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次期小惑星探査候補天体の地上観測
長谷川直(JAXA)西原説子(東大・ISAS)北里宏平(東大・ISAS)猿楽裕樹(東大・ISAS)
安部正真(JAXA)
はやぶさミッション概要
• 1996年から正式にMUSES-C計画としてスタート
• 将来の惑星探査、サンプルリターンに必要な技術要素を実証するための工学実験衛星
• 探査対象は小惑星は「糸川」という名前の小惑星
• 打ち上げは2003年5月9日、小惑星到着は今年の9月頃、地球帰還は2007年夏
なぜ小惑星に行くのか?• 月以外に太陽系の天体から直接サンプルを持ち帰った
ことはない。
• 月や惑星などの大きな天体は熱的な変成を経験していて太陽系の初期の情報がほとんど残っていない。
• 小惑星は太陽系の初期の状態をよく保存している天体だと考えられている。
• 小惑星からのサンプルを地球に持ち帰ることができれば、惑星が形成されたときの材料物質の情報や、そのときの太陽系の内縁部の状態や、小惑星そのもの情報を得ることができる。
「はやぶさ」探査機概容 側面Hayabusa spacecraft overview (1)
全重量:510kg、うち イオンエンジンと化学推進系燃料:130kg。
「はやぶさ」探査機概容 背面Hayabusa spacecraft overview (2)
小惑星(25143)Itokawaについて
• 1998年9月に発見• 軌道は火星と地球の間を公転する近地球
型小惑星
• 2000年9月にはやぶさミッションの探査対象に選ばれる
• 2001年に地球に接近(V=14等級)• 2004年に地球に接近(V=12等級)
「イトカワ」はS型小惑星
S型小惑星と普通コンドライト(隕石)との関係が明らかになるBinzel et al.(2001)
「イトカワ」はじゃがいも型
Ostro et al.(2004)大きさは 561m×304m×269m
「イトカワ」の自転周期は12時間7分56.5秒
自転軸の向きは黄緯:-89度黄経:330度黄道面に対して南向き
木曽観測所のデータはより詳細な形状や自転周期の予測に貢献
Ostro et al.(2004)
打ち上げ後の「はやぶさ」探査機
• 2003年5月9日に打ち上げ成功• 電気推進の動作時間は2万時間・台達成• 2004年5月19日に地球スイングバイ成功• 搭載観測機器の動作確認実施
地球スイングバイ時に「はやぶさ」探査機搭載カメラが捕らえた地球と月
今月(2005年6月12日)の「はやぶさ」探査機
地球からの距離:3億7600万km(2.5天文単位)、1日当り約200万kmずつ遠ざかっている太陽からの距離:2億2700万km(1.5天文単位)「イトカワ」までの距離:23万km(0.0015天文単位)、1日当り約5千kmずつ近づいている
地球から信号を「はやぶさ」に送るとその答えが返ってくるまでに42分かかる
「はやぶさ」探査機の今後
今年夏(9月はじめ頃)に小惑星に到着
小惑星近傍で観測を行った後、小惑星表面に降下してサンプルを採取
今年冬(11月末ごろ)に小惑星を出発
2007年夏、地球に帰還
次期小惑星探査ミッション次期小惑星探査ミッション
• 本格的なサンプルリターンミッション
• 打ち上げは2013年ごろを想定• 探査対象はS型とは異なる小
惑星(糸川はS型)• 探査候補としてC型の小惑星
が上げられている。
小惑星のスペクトル型小惑星のスペクトル型
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
小惑
星の
個数
軌道長半径 [天文単位]
小惑
星の
種類
の割
合
火星軌道 木星軌道
小惑星のスペクトル型にはS型とC型が多い
CC型小惑星の探査の意義型小惑星の探査の意義• C型の小惑星は太陽系(小惑星帯)の外側に多く分布。• 地球で発見される炭素質コンドライトとの関係の解明に期待。• 炭素質(CI)コンドライトの組成は宇宙存在度の基礎となっている。
次期小惑星探査の探査候補天体次期小惑星探査の探査候補天体• 主小惑星帯(メインベルト)のC型ではなく、地球近傍に
やってくるC型をターゲットとすると、往復の燃料が少なくてすむことがわかっている。
• 小惑星の数は、はやぶさミッション以降急激に増加したが、スペクトル型の観測はそれほど進んでいない。
増加する小惑星の発見
• 1994年10月25000個(うちNEO370個)• 2000年3月63000個(うちNEO790個)• 2003年1月210000個(うちNEO2200
個)
スペクトル型、自転周期の観測が進む
• 分光観測:2600個(うちNEO160個)• ライトカーブ:1400個(うちNEO270個)
探査候補天体の地上観測の目的探査候補天体の地上観測の目的
• 探査機が行きやすい小惑星でスペクトル型が未確認のものについて、多色測光でスペクトル型を明らかにする。
• 同時に明るさの変化を測定し、小惑星の自転状態(自転周期や自転軸の向き)および形状に関する情報を導き出し、探査計画に役立てる。
明るさ
時間
1自転周期
探査候補天体についての観測好機探査候補天体についての観測好機(今後(今後1010年)年)
• V
木曽シュミット1.05m 鹿林 1m
2004EWの観測結果(1)
2004EWの観測結果(2)
2004EWの観測結果(3)
•2004EWはC型の小惑星であることが判明•自転周期は10.1時間
まとめまとめ
これまで10個の小惑星について
BVRIの4色で測光し、
スペクトルタイプを求めた。
S-type
2003RB・1998SF36
C-type
2003UC20・1989UQ
2001FC7・2004EW
D-type
2003SD220・ 1998FG2
M-type
1996GT
1998KY26(C) 3.700km/s2000AE205(S): 3.746km/s1999AQ10(S) 4.110km/s1998SF36(S): 4.128km/s1999JU3(C): 4.156km/s1992BF(X): 4.283km/s1989ML(X): 4.379km/s2000AC6(Q) 4.413km/s1996GT(M): 4.646km/sNereus(E): 4.471km/s2003UC20(C) : 4.688km/s1989UQ(B): 4.752km/s
2003SD220(D): 4.900km/s2001AE2(T) 4.971km/s2004EW(C) 5.022km/sOrpheus(V): 5.028km/s1998FG2(D): 5.097km/s2001CC21(L): 5.123km/s2003RB(S): 5.183km/s2001FC7(C) : 5.270km/sEros(S): 5.588km/s
木曽観測所木曽観測所1m1mシュミット望遠鏡での観測例シュミット望遠鏡での観測例
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
-0.1 0 0.1 0.2 0.3
C-typeS-typeM-typeD-type1998 SF36
V-R
-0.2
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
-0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3
C-typeS-typeM-typeD-type1998 SF36
V-R
2003RB (16.8等) S-type
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
-0.1 0 0.1 0.2 0.3
C-typeS-typeM-typeD-type1998 SF36
V-R
-0.2
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0
0.1
0.2
0.3
0.4
-0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3
C-typeS-typeM-typeD-type1998 SF36
V-R
Johnson systemのフィルター波長
U 3500Å
B 4350Å
V 5550Å
R 6800Å
I 8250Å2003UC20 (14.6等) C-type
次期小惑星探査候補天体の地上観測はやぶさミッション概要なぜ小惑星に行くのか?「はやぶさ」探査機概容 側面Hayabusa spacecraft overview (1)「はやぶさ」探査機概容 背面Hayabusa spacecraft overview (2)小惑星(25143)Itokawaについて「イトカワ」はS型小惑星「イトカワ」はじゃがいも型「イトカワ」の自転周期は12時間7分56.5秒打ち上げ後の「はやぶさ」探査機今月(2005年6月12日)の「はやぶさ」探査機「はやぶさ」探査機の今後今年冬(11月末ごろ)に小惑星を出発次期小惑星探査ミッション小惑星のスペクトル型C型小惑星の探査の意義次期小惑星探査の探査候補天体探査候補天体の地上観測の目的探査候補天体についての観測好機(今後10年)木曽シュミット1.05m2004EWの観測結果(1)2004EWの観測結果(2)2004EWの観測結果(3)まとめ木曽観測所1mシュミット望遠鏡での観測例
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