、サービス利⽤観察のFBとQA → このページのここでしばらく待ってたのはどうしてでしょうか?11、雑談 → こういう時、ほかにどんなサービス使うんですか?12、インタビューの振り返り → 今回◯◯ということがわかりました。◯◯させていただきますね。13、次回協⼒のお願いとリクルーティング → また聞いてイイですか?◯◯さんに似た人いないですか?
構えられたら良い発⾔はもらえない。会話のきっかけがあれば大丈夫。
<実際のリクルーティングメール>
リクルーティングは対面>電話>メールでストレートかつカジュアルに伝えれば大抵OKしてくれます。
選ばれた理由を簡潔に※ このメールはやや強引w
趣旨と所要時間
相⼿が気になる事項に配慮※ 社内でも社外でも仁義は大事です
参加までのアクションと謝礼※ 謝礼はなくてもOK
Lean Interview 実施編
インタビュー当日の準備は、静かな場所付箋、サービスを印刷した紙、謝礼だけ
<インタビューに必要なもの>
ふせん サービスを印刷したもの 謝礼
ペーパープロトでも、サイトでもなんでもいいのでテストするサービスをお忘れなく
30分程度なので外部の方には時給換算1000円程度の謝礼でもOKだと思います。(実施者のキャラによるけど)
<インタビューほぼ全文書き起こし>
まじめは自分も相手も緊張します。本音を聞くためにも、ゆるく、ゆるく。解決策を聞こうとしない。
こんにちはー。進藤です、バイトルってご存知ですが?あの会社でサービス作ったりしてます。よろしくお願いしまーす。ここちょっと寒くないですか?あ、寒くない?電⾞が寒かったんですよね。今日はここまで電⾞で来ていただいたんですか?(雑談続く)
今日はですね、◯◯という3ステップ、10分✕3ってな内容で30分ほどお時間いただきます。ちなみに、このサービスぼくのアイデアでもありませんし、今日の話はどこにも出ませんので誰も傷つかないですー。安⼼してディスってくださいねー。
さてじゃージャブから⾏きますねー。きょうのテーマ、◯◯って聞いてどんなイメージしました?「かっこいいとか、わかりにくいとか、むずかしそうとか…」(雑談続く)そっかそっか…◯◯ってサービス、どんなサービスだと思います?正解です!(回答にかかわりなく)またどうしてそんな正解を導き出しちゃったんですかー?
おっしゃってるのに似たこんなシーンで使うんですが、そういうことってあります?ふむふむ、どのくらいの頻度で?どういう人とやるんですか?へー彼⽒と⾏くんですね。ふーん。(雑談続く)
こういうシーンで困ることってあんまりないですよね?(課題が⾒えていても)へーそれは困りますねー!どのくらいの頻度で起こるんですか?どうやって解決してるんですかー?お⾦使うんですか?(雑談続く)
なるほどですー。ぼくらのサービスがお⼿伝いできるといいんですけどー。お聞きした◯◯を◯◯する時◯◯をする、というテーマでサービスを使ってみてください!ぼくらはぼんやり⾒てます!質問はのちほどお受けしますので、いつものように使ってくださいね。
はい!以上です。ありがとうございました。じゃ、ちょっとだけ質問させてくださいね。
このページのここでしばらく待ってたのはどうしてでしょうか?このページのどこかにヒントがあるんですけどどれでしょうねぇ…?(深堀り続く)
今回◯◯ということがわかりました。◯◯させていただきますね。たぶん10月くらいには報告させていただけると思います。その時はまた聞いてイイですか?
ありがとうございます!それでは、本日のお礼です!もっと持って⾏ってください!
こんな感じでインタビューしてるんですけど◯◯さんに似た人いないですか?
「できるだけアホそうな顔」で生暖かく会話に乗り、気づいたことをメモる
<観察の心得>
怖い顔で腕組みしたり、操作途中で質問したり、遮ったり、説得したりプレゼンテーションしたり、動画を撮ったりしないこと
1回めが終わったら、かならず振り返りをそれに応じて次のステップを変える
<とっても大事なふりかえり>
1人終わる毎にふりかえりを5分程度でやり「次の被験者に⾏くか」「内容を変えるか」を決める
<インタビュー後の状況>
1つの発⾔、気付きを1つの付箋に貼り、該当するサービス箇所に貼り付けます。
終わった時に「こんなんで良かったんですか?楽しく喋っただけなのに!」
と付箋をたくさん貰えるようにがんばります。
Lean Interview 実現編
① カテゴリ分類 (20分)② ステータス分類 (50分)③ 優先順位付け (30分)
<設計の3ステップ>
改善案に落としこむには3つのステップを踏みながら進めます。
<カテゴリ分類>
要望/評価/改善の軸で分類ごちゃまぜのまま結果としないようにする
ユーザー発話による
要望・アイデアなど
その他変わった使い方
コンセプトに対する評価
想定シーン評価
想定外シーン評価
インタビューアの観察に基づくUI改善リスト(機能改善候補)
改善候補だが判断ができ
ない(
A/B
テスト候補)
※ すべてのユーザーの声、観察事実をそのまま受け入れるべきではない。すべてのユーザーの声を聞き続ければ、誰も使わないものになるだけ。
段階的にチェック、適した検証を⾏い、無駄なリソースを消費しないように。
<カテゴリ分類>
想定してきたターゲットにシーンがあるか、想定外のほうが現実的でないかを確認
想定シーン評価
想定外シーン評価
※ シーンを確認して想定外が中心であればターゲットかシーン設計を疑うべき。「そんな人いないよね」「そんなことしないよね」の可能性が高く
ターゲットとシーンのそもそもを⾒直す必要がある。
<カテゴリ分類>
コンセプトに対し、支払い価値があるかどの位の量の⾼評価・低評価があるかを確認
※ コンセプト、支払い価値が低評価である場合、UI改善に進んでも意味が無い。「誰が使うん?」「お⾦、時間使わないよ」の可能性が高く訴求価値に問題がある。
変わった使い方の中にPivot候補があるかも。
その他変わった使い方
コンセプトに対する評価
<カテゴリ分類>
ユーザーの要望は真に受けず間違いなくマストなものだけ改善に回す
ユーザー発話による
要望・アイデアなど
インタビューアの観察に基づくUI改善リスト(機能改善候補)
改善候補だが判断ができ
ない(
A/B
テスト候補)
※ ユーザーが「客観的に」「個人的に」というコメントをしたら注意。両者のコメント共に「演技込」「条件付」のコメントの可能性大。観察と一致したらマスト。
どちらか片方の場合、ABテストを実施。
お疲れ様でした。以上で、サービスの
・ターゲットはあっているか ・シーンはあるか・価値設計は正しいか ・価値は理解されているか・サービスは利⽤できるか
が検証出来ました。
あとは次のステップに進むなり、再度インタビューにすすむなりしていただくことができると思います。
最後に
まず、色々「ない」なりにやってみることをおすすめします。
ちゃんとやろうとすると「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」の格言通り壮大になってしまいます。
もしかしたら1人聞いただけで「これないわ」ってなるかもしれません。
理論も大事ですが、まずは実践。それがリーンの考え方、ですよね。
困ったときは、この3冊の本を読んでみてください