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150605@臨床救急医学会、富山
シミュレーション教育の効果は教育デザイン・組織デザインに依
存する
シミュレーション学習の効果を高めるTips
池上敬一、杉木大輔、上笹貫俊郎、五明佐也香、鈴木光洋、浅香えみ子獨協医科大学越谷病院
救急医療科、救命救急センター、看護部
日本臨床救急医学会COI 開示
筆頭発表者名: 池上 敬一
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある 企業などはありません。
医療シミュレーション教育の課題
● 学習者のアクティビティが少ない
○ インストラクターの説明・デモが長い
● 満足度評価(レベル1)がほとんど
○ 満足度は目標ではない
● 行動変容(レベル3)
○ 言語情報の学習にとどまっていないか?
○ 知的技能の学習はできているか?● 患者のアウトカムを改善するには
○ アクションプランを作っているか?
○ 使えたか・使えなかったか?
言語情報と知的技能(ガニェの学習成果の分類)
言語情報
弁別
概念
ルール・原理
問題解決
言語情報・・・筆記試験で合否判断が可能な知識
顔面蒼白
精神的な動揺や困惑などに
よって顔がまっさおになるこ
と。
ショックの症状
冷感
つめたい感じ。肌寒い感じ。
ショックの症状
言語情報の例:「満潮」、「引き潮」
満潮(まんちょう・みちしお)
● 潮汐により海面が上
がった状態。
ひき しお 【引(き)潮・引き汐
▼】
潮が引いて海面が低くなって
いくこと。また,その時の海水
の動き。落ち潮。下げ潮。 ↔
満ち潮 ・ 上げ潮
言語情報があるかないかは、質問してみて説明を再
現できることを確認すればよい
変化はありますか?図の物理的な刺激の差(視覚を使います)はありますか?
左は海と砂浜の境が近く、右は手前の砂浜のラインと海のラインが離れている・・・、時間をかけて変化した・・・
言語情報と知的技能(ガニェの学習成果の分類)
言語情報
概念
ルール・原理
問題解決
弁別
変化を感じ取って(観察)、言語情報と連結する・・・
弁別:左の図と右の図は違う左は海と砂浜の境が近く、右は手前の砂浜のラインと海のラインが離れている・・・、時間をかけて変化した・・・
言語情報「満潮」「引き潮」
言語情報と知的技能(ガニェの学習成果の分類)
言語情報
概念
ルール・原理
問題解決
弁別
変化を感じ取って(観察)、言語情報と連結すると具体的な概念(評価と判断)になる
弁別:左の図と右の図は違う左は海と砂浜の境が近く、右は手前の砂浜のラインと海のラインが離れている・・・
言語情報「満潮「引き潮」
左の「満潮」の状態が変化し、右の「引き潮」の状態になった・・・具体的な概念のレベル
言語情報と知的技能(ガニェの学習成果の分類)
言語情報
ルール・原理
問題解決
弁別
概念
呼吸の異常
急性呼吸障害
急性呼吸不全
循環の異常
急性循環障害
急性循環不全
呼吸・循環不全
心停止
窒息 心室細動
普段の生活慢性的経過の疾病
心停止に至るマップ安定した症状で経過している慢性疾患の患者は急性増悪や合併症の発生により常に急変の危険がある.普段通りの生活をしていたり、いつもと同じ介護を受けている人にも心室細動や窒息が起こり得る.
心停止に至るマップを応用し患者急変に気づき対応する能力は知的技能(問題解決)
● 患者急変に気づく○ 感覚的な違いを知覚する
● 急変を言語化できる○ 具体的な概念を表す用語を選
択できる
● 呼吸の異常を認識できる○ 説明できる○ 知覚できる○ 言語化できる
● 病態(急性呼吸障害)の診断(判断)ができる○ 定義された概念を想起できる
● 病態の治療ができる○ ルール・原理を実践できる
シミュレーション教育の効果を改善する
● なにが学ばれているのか診断する
● 知的技能の学習をデザインする
● インストラクションの工夫○ インストラクターは説明しない(言語情報)
○ 学習活動
✓ 「言語化させる」
✓ 「概念を言い当てさせる」
✓ 「ルールを組合わせて解決策を創出させる」
✓ 「問題解決の質を評価させる」
✓ 「改善策をプランさせる」
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