View
0
Download
0
Category
Preview:
Citation preview
HCI Sci-Fi at the Movies and On TV
18M7112
瀬合 勇也
概要
SFの映画やTV番組で使われるデバイスや装置などのUIについて考える
導入筆者からの問いかけ
初めて観たSFの映画,TV番組を覚えていますか?
それらの作品の中で使われるデバイスや装置のUIについてどう思いましたか?
今日では,そのデバイスはどのようになっていますか?
あなたは映画の中で使われている技術に対して批判的な目を向けたり,最近の,未来の世界を表現した最新の映画を見た時に,その中で使われている技術を使いたいと思いますか?
導入筆者の子供の頃
SFや未来,空想の世界を題材にした映像や本に興味があった
マーベル:Weird Science Fantasy
映画は「宇宙戦争」,TV番組は「Captein Video」,「Tom Corbett, Space Cadet」,「Buck Rogers」を観ていた
導入筆者の子供の頃
当時の映画
ヒーローとヴィランが壁に取り付けられたディスプレイを通して話していた
実際はマイクロフォンと大きなスピーカーだけでやり取りをしていた
操作画面は精巧にできたダイヤルとゲージでできていた
「Captain Video」で役者が壁に取り付けられた操作画面を押してしまい,地面に落ちた
主人公が画面を拾い上げ,「幸運にも,モニターのワイヤーは切れてなかった」と伝え,何事もなかったかのように演じた
導入筆者の子供の頃
古いラジオや父親の変わった物や壊れたもの,外にゴミとして捨てられていた物を集め,ロケットの操作画面を作っていた
ライト,ダイヤル,ゲージ,など映画で見た未来の技術をイメージしたもの
使いやすさよりもライトなどの見た目ばかり気にしていた
兄弟と一緒に遠く離れた惑星へ旅行に行き,宇宙人と通信していた
この経験は,筆者のUIに対する興味や関心に大きな影響を与えた
SFの映画とテレビの50年間の流れ
映画「月世界旅行:Le Voyage Dans la Lune」
監督がマジシャン志向
革新的な特殊効果を使っていた 物が消える,写真のトリック,double-Exposureなど
UIの視点で見ると,革新的なものではなかった
今の人たちの働き(=開発した製品?)は,1940年から2000年代のSF映画の作中でおそらくイメージされていた
しかし,テレビやコンピュータゲームで培った経験は今の時代とは異なっている
「月世界旅行」でロケットが人面の月に着弾したシーン
Double-Exposure
SFの映画とテレビの50年間の流れ
CHI,UIなどの視点でSFファンタジーを生み出したハリウッド映画は,コミュニケーションやインタラクションの進歩を示すのに時間がかかった
1968年にAT&T Pictur Phone がデビューしたときに,2001年までにこれが現実になったことに驚いた
Picture Phone
CHI,UIなどの視点でSFファンタジーを生み出したハリウッド映画は,コミュニケーションやインタラクションの進歩を示すのに時間がかかった
1968年にAT&T Pictur Phone がデビューしたときに,2001年までにこれが現実になったことに驚いた
その後、映画「スター・トレック」のコミュニケータらは、ラペルピンをベースとしたコンピュータシステムを使って口頭でコミュニケーションができるようになったことに驚いた→ピンマイク
SFの映画とテレビの50年間の流れ
1950~60年台
コンピュータの動力源をイメージしたものが出現 2重の磁気テープが回転
無意味なライトの点滅
通信デバイスのイメージは変わらず
SFの映画とテレビの50年間の流れ
1977年に映画「スターウォーズ4 :新たなる希望」が公開
宇宙船の船内の装置やデバイスは荒々しく,第二次世界大戦の戦闘機を思わせるようなものだった
1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅:2001: A Space Odyssey」の宇宙船のようにきれいなものではなかった
「2001年宇宙の旅」の宇宙船内 「スターウォーズ」の戦闘機の内部
SFの映画とテレビの50年間の流れ
映画「マトリックス:Matrix」
古いバトル・ステーション・コントロールに頼っていた
映画「未来世紀ブラジル:Brazil」の風刺をより効果的なものにした 管理社会への批判をテーマ
ロマンティックで怖くもある未来の景色を描写
映画「トロン:tron」
視覚的に大きな革新をもたらした
しかし,手持ちの通信デバイスはやはり革新的なものはなかった
その後,今から過去10年間でSIGGRAPHやSIGHCIの会議に出席したデザイナーやコンサルタントが映画制作チームと協力し,新たなビジョンが生まれた
SFの映画とテレビの50年間の流れ
映画「マイノリティ・リポート」
21世紀の未来都市が舞台 未来都市で逃げ回るトム・クルーズにまるでついて行くように動く広告が印象的
ここで表現されているのは,21世紀にありそうな技術の環境の描写やインタラクション
これらは最近のTV番組シリーズ「Farscape」のUIへの理解と関連している Farescape:宇宙空間を舞台としたSFドラマ
物理的な装置よりもバーチャル的な装置が強調されている
SFの映画とテレビの50年間の流れ
映画「イグジステンズ:eXistenZ」
この映画で出てくるデバイスが筆者の記憶に強く残っている
人の脊髄と生体ケーブルで接続してプレイするヴァーチャル・リアリティゲーム ゲーム機本体内部で突然変異した両生類の有精卵からできている
ヴァーチャルの世界では鳥の足のような銃や,菌のようなデバイスを使う
SFの映画とテレビの50年間の流れ
映画「AeonFlux」
服の中に組み込まれた通信・演算処理装置
服の袖に入った通話ができる装置 1968年の映画「Get Smart」のように電話に向かって話すようなものではない
摂取すると,他の生物とコミュニケーションが取れる化学物質
耳に組み込むコミュニケーションデバイス
より幻想的でエキゾチックなハードウェアやソフトウェアが見られた
SFの映画とテレビの50年間の流れ
今,筆者はインターネット上にある映画やビデオに関心がある
特にSFジャンル
Amazonでは,1400ものSF映画と2200のSFテレビ番組が一覧にあった
しかしAmazonにある作品のほとんどは,俳優や女優,物語の構成,ディレクターやプロヂューサー,場所さえも扱っている(?)
これらの作品は,人とコンピュータ,あるいはコンピュータを介した人と人とのコミュニケーションやインタラクションには焦点を当てていない 例として,インターネット上の映画データベースや映画学校のデータベースなどがある
SFジャンルの映画やTV番組のUIの歴史は収集や調査,分析,そしてそれを利用可能なものにしようとしている
この分野が,将来で文献になることやインターネット上での共有,大学のコースになることを筆者は望んでいる
結論
Sci-Fi at CHI
筆者が組織したCHIの研究班
有名なSFの小説家を招待
人とコンピュータとのやりとりが将来,どのように行われるかについて討論
ブルース・スターリング(SF作家)の発言
未来についての馬鹿げた面白い発言をした ハンカチのようなコミュニケーションデバイスとユビキタス・コンピューティングをイメージし
ている
それは,高密度な基盤,ディスプレイが備わっている
画像の上にハイテクなテキスチャが置かれると,そのコピーが行われる
画像や音楽など,望むものはなんでも提供できる
インターネットに接続でき,コミュニケーションなどの提供が可能になる
→パソコン,ケータイ,スマートフォンのようなものを想像していた?
結論
ハリウッドは,最新のテクノロジーの実績の数世代後である
ハリウッド映画で描かれるデバイスは,現在の最新デバイスよりも数世代先にあるデバイスをイメージしている(?)
映画とテレビは,革新的で創造的なUIによる人とコンピュータ,人と人とのコミュニケーションやインタラクションに利用されていることを想像できない人々にとっては理想的ではないシナリオを作ることに挑戦している
CHIのコミュニティは教育向けの映画やTV番組をより効果的なものにしようとしている
結論
最近の共同活動
映画「スター・トレック」のディレクターのアレクサンダー・シンガーが国防高等研究計画局(DARPA)がスポンサーとなって,科学者とエンジニアとともに短編映画をプロデュース
この映画では.ある特殊なヘッドセットが使われている ユーザーの脳をスキャンし,特定の領域での過負荷を検出
そのときに発生した情報が混ざってしまったものを言葉から視覚,視覚から音響に変化
人間の思考をよりわかりやすくする
このデバイスによってUIの柔軟性に対する重要な新しい方向性を示した
結論
最近の共同活動
CHI 1994で報告された,1980年台後半から1990年台前半にかけて行われた「Japan Friend 21 Project」を思い起こさせた 「Japan Friend 21 Project」で情報表示のパラダイム全体を変化させる管理ソフトウェア
の実験をした
いくつかのメタシステム(高性能なシステム?)は認知的,あるいは感情的負荷を抱えていると判断したわけではない
過去数十年間の映画やビデオの表現を研究し、過去の幻想,妄想や新しい概念を一般に公開する方法を深く理解し,人間とコンピュータのインタラクションとコミュニケーションの未来を新しいものにする
Postscript
筆者は,今後5年間,最新のSF映画やTV番組にあるHCIやUXのテクニックをチェックする
恐ろしい製品だけでなく,楽しい製品も求めている 筆者は,映画「チャッピー」の物語の進行がとても遅く,退屈だったので見るのをやめた
子供にするような「ロボットの学習」については,たとえギャングなどの悪い人でも,活動的な社会の一員となると筆者は考えている
映画「Ex Machina」の登場により,興味深いヒューマン・ロボット・インタラクションが流行っているように見える
Postscript
スペキュレイティブ・フィクションはデザインスクールのトピックとなっている
スペキュレイティブ・フィクション:さまざまな点で現実世界と異なった世界を憶測,追求して執筆された小説などの作品を指す
デザイン研究所のLaura Forlano教授のコースで例示されている
イリノイ工科大学では,学生が将来の仕事や製品,サービスのあらゆる側面でのゲームの組み込みやネットワーク化された都市や目的の本質を構想している
これに着目することは,未来を掴むデザイナーにとってはとても良いこと
Laura Forlano教授の同僚であるVijay Kumarは,101の設計手法(Kumar 2013)において,設計専門家の教育と実践におけるスペキュレイティブ・フィクションを提起している
Recommended