流体の高効率混合が可能な ラインミキサー2 ラインミキサー...

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流体の高効率混合が可能なラインミキサー

山口大学 大学院 理工学研究科

環境共生系専攻

教授 佐伯 隆

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ラインミキサー

別名:スタティックミキサー、静的混合器

・駆動部を持たない管型の混合器 (⇔攪拌槽)

・輸送配管に設置して使用する。

Kenics static mixer

・我が国ではKenics型のミキサーが広く利用されている。

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ラインミキサー

流体B (流体Aとは混ざりにくい)

流体A 混合液

・スタティックミキサーは撹拌槽に比べ省エネルギー、省スペース化が図れる。

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従来技術とその問題点

・流体によっては、混合状態が不十分になる場合がある。

→ 混合特性の良いラインミキサー

・混合状態を評価する方法が確立されていない。

→ 特性評価法の提案

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新しいラインミキサーを考案

混合エレメント

A B 2つのエレメントを重ねる

互いのエレメントの小室が分割される。

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新しいラインミキサーを考案

混合エレメント

ブラインド板

混合エレメント

混合エレメント

ブラインド板

中間板A B

MSE:Multi‐Stacked Elements

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流体がミキサー側面より複雑な流路を通って中央の貫通孔に流れ込み、下流側の複雑な流路を通過する。流体がミキサーを通過する際に合流・分割することで混合効果を促進する。

MSEミキサー内の流れ

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新技術の特徴

• フランジ間に挟むだけなので設置が容易

• 積層枚数・積層パターンの変更により、異なる運転条件に対応可能

• 流体の十分な混合が短い距離で可能

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新技術と従来技術の定量的な比較

ラインミキサーの上流(80mm)に取り付けたノズルから管中心に蛍光染料を含んだ高粘性溶液を注入する。

可視化流路

流速 0.50 m/s

マイクロフィーダー内容量:200mL

MSEミキサーKenics型ミキサー

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drain

flow

レーザーシート光

円管部 矩形部

可視化流路

ビデオカメラ

シャープカットフィルター

注入した高粘性溶液の広がりが分かる。

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新技術と従来技術の比較

ラインミキサーが無い場合

Kenics型ミキサー MSEミキサー

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混合状態を評価する指標の提案

・混合度流体B(高粘性流体)の広がりを定量化全域に広がった場合を100とする。

・中央輝度高粘性流体の塊の平均濃度最大値は255である。

・抽出最大輝度高粘性流体の塊の濃度の最大値最大は255である。

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新技術と従来技術の定量的な比較

ラインミキサーが Kenics型ミキサー MSEミキサー無い場合

混合度 10.85 61.04 100全域に行きわたっている

中央輝度 56 43 61

抽出最大 255 255 65輝度 流体Bの原液が存在

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新技術の特徴

• 流体の十分な混合が短い距離で可能。

• 小口径配管にも適用可能。

↑MSEミキサーの優位性が定量的に評価された。

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新技術の特徴

小口径配管用MSEミキサー

½インチ管

管内のMSE

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想定される用途

• 各種の高濃度水溶液や高分子溶液との十分な撹拌が可能である。

• 水と疎水性流体(油)との混合も可能であり、乳化装置としての機能もある。

• 液体と気体の混合、気体同士の混合装置としても利用できる。

気-液混合のデモ機を展示

• 造粒装置としての機能が期待できる。

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気-液混合のデモ機

水-油混合のデモ機

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実用化に向けた課題

• 現在、様々な流体の組合せに対しMSEミキサー

の混合特性を評価しているが、汎用性を議論するにはデータが不足しており、実験データの蓄積が必要である。

• 混合特性のみならず、混合部の下工程に及ぼす影響も定量的に把握する必要がある。このため、実機での利用を促進し、導入に対する定量的な効果を明らかにする必要がある。

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企業への期待

• 実験データについては、今後とも鋭意、蓄積していく。

• ラインミキサーを導入できる装置やプラントを保有している企業との共同研究を希望。

• また、安価で高効率な乳化装置や造粒装置の開発を検討している企業には、MSEミキサーのエレメント形状や積層条件の最適化を行い、所望の機能が得られる装置を開発するパートナーとして協力したい。

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MSEの更なる発展― 撹拌翼への応用 ―

混合エレメント

A B

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MSEの更なる発展― 撹拌翼への応用 ―

内部循環式連続混合機

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :混合ユニットによる流体の混合方法

• 出願番号 :特願2015-112664• 出願人 :アイセル㈱、山口大学

• 発明者 :望月 昇、佐伯 隆

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産学連携の経歴

• 2011年- アイセル㈱と共同研究実施

• 2012年 池田泉州銀行「平成23年度コンソーシアム助成事業」に採択

• 2013年- アイセル㈱望月事業開発部長が山口大学の博士後期課程へ入学

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お問い合わせ先

山口大学 産学公連携センター

コーディネーター 松崎徳雄

TEL 0836-85 - 9981

FAX 0836-85 - 9962

e-mail matsuzk@yamaguchi-u.ac.jp

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