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授業評価アンケート

医学科

結果および考察

「出席率」は、平均 %である。同一学年の講義において、例えば2年生1) 70.7では、 から %と大きなばらつきが認められる.32.3% 92.9

「出席率と授業満足」は必ずしも相関していないが、出席率が 前後の授2 90%)

業については、高い授業満足度を示している。

および の結果は、興味ある講義であるか否かばかりでなく、出席確認の1) 2)有無および方法にも左右されている可能性が推測される.

3 3.55±0.87 5) 。 」「受講態度」に対する自己評価は、 であった 「積極的である (

または )と答えた割合は、学年によるばらつきが認められ、 、 、 年生で4 2 3 5は、 を超えていたものの、 、 、 年生では、比較的低く、特に 年生で70% 1 4 6 6は を割り込んでいる.50%

年生は、卒業試験を間近に控えており、受講している授業に取り組む姿勢6が消極的になるのかも知れない.

「予習 復習をしたか」は、 と評価項目の中で最も低い 「十分であ4 / 2.76±1.03) 。

5 4 1 6 10 1る ( または )と答えた学生は、 、 年生は、 %程度に留まっていた.」

年生は、共通教育が中心であるので、また 年生は、卒業試験を間近に控えて6おり国家試験対策もあり、十分な予習 復習が確保できないものと考えられる。/

「達成目標」は、 で、明確に学生に提示されている。5 3.73±0.90)

「重要なことの強調」は、 で、授業において重要な内容は十分に強6 3.89±0.89)

調されている。

「授業内容のわかり易さ」は、 で、判り易いであったと考えられる7 3.76±0.94)

「授業の進め方の工夫」は、 で、教官はよく工夫している。8 3.70±0.93)

「授業目標の達成」は、 で、概ね達成できている。しかし、授業の9 3.31±0.86)

全般に関わる課題であるが、目標を明確に提示し、重要点を強調して講義をし

ても、学生の視点で考えると目標の達成には、まだ努力が必要と考える.

「将来に役立つか」については、 で、授業内容が将来に非常に役10 4.10±0.86)

立つと感じている。おおむね の学生が、 または と評価している。80% 4 5「授業に満足したか」は、 で、ほぼ満足できると評価している。11 3.80±0.88)

学年別では、 年生のみが %を下回っていた.6 70

総合評価

医学科の授業について、出席率は約 であったが、授業によるばらつきが70%多いことから、その原因を明らかにする必要がある 「達成目標 「重要なこ. 」、

3.7との強調 「授業内容のわかり易さ 「授業の進め方の工夫」はいずれも」、 」、

、から と高い評価を受けていることから、教員の授業に対する取り組みには3.9満足できるものと考える.一方 「受講態度 「予習 復習 「授業満足度」に、 」、 」、/おいては、学年間のばらつきがあり、特に 、 年生において評価が低い、共1 6通教育と卒業前の総合医学医療の講義内容、形式に改善の余地があるのかも知

れない.

総合的に判断すると、医学科における授業評価は、教員側の取り組みは、十

分になされているものと考えられる.今後は、出席確認の有無や方法、 、 年1 6生のカリキュラムを改訂を経ることによって、より高い評価となるものと考え

る.

授業評価アンケート

医学教育部(大学院)

結果および考察

教育部は、修士(博士前期 、博士(博士後期 、博士の複数の形式の学生から) )

構成されており、 、 、 年生には最終学年の学生が含まれることになる.2 4 51) 3.53±0.89 5「受講態度」に対する自己評価は、 であった 「積極的である (。 」

または )と答えた割合は、学年によるばらつきが認められ、 、 年生では、4 2 4比較的低く を割り込んでいる.これは卒論研究、就職活動などによる影響50%も考慮する必要がある.

「予習 復習をしたか」は、 と評価項目の中で最も低い 「十分であ2 / 2.38±0.97) 。

る ( または )と答えた学生は、 %程度以下に留まっていた.大学院であ」 5 4 10ることを考えると、講義の時間内のみの学習であり、その内容は研究活動への

反映されているものと考える.

「達成目標の提示」は、 で、明確に学生に提示されている。3 3.58±0.97)

「重要なことの強調」は、 で、授業において重要な内容は十分に強4 3.74±0.92)

調されている。

「授業内容のわかり易さ」は、 で、判り易いであったと考えられる5 3.74±0.90)

「授業の進め方の工夫」は、 で、教官はよく工夫している。6 3.68±0.97)

「授業目標の達成」は、 で、概ね達成できている。7 3.34±0.91)

~ の評価項目は、概ね高い評価を受けている.しかし、学年間のばらつ3) 7)1 80% 4 5きが大きく、 年生では、これらの項目はいずれも の学生が、 または

の評価点をつけているのに対し、その他の学年では、 程度である. 年生50% 1では、講義・演習科目を比較的に受講する機会が多く、上級学年は主に研究活

動が中心となることに関係しているのかも知れない.

「将来に役立つか」については、 で、授業内容が将来に非常に役立8 3.76±1.01)

つと感じている。おおむね の学生が、 または と評価している。80% 4 5「授業に満足したか」は、 で、ほぼ満足できると評価している。学9 3.75±0.98)

1 2 80% 4 5 3年別では、 、 年生は、 の学生が または と評価している。しかし、

年生異常では、 を下回っていた.50%

総合評価

大学院では、 年生は、講義・演習科目を比較的に受講する機会が多く、上1級学年は主に研究活動が中心となることから、授業評価が学年により大きく異

なっており、 年生では高い評価をえている.したがって大学院生は、授業に1概ね満足しているものと考えられる.

上級学年においては、就職活動や研究活動に多くの時間を費やしていると考

えられるので、カリキュラムに工夫を凝らすことで、より授業内容を充実でき

るものと考える.

授業評価アンケート(報告:武田英二)

結果

・出席率は平均90.6%で良好である。

・出席率と授業満足は必ずしも相関していない。出席率が高くても満足度が低

い授業、出席率が低くても満足度の高い授業があるが、総じて出席率が高く満

足度が高い授業が多い。

・授業態度に対する自己評価は3.62±0.89とまあまあ良い。

・復習予習は2.95±1.00と他項目に比して低い。復習予習は不十分で

あるが授業では真剣に学ぼうとしていることが伺える。

・目標の提示は3.74±0.91で、提示は周知されている。

・重要事項の強調は3.83±0.88で、授業では十分に強調されている。

・内容容易は3.70±0.95で、だいたい判りやすかったと評価している。

・授業の工夫は3.64±0.88で、教官はよく工夫している。1,2はほ

とんどなかった。

・目標の達成は、3.58±0.89で、だいたい達成できている。また、1,

2はほとんどなかった。

・将来役立については4.14±0.89で、授業内容が将来に非常に役立つ

と感じている。大多数が、4,5と評価している。

・総合的な授業の満足度は3.97±0.82で、ほぼ満足できると評価して

いる。1,2はほとんどなかった。

考察

栄養学科授業について、出席率は良好であり、満足度が高い授業が多い。学

生の自己評価では、授業態度、目標の理解、重要事項の理解、また教官側に対

する評価でも、授業の内容や工夫も比較的高く評価しており、授業内容が将来

役立とする評価がとくに高い。その結果、目標の達成や総合的な授業の満足度

は、ほぼ満足できると評価している。授業の工夫、目標の達成、総合的な授業

の満足度については、出来ていないとする評価はほとんど無く、教育効果は十

分あると考えられる。

一方、学生の自己評価では、自分の復習予習は不十分であると評価している。

学部教育が大学院教育の基盤となり連動の重要性を考えると、自己研鑽をすす

める基盤となる復習予習を必要とする教育の工夫が必要と思われる。

保健学科における解析結果のまとめ

 看護学専攻(助産学専攻科を含む),放射線技術科学専攻,検査技術科学専攻(以下,それぞれ,看護,放射,検査と略す)における授業評価アンケート集計結果の分析と考察を行う. 保健学科では平成 14年度から授業評価アンケートを実施しており,オムニバスの授業科目においても各教員個別の教育内容の点検と改善に役立てられるよう,教員毎に集計している.平成 18年度前期の以下の検討に用いた個別集計の数は,看護 51,放射 21,検査 31である. まず,授業満足度(設問 9)の回答を従属変数とし,他の設問項目の回答を独立変数とみなして重回帰分析を実施した(表 1).この結果から,標準化係数の値が大きい設問項目は 3専攻とも「内容が容易(設問 5)」,「授業に工夫(設問 6)」の順(ベータの値は,設問項目5,6につき,それぞれ,看護: 0.325,0.201,放射: 0.361,0.200,検査: 0.450,0.244)であり,学生は教員に対して,内容がわかりやすくなるよう教授方法を工夫した授業を求めていることがわかる. 一方で,主成分分析の結果(図 1)から,学生が予習・復習を行ってるかどうか(設問 2)は教員の教授方法や学生の満足度など(設問 3~6,8,9)とはあまり関係していないと云える.さらに,設問 2の回答は他の設問項目の回答と比べて総合平均値が低い傾向にある.今後,自習が不可欠となる仕組みの導入や学生の自覚を促す努力なども必要であろう. 次に,個別集計結果(付録)を基に考察を行う.集計結果のグラフは総合評価指標の数値の高い順に並べられている.ここに,総合評価指標は設問に対する評価(回答平均値×20)の加重平均(最高値は 100)であり,設問毎の評価への重み係数は次の通り:設問 1~3は重み 0,設問 4~8は重み 1,設問 9は重み 2.各グラフ形状は多様であり,総合評価指標のレンジ(看護 43.4~90.8,放射 43.4~88.1,検査 58.6~85.8)も広いことがわかる.図と同じ情報はウェブ閲覧が可能であり,個別集計結果に対応したコード(ID)が当該教員に通知されているので,本人は総合評価指標による順位を知ることができ,問題点を認識する手段に活用している.総合評価指標のヒストグラムは図 2で与えられる.概ね 60以上の高い指標による評価が得られていることがわかる.ただし,各専攻のヒストグラムにおいて,ほとんどの個別集計結果は中央付近にピークのある主分布に含まれているが,指標の低い孤立した集計結果が 1~2ある.評価を教育改善に積極的に反映させるシステムとして,保健学科では,学科長は各専攻で最も低い指標の授業担当教員と話し合う機会を持ち,当該教員が授業方法等の改善に対処できるためのサポートを行っている.

表 1. 重回帰分析

看護

放射

検査

看護

放射

検査

図 1. 主成分分析

看護

放射

検査

図 2. 総合評価指標のヒストグラム

1

医学部医学科の教育改善に向けてのアンケート調査実施と結果報告

医学部自己点検・評価委員会 (担当:久保真一)

1.はじめに 現在,わが国における医学教育は大きな改革の時期を迎えている.平成 10 年 10 月に出された大

学審議会答申「21 世紀の大学像と今後の改革方策について」を踏まえて,平成 11 年 2 月には 21世紀における医師・歯科医師の育成体制の在り方をまとめた「21 世紀医学・医療懇談会第4次報

告」が提言されている.ついで,平成 13 年 3 月に「21 世紀における医学・歯学教育の改善方策に

ついて―学部教育の再構築のために―」と題する報告書にまとめられ,望ましいカリキュラムの在

り方として,教育目標,教育内容,教育方法の 16 項目の検討課題があげられている.この中で,

教育内容の課題として,「卒業までに学生が到達すべき態度,技能,知識の到達目標を包含したコ

ア・カリキュラムを確立する.」ことが検討され,「国公私立大学共通のモデル・コア・カリキュラ

ム」が策定されることになった.平成 13 年より全国の医学部(医科大学)で,共用試験が試行さ

れている.共用試験は,知識評価には,コンピューターを用いた CBT (Computer Based Testing)による多肢選択形式 (Multiple Choice Question)を用い,診察技能や態度を評価する試験では,評

価方法や評価基準を統一化した客観的臨床能力試験 (Objective Structured Clinical Examination: OSCE)を行っている.

徳島大学医学部医学科においても,この「21 世紀医学・医療懇談会第4次報告」を受けて,医

学教育の改革の一環として,平成 13 年度から新カリキュラムが導入されている.現在,医学部医

学科では,先に述べた医学教育に求められる到達目標の達成にむけて,教育改善に取り組んでいる.

今回,教育プログラムの成果を検証し,改善に結びつけるための自己点検・評価として卒業生,雇

用主アンケートを実施し,その結果の分析を行った.

2.アンケートの実施方法について アンケート実施時期は,平成 18 年 10~11 月までの 1 ヶ月として,郵送による無記名回答方式

で行った. アンケートの対象は,アンケート対象となる医学科卒業生は,全体の約 3 割とし,医学科につい

ては平成 15 年度卒業生 89 名のうち 30 名に実施した。大学院修了生は,平成 15 年度修了生全員

とし,医学研究科 12 名に実施した。これら卒業生・修了生の雇用機関(医療機関等)は,過去 10年内(平成 8 年度~平成 17 年度)に 5 名以上就職した企業・病院等を対象とし,医学科卒業生の

雇用先 30 機関に実施した。なお,医学研究科修了生を雇用した病院においては,3 件該当したが,

医学科卒業生を雇用した病院と重複していたため,修了生へのアンケートは実施していない. アンケートの回収率は,学部卒業生 16.7%(5 名),修了生 33.3%(4 名),雇用機関 53.3%(16

機関)であった. アンケート用紙(別紙)は,徳島大学自己点検・評価委員会において検討されたものである. 3.アンケート結果について 3-1.卒業生アンケート II-1.社会で必要とされる能力と大学時代の達成度 医学部医学科卒業生(表 1)においては,「体の健康と心の健康を保つ方法と考え方」,「専門分野

での学習に必要な基礎的知識とその運用能力」,「専門応用領域に関する知識とそれを問題解決に応

用する能力」,「協調性や社会性などの組織適応能力」,「ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげ

ない力」の項目については,高い達成度が得られている.これは,医学科の教育が,医師・医学研

究者の養成に重きをおいたものとなっていることを反映しているものと考えられる.一方,「数学

や自然科学に関する知識とそれを応用する能力」,「自然を理解し,社会に対する責任を自覚する能

力」,「日本語の読解力,文書作成能力,口頭発表能力」,「外国語の読解力,記述能力,コミュニケ

ーション能力」については,達成度は低くなっている.この結果は,医学の専門教育と教養教育と

の連携において検討すべき課題と考えられる.また,現在,平成 19 年度からカリキュラム改革に

取り組んでいるが,その中で,課題研究の発表,患者さん等を想定したコミュニケーション能力,

2

医学英語教育を重視するように検討されており,今後の改善が期待される.

表1.医学科卒業生 (低)1 2 3 4 5(高)

1) 多様な文化を理解し,地球的視点から多面的にものごとを考える能力 2 2 1

2) 社会の諸問題を理解し,主体的に取り組む姿勢 3 2

3) 数学や自然科学に関する知識とそれを応用する能力 2 1 2

4) 自然を理解し,社会に対する責任を自覚する能力 1 2 2

5) 情報の収集と利用方法を身につけ,種々の情報機器を使いこなす能力 3 2

6) 体の健康と心の健康を保つ方法と考え方 2 2 1

7) 日本語の読解力,文書作成能力,口頭発表能力 1 1 3

8) 外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力 1 3 1

9) 専門分野での学習に必要な基礎的知識とその運用能力 3 2

11) 専門応用領域に関する知識とそれを問題解決に応用する能力 1 2 1 1

12) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力 3 2

13) 新しいものや考え方を創造する能力 2 2 1

14) 自己研鑽・自己啓発が継続的に行える学習習慣 2 2 1

15) 自ら積極的に企画し行動する能力 2 1 2

16) ものごとを基本から演繹して考える論理的思考能力 1 2 2

17) 自分の意見を持ち他人に述べる能力 1 3 1

18) 協調性や社会性などの組織適応能力 1 2 2

19) ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげない力 1 1 1 2

医学部研究科修了生(表 2)においては,調査項目の全般において,3 以上の評点がえられてい

る.しかし,「外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力」,「多様な文化を理解し,地

球的視点から多面的にものごとを考える能力」,「数学や自然科学に関する知識とそれを応用する能

力」,「自然を理解し,社会に対する責任を自覚する能力」,「自ら積極的に企画し行動する能力」,「も

のごとを基本から演繹して考える論理的思考能力」,「ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげな

い力」については,達成度は低くなっている(評点 2 以下).これは専門分野の先端的研究に取り

組んでいる大学院の現状を反映しているものと考えられる.学部教育との連携と,研究者としての

教養教育が必要なのかも知れない. 表2.医学研究科修了生 (低)1 2 3 4 5(高)

1) 多様な文化を理解し,地球的視点から多面的にものごとを考える能力 1 2 1

2) 社会の諸問題を理解し,主体的に取り組む姿勢 2 1 1

3) 数学や自然科学に関する知識とそれを応用する能力 1 3

4) 自然を理解し,社会に対する責任を自覚する能力 1 1 1 1

5) 情報の収集と利用方法を身につけ,種々の情報機器を使いこなす能力 2 2

6) 体の健康と心の健康を保つ方法と考え方 3 1

7) 日本語の読解力,文書作成能力,口頭発表能力 2 1 1

8) 外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力 1 2 1

9) 専門分野での学習に必要な基礎的知識とその運用能力 1 2 1

10) 専門基礎領域に関する知識とそれを活用する能力 2 2

11) 専門応用領域に関する知識とそれを問題解決に応用する能力 2 2

12) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力 1 3

13) 新しいものや考え方を創造する能力 3 1

14) 自己研鑽・自己啓発が継続的に行える学習習慣 1 2 1

15) 自ら積極的に企画し行動する能力 2 1 1

16) ものごとを基本から演繹して考える論理的思考能力 2 1 1

17) 自分の意見を持ち他人に述べる能力 1 2 1

18) 協調性や社会性などの組織適応能力 1 2 1

19) ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげない力 1 2 1

3

II-2.仕事上で特に重要と思われる資質,能力 (上記 19 項目の中から最大5つまで)(表 3) 医学科卒業生においては,「協調性や社会性などの組織適応能力」,「ねばり強さ,忍耐力,集中

力,逆境にめげない力」,「自分の意見を持ち他人に述べる能力」,「専門分野での学習に必要な基礎

的知識とその運用能力」が挙げられている. 研究科修了生においては,「外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力」,「新しいも

のや考え方を創造する能力」,「協調性や社会性などの組織適応能力」,「ねばり強さ,忍耐力,集中

力,逆境にめげない力」が挙げられている. 卒業生・修了生のほとんどが医療機関において,活躍していることを考えると,実際の医療の現

場では,専門的知識・技術が当然であるが,それを支える「協調性や社会性などの組織適応能力」,

「ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげない力」を必要と感じていることを,この結果は,明

らかにしているものと考えられる.医学教育においても,医療人としての基礎的資質の向上に繋げ

る方策を講じる必要があるものと考える.

II-3.医学部教育で受けた教育について (1) 充実していて良かったと思われる項目 (上記 19 項目の中から最大3つまで)(表 4) 医学科卒業生においては,「専門分野での学習に必要な基礎的知識とその運用能力」,「協調性や

社会性などの組織適応能力」が挙げられている. 研究科修了生においては,「与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力」が挙げ

られている. この結果は,先の II-2 の項目で挙げられた仕事をする上で必要とされる項目とも,一致しており,

現状の医学教育においても,ある程度達成していることが伺える. 表4 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) なし

医学科卒業生 1 2 1 2 1 研究科修了生 1 1 1 2 1 1

(2) 不足していたと思われる項目 (上記 19 項目の中から最大3つまで)(表 5) 医学科卒業生,研究科修了生ともに,「外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力」

を挙げている.II-1 の項で述べたように,現在,学部教育の見直しに当たって,医学英語教育を重

視するように検討されており,今後の改善が期待される. 表5 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) なし

医学科卒業生 1 1 1 1 2 1 研究科修了生 2 1

(3)今後ますます重要になると思われる項目 (上記 19 項目の中から最大3つまで)(表6) 医学科卒業生においては,「情報の収集と利用方法を身につけ,種々の情報機器を使いこなす能

力」,「ねばり強さ,忍耐力,集中力,逆境にめげない力」が挙げられている. 研究科修了生においては,「外国語の読解力,記述能力,コミュニケーション能力」,「新しいも

のや考え方を創造する能力」が挙げられている. この結果は,先の II-2 の項目で挙げられた仕事をする上で必要とされる項目とも,一致しており,

今後,教育改善の進めるうえで,常に検証して行く必要がある. 表6 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) なし

医学科卒業生 2 1 1 1 1 1 2 研究科修了生 1 3 2 1

表3 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) なし医学科卒業生 1 1 2 1 1 1 2 4 3 研究科修了生 2 1 1 1 2 1 2 2

4

3-2.雇用機関アンケート アンケートの依頼先は,全て医療機関(大学及びその付属病院)であった. (1) 徳島大学卒業者・修了者の資質や身につけている能力 (表7) 卒業生・修了生を合わせて,表7にあるように,概ね評点 4 の結果が得られている.特に,「責

任感,倫理観」に優れている点においては,医療職という観点からは,良い教育効果がえられてい

るものと評価できる.しかし,「語学能力」,「国際性」については,やや低い結果となっている.

これは卒業生・修了生のアンケート結果ともよく一致しており,教育改善にむけての大きな目標す

べきである.

I4.自由意見 研究科修了生の意見として,社会人大学院生がより受講しやすいカリキュラムの充実の要望があ

った.e-learning や,夜間開講の充実に取り組む必要があると考える. 医療機関側からの意見としては,評価されている点としては,「熱心で優秀」,「積極的行動力」,

「まじめ」,「真摯な態度」,「健全な人間関係を築いている」,「協調性がある」,「指導力,社会性,

人間性が優れている」,「責任感をもって取り組む姿勢」,「情報収集能力に優れている」などの意見

が寄せられている.一方,低い評価としては,「英語があまり得意でない」,「専門能力の向上や積

極性等に努力が必要」,「社会的常識に欠ける者いる」,「現在の医療環境への理解が欠けている」,「個

性が表面に出ない」,「向上心に乏しい」,「やや決断力に乏しい」,「大学院入試または企業就職試験

時の評価はかなり低く,仮に採用されてもあまり改善の見込みはないように思う」,「自主性がなく,

目的意識もはっきりしない」などが挙がっている. あくまでも個々人の評価による意見であり,卒業生・修了生を画一的に評価できるものではない

が,社会の評価の一端として,教育の場にフィードバックすることが重要であろう. 5.まとめ 医学部医学科,医学研究科の卒業生・修了生,及び雇用側としての医療機関からみた現状の教育

評価は概ね高いものと考えられる.今後は,語学能力,国際性の向上につながるような教育カリキ

ュラムの改善に配慮するとともに,個人個人の教養,人間性,社会性をどう培って行くかを検討す

る必要があると考える.

表7 1

(全くそう思わない) 2

(そう思わない) 3

(どちらともいえない)

4 (そう思う)

5 (大いにそう思う) 平均評点

教養 3 10 3 4.0 社会的常識 1 1 12 2 3.9 責任感・倫理観 3 9 4 4.1 自主性・行動力 4 9 3 3.9 問題処理能力 5 8 3 3.9 独創性・柔軟性 4 9 3 3.9 語学能力 2 6 8 0 3.4 社会性 1 5 8 2 4.0 国際性 2 5 8 1 3.5 専門能力 0 2 11 3 4.1

医学部栄養学科 卒業生・修了者・雇用主アンケート結果

卒業生・修了者に対して6雇用主(1行政、3民間企業・病院、2大

学)によりアンケートにより評価された。数が少なく全体的評価は困

難である。

・職務上の指示を理解する能力、指示した仕事を遂行する能力は、い

ずれも良くできるが3,まずまずできるが2,どちらともいえないが

1である。

・資質や身につけている能力の達成度に関する11項目について、各

5名が評価されているにすぎない。個別の項目についての評価は困難

であり、全体的傾向を理解するために、総数55の分布について評価

した。高い能力が身に付いたことに対して、大いにそう思うレベル5

は6(10.9%)、そう思うレベル4は32(58.2%)、どちら

ともいえないレベル3は17(30.9%)、で、レベル4および5は

なかった。

・比較的高い能力が得られた項目としては、専門能力、語学能力、自

主性・行動力、責任感・倫理観である。十分の能力を身につけられな

かった項目は、なかった。

2、栄養学研究科修了生アンケート(社会で必要とされる能力と大学

時代の達成度)

・アンケート対照人数は11名と少なく、全体的評価は困難である。

・社会で必要とされる能力と大学時代の達成度に関する19個別の項

目について評価された。個別の項目についての評価は困難であり、全

体的傾向を理解するために、総数209の分布について評価した。高

い能力が身に付いたことに対して、大いにそう思うレベル5は19(9.

1%)、そう思うレベル4は80(38.3%)、どちらともいえない

レベル3は65(31.1%)、そう思わないレベル2は40(19.

1%)、全くそう思わないレベル1は5(2.4%)、である。

・比較的高い能力が得られた項目としては、情報の収集と利用方法、

協調性や社会性などの組織適応能力である。十分の能力を身につけら

れなかった項目としては、外国語の読解力、記述能力、コミュニケー

ション能力である。

医療技術短期大学部卒業生アンケート結果報告

平成 19 年 1 月 4 日

I-(1)徳島大学医療技術短期大学部 平成 16~17 年卒業

13 名

(2)勤務先業種

10 名 医療

3 名 その他

(3)職種

10 名 専門・技術職

II-社会で必要される能力と大学時代の達成度

1. 大学時代における達成度で、高い項目順では、9)専門分野での学習に必要な基

礎的知識とその運用能力と、10)専門基礎領域にかんする知識とそれを活用する能

力、次いで、11)専門応用領域に関する知識とそれを問題解決に応用する能力と、

18)協調性や社会性などの組織適応能力、次いで、19)ねばり強さ、忍耐力、集中力、

逆境にめげない力、次いで、体の健康と心の健康を保つ方法と考え方、次いで、

12)与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力、次いで、情報の収

集と利用方法を身につけ、種々の情報機器を使いこなす能力と、14)自己研鑽・自

己啓発が継続的に行える学習習慣と、17)自分の意見を持ち他人に述べる能力であ

った。ちなみに、低い項目では、1)多様な文化を理解し、地球的視点から多面的に

ものごとを考える能力、8)外国語の読解力、文書作成能力、口頭発表能力であっ

た。

以上の結果は、短大の教育の特徴・欠点が如実に反映しているものと考えられる。

2. 仕事上で特に重要と思われる資質、能力では、18)協調性や社会性などの組織適

応能力、次いで、10)専門基礎領域にかんする知識とそれを活用する能力、次いで、

11)専門応用領域に関する知識とそれを問題解決に応用する能力、次いで、9)、12)、

15)、17)、19)をあげている。

3. 資質、能力を身につけるために受けた教育で、(1)充実していた項目では、10)専

門基礎領域にかんする知識とそれを活用する能力、次いで、9)専門分野での学習

に必要な基礎的知識とその運用能力、次いで、11)専門応用領域に関する知識とそ

れを問題解決に応用する能力であった。(2)不足していたと思われる項目はあまりな

いが、5)外国語の読解力、記述能力、コミュニケーション能力、7)日本語の読解力、

文章作成能力、口頭発表能力、8) 外国語の読解力、文書作成能力、口頭発表能

力などが一部指摘されていた。(3)過剰であったと思われる項目では殆どなかった。

(4)今後ますます重要になると思われる項目では、17) 自分の意見を持ち他人に述

べる能力や、8)、外国語の読解力、文書作成能力、口頭発表能力や、11) 専門応

用領域に関する知識とそれを問題解決に応用する能力や、13)新しいものや考え方

を創造する能力をあげている。

4. 上記の資質、能力以外に大学で身につけるでき項目では、接遇、臨床実習・臨治

実習の機会、実践的は技術・知識を生かす能力をあげている。

III. 徳島大学の教育に関する意見

・ 接遇に関連する教育

・ 教室・実習室等の環境が整っていない。

・ 臨床実習・臨治実習の機会を増やす。等がよせられた。

以上

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