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帯水層中のメチロシスティス属帯水層中のメチロシスティス属帯水層中のメチロシスティス属帯水層中のメチロシスティス属M株の動態と株の動態と株の動態と株の動態とトリクロロエチレンの分解に関する数値解析トリクロロエチレンの分解に関する数値解析トリクロロエチレンの分解に関する数値解析トリクロロエチレンの分解に関する数値解析
(地下水汚染浄化のためのバイオレメディエーション技術の開発)(地下水汚染浄化のためのバイオレメディエーション技術の開発)(地下水汚染浄化のためのバイオレメディエーション技術の開発)(地下水汚染浄化のためのバイオレメディエーション技術の開発)
発表論文長谷川直紀,江種伸之,山本秀一,川原恵一郎,平田健正,岩崎一弘,矢木修身:帯水層中のメチロシスティス属M株の挙動とトリクロロエチレン分解に関する数値解析,水工学論文集(土木学会),Vol.54,pp.613-618,2010.
研究背景研究背景研究背景研究背景
2005年年年年3月に経済産業省と環境省が「微生物によるバイオレメディエー月に経済産業省と環境省が「微生物によるバイオレメディエー月に経済産業省と環境省が「微生物によるバイオレメディエー月に経済産業省と環境省が「微生物によるバイオレメディエー
ション利用指針」を告示しており,適切な安全管理下での技術発展が望ション利用指針」を告示しており,適切な安全管理下での技術発展が望ション利用指針」を告示しており,適切な安全管理下での技術発展が望ション利用指針」を告示しており,適切な安全管理下での技術発展が望まれている.まれている.まれている.まれている.
バイオレメディエーションバイオレメディエーションバイオレメディエーションバイオレメディエーション微生物を利用し汚染物質を土中で分解無害化する技術微生物を利用し汚染物質を土中で分解無害化する技術微生物を利用し汚染物質を土中で分解無害化する技術微生物を利用し汚染物質を土中で分解無害化する技術
・バイオオーグメンテーション・バイオオーグメンテーション・バイオオーグメンテーション・バイオオーグメンテーション外部で培養した分解性能の高い微生物を注入外部で培養した分解性能の高い微生物を注入外部で培養した分解性能の高い微生物を注入外部で培養した分解性能の高い微生物を注入
・バイオスティミュレーション・バイオスティミュレーション・バイオスティミュレーション・バイオスティミュレーション汚染修復場所に生息している微生物を活性化汚染修復場所に生息している微生物を活性化汚染修復場所に生息している微生物を活性化汚染修復場所に生息している微生物を活性化
バイオオーグメンテーションに関しては,現時点では実施報告例が少バイオオーグメンテーションに関しては,現時点では実施報告例が少バイオオーグメンテーションに関しては,現時点では実施報告例が少バイオオーグメンテーションに関しては,現時点では実施報告例が少なく,分解菌の挙動,有効性,安全性を評価するための基礎研究を進なく,分解菌の挙動,有効性,安全性を評価するための基礎研究を進なく,分解菌の挙動,有効性,安全性を評価するための基礎研究を進なく,分解菌の挙動,有効性,安全性を評価するための基礎研究を進めていかなければならない.その中には,正確な浄化予測のためのめていかなければならない.その中には,正確な浄化予測のためのめていかなければならない.その中には,正確な浄化予測のためのめていかなければならない.その中には,正確な浄化予測のための数値解析モデルに関する研究も含まれる.数値解析モデルに関する研究も含まれる.数値解析モデルに関する研究も含まれる.数値解析モデルに関する研究も含まれる.
研究目的研究目的研究目的研究目的
対象とする外部で培養した微生物には対象とする外部で培養した微生物には対象とする外部で培養した微生物には対象とする外部で培養した微生物にはメタン資化性細菌メチロシスティス属メタン資化性細菌メチロシスティス属メタン資化性細菌メチロシスティス属メタン資化性細菌メチロシスティス属M株株株株(M株株株株)を用いるを用いるを用いるを用いる
微生物の挙動が汚染物質の浄化効果に大きな影響を与える微生物の挙動が汚染物質の浄化効果に大きな影響を与える微生物の挙動が汚染物質の浄化効果に大きな影響を与える微生物の挙動が汚染物質の浄化効果に大きな影響を与える
本研究では本研究では本研究では本研究では,,,,M株の土中移動特性および株の土中移動特性および株の土中移動特性および株の土中移動特性および,,,,TCE分解効果を解析するための数値解析モ分解効果を解析するための数値解析モ分解効果を解析するための数値解析モ分解効果を解析するための数値解析モデルを開発することを目的としているデルを開発することを目的としているデルを開発することを目的としているデルを開発することを目的としている....
メタンが多くなりすぎると,拮抗阻害のメタンが多くなりすぎると,拮抗阻害のメタンが多くなりすぎると,拮抗阻害のメタンが多くなりすぎると,拮抗阻害の影響が大きくなり,酵素による影響が大きくなり,酵素による影響が大きくなり,酵素による影響が大きくなり,酵素によるTCE分解分解分解分解が阻害されやすくなる.が阻害されやすくなる.が阻害されやすくなる.が阻害されやすくなる.
M株による株による株による株によるTCE分解メカニズム分解メカニズム分解メカニズム分解メカニズム
�M株はメタンをエネルギー源として増殖する株はメタンをエネルギー源として増殖する株はメタンをエネルギー源として増殖する株はメタンをエネルギー源として増殖する.
�M株による株による株による株によるTCE分解は共代謝によって行われる.分解は共代謝によって行われる.分解は共代謝によって行われる.分解は共代謝によって行われる.M株がメタンを分解する際に出す酵素によって株がメタンを分解する際に出す酵素によって株がメタンを分解する際に出す酵素によって株がメタンを分解する際に出す酵素によってTCEが間接的が間接的が間接的が間接的に分解される.に分解される.に分解される.に分解される.
�メタンとメタンとメタンとメタンとTCEは拮抗阻害の関係にある.は拮抗阻害の関係にある.は拮抗阻害の関係にある.は拮抗阻害の関係にある.拮抗阻害は,メタンと拮抗阻害は,メタンと拮抗阻害は,メタンと拮抗阻害は,メタンとTCEが酵素との結合部位を取り合うことでが酵素との結合部位を取り合うことでが酵素との結合部位を取り合うことでが酵素との結合部位を取り合うことで生じる.生じる.生じる.生じる.
室内実験室内実験室内実験室内実験
M株 52
メタン(CH4) 10
窒素(N2) 10
酸素(O2) 10
リン(P) 50
TCE 0.2
供給量(mg/L)
流速:30cm/d
通水方法:通常ポンプによる非循環運転
SW1~SW5:サンプリング孔
SW1 SW2 SW3 SW4 SW51.5m
0.15m 0.15m1.7m
0.5m
0.5m
P
P
流出水CH4,O2,
P,N,M株
流入水
ポンプ
前
室
後
室
実験装置実験装置実験装置実験装置
NO.1:M株無添加NO.2:M株添加
土壌土壌土壌土壌
水の流れ水の流れ水の流れ水の流れ
0
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度濃
度濃
度濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
0
0.5
1
1.5
2
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
M株
濃度
株濃
度株
濃度
株濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
実験結果実験結果実験結果実験結果
メタンに関しては連続注入にも関わらず,メタンに関しては連続注入にも関わらず,メタンに関しては連続注入にも関わらず,メタンに関しては連続注入にも関わらず,3日目から濃度日目から濃度日目から濃度日目から濃度がががが低下低下低下低下している.している.している.している.M株によ株によ株によ株によ
るメタンの消費とは考えられない.るメタンの消費とは考えられない.るメタンの消費とは考えられない.るメタンの消費とは考えられない.この原この原この原この原因については現時点ではわからない.因については現時点ではわからない.因については現時点ではわからない.因については現時点ではわからない.M株による株による株による株によるTCE分解効果分解効果分解効果分解効果
M株の注入はパルス注入株の注入はパルス注入株の注入はパルス注入株の注入はパルス注入(実験開始時実験開始時実験開始時実験開始時1回だけ回だけ回だけ回だけ)なので,なので,なので,なので,M株濃度は株濃度は株濃度は株濃度は2日目以日目以日目以日目以降低下し始めている.降低下し始めている.降低下し始めている.降低下し始めている.
M株株株株濃度が上昇している間のみ濃度が上昇している間のみ濃度が上昇している間のみ濃度が上昇している間のみTCE分解効果がみられる.分解効果がみられる.分解効果がみられる.分解効果がみられる.
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
微生
物濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW5
0
1
2
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW5
0
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW5
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
微生
物濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW3
0
1
2
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW3
0
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
SW3
実験結果実験結果実験結果実験結果
SW3,,,,SW5の濃度変化は移流分散によりの濃度変化は移流分散によりの濃度変化は移流分散によりの濃度変化は移流分散によりSW1から下流に運ばれた影響から下流に運ばれた影響から下流に運ばれた影響から下流に運ばれた影響と考えられると考えられると考えられると考えられる
数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル
本研究では北川ほか本研究では北川ほか本研究では北川ほか本研究では北川ほか1)ととととOya et al.2)およびおよびおよびおよびHong Sui et al.3)でででで構築されているモデルに着目した.構築されているモデルに着目した.構築されているモデルに着目した.構築されているモデルに着目した.その中で,北川ほかとその中で,北川ほかとその中で,北川ほかとその中で,北川ほかとOya et al.の両モデルを改良し,それの両モデルを改良し,それの両モデルを改良し,それの両モデルを改良し,それぞれ数値解析モデルを構築した.ぞれ数値解析モデルを構築した.ぞれ数値解析モデルを構築した.ぞれ数値解析モデルを構築した.(北川モデル,大矢モデル北川モデル,大矢モデル北川モデル,大矢モデル北川モデル,大矢モデル)
文献文献文献文献1) 北川政美, 長谷川武, 江口正浩, 渋谷勝利, 藤田正憲 :
トリクロロエチレンの共代謝競争阻害分解モデルを用いたバイアル試験の解析,
環境技術, Vol.34, No.1, pp.63-70, 2005.
2) Shunji OYA et al.: Numerical Modeling of Transport and Cometabolic Degradation of Trichloroethylene
in Groundwater, 日本地下水学会誌, Vol.39, No.1, pp.17-31, 1997.
3) Hong Sui et al.: A study on cometabolic bioventing for the in situ remediation of trichloroethylene,Environmental Geochemistry and Health, Vol.28, pp147-152, 2006
両モデルは基本的な考えは同じであり,北川モデルは大矢モデルを簡略両モデルは基本的な考えは同じであり,北川モデルは大矢モデルを簡略両モデルは基本的な考えは同じであり,北川モデルは大矢モデルを簡略両モデルは基本的な考えは同じであり,北川モデルは大矢モデルを簡略化したものである.化したものである.化したものである.化したものである.
� TCE輸送方程式輸送方程式輸送方程式輸送方程式
� メタン輸送方程式メタン輸送方程式メタン輸送方程式メタン輸送方程式
� DO輸送方程式輸送方程式輸送方程式輸送方程式
� M株輸送方程式株輸送方程式株輸送方程式株輸送方程式
( )
XKCKC
C
T
Xk
KC
C
KCKC
CX
x
X
R
V
x
X
R
D
t
X
WXMMTT
T
C
WT
OO
O
TTMM
MW
W
X
W
X
W
λ
µ
−
++−
+
+++
∂
∂−
∂∂=
∂
∂
)/1(
/1max2
2
数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル(北川モデル北川モデル北川モデル北川モデル)
( )KCKC
C
R
Xk
x
C
R
V
x
C
R
D
t
C
MMTT
T
T
TT
T
T
T
T
/12
2
++−
∂
∂−
∂∂=
∂
∂
( )
+
++−
∂
∂−
∂∂=
∂
∂
KC
C
KCKC
C
R
Xk
x
C
R
V
x
C
R
D
t
C
OO
O
TTMM
M
M
MM
M
M
M
M
/12
2
( )
+
++−
∂
∂−
∂∂=
∂
∂
KC
C
KCKC
C
R
Xk
x
C
R
V
x
C
R
D
t
C
OO
O
TTMM
M
O
MO
O
O
O
O
/1
22
2
(A)
パラメータパラメータパラメータパラメータ 数値数値数値数値 パラメータパラメータパラメータパラメータ 数値数値数値数値
実流速 V [m/h] 0.0125 メタン遅延係数 R M 1.0
TCE半飽和定数 K T [mg/L] 2.1 DO遅延係数 R O 1.0
メタン半飽和定数 K M [mg/L] 1.5 縦分散長 α L [m] 0.053
DO半飽和定数 K O [mg/L] 0.1 TCE最大分解速度定数 k T [1/h] 0.0051
TCE分解容量 T C [-] 0.1 メタン最大分解速度定数 k M [1/h] 0.10
菌体転換率 Y [-] 0.36 減衰率 λ X [1/h] 0.020
分子拡散係数 D M [m2/h] 3.6×10
-6 差分格子間隔 ∆t [h] 0.01
M株遅延係数 R X 1.3 差分時間間隔 ∆x [m] 0.01
TCE遅延係数 R T 1.02
パラメータパラメータパラメータパラメータ(北川モデル北川モデル北川モデル北川モデル)
実験値実験値実験値実験値 文献値文献値文献値文献値一般値一般値一般値一般値
フィッティングパラメータフィッティングパラメータフィッティングパラメータフィッティングパラメータ
実験終了時の水相固相の実験終了時の水相固相の実験終了時の水相固相の実験終了時の水相固相のM株濃度を利用し算定株濃度を利用し算定株濃度を利用し算定株濃度を利用し算定
数値解析に用いた諸数値数値解析に用いた諸数値数値解析に用いた諸数値数値解析に用いた諸数値
●●●● TCE輸送方程式輸送方程式輸送方程式輸送方程式
( ) ( )
( )
+
++−
+
++
++−
∂∂
−∂
=∂∂ ∂
KC
C
KCKC
C
R
k
KC
C
KCKC
C
KCKC
C
R
kT
C
Rx
C
R
C
OO
O
MMTT
T
T
T
OO
O
MMTT
T
TTMM
M
T
My
T
T
T
T
T
X
X
x
VD
t
/1
/1/1
22
2
2
・大矢モデルはメタン濃度が大矢モデルはメタン濃度が大矢モデルはメタン濃度が大矢モデルはメタン濃度が高い条件下高い条件下高い条件下高い条件下とととと低い条件下低い条件下低い条件下低い条件下に分けた拮抗阻害を含むに分けた拮抗阻害を含むに分けた拮抗阻害を含むに分けた拮抗阻害を含むMonod式を式を式を式を利用している.利用している.利用している.利用している.
・北川モデルは大矢モデルのメタン濃度が北川モデルは大矢モデルのメタン濃度が北川モデルは大矢モデルのメタン濃度が北川モデルは大矢モデルのメタン濃度が低い条件下低い条件下低い条件下低い条件下の拮抗阻害を含むの拮抗阻害を含むの拮抗阻害を含むの拮抗阻害を含むMonod式と同じ式と同じ式と同じ式と同じ
・大矢モデルの・大矢モデルの・大矢モデルの・大矢モデルのTCE輸送方程式には酸素消費量を考慮している輸送方程式には酸素消費量を考慮している輸送方程式には酸素消費量を考慮している輸送方程式には酸素消費量を考慮している
・パラメータが一つ追加パラメータが一つ追加パラメータが一つ追加パラメータが一つ追加
数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル数値解析モデル(大矢モデル大矢モデル大矢モデル大矢モデル)
(B)
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
M株
濃度
株濃
度株
濃度
株濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW5
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
M株
濃度
株濃
度株
濃度
株濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW3
0
10
20
30
0 1 2 3 4 5 6 7
M株
濃度
株濃
度株
濃度
株濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
解析結果解析結果解析結果解析結果(M株濃度株濃度株濃度株濃度)
SW1に関してはよく再現できに関してはよく再現できに関してはよく再現できに関してはよく再現できている.ている.ている.ている.SW3,,,,SW5に関しても濃度に関しても濃度に関しても濃度に関しても濃度変化の特徴を示せている.変化の特徴を示せている.変化の特徴を示せている.変化の特徴を示せている.
実験値実験値実験値実験値
北川モデル北川モデル北川モデル北川モデル
大矢モデル大矢モデル大矢モデル大矢モデル
0
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度濃
度濃
度濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW5
0
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度濃
度濃
度濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW30
0.1
0.2
0.3
0 1 2 3 4 5 6 7
TCE濃
度濃
度濃
度濃
度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
解析結果解析結果解析結果解析結果(TCE濃度濃度濃度濃度)
M株分解効果とみられる株分解効果とみられる株分解効果とみられる株分解効果とみられるSW1の濃の濃の濃の濃度低下はよく再現できている.度低下はよく再現できている.度低下はよく再現できている.度低下はよく再現できている.
実験値実験値実験値実験値
北川モデル北川モデル北川モデル北川モデル
大矢モデル大矢モデル大矢モデル大矢モデル
SW3,SW5は少しずれはあるが,は少しずれはあるが,は少しずれはあるが,は少しずれはあるが,濃度変化の傾向を示せている.濃度変化の傾向を示せている.濃度変化の傾向を示せている.濃度変化の傾向を示せている.
0
1
2
3
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW5
0
1
2
3
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW3
0
1
2
3
0 1 2 3 4 5 6 7
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度
メタ
ン濃
度メ
タン
濃度(mg/L)
経過時間経過時間経過時間経過時間(days)
SW1
解析結果解析結果解析結果解析結果(メタン濃度メタン濃度メタン濃度メタン濃度)
メタン濃度はあまりうまく再現でメタン濃度はあまりうまく再現でメタン濃度はあまりうまく再現でメタン濃度はあまりうまく再現できなかった.きなかった.きなかった.きなかった.
実験値実験値実験値実験値
北川モデル北川モデル北川モデル北川モデル
大矢モデル大矢モデル大矢モデル大矢モデル
特に特に特に特にSW1の濃度変化は再現できなの濃度変化は再現できなの濃度変化は再現できなの濃度変化は再現できなかった.かった.かった.かった.
解析結果解析結果解析結果解析結果
実験初期の実験初期の実験初期の実験初期のSW1におけるにおけるにおけるにおけるM株濃度の上昇と,それ株濃度の上昇と,それ株濃度の上昇と,それ株濃度の上昇と,それによる分解効果と思われるによる分解効果と思われるによる分解効果と思われるによる分解効果と思われるTCE濃度の低下とその濃度の低下とその濃度の低下とその濃度の低下とその後の濃度回復状況を再現できている.後の濃度回復状況を再現できている.後の濃度回復状況を再現できている.後の濃度回復状況を再現できている.
今回構築した今回構築した今回構築した今回構築した2つの数値解析モデルで帯水層につの数値解析モデルで帯水層につの数値解析モデルで帯水層につの数値解析モデルで帯水層におけるおけるおけるおけるM株の挙動と株の挙動と株の挙動と株の挙動とTCE分解効果の予測解析は分解効果の予測解析は分解効果の予測解析は分解効果の予測解析は可能と考えられる.可能と考えられる.可能と考えられる.可能と考えられる.
( )KCKC
C
R
Xk
x
C
R
V
x
C
R
D
t
C
MMTT
T
dT
TT
dT
T
dT
T
/12 ++−
∂
∂−
∂
∂=
∂
∂( )KCKC
C
R
kC
MMTT
T
T
TT X
t /1 ++−=
∂∂
M株による株による株による株によるTCE分解効果分解効果分解効果分解効果(水の流れの影響がない条件下水の流れの影響がない条件下水の流れの影響がない条件下水の流れの影響がない条件下)
今回構築した北川モデルを利用して,最も効率よくTCEを分解できるM株濃度やメタン濃度の関係,
最適な環境条件の検討を進めていくことが重要である.
・・・・TCE輸送方程式輸送方程式輸送方程式輸送方程式
メタン濃度メタン濃度メタン濃度メタン濃度CM,,,,M株濃度株濃度株濃度株濃度Xに一定値を与え解析に一定値を与え解析に一定値を与え解析に一定値を与え解析
(汚染現場で汚染現場で汚染現場で汚染現場でCM,,,,Xが一定に保てることを想定が一定に保てることを想定が一定に保てることを想定が一定に保てることを想定)
メタン濃度メタン濃度メタン濃度メタン濃度CM,,,,M株濃度株濃度株濃度株濃度XががががTCE濃度に影響を与える濃度に影響を与える濃度に影響を与える濃度に影響を与える
TCE浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測 (汚染濃度汚染濃度汚染濃度汚染濃度0.2mg/L)
環境基準値
基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されている値を参考にした.いる値を参考にした.いる値を参考にした.いる値を参考にした.
M株の株の株の株のTCE分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を定める必要がある.定める必要がある.定める必要がある.定める必要がある.
自然減衰速度の自然減衰速度の自然減衰速度の自然減衰速度の100倍の値倍の値倍の値倍の値(10-1d-1)
CM=0.1(mg/L) C
M=1.0(mg/L) C
M=2.0(mg/L)
CM=4.0(mg/L) C
M=5.0(mg/L) C
M=6.0(mg/L)
CM=3.0(mg/L)
CM=8.0(mg/L) C
M=9.0(mg/L) C
M=10(mg/L)
CM=7.0(mg/L)
基準となる浄化時間
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=15mg/L0.2
0.03
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=10mg/L0.2
0.03
TCE浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測 (汚染濃度汚染濃度汚染濃度汚染濃度0.2mg/L)
環境基準値
基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも基準となる浄化時間にはバイオオーグメンテーションよりも研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されて研究が進んでいるバイオスティミュレーションで推定されている値を参考にした.いる値を参考にした.いる値を参考にした.いる値を参考にした.
M株の株の株の株のTCE分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を分解効果を評価するためには基準となる浄化時間を定める必要がある.定める必要がある.定める必要がある.定める必要がある.
自然減衰速度の自然減衰速度の自然減衰速度の自然減衰速度の100倍の値倍の値倍の値倍の値(10-1d-1)
CM=0.1(mg/L) C
M=1.0(mg/L) C
M=2.0(mg/L)
CM=4.0(mg/L) C
M=5.0(mg/L) C
M=6.0(mg/L)
CM=3.0(mg/L)
CM=8.0(mg/L) C
M=9.0(mg/L) C
M=10(mg/L)
CM=7.0(mg/L)
基準となる浄化時間
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=15mg/L0.2
0.03
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=10mg/L0.2
0.03
X=10mg/LではCM=7mg/L以下に維持
すれば浄化期間が基準よりも早くなる.
M株濃度が15mg/L以上になるとメタン濃度に関係なくTCE濃度は基準浄化時間よりも早く環境基準値を下回る.
TCE浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測(汚染濃度汚染濃度汚染濃度汚染濃度0.2mg/L)
CM=0.1(mg/L) C
M=1.0(mg/L) C
M=2.0(mg/L)
CM=4.0(mg/L) C
M=5.0(mg/L) C
M=6.0(mg/L)
CM=3.0(mg/L)
CM=8.0(mg/L) C
M=9.0(mg/L) C
M=10(mg/L)
CM=7.0(mg/L)
基準となる浄化時間
環境基準値
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=1.0mg/L
0.2
0.03
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=5.0mg/L0.2
0.03
M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が15mg/L以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分なTCE分解効分解効分解効分解効果が得られ,果が得られ,果が得られ,果が得られ,M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が10mg/L程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を2~~~~7mg/L程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分なTCE分解効果が得られる分解効果が得られる分解効果が得られる分解効果が得られる
M株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,M株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎるとM株が増殖株が増殖株が増殖株が増殖せずせずせずせずTCEが分解が分解が分解が分解されない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるTCE分分分分解が阻害される.解が阻害される.解が阻害される.解が阻害される.
TCE浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測浄化時間予測(汚染濃度汚染濃度汚染濃度汚染濃度0.2mg/L)
CM=0.1(mg/L) C
M=1.0(mg/L) C
M=2.0(mg/L)
CM=4.0(mg/L) C
M=5.0(mg/L) C
M=6.0(mg/L)
CM=3.0(mg/L)
CM=8.0(mg/L) C
M=9.0(mg/L) C
M=10(mg/L)
CM=7.0(mg/L)
基準となる浄化時間
環境基準値
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=1.0mg/L
0.2
0.03
0.01
0.1
0 10 20 30 40
TCE濃
度(mg/L)
経過時間(days)
X=5.0mg/L0.2
0.03
X=1mg/Lになると十分な効果は得られないX=5mg/LではCM=2mg/L以下に維持すれ
ば浄化期間が基準よりも早くなる.
M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が15mg/L以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分な以上であれば,メタン濃度に関係なく十分なTCE分解効分解効分解効分解効果が得られ,果が得られ,果が得られ,果が得られ,M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が10mg/L程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を程度までであれば,メタン濃度を2~~~~7mg/L程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分なTCE分解効果が得られる分解効果が得られる分解効果が得られる分解効果が得られる
M株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,株を利用したバイオオーグメンテーションでは,M株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範株濃度とメタン濃度を最適範囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎると囲に保つことが重要である.メタン濃度が低すぎるとM株が増殖株が増殖株が増殖株が増殖せずせずせずせずTCEが分解が分解が分解が分解されない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるされない.また,メタン濃度が高すぎても,メタンと拮抗阻害の関係にあるTCE分分分分解が阻害される.解が阻害される.解が阻害される.解が阻害される.
まとめまとめまとめまとめ
北川モデルにおいて,北川モデルにおいて,北川モデルにおいて,北川モデルにおいて,kT=0.0051/hであれば,であれば,であれば,であれば,M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が15mg/L以上あればメタン以上あればメタン以上あればメタン以上あればメタン
濃度に関係なく十分な濃度に関係なく十分な濃度に関係なく十分な濃度に関係なく十分なTCE分解効果が得られ,分解効果が得られ,分解効果が得られ,分解効果が得られ,M株濃度が株濃度が株濃度が株濃度が10mg/L程度までであれば,程度までであれば,程度までであれば,程度までであれば,メタン濃度をメタン濃度をメタン濃度をメタン濃度を2~7mg/L程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分な程度に抑えることで十分なTCE分解効果が得られる.分解効果が得られる.分解効果が得られる.分解効果が得られる.
本研究では,本研究では,本研究では,本研究では,TCEによる土壌・地下水汚染対策技術としての実施例が少ないバによる土壌・地下水汚染対策技術としての実施例が少ないバによる土壌・地下水汚染対策技術としての実施例が少ないバによる土壌・地下水汚染対策技術としての実施例が少ないバイオオーグメンテーションを対象とし,室内土槽実験と数値解析を実施イオオーグメンテーションを対象とし,室内土槽実験と数値解析を実施イオオーグメンテーションを対象とし,室内土槽実験と数値解析を実施イオオーグメンテーションを対象とし,室内土槽実験と数値解析を実施した.した.した.した.
帯水層中の帯水層中の帯水層中の帯水層中のM株株株株の動態およびの動態およびの動態およびの動態およびTCEの分解効果をの分解効果をの分解効果をの分解効果を予測可能な予測可能な予測可能な予測可能な数値解析モデルを数値解析モデルを数値解析モデルを数値解析モデルを構築構築構築構築したしたしたした
本実験においては,フィッティングパラメータが一つ少ない北川モデルを採用した.本実験においては,フィッティングパラメータが一つ少ない北川モデルを採用した.本実験においては,フィッティングパラメータが一つ少ない北川モデルを採用した.本実験においては,フィッティングパラメータが一つ少ない北川モデルを採用した.
TCEの最大分解速度定数の目安となる数値の最大分解速度定数の目安となる数値の最大分解速度定数の目安となる数値の最大分解速度定数の目安となる数値が得られた.が得られた.が得られた.が得られた.
安定した安定した安定した安定したTCE分解が可能となる分解が可能となる分解が可能となる分解が可能となるM株濃度とメタン濃度に関する情報株濃度とメタン濃度に関する情報株濃度とメタン濃度に関する情報株濃度とメタン濃度に関する情報がががが得得得得られたられたられたられた
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