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©2015 Toyota InfoTechnology Center Co., Ltd. デジタルテクノロジーの進化がもたらす クルマの付加価値向上 加藤 2015年12月18日、福岡国際会議場 ISIT第17回カーエレクトロニクス研究会

デジタルテクノロジーの進化がもたらすクルマの付加価値向上 20151218

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デジタルテクノロジーの進化がもたらすクルマの付加価値向上

加藤 整2015年12月18日、福岡国際会議場ISIT第17回カーエレクトロニクス研究会

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自己紹介

•加藤 整 @seikato

•経歴

•2014.10- トヨタIT開発センター

•2012.6-2014.9 日本アイ・ビー・エム(株)事業戦略グループ

•2002.4-2012.5 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所

第17回カーエレ研究会2

Big Data, Big Simulation and Deep Learning, 2012 エンジニアリングクラウド、2014

大部屋

大規模シミュレーション、2006

村上先生にお世話に福岡国際会議場は

3年ぶりです大規模シミュレーション、リスク分析などを専門

http://fmi2012.imi.kyushu-u.ac.jp/http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0806/10/news091.html

数理解析、大規模シミュレーション、リスク分析

新規事業創出、イノベーション・マネジメント

クルマ分野でのイノベーション・マネジメント、先進技術導入

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はじめに

第17回カーエレ研究会

知能 と モノ

という視座で眺める

3

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知能側がモノ側を欲ス (身体性)

第17回カーエレ研究会

知能から モノへ

4Google self driving car by Michael Shick [CC BY-SA 4.0]https://youtu.be/JeVppkoloXs https://youtu.be/a3AWpeOjkzw

Preferred Networks社https://research.preferred.jp/2015/06/distributed-deep-reinforcement-learning/

UC Berkeley, Dpt. EE & CShttp://rll.berkeley.edu/deeplearningrobotics/

Google社https://www.google.com/selfdrivingcar/

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本日のおはなし

1.人工知能研究の最前線で起きてること

2.知能化したモノとの狭間で

3.トヨタIT開発センターでの取組

第17回カーエレ研究会5

AI x IoT = Auto 2020

知能 モノ

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本日のおはなし1: 人工知能研究の最前線で起きてること

第17回カーエレ研究会

AI x IoT = Auto 2020

6

人工知能研究の最前線で起きてること

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深層学習によりニューラル再び

第17回カーエレ研究会

0%

10%

20%

30%

40%

50%

1987 1995 2000 2005 2010 2015

Neural

SVM, kernel

Deep

Convex

Submod

コネクショニズムな時代

機械学習興隆

深層学習でニューラル再び

各年のNIPS採択論文タイトルより用語を含む件数を数え上げ、その年の採択論文数で除算して比率をITC算出, https://papers.nips.cc/7

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機械学習系人材獲得が熾烈(1/2)

第17回カーエレ研究会8 上段画像はNIPS2015にてITC撮影、解像度を下げて掲載下段画像はhttps://twitter.com/hashtag/nips2015

知能側

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機械学習系人材獲得が熾烈(2/2)

第17回カーエレ研究会9 NIPS2015にてITC撮影、解像度を下げて掲載

モノ側 知能側

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深層学習の更にその先には?

第17回カーエレ研究会

パーセプトロン

ルールベースでの知識表現

バックプロパゲーション

ボルツマンマシン

ネオコグニトロン

TDギャモン

推論エンジン

エキスパートシステム

畳み込みニューラルネット

DBM, RBM

深層学習

SHRDLU

QUALM

深層学習+逆強化学習

Deep Q-Network

BRETT

Neural TuringMachine

半教師あり学習Memory Netowrks

IBM Watson

IBM TrueNorth

質問応答システム

機械学習統計確率モデル

最適化 データマイニング

強化学習?

10

GoogleGoogle

UCB

Google

Facebook

IBM

IBM

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深層学習の更にその先には?

第17回カーエレ研究会

パーセプトロン

ルールベースでの知識表現

バックプロパゲーション

ボルツマンマシン

ネオコグニトロン

TDギャモン

推論エンジン

エキスパートシステム

畳み込みニューラルネット

DBM, RBM

深層学習

SHRDLU

QUALM

深層学習+逆強化学習

Deep Q-Network

BRETT

Neural TuringMachine

半教師あり学習Memory Netowrks

IBM Watson

IBM TrueNorth

質問応答システム

機械学習統計確率モデル

最適化 データマイニング

強化学習?

11

GoogleGoogle

UCB

Google

Facebook

IBM

IBM

エキスパートシステム

ニューラルネット

機械学習

質問応答

深層学習

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物体検出から、画像キャプション生成/QA、画像概念へ

第17回カーエレ研究会

画像キャプション生成 画像概念へ

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O. Vinyals et al., Show and Tell: A Neural Image Caption Generator, arXiv:1411.4555K. Xu et al., Show, Attend and Tell: Neural Image Caption Generation with Visual Attention, arXiv:1502.03044J. Andreas et al., Deep Compositional Question Answering with Neural Module Networks, arXiv:1511.02799S. Antol et al., VQA: Visual Question Answering, arXiv:1505.00468 https://github.com/Newmu/dcgan_codeF. Sadeghi et al., VISALOGY: Answering Visual Analogy Questions, arXiv:1509.08075

画像QA

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知識記憶機構の構築

第17回カーエレ研究会13

Memory Networks(MemNN/MemN2N)

Neural GPU へNeural Turing Machine (NTM)

学習によりアルゴリズムを獲得文章を記憶、質問に回答 並列化

加算

乗算

1010+0111

0110*0101

S. Sukhbaatar et al., End-To-End Memory Networks, arXiv:1503.08895A. Graves et al., Neural Turing Machines, arXiv:1410.5401Łukasz Kaiser and Ilya Sutskever, Neural GPUs Learn Algorithms, arXiv:1511.08228

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特徴的なタスクへの適用

第17回カーエレ研究会14

L.A. Gatys et al., A Neural Algorithm of Artistic Style, A Neural Algorithm of Artistic Style, arXiv:1508.06576http://googleresearch.blogspot.jp/2015/06/inceptionism-going-deeper-into-neural.htmlJ. Wu et al., Galileo: Perceiving Physical Object Properties by Integrating a Physics Engine with Deep Learning, NIPS2015C. Vondrick et al., Learning visual biases from human imagination, NIPS2015A. Recasens et al., Where are they looking?, NIPS2015

画像自動生成(コンテントとスタイルの相関最大化)

画像自動生成(入力画像をNNが鳥と認識するように誘導)

視線検知視覚バイアス

モノの物理的特徴の推論

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深層学習の動向とクルマとのつながり

第17回カーエレ研究会15

1. 画像、自然言語が独立して処理される時代は終焉→ 画像の概念を自然言語で機械が理解

2. NTM、MemN2Nなど記憶機構を持った計算機模型が簡単なアルゴリズムを学習できるように。研究としては興味深いがまだトイタスクに適用できているレベル

3. 深層強化学習のNIPS WS会場が溢れかえるなど、引き続きロボットなどへの適用が注目を集める

クルマへの適用は、1および3の領域で

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本日のおはなし2: 知能化したモノとの狭間で

第17回カーエレ研究会

AI x IoT = Auto 2020

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知能化したモノとの狭間で

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知能化したモノと共生するには、HMI/機能配分/権限移譲が重要に

第17回カーエレ研究会17

Level 0外界

ドライバー

機械感覚機能

認知判断

HMI

外界

機械

人工知能モジュール

センサーモジュール

自動運転モジュール

ドライバー

感覚機能

認知判断

Level 1-3

機能配分権限移譲

HMI

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能力に限りがある人と能力に限りがある機械の共生

第17回カーエレ研究会

お互いの情報、意図を共有できるようにすることが重要

見ているものが異なる、同じでも対応策が異なると

オートメーションサプライズ

機械に対する不安、不信

機械に対する過信、不信

機械が

見える 見えない

見える

見えない

人が

18 稲垣, 人と機械の共生のデザイン, 2012

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知能化したモノとのHMI

第17回カーエレ研究会19

• 飛行経路,高度などの入力はキーボードの方が容易

• 操縦桿はあくまで機体に動機づけを与えるための道具なので、ジョイスティックで十分

• 限界点では機械が人間を補ったほうがいい

• パイロットには自然なので操縦桿は残してある

• 操作モードを切り替えることにより、機械を外せる

• ステルス爆撃機 B-2(コクピットはボーイング製)は普通の操縦法で飛ばせる。超複雑な操縦システムを、飛行機の基本的な操作系に縮約して入出力(仮想エルロン・ラダー・エレベーター

• 人間のほうが機械よりうまいと思っている

B787A380 B-2

利用者に理解させやすい設計思想A380 by Naddsy [CC BY 2.0]B787 by BrandrodungswanderfeldhackbauB-2 by by David Bohrer [Public domain]

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オートメーションサプライズの防止

第17回カーエレ研究会20

• 自動操縦のとき、サイドスティックとスラストレバーは定位置に固定され動かいない

• 自動操縦の際に、コンピュータの制御に応じて、操縦輪とスラストレバーが動く

B787A380 B-2

コンピュータが何をしようとしているのかを情報提示(ディスプレイでの表示に限らない)

稲垣, 人と機械の共生のデザイン, 2012A380 by Naddsy [CC BY 2.0]B787 by BrandrodungswanderfeldhackbauB-2 by by David Bohrer [Public domain]

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本日のおはなし3: トヨタIT開発センターのとりくみ

第17回カーエレ研究会

AI x IoT = Auto 2020

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トヨタIT開発センターのとりくみ

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トヨタIT開発センターのとりくみ

第17回カーエレ研究会22

所有価値から利用価値へ

クルマは社会システムのエレメントに

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所有価値から利用価値へ

APIエコノミーにおけるクルマ

第17回カーエレ研究会23

Mobility Open Platform

Retail Sales

healthcare

Insurance

API

API

API

API

Mobility Service Providers

Contents ProvidersAPI

Ad. Providers API

API

value in usedata, money

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クルマは社会システムのエレメントに

社会システムを包摂したシステム(SoS)のモデル駆動開発手法

第17回カーエレ研究会24

Integrationwith Society (Energy, HOME)

ElectronizationTraditional

MBSE for SOSMBSElapping

SURIAWASE

PRODUCT

SYSTEM

CMPNT

PRODUCT

SYSTEM

CMPNT

System of Systems

DEV.Metho-dology

Body

Engine

Interior

Body

Engine

Interior

Body

Engine

Interior

OEM A OEM B OEM C

Interior

Powertrain

Interior

SW forECUs

OEM A OEM B OEM C

SW for ECUs

Vertical Integration Horizontal Collaboration System Design Ability

Social System

Center System

Vehicle

AUTOIND.

OEM A OEM B OEM C

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まとめ

第17回カーエレ研究会25

機械が概念を理解できるようになりつつある

知能化された機械と人間双方の意図を共有できるようにすることがより重要になりつつある

トヨタIT開発センターではこれらAIxIoTの新たな世界に向けた取組を開始しています

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加藤 整トヨタIT開発センター 調査企画グループ グループリーダー<[email protected]>http://seikato.weebly.com/

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