現場のプロが教えるディレクターのための見積作成

日本ディレクション協会

小嶋裕亮

企業向けのクライアントワークを中心に制作を行っ

てきた、Webディレクター。

オペレータ、デザイナーを経て、ディレクターに。

日本ディレクション協会のスタートアップに参加し、

「ゼロからのウェブディレクション講座」などの講

師を務める。現講習部長。

所属：

自己紹介

日本ディレクション協会株式会社リンケイジアジャパン

小嶋 裕亮

適正な価格とは

適正な価格とは

•クライアントが納得して払ってくれる額

ちゃんとしたロジックがなくたって、払っ

てくれるというなら、それが適正な価格な

んです。

値付けとコスト納得してもらうために その1

値付けの4パターン

• 月額

スタッフ1人が1ヵ月100%時間を使った価格。

• 日額

スタッフ1人が1日間100%時間を使った価格。月額の1/20。

• 項目別

作業項目別に出した価格。

• 式

セット価格。ここからここまでまるっと。

ページ単価いくらですか？

だいたい半日っすかね～

トップページコーディング、どれくらいかかる？

ページ単価いくらですか？

だいたい半日っすかね～

前提として…

月給 30万円維持経費 20万円営業経費 20万円利益 10万円

月あたり必要な売り上げ 80万円

たとえば…

ページ単価いくらですか？

だいたい半日っすかね～

本当に半日ですか？

ページコーディング 3.0時間バグ対応 5.0時間

合計 8.0時間

ありがちなパターン

ページ単価いくらですか？

だいたい半日っすかね～

仕事が遅いと売り上げが高くなる！？

だいたい1日っすかね～

1.0人日 1.5人日

そんバカな。。。

ページ単価いくらですか？

だいたい半日っすかね～

同じ仕事をしているなら、同じ価格なのでは？

だいたい1日っすかね～

1.0人日 1.5人日

月間20ページ生産可能

月間14ページ生産可能

月間110万円の価値 月間80万円の価値

•一度月額を出してから、見込み作業時間で割り

出すこと。

•平均的な技術者のスピードをもとに割り出すこ

と。

ページ単価

これで浮いたお金は、作業者が会社に対して利益を与えた、ということ。

クライアントに対して還元するかどうかは判断です。

素朴な疑問

•適正な月額っていくらなのよ？

•平均的なスキルの人の作業時間ってどうしたら

わかるのさ？

月額の決め方

•価格のベンチマーキング

•プロジェクト毎のコスト＆利益のチェック

平均的な作業時間の測定

•日ごろからの工数計算

※価格は高いほうがよい

理由もなく安くするということは、スタッフの

仕事の価値を下げるということでもある。

お見積りの方法納得してもらうために その2

設計からのご依頼

設計

PC制作

SP制作

開発

テスト・デバッグ

管理画面開発

機能要件が未定なら

人月くらいの粒度で。

小規模開発で、開発項目毎にだすなら人日単位が妥当。

要件までは決まっている場合

• Word Press実装

• PCトップページデザイン・コーディング

• SPトップページデザイン・コーディング

• テンプレートパターン 5件

• 展開ページコーディング 14件

• メールフォーム設置 2件

項目ごとの価格設定

• ページデザイン・コーディング

• メインビジュアル制作

• 大判画像制作

• 中判画像制作（含大判バナー）

• 小判画像制作（サムネイル・小バナー）

• イラスト制作

• 中判地図トレース

• 小判地図トレース

• メールフォーム設置

モノとしてカウントできるくら

い明確なら、項目ごとに出し

てもいいけど、管理が大変だ

し、値段も高めになるので、

誰も得しないかも。

どの方法を採用するか

•クライアントが納得しやすいもの

運用の場合

• HTML修正、画像の差し替え＊人日相当/月

• 障害時の保守対応 ＊人日相当/月

• 調査・お問い合わせ対応 ＊人日相当/月

人日単位が多い。

まちがっても見積書だけで締

結しちゃダメ。見積よりも運

用計画書のほうが大切です。

お見積り書の理解あとから喧嘩にならないために

お見積書が果たす役割

•要件定義

•期日の決定

•価格の決定

お見積書が果たす役割 1

•要件定義

やること、やらないことの決め。

お見積書が果たす役割 1

お見積書が果たす役割 2

•期日の決定

だれが、いつ、何をするのかの決め。

お見積書が果たす役割 2

お見積書が果たす役割 3

•価格の決定

ここはもう大丈夫だよね。

お見積書が果たす役割 3

おまけ

•その他の取り決めを備考欄に書く

だけど、抜け漏れがおおくて喧嘩の元なので、

できるだけ契約書は作っておきたい。

まとめ

•お見積りの単価は、月額から算出する

•工数は普段から計測して見込みをたてておく

•見積方法は、どれが納得されやすいかで選ぶ

•できれば契約書は交わしておこう