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地震・津波災害対応マニュアル
目 次
Ⅰ 組織
1 地震災害時の体制 ―――――― 1
2 学校災害対策本部の設置 1
Ⅱ 地震発生時の対応
1 学校生活時の対応例
(1)校内での対応
ア 基本的対応 ―――――――――――――――― 3
イ 地震発生時における教職員の対応と指示
・授業中の地震発生 4
・休み時間,放課後等での地震発生 5
ウ 避難経路と避難場所
・震度3まで 6
・震度 4以上 7
(2)校外活動中の対応例 8
2 登下校時の対応例 9
3 在宅時の対応例 10
4 児童の保護者への引き渡し 11
Ⅲ 地震発生時の関係機関への連絡体制 12
資料 1 大災害時における通信手段の確保 ――――――――― 13
資料2 地震に備えた年度当初のチェック項目 ――――――――― 14
Ⅰ 組 織 (地震・津波発生時の緊急対応)
1 地震災害時の体制 県( 市 町 )内 に 地 震 が 発 生 し た 場 合
基
準
○震度3の地震発生
又は ○津波注意報の発表
○震度4~5弱の地震発生
又は ○津波警報の発表
○震度5強以上の地震発生
又は ○大津波警報・津波災害発生
↓ ↓ ↓
第1配備 第2配備 第3配備
体制
注 意 配 備
(情報収集,諸連絡に備える)
警 戒 配 備 (学校災害対策本部設置に備える)
学校災害対策本部の設置
動
員 校長,教頭,教務
校長,教頭,教務,各主任,
事務 等 全教職員
2 学校災害対策本部の設置
名 称 担 当 主 な 対 応 と 分 担
総括本部
・本部長 校長
・連絡対応 教頭
・情報収集 教務
校長
教頭
教務
【情報把握と指示連絡】
○児童生徒の安否情報や校舎の被災状況の把握 (校長)
○非常持ち出し品の搬出 (校長・教頭・教務)
○教育委員会,各関係機関等への連絡 (教頭)
○保護者,親類,知人等からの照会に対する対応(教頭)
○外部との対応(対応窓口の一本化) (教頭)
○各班との連絡,情報収集 (教務)
児童対応班
・班長 6年担任
1~6年 ふれあい教室
各学級担任
○児童の安全確保 (各担任)
○避難場所への誘導 (各担任)
○負傷者の確認 (中学年担任)
○救護班との連携(負傷者がいる場合) (中学年担任)
○行方不明者の把握と捜索 (高学年担任)
○本部への連絡 (低学年担任)
保護者対応班
・班長
少人数担当者
級外と
各担任
(級外担当者)
・少人数
・ことば
○児童待機,引き渡し等,保護者への連絡 (ふれあい)
○保護者への児童の引き渡し(少人数,ことば,各担任)
○本部への連絡 (少人数)
救護班
・班長 養護教諭
養護教諭
事務職員
支援員
○負傷者の救護,応急手当の実施と記録(養護,支援員)
○医療器具及び薬品類の確保 (養護教諭,支援員)
○医療機関への連絡 (事務職員)
○本部への連絡 (事務職員)
さらに必要に応じ
初期消火班
・班長 級外
ことばの教室担
当者
級外
○初期の消火活動(少人数,ことば)
○出火の防止
避難所担当班
・班長 校長
教頭
全職員
○体育館を中心に避難所設営 (各担任)
○避難住民の誘導と案内 (級外)
施設点検
・班長 教頭
教務
全職員
○校舎内避難,避難所開設のための外観上の安全確認
【基準としてのチェック項目】
□建物全体の傾斜 □柱の座屈 □壁の崩壊,X字の亀裂
□窓ガラスの破損 □教室,廊下の損傷
□天井板,蛍光灯,建具,掲示物等の落下
□校舎との接続部分の損傷
□水道 □駐車場,運動場の地割れや亀裂
Ⅱ 地震発生時の対応
1 学校生活時の対応例
(1)校内での対応
ア 基本的対応
【対応事項】 【留 意 点】
○保護者と連絡がとれない児童は,学校で保護待機させる。
○教職員各自の役割確認 ○学校災害対策本部の具体的対応
児 童 の 安 全 確 保
校舎外等への避難決定
校 舎 外 等 へ の 避 難
避 難 後 の 対 応
保 護 者 へ の 引 き 渡 し
○児童の引き渡しの連絡
○学校で避難を継続する場合の連絡
保 護 者 へ の 連 絡
学校災害対策本部の設置
地 震 発 生
P3
以下は,震度5強以上の地震が発生した場合
○安全確保と的確な指示 ○火災など二次災害の防止
○人員・負傷者の確認と報告
○避難経路の安全確認
○全校児童への避難指示 (学校長または代行者)
○的確な指示(頭部の保護,あわてない等) ○教職員の連携(避難誘導,負傷者運搬)
○児童名簿の携帯
○人員と安否の確認
○負傷者の確認と応急処置 ○児童の不安に対する対処
○教育委員会への報告 ○警察・消防・医療機関・保護者への連絡
イ 地震発生時における教職員の対応と指示
授業中の地震発生 【授業者の対応】
場 所 対 応 児童への指示
普 通 教 室
○児童の安全を確保するよう,的確に指示をする。
(頭部,上半身の保護) (窓や壁から離れる)
合言葉
落ちない・たおれない ところで身を守る。
○児童の人員を確認する。
○絶えず周囲の安全を確認
する。
○児童を落ち着かせる。
○余震に備える。
避難経路等の避難指
示は,職員室に待機
中の教職員が行う。
○机の下にもぐり,机の脚を持つように指示
理 科 室
○薬品棚等の倒壊に備えて机の下にも
ぐるよう指示 ○火気使用中であれば,消火の指示
○有毒ガス発生の恐れがある場合はハンカチを鼻や口にあてるよう指示
調 理 実 習 室
○用具棚や冷蔵庫等の倒壊に備えて机の下にもぐるよう指示
○火気使用中であれば,消火の指示 ○ガスへの引火に留意し,速やかに避
難するよう指示
コンピュータ室 ○ディスプレー等の倒壊や飛び出しに留意し,机の下にもぐるよう指示
廊 下 ・ 階 段 ○窓ガラスから離れたり,近くの教室
に入ったりするよう指示
体 育 館 ○天井や窓・壁からの落下物に注意し,しゃがんで頭を守るよう指示
運 動 場 ○建物から離れ,運動場の中央に集合
させ,体を低くするよう指示
プ ー ル
○速やかにプールのふちに移動させ,ふちをつかむよう指示
○揺れがおさまれば,すばやくプールから出るように指示
○安全な場所へ避難するように指示 (靴を履き,衣服やバスタオルで身を
守る)
【地震発生時における留意事項】
①的確な判断と指示
②児童の人数確認,安全確認
③声かけ等による,児童の不安の除去
④余震,二次災害への対応
【避難誘導時における留意事項】
①「おかしも」の徹底
(おさない,かけない,しゃべらない,もどらない)
②放送,指示をしっかり聴くことの徹底
③声かけ等による,児童の不安の除去
④トイレ,教室,体育館等に児童が残っていないかの確認
⑤人数の確認と報告
⑥負傷者の確認と応急手当
休み時間,放課後などでの地震発生【教職員の対応】
○教職員は分散して校舎内,校舎外を巡回し,的確な指示で児童の安全を確保する。
【職員の配置分担】
東棟 ・1階の教室と廊下,階段,高学年玄関は4年担任で。
※4年担任は玄関の戸を開ける。
・保健室,低学年玄関は養護教諭で
・2階の教室と廊下,階段は5年担任で。
・3階の教室と廊下,階段は6年担任とことば担任で。
西棟 ・1階の教室と廊下は1年担任で。
・2階の教室と廊下,階段,ホールは2年担任とふれあい担任で。
・3階の教室と廊下,階段は3年担任と級外で。
体育館 級外 運動場 ことば担任 職員室 それ以外の職員
○放送による避難指示を受け,児童を安全に避難誘導する。
○負傷者がいる場合は応急手当を施し,速やかに職員室に連絡する。
ウ 避難経路と避難場所
◎震度3までの地震発生 又は津波注意報の発表 運動場へ避難
一次避難場所 運動場
「おかしも」の徹底
お・・・おさない
か・・・かけない
し・・・しゃべらない
も・・・もどらない
◎震度4以上の地震,及び
津波警報が発表された場合 緊急避難場所へ避難
①津波警報の発表があり,避難する時間が30分以上ある場合
全校児童は避難経路○A を通って,中央公園のあいりすへ(二次避難場所)
・津波の状況や周辺の被害の状況を確認しながら,清和保育園の前を通って
中央公園のセミナーハウスあいりすに移動。あいりすを最終の避難場所と
する。
②大津波警報の発表があり,津波の到来までに30分もない場合
全校児童は避難経路○B を通って,バイパス奥の山の中へ(三次避難場所)
・余震がおさまり,津波の状況や周辺の被害の状況がしっかりと確認できる
まではその場所に待機。安全が確認された後,中央公園のあいりすに移動,
または,学校近くにもどってくる。
山の中へ 中央公園あいりすへ
錦城東小学校
(2)校外活動中の対応例
【対応事項】 【留 意 点】
・地震の規模,被害状況等の情報収集 ・学校または教育委員会へ連絡,指示を受けて対応
・活動地の関係機関との連携 ・児童の不安に対する対処(状況,今後の対応等の説明)
近くの避難場所へ避難
児童の安全確保
学 校 等 へ の 連 絡
地 震 発 生
避 難 後 の 対 応
見学施設等の下見時
事前に避難経路・避難場所の確認
○正確な状況の把握 ○的確な指示(落下物,倒壊物への注意)
○電車,バス等に乗車中は,乗務員の指示に従う
○児童の不安への対処
○避難場所・救護施設がない場合,活動 地の関係機関から情報を入手し,対応
○施設管理者等の指示に従う ○海岸では津波,山中では崖崩れ,落石
に特に注意 ○人員の確認
○負傷者への応急手当 ○児童の不安への対処
○活動地の関係機関への救援要請
○学校へ状況報告と学校長の指示を受けての対応
○教育委員会へ連絡・報告(学校) ○保護者へ連絡(学校)
○活動地の関係機関への救援要請
2 登下校時の対応例
児 童 の 保 護( 学 校 )
地 震 発 生
教 育 委 員 会 へ の 報 告
児童の引き渡し
○学校にいる児童の安否確認
○通学途中の児童の安否確認
(通学路・避難所等)
○自宅にいる児童の安否確認
○児童を保護者へ確実
に引き渡す
○保護者不在の場合は,
学校で保護する
校
内
巡 視
通
学
路
巡
視
児 童 生 徒 の 安 否 確 認
安 否 情 報 の 集 約
自
宅
確
認
避難所等の確認
放課後児童クラブ等
3 在宅時の対応例
○県(市町),学校が定める地震災害に 係る体制に基づき,学校へ参集
○交通の混雑等が予想されるため,で きるだけ徒歩,自転車,バイク等の
利用を心がける
地 震 発 生
学 校 へ 参 集
教 育 委 員 会 へ の 報 告
安 否 情 報 の 集 約
避難所等の確認
自 宅
確
認
児 童 の 安 否 確 認
4 児童の保護者への引き渡し
在校中に地震が発生し,児童のみの通常の帰宅が困難と判断される場合は,学校で児童を保
護することを原則とし,家庭へ連絡後家庭からの迎えにより引き渡す。
地震発生
避難待機・保護する
帰宅させる
引き渡し方法
(1)児童は余震等も考え,一次避難場所の運動場で待機する。(校舎や体育館等の損
壊がなく,安全と判断できた場合は,体育館で待機させる場合もある。)
(2)児童の引き渡しは,下記の「児童引き渡し確認一覧表」で確認をしながら,確実
に引き渡せるようにする。
●児童引き渡し確認一覧表(例)
1 年 組 児童氏名 町名 引き取り者 児童との関係 確認教職員
2 1 2 錦城太郎 永町 錦城和子 母 平本
3
4
5
被害状況の把握,校区の状況把握
下校等の判断
◎集団下校させる場合
震度3以下の地震で津波注意報の場合は,
被害状況,地震状況の把握後,緊急メール
配信によって迎えに来れる保護者には児童
を引き渡す。その他の児童は町ごとに集団
下校させる。場合によっては教師が引率し
て下校する。
震度4以上の地震発生
津波警報,大津波警報
◎全校児童を避難待機・保護する場合
①保護者へ緊急避難の連絡をする。(緊急メールの
配信,学校テレフォンサービスTEL72-31
10の利用等。)
・【災害時伝言ダイヤル「171」】の活用も。
②連絡がとれない場合は,家族に引き渡すまでの
間,児童を安全に保護する。
※保護者不在の児童への配慮に留意する。
Ⅲ 地震発生時の関係機関への連絡体制
1 連絡体制
(災害対策本部の設置後) (災害対策本部の設置後)
2 関係機関等への通報・連絡内容と方法
機 関 名 通 報 ・ 連 絡 内 容 方 法
県 教 育 委 員 会
加賀市教育委員会
小 松 教 育 事 務 所
児童の避難状況
児童及び職員の被災状況
学校の被災状況 電 話
インターネット
メ ー ル
文 書
伝 令 等
警 察 署 通学路の安全確保,盗難に対する警戒警備等の要請
校舎の被害状況や児童の負傷状況
消 防 署 救急救助の要請,火災発生状況,消火要請
保 健 所 衛生状況の報告,衛生管理の要請
保 護 者
残留児童の保護方法,児童生徒の引き渡し方法,
帰宅方法,緊急連絡事項,通学路安全確保への協力
要請
医 療 機 関 受け入れ要請,児童の被災状況,治療状況の確認
地 震 発 生
学 校
県教育委員会
加賀市教育委員会
県災害対策本部
加賀市災害対策本部
保 護 者
警察・消防・医療機関
避 難 所
資料1
電話不通、「ショートメール」の利用!(能登半島沖地震の時、電話不通)
3 NTTが災害発生時に提供するサービス
NTTは災害時に回線が混乱する状況の緩和を図るため、震度6弱以上の地震発生時に以下のサービスを提供している。
(※サービスの紹介 http://www.ntt.co.jp/saitai/index.html) (1)災害用伝言ダイヤル「171」
~被災地内の電話番号をキーにして、安否情報等を音声により伝達するサービス~
(2)災害用ブロードバンド伝言板「web171」 ~インターネットを活用して、安否情報等を電子掲示板により確認できるサービス~
(3)災害用伝言板サービス(NTT「iモード」の場合) ~携帯電話の番号をキーにして、安否情報等を電子掲示板により確認できるサービス~
※ でも同様のサービスを提供している。
大災害時における通信手段の確保
安否確認
問い合わせ
1被災地から
被災地外への通話
2公衆電話
(災害時優先電話)
3民間提供サービス
(NTT・au・SoftBank
学校・自宅周辺の
場所確認
あるか
震度6弱以上の地震発生時の
サービス提供
安否情報・必要な報告
輻輳状態回避のための3つの方法
※被災地域A学校の電話番号が 076-123-4567 の場合 ①【差出人】電話番号をキーに伝言を録音
171+1+076-1234567 ②【受取人】電話番号をキーに伝言を再生
171+2+076-1234567
①【登録】被災地内の自宅や避難所などにあるパソコンや携帯電話などから https://www.web171.jp/にアクセスし、電話番号をキーに伝言を登録。
②【閲覧】https://www.web171.jp/にアクセスし、電話番号及びパスワードを入力して閲覧。
①【登録】iMenuのトップに表示される「災害用伝言板」の「登録」を選択。現在の状態(「無事です。」)等を選択。任意で 100文字以内のコメントが入力可。コメントのみも可能。
②【メッセージの確認】iMenuのトップに表示される「災害用伝言板」の「確認」を選択。安否を確認したい人の携帯電話番号とパスワードを入力して「検索」を押す。
資料2 地震に備えた年度当初のチェック項目
チ ェ ッ ク 項 目 Check
施設・設備
施設設備や器具等の転倒防止対策を行っている □ ガラスの飛散対策等を行っている(窓ガラス、棚等) □
危険性の高い薬品類の砂箱等へ収納や,破損防止等の対策をとっている □
電気・ガス器具の発火防止策をとっている □
防災の視点からの安全点検を実施している □
消火器や避難誘導の設備点検を実施している □
避難の妨げとなる障害物を除去してある □
組
織
・体
制
学校防災組織や教職員の役割(班)が明確になっている □
役割(班)ごとに、事前に準備や確認する内容の一覧表を作成している □
地震発生後の動員体制や配備体制が教職員に周知されている □
学校周辺の避難場所や留意事項が教職員に周知されている □
学校生活時,校外活動時等のケース別の避難誘導体制が明確になっている □
教育・訓練
定期的な避難訓練を計画している □
児童生徒への防災教育(地震)を計画している □
地域と連携した地震防災訓練を計画している □
書
類
学校の重要書類や児童生徒の名簿,連絡先がすぐに持ち出せる体制が整っている
□
児童生徒の連絡先カードを作成している □
保護者へ児童生徒を引き渡す際のチェック表を作成している □
設備の日常点検表を作成している □
児童生徒・保護者
学校は保護者・児童生徒との連絡体制を整備している (可能な限り保護者や生徒の携帯メールアドレスを把握しておく等)
□
電話が使えない場合,保護者は学校へ児童生徒の安否を知らせる方法を理
解している □
学校は児童生徒の通学路・通学方法を把握している (通学途中に地震が発生した場合、原則は帰宅、学校に近い場合は学校に避難)
□
自宅が倒壊した場合の集合場所を家族で共通理解している □
その他
関係機関との連絡体制を整備している □
津波災害対策をとっている(海岸付近の学校) □
土砂災害対策をとっている(山間部の学校) □
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